JP2016180893A - 表面色可変構造体 - Google Patents

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Masaki Umetani
谷 雅 規 梅
刈 久実子 穂
Kumiko Hokari
刈 久実子 穂
多 浩 之 本
Hiroyuki Honda
多 浩 之 本
松 孝 弘 村
Takahiro Muramatsu
松 孝 弘 村
尾 顕太郎 平
Kentaro Hirao
尾 顕太郎 平
木 英 恵 鈴
Hanae Suzuki
木 英 恵 鈴
山 剛 史 米
Takeshi Yoneyama
山 剛 史 米
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Kanako Matsuo
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Abstract

【課題】通常時は汚れが目立たないような表面色を実現すると共に清掃時は汚れが目立つような表面色を実現する反射型表示装置を提供する。【解決手段】少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入され、前記基板間に電界が与えられ表示領域に情報を表示する反射型表示装置で、透明である一方の基板上に形成された透明電極11と、他方の基板上に形成された第1背面電極13及び第2背面電極14を備え、表示領域は第1背面電極13と透明電極11間に電界が与えられ形成される第1表示領域と、第2背面電極14と透明電極11間に電界が与えられ形成される第2表示領域を有し、透明電極11と第1背面電極13間に与えられる電界と、透明電極11と第2背面電極14間に与えられる電界とが異なっている場合、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率の標準偏差が6〜32の範囲になる。【選択図】図1B

Description

本発明は、表面色が可変であるように構成された構造体に関する。
反射型表示装置として、最近、表示媒体に含まれる電気応答性材料として電気泳動体を用いた電気泳動表示装置が広く用いられている。電気泳動表示装置とは、空気中または溶媒中の電気泳動体、通常は電気泳動する粒子、の電気的な泳動、すなわち粒子移動を利用して情報を表示する装置である。通常、2枚の基板間に電界を与えることで電気的な泳動の状態が制御され、それによって所望の表示が実現されるように構成される。電気泳動体としては、荷電粒子の他、荷電粉体をも利用され得る。その場合、当該荷電粉体は気体中を電気的に泳動する。
電気泳動表示装置は、近年では特に、電子ペーパーとしての応用が注目されている。電子ペーパーとして応用する場合には、印刷物レベルの視認性(目にやさしい)、情報書き換えの容易性、低消費電力、軽量といった利点を享受できる。
このような電子ペーパーは、近年、様々な用途に活用されつつある。例えば特許文献1(特開2011−28258号公報)には、床部材、壁部材等の構造体の表面に電子ペーパーが配置された外観可変構造体が開示されている。この外観可変構造体は、外観デザインを自由に変えることができるため、多彩な画像表現によって外観デザインを楽しむことができる。
また、特許文献2(特開2014−174213号公報)には、電子ペーパーの視認側となる表面に木目調や大理石調などの壁と同様のデザインを有する光透過性部材が配置された情報表示媒体が開示されている。この情報表示媒体は、壁に埋め込んだり、壁に掛けたりして利用され、電子ペーパーが表示する情報を、周囲の壁の意匠性ないしデザイン性に同化させることができる。具体的には、「順路」などのサイン表示に、木目調などの意匠性を付加することができる(図12参照)。
特開2011−28258号公報 特開2014−174213号公報
本件発明者は、反射型表示装置を応用した装置として、表面色が可変であるような、壁や床などの構造体の開発に携わってきた。そして、構造体上に付着する汚れに関して、通常時にあっては当該汚れが目立たないような表面色を実現すると共に、清掃時にあっては当該汚れが目立つような表面色を実現することが、極めて有用であるとの知見を得た。
本発明は、このような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、通常時にあっては当該汚れが目立たないような表面色を実現すると共に清掃時にあっては当該汚れが目立つような表面色を実現する表面色可変構造体を提供することにある。
本発明は、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に電界が与えられる際に表示領域に情報を表示する、反射型表示装置であって、透明である一方の基板上に形成された透明電極と、他方の基板上に形成された第1背面電極及び第2背面電極と、
を備え、前記表示領域は、前記第1背面電極と前記透明電極との間に電界が与えられる際に形成されるようになっている第1表示領域と、前記第2背面電極と前記透明電極との間に電界が与えられる際に形成されるようになっている第2表示領域と、を有しており、前記透明電極と前記第1背面電極との間に与えられる電界と、前記透明電極と前記第2背面電極との間に与えられる電界と、が異なっている場合、前記表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲になることを特徴とする反射型表示装置である。
好ましくは、前記透明電極と前記第1背面電極との間に与えられる電界と、前記透明電極と前記第2背面電極との間に与えられる電界と、が異なっている場合、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15〜27の範囲になる。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の外場に応答する応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に外場が与えられる際に表示領域に情報を表示する、反射型表示装置であって、透明である一方の基板の上方に視覚効果層が設けられており、前記視覚効果層は、前記2枚の基板間に、一方の基板から他方の基板に向かう外場、または、他方の基板から一方の基板に向かう外場、が与えられる際に表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲になる、という視覚効果を提供するようになっていることを特徴とする反射型表示装置である。
好ましくは、前記視覚効果層は、前記2枚の基板間に、一方の基板から他方の基板に向かう外場、または、他方の基板から一方の基板に向かう外場、が与えられる際に表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15〜27の範囲になる、という視覚効果を提供するようになっている。
あるいは、本発明は、少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に電界が与えられる際に表示領域に情報を表示する、反射型表示装置であって、透明である一方の基板上に形成された透明電極と、他方の基板上にマトリクス状に配置された薄膜トランジスタ電極と、前記薄膜トランジスタ電極を、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲になる、という態様で駆動する制御部と、を備えたことを特徴とする反射型表示装置である。
好ましくは、前記制御部は、前記薄膜トランジスタ電極を、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15〜27の範囲になる、という態様で駆動するようになっている。
あるいは、本発明は、前記のいずれかの特徴を有する反射型表示装置を備え、前記透明である一方の基板側が表面側に配置されていることを特徴とする表面色可変構造体である。
本発明によれば、通常時にあっては当該汚れが目立たないような表面色を実現すると共に清掃時にあっては当該汚れが目立つような表面色を実現する表面色可変構造体を提供することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態の表面色可変構造体の概略平面図である。 図1Aの表面色可変構造体に採用された反射型表示装置の概略図である。 図1AのC−C線断面図である。 図2(a)は、黒色の汚れと白色の汚れとが付着した図1A乃至図1Cの反射型表示装置の表示領域において、透明電極と第1背面電極及び第2背面電極との間にそれぞれ所定の電界が与えられた状態を示す図であり、図2(b)は、図2(a)の表示領域において、透明電極と第1背面電極及び第2背面電極との間に同一の電界が与えられた状態を示す図であり、図2(c)は、図2(a)の表示領域において、透明電極と第1背面電極及び第2背面電極との間に図2(b)の電界とは逆方向に同一の電界が与えられた状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による表面色可変構造体に採用された反射型表示装置を示す概略図である。 図4(a)は、黒色の汚れと白色の汚れとが付着した図3の反射型表示装置の表示領域おいて、2枚の基板間に所定の外場が与えられた状態を示す図であり、図4(b)は、図4(a)の表示領域において、2枚の基板間に図4(a)の外場とは逆方向の外場が与えられた状態を示す図である。 本発明の第3の実施の形態による表面色可変構造体に採用された反射型表示装置を示す概略図である。 図6(a)は、黒色の汚れと白色の汚れとが付着した図5の反射型表示装置の表示領域おいて、2枚の基板間に所定の電界が与えられた状態を示す図であり、図6(b)は、図6(a)の表示領域において、透明電極と全ての薄膜トランジスタ電極との間に同一の電界が与えられた状態を示す図であり、図6(c)は、図6(a)の表示領域において、透明電極と全ての薄膜トランジスタ電極との間に図6(b)とは逆方向に同一の電界が与えられた状態を示す図である。 図1A乃至図1Cの反射型表示装置の第1背面電極の実施例及び比較例を示す図である。 図8(a)は、図1A乃至図1Cの反射型表示装置の表示領域に表示されたパターンの例を示す図であり、図8(b)は、図8(a)のパターンについて、5mm×5mmの領域毎の平均反射率の評価結果をグレースケールで示した図である。 図7の各のパターンについて、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差を示す図である。 図7の各パターンが表示領域に表示されることにより、当該表示領域に付着した汚れを目立たなくする効果が得られるか否かを評価した結果を示す図表である。 図7に示されたパターンとは異なるパターンの例を示す図である。 順路のサイン表示に、木目調などの意匠性を付加した構成を示す概略図である。
図1B、図3及び図5において、透明電極11、211、311の上面と、第1及び第2背面電極13、14、背面電極213並びにTFT電極313の下面と、にはそれぞれ一方の基板及び他方の基板が設けられているが、それら各基板の図示は省略されている。
図1Aは、本発明の第1の実施の形態の表面色可変構造体100の概略平面図であり、図1Bは、図1Aの表面色可変構造体100に採用された反射型表示装置10の概略図であり、図1Cは、図1AのC−C線断面図である。図1A及び図1Cに示すように、本実施の形態の表面色可変構造体100は、後述される反射型表示装置10と、当該反射型表示装置10の視認側となる表面側に配置された透明な保護層20と、を備えている。保護層20は、本実施の形態の表面色可変構造体100を例えば床部材や壁部材として使用するに当たって、必要とされる強度を当該表面色可変構造体100に提供する機能と、当該表面色可変構造体100を例えば床部材や壁部材として使用した際に、反射型表示装置10に加えられる負荷ないし衝撃を低減させて当該反射型表示装置10の破損を防止する機能と、を担っている。なお、本明細書において、表面側とは、表面色可変構造体100ないし反射型表示装置10の視認側を意味している。
また、図1B及び図1Cに示すように、本実施の形態の反射型表示装置10は、透明である一方の基板17上に形成された透明電極11と、他方の基板18上にそれぞれ所定のパターンで形成された第1背面電極13及び第2背面電極14と、を備えている。
一方の基板17としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透光性フィルムや透光性ガラスに、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の透明電極11を付したものが、典型的に用いられ得る。本実施の形態では、一方の基板17が視認側に配置される構成を例として示しているので、一方の基板17は透明である必要がある。透明電極11は、塗工法や蒸着法等によって形成され得る。本明細書において、一方の基板及び透明電極における「透明」とは、当該一方の基板及び当該透明電極を用いた表面色可変構造体において、後述の表示媒体によって表示される情報が当該表面色可変構造体の視認側となる表面側から当該一方の基板及び当該透明電極越しに視認可能である程度に透き通っていることを言う。
一方の基板17の厚みは、10μm〜2mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、2mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜800μm程度である。
一方の基板17は、ロール状でもシート状でも、どちらでも適用可能である。
他方の基板18としては、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等の外面に後述されるパターンで金属等の導電性材料によって第1背面電極13及び第2背面電極14が形成されたものが用いられ得る。また他方の基板18は、光透過性の基材が用いられても良い。さらに光透過性で不透明な基材であってもよく、第1背面電極13及び第2背面電極14が形成される面とは異なるもう一方の面を粗面化した不透明なガラス基材、樹脂フィルム、樹脂板、ガラス、エポキシガラス(ガラエポ)等が用いられ得る。本実施の形態では、他方の基板18は、視認側と反対側の位置に配置される基板として例示されている。したがって、他方の基板18は透明である必然性はないが、熱膨張など対向する一方の基板17と同じ物性が必要とされる場合は一方の基板17と合わせて透明部材が使用される場合もある。
他方の基板18の厚みは、10μm〜2mmが好適である。10μmよりも薄いと、パネルとしての強度を得ることができず、破損に至る危険度が増す一方、2mmよりも厚いと、パネル重量が重くなり過ぎて取り扱いが不便になるし、コストも高くなるからである。破損しにくく取り扱いが容易である好適な厚みの範囲は、50μm〜800μm程度である。
他方の基板18も、ロール状でもシート状でもどちらでも適用可能である。
本実施の形態では、図1Cに示すように、一方の基板17と他方の基板18とは互いに対向しており、これら2枚の基板間、すなわち透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間、に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体12が封入されていて、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間にそれぞれ所定の電界が与えられる際に表示領域15に後述するような所定の情報を表示するようになっている。
より具体的には、本実施の形態の表示領域15は、第1背面電極13と透明電極11との間に電界が与えられる際に形成されるようになっている第1表示領域と、第2背面電極14と透明電極11との間に電界が与えられる際に形成されるようになっている第2表示領域と、を有している。本実施の形態では、透明電極11と第1背面電極13との間に与えられる電界と、透明電極11と第2背面電極14との間に与えられる電界と、が異なっている場合、表示領域15には、後述される所定の情報が表示されるようになっている。本実施の形態の表示領域15は、一辺が145mmの正方形の領域である。
本実施の形態の表面色可変構造体に使用される表示媒体12としては、反射型液晶、MEMS素子、電子ペーパー素子が採用され得る。電子ペーパー素子の場合、電気泳動方式、回転粒子(ツイストボール)方式、粉流体方式のいずれも採用可能である。また、本実施の形態では、メモリ性を有する表示媒体12が採用されている。すなわち、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間にそれぞれ所定の電界を与え、表示領域15に所定の情報を表示させると、当該所定の電界を除去しても、当該所定の情報の表示がそのまま維持されるようになっている。
本実施の形態の第1背面電極13は、他方の基板18上に、図1Bに黒色で示されているパターンで形成されている。また、本実施の形態の第2背面電極14は、他方の基板18上に、図1Bに白色で示されているパターンで形成されている。すなわち、本実施の形態の第2背面電極14は、他方の基板18上の表示領域15に対応する領域において、第1背面電極13が形成されていない領域に対応するパターンで形成されている。第1背面電極13と第2背面電極14との隙間には不図示の絶縁体が介在しており、当該第1及び第2背面電極13、14の相互間の通電が防止されるようになっている。
なお、第1背面電極13と第2背面電極14とは、絶縁体ないし絶縁層を介して他方の基板18上に積層されていても良い。すなわち、第1背面電極13は、他方の基板18上に配置されており、第2背面電極14は、絶縁層を介して第1背面電極13上に配置されていても良い。
透明電極11、第1背面電極13及び第2背面電極14は、それぞれ電源16に接続されており、各電極に所望の電位、例えば、それぞれ0V、−150V、+150V、が与えられるようになっている。なお、図1Bにおいては、理解を容易にするため、第1背面電極13を黒色、第2背面電極14を白色で示しているが、これらの色には限定されず、透明を含む任意の色であって良い。
本実施の形態では、透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13及び第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられ、第1背面電極13及び第2背面電極14から透明電極11に向かう電場が生成されると、表示媒体12は、視認側となる上方の全面において、白色を呈するようになっている。一方、透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13及び第2背面電極14に−150Vの電位が与えられ、透明電極11から第1背面電極13及び第2背面電極14に向かう電場が生成されると、当該表示媒体12は、視認側となる上方の全面において、黒色を呈するようになっている。
更に、透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられ、透明電極11から第1背面電極13に向かう電場と第2背面電極14から透明電極11に向かう電場とが生成されると、表示媒体12は、透明電極11から第1背面電極13に向かう電場が生成された領域に対応する第1表示領域においては、視認側となる上方に黒色を呈し、第2背面電極14から透明電極11に向かう電場が生成された領域に対応する第2表示領域においては、視認側となる上方に白色を呈するようになっている。一方、透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に+150Vの電位が、第2背面電極14に−150Vの電位が、それぞれ与えられ、第1背面電極13から透明電極11に向かう電場と透明電極11から第2背面電極14に向かう電場とが生成されると、表示媒体12は、第1背面電極13から透明電極11に向かう電場が生成された領域に対応する第1表示領域においては、視認側となる上方に白色を呈し、透明電極11から第2背面電極14に向かう電場が生成された領域に対応する第2表示領域においては、視認側となる上方に黒色を呈するようになっている。すなわち、本実施の形態の表示媒体12は、表示領域15のうち、第1背面電極13及び第2背面電極14の側から透明電極11の側に向かう電場が生成された領域に対応する領域において、当該表示領域15に白色を表示させ、一方、透明電極11の側から第1背面電極13及び第2背面電極14の側に向かう電場が生成された領域に対応する領域において、当該表示領域15に黒色を表示させるようになっている。
次に、図2を参照して、本実施の形態の作用について説明する。
図2(a)は、黒色の汚れ30aと白色の汚れ30bとが付着した図1A乃至図1Cの反射型表示装置10の表示領域15において、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間にそれぞれ所定の電界が与えられた状態を示す図であり、図2(b)は、図2(a)の表示領域15において、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間に同一の電界が与えられた状態を示す図であり、図2(c)は、図2(a)の表示領域15において、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間に図2(b)の電界とは逆方向に同一の電界が与えられた状態を示す図である。
ここでは、表面色可変構造体が表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果を検証するため、当該表示領域15に、予め、黒色の汚れ30aとして毛髪を、及び、白色の汚れ30bとして埃を、付着させておいた。
まず、本実施の形態の反射型表示装置10の透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられた(図1B参照)。これにより、表示媒体12の第1背面電極13に対応する領域の視認側となる上方が黒色を呈し、及び、第2背面電極14に対応する領域の上方が白色を呈して、表示領域15には、図2(a)に示すような白色及び黒色の2色のパターンが表示された。後に詳述されるが、この時の表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差は、15であった。
本明細書において、表示領域の5mm×5mmの領域毎の「平均反射率」とは、反射型表示装置の表示領域の全面を5mm×5mmの正方形の領域により隙間無く分割し、当該領域毎の反射率を全て平均化した値を意味している。なお、表示領域の外周が曲線で形成されている場合など、当該表示領域の全面を5mm×5mmの正方形の領域により隙間無く分割することができない場合には、いずれの領域にも含まれない余りの領域の反射率は、算入されない。また、平均反射率の評価には、公知の画像処理ソフトが使用され得る。評価手順は、まず、表示領域の5mm×5mmの領域の明るさが平均化処理され、次に、当該平均化処理された明るさが、白を最大値100%、黒を最小値0%として、比率で表される。
その後、各電極への電位の提供が停止され、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間の電界が除去された。前述の通り、表示媒体12はメモリ性を有しているため、表示領域15における前記パターンの表示は維持された。
そして、この状態で、表示領域15に付着させておいた黒色の汚れ30a及び白色の汚れ30bを観察した結果、図2(a)に示すように、いずれの汚れもほとんど目立たなかったため、本実施の形態の表面色可変構造体は汚れを目立たなくする効果が高い、ということが確認された。すなわち、本実施の形態の表面色可変構造体を例えば床部材として使用すれば、床に付着した毛髪などの黒色の汚れも、埃などの白色の汚れも、ほとんど目立たなくすることができる。
しかしながら、床を清掃する場合には、床に付着した汚れが目立たないままでは当該汚れを除去しにくい、あるいは、当該汚れが発見されずに残されてしまう、という問題が生じる。このような問題を回避するため、例えば、清掃時に、透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に+150Vの電位が、及び、第2背面電極14にも+150Vの電位が、それぞれ与えられた。すると、表示媒体12の視認側となる上方の全面が白色を呈して表示領域15の全面が白色の表示に切り替わったため、図2(b)に示すように、黒色の汚れ30aが目立つようになった。これにより、毛髪などの黒色の汚れ30aを確実に発見し除去することができた。なお、表示領域15の全面が白色の表示に切り替わった際に、各電極への電位の提供が停止されたが、前述の通り、表示媒体12はメモリ性を有しているため、表示領域15の全面の白色の表示は、維持された。
一方、本実施の形態の表面色可変構造体は、埃などの白色の汚れをも目立たせることができる。すなわち、清掃時に、透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14にも−150Vの電位が、それぞれ与えられた。すると、表示媒体12の視認側となる上方の全面が黒色を呈して表示領域15の全面が黒色の表示に切り替わったため、図2(c)に示すように、白色の汚れ30bが目立つようになった。これにより、埃などの白色の汚れ30bを確実に発見し除去することができた。この場合も、表示領域15の全面が黒色の表示に切り替わった際に、各電極への電位の提供が停止されたが、前述の通り、表示媒体12はメモリ性を有しているため、表示領域15の全面の黒色の表示は維持された。
本実施の形態によれば、通常時にあっては、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間にそれぞれ所定の電界を与えることによって表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15となることにより、視認側となる透明である一方の基板17側に付着する汚れを目立たなくすることを実現できる。清掃時にあっては、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間に同一の電界を与えることにより、汚れが目立つような表面色を実現できる。
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図3は、本発明の第2の実施の形態による表面色可変構造体に採用された反射型表示装置210を示す概略図である。本実施の形態の表面色可変構造体も、全体として第1の実施の形態の表面色可変構造体100と同様の構造を有している。但し、後述されるように、背面電極213の構造が第1の実施の形態とは異なっており、及び、第1の実施の形態には無い視覚効果層としての絵柄フィルム217が新たに設けられている。
本実施の形態の反射型表示装置210は、図3に示すように、透明である一方の基板上に形成された透明電極211と、他方の基板上に形成された背面電極213と、を備えている。透明電極211は一方の基板における表示領域215に対応する領域の全面に形成されており、背面電極213は他方の基板における表示領域215に対応する領域の全面に形成されている。また、透明電極211及び背面電極213は、それぞれ電源216に接続されており、各電極には所望の電位、例えば、それぞれ0V及び+150V、が与えられるようになっている。
本実施の形態では、第1の実施の形態の表面色可変構造体100(図2(c)参照)と同様に、一方の基板と他方の基板とは互いに対向しており、図3に示すように、これら2枚の基板間、より具体的には一方の基板上に形成された透明電極211と他方の基板上に形成された背面電極213との間、に少なくとも1種以上の外場に応答する応答性材料を含む表示媒体212が封入されていて、2枚の基板間に所定の外場が与えられる際に後述するような所定の情報を表示するようになっている。本実施の形態の表示領域215も、一辺が145mmの正方形の領域である。
本明細書において、「外場」とは、表示媒体に物理的な作用を及ぼす空間を生じさせる物理量を意味しており、電場(電界)、磁場(磁界)、温度の場等を含んでいる。また、2枚の基板間に「所定の外場が与えられる」とは、当該2枚の基板間に電場、磁場、温度の場等の外場が与えられること、すなわち、当該2枚の基板間において、表示媒体に物理的な作用を及ぼす空間が生じさせられること、を意味している。また、2枚の基板間に「逆方向の外場」が与えられるとは、当該2枚の基板間に、初期に与えられていた外場の向きに対して逆向きの外場が与えられることを意味している。例えば一方の基板から他方の基板に向かって電場ないし磁場が生成されていた場合、当該2枚の基板間に「逆方向の外場」が与えられるとは、他方の基板から一方の基板に向かって電場ないし磁場が生成されることを意味する。あるいは、例えば一方の基板から他方の基板に向かって高温から低温になるような温度の場としての温度勾配が生成されていた場合、当該2枚の基板間に「逆方向の外場」が与えられるとは、他方の基板から一方の基板に向かって高温から低温になるような温度勾配が生成されることを意味する。
なお、本実施の形態では、表示媒体212として電界に応答する応答性材料が封入されたものが採用されたが、これに限定されず、磁界や熱による外場に応答する各種の応答性材料が封入されたものも採用され得る。また、表示媒体12の方式としては、電気泳動方式に限られず、回転粒子(ツイストボール)方式も好適に採用され得る。
また、本実施の形態では、図3に示すように、透明である一方の基板の視認側となる上方には、視覚効果層として、透明なフィルムに黒色のパターンが形成された絵柄フィルム217が設けられている。すなわち、図3に示されている絵柄フィルム217は、黒色の領域が黒色であり、白色の領域が透明である。この絵柄の黒色の領域は第1の実施の形態の第1背面電極13のパターンと同一のパターンを有しており、透明な領域は第1の実施の形態の第2背面電極14のパターンと同一のパターンを有している。
本明細書において、視覚効果層の「層」とは、本実施の形態の反射型表示装置210の一方の基板の外面に重なり得るものを意味し、前記絵柄フィルム217等の薄膜や薄板状の形態に限定されず、厚みのある板状の形態を含んでいる。また、当該視覚効果層の材質は限定されず、樹脂やガラス等の適宜の材料が採用され得る。
本実施の形態においても、透明電極211に0Vの電位が、背面電極213に+150Vの電位が、それぞれ与えられ、背面電極213から透明電極211に向かう電場が生成されると、反射型表示装置210に採用されている表示媒体212は、視認側となる上方の全面において、白色を呈するようになっている。また、透明電極211に0Vの電位が、背面電極213に−150Vの電位が、それぞれ与えられ、透明電極211から背面電極213に向かう電場が生成されると、当該表示媒体212は、視認側となる上方の全面において、黒色を呈するようになっている。すなわち、本実施の形態の表示媒体212は、背面電極213から透明電極211に向かう電場に応答して表示領域215に図2(a)と同様の白色及び黒色の2色のパターンを表示し、一方、透明電極211から背面電極213に向かう電場に応答して表示領域215の全面に黒色を表示するようになっている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
次に、図4を参照して、本実施の形態の作用について説明する。
図4(a)は、黒色の汚れ230aと白色の汚れ230bとが付着した図3の反射型表示装置210の表示領域215おいて、2枚の基板間に所定の外場が与えられた状態を示す図であり、図4(b)は、図4(a)の表示領域215において、2枚の基板間に図4(a)の外場とは逆方向の外場が与えられた状態を示す図である。
表面色可変構造体が表示領域215に付着した汚れを目立たなくする効果を検証するため、ここでも、当該表示領域215に、予め、黒色の汚れ230aとして毛髪を、及び、白色の汚れ230bとして埃を、付着させておいた。
まず、本実施の形態の反射型表示装置210の透明電極211に0Vの電位が、背面電極213に+150Vの電位が、それぞれ与えられた(図3参照)。これにより、表示媒体212の視認側となる上方の全面が白色を呈して、表示領域215には、図4(a)に示すように、図2(a)と同様の白色及び黒色の2色のパターンが表示された。この時の表示領域215の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差は、第1の実施の形態と同様に15であった。
その後、各電極への電位の提供が停止され、透明電極211と背面電極213との間の電界が除去されたが、第1の実施の形態と同様に表示媒体212はメモリ性を有しているため、表示領域215における前記パターンの表示は維持された。
そして、この状態で、表示領域215に付着させておいた黒色の汚れ230a及び白色の汚れ230bを観察した結果、図4(a)に示すように、いずれの汚れもほとんど目立たなかったため、本実施の形態の表面色可変構造体は汚れを目立たなくする効果が高い、ということが確認された。すなわち、本実施の形態の表面色可変構造体を例えば床部材として使用すれば、床に付着した毛髪などの黒色の汚れも、埃などの白色の汚れも、ほとんど目立たなくすることができる。
そして、清掃時に、透明電極211に0Vの電位が、背面電極213に−150Vの電位が、それぞれ与えられた。すると、表示媒体212の視認側となる上方の全面が黒色を呈して表示領域215の全面が黒色の表示に切り替わったため、図4(b)に示すように、白色の汚れ230bが目立つようになった。これにより、埃などの白色の汚れ230bを確実に発見し除去することができた。この場合も、表示領域215の全面が黒色の表示に切り替わると、各電極への電位の提供が停止されたが、前述の通り、表示媒体212はメモリ性を有しているため、表示領域215の全面の黒色の表示は維持された。
本実施の形態の表面色可変構造体は、第1の実施の形態の表面色可変構造体とは異なり、表示領域215の全面を白色の表示とすることができない。このため、埃などの白色の汚れが多い環境で使用されることが好ましい。
本実施の形態によれば、通常時にあっては、2枚の基板間に所定の外場を与えることによって表示領域215の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15となることにより、視認側となる透明である一方の基板側に付着する汚れを目立たなくすることを実現できる。清掃時にあっては、例えば2枚の基板間に前記所定の外場とは逆方向の外場を与えることにより、汚れが目立つような表面色を実現できる。
なお、本実施の形態の表面色可変構造体を、毛髪などの黒色の汚れが多い環境で使用する場合には、当該表面色可変構造体に採用される反射型表示装置210の絵柄フィルムとして、図3の絵柄フィルム217の黒色のパターンを白色のパターンに変更したフィルムを用いることが好ましい。すなわち、この場合の絵柄フィルムは、図3の絵柄フィルム217の黒色の領域が白色であり、白色の領域が透明である。
このような図3の絵柄フィルム217の黒色のパターンを白色のパターンに変更したフィルムを用いた反射型表示装置210の透明電極211に0Vの電位が、背面電極213に−150Vの電位が、それぞれ与えられると、表示媒体212の視認側となる上方の全面が黒色を呈したため、表示領域215には、図4(a)に示されているパターンにおいて白色と黒色とが反転したパターンが表示された。ここでも、表示領域215に、予め、黒色の汚れとして毛髪が、及び、白色の汚れとして埃が、付着させられていたが、当該表示領域215に前記パターンを表示させた状態では、黒色の汚れも白色の汚れもほとんど目立たなかった。すなわち、当該表面色可変構造体も汚れを目立たなくする効果が高い、ということが確認された。
そして、清掃時に、透明電極211に0Vの電位が、背面電極213に+150Vの電位が、それぞれ与えられると、表示媒体212の視認側となる上方の全面が白色を呈して表示領域215の全面が白色の表示に切り替わったため、毛髪などの黒色の汚れが目立つようになった。これにより、毛髪などの黒色の汚れを確実に発見し除去することができた。
次に、図5を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。
図5は、本発明の第3の実施の形態による表面色可変構造体に採用された反射型表示装置310を示す概略図である。本実施の形態の表面色可変構造体も、全体として第1の実施の形態の表面色可変構造体100と同様の構造を有している。但し、他方の基板上には、第1背面電極13及び第2背面電極14に代えて、図5に示すように、マトリクス状に配置された薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」と言う)電極313が形成されている。なお、TFT電極313は、複数の画素電極がマトリクス状に配置されて構成されているものの、図5においては、個々の画素電極の図示は省略されている。更に、図5は、TFT電極313が後述の制御部318によって駆動されている状態を示しており、その説明の便宜のため、当該TFT電極313が白色及び黒色に色分けされている。すなわち、図5において、黒色で示されている領域に存在する画素電極には−150Vの電位が、白色で示されている領域に存在する画素電極には+150Vの電位が、それぞれ与えられている。
本実施の形態では、第1の実施の形態の表面色可変構造体100(図2(c)参照)と同様に一方の基板と他方の基板とは互いに対向しており、図5に示すように、これら2枚の基板間、より具体的には一方の基板上に形成された透明電極311と他方の基板上に形成されたTFT電極313との間、に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体312が封入されていて、2枚の基板間に所定の電界が与えられる際に表示領域315に後述するような所定の情報を表示するようになっている。本実施の形態の表示領域315も、一辺が145mmの正方形の領域である。
本実施の形態では、電源316とTFT電極313との間に制御部318が設けられている。当該制御部318には、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲になる、という画像データが予め登録されている。更に、本実施の形態の制御部318は、当該画像データを表示領域315に適切に表示させるべく、TFT電極313を構成する画素電極毎に対応する画像データの一部を割り当て、及び、割り当てたデータに応じて当該各画素電極に与える電位を制御するようになっている。これにより、本実施の形態の制御部318は、TFT電極313と透明電極311との間に前記画像データに対応する電界を生じさせて、表示領域315に画像を表示させるようになっている。表示媒体12としては、電気泳動方式に限られず、回転粒子(ツイストボール)方式も好適に採用され得る。
本実施の形態においても、透明電極311に0Vの電位が、TFT電極313の全ての画素電極に+150Vの電位が、それぞれ与えられ、TFT電極313から透明電極311に向かう電場が生成されると、反射型表示装置310に採用されている表示媒体312は、視認側となる上方の全面において、白色を呈するようになっている。また、透明電極311に0Vの電位が、TFT電極313の全ての画素電極に−150Vの電位が、それぞれ与えられ、透明電極311からTFT電極313に向かう電場が生成されると、当該表示媒体312は、視認側となる上方の全面において、黒色を呈するようになっている。
更に、透明電極311に0Vの電位が、TFT電極313の特定の画素電極に+150Vの電位が、TFT電極313の残りの画素電極に−150Vの電位が、それぞれ与えられ、+150Vの電位が与えられた画素電極から透明電極311に向かう電場と透明電極311から−150Vの電位が与えられた画素電極に向かう電場とが生成されると、表示媒体312は、+150Vの電位が与えられた画素電極から透明電極311に向かう電場が生成された領域に対応する領域においては、視認側となる上方に白色を呈し、透明電極311から−150Vの電位が与えられた画素電極に向かう電場が生成された領域に対応する領域においては、視認側となる上方に黒色を呈するようになっている。
すなわち、本実施の形態の表示媒体312は、表示領域315のうち、+150Vの電位が与えられた画素電極から透明電極311に向かう電場が生成された領域に対応する領域において、当該表示領域315に白色を表示させ、一方、透明電極311から−150Vの電位が与えられた画素電極に向かう電場が生成された領域に対応する領域において、当該表示領域315に黒色を表示させるようになっている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
次に、図6を参照して、本実施の形態の作用について説明する。
図6(a)は、黒色の汚れ330aと白色の汚れ330bとが付着した図5の反射型表示装置310の表示領域315おいて、2枚の基板間に所定の電界が与えられた状態を示す図であり、図6(b)は、図6(a)の表示領域315において、透明電極311と全てのTFT電極313との間に同一の電界が与えられた状態を示す図であり、図6(c)は、図6(a)の表示領域315において、透明電極311と全てのTFT電極313との間に図6(b)とは逆方向に同一の電界が与えられた状態を示す図である。
表面色可変構造体が表示領域315に付着した汚れを目立たなくする効果を検証するため、ここでも、当該表示領域315に、予め、黒色の汚れ330aとして毛髪を、及び、白色の汚れ330bとして埃を、付着させておいた。
まず、本実施の形態の反射型表示装置310の透明電極311に、0Vの電位が与えられた。更に、制御部318によって、図5において他方の基板上に黒色で示されている領域に存在するTFT電極313の全てに−150Vの電位が与えられ、図5において他方の基板上に白色で示されている領域に存在するTFT電極313の全てに+150Vの電位が与えられた。これにより、表示媒体312の−150Vの電位が与えられたTFT電極313に対応する領域の視認側となる上方が黒色を呈し、+150Vの電位が与えられたTFT電極313に対応する領域の上方が白色を呈して、表示領域315には、図6(a)に示すように、第1の実施の形態と同様の白色及び黒色の2色のパターンが表示された。この時の表示領域315の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差は、第1の実施の形態と同様に15であった。
その後、各電極への電位の提供が停止され、透明電極311とTFT電極313との間の電界が除去されたが、第1の実施の形態と同様に表示媒体312はメモリ性を有しているため、表示領域315における前記パターンの表示は維持された。
そして、この状態で、表示領域315に付着させておいた黒色の汚れ330a及び白色の汚れ330bを観察した結果、図6(a)に示すように、いずれの汚れもほとんど目立たなかったため、本実施の形態の表面色可変構造体は汚れを目立たなくする効果が高い、ということが確認された。すなわち、本実施の形態の表面色可変構造体を例えば床部材として使用すれば、床に付着した毛髪などの黒色の汚れも、埃などの白色の汚れも、ほとんど目立たなくすることができる。
そして、清掃時に、透明電極311に0Vの電位が、TFT電極313の全てに+150Vの電位が、それぞれ与えられた。すると、表示媒体312の視認側となる上方の全面が白色を呈して表示領域315の全面が白色の表示に切り替わったため、図6(b)に示すように、黒色の汚れ330aが目立つようになった。これにより、毛髪などの黒色の汚れ330aを確実に発見し除去することができた。この場合も、表示領域315の全面が白色の表示に切り替わると、各電極への電位の提供が停止されたが、前述の通り、表示媒体312はメモリ性を有しているため、表示領域315の全面の白色の表示は維持された。
そして、透明電極311に0Vの電位が、TFT電極313の全てに−150Vの電位が、それぞれ与えられると、今度は、表示媒体312の上方の全面が黒色を呈して表示領域315の全面が黒色の表示に切り替わったため、図6(c)に示すように、白色の汚れ330bが目立つようになった。これにより、埃などの白色の汚れ330bを確実に発見し除去することができた。この場合も、表示領域315全面が黒色の表示に切り替わると、各電極への電位の提供が停止されたが、前述の通り、表示媒体312はメモリ性を有しているため、表示領域315の全面の黒色の表示は維持された。
本実施の形態によれば、通常時にあっては、制御部318が、TFT電極313を、表示領域315の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15になる、というパターンで駆動することにより、視認側となる透明である一方の基板側に付着する汚れを目立たなくすることを実現できる。清掃時にあっては、制御部318が、透明電極311と全てのTFT電極313との間に同一の電界を与えることにより、汚れが目立つような表面色を実現できる。
<表面色可変構造体の実施例及び比較例>
以上の各実施の形態では、表示領域15、215、315の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15である、というパターンが採用されたが、ここで、当該表示領域15、215、315に付着する汚れを目立たなくする効果をもたらす平均反射率についての標準偏差の範囲を特定するために、第1の実施の形態の表面色可変構造体を用いて、図7に示される7つのパターンが評価された。図7は、図1A乃至図1Cの反射型表示装置の第1背面電極13の実施例及び比較例を示す図である。
以下、図7を参照して、S1〜S7に対応する各パターンが表示領域15に表示されることにより、当該表示領域15に付着する汚れを目立たなくする効果が得られるか否かについて説明する。
<比較例1>
一方の基板として150mm×150mm×厚さ0.125mmのPETフィルム(東洋紡製A4100)の一方の面に透明電極として厚さ0.2μmの酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜が設けられた基板が用意された。透明電極は、スパッタリング、真空蒸着法、CVD法などの一般的な成膜方法によって形成され、酸化インジウムスズ(ITO)の他に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等によっても形成され得る。
他方の基板としては、150mm×150mm×厚さ0.7mmの無アルカリガラス(日本電気硝子製OA−10G)が用意された。
他方の基板上に、第1背面電極13として、Cu電極が図7のS1の黒色で示されているパターンで形成され、及び、第2背面電極14として、Cu電極が図7のS1の白色で示されているパターンで形成された。第1及び第2背面電極13、14は、一般的なエッチング法によって形成された。また、第1背面電極13と第2背面電極14との境界には、当該第1及び第2背面電極13、14の相互間の通電を防止するために、絶縁体が配置された。
表示媒体12としては、メモリ性を有する公知のものが用意された。
そして、一方の基板、表示媒体12及び他方の基板が公知の方法によって積層され、反射型表示装置10が形成された。更に、当該反射型表示装置10の視認側となる表面側には、透明な保護層20が配置されて表面色可変構造体100が作製された。
そして、本比較例の表面色可変構造体が表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果を検証するため、当該表示領域15に、予め、黒色の汚れとして毛髪を、及び、白色の汚れとして埃を、付着させておいた。
そして、透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられた。これにより、表示媒体12の第1背面電極13に対応する領域の視認側となる上方が黒色を呈し、及び、第2背面電極14に対応する領域の上方が白色を呈して、表示領域15に、図7のS1に示すような白色及び黒色の2色のパターンが表示された。その後、各電極への電位の提供が停止され、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間の電界が除去されたが、表示媒体12はメモリ性を有しているため、パターンの表示が維持された。
そして、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差の評価に先立ち、当該表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率が評価された。この評価について、図8を用いて説明する。図8(a)は、図1A乃至図1Cの反射型表示装置10の表示領域15に表示されたパターンの例を示す図であり、図8(b)は、図8(a)のパターンについて、5mm×5mmの領域毎の平均反射率の評価結果をグレースケールで示した図である。図8(b)において、白色の領域は反射率100%の領域を示しており、黒色の領域は反射率0%の領域を示しており、色が濃い領域、つまり、より黒い領域が、より低い反射率を示している。
この平均反射率の評価結果に基づいて、本比較例の表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が評価された結果、その値は2であった。
そして、表示領域15に図7のS1に示すパターンを表示させた状態で、当該表示領域15に付着させておいた黒色の汚れとしての毛髪及び白色の汚れとしての埃を観察した結果、いずれの汚れも目立っていた。すなわち、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が2であるというパターンは、当該表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果が高くないということが認められた。
<実施例1>
他方の基板上に、第1背面電極13として、Cu電極が図7のS2の黒色で示されているパターンで形成され、及び、第2背面電極14として、Cu電極が図7のS2の白色で示されているパターンで形成された。第1及び第2背面電極13、14は、比較例1と同様に、一般的なエッチング法によって形成された。また、第1背面電極13と第2背面電極14との境界には、当該第1及び第2背面電極13、14の相互間の通電を防止するために、絶縁体が配置された。
その他については比較例1と同様にして、表面色可変構造体が作製された。
そして、本実施例においても、比較例1と同様の趣旨で、表示領域15に、予め、黒色の汚れとして毛髪を、及び、白色の汚れとして埃を、付着させておいた。
このようにして得られた表面色可変構造体の透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられて、表示領域15に、図7のS2に示すような白色及び黒色の2色のパターンが表示された。
比較例1と同様にして、当該パターンが表示された表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が評価された結果、その値は6であった。
そして、表示領域15に図7のS2に示すパターンを表示させた状態で、当該表示領域15に付着させておいた黒色の汚れとしての毛髪及び白色の汚れとしての埃を観察した結果、いずれの汚れも目立ちにくくなっていた。すなわち、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6であるというパターンは、当該表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果が高いということが認められた。
<実施例2>
他方の基板上に、第1背面電極13として、Cu電極が図7のS3の黒色で示されているパターンで形成され、及び、第2背面電極14として、Cu電極が図7のS3の白色で示されているパターンで形成された。第1及び第2背面電極13、14は、比較例1と同様に、一般的なエッチング法によって形成された。また、第1背面電極13と第2背面電極14との境界には、当該第1及び第2背面電極13、14の相互間の通電を防止するために、絶縁体が配置された。
その他については比較例1と同様にして、表面色可変構造体が作製された。
そして、本実施例においても、比較例1と同様の趣旨で、表示領域15に、予め、黒色の汚れとして毛髪を、及び、白色の汚れとして埃を、付着させておいた。
このようにして得られた表面色可変構造体の透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられて、表示領域15に、図7のS3に示すような白色及び黒色の2色のパターンが表示された。
比較例1と同様にして、当該パターンが表示された表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が評価された結果、その値は15であった。
そして、表示領域15に図7のS3に示すパターンを表示させた状態で、当該表示領域15に付着させておいた黒色の汚れとしての毛髪及び白色の汚れとしての埃を観察した結果、いずれの汚れも、非常に目立ちにくくなっていた。すなわち、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15であるというパターンは、当該表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果が非常に高いということが認められた。
<実施例3>
他方の基板上に、第1背面電極13として、Cu電極が図7のS4の黒色で示されているパターンで形成され、及び、第2背面電極14として、Cu電極が図7のS4の白色で示されているパターンで形成された。第1及び第2背面電極13、14は、比較例1と同様に、一般的なエッチング法によって形成された。また、第1背面電極13と第2背面電極14との境界には、当該第1及び第2背面電極13、14の相互間の通電を防止するために、絶縁体が配置された。
その他については比較例1と同様にして、表面色可変構造体が作製された。
そして、本実施例においても、比較例1と同様の趣旨で、表示領域15に、予め、黒色の汚れとして毛髪を、及び、白色の汚れとして埃を、付着させておいた。
このようにして得られた表面色可変構造体の透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられて、表示領域15に、図7のS4に示すような白色及び黒色の2色のパターンが表示された。
比較例1と同様にして、当該パターンが表示された表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が評価された結果、その値は21であった。
本実施例において、表示領域15に図7のS4に示すパターンを表示させた状態で、当該表示領域15に付着させておいた黒色の汚れとしての毛髪及び白色の汚れとしての埃を観察した結果、実施例2と同様に、いずれの汚れも非常に目立ちにくくなっていた。すなわち、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が21であるというパターンは、当該表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果が非常に高いということが認められた。
<実施例4>
他方の基板上に、第1背面電極13として、Cu電極が図7のS5の黒色で示されているパターンで形成され、及び、第2背面電極14として、Cu電極が図7のS5の白色で示されているパターンで形成された。第1及び第2背面電極13、14は、比較例1と同様に、一般的なエッチング法によって形成された。また、第1背面電極13と第2背面電極14との境界には、当該第1及び第2背面電極13、14の相互間の通電を防止するために、絶縁体が配置された。
その他については比較例1と同様にして、表面色可変構造体が作製された。
そして、本実施例においても、比較例1と同様の趣旨で、表示領域15に、予め、黒色の汚れとして毛髪を、及び、白色の汚れとして埃を、付着させておいた。
このようにして得られた表面色可変構造体の透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられて、表示領域15に、図7のS5に示すような白色及び黒色の2色のパターンが表示された。
比較例1と同様にして、当該パターンが表示された表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が評価された結果、その値は27であった。
そして、表示領域15に図7のS5に示すパターンを表示させた状態で、当該表示領域15に付着させておいた黒色の汚れとしての毛髪及び白色の汚れとしての埃を観察した結果、実施例1及び2と同様に、いずれの汚れも非常に目立ちにくくなっていた。すなわち、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が27であるというパターンは、当該表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果が非常に高いということが認められた。
<実施例5>
他方の基板上に、第1背面電極13として、Cu電極が図7のS6の黒色で示されているパターンで形成され、及び、第2背面電極14として、Cu電極が図7のS6の白色で示されているパターンで形成された。第1及び第2背面電極13、14は、比較例1と同様に、一般的なエッチング法によって形成された。また、第1背面電極13と第2背面電極14との境界には、当該第1及び第2背面電極13、14の相互間の通電を防止するために、絶縁体が配置された。
その他については、比較例1と同様にして、表面色可変構造体が作製された。
そして、本実施例においても、比較例1と同様の趣旨で、表示領域15に、予め、黒色の汚れとして毛髪を、及び白色の汚れとして埃を、付着させておいた。
このようにして得られた表面色可変構造体の透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられて、表示領域15に、図7のS6に示すような白色及び黒色の2色のパターンが表示された。
比較例1と同様にして、当該パターンが表示された表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が評価された結果、その値は32であった。
そして、表示領域15に図7のS6に示すパターンを表示させた状態で、当該表示領域15に付着させておいた黒色の汚れとしての毛髪及び白色の汚れとしての埃を観察した結果、実施例2乃至4には及ばないものの、いずれの汚れも目立ちにくくなっていた。すなわち、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が32であるというパターンは、当該表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果が高いということが認められた。
<比較例2>
他方の基板上に第1背面電極13として、Cu電極が図7のS7の黒色で示されているパターンで形成され、及び、第2背面電極14として、Cu電極が図7のS7の白色で示されているパターンで形成された。第1及び第2背面電極13、14のパターンは、比較例1と同様に、一般的なエッチング法によって形成された。また、第1背面電極13と第2背面電極14との境界には、当該第1及び第2背面電極13、14の相互間の通電を防止するために、絶縁体が配置された。
その他については比較例1と同様にして、表面色可変構造体が作製された。
そして、本比較例においても、比較例1と同様の趣旨で、表示領域15に、予め、黒色の汚れとして毛髪を、及び、白色の汚れとして埃を、付着させておいた。
このようにして得られた表面色可変構造体の透明電極11に0Vの電位が、第1背面電極13に−150Vの電位が、及び、第2背面電極14に+150Vの電位が、それぞれ与えられて、表示領域15に、図7のS7に示すような白色及び黒色の2色のパターンが表示された。
比較例1と同様にして、当該パターンが表示された表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が評価された結果、その値は38であった。
そして、表示領域15に図7のS7に示すパターンを表示させた状態で、当該表示領域15に付着させておいた黒色の汚れとしての毛髪及び白色の汚れとしての埃を観察した結果、いずれの汚れも目立っていた。すなわち、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が38であるというパターンは、当該表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果が高くないということが認められた。
以上の比較例及び実施例に対する評価結果は、図9及び図10に纏めて示されている。図9は、図7の各パターンについて、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差を示す図であり、図10は、図7の各パターンが表示領域15に表示されることにより、当該表示領域15に付着した汚れを目立たなくする効果が得られるか否かを評価した結果を示す図表である。図10において、×印は、汚れを目立たなくする効果が高くないことを示しており、○印は、汚れを目立たなくする効果が高いことを示しており、及び、◎印は、汚れを目立たなくする効果が非常に高いことを示している。
以上の比較例及び実施例に対する評価結果によれば、通常時にあっては、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間にそれぞれ所定の電界を与えることによって表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲となることにより、透明である一方の視認側となる基板側に付着する汚れを目立たなくすることを実現できる。
好ましくは、前記所定のパターンは、透明電極11と第1背面電極13及び第2背面電極14との間にそれぞれ所定の電界が与えられる際に表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15〜27の範囲になる、というパターンである。この場合、通常時にあっては、表示領域15に付着する汚れがより一層目立たないような表面色を実現することができる。
なお、図11(a)乃至図11(c)は、図7に示されたパターンとは異なるパターンの例を示す図である。
図11(a)は、幅190mm×高さ150mmの長方形の表示領域に表示されたパターンであり、5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差は13である。
また、図11(b)は、幅150mm×高さ150mmの正方形の表示領域に表示されたパターンであり、5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差は32である。
また、図11(c)は、幅160mm×高さ160mmの正方形の表示領域に表示されたパターンであり、5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差は32である。
各パターンは、表示領域15の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲となる、というパターンであるため、いずれも、本発明の表面色可変構造体の表示領域に表示されるパターンとして採用され得る。
10 反射型表示装置
11 透明電極
12 表示媒体
13 第1背面電極
14 第2背面電極
15 表示領域
16 電源
17 一方の基板
18 他方の基板
20 保護層
30a 黒い汚れ
30b 白い汚れ
210 反射型表示装置
211 透明電極
212 表示媒体
213 背面電極
215 表示領域
216 電源
217 絵柄フィルム
230a 黒い汚れ
230b 白い汚れ
310 反射型表示装置
311 透明電極
312 表示媒体
313 TFT電極
315 表示領域
316 電源
318 制御部
330a 黒い汚れ
330b 白い汚れ

Claims (7)

  1. 少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に電界が与えられる際に表示領域に情報を表示する、反射型表示装置であって、
    透明である一方の基板上に形成された透明電極と、
    他方の基板上に形成された第1背面電極及び第2背面電極と、
    を備え、
    前記表示領域は、前記第1背面電極と前記透明電極との間に電界が与えられる際に形成されるようになっている第1表示領域と、前記第2背面電極と前記透明電極との間に電界が与えられる際に形成されるようになっている第2表示領域と、を有しており、
    前記透明電極と前記第1背面電極との間に与えられる電界と、前記透明電極と前記第2背面電極との間に与えられる電界と、が異なっている場合、前記表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲になることを特徴とする反射型表示装置。
  2. 前記透明電極と前記第1背面電極との間に与えられる電界と、前記透明電極と前記第2背面電極との間に与えられる電界と、が異なっている場合、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15〜27の範囲になる
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型表示装置。
  3. 少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の外場に応答する応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に外場が与えられる際に表示領域に情報を表示する、反射型表示装置であって、
    透明である一方の基板の上方に視覚効果層が設けられており、
    前記視覚効果層は、前記2枚の基板間に、一方の基板から他方の基板に向かう外場、または、他方の基板から一方の基板に向かう外場、が与えられる際に表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲になる、という視覚効果を提供するようになっている
    ことを特徴とする反射型表示装置。
  4. 前記視覚効果層は、前記2枚の基板間に、一方の基板から他方の基板に向かう外場、または、他方の基板から一方の基板に向かう外場、が与えられる際に表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15〜27の範囲になる、という視覚効果を提供するようになっている
    ことを特徴とする請求項3に記載の反射型表示装置。
  5. 少なくとも一方が透明である対向する2枚の基板間に少なくとも1種以上の電気応答性材料を含む表示媒体が封入されていて、前記2枚の基板間に電界が与えられる際に表示領域に情報を表示する、反射型表示装置であって、
    透明である一方の基板上に形成された透明電極と、
    他方の基板上にマトリクス状に配置された薄膜トランジスタ電極と、
    前記薄膜トランジスタ電極を、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が6〜32の範囲になる、という態様で駆動する制御部と、
    を備えたことを特徴とする反射型表示装置。
  6. 前記制御部は、前記薄膜トランジスタ電極を、表示領域の5mm×5mmの領域毎の平均反射率についての標準偏差が15〜27の範囲になる、という態様で駆動するようになっている
    ことを特徴とする反射型表示装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の反射型表示装置を備え、
    前記透明である一方の基板側が、表面側に配置されている
    ことを特徴とする表面色可変構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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