JP2016180844A - ファイバレーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号光発生部に対する反射光の影響を抑制しつつ、長波長側の所望の波長を有するレーザ光が得られるファイバレーザ装置を提供する。
【解決手段】本発明のファイバレーザ装置1は、光増幅器と、第1の波長フィルタと、第1のラマン波長変換部と、第2の波長フィルタと、第2の光増幅器と、第2のラマン波長変換部と、第3の波長フィルタと、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ファイバレーザ装置に関する。
下記の特許文献1に、パルス発振器と、第1の波長フィルタと、波長変換器と、第2の波長フィルタと、光ファイバ増幅器と、を備えたファイバレーザ装置が開示されている。このファイバレーザ装置において、パルス発振器から出力されたパルス光は、第1の波長フィルタを透過し、波長変換器によって波長が後段の光ファイバ増幅器で所望の出力まで増幅できるように光ファイバ増幅器の利得波長帯域内の波長に変換される。波長変換器によって波長変換されたパルス光は第2の波長フィルタを透過する一方、波長変換器によって波長が変換されなかったパルス光は第2の波長フィルタで遮断される。第2の波長フィルタを透過したパルス光は、光ファイバ増幅器により所望の出力に増幅されて出力され、レーザ加工等の用途に利用される。
一方、被加工面からの反射光は、光ファイバ増幅器を透過することで増幅され、高強度の反射光となって第2の波長フィルタに入射する。この反射光の波長は、波長変換器から光ファイバ増幅器に入射する出力光の波長と一致するため、反射光は第2の波長フィルタを透過し、波長変換器に入射する。波長変換器を透過した反射光は、第1の波長フィルタに入射するが、反射光の波長がパルス発振器から出力された元の出力光の波長と異なるため、第1の波長フィルタで遮断される。このようにして、反射光のパルス発振器への入射を抑制できるため、反射光によるパルス発振器内の部品の故障を防止することができる。
特許第5198292号公報
近年、ファイバレーザ装置の用途が多様化しており、従来よりも長波長側のレーザ光を出力するファイバレーザ装置が求められる場合がある。しかしながら、光ファイバ増幅器により得られる光の長波長化には限界がある。そのため、上記の特許文献1のファイバレーザ装置では、長波長側の所望の波長を有するレーザ光が得られないという問題があった。したがって、パルス発振器等の信号光発生部に対する反射光の影響を抑制しつつ、長波長側の所望の波長を有するレーザ光が得られるファイバレーザ装置の提供が望まれている。
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、信号光発生部に対する反射光の影響を抑制しつつ、長波長側の所望の波長を有するレーザ光が得られるファイバレーザ装置を提供することを目的の一つとする。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様のファイバレーザ装置は、第1の波長の光を出力する第1の光増幅器と、前記第1の光増幅器と光学的に結合され、前記第1の波長の光を透過し、前記第1の波長以外の波長の光を遮断する第1の波長フィルタと、前記第1の波長フィルタと光学的に結合され、誘導ラマン散乱効果を発現し、前記第1の波長フィルタからの出力光を前記第1の波長よりも長い第2の波長の光に変換する第1のラマン波長変換部と、前記第1のラマン波長変換部と光学的に結合され、前記第2の波長の光を透過し、前記第2の波長以外の波長の光を遮断する第2の波長フィルタと、前記第2の波長フィルタと光学的に結合され、前記第2の波長フィルタからの出力光を増幅する第2の光増幅器と、前記第2の光増幅器と光学的に結合され、誘導ラマン散乱効果を発現し、前記第2の光増幅器からの出力光を前記第2の波長よりも長い第3の波長の光に変換する第2のラマン波長変換部と、前記第2のラマン波長変換部と光学的に結合され、前記第3の波長の光を透過し、前記第3の波長以外の波長の光を遮断する第3の波長フィルタと、を備えたことを特徴とする。
本発明の一つの態様のファイバレーザ装置は、第2の光増幅器と光学的に結合された第2のラマン波長変換部を備えているため、第2の光増幅器からの出力光の波長が長波長側にシフトされ、第2の波長の光が第3の波長の光に変換される。そのため、第2の光増幅器単独では長波長化に限界があったとしても、第2のラマン波長変換部を備えていない従来の装置に比べて、長波長の出力光が得られる。
一方、被照射体で反射した第3の波長の反射光は、被照射体から戻ってくると、第3の波長フィルタを透過して第2のラマン波長変換部に入射する。ここで、反射光の波長がさらに長波長側にシフトし、より長波長の反射光が第2の光増幅器に入射する。この反射光は第2の光増幅器で増幅されるが、第2の光増幅器で増幅された反射光の波長は第3の波長よりもさらに長波長であり、第1のラマン波長変換部により変換された光の波長(第2の波長)と異なるため、第2の光増幅器で増幅された反射光は第2の波長フィルタを透過できない。また、仮に反射光中に第2の波長成分が含まれ、その第2の波長成分が第2の波長フィルタを透過できたとしても、第2の波長成分は第1の波長フィルタを透過できない。
このようにして、本発明の一つの態様のファイバレーザ装置によれば、第2の光増幅器だけでは得られない、より長波長の所望の出力光が得られるとともに、第1の光増幅器に対する反射光の影響を確実に抑制することができる。
本発明の一つの態様のファイバレーザ装置において、前記第1のラマン波長変換部および前記第2のラマン波長変換部は、光ファイバで構成されていてもよい。その場合、前記第2のラマン波長変換部を構成する光ファイバのコア径は、前記第1のラマン波長変換部を構成する光ファイバのコア径よりも大きく、前記第2のラマン波長変換部を構成する光ファイバの長さは、前記第1のラマン波長変換部を構成する光ファイバの長さよりも短くてもよい。
誘導ラマン散乱による波長変換は、非線形媒質に所定の閾値(ラマン閾値)を超えるような強い入射光が入射されたときに生じる。特に、光のピークパワー密度(=ピークパワー/コア断面積)が高く、ファイバ長が長い場合、波長変換はより発生しやすくなる。本発明の一つの態様のファイバレーザ装置の場合、第2のラマン波長変換部への入射光は、第2の光増幅器で増幅されている分、第1のラマン波長変換部への入射光よりもピークパワーが大きい。そのため、仮にファイバ長およびコア断面積が同じであると、第2のラマン波長変換部において高次の不要なラマン散乱が生じる虞がある。そこで、上記構成とすれば、第2のラマン波長変換部における高次の不要な誘導ラマン散乱を抑制できる。
本発明の一つの態様のファイバレーザ装置において、前記第2の光増幅器は、増幅用ファイバとしてYbドープファイバを備え、前記第2の光増幅器から出力される光の波長が1060nmよりも長い構成であってもよい。
被照射体からの第3の波長の反射光は、被照射体から戻ってくると、第3の波長フィルタを透過して第2のラマン波長変換部に入射する。このとき、反射光が第2のラマン波長変換部を通ることにより反射光の波長がさらに長波長側にシフトし、より長波長にシフトした反射光が第2の光増幅器に入射する。ここで、Ybドープファイバは、利得のピークが1030nmと1060nm付近にあり、波長が1060nmよりも長くなるにつれてゲインが低くなる傾向がある。そのため、Ybドープファイバを用いた場合には第2の光増幅器からの出力光の波長が1060nmよりも長ければ、第2の光増幅器から入力側へ戻る反射光の増幅が抑制され、第1の光増幅器への反射光の影響をさらに抑制することができる。
本発明の一つの態様のファイバレーザ装置において、前記第2のラマン波長変換部への入力用ファイバから出力用ファイバまでに至る光ファイバのV値が2.4よりも小さい構成であってもよい。
この構成によれば、ファイバレーザ装置から得られる出力がシングルモード出力となるため、ビーム品質が向上する。
本発明の一つの態様のファイバレーザ装置は、少なくとも一部に偏波保持ファイバが用いられ、単一偏光を出力する構成であってもよい。
この構成によれば、出力光として単一偏光が要求される用途に対応することができる。
本発明の一つの態様によれば、信号光発生部に対する反射光の影響を抑制しつつ、長波長側の所望の波長を有するレーザ光が得られるファイバレーザ装置を実現できる。
第1実施形態のファイバレーザ装置の概略構成図である。 パルス発振器出力後、第1のラマン波長変換部出力後、および第2のラマン波長変換部出力後のそれぞれの光の波長を示す図である。 第1の波長フィルタ、第2の波長フィルタ、および第3の波長フィルタのそれぞれの透過特性を示す図である。 第2実施形態のファイバレーザ装置の概略構成図である。 第2実施形態の変形例のファイバレーザ装置の概略構成図である。 第2実施形態の変形例のファイバレーザ装置の概略構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1および図2を用いて説明する。
本実施形態のファイバレーザ装置は、例えばレーザ加工等の用途に用いて好適なパルスファイバレーザ装置の例である。ただし、用途はレーザ加工に限るものではない。
図1は、本実施形態のファイバレーザ装置の概略構成図である。
図1に示すように、ファイバレーザ装置1は、パルス発振器2と、第1の波長フィルタ3と、第1のラマン波長変換部4と、第2の波長フィルタ5と、光増幅器6と、第2のラマン波長変換部7と、第3の波長フィルタ8と、を備えている。
図2に示すように、ファイバレーザ装置1においては、パルス発振器2からの出力光の波長である第1の波長(λ1)が第1のラマン波長変換部4により長波長側にシフトして第2の波長(λ1)となり、光増幅器6を経た後、第2の波長(λ2)が第2のラマン波長変換部7によってさらに長波長側にシフトして第3の波長(λ3)となる。
パルス発振器2は、第1の波長(λ1)のパルス光を出力する。パルス発振器2には、例えばファブリペロー型のファイバレーザ、ファイバリングレーザ等を含む周知のパルス発振器が用いられる。詳細な説明は省略するが、パルス発振器2は、例えば励起光源と、希土類添加ファイバと、光スイッチと、を備えている。励起光源からの励起光によって希土類添加ファイバ中の希土類イオンが励起状態となり、自然放出光が放出される。自然放出光は増幅されつつ光ファイバ内を伝搬し、出力される。希土類添加ファイバからの出力光は、光スイッチによりスイッチングされ、パルス光となる。本実施形態では、希土類添加ファイバとしてYbファイバを用いており、利得帯域は1030〜1100nm程度である。したがって、第1の波長は、例えば最も短波長側とすると、1030nm程度である。
本実施形態のパルス発振器2は、特許請求の範囲の第1の光増幅器に対応する。
第1の波長フィルタ3は、パルス発振器2と光学的に結合されている。第1の波長フィルタ3は、例えばバンドパスフィルタにより構成される。第1の波長フィルタ3は、図3(A)に透過特性を示すように、第1の波長(λ1)の一例である1030nm近傍の光を透過し、第1の波長(λ1)以外の波長の光を遮断する。
第1のラマン波長変換部4は、第1の波長フィルタ3と光学的に結合されている。第1のラマン波長変換部4は、高パワーの光が入射したときに誘導ラマン散乱効果を発現する光ファイバで構成されている。誘導ラマン散乱が生じる光のパワーは、光ファイバのコア径やファイバ長で調整できる。第1のラマン波長変換部4は、第1の波長フィルタ3からの出力光を第1の波長(λ1)よりも長い第2の波長(λ2)の光に変換する。第1のラマン波長変換部4では、第1の波長フィルタ3からの出力光の波長を長波長側に50nm程度シフトさせることができる。これにより、第1のラマン波長変換部4において、波長1030〜1100nmの光は、波長1080〜1150nmの光に変換される。最も短波長側で考えると、例えば波長1030nm(λ1)の光は、波長1080nm(λ2)の光に変換される。
第2の波長フィルタ5は、第1のラマン波長変換部4と光学的に結合されている。第2の波長フィルタ5は、例えばバンドパスフィルタにより構成される。第2の波長フィルタ5は、図3(B)に透過特性を示すように、第2の波長(λ2)の一例である1080nm近傍の光を透過し、第2の波長(λ2)以外の波長の光を遮断する。
光増幅器6は、第2の波長フィルタ5と光学的に結合され、第2の波長フィルタ5から出力された光を増幅する。詳細な説明は省略するが、光増幅器6は、例えば複数のレーザダイオードを含む励起光源と、希土類元素としてYbがドープされたYbドープファイバからなる増幅用ファイバと、を備えている。励起光源からの励起光が増幅用ファイバ中のYbに吸収されて反転分布が形成され、誘導放出が生じる。これにより、コア内を伝搬するレーザ光が増幅され、レーザ出力として出力される。光増幅器6から出力される光の波長帯域は、1080〜1100nmである。光増幅器6から出力される光は、最も短波長側で考えると、第2の波長λ2の1080nmである。
本実施形態の光増幅器6は、特許請求の範囲の第2の光増幅器に対応する。
第2のラマン波長変換部7は、光増幅器6と光学的に結合されている。第2のラマン波長変換部7は、高パワーの光が入射したときに誘導ラマン散乱効果を発現する光ファイバで構成されている。誘導ラマン散乱が生じる光のパワーは、光ファイバのコア径やファイバ長で調整できる。第2のラマン波長変換部7は、光増幅器6からの出力光を第2の波長(λ2)よりも長い第3の波長(λ3)の光に変換する。第2のラマン波長変換部7では、光増幅器6からの出力光の波長を長波長側に50nm程度シフトさせることができる。これにより、第2のラマン波長変換部7において、波長1080〜1100nmの光は、波長1130〜1150nmの光に変換される。最も短波長側で考えると、例えば波長1080nm(λ2)近傍の光は、波長1130nm(λ3)近傍の光に変換される。
第3の波長フィルタ8は、第2のラマン波長変換部7と光学的に結合されている。第3の波長フィルタ8は、例えばバンドパスフィルタにより構成される。第3の波長フィルタ8は、図3(C)に透過特性を示すように、第3の波長(λ3)の一例である1130nm近傍の光を透過し、第3の波長(λ3)以外の波長の光を遮断する。
[表1]は、上述した各構成要素の波長特性をまとめたものである。
以下、[表1]を参照しつつ、本実施形態のファイバレーザ装置1の作用について説明する。
Figure 2016180844
最初に、出力光に着目する。パルス発振器2から出力された第1の波長λ1(例えば1030nm)の光は、第1の波長フィルタ3を透過し、第1のラマン波長変換部4において波長変換され、第2の波長λ2(例えば1080nm)の光となる。このとき、全ての光が波長変換されることはなく、第1の波長λ1の光が一部残るが、第1の波長λ1の光は後段の第2の波長フィルタ5によって遮断される。
第1のラマン波長変換部4から出力された第2の波長λ2の光は、第2の波長フィルタ5を透過し、光増幅器6によって増幅された後、第2のラマン波長変換部7において波長変換され、第3の波長λ3(例えば1130nm)の光となる。ここでも、第1のラマン波長変換部4と同様、全ての光が波長変換されることはなく、第2の波長λ2の光が一部残るが、第2の波長λ2の光は後段の第3の波長フィルタ8によって遮断される。第2のラマン波長変換部7から出力された第3の波長λ3の光は、第3の波長フィルタ8を透過し、出力される。出力光は例えば被加工面に照射され、レーザ加工に用いられる。
次に、反射光に着目する。被加工面からの第3の波長λ3の反射光は、第3の波長フィルタ8を透過し、第2のラマン波長変換部7に入射する。ここで、反射光の波長が第3の波長λ3からさらに長波長側にシフトし、より長波長の反射光が光増幅器6に入射する。この反射光は光増幅器6で増幅されるが、光増幅器6で増幅された光は第2の波長フィルタ5で遮断され、それ以上戻ることはない。また、仮に反射光中に第2の波長の光が混在し、第2の波長の光が第2の波長フィルタ5を透過したとしても、その光は第1の波長フィルタ3で遮断され、パルス発振器2に戻ることはない。
このように、本実施形態のファイバレーザ装置1は、光増幅器6の後段に第2のラマン波長変換部7を備えているため、光増幅器6単独では光の長波長化に限界があったとしても、第2のラマン波長変換部7を備えていない従来の装置に比べて、長波長の出力光が得られる。具体的には、増幅用ファイバとしてYbドープファイバを用いた光増幅器は、出力パワーを向上しやすい、ビーム品質に優れる等の利点がある反面、利得のピークが1030nmと1060nm付近にあり、波長が1060nmよりも長くなるにつれてゲインが低くなる傾向がある。そのため、1100nm以上の波長の光を増幅しにくいという欠点を有している。したがって、この種のファイバレーザ装置は、1100nm以上の波長が要求される用途には使用できないという問題があった。これに対し、本実施形態のファイバレーザ装置1によれば、上述したように、1100nmを超える波長の出力光を得ることができる。このようにして、本実施形態によれば、光増幅器6だけでは得られない、より長波長の所望の出力光が得られるとともに、パルス発振器2に対する反射光の影響を確実に抑制できるファイバレーザ装置1を実現することができる。
また、各ラマン波長変換部における光ファイバのコア径やファイバ長は、例えば誘導ラマン散乱が生じる光のパワーの調整等の目的により適宜設定することができる。ただし、第2のラマン波長変換部7を構成する光ファイバのコア径を、第1のラマン波長変換部4を構成する光ファイバのコア径よりも大きくし、かつ、第2のラマン波長変換部7を構成する光ファイバの長さを、第1のラマン波長変換部4を構成する光ファイバの長さよりも短くすることにより、以下の効果が得られる。
誘導ラマン散乱による波長変換は、非線形媒質に所定の閾値(ラマン閾値)を超えるような強い入射光が入射されたときに生じる。特に、光のピークパワー密度(=ピークパワー/コア断面積)が高く、ファイバ長が長い場合、波長変換はより発生しやすくなる。ここで、A=ピークパワー×(ファイバ長)/(コアの断面積)としたとき、Aの値が所定の閾値を超えると、ある波長のラマン光が生じる。例えば2次ラマン光が生じる閾値をA2、3次ラマン光が生じる閾値をA3、…、n次ラマン光が生じる閾値をAnとすると、A2<A3<…<Anとなっている。
本実施形態のファイバレーザ装置1の場合、第2のラマン波長変換部7への入射光は、光増幅器6で増幅されている分、第1のラマン波長変換部4への入射光よりもピークパワーが大きい。そのため、仮にファイバ長およびコア断面積が同じであると、第2のラマン波長変換部7において高次の不要なラマン散乱が生じるおそれがある。そこで、第2のラマン波長変換部7を構成する光ファイバのコア径を、第1のラマン波長変換部4を構成する光ファイバのコア径よりも大きくし、かつ、第2のラマン波長変換部7を構成する光ファイバの長さを、第1のラマン波長変換部4を構成する光ファイバの長さよりも短くすれば、第2のラマン波長変換部7における高次の不要な誘導ラマン散乱を抑制できる。
本実施形態のように、光増幅器6からの出力光の波長は1060nmよりも長いことが好ましい。その理由は、光増幅器6からの出力光の波長が1060nmよりも長いと、パルス発振器2への反射光の影響をより確実に抑制できるからである。すなわち、被加工面から戻ってきた反射光は、第2のラマン波長変換部7を通ることにより波長がさらに長波長側にシフトし、より長波長にシフトした反射光が光増幅器6に入射する。ここで、Ybドープファイバは、上述したように、波長が1060nmよりも長くなるにつれてゲインが低くなる傾向がある。そのため、光増幅器6からの出力光の波長が1060nmよりも長ければ、光増幅器6からパルス発振器2側へ戻る反射光の増幅が抑制される。
また、第2のラマン波長変換部7への入力用ファイバから出力用ファイバまでに至る光ファイバのV値は、2.4よりも小さいことが好ましい。この場合、ファイバレーザ装置1から得られる出力がシングルモード出力となるため、ビーム品質が向上する。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
第2実施形態のファイバレーザ装置の基本構成は第1実施形態のファイバレーザ装置と同様であるが、単一偏光の出力が得られる単一偏光レーザとした点が第1実施形態と異なる。
図4において、第1実施形態で用いた図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態のファイバレーザ装置11においては、第2の波長フィルタ5と光増幅器6との間に、偏光子12が設けられている。偏光子12は、ランダム偏光を単一偏光化する素子である。空間型の偏光子として、グラントムソンプリズム、グランテーラープリズム、グランレーザプリズム等の偏波スプリッタが用いられる。ファイバ型の偏光子として、複屈折率が通常よりも大きい偏波保持ファイバが用いられる。ファイバ型の偏光子では、光ファイバのslow軸とfast軸とで曲げ損失が異なることを利用し、ファイバの曲げを変えることで例えばslow軸の損失をゼロ、 fast軸の損失を20dBとし、slow軸だけの光を取り出して単一偏光化する。
図4において、パルス発振器2から第2の波長フィルタ5までの部分はランダム偏光を取り扱うランダム偏光部13である。偏光子12から第3の波長フィルタ8までの部分は単一偏光を取り扱う単一偏光部14である。ランダム偏光部13では、通常の光ファイバ16を用いることができる。一方、単一偏光部14では、偏波保持ファイバ17を用いる必要がある。偏波保持ファイバ17として、例えばPANDAファイバを用いることができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、長波長の所望の出力光が得られるとともに、パルス発振器に対する反射光の影響を確実に抑制できるファイバレーザ装置11を実現することができる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに本実施形態によれば、単一偏光レーザが要求される用途に対応することができる。
なお、図4においては、偏光子12が第2の波長フィルタ5と光増幅器6との間に設けられた例を示したが、ファイバレーザ装置を単一偏光レーザとする構成はこの例に限られず、例えば図5、図6に示す構成を採用してもよい。
図5に示すように、第1変形例のファイバレーザ装置21において、偏光子12は、パルス発振器2と第1の波長フィルタ3との間に設けられている。この場合、パルス発振器2から偏光子12の入力までの部分はランダム偏光を取り扱うランダム偏光部13である。偏光子12から第3の波長フィルタ8までの部分は単一偏光を取り扱う単一偏光部14である。ランダム偏光部13では、通常の光ファイバ16が用いられる。単一偏光部14では、偏波保持ファイバ17が用いられる。
図6に示すように、第2変形例のファイバレーザ装置31においては、偏光子が設けられていない。この場合、パルス発振器2から第3の波長フィルタ8までの全てが単一偏光部14であり、全ての光ファイバに偏波保持ファイバ17が用いられる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記の実施形態では、第1、第2のラマン波長変換部が光ファイバで構成されている例を示したが、第1、第2のラマン波長変換部は必ずしも光ファイバで構成されていなくてもよい。第1、第2のラマン波長変換部として、例えば誘導ラマン散乱効果を発現する非線形光学結晶などを用いることもできる。
その他、ファイバレーザ装置の各構成要素の具体的な構成、および発振波長、増幅波長、波長フィルタの透過波長および阻止波長等については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
本発明は、例えば材料加工等に用いるファイバレーザ装置に利用が可能である。
1,11,21,31…ファイバレーザ装置、2…パルス発振器(第1の光増幅器)、3…第1の波長フィルタ、4…第1のラマン波長変換部、5…第2の波長フィルタ、6…光増幅器(第2の光増幅器)、7…第2のラマン波長変換部、8…第3の波長フィルタ、17…偏波保持ファイバ。

Claims (5)

  1. 第1の波長の光を出力する第1の光増幅器と、
    前記第1の光増幅器と光学的に結合され、前記第1の波長の光を透過し、前記第1の波長以外の波長の光を遮断する第1の波長フィルタと、
    前記第1の波長フィルタと光学的に結合され、誘導ラマン散乱効果を発現し、前記第1の波長フィルタからの出力光を前記第1の波長よりも長い第2の波長の光に変換する第1のラマン波長変換部と、
    前記第1のラマン波長変換部と光学的に結合され、前記第2の波長の光を透過し、前記第2の波長以外の波長の光を遮断する第2の波長フィルタと、
    前記第2の波長フィルタと光学的に結合され、前記第2の波長フィルタからの出力光を増幅する第2の光増幅器と、
    前記第2の光増幅器と光学的に結合され、誘導ラマン散乱効果を発現し、前記第2の光増幅器からの出力光を前記第2の波長よりも長い第3の波長の光に変換する第2のラマン波長変換部と、
    前記第2のラマン波長変換部と光学的に結合され、前記第3の波長の光を透過し、前記第3の波長以外の波長の光を遮断する第3の波長フィルタと、
    を備えたことを特徴とするファイバレーザ装置。
  2. 前記第1のラマン波長変換部および前記第2のラマン波長変換部は、光ファイバで構成され、
    前記第2のラマン波長変換部を構成する光ファイバのコア径は、前記第1のラマン波長変換部を構成する光ファイバのコア径よりも大きく、
    前記第2のラマン波長変換部を構成する光ファイバの長さは、前記第1のラマン波長変換部を構成する光ファイバの長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ装置。
  3. 前記第2の光増幅器は、増幅用ファイバとしてYbドープファイバを備え、
    前記第2の光増幅器から出力される光の波長が1060nmよりも長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のファイバレーザ装置。
  4. 前記第2のラマン波長変換部への入力用ファイバから出力用ファイバまでに至る光ファイバのV値が2.4よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のファイバレーザ装置。
  5. 少なくとも一部に偏波保持ファイバが用いられ、単一偏光を出力することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のファイバレーザ装置。
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