JP2016180680A - プローブカード型温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の温度センサそれぞれのウエハチャックの上面に対する接触圧を一定又は略一定にコントロールすることができるプローブカード型温度センサを提供する。
【解決手段】プローブカード型のカード本体と、前記カード本体に設けられ、ウエハチャックの上面に当接して前記ウエハチャックの温度を測定する複数のピン型温度センサと、を備える。
【選択図】図17

Description

本発明は、半導体ウエハ上に形成された複数の半導体素子(チップ)の電気的特性の検査を行うプローバにおいて用いられるプローブカード型温度センサに関し、特に、複数のピン型温度センサを備えるプローブカード型温度センサに関する。
従来、半導体ウエハ上に形成された複数の半導体素子の電気的特性の検査を行うプローバの分野においては、ウエハチャックの上面(表面)に複数の温度センサを配置し、各温度センサの検出温度に基づいてウエハチャックの温度を制御するように構成されたプローバが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、特性測定用プローブに加えて温度測定用プローブを備え、この温度測定用プローブによってウエハ表面の温度を測定するように構成されたプローブカードが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−294873号公報 特開2003−273176号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプローバ及び特許文献2に記載のプローブカードにおいては、複数の温度センサそれぞれのウエハチャックの上面に対する接触圧をどのようにするのが望ましいか、また、その望ましい接触圧をどのようにして実現するかについては一切提案されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数の温度センサそれぞれのウエハチャックの上面に対する接触圧を一定又は略一定にコントロールすることができるプローブカード型温度センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のプローブカード型温度センサは、プローブカード型のカード本体と、前記カード本体に設けられ、前記ウエハチャックの上面に当接して前記ウエハチャックの温度を測定する複数のピン型温度センサと、を備える。
本発明のプローバの一態様において、前記カード本体には、厚み方向に貫通した複数のピン型温度センサ用貫通穴が形成されており、前記複数のピン型温度センサは、前記複数のピン型温度センサ用貫通穴に挿入された状態で前記カード本体に設けられている。
本発明のプローバの一態様において、前記カード本体に設けられ、前記複数のピン型温度センサが前記ウエハチャックの上面に当接した状態で前記ウエハチャックの上面に当接して荷重を受ける複数のポストピンをさらに備える。
本発明のプローバの一態様において、前記カード本体には、厚み方向に貫通した複数のポストピン用貫通穴が形成されており、前記複数のポストピンは、前記複数のポストピン用貫通穴に挿入された状態で前記カード本体に設けられている。
本発明のプローバの一態様において、前記複数のピン型温度センサは、それぞれ、前記ウエハチャックの上面に当接する金属製保護管及び前記金属製保護管内に収容された温度センサを含む。
本発明のプローバの一態様において、前記複数のピン型温度センサは、それぞれ、前記ウエハチャックの上面に当接する球面形状の部分を含む。
本発明によれば、複数の温度センサそれぞれのウエハチャックの上面に対する接触圧を一定又は略一定にコントロールすることができるプローブカード型温度センサを提供することができる。
本実施形態のプローバ10の概略構成を示す斜視図 各測定部14の正面図 搬送ユニット16の斜視図 搬送ユニット16の概略構成を表す縦断面図 移動装置22の斜視図 移動装置22の部分拡大斜視図 搬送ユニット16及び測定部14の概略構成を表す縦断面図 プローバ10の概略構成を示す斜視図 各測定部14(縦一列)の正面図 ヘッドステージ20、ポゴフレーム46及びテストヘッド44の位置関係を表す概略図 測定部14の部分拡大斜視図 テストヘッド44が引き出される様子を表す概略図 ポゴフレーム46が引き出される様子を表す概略図 被メンテナンス装置の引出方向と搬送物の搬送方向とが一直線状であることを表す上面図 密閉空間SSを説明するための概略図 ピン型温度センサ68b及びポストピン68cがウエハチャック18の上面に当接している様子等を表す図 (a)プローブカード型温度センサ68の上面図、(b)側面図 ピン型温度センサ68bの構成を説明するための概略図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態のプローバ10の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のプローバ10は、搬送物収納部12と、複数の測定部14と、搬送物収納部12と各測定部14との間で移動して搬送物(本実施形態ではウエハ、プローブカード及びプローブカード型温度センサのうち少なくとも一方)を搬送物収納部12内又は各測定部14内に搬送する搬送ユニット16と、搬送ユニット16を搬送物収納部12と各測定部14との間で移動させる移動装置22と、を備えている。
搬送物収納部12及び各測定部14は、搬送ユニット16によってアクセスされる側の面が互いに対向した状態(すなわち、向かい合わせの状態)でY方向に一定間隔をおいて配置されている。
搬送ユニット16は、搬送物収納部12と各測定部14との間に配置されている。
搬送物収納部12は、複数のウエハを収納するウエハ収納部12a、複数のプローブカードを収納するプローブカード収納部12b及びプローブカード型温度センサを収納するプローブカード型温度センサ収納部を含む。搬送物収納部12の数や配置形態は特に限定されず、本実施形態では、ウエハ収納部12a、プローブカード収納部12b及びプローブカード型温度センサ収納部を含む4つの搬送物収納部12が、搬送ユニット16によってアクセスされる側の面(図1中右側の面)を同一方向に向けた状態で水平方向(X軸方向)に配置されている。なお、搬送ユニット16によってアクセスされる側とは反対側(図1中左側)は、ウエハ又はプローブカード回収等の際に作業者によってアクセスされる。
複数の測定部14は、図8に示すように、搬送エリアA1とメンテナンスエリアA2との間に配置されている。複数の測定部14は、それぞれ、図1に示すように、X軸方向に延びる複数のフレーム、Y軸方向に延びる複数のフレーム及びZ軸方向に延びる複数のフレームを組み合わせることで構成された直方体形状の測定室(プローバ室とも称される)で、その内部には、図9、図10に示すように、ウエハを保持するウエハチャック18と、ヘッドステージ20と、ヘッドステージ20上に載置されたテストヘッド44と、ヘッドステージ20とテストヘッド44との間に配置されたポゴフレーム46と、プローブカードPCを保持する第1プローブカード保持機構36(図9、図10中省略)と、が配置されている。また、図11に示すように、各測定部14内部には、テストヘッド昇降機構48と、テストヘッド引出機構50と、ポゴフレーム昇降機構52と、ポゴフレーム引出機構54と、が配置されている。
図2は、各測定部14の正面図である。
測定部14の数や配置形態は特に限定されず、本実施形態では、図1、図2に示すように、水平方向(X軸方向)に配置された4つの測定部14からなる測定部群が鉛直方向(Z軸方向)に3段積み重ねられ、搬送ユニット16によってアクセスされる側の面(図1中左側の面)を同一方向に向けた状態で二次元的に配置されている。
各測定部14(搬送ユニット16によってアクセスされる側の面)には、搬送ユニット16のウエハ保持アーム16b及びプローブカード保持アーム16cが出入りする開口14aが形成されている。また、各測定部14のうち開口14aが形成された側とは反対側には、テストヘッド44及びポゴフレーム46を引き出すための開口14b(図8参照)が形成されている。各測定部14の開口14a及び14bが形成された面以外の面は閉塞されていてもよいし、開口が形成されていてもよい。
ウエハチャック18は、周知の温度調節装置(例えば、ウエハチャック18に内蔵されたヒートプレートやチラー装置等)により、高温又は低温の目標温度(検査温度)に調節される。
ウエハチャック18には、シーリング機構が設けられている。シーリング機構は、図15に示すように、ウエハチャック18の上面の外周近傍に設けられた弾性を有するリング状シール部材74を備えている。
リング状シール部材74は、第1プローブカード保持機構36によって保持されるプローブカードPC又はプローブカード型温度センサ68とウエハチャック18との間に密閉空間SSを形成するための手段である。
ウエハチャック18の上面には密閉空間SSに連通した吸引口(図示せず)が形成されており、この吸引口にはウエハチャック18の内部に形成された吸引路(図示せず)を介して減圧手段76が接続されている。
減圧手段76は、密閉空間SSを真空状態とするための手段で、例えば、真空ポンプによって構成されている。この真空ポンプを作動させて吸引口及び吸引路を介して吸引することで、密閉空間SSを真空状態とすることができる。
第1プローブカード保持機構36によってプローブカードPCが保持されている場合、密閉空間SSを真空状態とすることで、ウエハチャック18がプローブカードPCに向けて引き寄せられてプローブカードPCのプローブとウエハチャック18に保持されるウエハ上に形成された半導体素子とが電気的に接続されて検査を開始可能な状態となる。一方、第1プローブカード保持機構36によってプローブカード型温度センサ68が保持されている場合、密閉空間SSを真空状態とすることで、ウエハチャック18がプローブカード型温度センサ68に向けて引き寄せられてプローブカード型温度センサ68の複数のピン型温度センサ68bがウエハチャック18の上面に当接して温度測定を開始可能な状態となる。
各測定部14内の環境は次のようにして制御される。例えば、各測定部14内の温度は、各測定部14内に配置されたウエハチャック18の温度によって目標温度(検査温度)に制御される。また、各測定部14内の湿度は、周知の機構によって各測定部14内に乾燥空気をパージすることによって目標湿度に制御される。また、各測定部14内の環境は、周知の機構によって各測定部14内に所定ガス(窒素ガス)をパージすることによって制御される。各測定部14では、後述の高温検査、低温検査、所定ガス(例えば、窒素ガス)雰囲気下での検査等の複数種類の検査が実施される。各測定部14内の環境は、各測定部14で実施される検査に応じた環境となるように各測定部14内の環境が制御される。なお、各測定部14で実施される検査は各測定部間で同一であってもよいし、相互に異なってもよい。
第1プローブカード保持機構36は、プローブカードPC(図3参照)又はプローブカード型温度センサ68(図17参照)を着脱自在に保持するための手段で、ウエハチャック18の上方、例えば、ヘッドステージ20側に設けられている。第1プローブカード保持機構36は、後述のプローブカード搬送機構によって当該第1プローブカード保持機構36まで搬送されたプローブカードPC又はプローブカード型温度センサ68を同一又は略同一位置に同一又は略同一姿勢で着脱自在に保持する。第1プローブカード保持機構36については周知である(例えば、特開2000−150596号公報参照)ため、これ以上の説明を省略する。
各測定部群には、第1プローブカード保持機構36に保持されたプローブカードPCとウエハチャック18に保持されたウエハとの相対的な位置合わせを行うアライメント装置38及びアライメント装置38を4つの測定部14間で相互に移動させる移動装置(図示せず)が配置されている。アライメント装置38は、これが配置された測定部群に含まれる4つの測定部14間で相互に移動されて、当該4つの測定部14間で共有される。アライメント装置38を4つの測定部14間で相互に移動させる移動装置については、例えば、特開2014−150168号公報に記載のものを適用することができる。
アライメント装置38は、第1プローブカード保持機構36に保持されたプローブカードPCとウエハチャック18に保持されたウエハとの相対的な位置合わせを行うための手段で、Z軸方向に昇降されるZ軸可動部38aやZ軸固定部38bやXY可動部38c等のウエハチャック18をX−Y−Z−θ方向に移動させる移動・回転機構で構成されている。アライメント装置38は、主に、X−Y−Z−θ方向に移動しながらウエハチャック18に保持されたウエハWをウエハチャック18上方に保持されたプローブカードPCのプローブに対して周知の方法でアライメントし、ウエハWとプローブとを電気的に接触させ、テストヘッドを介してウエハWの電気的特性検査を実施するために用いられる。
アライメント装置38は、測定部14内においてウエハチャック18を保持した状態で、開口14a近傍のプローブカード受取位置P1(図7(a)参照)と第1プローブカード保持機構36の下方の位置P2(図7(b)参照)との間で移動する。すなわち、アライメント装置38は、移動先の測定部14において、搬送エリアA1側とメンテナンスエリアA2側との間で移動する。この移動は、周知のアライメント装置移動装置(図示せず)によって実現される。
アライメント装置移動装置は、プローブカードPCの受取に際して目標温度に加熱されたウエハチャック18を保持した状態のアライメント装置38をプローブカード受取位置P1まで移動させ、プローブカードPCの第1プローブカード保持機構36への搬送に際してプローブカードPC及び目標温度に加熱されたウエハチャック18を保持した状態のアライメント装置38を位置P2まで移動させる。
アライメント装置38は、第2プローブカード保持機構40(カードリフタとも称される)を備えている。
第2プローブカード保持機構40は、プローブカード保持アーム16cからプローブカードPC(又はプローブカード型温度センサ68)を受け取り、これを保持するための手段で、例えば、ウエハチャック18を取り囲んだ状態でZ軸可動部38aに取り付けられた保持部40a(例えば、リング状部材又は複数のピン)と、当該保持部40aをZ軸可動部38aに対してZ軸方向に昇降させる昇降機構(図示せず)と、によって構成されている。
プローブカードPCの受け取り及び保持は、アライメント装置38がプローブカード受取位置P1に移動した状態で、保持部40aをZ軸可動部38aに対してZ軸方向に上昇させてプローブカードPC(下面外周縁)に当接させ、このZ軸方向に上昇する保持部40aでプローブカードPCをプローブカード保持アーム16cから持ち上げることで実現される。プローブカードPCは、ウエハチャック18の直上で保持される。プローブカード型温度センサ68についても同様である。
プローブカード搬送機構は、第2プローブカード保持機構40によって保持されたプローブカードPC(又はプローブカード型温度センサ68)を第1プローブカード保持機構36まで搬送して第1プローブカード保持機構36に保持させるための手段で、例えば、アライメント装置38(Z軸方向に昇降されるZ軸可動部38a)によって構成されている。アライメント装置38は、複数の測定部14間を移動し、かつ、移動先の測定部14において、搬送ユニット16によって搬送されるプローブカードPCを第1プローブカード保持機構36まで搬送して当該プローブカード保持機構36に保持させる。プローブカード型温度センサ68についても同様である。
プローブカードPC(又はプローブカード型温度センサ68)の第1プローブカード保持機構36への搬送は、アライメント装置38が位置P2に移動した状態で、Z軸可動部38aをZ軸方向に上昇させることで実現される。
図3は搬送ユニット16の斜視図、図4は搬送ユニット16の概略構成を表す縦断面図である。
搬送ユニット16は、搬送物収納部12と各測定部14との間でX軸方向及びZ軸方向に移動してウエハW、プローブカードPC又はプローブカード型温度センサ68を搬送物収納部12内又は各測定部14内に搬送するための手段で、図3及び図4に示すように、ウエハW及びプローブカードPC(又はプローブカード型温度センサ68)を収納する筐体であって、ウエハW及びプローブカードPC(又はプローブカード型温度センサ68)が出入りする開口16fが形成された筐体16aを備えている。筐体16aは、直方体形状で、その内部には、ウエハ保持アーム16bと、プローブカード保持アーム16cと、各アーム16b、16cを個別に移動させるアーム移動機構(図示せず)と、筐体16a内の環境を制御する環境制御手段16dと、筐体16a内の環境を検出するセンサ16eと、が配置されている。搬送ユニット16の数は特に限定されず、本実施形態では、1つの搬送ユニット16を用いている。図1には2つの搬送ユニット16が描かれているが、これは、1つの搬送ユニット16が搬送物収納部12(プローブカード収納部12b)にアクセスしている様子(図1中右下に描かれた搬送ユニット16参照)及び測定部14にアクセスしている様子(図1中左上に描かれた搬送ユニット16参照)を表している。
ウエハ保持アーム16bは、ウエハWを保持するための手段で、例えば、筐体16a内に設けられたガイドレール(図示せず)に沿って水平方向に移動可能に筐体16a内に配置されている。ウエハ保持アーム16bは、ウエハWを保持した状態で当該ウエハWとともに筐体16a内に収納される。
プローブカード保持アーム16cは、プローブカードPC又はプローブカード型温度センサ68を保持するための手段で、例えば、筐体16a内に設けられたガイドレール(図示せず)に沿って水平方向に移動可能に筐体16a内に配置されている。プローブカード保持アーム16cは、プローブカードPC又はプローブカード型温度センサ68を保持した状態で当該プローブカードPC又はプローブカード型温度センサ68とともに筐体16a内に収納される。プローブカードPC及びプローブカード型温度センサ68は、カードホルダCHを含む。カードホルダCHに代えてシールリングを含む場合もある。
各アーム16b、16cの数や配置形態は特に限定されず、本実施形態では、図4に示すように、2つのウエハ保持アーム16b及び1つのプローブカード保持アーム16cが上下3段に配置されている。
アーム移動機構は、周知の機構、例えば、筐体16aに設けられた駆動モータ(図示せず)で構成されている。この駆動モータを正逆回転させることにより、各アーム16b、16cは、水平方向に個別に往復移動して筐体16aに形成された開口16fを介して出入りする。
搬送ユニット16は、エアカーテン形成手段42を備えている。
エアカーテン形成手段42は、筐体16aに形成された開口16fを閉塞するエアカーテンを形成して筐体16a内を密閉又は略密閉空間とするための手段で、例えば、周知のエア噴射口によって構成されている。
エア噴射口の数、形状、配置形態は特に限定されず、本実施形態では、図4に示すように、複数のエア噴射口が下向きにエア噴射する姿勢で開口16fの上端縁近傍に当該上端縁に沿って(図4中紙面に直交する方向に)配置されている。
筐体16a内の環境は次のようにして制御される。例えば、筐体16a内の温度及び湿度は、各測定部14内に乾燥空気(高温又は低温乾燥空気)又は所定ガス(窒素ガス)をパージすることによって目標温度及び湿度に制御される。これは、周知の環境制御手段16d、例えば、ヒータ及び冷却器(クーラ)を含む温調気体供給源、送風機、及び、送風機(いずれも図示せず)と筐体16aとを連結した管路(図示せず)によって実現される。環境制御手段16dは、除湿器を含んでいてもよい。温調気体供給源で温度(及び湿度)調整された気体(高温又は低温乾燥空気)は、送風機により管路を介して筐体16a内に供給されるとともに、エア噴射口から噴射されて筐体16aに形成された開口16fを閉塞するエアカーテンが形成される。これにより、筐体16a内は密閉又は略密閉された空間となる。筐体16a内に供給される気体の供給源とエア噴射口から噴射される気体の供給源は同一であってもよいし、異なっていてもよい。筐体16aの開口16fが形成された面以外の面は閉塞されていてもよいし、開口が形成されていてもよい。環境制御手段16dは、筐体16aに取り付けられていてもよいし、アーム16b、16cに取り付けられていてもよい。
センサ16eは、筐体16a内の環境を検出するセンサで、例えば、温度センサや湿度センサである。センサ16eは、環境制御手段16dに含まれていてもよい。
環境制御手段16dは、搬送物の搬送先の環境に応じた環境となるように筐体16a内の環境を制御する。具体的には、環境制御手段16dは、センサ16eの検出結果に基づき、筐体16a内を目標の環境に制御する。例えば、環境制御手段16dは、センサ16eの検出結果に基づき、筐体16a内の温度及び湿度が目標の温度及び湿度となるように温調気体供給源を制御する。この環境制御手段16dの機能は、例えば、センサ16e及び温調気体供給源(ヒータ及び冷却器)が電気的に接続されたコントローラ(図示せず)によるフィードバック制御によって実現される。
図5は移動装置22の斜視図、図6は移動装置22の部分拡大斜視図である。
移動装置22は、搬送ユニット16を搬送物収納部12と各測定部14との間でX軸方向及びZ軸方向に移動させるための手段で、例えば、図5、図6に示すように、搬送物収納部12と各測定部14との間において各測定部14の配置方向である水平方向(X軸方向)に移動する第1可動体24、第1可動体24を水平方向(X軸方向)に移動させる第1可動体移動機構(図示せず)、第1可動体24に各測定部14の配置方向である鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に取り付けられ、かつ、搬送ユニット16を鉛直軸(Z軸)を回転中心として回転可能に支持する第2可動体26、第2可動体26を鉛直方向(Z軸方向)に移動させる第2可動体移動機構(図示せず)、第2可動体26に取り付けられ、かつ、搬送ユニット16を鉛直軸(Z軸)を回転中心として回転させる搬送ユニット回転機構28によって構成されている。
第1可動体24は、例えば、上下一対の矩形フレーム24aそれぞれの四隅をZ軸方向に延びる4本のフレーム24bで連結することで構成されたフレーム体で、その下部が搬送物収納部12と各測定部14との間のベース34上に互いに平行に配置されたX軸方向に延びる2本のガイドレール30に移動可能に連結されている。
第1可動体移動機構は、周知の移動機構、例えば、第1可動体24に連結されたボールネジやこれを回転させる駆動モータ(いずれも図示せず)等で構成されている。この駆動モータを正逆回転させることにより、第1可動体24(搬送ユニット16)は、ガイドレール30に沿ってX軸方向に移動する。もちろん、これに限らず、第1可動体移動機構は、第1可動体24を自走させるための機構、例えば、第1可動体24に設けられた車輪及びこれを回転させる駆動モータであってもよい。
第2可動体26は、第1可動体24に互いに平行に配置されたZ軸方向に延びる2本のガイドレール32に移動可能に連結されている。
第2可動体移動機構は、周知の移動機構、例えば、第2可動体26に連結されたボールネジやこれを回転させる駆動モータ(いずれも図示せず)等で構成されている。この駆動モータを正逆回転させることにより、第2可動体26(搬送ユニット16)は、ガイドレール32に沿ってZ軸方向に移動する。もちろん、これに限らず、第2可動体移動機構は、第2可動体26を自走させるための機構、例えば、第2可動体26に設けられた車輪及びこれを回転させる駆動モータであってもよい。
搬送ユニット回転機構28は、周知の回転機構、例えば、第2可動体26に設けられた回転軸(鉛直軸)及びこれを回転させる駆動モータ28a等で構成されている。搬送ユニット16は、その上面が回転軸(鉛直軸)に固定されている。この駆動モータ28aを正逆回転させることにより、搬送ユニット16は、鉛直軸(Z軸)を回転中心として180°回転し、各アーム16b、16cが出入りする搬送ユニット16に形成された開口16fが搬送物収納部12又は各測定部14に対向した状態となる。
テストヘッド44は、ウエハ上に形成された半導体素子の検査の際に用いられる被メンテナンス装置(経時的にメンテナンスが実施される装置)で、ポゴフレーム46のポゴピン46bに電気的に接続される複数の端子(図示せず)を含む。
テストヘッド44は、テストヘッド保持機構によって保持されている。
テストヘッド保持機構は、図11に示すように、ベース56及びベース56上に固定されたY軸方向に延びる2本のテストヘッド用ガイドレール58によって構成されている。テストヘッド44は、テストヘッド用ガイドレール58にスライド移動可能に連結されている。そして、テストヘッド保持機構(ベース56)は、Z軸方向に延びる鉛直ガイドレール(図示せず)に移動可能に連結されている。ベース56には、テストヘッド44をベース56(及びテストヘッド用ガイドレール58)に対してロック(固定)するロック機構(図示せず)が設けられている。ロック機構は、例えば、テストヘッド44に対して係合し又は係合が解除される爪部等の係合部によって構成されている。
テストヘッド昇降機構48は、テストヘッド44を昇降させるための手段で、例えば、テストヘッド用シリンダ(エア又は油圧シリンダ)等のアクチュエータによって構成されている。シリンダは、例えば、一端がベース56側に連結され、他端がヘッドステージ20側に連結されている。シリンダはブレーキ付きであってもよい。このアクチュエータによってテストヘッド保持機構(ベース56)が鉛直ガイドレールに沿ってZ軸方向に昇降されることにより、テストヘッド44は、ロック機構によってロックされた状態でテストヘッド用ガイドレール58とともにZ軸方向に昇降されてポゴピン接続位置P3(図10参照)又はテストヘッド引出位置P4(図12(a)参照)に移動する。
ポゴピン接続位置P3は、テストヘッド44の端子とポゴフレーム46のポゴピン46bとが電気的に接続される位置である。テストヘッド引出位置P4は、テストヘッド44を引き出す際に、テストヘッド44がポゴフレーム46のポゴピン46b(及び後述の位置決めピン60a)に接触しないように(かつ、後述のポゴフレーム46の上昇スペースが確保されるように)考慮された位置である。
テストヘッド引出機構50(テストヘッドスライド機構)は、テストヘッド引出位置P4まで上昇されたテストヘッド44をメンテナンスエリアA2側に引き出すための手段で、例えば、テストヘッド用ガイドレール58によって構成されている。
テストヘッド引出位置P4まで上昇されたテストヘッド44は、作業者がロック機構によるロックを解除してこれを手前に引き寄せることで、テストヘッド用ガイドレール58に沿ってY軸方向にスライド移動して開口14bを介してメンテナンスエリアA2側に引き出される(図12(b)参照)。これにより、テストヘッド44のメンテナンス(例えば、テストヘッド内部の基板交換等)が可能となる。
メンテナンスが終了したテストヘッド44は、作業者によってテストヘッド用ガイドレール58に沿ってテストヘッド引出位置P4までY軸方向にスライド移動された後、鉛直ガイドレールに沿ってポゴピン接続位置P3まで下降する。その際、テストヘッド44は、図10に示すように、テストヘッド位置決め機構60によってポゴフレーム46に対して位置決めされた状態で当該ポゴフレーム46の上方、すなわち、ポゴピン接続位置P3に配置される。
テストヘッド位置決め機構60は、テストヘッド44をポゴフレーム46に対して位置決めするための手段で、例えば、位置決めピン60a及び当該位置決めピン60aが当接する凹部60bによって構成されている。位置決めピン60aは、ポゴフレーム46側に設けられていてもよいし、テストヘッド44側に設けられていてもよい。位置決めピン60aがポゴフレーム46側に設けられている場合、位置決めピン60aが当接する凹部60bは、テストヘッド44側に設けられる。一方、これとは逆に、位置決めピン60aがテストヘッド44側に設けられている場合、位置決めピン60aが当接する凹部60bは、ポゴフレーム46側に設けられる。
ポゴフレーム46(本発明の第1ポゴフレームに相当)は、ウエハ上に形成された半導体素子の検査の際に用いられる被メンテナンス装置(経時的にメンテナンスが実施される装置)で、図10に示すように、ポゴフレーム本体46aと当該ポゴフレーム本体46aに保持された複数のポゴピン46bによって構成されている。ポゴピン46bの上端部はポゴフレーム本体46aの上面から突出しており、ポゴピン46bの下端部はポゴフレーム本体46aの下面から突出している。ポゴピン46bは、テストヘッド44の端子に電気的に接続されるとともに、第1プローブカード保持機構36によって保持されたプローブカードPCのプローブに電気的に接続される。
ポゴフレーム46は、ポゴフレーム保持機構によって保持されている。
ポゴフレーム保持機構は、図11に示すように、ベース62及びベース62上に固定されたY軸方向に延びる2本のポゴフレーム用ガイドレール64によって構成されている。ポゴフレーム46は、ポゴフレーム用ガイドレール64にスライド移動可能に連結されている。そして、ポゴフレーム保持機構(ベース62)は、Z軸方向に延びる鉛直ガイドレール(図示せず)に移動可能に連結されている。ベース62には、ポゴフレーム46をベース62(及びポゴフレーム用ガイドレール64)に対してロック(固定)するロック機構(図示せず)が設けられている。ロック機構は、例えば、ポゴフレーム46に対して係合し又は係合が解除される爪部等の係合部によって構成されている。
ポゴフレーム46は、ポゴフレーム交換保持機構によって専用ポゴフレーム70と交換される。ポゴフレーム交換保持機構は、ポゴフレーム46又は専用ポゴフレーム70を交換保持するための手段で、主に、ポゴフレーム保持機構とポゴフレーム昇降機構52とポゴフレーム引出機構54とによって構成されている。
ポゴフレーム昇降機構52は、ポゴフレーム46を昇降させるための手段で、例えば、ポゴフレーム用シリンダ(エア又は油圧シリンダ)等のアクチュエータによって構成されている。シリンダは、例えば、一端がベース62側に連結され、他端がヘッドステージ20側に連結されている。シリンダはブレーキ付きであってもよい。このアクチュエータによってポゴフレーム保持機構(ベース62)が鉛直ガイドレールに沿ってZ軸方向に昇降されることにより、ポゴフレーム46は、ロック機構によってロックされた状態でポゴフレーム用ガイドレール64とともにZ軸方向に昇降されてプローブ接続位置P5(図12(a)参照)又はポゴフレーム引出位置P6(図13(a)参照)に移動する。
プローブ接続位置P5は、ポゴフレーム46のポゴピン46bと第1プローブカード保持機構36に保持されたプローブカードのプローブ(図示せず)とが電気的に接続される位置である。ポゴフレーム引出位置P6は、ポゴフレーム46を引き出す際に、ポゴフレーム46(ポゴピン46b)がプローブカードのプローブ(及び後述の位置決めピン66a)に接触しないように考慮された位置である。
ポゴフレーム引出機構54(ポゴフレームスライド機構)は、ポゴフレーム引出位置P6まで上昇されたポゴフレーム46をメンテナンスエリアA2側に引き出すための手段で、例えば、ポゴフレーム用ガイドレール64によって構成されている。
ポゴフレーム引出位置P6まで上昇されたポゴフレーム46は、作業者がロック機構によるロックを解除してこれを手前に引き寄せることで、ポゴフレーム用ガイドレール64に沿ってY軸方向にスライド移動して開口14bを介してメンテナンスエリアA2側に引き出される(図13(b)参照)。これにより、ポゴフレーム46のメンテナンス(例えば、ポゴピン交換等)が可能となる。また、ポゴフレーム46をポゴフレーム用ガイドレール64から取り外し、専用ポゴフレーム70をポゴフレーム用ガイドレール64に取り付けること(交換)もできる。
専用ポゴフレーム70(本発明の第2ポゴフレームに相当)は、ポゴフレーム46と交換される。図16に示すように、専用ポゴフレーム70は、ポゴフレーム46と同一又は略同一形状の専用ポゴフレームであって、ポゴフレーム本体70aと当該ポゴフレーム本体70aに保持された複数のポゴブロック70bによって構成されている。複数のポゴブロック70bは、複数のピン型温度センサ68bと同数設けられている。複数のポゴブロック70bは、それぞれ、4つのポゴピン(図示せず)を備えている。4つのポゴピンは、第1プローブカード保持機構36によって保持されるプローブカード型温度センサ68の複数のピン型温度センサ68b(4つのリード線68b4(図18(a)参照))に電気的に接続される。
専用ポゴフレーム70の複数のポゴブロック70b(ポゴピン)には、複数のピン型温度センサ68bによって測定されたウエハチャック18の温度を表す情報(温度データ)を記録する検出器72が電気的に接続されている。この検出器72の記録内容に基づき、ウエハチャック18の温度が調節(校正)される。このウエハチャック18の温度の調節機能は、例えば、ヒートコントローラ(図示せず)によってウエハチャック18に内蔵されたヒートプレート(図示せず)を制御することで実現される。
メンテナンスが終了したポゴフレーム46(又は交換された専用ポゴフレーム70)は、作業者によってポゴフレーム用ガイドレール64に沿ってポゴフレーム引出位置P6までY軸方向にスライド移動された後、鉛直ガイドレールに沿ってプローブ接続位置P5まで下降する。その際、ポゴフレーム46(又は交換された専用ポゴフレーム70)は、図12(a)に示すように、ポゴフレーム位置決め機構66によってヘッドステージ20に対して位置決めされた状態で当該ヘッドステージ20の上方、すなわち、プローブ接続位置P5に配置される。
ポゴフレーム位置決め機構66は、ポゴフレーム46(又は交換された専用ポゴフレーム70)をヘッドステージ20に対して位置決めするための手段で、例えば、位置決めピン66a及び当該位置決めピン66aが当接する凹部66bによって構成されている。位置決めピン66aは、ポゴフレーム46側に設けられていてもよいし、ヘッドステージ20側に設けられていてもよい。位置決めピン66aがポゴフレーム46側に設けられている場合、位置決めピン66aが当接する凹部66bは、ヘッドステージ20側に設けられる。一方、これとは逆に、位置決めピン66aがヘッドステージ20側に設けられている場合、位置決めピン66aが当接する凹部66bは、ポゴフレーム46側に設けられる。
図17(a)はプローブカード型温度センサ68の上面図、図17(b)は側面図である。
プローブカード型温度センサ68は、プローブカードPCと交換される。図17に示すように、プローブカード型温度センサ68は、プローブカードPCと同一又は略同一形状のプローブカード型温度センサであって、プローブカード型のカード本体68aと、複数のピン型温度センサ68bと、複数のポストピン68cと、プリント基板68dと、を備えている。
カード本体68aは、プローブカードPCと同一又は略同一形状(本実施形態では円盤形状)のカード本体で、ウエハチャック18のサイズ(直径)に対応したサイズ(直径)のカード本体が用いられる。カード本体68aの材質は、本来の検査が実施される環境と同じ又は略同じ環境下でウエハチャック18の上面温度を測定する観点から、プローブカードPCと同様のものであるのが望ましい。
カード本体68aには、厚み方向に貫通した複数のピン型温度センサ用貫通穴68a1及び複数のポストピン用貫通穴68a2が形成されている。ピン型温度センサ用貫通穴68a1及びポストピン用貫通穴68a2の数や配置形態は特に限定されず、本実施形態では、図17に示すように、合計29個のピン型温度センサ用貫通穴68a1及び合計28個のポストピン用貫通穴68a2がカード本体68aの中心と外周との間に同心円状に配置されている。ピン型温度センサ用貫通穴68a1及びポストピン用貫通穴68a2の数や配置形態は、プローブカード型温度センサ68(カード本体68a)のサイズ(直径)に応じて適宜の数、配置形態とすることができる。
複数のピン型温度センサ68bは、ウエハチャック18の上面に当接して(図16参照)ウエハチャック18の温度を測定するための手段で、それぞれ、図18(a)に示すように、ウエハチャック18の上面に当接する金属製保護管68b1及び金属製保護管68b1内に収容された温度センサ68b2によって構成されている。
金属製保護管68b1は、ウエハチャック18の上面に当接する下端部68b3を含む。金属製保護管68b1の材質は特に限定されず、例えば、SUS316を用いることができる。下端部68b3の形状は特に限定されず、本実施形態では、接触熱抵抗を低減する観点から、球面形状とされている。
温度センサ68b2は、例えば、白金測温抵抗体(例えば、白金抵抗体Pt100)である。もちろん、これに限らず、温度センサ68b2は、白金測温抵抗体以外の温度センサ、例えば、熱電対であってもよい。温度センサ68b2にはリード線68b4が電気的に接続されており、このリード線68b4は、金属製保護管68b1の上端部68b5から外部に引き出されている。
ピン型温度センサ68bの数や配置形態は特に限定されず、本実施形態では、図17に示すように、合計29個のピン型温度センサ68bが、カード本体68aに形成された複数のピン型温度センサ用貫通穴68a1に挿入(圧入)された状態でカード本体68aに設けられている。具体的には、各ピン型温度センサ68bは、ピン型温度センサ用貫通穴68a1に挿入された状態で樹脂等の接着剤によってカード本体68aに固定されている。もちろん、これに限らず、各ピン型温度センサ68bは、ピン型温度センサ用貫通穴68a1に挿入された状態でメカニカルな手段(例えば、係合爪)によってカード本体68aに固定されていてもよい。各ピン型温度センサ68bの上端部はカード本体68aの上面から同一又は略同一量突出しており、各ピン型温度センサ68bの下端部は同一又は略同一量カード本体68aの下面から突出している。
複数のポストピン68cは、複数のピン型温度センサ68bがウエハチャック18の上面に当接した状態でウエハチャック18の上面に当接して(図16参照)荷重を受けるための手段である。
ポストピン68cの材質又は構造は特に限定されないが、ウエハチャック18の上面に当接して荷重を受ける観点から、ピン型温度センサ68b(金属製保護管68b1)より弾性変形しにくい材質又は構造(例えば、金属性保護管のように中空ではなく中実の構造)であるのが望ましい。ポストピン68cの数や配置形態は特に限定されず、本実施形態では、図17に示すように、合計28個のポストピン68cが、カード本体68aに形成された複数のポストピン用貫通穴68a2に挿入(圧入)された状態でカード本体68aに設けられている。具体的には、各ポストピン68cは、ポストピン用貫通穴68a2に挿入された状態で樹脂等の接着剤によってカード本体68aに固定されている。もちろん、これに限らず、各ポストピン68cは、ポストピン用貫通穴68a2に挿入された状態でメカニカルな手段(例えば、係合爪)によってカード本体68aに固定されていてもよい。各ポストピン68cの上端部はカード本体68aの上面から突出しており、各ポストピン68cの下端部はカード本体68aの下面から突出している。
各ピン型温度センサ68bの長さ(突出量)と各ポストピン68cの長さ(突出量)は、同等(同一又は略同一)とされている。また、各ピン型温度センサ68b及び各ポストピン68cの長さのバラツキは30μm以下に抑えられている。また、ウエハチャック18の上面の平面度は、15μm以下とされている。これにより、ウエハチャック18の上面に各ピン型温度センサ68bが当接する際に、平行の精度を保つことができる。
プリント基板68dはポゴブロック70の4つのポゴピンが電気的に接続される領域(配線や電極パッドやポゴ座等)を含み、当該領域には図18(a)に示すピン型温度センサ68bの4つのリード線68b4が折り曲げられた状態で電気的に接続されている。なお、図18(b)に示すように、ポゴ座68b6は、4つのポゴピンに対応して4つが用いられる。図18(b)は、ポゴブロック70(ポゴピン)とピン型温度センサ68bとの電気的な接続形態の例を示している。
なお、アライメント装置38、アーム移動機構、環境制御手段16d、移動装置22(第1可動体移動機構、第2可動体移動機構、搬送ユニット回転機構28)、テストヘッド昇降機構48、ポゴフレーム昇降機構52等の各装置、機構は、不図示の制御手段(コントローラ等)による制御によって駆動される。
次に、本実施形態のプローバ10における搬送ユニット16の動作例について説明する。
<ウエハ搬送動作例>
まず、搬送ユニット16がウエハWをウエハ収納部12aから検査(例えば、高温検査又は低温検査)が実施される測定部14内に搬送する場合の動作例について説明する。
まず、ウエハ収納部12aにアクセス可能な位置(ウエハWを取り出し可能な位置)まで搬送ユニット16を移動させ、かつ、搬送ユニット16を180°回転させて各アーム16b、16cが出入りする搬送ユニット16に形成された開口16fをウエハ収納部12aに対向させる。
次に、ウエハ保持アーム16bをウエハ収納部12a内に進出させて当該ウエハ収納部12aから1枚のウエハWを取り出し、筐体16a内に収納する。これとともに、搬送先の測定部14の環境に応じた環境となるように筐体16a内の環境が制御される。具体的には、温調気体供給源で温度調整された気体が筐体16a内に供給されるとともに、エア噴射口から噴射されて筐体16aに形成された開口16fを閉塞するエアカーテンが形成される。これにより、筐体16a内が密閉又は略密閉空間とされる。
次に、搬送先の測定部14にアクセス可能な位置(ウエハWを引き渡し可能な位置)まで搬送ユニット16を移動させ、かつ、搬送ユニット16を180°回転させて各アーム16b、16cが出入りする搬送ユニット16に形成された開口16fを搬送先の測定部14に対向させる。
次に、ウエハ保持アーム16bをエアカーテンが形成された搬送ユニット16側の開口16f及び測定部14側の開口14aを介して測定部14内にY軸方向に進出させてウエハチャック18にウエハWをロードする。図14中の右側の矢印は搬送物(ここではウエハW)の搬送方向を表している。ウエハ保持アーム16bは、ウエハWを保持した状態で、エアカーテンで閉塞された状態の開口16fを通過して測定部14内に進出する。
ロードされたウエハWは、真空吸着によりウエハチャック18に保持される。そして、ウエハWがウエハチャック18によって検査温度に達するまで待機し、検査温度に達すると、アライメント装置38がX−Y−Z−θ方向に移動しながらウエハチャック18に保持されたウエハWをウエハチャック18上方に保持されたプローブカードPCのプローブに対して周知の方法でアライメントし、次いで、ウエハチャック18がアライメント装置38の作用によってZ軸方向に移動してウエハWとプローブとを電気的に接触させることで、ポゴフレーム46(ポゴピン46b)及びテストヘッド44を介してウエハWの電気的特性検査が実施される。
このように、ウエハ収納部12aから搬送先の測定部14内にウエハを搬送するまでの時間を利用して搬送ユニット16内の環境を制御して搬送先の測定部14での検査温度との差を少なくすることにより、従来技術と比べ、搬送先の測定部14内でウエハを検査温度に近づけるための待機時間を短縮する(又は無くす)ことができる。これにより、測定部14でのスループットを向上させることができる。
<プローブカード搬送動作例>
次に、搬送ユニット16がプローブカードPCをプローブカード収納部12bから検査(例えば、高温検査又は低温検査)が実施される測定部14内に搬送する場合の動作例について説明する。
まず、プローブカード収納部12bにアクセス可能な位置(プローブカードPCを取り出し可能な位置)まで搬送ユニット16を移動させ、かつ、搬送ユニット16を180°回転させて各アーム16b、16cが出入りする搬送ユニット16に形成された開口16fをプローブカード収納部12bに対向させる。
次に、プローブカード保持アーム16cをプローブカード収納部12b内に進出させて当該プローブカード収納部12bから1枚のプローブカードPCを取り出し、筐体16a内に収納する。これとともに、搬送先の測定部14の環境に応じた環境となるように筐体16a内の環境が制御される。具体的には、温調気体供給源で温度調整された気体が筐体16a内に供給されるとともに、エア噴射口から噴射されて筐体16aに形成された開口16fを閉塞するエアカーテンが形成される。これにより、筐体16a内が密閉又は略密閉空間とされる。
次に、搬送先の測定部14にアクセス可能な位置(プローブカードPCを引き渡し可能な位置)まで搬送ユニット16を移動させ、かつ、搬送ユニット16を180°回転させて各アーム16b、16cが出入りする搬送ユニット16に形成された開口16fを搬送先の測定部14に対向させる。
次に、プローブカード保持アーム16cをエアカーテンが形成された搬送ユニット16側の開口16f及び測定部14側の開口14aを介して測定部14内にY軸方向に進出させる(図7(a)参照)。プローブカード保持アーム16cは、プローブカードPCを保持した状態で、エアカーテンで閉塞された状態の開口16fを通過して測定部14内にY軸方向に進出する。図14中の右側の矢印は搬送物(ここではプローブカードPC)の搬送方向を表している。
次に、第2プローブカード保持機構40の保持部40aによって、プローブカード保持アーム16cからプローブカードPCを受け取り、これを保持させる。具体的には、ウエハチャック18を保持した状態のアライメント装置38がプローブカード受取位置P1に移動した状態で、保持部40aをZ軸可動部38aに対してZ軸方向に上昇させてプローブカードPC(下面外周縁)に当接させ、このZ軸方向に上昇する保持部40aでプローブカードPCをプローブカード保持アーム16cから持ち上げる。これにより、プローブカードPCは、保持部40aに受け渡され、当該保持部40aによってウエハチャック18の直上で保持される。
次に、プローブカードPC及びウエハチャック18を保持した状態のアライメント装置38を位置P2まで移動させる(図7(b)参照)。
次に、プローブカードPCを第1プローブカード保持機構36まで搬送する(図7(b)参照)。具体的には、ウエハチャック18を保持した状態のアライメント装置38が位置P2に移動した状態で、Z軸可動部38a(第2プローブカード保持機構40)をZ軸方向に上昇させることで、第2プローブカード保持機構40によって保持されたプローブカードPCを第1プローブカード保持機構36まで搬送する。第1プローブカード保持機構36まで搬送されたプローブカードPCは、当該第1プローブカード保持機構36によって着脱自在に保持される。
<テストヘッド引出動作例>
次に、テストヘッド44をメンテナンスエリアA2側に引き出す場合の動作例について説明する。
まず、図12(a)に示すように、テストヘッド昇降機構48によって、テストヘッド保持機構(ベース56)をポゴピン接続位置P3からテストヘッド引出位置P4に上昇させる。これにより、テストヘッド44は、ロック機構によってロックされた状態で、ベース56に固定されたテストヘッド用ガイドレール58とともに、テストヘッド引出位置P4に移動する。
次に、作業者が、ロック機構によるロックを解除した後、テストヘッド引出位置P4まで上昇されたテストヘッド44を手前に引き寄せる。これにより、テストヘッド44は、図12(b)に示すように、テストヘッド用ガイドレール58に沿ってY軸方向にスライド移動して開口14bを介してメンテナンスエリアA2側に引き出される。これにより、テストヘッド44のメンテナンス(例えば、テストヘッド内部の基板交換等)が可能となる。図14中の左側の矢印は被メンテナンス装置(ここでテストヘッド44)の引出方向(及び押入方向)を表している。
次に、メンテナンスが終了したテストヘッド44をポゴピン接続位置P3に戻す場合の動作例について説明する。
まず、作業者が、メンテナンスが終了したテストヘッド44をテストヘッド用ガイドレール58に沿って押し込んでテストヘッド引出位置P4までY軸方向にスライド移動させ、その位置において、ロック機構によるロックを実施する。
次に、テストヘッド昇降機構48によって、テストヘッド保持機構(ベース56)をテストヘッド引出位置P4からポゴピン接続位置P3に下降させる。これにより、テストヘッド44は、ロック機構によってロックされた状態で、ベース56に固定されたテストヘッド用ガイドレール58とともに、ポゴピン接続位置P3に移動する。その際、テストヘッド44は、図10に示すように、テストヘッド位置決め機構60によってポゴフレーム46に対して位置決めされた状態で当該ポゴフレーム46の上方、すなわち、ポゴピン接続位置P3に配置される。これにより、テストヘッド44の端子とポゴフレーム46のポゴピン46bとの位置合わせが実施されるため、両者を精度良く電気的に接続することができる。
以上のように、被メンテナンス装置(ここではテストヘッド44)の引出方向(図14中の左側の矢印参照)と搬送物(ウエハW又はプローブカードPC)の搬送方向(図14中の右側の矢印参照)とがY軸方向に関し一直線状であるため、高精度が求められるテストヘッド44のポゴフレーム46に対する位置決めの際に考慮しなくてはならないアッベ誤差を抑制すること(又は無くすこと)ができる。特に、メンテナンスが終了したテストヘッド44をポゴピン接続位置P3に戻す場合に、X軸方向に関する位置決めの精度が低下するのを抑制することができる。
<ポゴフレーム引出動作例>
次に、ポゴフレーム46をメンテナンスエリアA2側に引き出す場合の動作例について説明する。
まず、図12(a)に示すように、テストヘッド昇降機構48によって、テストヘッド保持機構(ベース56)をポゴピン接続位置P3からテストヘッド引出位置P4に上昇させる。これにより、テストヘッド44は、ロック機構によってロックされた状態で、ベース56に固定されたテストヘッド用ガイドレール58とともに、テストヘッド引出位置P4に移動する。これにより、ポゴフレーム46の上昇スペースSが確保される。
次に、図13(a)に示すように、ポゴフレーム昇降機構52によって、ポゴフレーム保持機構(ベース62)をプローブ接続位置P5からポゴフレーム引出位置P6に上昇させる。これにより、ポゴフレーム46は、ロック機構によってロックされた状態で、ベース62に固定されたポゴフレーム用ガイドレール64とともに、ポゴフレーム引出位置P6に移動する。
次に、作業者が、ロック機構によるロックを解除した後、ポゴフレーム引出位置P6まで上昇されたポゴフレーム46を手前に引き寄せる。これにより、ポゴフレーム46は、図13(b)に示すように、ポゴフレーム用ガイドレール64に沿ってY軸方向にスライド移動して開口14bを介してメンテナンスエリアA2側に引き出される。これにより、ポゴフレーム46のメンテナンス(例えば、ポゴピン交換等)が可能となる。図14中の左側の矢印は被メンテナンス装置(ここでポゴフレーム46)の引出方向(及び押入方向)を表している。
次に、メンテナンスが終了したポゴフレーム46をプローブ接続位置P5に戻す場合の動作例について説明する。
まず、作業者が、メンテナンスが終了したポゴフレーム46をポゴフレーム用ガイドレール64に沿って押し込んでポゴフレーム引出位置P6までY軸方向にスライド移動させ、その位置において、ロック機構によるロックを実施する。
次に、ポゴフレーム昇降機構52によって、ポゴフレーム保持機構(ベース62)をポゴフレーム引出位置P6からプローブ接続位置P5に下降させる。これにより、ポゴフレーム46は、ロック機構によってロックされた状態で、ベース62に固定されたポゴフレーム用ガイドレール64とともに、プローブ接続位置P5に移動する。その際、ポゴフレーム46は、図12(a)に示すように、ポゴフレーム位置決め機構66によってヘッドステージ20に対して位置決めされた状態で当該ヘッドステージ20の上方、すなわち、プローブ接続位置P5に配置される。これにより、ポゴフレーム46のポゴピン46bとプローブカードのプローブとの位置合わせが実施されるため、両者を精度良く電気的に接続することができる。
以上のように、被メンテナンス装置(ここではポゴフレーム46)の引出方向(図14中の左側の矢印参照)と搬送物(ウエハW又はプローブカードPC)の搬送方向(図143中の右側の矢印参照)とがY軸方向に関し一直線状であるため、高精度が求められるポゴフレーム46のヘッドステージ20に対する位置決めの際に考慮しなくてはならないアッベ誤差を抑制すること(又は無くすこと)ができる。特に、メンテナンスが終了したポゴフレーム46をプローブ接続位置P5に戻す場合に、X軸方向に関する位置決めの精度が低下するのを抑制することができる。
また、従来技術においては、ポゴフレームを上昇させることなくポゴフレームを引き出す構成であるため、ポゴフレームを引き出す前に、プローブカードを測定部(セル)から搬出しなければならなかったのに対して、本実施形態においては、ポゴフレーム46をポゴフレーム引出位置P6まで上昇させてプローブカードから離間させた後、当該ポゴフレーム引出位置P6まで上昇されたポゴフレーム46を引き出す構成であるため、プローブカードPCを測定部14から搬出することなく、ポゴフレーム46を引き出すことができる。
<ウエハチャック温度測定方法>
次に、ウエハチャック18の温度を測定する場合の動作例について説明する。
まず、上記ポゴフレーム引出動作例の手順によって、ポゴフレーム46をメンテナンスエリアA2側に引き出し、これを専用ポゴフレーム70と交換する。具体的には、メンテナンスエリアA2側に引き出したポゴフレーム46をポゴフレーム用ガイドレール64から取り外し、専用ポゴフレーム70をポゴフレーム用ガイドレール64に取り付ける。そして、上記ポゴフレーム押込動作例の手順によって、専用ポゴフレーム70をプローブ接続位置P5に戻す。ポゴフレーム交換保持機構(ポゴフレーム保持機構、ポゴフレーム昇降機構52、ポゴフレーム引出機構54)は、交換後の専用ポゴフレーム70を、交換前のポゴフレーム46と同一又は略同一位置(プローブ接続位置P5)に同一又は略同一姿勢で保持する。
次に、上記プローブカード搬送動作例の手順によって、プローブカード型温度センサ68を、搬送ユニット16によってウエハチャック18の温度測定が実施される測定部14内に搬送し、アライメント装置38によって第1プローブカード保持機構36まで搬送し、当該第1プローブカード保持機構36によって保持させる。第1プローブカード保持機構36は、交換後のプローブカード型温度センサ68を、交換前のプローブカードPCと同一又は略同一位置に同一又は略同一姿勢で保持する。プローブカード型温度センサ68は、各ピン型温度センサ68bが専用ポゴフレーム70の複数のポゴブロック70b(ポゴピン)に電気的に接触した状態で保持される。
次に、アライメント装置38によってウエハチャック18を主にZ軸方向に移動させることで、プローブカード型温度センサ68とウエハチャック18との間に密閉空間SSを形成する。そして、減圧手段76を作動させることで、密閉空間SSを真空状態とする。これにより、ウエハチャック18がプローブカード型温度センサ68に向けて引き寄せられてプローブカード型温度センサ68の複数のピン型温度センサ68bがウエハチャック18の上面に当接して温度測定を開始可能な状態となる。その際、各ポストピン68cがウエハチャック18の上面に当接して荷重を受けるとともに、ウエハチャック18の上面に当接した各ピン型温度センサ68bが撓む。これにより、各ピン型温度センサ68bの接触圧が一定又は略一定にコントロールされる。その結果、各ピン型温度センサ68bとウエハチャック18の上面との当接状態が一定又は略一定となり、ウエハチャック18の温度を精度良く測定することができる。換言すると、ウエハチャック18の上面に各ピン型温度センサ68bが当接する際に、各ポストピン68cの作用によって平行の精度が保たれる。そして、ウエハチャック18の上面に各ピン型温度センサ68bが当接する際に、各ポストピン68cが当接の負荷荷重を受けることで、均一に各ピン型温度センサ68bに荷重を伝えることができる。これにより、各ピン型温度センサ68bによる温度測定への影響が抑制される。その結果、ウエハチャック18の温度を精度良く測定することができる。
また、各ピン型温度センサ68bはその球面形状の下端部68b3がウエハチャック18の上面に点接触に近い形態で当接するため、面接触に近い形態で当接する場合と比べ、接触熱抵抗が低減される。その結果、各ピン型温度センサ68bとウエハチャック18の上面との当接状態が一定又は略一定となり、ウエハチャック18の温度を精度良く測定することができる。
各ピン型温度センサ68bによって測定された温度を表す情報は、専用ポゴフレーム70の複数のポゴブロック70b(ポゴピン)を介して伝送されて検出器72に記録される。そして、この検出器72の記録内容に基づき、ウエハチャック18の温度が調節(校正)される。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の温度センサそれぞれのウエハチャックの上面に対する接触圧を一定又は略一定にコントロールすることができるプローブカード型温度センサを提供することができる。
これは、複数の温度センサとして複数のピン型温度センサ68bを用いた結果、ウエハチャック18の上面に当接した各ピン型温度センサ68bが(プローブカード型温度センサ68の厚み方向に)同様の形態で撓むことによるものである。
また、各ポストピン68cがウエハチャック18の上面に当接して荷重を受けることで、プローブカード型温度センサ68とウエハチャック18の上面とが平行又は略平行の状態に保たれる。これによっても、複数の温度センサそれぞれのウエハチャックの上面に対する接触圧を一定又は略一定にコントロールすることができる。なお、各ポストピン68cは適宜省略してもよい。
以上のように、複数の温度センサそれぞれのウエハチャックの上面に対する接触圧が一定又は略一定にコントロールされる結果、各ピン型温度センサ68bとウエハチャック18の上面との当接状態が一定又は略一定となり、ウエハチャック18の温度を精度良く測定することができる。
また、本実施形態によれば、本来の検査が実施される環境と同じ又は略同じ環境下でウエハチャック18の上面温度を測定できるプローバ10及びウエハチャック温度測定方法を提供することができる。
これは、第1に、プローブカードPC及びプローブカード型温度センサ68が、第1プローブカード保持機構36によって同一又は略同一位置に同一又は略同一姿勢で保持されること、第2に、本来の検査及びウエハチャック18の上面(表面)温度の測定がいずれも、密閉空間SSを真空状態とした環境下で実施されること、によるものである。
また、本実施形態によれば、プローブカード型温度センサ68とウエハチャック18との間に形成される密閉空間SSを真空状態とした環境下でウエハチャック18の上面温度の測定が実施されるため、熱対流の影響を受けずに精度良くウエハチャック18の上面温度の測定を実施することができる。
次に、変形例について説明する。
本実施形態では、ピン型温度センサ68bを金属製保護管68b1及び金属製保護管68b1内に収容された温度センサ68b2によって構成する例を例示したが、これに限らず、例えば、ピン型温度センサ68bを金属製保護管68b1(又はこれに相当する中空又は中実のピン状部材)及び金属製保護管68b1(又はこれに相当する中空又は中実のピン状部材)の下端部(又はそれ以外の部分)に取り付けられた温度センサ68b2によって構成してもよい。この場合、温度センサ68b2として、例えば、特開平2006−294873号公報に開示されている複数の温度センサ等、各種の温度センサを用いることができる。
本実施形態では、専用ポゴフレーム70及び専用ポゴフレーム70の複数のポゴブロック70b(ポゴピン)に電気的に接続された検出器72を用いた構成を例示したが、これに限らず、複数のピン型温度センサ68bによって測定されたウエハチャック18の温度を表す情報を無線送信する送信手段とこの送信手段によって無線送信されるウエハチャック18の温度を表す情報を受信する受信手段とを用い、この受信手段によって受信されるウエハチャック18の温度を表す情報を検出器72によって記録するように構成してもよい。このようにすれば、専用ポゴフレーム70を省略することができる。送信手段はピン型温度センサ68bに設けることができ、受信手段は検出器72に設けることができる。
また、本実施形態では、専用ポゴフレーム70にプローブカード型温度センサ68が設けられていない構成を例示したが、これに限らず、専用ポゴフレーム70にプローブカード型温度センサ68を設け、(さらにプローブカードPCを取り外した後)ポゴフレーム46を、ポゴフレーム交換保持機構によってプローブカード型温度センサ68が設けられた(例えば、固定された)専用ポゴフレーム70と交換してもよい。この場合、ポゴフレーム交換保持機構は、交換後の専用ポゴフレーム70を、交換前のポゴフレーム46と同一又は略同一位置に同一又は略同一姿勢で保持する。また、プローブカード型温度センサ68は、取り外し前のプローブカードPCと同一又は略同一位置に同一又は略同一姿勢で保持される。このようにすれば、搬送ユニット16によるプローブカード型温度センサ68の搬送を省略することができるため、プローブカード型温度センサ68が設けられた専用ポゴフレーム70と交換後、直ちにウエハチャック18の温度測定を開始することができる。
また、本実施形態では、シーリング機構(リング状シール部材74)を用い、減圧手段76を作動させてプローブカード型温度センサ68とウエハチャック18との間に形成される密閉空間SSを真空状態とすることで、ウエハチャック18をプローブカード型温度センサ68に向けて引き寄せてプローブカード型温度センサ68の複数のピン型温度センサ68bをウエハチャック18の上面に当接させる構成を例示したが、これに限らず、シーリング機構(リング状シール部材74)及び減圧手段76を省略し、ウエハチャック18を保持したアライメント装置38をZ軸方向に上昇させることで、プローブカード型温度センサ68の複数のピン型温度センサ68bをウエハチャック18の上面に当接させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ピン型温度センサ68bを用いた例を例示したが、これに限らず、シート状、箱状、球状等の様々な形状の温度センサを用いることができる。
また、本実施形態では、プローブカード型温度センサ68の複数のピン型温度センサ68bをウエハチャック18の上面に当接させることで、当該ウエハチャック18の上面の温度を測定する例について説明したが、これに限らず、例えば、プローブカード型温度センサ68の複数のピン型温度センサ68bをウエハチャック18に保持されたウエハの上面に当接させることで、当該ウエハ自体の温度を測定することもできる。
また、本実施形態では、ポゴフレーム昇降機構52を用い、これによって上昇された状態のポゴフレーム46を引き出す構成を例示したが、これに限らず、ポゴフレーム昇降機構52を省略してもよい。すなわち、従来技術と同様のポゴフレーム引出機構を用い、ポゴフレーム46を上昇させることなくポゴフレーム46を引き出すように構成してもよい。
また、本実施形態では、搬送ユニット16の各アーム16b、16cが筐体16aに形成された開口16fを介して出入りする構成を例示したが、これに限らず、例えば、搬送ユニット16の筐体16aのうち開口16fが形成された側とは反対側の面に同様の開口(図示せず)を形成し、各アーム16b、16cが、水平方向に個別に往復移動して開口16f及びその反対側の開口を介して出入りするように構成してもよい。このようにすれば、搬送ユニット回転機構28を省略することができる。そして、搬送ユニット回転機構28を省略したにもかかわらず、すなわち、搬送ユニット16を回転させることなく、各アーム16b、16cによる搬送物収納部12又は各測定部14へのアクセスを実現できる。この場合、搬送ユニット16の筐体16aに形成された開口16fを閉塞するエアカーテンを形成するエアカーテン形成手段42に加えて、当該開口16fの反対側に形成された開口を閉塞するエアカーテンを形成する同様のエアカーテン形成手段を搬送ユニット16に設けることで、筐体16a内を密閉又は略密閉空間とすることができ、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態では、各測定部14が水平方向(X軸方向)及び鉛直方向(Z軸方向)に二次元的に配置された構成を例示したが、これに限らず、各測定部14は、水平方向(X軸方向)に一列にのみ配置されていてもよいし、鉛直方向(Z軸方向)に一列にのみ配置されていてもよい。各測定部14を水平方向(X軸方向)に一列にのみ配置することで、第2可動体移動機構を省略できる。また、各測定部14を鉛直方向(Z軸方向)に一列にのみ配置することで、第1可動体移動機構を省略できる。
また、本実施形態では、1つの搬送ユニット16及び1つの移動装置22を用いた構成を例示したが、これに限らず、複数の搬送ユニット16及び複数の移動装置22を用いてもよい。このようにすれば、各測定部14でのスループットをさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、ウエハ保持アーム16b及びプローブカード保持アーム16cを用いた構成を例示したが、これに限らず、プローブカード保持アーム16cのみを用いてもよい。
また、本実施形態では、搬送ユニット16に各アーム16b、16cを設けた構成を例示したが、これに限らず、搬送物収納部12側及び各測定部14側に各アーム16b、16c(又はこれに相当するアーム)を設けてもよい。これによっても、各アームによって搬送物収納部12又は測定部14から搬送物を取り出して搬送ユニット16内に収納することができ、かつ、搬送ユニット16から搬送物を取り出して搬送物収納部12又は測定部14に引き渡すことができる。
また、本実施形態では、筐体16aに形成された開口16fをエアカーテンで閉塞する構成を例示したが、これに限らず、搬送物の取り出しの際又は引き渡しの際に開かれ、搬送物の搬送中に閉じられるシャッターや扉等の開口開閉手段を搬送ユニット16に設け、この開口開閉手段によって開口16fを開閉するように構成してもよい。また、各測定部14に形成された開口14aを同様のエアカーテンで閉塞するように構成してもよいし、または、同様の開口開閉手段で開口14aを開閉するように構成してもよい。
以上説明したように、複数のピン型温度センサを備えたプローブカード型温度センサを用いることで、複数の温度センサそれぞれのウエハチャックの上面に対する接触圧を一定又は略一定にコントロールするという考え方は、上記実施形態のプローバのみならず、プローブカードを着脱自在に保持するプローブカード保持機構を備えたあらゆる種類のプローバ(例えば、特開2007−294665号公報、特開2000−150596号公報、特開2003−177158号公報、特開2008−16676号公報参照)に適用することができる。
以上、本発明のプローバについて詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
10…プローバ、12…搬送物収納部、12a…ウエハ収納部、12b…プローブカード収納部、14…測定部、14a…開口、16…搬送ユニット、16a…筐体、16b…ウエハ保持アーム、16c…プローブカード保持アーム、16d…環境制御手段、16e…センサ、16f…開口、18…ウエハチャック、20…ヘッドステージ、22…移動装置、24…第1可動体、26…第2可動体、28…搬送ユニット回転機構、28a…駆動モータ、30、32…ガイドレール、34…ベース、36…第1プローブカード保持機構、38…アライメント装置、40…第2プローブカード保持機構、40a…保持部、42…エアカーテン形成手段、44…テストヘッド、46…ポゴフレーム(第1ポゴフレーム)、46a…ポゴフレーム本体、46b…ポゴピン、48…テストヘッド昇降機構、50…テストヘッド引出機構、52…ポゴフレーム昇降機構、54…ポゴフレーム引出機構、56…ベース、58…テストヘッド用ガイドレール、60…テストヘッド位置決め機構、60a…位置決めピン、60b…凹部、62…ベース、64…ポゴフレーム用ガイドレール、66…ポゴフレーム位置決め機構、66a…位置決めピン、66b…凹部、68…プローブカード型温度センサ、70…ポゴフレーム(第2ポゴフレーム)、72…検出器、CH…カードホルダ、PC…プローブカード、W…ウエハ

Claims (6)

  1. ウエハチャックの上方に配置されるプローブカード型のカード本体と、
    前記カード本体に設けられ、前記ウエハチャックの上面に当接して前記ウエハチャックの温度を測定する複数のピン型温度センサと、
    を備えるプローブカード型温度センサ。
  2. 前記カード本体には、厚み方向に貫通した複数のピン型温度センサ用貫通穴が形成されており、
    前記複数のピン型温度センサは、前記複数のピン型温度センサ用貫通穴に挿入された状態で前記カード本体に設けられている請求項1に記載のプローブカード型温度センサ。
  3. 前記カード本体に設けられ、前記複数のピン型温度センサが前記ウエハチャックの上面に当接した状態で前記ウエハチャックの上面に当接して荷重を受ける複数のポストピンをさらに備える請求項1又は2に記載のプローブカード型温度センサ。
  4. 前記カード本体には、厚み方向に貫通した複数のポストピン用貫通穴が形成されており、
    前記複数のポストピンは、前記複数のポストピン用貫通穴に挿入された状態で前記カード本体に設けられている請求項3に記載のプローブカード型温度センサ。
  5. 前記複数のピン型温度センサは、それぞれ、前記ウエハチャックの上面に当接する金属製保護管及び前記金属製保護管内に収容された温度センサを含む請求項1から4のいずれか1項に記載のプローブカード型温度センサ。
  6. 前記複数のピン型温度センサは、それぞれ、前記ウエハチャックの上面に当接する球面形状の部分を含む請求項1から5のいずれか1項に記載のプローブカード型温度センサ。
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