JP2016180053A - 炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂の含浸性を高めることができる炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法を提供する。
【解決手段】炭素繊維束を構成する炭素繊維の表面に、アンモニア、ヒドラジン、及び、アミンのいずれかであるサイジング剤が付着する工程と、前記サイジング剤が付着した前記炭素繊維束の表面に熱可塑性樹脂が接触する工程と、前記熱可塑性樹脂が接触した前記炭素繊維束を加熱圧縮されるとともに、前記熱可塑性樹脂と前記サイジング剤とが反応して前記熱可塑性樹脂が加熱されることにより、前記熱可塑性樹脂が前記炭素繊維束の内部に含浸する工程と、前記熱可塑性樹脂が含浸した前記炭素繊維束が冷却して、前記熱可塑性樹脂が固化する工程と、を含む炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、射出成型機、交通車両、航空機部材、タービン翼などに使用される炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法に関する。
炭素繊維強化プラスチックは、軽量かつ高強度、高弾性を有する素材であり、射出成型機部材、自動車等の交通車両部材、航空機部材、タービン翼部材などに適用される。炭素繊維強化プラスチックには、熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とするもの(炭素繊維強化熱硬化性樹脂プラスチック:CFRP)と、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とするもの(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック:CFRTP)とがある。
炭素繊維とマトリックス樹脂との界面接着性を向上させるために、炭素繊維の表面を気相酸化や液相酸化などの酸化処理や、炭素繊維表面に酸素含有官能基を導入する電解処理が実施される。
また、炭素繊維の表面に集束剤(サイジング剤)を付着処理して、炭素繊維とマトリックス樹脂との濡れ性を向上させてマトリックス樹脂の含浸性を高める処理が実施される。特許文献1は、カチオン型界面活性剤又は非イオン型界面活性剤を必須成分とする集束剤を開示する。特許文献2は、エポキシ樹脂、水溶性ポリウレタン及びポリエーテル樹脂を含む集束剤を開示する。
特許文献3は、炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物において、サイジング剤としてエポキシ樹脂と分子量が100g/mol以上の3級アミン化合物及び/または3級アミン塩とを用いることを開示する。特許文献3では、エポキシ樹脂を炭素繊維または炭素繊維表面に付着させたアミン化合物及び/またはアミン塩と結合させた上で、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との間で水素結合または共有結合を形成させることにより、炭素繊維と熱可塑性樹脂との界面接着性向上を図っている。
特開2010−31424号公報 特開2005−320641号公報 特許第5327406号公報
熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂と比べて一般的に粘度が高いために炭素繊維への含浸性が悪い。熱可塑性樹脂を炭素繊維に含浸させる際には、一般的に高温・高圧条件下で実施する必要があり、更に含浸に長時間を要する。高圧での含浸により繊維が折損してしまう。また、含浸時間が不十分であると未含浸部分が発生して強度低下等が発生する。
特許文献3では、界面接着性向上を図るために、エポキシ樹脂と炭素繊維との間、及び、アミン化合物及び/またはアミン塩と炭素繊維との間で強力な結合を形成する。このため、特許文献3に適用される炭素繊維は、表面に−COOH基または−OH基を有しているものに限定されていた。また、特許文献3の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物は少なくとも2種類のサイジング剤が必要であり、作製工程及び作製条件設定が煩雑であることが問題となっていた。
本発明は、熱可塑性樹脂の含浸性を高めることができる炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、炭素繊維束を構成する炭素繊維の表面に、アンモニア、ヒドラジン、及び、アミンのいずれかであるサイジング剤が付着する工程と、前記サイジング剤が付着した前記炭素繊維束の表面に熱可塑性樹脂が接触する工程と、前記熱可塑性樹脂が接触した前記炭素繊維束を加熱圧縮されるとともに、前記熱可塑性樹脂と前記サイジング剤とが反応して前記熱可塑性樹脂が加熱されることにより、前記熱可塑性樹脂が前記炭素繊維束の内部に含浸する工程と、前記熱可塑性樹脂が含浸した前記炭素繊維束が冷却して、前記熱可塑性樹脂が固化する工程と、を含む炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法である。
上記態様において、前記熱可塑性樹脂が、エステル系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、及び、末端に塩素を有するポリフェニレンサルファイド系樹脂のいずれかである。
上記態様では、前記含浸する工程において、前記熱可塑性樹脂の融点以上前記熱可塑性樹脂の熱分解温度以下、5MPa以上8MPa以下の条件で、前記熱可塑性樹脂を前記炭素繊維の間に含浸させることが好ましい。
本発明の製造方法は、サイジング剤と熱可塑性樹脂との反応を利用することにより、熱可塑性樹脂の含浸性を高めるものである。具体的に、炭素繊維束を加熱圧縮して樹脂を含浸させる際に、炭素繊維と熱可塑性樹脂とが接触した部分において、炭素繊維に付着したサイジング剤と熱可塑性樹脂とが反応する。この時の反応熱により熱可塑性樹脂が局所的に加熱される。また、エステル系熱可塑性樹脂及びポリアミド系熱可塑性樹脂の場合は、サイジング剤との反応により主鎖が切断されて分子量が低下する。反応熱による局所的な温度上昇と低分子化により熱可塑性樹脂の粘度が低下するとともに、熱可塑性樹脂の結晶化速度が遅くなる。この結果樹脂の流動性が上昇するため、外部からエネルギーを投入して含浸時の温度を上昇させたり高圧条件でなくても、炭素繊維束内部への含浸が促進される。
熱可塑性樹脂をマトリックスとする炭素繊維強化熱可塑性プラスチックにおいて、熱可塑性樹脂の分子量が小さくなることは、成形品の強度低下に繋がる。一方で本発明では、強度上の問題が無い範囲において樹脂の含浸性を高めることができる。このように短時間、低温、低圧で熱可塑性樹脂及び炭素繊維をマトリックスとする炭素繊維樹脂強化プラスチックを製造することは、製造コスト及び製造の所要時間を低減することができるので有利である。
本発明の製造方法では、炭素繊維表面に付着したサイジング剤と熱可塑性樹脂との反応熱を利用することにより、炭素繊維表面において熱可塑性樹脂の粘度を低下させる。また、サイジング剤との反応により熱可塑性樹脂を低分子として、炭素繊維表面で熱可塑性樹脂の粘度を低下させる。こうすることにより、熱可塑性樹脂の炭素繊維束内部への含浸性が向上する。従って、本発明に依れば、短時間で低温且つ低圧での熱可塑性樹脂の炭素繊維束内部への含浸が可能となる。
炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造装置の一例の概略図である。 成形時間と樹脂含浸率との相関を示すグラフである。 図2における樹脂含浸率100%のときの成形時間を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法を、図面を参照して以下で説明する。
本実施形態の炭素繊維強化熱可塑性プラスチックは、炭素繊維及び熱可塑性樹脂をマトリックスとする複合材である。
炭素繊維は、表面が官能基修飾されていても良く、官能基修飾されていなくても良い。官能基の種類は特に限定されない。炭素繊維表面の官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミド基などが挙げられる。本実施形態では、6000〜24000本程度の炭素繊維が集束されて、炭素繊維束が構成される。炭素繊維束として、例えば、三菱レイヨン(株)製PYROFIL(登録商標)、タイプ:TR 50S 12L(フィラメント数:12000、フィラメント径:7μm)、東レ(株)製トレカ(登録商標)糸、品番:T−700SC−24000(フィラメント数:24000、フィラメント径:7μm、繊度:1650tex)などが挙げられる。
上述の炭素繊維束の内部に熱可塑性樹脂が含浸されている。本実施形態において、熱可塑性樹脂は、エステル系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂のいずれかを適用することができる。
エステル系熱可塑性樹脂は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)等である。PET、PBTの場合、融点:230〜270℃、密度:1.35〜1.40g/cmのものが使用できる。
ポリアミド系熱可塑性樹脂は、例えばナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ナイロン12(PA12)等の脂肪族ナイロンである。ナイロンの場合、融点:170〜270℃、密度:1.00〜1.15g/cmのものが使用できる。
本実施形態で使用されるポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂は、末端基に塩素(Cl)を有する。ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂の場合、融点:275〜290℃、密度:1.20〜1.35g/cmのものが使用できる。ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂の具体例は、サスティールPPS SGX−120(東ソー株式会社製)である。
本実施形態の炭素繊維強化熱可塑性プラスチックはサイジング剤としてアンモニア、ヒドラジン、アミンのいずれかを含む。アミンとしては、メチルアミン,エチルアミン,アミノアルコールEA、アミノアルコールPAなどの1級アミン、ジメチルアミン,モルホリン、ピペラジン、アミノアルコールMMA、アミノアルコールMEM、アミノアルコールMBM、tBMEA、ジエチルアミンアニリンなどの2級アミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアルキルアミン(DMMA)、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどの3級アミンが挙げられる。
サイジング剤付着時のハンドリング性の観点から、上記アミンは水溶性(水溶性アミン)であることが好ましい。「水溶性アミン」とは水に可溶なアミン化合物であり、具体的にエタノールアミン、モノエタノールアミン、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、エチルアミン、ジエチルアミンなどである。
以下に、本発明の一実施形態に係る炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法を説明する。
<付着工程>
上記サイジング剤(アンモニア、ヒドラジン、アミン)が溶媒と混合されて、サイジング剤液が作製される。使用される溶媒に特に制限はないが、水、アルコール類などが好ましい。サイジング剤は溶媒に溶解しても良く、溶媒中に懸濁した状態で存在していても良い。付着工程及び含浸工程でのハンドリング性等を考慮すると、サイジング剤が溶媒に溶解した状態(サイジング剤液)であることが好ましい。また、水を溶媒とすることが特に好ましい。サイジング剤濃度は、炭素繊維表面への付着量に応じて調整される。
上述の炭素繊維束の表面にサイジング剤液を塗布するか、炭素繊維束をサイジング剤液中に浸漬することにより、炭素繊維束内部にサイジング剤液を浸透させる。その後、炭素繊維束を乾燥する。
本工程により、炭素繊維の表面にサイジング剤が付着する。炭素繊維表面へのサイジング剤の付着量は、サイジング剤の濃度だけでなく、塗布量、浸漬時間などの条件を適宜設定することによっても調整可能である。
<樹脂接触工程>
サイジング剤が付着した炭素繊維束の表面に熱可塑性樹脂を接触させる。炭素繊維束と熱可塑性樹脂とを接触させる方法としては、熱可塑性樹脂フィルムと炭素繊維束とをラミネート処理する方法、熱可塑性樹脂粉末を炭素繊維表面に吹付ける方法等がある。
<含浸工程>
熱可塑性樹脂が接触した状態で炭素繊維束が加熱圧縮(熱プレス成形)される。熱プレス条件は、圧力:5MPa以上8MPa以下、温度:熱可塑性樹脂の融点以上熱可塑性樹脂の熱分解以下である。熱可塑性樹脂の融点以上の温度とすることにより、樹脂の流動性が増大し含浸性が高まる。一方、製品強度を考慮すると、本含浸工程で熱可塑性樹脂の分解を防止する必要があるので、熱プレス成形時の上限温度は熱分解温度以下とする。樹脂の流動性と熱分解とを考慮すると、熱プレス成形時の温度は熱可塑性樹脂の融点+15〜20℃を上限とすることが好ましい。
炭素繊維束と熱可塑性樹脂とが接触して加熱圧縮されることにより、熱可塑性樹脂が炭素繊維束の内部に含浸される。この時、サイジング剤と熱可塑性樹脂とが反応する。
エステル系熱可塑性樹脂(一般式:R−CO−OR’)の場合、式(1)のアミド化反応が発生する。アミド化反応が発生するためには、サイジング剤はアンモニア、ヒドラジン、第1級アミン、及び、第2級アミンである必要がある。
−CO−OR’+R’NH
→ R−CO−NR’+R’OH…(1)
式(1)において、アンモニアの場合R、R’はH、ヒドラジンの場合RはH、R’はNHである。第1級アミンの場合、RはH、R’は炭化水素基等である。第2級アミンの場合、R、R’は炭化水素基等である。第1級アミン及び第2級アミンとしては水溶性であることが好ましく、具体的にはエタノールアミン,モノエタノールアミン,2−アミノエタノール,ジエタノールアミン,エチルアミン,ジエチルアミンのいずれかである。
式(1)の反応により、エステル系熱可塑性樹脂の主鎖が切断され、より低分子のエステル系熱可塑性樹脂が生成する。更に、式(1)の反応熱により、炭素繊維とエステル系熱可塑性樹脂とが接触した部分で局所的に温度が上昇する。本工程では熱プレスが行われているが、エステル系熱可塑性樹脂が炭素繊維と接触した部分で、式(1)の反応による温度上昇分が重畳される。エステル系熱可塑性樹脂の低分子化及び温度上昇によって、エステル系熱可塑性樹脂の粘度が低下する。また、温度上昇によりエステル系熱可塑性樹脂の結晶化速度が遅くなる。これにより、樹脂の流動性が上昇する。
このようにエステル系熱可塑性樹脂の流動性が向上しているので、炭素繊維束内部へ樹脂が含浸しやすくなる。樹脂流動により、新たに炭素繊維と接触した部分で式(1)の反応が起こり、エステル系熱可塑性樹脂の低粘度化及び発熱による粘度低下による流動が促進される。
ポリアミド系熱可塑性樹脂(一般式:R−CO−NR’)の場合、式(2)のアミン置換反応が発生する。アミド化反応が発生するためには、サイジング剤はアンモニア、ヒドラジン、第1級アミン、及び、第2級アミンである必要がある。
−CO−NHR’+R’NH
→ R−CO−NHR+R’−NHR’ …(2)
式(2)において、アンモニアの場合R、R’はH、ヒドラジンの場合RはH、R’はNHである。第1級アミンの場合、RはH、R’は炭化水素基等である。第2級アミンの場合、R、R’は炭化水素基等である。第1級アミン及び第2級アミンとしては水溶性であることが好ましく、具体的にはエタノールアミン,モノエタノールアミン,2−アミノエタノール,ジエタノールアミン,エチルアミン,ジエチルアミンのいずれかである。
式(2)の反応により、ポリアミド系熱可塑性樹脂の主鎖が切断され、より低分子のポリアミド系熱可塑性樹脂が生成する。更に、式(2)の反応熱により、炭素繊維とポリアミド系熱可塑性樹脂とが接触した部分で局所的に温度が上昇する。すなわち、式(2)の反応による温度上昇分が、熱プレス時の温度に重畳される。ポリアミド系熱可塑性樹脂の低分子化及び温度上昇によって、ポリアミド系熱可塑性樹脂の粘度が低下するまた、温度上昇によりポリアミド系熱可塑性樹脂の結晶化速度が遅くなる。これにより、樹脂の流動性が上昇する。
このようにポリアミド系熱可塑性樹脂の流動性が向上しているので、炭素繊維束内部へ樹脂が含浸しやすくなる。樹脂流動により、新たに炭素繊維と接触した部分で式(2)の反応が起こり、ポリアミド系熱可塑性樹脂の低粘度化及び発熱による粘度低下による流動が促進される。
ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂(一般式:Cl−(C−S)−R、R5:アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基のいずれか)の場合、上記の加熱温度では樹脂末端のCl基が酸性的に働き、中和反応が発生する。ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂の場合は、中和反応であるため溶液がアルカリ性になっていれば良い。従って、サイジング剤としてアンモニア、ヒドラジン、第1級アミン、第2級アミンの他、第3級アミンも適用可能である。
中和反応により中和熱が発生する。本工程では熱プレスが行われているが、ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂が炭素繊維と接触した部分で、中和反応による温度上昇分が重畳される。ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂の温度上昇によって、ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂の粘度が低下するとともに、結晶化速度が遅くなる。これにより、樹脂の流動性が上昇する。
このようにポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂の流動性が向上しているので、炭素繊維束内部へ樹脂が含浸しやすくなる。樹脂流動により、新たに炭素繊維と接触した部分で中和反応が起こり、発熱によるポリフェニレンサルファイド系熱可塑性樹脂の粘度低下による流動が上昇する。
熱可塑性樹脂が炭素繊維束の内部に十分浸透する時間を、熱プレス成形時間として設定する。熱プレス成形時間は、加熱温度、圧力などの条件によって異なる。
<固化工程>
熱プレス成形終了後、炭素繊維束を常温(25〜30℃程度)に冷却する。こうすることにより、熱可塑性樹脂が固化し、炭素繊維強化熱可塑性プラスチックが得られる。
以下に、上記の炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法に基づきプリプレグを製造する工程を説明する。ここではラミネート処理による製造について言及するが、本実施形態は吹付け処理による製造も可能である。
図1は炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造装置の一例の概略図である。製造装置100は、付着手段130、樹脂接触手段140、加熱手段150、及び冷却手段160を備える。製造装置100は、ロービング110から巻き出された炭素繊維束(原糸)111に対して付着工程、樹脂接触工程、含浸工程を連続的に施し、製造されたプリプレグ171を巻取り手段170で巻き取る装置である。
ロービング110から巻き出された炭素繊維束(原糸)111は開繊手段120で平坦な炭素繊維束(開繊糸)に開繊された後、付着手段130に搬送される。
付着手段130は上述の付着工程を実施する。図1は、浸漬による方法を採用した例を示している。この場合、付着手段130はサイジング剤を含む液(サイジング剤液)132を収容する浸漬槽131を備える。開繊糸112が浸漬槽131を通過する際に、サイジング剤液132に所定時間浸漬されることにより、炭素繊維の表面にサイジング剤が付着する。
塗布により付着工程を実施する場合は、付着手段130は塗布方法に応じた設備を備える。例えばローラによる塗布を行う場合は、付着手段130は塗布ローラ、塗布ローラにサイジング剤液を供給する手段を備える。また、吹付け処理により塗布を行う場合は、付着手段130はスプレーノズル等を備える。
付着手段130を通過した開繊糸112は、樹脂接触手段140に搬送される。
樹脂接触手段140は上述の樹脂接触工程を実施する。図1はラミネート処理による方法を採用した例を示している。この場合、樹脂接触手段140は、フィルム原反142から熱可塑性樹脂フィルムを巻き出すフィルム供給手段141、及び、熱可塑性樹脂フィルムと開繊糸112とを圧着する圧着手段(例えば圧着ローラ)143を備える。樹脂接触手段140において、平坦な開繊糸112の両面に熱可塑性フィルムが接触する。
樹脂接触手段140を通過した開繊糸112は、加熱手段150に搬送される。
加熱手段150は上記含浸工程のうちプレス成形を実施する。加熱手段150の加熱方法としては、誘導加熱を採用することができる。誘導加熱は昇温時間が短いため、加熱に要するエネルギーを低減させることが可能であるので有利である。
熱可塑性樹脂フィルムとラミネートされた開繊糸112が搬送されながら、加熱手段150で熱プレス成形が実施される。開繊糸112の熱可塑性フィルムが貼り付けられた面側から圧力が付与されるとともに加熱される。搬送速度、加熱手段150の通過距離等が適切に設定されることにより、所定の熱プレス成形時間が確保される。
加熱手段150を通過した開繊糸112は冷却手段160に搬送される。冷却手段160の冷却方法としては、空冷を採用することができる。
冷却手段160において熱可塑性樹脂が含浸した開繊糸が搬送されながら冷却されることにより、熱可塑性樹脂が固化し、炭素繊維強化熱可塑性プラスチックのプリプレグ171が得られる。
製造されたプリプレグは所定の形状に加工された後、オートクレーブ成形される。成形品は、射出成型機、交通車両、航空機部材、タービン翼などに適用される。
以下で、本実施形態に係る炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法の効果を説明する。
横断面が円形の炭素繊維束に樹脂を含浸させるときの成形時間(含浸時間)tは以下の式(3)で表される。式(3)中、粘度ηは樹脂の分子量に比例し、温度に反比例する。
Figure 2016180053
η:樹脂の粘度
:炭素繊維束中の繊維堆積含有率
:炭素繊維束の半径
R:樹脂未含浸領域の半径
k:浸透率(Darcyの法則で用いられる定数)
:成形圧力
l:樹脂含浸率
:t=0における樹脂含浸率(本実施形態の場合、l=0)
樹脂含浸率lは式(4)で表される。
Figure 2016180053
式(3)及び式(4)に基づき、ナイロン6(ポリアミド系熱可塑性樹脂)を炭素繊維束(Vf=43%)に含浸させた場合における成形時間tを算出した。成形時間tの算出に当たり、式(3)中のη/k、Pには表1に示す数値を用いた。
Figure 2016180053
従来技術Aは、ナイロン6とサイジング剤とが反応しない場合(分子量変化及び発熱が無い場合)である。従来技術Aにおけるη/kは一般的なナイロン6を想定した値である。熱プレス条件(温度、圧力)は「本発明」と略同一であると想定した。
従来技術Bは、従来技術Aと同じη/kであってより高圧の熱プレス成型を行った場合を想定している。熱プレス成型時の温度は「本発明」と同じとした。
従来技術Cは、「本発明」と同じ圧力であるが、より高温(例えば+30〜40℃)で熱プレス成形を行った場合を想定している。
「本発明」は、上記で説明した工程により樹脂の含浸を行った場合である。すなわち、熱プレス成型時において、サイジング剤とナイロン6との反応による低分子化及び温度上昇を考慮している。
図2は、式(3)から算出された成形時間と樹脂含浸率との相関を示すグラフである。同図において、横軸は従来技術Aの熱プレス条件で含浸工程を行った場合に樹脂含浸率100%となる時間を基準とした成形時間、縦軸は樹脂含浸率である。計算では、「本発明」及び従来技術1〜3のη/k及びPは表1に示す範囲内の数値を用いた。
図3は、図2における樹脂含浸率100%のときの成形時間の比較である。
「本発明」は低温で熱プレス成型を行っているにもかかわらず、従来技術A及び従来技術Cの条件よりも短時間で樹脂を含浸することができる。これは、サイジング剤とナイロン6(ポリアミド系熱可塑性樹脂)との反応による発熱による温度上昇と、反応によりナイロン6の分子量が低下したことに起因すると言える。図2、3の結果から、特に低分子化による粘度低下が、成形時間の短縮に大きな影響を与えることが理解できる。
このように、「本発明」は従来技術Cの条件よりも外部から与えるエネルギーが低くても効率的に樹脂を含浸させる点で有利である。
「本発明」と従来技術Bとを比較することにより、高圧による含浸よりも反応熱による温度上昇及び低分子化による粘度低下の影響の方が大きく、含浸時間を短縮することができることが理解できる。式(3)から、熱プレス成型時の圧力が高いほど含浸時間が短くなることがで理解できるが、圧力が高くなると炭素繊維が潰れるなど変形が発生することになるし、含浸に必要なエネルギーが増大することになる。このように、「本発明」は従来技術Bの条件よりも外部から与えるエネルギーが低くても効率的に樹脂を含浸させる点で有利である。
100 製造装置
110 ロービング
111 原糸
112 開繊糸
120 開繊手段
130 付着手段
131 浸漬槽
132 サイジング剤液
140 樹脂接触手段
141 フィルム供給手段
142 フィルム原反
143 圧着手段
150 加熱手段
160 冷却手段
170 巻取り手段
171 プリプレグ

Claims (3)

  1. 炭素繊維束を構成する炭素繊維の表面に、アンモニア、ヒドラジン、及び、アミンのいずれかであるサイジング剤が付着する工程と、
    前記サイジング剤が付着した前記炭素繊維束の表面に熱可塑性樹脂が接触する工程と、
    前記熱可塑性樹脂が接触した前記炭素繊維束を加熱圧縮されるとともに、前記熱可塑性樹脂と前記サイジング剤とが反応して前記熱可塑性樹脂が加熱されることにより、前記熱可塑性樹脂が前記炭素繊維束の内部に含浸する工程と、
    前記熱可塑性樹脂が含浸した前記炭素繊維束が冷却して、前記熱可塑性樹脂が固化する工程と、
    を含む炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、エステル系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、及び、末端に塩素を有するポリフェニレンサルファイド系樹脂のいずれかである請求項1に記載の炭素繊維強化プラスチックの製造方法。
  3. 前記含浸する工程において、前記熱可塑性樹脂の融点以上前記熱可塑性樹脂の熱分解温度以下、5MPa以上8MPa以下の条件で、前記熱可塑性樹脂を前記炭素繊維の間に含浸させる請求項1または請求項2のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性プラスチックの製造方法。
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