JP2016179841A - 液体用紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体充填および容器密閉の際、トップシール部のシーラントに充填物の液体が付着しにくく、ヒートシールに支障をきたすことのない撥水シーラントを用いた液体用紙容器を提供することを課題とする。
【解決手段】液体用紙容器であって、紙基材に積層された撥水シーラントを用いてヒートシールして成り、撥水シーラントが紙基材側から、熱可塑性樹脂層と、平均粒子径が5nm〜1000nmである疎水性微粒子と該疎水性微粒子を熱可塑性樹脂層に固着するためのバインダーから構成される付着防止層とが、この順で積層されているものであることを特徴とする液体用紙容器である。
【選択図】図1

Description

本発明は液体用紙容器に関するものである。特に撥水性に優れるシーラントを用いてヒートシールした液体用紙容器に関するものである。
液体用紙容器は、さまざまな利点を有するがゆえに、さまざまな分野でさまざまな商品の容器として広く用いられている。その理由のひとつは材料が紙であることから、他の液体容器である瓶や缶に比べて、材料に関しての価格メリットがある点である。
またゲーベルトップ型といわれる、上部が切妻屋根型の液体用紙容器においては、胴部の形状が四角柱であることから、省スペースであり、輸送コスト、保管コストにおいて瓶や缶などに比較して優位性があり、使用された後の廃棄の場面においては、焼却が可能であるために利便性に優れ、焼却以外にリサイクルも可能な仕様もあって、環境適合性にも優れるものである。
ゲーベルトップ型の液体紙容器は、主に牛乳の容器や酒などの液体飲料用として広く用いられている。また特許文献1にはゲーベルトップ型の液体用紙容器への充填システムにおいて、充填後にヒートシールによってトップシール部を貼着して密閉する装置が提案されているが、液体の充填において内容物の液体が跳ねたりして貼着部に付着した場合には、シール不良として液体容器としての重欠陥に繋がりかねない危険があった。
この現象は液噛みとも呼ばれ、ヒートシール部に跳ねて付着した液体が加熱の妨げになり熱不足のままヒートシールが行なわれるため、シール不良に繋がる現象である。また液体が付着したままの状態でヒートシールされることによりヒートシール中に異物の層ができるためにヒートシール強度が弱くなるおそれもある。
特許第3603667号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、液体充填および容器密閉の際、トップシール部のシーラントに充填物の液体が付着しにくく、ヒートシールに支障をきたすことのない撥水シーラントを用いた液体用紙容器を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、液体用紙容器であって、紙基材に積層された撥水シーラントを用いてヒートシールして成り、撥水シーラントが、紙基材側から、熱可塑性樹脂層と、平均粒子径が5nm〜1000nmである疎水性微粒子と該疎水性微粒子を熱可塑性樹脂層に固着するためのバインダーから構成される付着防止層とが、この順で積層されているものであることを特徴とする液体用紙容器である。
また、請求項2に記載の発明は、撥水シーラントが、前記熱可塑性樹脂層の下に、樹脂と平均粒子径が1μm〜100μmの凹凸形成粒子とから構成される凹凸層が設けてあるものであることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器である。
また、請求項3に記載の発明は、前記凹凸層を構成する前記樹脂が熱硬化性樹脂である撥水シーラントを用いて、容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項2に記載の液体用紙容器である。
また、請求項4に記載の発明は、前記凹凸形成粒子が、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む金属酸化物、のうちの少なくとも1つを含んで形成されている撥水シーラントを用いて容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液体用紙容器である。
また、請求項5に記載の発明は、前記熱硬化性樹脂がポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂のうちの少なくとも1つを含む撥水シーラントを用いて容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液体用紙容器である。
また、請求項6に記載の発明は、前記疎水性微粒子が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の撥水シーラントである。
また、請求項7に記載の発明は、前記疎水性微粒子が、アルキルシリル基、アミノアルキルシリル基、メタクリルシリル基、ジメチルポリシロキサン基、ジメチルシロキサン基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基のいずれかの官能基で疎水化表面処理されている撥水シーラントを用いて、容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の液体用紙容器である。
また、請求項8に記載の発明は、前記バインダーが、金属アルコキシドあるいは金属アルコキシド加水分解物を含む撥水シーラントを用いて容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の液体用紙容器である。
また、請求項9に記載の発明は、前記凹凸形成粒子が、前記熱硬化性樹脂によって前記紙基材に固着されており、前記付着防止層の表面粗さRが5μm以上である撥水シーラントを用いて容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項2〜請求項8に記載の液体用紙容器である。
本発明によれば、液体充填および容器密閉の際、トップシール部のシーラントに充填物の液体が付着しにくく、ヒートシールに支障をきたすことのない撥水シーラントを用いた液体用紙容器を提供することが可能である。
また請求項2に記載の発明によれば、表面の凹凸によってより撥水効果を高めることができる。
また請求項3に記載の発明によれば、熱硬化性樹脂を用いることにより、ヒートシール工程においても凹凸形成粒子が動きにくく、かつ脱落の恐れがないため所望の撥水機能を確実に発揮することができる。
図1は本発明に係る液体用紙容器の内容物充填前後の状態を示す説明用の模式図である。 図2は本発明に係る液体用紙容器をヒートシールして密閉した状態を示す説明用の斜視模式図である。 図3は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態を説明するための部分断面模式図である。 図4は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の付着防止層を更に詳しく説明するための部分断面模式図である。 図5は本発明に係る液体用紙容器の他の実施形態を説明するための部分断面模式図である。
以下本発明を実施するための形態について図を参照しながら詳細な説明を加える。ただし、本発明はこれらに示した例にのみ限定されるものではない。
図1は本発明に係る液体用紙容器の内容物充填前後の状態を示す説明用の模式図である。液体用紙容器(1)は紙を基材とした積層体からなっており、胴部(2)、底部(5)、トップ部(3)から構成される。積層体の両面にはヒートシール可能なシーラント層が設けてある。
胴部は四角柱になるよう折り曲げ線で折り曲げて、ヒートシールして組み立てられる。底部も同様に折り曲げ線で折り曲げてヒートシールして組み立てられる。トップ部(3)は内容物充填のために開放されたままで、充填機に送られる。
図1に示した例では、トップ部(3)は折り曲げ線(6)で折り曲げられて、切妻屋根型の所謂ゲーベルトップ型と呼ばれる液体用紙容器の例である。またこの例ではトップ部(3)に口栓(4)が設けてあるが、一般の牛乳パックなどに見られるように、口栓(4)がなくシール部(7)を引き裂いて開口部を作る方法をとるものもある。
充填が終わった液体用紙容器(1)に対し、センターオーブン(10)のついたトップヒーター(9)が下降して、センターオーブン(10)の小孔(8)から吹き出る熱風によって、シール部(7)の容器内側が加熱され、シーラントは軟化、溶融する。センターオーブン(10)が上昇すると同時に、シーラントは溶融した面同士が相対して2本のシールバーによって挟み込まれて加圧され、シール部(7)が溶着して液体用紙容器(1)は密封される。
図2は本発明に係る液体用紙容器をヒートシールして密閉した状態を示す説明用の斜視模式図である。液体用紙容器(1)は内容物充填後、シール部(7)によって密封されている。内容物の取り出し、あるいは注ぎ出しは口栓(4)を開栓して行なうことができる。口栓がない場合にはシール部(7)を引き裂いて開口部を作ることができる。
内容物の充填は、自動充填機の場合には充填用ノズルによって液体用紙容器の、未シールで開放されているトップ部から、内容物の液体を注ぎいれる方法が一般的であるが、この時液体の跳ね、ノズルの接触、液体の泡立ちなどによって内容物の液体が、容器内側のシール部(7)に付着する場合があって、付着した部分がヒートシールしたのちシール強度を確保できない、あるいはその部分から液漏れするなどのシール不良の要因となる場合がある。
本発明においてはこの内容物の液体の付着を防止して、ヒートシールに支障をきたすことのない撥水シーラントを用いた、液体用紙容器を提供しようとするものである。
図3は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態を説明するための部分断面模式図である。ここに示した実施形態例では、紙基材(20)上にはガスバリア層(21)が積層してあり、紙容器(1)にガスバリア性を付与することができる。
ガスバリア層(21)上にはシーラント層(22)が積層されており、更に液面側(29)最内層には付着防止層(27)が設けてある。この例では撥水シーラント(30)はシーラント層(22)および付着防止層(27)から構成される。
図4は本発明に係る液体用紙容器の一実施形態の付着防止層を更に詳しく説明するための部分断面模式図である。付着防止層(27)はバインダー(23)、および疎水性微粒子(26)から構成される。疎水性微粒子(26)は付着防止層(27)の表面側に多く存在する。つまり、付着防止層(27)とシーラント層(22)の界面から付着防止層(27)の表面に向けて疎水性微粒子(26)の密度が徐々に高くなって、密度勾配が形成されている。
ヒートシール時に付着防止層(27)に熱および圧力が加えられるとバインダー(23)が割れてクラック(28)が発生する。このクラックによって相対するシーラント層(22)同士の樹脂が直接接触できる領域が生まれる。同時にシーラント層(22)の樹脂がお互いのクラック(28)部分に流れ込み、冷却によって固定される。これによって投錨効果も得られ、シール強度が大きくなる効果も得られる。
以下、本発明による液体用紙容器の各構成要素について、更に詳細に説明を加える。
紙基材(20)は200g/m〜500g/m、密度0.6g/cm〜1.1g/cmの範囲で任意の紙を用いることができる。とりわけ1000cc〜2000cc程度の容量の液体用紙容器であれば300g/m〜400g/mが適当である。
ガスバリア層(21)は内容物の液体の保存性を向上させることを目的として、必要に応じて設けることができ、アルミニウム箔などの金属箔、またアルミニウム箔とポリエチレンテレフタレートフィルムの積層フィルム、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができ、無機化合物を蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることもできる。
無機化合物を蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルムによるガスバリア層は無機化合物の蒸着層、コーティング層で構成することができ、基材フィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コート層を順次設けて構成すればよい。アンカーコート層には例えばウレタンアクリレートを用いることができる。コーティング厚さは50nm〜65nmの範囲が好ましい。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けた基材フィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。蒸着層の厚みは15nm〜30nmが良い。
コート層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコート層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってア
ンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコート層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。コート層の厚みは220nm〜280nmが良い。ガスバリア層の形成によって、内容物の長期保存が可能な液体用紙容器とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、包装材料としての適性も具備することができる。
またガスバリア層として、たとえばアルミニウム箔などの金属箔を用いる場合には、電子レンジ内で高周波によるスパークを起こすことが知られているが、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層の場合にはスパークの恐れはない。また、金属探知機による検査も可能である。
シーラント層(22)は、特定の材料に限定されないが、溶剤で溶解または分散したコーティング可能なラッカータイプの樹脂系材料を用いることができる。ラッカータイプの樹脂成分としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩酢ビ樹脂、SBR樹脂、およびそれらの複合材料を用いることができる。
これらの材料を塗布する方法としては、たとえばグラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコートなどの公知の方法、装置を用いることができる。
シーラント層(22)の材料として、ホットメルトタイプの樹脂系材料を用いることも可能である。ホットメルトタイプの樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、またはポリオレフィン樹脂とワックス、タッキファイヤーの混合物を用いることができる。これらの材料を塗布する方法としては、たとえばグラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、押し出しラミネーションなど、公知の方法、装置を用いることができる。
シーラント層(22)の材料として、フィルムタイプの材料を積層して用いることもできる。フィルムタイプの樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、低密度リニアポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(EMAA)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂(IO)、およびそれらの複合材料、多層材料からなるシーラントフィルムを採用することができる。またエクストルージョン法により、これらの樹脂で形成された押し出し樹脂層が採用されてもよい。
シーラント層は、液体用紙容器(1)をヒートシールによって組み立てるために、紙基材の表裏の最外面に設ける。
付着防止層(27)は図4に示すように疎水性微粒子(26)およびバインダー(23)とから構成される。疎水性微粒子(26)の材料としては、有機官能基で疎水化表面処理された無機酸化物を使用することができる。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウムなどから一種または複数種類を組み合わせて使用する。
官能基としては、アルキルシリル基、アミノアルキルシリル基、メタクリルシリル基、ジメチルポリシロキサン基、ジメチルシロキサン基、特にトリメチルシリル基やジメチルポリシロキサン基を有した疎水性シリカ微粒子(シリカ、疎水性酸化ケイ素微粒子)が好ましい。
疎水性シリカ微粒子としては、平均粒子径で、5nm〜1000nmの粒径を有する微粒子が使用できる。疎水性シリカ微粒子の粒径が1000nmより大きい場合、付着防止層(27)から脱落しやすくなる。疎水性シリカ微粒子の粒径が5nmより小さい場合にはハンドリングが非常に悪くなる。
バインダー(23)は、一種以上の金属アルコキシド、およびその加水分解物と水/アルコール混合溶媒、および必要に応じてシランカップリング剤を含む水溶液を用いることができる。金属アルコキシドは、M(OR)で示される。ここでMは金属原子である。金属原子の例としてはLi、Na、Cu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、La、Nd、Tiなどが挙げられる。nは金属原子の原子価である。Rは低級アルキル基、例えば炭素数が1〜4のアルキル基を示す。
アルコキシド類の具体例としては、メチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、アルミニウムプロポキシド、チタンイソプロポキシド、亜鉛t−ブトキシド、亜鉛n−ブトキシド、カルシウムエトキシド、鉄エトキシド、バナジウムイソプロポキシド、錫t−ブトキシド、リチウムエトキシド、ベリリウムエトキシド、ホウ素エトキシド、燐エトキシド、燐メトキシド、マグネシウムメトキシド、マグメシウムエトキシドなどが挙げられる。実際に使用する金属アルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、あるいはその混合物を用いることが好ましい。
バインダー(23)の重量に対する疎水性微粒子(26)の重量の比率は、0.3〜1.5である。その比率が0.3より低い場合、疎水性表面が最表層を覆う面積が小さくなり、十分な撥水性能が得られない。またその比率が1.5より大きい場合には疎水性微粒子がバインダーと結合することなく最表面に出てくるために、摩擦や振動など外部応力によって疎水性微粒子が脱落し撥水性能が損なわれやすい。
バインダーの重量とは、バインダーとして使用する金属アルコキシド成分が加水分解反応および脱水縮合反応を経た後に、組成が変化して得られる金属酸化物としての重量に換算した重量のことを示す。
たとえばバインダーの金属アルコキシドにテトラエトキシシラン(Si(OC)を1モル(208g)使用した場合のバインダーの重量とは、テトラエトキシシランが加水分解反応、および脱水縮合反応を経て得られる金属酸化物である二酸化ケイ素(SiO)1モルに換算した重量の60gになる。(Si原子量が20、O原子量が16、C原子量が12、H原子量が1とする場合)。
粒子の重量とは、秤量した粒子の投入量のことを示す。たとえば粒子を溶媒に分散した分散液としてバインダーに投入する場合、投入する分散液の固形分の重量を示す。
疎水性微粒子(26)は、付着防止層(27)の表面側に多く存在する。つまり付着防止層(27)とシーラント層(22)との界面から付着防止層(27)の表面に向けて、疎水性微粒子(26)の密度が徐々に高くなっている。すなわち密度勾配が付着防止層(27)内に形成されている。
疎水性微粒子(26)を含む付着防止層(27)をコーティングする方法としては、グラビアコーティング、ロールコーティング、ドクターブレードコーティング、ダイコーティング、バーコート、スプレーコーティングなどの公知の方法、装置を用いて行なうことができる。
バインダー(23)に加えた金属アルコキシド類の加水分解によって、塗工工程、乾燥工程、およびエージング工程において付着防止層(27)は脱水縮合が繰り返され、金属酸化物の塗膜が形成される。
このとき疎水性微粒子(26)は付着防止層(27)とシーラント層(22)との界面とは逆の、エネルギー的に自由な気液界面である最表面に移行していく。これにより、付着防止層(27)とシーラント層(22)との界面では付着防止層(27)には疎水性微粒子(26)の少ないバインダーリッチな塗膜が形成される。
一方、内容物に面する付着防止層(27)の表面近傍では、疎水性微粒子(26)の密度が高いフラクタル構造が形成され、疎水性微粒子(26)で形成されたポーラスな層となる。また疎水性微粒子(26)の分散性を高めるために、バインダー組成に溶媒としてアルコールを添加する。これにより塗液状態においては疎水性微粒子(26)の表面にバインダーを均一にまとわせることができる。
塗工工程、乾燥工程、およびエージング工程により付着防止層(27)の表面に多く存在する疎水性微粒子(26)の表面は、気体と界面を形成していることから、バインダーを塗工し、内容物に接する表面のみ疎水性官能基が露出する。
たとえば、溶媒として疎水性微粒子(26)の最表面を修飾している疎水性微粒子(26)と相溶性が良い有機溶媒の種類を用いると、疎水性微粒子(26)の表面全面をバインダーが覆ってしまい付着防止性を示さなくなってしまう。そのため、バインダー組成に用いる溶媒としては、疎水性微粒子(26)の疎水性官能基との相溶性を考慮して選択する。特にアルコールなどが好ましい。
付着防止層(27)の表面は、この疎水性微粒子(26)によって形成されたポーラス状の層となっているため、内容物の液体などが付着防止層(27)に接するときには、疎水性微粒子(26)が内容物に接する。したがって内容物の液体などが付着防止層(27)の表面に付着することを防止できる。
シーラント層(22)と、疎水性微粒子(26)が高密度に分布する表層との間にはバインダーリッチな膜が形成されており疎水性微粒子(26)がシーラント層(22)の内部に沈み込むことはない。
またヒートシールに際して付着防止層(27)に熱と圧力が加わりバインダーの膜が破れクラック(28)が発生する。このクラック(28)によって相対するシーラント層(22)同士の樹脂が直接接触できる領域が生まれる。同時にシーラント層(22)の樹脂がお互いのクラック(28)部分に流れ込み、冷却によって固定される。これによって投錨効果も得られ、シール強度が大きくなる効果も得られる。このように付着防止層(27)を有する撥水シーラント(30)をヒートシールした場合においても、ヒートシール性を阻害することはない。
なおバインダー(23)には、金属アルコキシド類の加水分解の開始剤、脱水縮合反応の反応抑制剤が含有されていてもかまわない。これらの加水分解の開始剤、脱水縮合反応の反応抑制剤としては、一般に知られている各種の金属キレート化合物、酸触媒、塩基触媒などが、バインダー(23)に含まれるアルコキシドの組成により適宜選択して用いられる。金属アルコキシド類は、これらの加水分解の開始剤、脱水縮合反応の反応抑制剤の作用によって加水分解および脱水縮合し、金属アルコキシド類の加水分解物または部分縮合物を含有する。
付着防止層(26)はシール部(7)にのみ設けてもよく、液体用紙容器内側全面に設けるのでもよい。
図5は本発明に係る液体用紙容器の、他の実施形態を説明するための部分断面模式図である。ここに示した実施形態例ではシーラント層(22)の下に、樹脂(24)と凹凸形成粒子(25)から構成される凹凸層(31)が設けてあり、付着防止層(27)表面にも凹凸が形成される。この実施形態例では撥水シーラント(30)は凹凸層(31)、シーラント層(22)、付着防止層(27)から構成される。
この場合も図示はしていないが、図3、および図4で示した例と同様に、紙基材(20)上にガスバリア層(21)を内容物の液体の保存性を向上させることを目的として、必要に応じて設けることができる。
ガスバリア層として、アルミニウム箔などの金属箔、またアルミニウム箔とポリエチレンテレフタレートフィルムの積層フィルム、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができ、無機化合物を蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることもできる。
凹凸層(31)は紙基材(20)またはガスバリア層(21)に対する密着性を発揮するとともに、凹凸形成粒子(25)に対する密着性を発揮する樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましく、凹凸層(31)の表面に凹凸を形成させるための、凹凸形成粒子(25)を含んで構成される。
熱硬化性樹脂は凹凸形成粒子(25)を紙基材(20)またはガスバリア層(21)に対して固着させる機能のほか、シーラント層(22)のアンカーコートとしても機能する。熱硬化性樹脂の材料としては、たとえばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、などが挙げられる。これら熱硬化性樹脂は1液硬化型、主剤と硬化剤からなる2液硬化型のいずれの材料でもかまわない。
凹凸形成粒子(25)は平均粒子径が1μm〜100μmであり、10μm〜50μmがより好ましい。平均粒子径が1μmより小さいと凹凸層の表面に十分な大きさの凹凸を付与することが困難となる。また平均粒子径が100μmより大きいと、高密度で凹凸を付与させることが困難になり、撥水性能を向上させることができない上に、大きく突出した凹凸形成粒子が、摩擦などの外部応力によって脱落しやすくなる。
凹凸形成粒子(25)の材料としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、などのプラスチック、酸化ケイ素(シリカ)や酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)などの金属酸化物を用いることができる。またこれらの中から複数種類を選択して混合して用いてもよい。
フッ素樹脂としては、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE),テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、EFEPなどを用いることができる。
シリコーン樹脂としては、たとえば球状シリコーンゴムパウダーの表面がシリコーンレジンで被覆された粉末、またはジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つシリコーンゴムの粉末、または(RSiO3/2で表される架橋構造を持つポリオルガノシルセスキオキサンの硬化物の粉末などを用いることができる。
アクリル樹脂としては、たとえばポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリメタクリル酸ブチル、架橋ポリアクリル酸エステルなどを用いることができる。
樹脂、好ましくは熱硬化性樹脂と凹凸形成粒子(25)とを用いることにより、凹凸層(31)が形成されている。また凹凸層(31)を形成している凹凸形成粒子(25)は熱硬化性樹脂で覆われていることにより耐熱性があり、強固に密着して脱落しにくくなる。また凹凸層(31)上に形成される、熱可塑性樹脂であるシーラント層(22)および付着防止層(27)の表面形状がフラクタル状になり、撥水機能がより高まる。
付着防止層(27)の表面は、表面粗さR(JIS B0601 1994年)が5μm以上になるよう形成されている。この表面の凹凸によって撥水効果はより効果的に発揮される。
表面粗さRは10点平均粗さである。表面粗さRを得るにはまず測定された粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取る。そして、抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山の標高(Y)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Y)の絶対値の平均値との和を求める。表面粗さRZはこのようにして得られた値をμmで表したものである。
凹凸層(31)の形成方法は、特に制限するものではないが、たとえば熱硬化性樹脂に凹凸形成粒子を混合した材料を基材上に塗布し加熱エージングして熱硬化性樹脂を硬化させることにより、凹凸層(31)を形成することができる。
熱硬化性樹脂の量と凹凸形成粒子(25)の粒径の関係によっては、凹凸形成粒子の一部が熱硬化性樹脂から露出することもあるが、いずれの凹凸形成粒子(25)も基材に近い下方の熱硬化性樹脂によって基材上に十分な強度をもって支持される。
なお本発明の実施形態において、凹凸形成粒子(25)の平均粒子径は、個々の粒子を球状粒子に換算した平均径を指しており、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡(SEM)などによる目視観察、コールター法、動的散乱またはレーザー散乱法による測定が可能である。
ここで平均粒子径とは平均一次粒子径のみならず、平均二次粒子径を含む径を意味する。本発明の実施形態においては、レーザー散乱法によって計測された値と定義する。またJIS B0601の内容は、年によって若干異なるため、本発明の実施形態においては1994年のJISに定義された計測方法によるものとする。
熱可塑性樹脂からなるシーラント層(22)の材料としては、ホットメルトタイプの樹脂、押し出し樹脂、シール性フィルムなどを使用することができる。特定の材料に限定されるものではないが、溶剤で溶解または分散したコーティング可能なラッカータイプの樹脂系材料を用いることができる。
ラッカータイプの樹脂成分としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、スチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩酢ビ樹脂、SBR樹脂、およびそれらの複合材料を用いることができる。
これらの材料を塗布する方法としては、たとえばグラビアコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコートなどの公知の方法、装置を用いることができる。
付着防止層(27)は、少なくとも疎水性微粒子とバインダーとを含んで構成されている。付着防止層(27)は、これ以外に層間および層内の密着性を高めるためにシランカップリング剤や、バインダーの反応をコントロールするために触媒などを含んでもかまわない。
疎水性微粒子は、無機酸化物であることが好ましく、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化チタン(チタニア)などの各種無機酸化物を用いることができる。中でも無機バインダーとの密着性を上げるためにはシリカが好ましく、燃焼法、アーク法などの乾式法や沈殿法、ゲル法などの湿式製法から得られる合成シリカ、または天然シリカを用いてもかまわない。
疎水性微粒子の表面には疎水化処理が施されており、付着防止機能が付与されている。疎水化処理方法については、乾式法、湿式法など各種の処理が可能であるが、微粒子全面を処理するためには、CVD法、プラズマ法などによる乾式処理を施すのが好ましい。
疎水性官能基はジメチルシリル基(CHSi(O−R)、トリメチルシリル基(CHSiO−R、ジメチルポリシロキサン基(CH−Si−O−Si(O−R)、ジメチルシロキサン基、アミノアルキルシリル基、アルキルシリル基、メタクリルシリル基を使用することが好ましい。これらの官能基を生成することで、臨海表面張力(表面エネルギー)を小さくして撥水性が向上する。
疎水性微粒子の平均粒子径は、凹凸形成粒子(25)よりも小さく5nm〜1000nmであれば粒度分布に特に制限はないが、大小様々な径の粒子が存在することによって、フラクタル構造形成し撥水性が高まる。
本発明において、疎水性微粒子の平均粒子径は、付着防止層の表面に付着した疎水性粒子の粒径を指し、SEMによる目視観察にて計測された値とする。目視観察による平均粒子径の測定方法はSEMにて任意の5箇所を観察し、各観察表面中にある疎水性微粒子100個の粒径を測定し、全計測値の平均を算出して求める。
バインダーの材料としては、金属アルコキシドを用いることができる。金属アルコキシドとは、テトラエトキシシラン(Si(OC)、トリイソプロピルアルミニウム(Al(OC)、など一般式M(OR)(ただしMはSi、Ti、Zrな
どの金属、RはCH、CなどのC2m+1(m=1〜3)で表されるアルキル基、nは1〜4の自然数)で表される材料である。
中でもSi、Al、Tiの金属アルコキシドの特性が優れている。また金属アルコキシドの中に、密着性向上や表面改質を目的としてシランカップリング剤が配合された無機バインダーを用いてもよい。シランカップリング剤は官能基としてビニル、エポキシ、スチリル、メタクリル、アクリル、ウレイド、メルカプト、スルフィド、イソシアネートのうちいずれかひとつを有することが好ましい。
付着防止層(27)の形成方法として、まず金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドとシランカップリング剤の混合物を直接、あるいはあらかじめ加水分解させた材料を疎水性粒子と混合して複合物溶液を作成する。次にこの複合物溶液を用いて熱可塑性樹脂からなるシーラント層(22)上にコーティングを施すことにより付着防止層(27)を形成することができる。
これらの材料を塗布する方法としては、たとえばロールコート、ダイレクトグラビアコート、リバースコート、バーコート、キスリバースコート、ダイコート、ドクターブレードコート、刷毛塗り、ディップコート、スプレーコート、スピンコートなどの公知の方法、装置から適宜選択して用いることができる。
複合物溶液における疎水性微粒子とバインダーに含まれる金属酸化物との重量比率は、5:95〜95:5であることが好ましい。すなわち複合物溶液における疎水性微粒子の重量と、バインダーに含まれる金属酸化物の重量に対し、疎水性微粒子の重量比が5%以上95%以下であることが好ましい。
疎水性微粒子の重量比が5%より低いと、疎水性表面が最表層を覆う面積が小さくなり、十分な撥水性が出せない。また疎水性微粒子の重量比が95%を超えると、疎水性微粒子がバインダーと結合することなく最表面に出てくるために、摩擦や振動などの外部応力によって疎水性微粒子が脱落し、撥水性が損なわれやすい。
バインダーに含まれる金属酸化物の重量とは、バインダーとして使用する金属アルコキシド成分が加水分解反応および脱水縮合反応を経た後に、組成が変化して得られる金属酸化物としての重量に換算した重量のことを示す。
本発明において、疎水性微粒子の重量とは秤量した疎水性微粒子の投入量のことを指す。たとえば、粒子を溶媒に分散した分散液としてバインダーに投入する場合、投入する分散液の固形分の重量を示す。
付着防止層(27)の膜厚は0.1μm〜20μmの範囲であることが好ましい。膜厚が0.1μmより薄いと、疎水性微粒子が最表面に現れる量が少なくなり、付着防止機能が低下する。また膜厚が20μmを超える場合には、付着防止層が厚すぎるためにヒートシール時にシール障害を起こすおそれがある。また付着防止層が厚すぎることによって、表面の凹凸が消えてしまい、撥水性能を低下させる恐れもある。
熱可塑性樹脂からなるシーラント層(22)の膜厚は、0.1μm〜20μmの範囲であることが好ましい。膜厚が0.1μmより薄いと、ヒートシール時に付着防止層を突き抜けて出てくるシーラントの量が少なく、十分なシール強度が得られない。また膜厚が20μmを超える場合には、凹凸層(31)が構成する凹凸を埋めてしまい、凹凸構造による撥水機能が得られないおそれがある。
撥水シーラント(30)はシール部(7)にのみ設けてもよく、液体用紙容器内側全面に設けるのでもよい。
本発明による液体用紙容器は、本発明に係る撥水シーラント(30)を容器トップ部のシール部に設けることにより、内容物の液体の充填において、跳ねなどによる液体の付着がシール部にあっても、その撥水効果によって液体は落下、離脱するので、シール部をヒートシールで密閉した後のシール強度に影響することがない。
また本発明に係る撥水シーラント(30)を液体用紙容器内側全面に設けた場合には、開封した後に内容物の液体を注ぎ出す際に、液体容器内面の撥水効果によって、残液を少なくすることができる。
このように本発明によれば、液体充填および容器密閉の際、トップシール部のシーラントに充填物の液体が付着しにくく、ヒートシールに支障をきたすことのない撥水シーラントを用いた液体用紙容器を提供することが可能である。
1・・・液体用紙容器
2・・・胴部
3・・・トップ部
4・・・口栓
5・・・底部
6・・・折り曲げ線
7・・・シール部
8・・・小孔
9・・・トップヒーター
10・・・センターオーブン
20・・・紙基材
21・・・ガスバリア層
22・・・シーラント層
23・・・バインダー
24・・・樹脂
25・・・凹凸形成粒子
26・・・疎水性微粒子
27・・・付着防止層
28・・・クラック
29・・・液面側
30・・・撥水シーラント
31・・・凹凸層

Claims (9)

  1. 液体用紙容器であって、紙基材に積層された撥水シーラントを用いてヒートシールして成り、
    撥水シーラントが、紙基材側から、熱可塑性樹脂層と、平均粒子径が5nm〜1000nmである疎水性微粒子と該疎水性微粒子を熱可塑性樹脂層に固着するためのバインダーから構成される付着防止層とが、この順で積層されているものであることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 撥水シーラントが、前記熱可塑性樹脂層の下に、樹脂と平均粒子径が1μm〜100μmの凹凸形成粒子とから構成される凹凸層が設けてあるものであることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
  3. 前記凹凸層を構成する前記樹脂が熱硬化性樹脂である撥水シーラントを用いて、容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項2に記載の液体用紙容器。
  4. 前記凹凸形成粒子が、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む金属酸化物、のうちの少なくとも1つを含んで形成されている撥水シーラントを用いて容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液体用紙容器。
  5. 前記熱硬化性樹脂がポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂のうちの少なくとも1つを含む撥水シーラントを用いて容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液体用紙容器。
  6. 前記疎水性微粒子が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の撥水シーラント。
  7. 前記疎水性微粒子が、アルキルシリル基、アミノアルキルシリル基、メタクリルシリル基、ジメチルポリシロキサン基、ジメチルシロキサン基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基のいずれかの官能基で疎水化表面処理されている撥水シーラントを用いて、容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の液体用紙容器。
  8. 前記バインダーが、金属アルコキシドあるいは金属アルコキシド加水分解物を含む撥水シーラントを用いて容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の液体用紙容器。
  9. 前記凹凸形成粒子が、前記熱硬化性樹脂によって前記紙基材に固着されており、前記付着防止層の表面粗さRが5μm以上である撥水シーラントを用いて容器をヒートシールしたことを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれかに記載の液体用紙容器。
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