JP2016179571A - ヘッドユニットおよび液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電素子を封止するようにアクチュエーター基板40に実装された駆動ICは、当該圧電素子への駆動信号を当該圧電素子の一端に伝達するための配線が形成された駆動信号配線部と、当該圧電素子の他端を一定の状態に保持するための電圧VBSで一定の保持信号を、当該他端に伝達するため配線パターン550と、平面視したときに、配線パターン550を、駆動信号配線部との間に位置する配線パターン552とを有する。
【選択図】図7
Description
このような高集積化の技術として、吐出部の流路および圧電素子を含むアクチュエーター基板(構造体)に、当該圧電素子を駆動する駆動ICを直接実装して、一体化する技術が知られている(特許文献1参照)。
そこで、本発明のいくつかの態様の目的の一つは、アクチュエーター基板に駆動ICを実装した場合であっても、誤動作を防止する技術を提供することにある。
また、この構成において、前記保持信号配線部には、前記圧電素子を一定に保持するための電流が流れ、前記ガード配線部は、金属配線層であることが好ましい。金属配線層によりガード配線部の低抵抗化を図ることができる。
なお、低抵抗化を図る観点からいえば、ガード配線部、保持信号配線部については、駆動ICにおいて複数の配線層を用いた並列接続構造としても良い。
なお、前記ガード配線部は、断面視したときに、前記保持信号配線部を、内部素子にシールドするように構成しても良い。
なお、本発明は、ヘッドユニット単体に限られず、種々の態様で実現することが可能であり、例えば当該ヘッドユニットを含む液体吐出装置として概念することが可能である。ここでいう液体吐出装置とは、液体を吐出するものであれば良く、後述するように、印刷装置のほかに、立体造形装置(いわゆる3Dプリンター)、捺染装置なども含まれる。
この印刷装置1は、液体としてのインクを吐出することによって、紙などの媒体Pにインクドット群を形成し、これにより、画像(文字、図形等を含む)を印刷する液体吐出装置の一種である。
移動機構6は、キャリッジ20を移動させるキャリッジモーター61と、両端が固定されたキャリッジガイド軸62と、キャリッジガイド軸62とほぼ平行に延在し、キャリッジモーター61により駆動されるタイミングベルト63と、を有している。
キャリッジ20は、キャリッジガイド軸62に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト63の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター61によりタイミングベルト63を正逆走行させると、キャリッジ20がキャリッジガイド軸62に案内されて往復動する。
なお、キャリッジ20には、フレキシブルケーブル190を介してメイン基板(この図では省略)から各種の制御信号等が供給される構成となっている。
なお、本実施形態において主走査は、キャリッジ20を移動させることで実行されるが、媒体Pを移動させることで実行しても良く、キャリッジ20と媒体Pとの双方を移動させても良い。要は、媒体Pとキャリッジ20(吐出部22)とが相対的に移動する構成であれば良い。
この図に示されるように、吐出部22は、4個のヘッドユニット3を有する。4個のヘッドユニット3の各々は、それぞれブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応し、主走査方向であるX方向に配列し、1つのヘッドユニット3(アクチュエーター基板)には、複数のノズルNが2列で配列している。
ヘッドユニット3は、詳細には後述するようにアクチュエーター基板における圧電素子を駆動ICで封止した構造である。
この図に示されるように、印刷装置1は、メイン基板100にヘッドユニット3が接続された構成となっている。ヘッドユニット3は、アクチュエーター基板40と駆動IC50とに大別される。
メイン基板100は、制御信号Ctrや、駆動信号COM−A、COM−B、電圧VBSの保持信号を駆動IC50に供給し、駆動IC50は、アクチュエーター基板40における複数の圧電素子Pztの一端にそれぞれ駆動信号を供給するとともに、電圧VBSを複数の圧電素子Pztの他端に中継する。
なお、印刷装置1では、4個のヘッドユニット3が設けられるが、4個のヘッドユニット3では、吐出するインクの色以外において異なることがないので、ここでは、ある1つの色に対応するヘッドユニット3を対象として説明する。すなわち、メイン基板100では、4個のヘッドユニット3をそれぞれ独立に制御するが、ここでは便宜的に1個のヘッドユニット3について代表して説明することにする。
このうち、制御部110は、CPUやRAM、ROMなどを有する一種のマイクロコンピューターであり、所定のプログラムを実行することによって、ホストコンピューター等から、印刷対象となる画像データが供給されたときに、各部を制御するための各種の制御信号等を出力する。
駆動回路120aは、データdAをアナログ変換した後に、例えばD級増幅して、当該増幅した信号を駆動信号COM−Aとして出力する。同様に、駆動回路120bは、データdBをアナログ変換した後に、D級増幅して、当該増幅した信号を駆動信号COM−Bとして出力する。
なお、駆動回路120a、120bについては、入力するデータ、および、出力する駆動信号の波形が異なるのみであり、回路的な構成は同一である。
また、制御部110は、移動機構6および搬送機構8を制御するが、このための構成については既知であるので省略する。
まず、駆動信号COM−A、COM−Bについて説明する。
また、中ドットを形成すべき場合には、当該中ドットを形成するノズルNの圧電素子Pztの一端に、印刷周期の前半期間に駆動信号COM−A(Adp1)を選択し、後半期間に駆動信号COM−B(Bdp2)を選択して供給すれば、中程度および小程度のインクが2回にわけて吐出されるので、媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して、結果的に、目標通りの中ドットが形成されることになる。
一方、小ドットを形成すべき場合には、当該小ドットを形成するノズルNの圧電素子Pztの一端に、印刷周期の前半期間では駆動信号COM−A、COM−Bのいずれも選択せず、後半期間に駆動信号COM−B(Bdp2)を選択して供給すれば、小程度のインクが1回のみ吐出されるので、媒体Pには目標通りの小ドットが形成されることになる。
そして、非記録とする場合には、対応するノズルNの圧電素子Pztの一端に、印刷周期の前半期間では駆動信号COM−B(Bdp1)を選択し、後半期間に駆動信号COM−−A、COM−Bのいずれも選択しなければ、前半期間において当該ノズルNの付近のインクが微振動するのみであり、インクが吐出されないので、結果的に、目標通り非記録になる。
各選択部520は、選択制御部510による指示にしたがって、駆動信号COM−A、COM−Bのいずれかを選択し(または、いずれも選択せずに)、電圧Voutの駆動信号として、対応する圧電素子Pztの一端に印加する。
詳細には、電圧生成回路130による電圧VBSは、駆動IC50における配線パターン550を介して、圧電素子Pztの他端である駆動電極72に印加される。なお、実際には
後述するように、配線パターン550と駆動電極72とは並列に接続されるので、配線パターン550と駆動電極72とを電気的に区別する意義はない。
また、複数の圧電素子Pztの一端は、形成するドットの大きさに応じて電圧Voutが変化するのに対して、複数の圧電素子Pztの他端(駆動電極72)は、電圧VBSで一定であって共通であるので、電圧VBSの経路(配線パターン550、駆動電極72)には、比較的大電流が流れることになる。
上述したように、アクチュエーター基板40(ヘッドユニット3)では、複数のノズルNが、2列で配列する。ここで、説明の便宜上、この2列をそれぞれノズル列Na、Nbとする。
ノズル列Na、Nbでは、それぞれ複数のノズルNが、それぞれY方向に沿ってピッチP1で配列する。また、ノズル列Na、Nb同士は、Y方向にピッチP2だけ離間する。ノズル列Naに属するノズルNとノズル列Nbに属するノズルNとは、Y方向に、ピッチP1の半分だけシフトした関係となっている。
アクチュエーター基板40の各要素は、概略的にはY方向に長尺な略平板状の部材であり、例えば接着剤を利用して互いに固定される。また、流路基板42および圧力室基板44は、例えばシリコンの単結晶基板で形成される。
振動板46のうち圧力室基板44とは反対側の表面には、ノズルN(キャビティ442)毎に圧電素子Pztが形成される。
また、この例では、圧電体74に対し、共通の駆動電極72を下層とし、個別の駆動電極76a(76b)を上層としたが、逆に駆動電極72を上層とし、駆動電極76a(76b)を下層とする構成としても良い。
このため、圧電素子Pztは、駆動電極72、76a(76b)に印加された電圧に応じて、上または下方向に変位する。詳細には、駆動電極76a(76b)を介して印加される駆動信号の電圧Voutが低くなると、圧電素子Pztにおける中央部分が両端部分に対して上方向に撓む一方、当該電圧Voutが高くなると、下方向に撓む構成となっている。
ここで、上方向に撓めば、キャビティ442の内部容積が拡大(圧力が減少)するので、インクが液体貯留室Srから引き込まれる一方、下方向に撓めば、圧力室Scの内部容積が縮小(圧力が増加)するので、縮小の程度によっては、インク滴がノズルNから吐出される。このように、圧電素子Pztに適切な駆動信号が印加されると、当該圧電素子Pztの変位によって、インクがノズルNから吐出される構成となっている。
この図に示されるように、平面視でY方向に長手の矩形形状にパターニングされた駆動電極72に対し、ノズル列Naに属するノズルNの駆動電極76aは、図において右側に張り出している。駆動電極76aのうち、この張り出した領域において黒丸印で示される地点が、駆動IC50におけるバンプ(突起電極)54aとの接続点となっている。
同様に、ノズル列NbのノズルNの駆動電極76bは、図において左側に張り出している。駆動電極76bのうち、この張り出した領域において黒丸印で示される地点が、駆動IC50のバンプ54bとの接続点となっている。
また、平面視したときに、駆動電極72では、ノズル列Na、Nbに沿って、駆動電極76a、76bが設けられていない領域が存在する。この領域が、駆動IC50における複数のバンプ54cとの接続点となっている。
この図において、X方向の正側端部における縁端領域560には、バンプ54aが、Y方向に沿って一列に駆動電極76aに一対一に対応して設けられる。同様に、X方向の負側端部における縁端領域570には、バンプ54bが、Y方向に沿って一列に駆動電極76bに一対一に対応して設けられる。
駆動IC50の実装面には、配線パターン550が、駆動電極72と対向し、駆動電極76a、76bとは対向しない位置に、Y方向に沿った長手の形状で設けられる。配線パターン552(ガード配線部)は、実装面を平面視したときに、配線パターン550を囲むように、かつ、当該配線パターン550とは電気的に絶縁した状態で設けられている。配線パターン552は、縁端領域560、570からも隔絶している。
この構成において、電圧VBSの保持信号は、例えば領域590から直接または間接的に配線パターン550に印加される。このため、領域590から配線パターン550、バンプ54cに至るまでの経路が、保持信号配線部となる。
なお、配線パターン552は、グランド電位に接地される。
したがって、駆動電極72は、バンプ54cを介して配線パターン550と並列接続されるので、ヘッドユニット3において、電圧VBSを印加する経路が低抵抗化される。この低抵抗化によって、電圧VBSの経路に比較的大電流が流れても、電圧VBSの安定化が図られるので、インクの吐出精度が高められて、高品質の印刷が可能となる。なお、駆動IC50がアクチュエーター基板40に実装後、接続部分の周囲を封止材で封止されて、圧電素子Pzt(圧電体74)の劣化が防止される。
この図に示されるように、駆動IC50にあっては、Si基板51に、酸化膜581がLOCOS(local oxidation of silicon)法によって局所的に形成されて、素子分離領域を構成している。酸化膜581が形成されなかった部分では、当該酸化膜581をマスクとしたイオンの打ち込み(ドーパントの注入)により、P型ドープ領域563やN型ドープ領域573が形成される。また、これらの酸化膜581、P型ドープ領域563、N型ドープ領域573を覆うように第1層間絶縁膜591が形成されている。
そして、縁端領域560では、ノズル列Naに対応する選択部520の構成素子(トランジスター)が形成される。また、縁端領域570では、ノズル列Nbに対応する選択部520の構成素子が形成される。
第2層間絶縁膜592には、複数のコンタクトホール(ビア)が設けられる一方、第2配線層をパターニングすることにより形成された配線M2が配線M1にコンタクトホールを介して接続され、同様に、第2配線層をパターニングすることにより形成された配線N2が配線N1にコンタクトホールを介して接続される。第3層間絶縁膜593は、配線M2、N2および第2層間絶縁膜592を覆うように設けられる。
このように、配線パターン550は、配線M1、M2、M3の三層からなる並列接続構造となり、同様に、配線パターン552についても、配線N1、N2、N3の三層からなる並列接続構造となる。このため、配線パターン550、552は、単層の場合と比較して、それぞれ低抵抗化が図られる。
縁端領域560にあっては、バンプ54a(図8では省略)が、絶縁膜594上に形成される。ノズル列Naの選択部520における構成素子の出力点は、バンプ54aに、第1層間絶縁膜591から絶縁膜594まで段階的に貫通するコンタクトホールを介して電気的に接続される。同様に、縁端領域570にあっては、バンプ54b(図8では省略)が、絶縁膜594上に形成される。ノズル列Nbの選択部520における構成素子の出力点は、バンプ54bに、第1層間絶縁膜591から絶縁膜594まで段階的に貫通するコンタクトホールを介して電気的に接続される。
このため、選択部520の出力点からバンプ54a(54b)に至るまでの経路が、駆動信号配線部となる。
また、バンプ54c(図8では省略)が、絶縁膜594上に形成されるとともに、当該絶縁膜594を貫通するコンタクトホールを介して配線M3に電気的に接続される。
これに対し、本実施形態では、配線パターン550付近は、トランジスターなどの能動素子が形成されないノンドープ領域であり、さらに駆動IC50の実装面を平面視したときに、配線パターン550は、グランド電位に接地された配線パターン552に囲まれているので、このようなノイズに起因する誤動作の可能性を小さくすることができる。
なお、ある圧電素子Pztへの電圧Voutの変化は、別の圧電素子Pztへの電圧Voutに影響を及ぼすことも考えられる。
実施形態では、メイン基板100からの電圧VBSの保持信号を、駆動IC50を経由させてアクチュエーター基板40に印加する構成としたが、アクチュエーター基板40に直接供給する構成としても良い。いずれの構成であっても、駆動電極72と配線パターン550とはバンプ54cを介して並列接続されるので、電圧VBSの経路が低抵抗されることに変わりはない。
Claims (5)
- 内部に液体が充填され、該内部の圧力が増減されるキャビティと、前記キャビティに連通し、当該キャビティ内における圧力の増減により前記液体を吐出するノズルと、が形成された構造体と、
前記構造体上に形成され、前記キャビティの内部の圧力を増減させる圧電素子と、
前記圧電素子を封止するように前記構造体に実装された駆動ICと、
を具備し、
前記駆動ICは、
前記圧電素子を駆動するための駆動信号を当該圧電素子の一端に伝達するための配線が形成された駆動信号配線部と、
前記圧電素子の一端とは異なる他端を一定の状態に保持するための保持信号を、前記他端に伝達するため配線が形成された保持信号配線部と、
前記駆動ICを前記構造体との実装面から平面視したときに、前記保持信号配線部と、前記駆動信号配線部との間に位置するガード配線部と、
を含むことを特徴とするヘッドユニット。 - 前記保持信号配線部は、複数の圧電素子と電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1記載のヘッドユニット。 - 前記保持信号配線部には、前記圧電素子を一定に保持するための電流が流れ、
前記ガード配線部は、金属配線層である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドユニット。 - 前記駆動ICを前記構造体との実装面から平面視したときに、前記ガード配線部は、前記保持信号配線部を、前記駆動信号配線部との間で囲む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヘッドユニット。 - ヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを媒体に対し相対移動させる相対移動部と、
を具備し、
前記ヘッドユニットは、
内部に液体が充填され、該内部の圧力が増減されるキャビティと、前記キャビティに連通し、当該キャビティ内における圧力の増減により前記液体を吐出するノズルと、が形成された構造体と、
前記構造体上に形成され、前記キャビティの内部の圧力を増減させる圧電素子と、
前記圧電素子を封止するように前記構造体に実装された駆動ICと、
を具備し、
前記駆動ICは、
前記圧電素子を駆動するための駆動信号を当該圧電素子の一端に伝達するための配線が形成された駆動信号配線部と、
前記圧電素子の一端とは異なる他端を一定の状態に保持するための保持信号を、前記他端に伝達するため配線が形成された保持信号配線部と、
前記駆動ICを前記構造体との実装面から平面視したときに、前記保持信号配線部と、前記駆動信号配線部との間に位置するガード配線部と、
を含むことを特徴とする液体吐出装置。
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- 2015-03-24 JP JP2015060255A patent/JP6492844B2/ja active Active
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