以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理システムの運用形態を例示する図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システムは、端末装置1、n台の画像処理装置2−1〜2−n及びサーバ3がインターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されて構成される。なお、nは1以上の整数であり常に同じ数とは限らない。また、以降、画像処理装置2−1〜2−nを総じて「画像処理装置2」とする。
本実施形態に係る画像処理システムは、画像処理を含む様々な処理の手順を規定したワークフローに従って、予め定められた処理を実行する。具体的には、例えば、ワークフローにおいて、原稿を読み取って読取画像を生成する処理を行い、生成された読取画像を指定されたHDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体に送信して記憶させる処理を行うことが規定されている。上述のワークフローに従って、画像処理システムにおける画像処理装置2は、スキャナ機能により読取画像を生成する処理を行い、サーバ3は、生成された読取画像をHDD等に送信して記憶させる処理を行う。
端末装置1は、指定されたワークフローに従って画像処理装置2及びサーバ3において各種の処理が行われる際に用いられる各種の設定項目の設定値を指定するための設定画面を表示させる表示装置として機能するタブレット端末等の情報処理装置である。また、端末装置1は、設定画面を介して指定された設定値及び実行開始命令を受け付けると、指定された画像処理装置2のいずれか及びサーバ3において指定された設定値を用いて指定されたワークフローに従った予め定められた処理の実行を指示する。なお、端末装置1は、画像処理装置2と対になっていてもよく、1台の端末装置1と1台の画像処理装置2とがローカル接続し、各画像処理装置2に専用の表示装置として機能してもよい。
画像処理装置2は、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(Multi Function Peripheral:複合機)である。画像処理装置2は、端末装置1において指定された設定値を用いて画像処理を実行する。サーバ3は、上述した読取画像をHDD等に記憶させる処理等の様々な処理を実行する情報処理装置であり、端末装置1において指定された設定値を用いて指定された処理を実行する。
次に、本実施形態に係る端末装置1、画像処理装置2及びサーバ3のハードウェア構成を説明する。図2は、本実施形態に係る端末装置1のハードウェア構成を例示するブロック図である。図2においては、端末装置1のハードウェア構成を示すが、画像処理装置2及びサーバ3についても同様である。また、画像処理装置2は、図2に示すハードウェア構成に加えて、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジンを備える。
図2に示すように、本実施形態に係る端末装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス80を介して接続された構成である。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60及び操作部70が接続されている。
CPU10は演算手段であり、端末装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。なお、HDDの他、SSD(Solid State Drive)等の半導体記憶装置を用いても良い。
I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが端末装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボード、マウス、各種のハードボタン、タッチパネル等、ユーザが端末装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことによりソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る端末装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る端末装置1の機能のうち設定画面の表示に関する機能構成を説明する。図3は、本実施形態に係る端末装置1の機能のうち設定画面の表示に関する機能構成を例示するブロック図である。また、図4は、本実施形態に係る端末装置1によるワークフローに従った処理の実行(以降、「ワークフロー実行」とする)に関する動作を例示するフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態に係る端末装置1は、図2を示して説明したLCD60、操作部70に加えて、コントローラ100及びネットワークI/F130を含む。また、コントローラ100は、操作制御部101、ネットワーク制御部102、表示制御部103、認証処理部104、ワークフローID取得部105、設定候補取得部106、設定履歴情報記憶部107、設定画面生成部108、設定情報取得部109及び実行処理部110を含む。
ネットワークI/F130は、端末装置1がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)等のインタフェースが用いられる。ネットワークI/F130は、図2に示すI/F50によって実現される。
コントローラ100は、端末装置1全体を制御する制御部であり、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。操作制御部101は、ユーザによる操作部70に対する操作内容の信号を取得し、端末装置1に含まれる各部に対して出力する。ネットワーク制御部102は、ネットワークI/F130を介して入力される情報を取得するとともに、ネットワークI/F130を介して他の機器に情報を送信する。
表示制御部103は、設定画面生成部108において生成される設定画面のGUI(Graphical User Interface)等、端末装置1の状態をLCD60に表示させる。以下、本実施形態に係る端末装置1によるワークフロー実行に関する動作を、図4を参照して説明する。
本実施形態に係る端末装置1においては、図4に示すように、まず認証処理部104が、操作部70を介してユーザにより指定された画像処理装置2に対するユーザの認証処理を行う(S401)。具体的には、認証処理部104は、操作部70を介してユーザにより指定された認証情報(例えば、ユーザID及びパスワード)をネットワークI/F130を介して指定された画像処理装置2に対して出力する。そして、認証処理部104は、画像処理装置2からネットワークI/F130を介して認証結果を取得する。また、認証処理部104は、ユーザにより指定された認証情報を設定候補取得部106に対して出力する。
ユーザの認証処理が成功すると、ワークフローID取得部105は、操作部70を介してユーザにより指定されたワークフローを識別するワークフローIDを取得する(S402)。そして、ワークフローID取得部105は、取得したワークフローIDを設定候補取得部106に対して出力する。
ワークフローIDが取得されると、設定画面生成部108は、ワークフローIDにより識別されるワークフロー実行の際に用いられる各種の設定項目を指定するための設定画面を生成する。そして、表示制御部103は、生成された設定画面をLCD60に表示させる(S403)。
具体的には、設定画面生成部108は、設定候補取得部106により取得された各設定項目の設定値の候補を取得して、取得した設定値の候補を表示する設定画面を生成する。このような設定画面を表示装置に表示させる構成が本実施形態の要旨の1つであり、設定画面の詳細は後述する。
設定候補取得部106は、認証処理部104から入力された認証情報、ワークフローID取得部105から入力されたワークフローID及び設定履歴情報記憶部107に記憶されている設定履歴情報に基づいて、各設定項目の設定値の候補を取得する。このような各設定項目の設定値の候補を取得する構成が本実施形態の要旨の1つであり、設定履歴情報や設定値の候補取得処理の詳細は後述する。
LCD60に設定画面が表示されると、ユーザは表示されている設定画面を介して操作部70を操作して各設定項目の設定値を示す設定情報を指定する。設定情報取得部109は、ユーザにより操作部70を介して指定された設定情報及びワークフローIDを取得する(S404)。なお、ワークフローIDは、例えば、設定画面に付加情報として付加されているものとし、設定情報取得部109は、設定情報を取得する際に設定画面の付加情報からワークフローIDを取得するものとする。
また、設定情報取得部109は、取得した設定情報を及びワークフローIDを設定履歴情報記憶部107に記憶させ、実行処理部110に対して出力する。実行処理部110は、設定情報取得部109から取得した設定情報をネットワークI/F130を介して、認証処理に成功した画像処理装置2に対して出力する。また、実行処理部110は、設定情報を出力するとともに、設定情報取得部109から取得したワークフローIDで識別されるワークフロー実行命令をネットワークI/F130を介して、認証処理に成功した画像処理装置2に対して出力する(S405)。
次に、設定画面生成部108により生成され端末装置1のLCDに表示される本実施形態に係る設定画面の詳細を説明する。図5は、本実施形態に係る設定画面200を例示する図である。なお、図5に示した設定画面200は、画像処理装置2によるスキャナ機能による原稿の読取処理を含むワークフロー名「W1」を実行する際の各設定項目の設定値を設定するためにユーザAにより用いられる。
図5に示すように、本実施形態に係る設定画面200は、個別設定領域201、一括設定領域202及び設定項目群選択部203を含む。個別設定領域201は、各設定項目の設定値を個別に設定するための表示領域である。図5に示すように、個別設定領域201においては、例えば、画像処理装置2において原稿の読取処理を行う際に用いられる解像度、読取モード、読取方向等の各設定項目の設定値の候補が表示されるとともに、各設定項目の設定値の個別指定が受け付けられる。
例えば、ユーザが個別設定領域201の太線で囲まれた領域におけるいずれかの位置をタッチすると、読取処理の際の解像度を設定することができる。なお、個別設定領域201において初期値として表示される各設定値の候補は、予め定められた値でもよいし、ユーザの過去の設定履歴に基づいて(例えば、最も多く指定された値)設定項目ごとに設定候補取得部106により取得された値でもよい。
一括設定領域202は、各設定項目の設定値の組み合わせを一括して設定するための表示領域である。図5に示すように、一括設定領域202は、個別設定領域201において表示されている各設定項目の設定値と同じ設定項目の設定値の候補とが並べて表示されるように配置される。
個別設定領域201においては、各設定項目の設定値が個別に指定されるのに対して、一括設定領域202においては、各設定項目の設定値が個別ではなく、各設定値の組み合わせとして一括指定される。例えば、ユーザが一括設定領域202の太線で囲まれた領域においていずれかの位置をタッチすると、一括設定領域202に表示されているすべての設定値が一括して指定される。
図6は、一括設定領域202に表示されているすべての設定値が一括して指定された場合における設定画面200を例示する図である。ユーザが一括設定領域202においていずれかの位置をタッチすると、表示制御部103は、個別設定領域201に表示されている各設定値の候補を一括設定領域202に表示されている各設定値に一括して置き換えた設定画面200を表示する。図6に示した設定画面200において、一括して指定された設定値をさらに個別に修正したい場合は、個別設定領域201において設定値を個別に修正して設定することが可能である。
また、一括設定領域202において表示される各設定値の候補は、設定候補取得部106により、ユーザの過去の設定履歴に基づいて、各設定項目の設定値の組み合わせで取得される。一括設定領域202に表示される各設定項目の設定値の組み合わせ候補の設定候補取得部106による取得処理の詳細は後述する。
このように、ユーザにより個別設定領域201及び一括設定領域202を介して各設定項目の設定値が指定され、図5及び図6に示したスタートボタンが押下されると、画像処理装置2及びサーバ3において、指定された設定値を用いたワークフロー実行が開始する。すなわち、スタートボタンは、ワークフローに従った予め定められた処理の実行を指示する実行指示部として機能する。
設定項目群選択部203は、実行されるワークフローにおいて設定される各設定項目を複数のグループ(以降、「設定項目群」とする)に分割した場合において画面に表示する設定項目群を選択するための領域である。例えば、図5に示すように、設定項目群選択部203は、ワークフロー名「W1」においては、「メタデータ」、「デスティネーション」及び「スキャン設定」の3つの設定項目群のタブである。ユーザがいずれかのタグをタッチすることにより、タッチされたタグの設定項目群の設定値の設定画面が表示される。
なお、「メタデータ」は、ユーザが自由に設定可能なワークフローに関する様々なメタ情報の設定項目群であり、各設定項目は、例えば、ワークフロー実行の設定日を示す“設定日”、ワークフロー実行のタイトルを示す“タイトル”等である。「デスティネーション」は、画像処理装置2による処理結果の出力先等の情報の設定項目群であり、各設定項目は、例えば、原稿の読取処理により生成された読取画像の送信先(HDD、メール、FAX等)を示す“送信先”、送信先の具体的なアドレスを示す“アドレス”等である。
「スキャン設定」は、画像処理装置2による原稿の読取処理の設定項目群であり、各設定項目は、図5及び図6を示して上述した通りである。すなわち、図5及び図6において、ユーザが設定項目群選択部203において斜線でハッチングされた「スキャン設定」のタブをタッチすると、原稿の読取処理の際に用いられる設定項目群の設定値を指定するための画面が表示される。すなわち、設定項目群は、予め定められた処理を実行するワークフローにおける各設定項目の種類に応じて複数の設定項目を分割した設定項目のグループである。
次に、設定候補取得部106による各設定項目の組み合わせ候補の取得処理の詳細を、図7及び図8を参照して説明する。図7は、設定履歴情報記憶部107に格納されている設定履歴情報を例示する図である。また、図8は、設定候補取得部106による各設定項目の設定値の組み合わせ候補の取得処理の動作を例示するフローチャートである。
設定履歴情報記憶部107は、設定履歴情報を格納する記憶媒体である。図7に示すように、設定履歴情報は、ユーザによりワークフローを実行するために過去に指定された各設定項目の設定値が、指定したユーザID及びワークフローIDごとに関連付けられたテーブルである。すなわち、設定履歴情報は、複数の設定項目に対する各設定値の組み合わせの履歴を示す。例えば、図7に示すように、設定履歴情報には、“ユーザID”が「u1111」であるユーザにより“ワークフローID”が「W1」のワークフローを実行するために過去に設定された3回の設定履歴が含まれる。
なお、設定履歴情報記憶部107に格納可能な設定履歴情報の上限数が予め定められている場合、例えば、設定情報取得部109は、最も古い設定履歴情報を削除して、取得した設定情報を新たな設定履歴情報として記憶させる。
設定候補取得部106は、図7に示した設定履歴情報に基づいて、組み合わせ候補を取得する。図8に示すように、設定候補取得部106は、まず、認証処理部104から入力されたユーザIDを取得する(S801)。ユーザIDを取得した認証処理部104は、ワークフローID取得部105から入力されたワークフローIDを取得する(S802)。なお、S801の処理とS802の処理とは、前後関係に制約はなく、逆の順序で実行されてもよいし、並列して実行されてもよい。
ユーザID及びワークフローIDを取得した設定候補取得部106は、設定履歴情報記憶部107に格納されている設定履歴情報から、取得したユーザID及びワークフローIDを含む履歴情報に絞り込んで取得する(S803)。具体的には、例えば、設定候補取得部106は、「u1111」のユーザID及び「W1」のワークフローIDを取得した場合、図7に示した設定履歴情報から3つの履歴情報を取得する。
絞り込んだ履歴情報を取得した設定候補取得部106は、取得した履歴情報の中から、同じ設定値の組み合わせである件数が最多の履歴情報を、組み合わせ候補として取得する(S804)。具体的には、例えば、設定候補取得部106は、図7に示した設定履歴情報から取得した3つの履歴情報のうち、2件が同じ設定値の組み合わせである履歴情報を、組み合わせ候補として取得する。
以上説明したように、本実施形態に係る端末装置1は、ワークフロー実行の際に用いられる各設定項目の設定値を個別に設定するための個別設定領域と各設定項目の設定値を組み合わせで一括に設定するための一括設定領域とを含む設定画面を表示する。そして、本実施形態に係る端末装置1は、表示された設定画面において一括設定領域がタッチされると、一括設定領域に表示されている組み合わせ候補を個別設定領域の各設定値の候補として反映する。また、本実施形態に係る端末装置1は、組み合わせ候補が反映された個別設定領域において、ユーザによる設定値の個別の修正を受け付ける。
これにより、画像処理装置を利用する際に用いられる設定項目群の各設定値の組み合わせ候補を一括して容易に確認及び指定可能にするとともに、必要に応じて設定項目を個別に容易に指定可能にすることが可能になる。
なお、上記実施形態において、設定候補取得部106は、ユーザID及びワークフローIDで絞り込んだ履歴情報のうち同じ設定値の組み合わせである件数が最多の履歴情報を、組み合わせ候補として1つ取得する場合を例として説明した。その他、設定候補取得部106は、最多件数と件数差が小さい複数の組み合わせ候補を取得してもよい。図9は、設定候補取得部106による1つ以上の組み合わせ候補の取得処理の動作を例示するフローチャートである。
図9に示すように、設定候補取得部106は、S901〜S904において、図8に示したS801〜S804の処理と同様の処理を行う。同じ設定値の組み合わせである件数が最多の履歴情報を組み合わせ候補として取得した設定候補取得部106は、S903の処理において絞り込んだ履歴情報のうち組み合わせ候補として取得した履歴情報以外の他の履歴情報があるか否かを判定する(S905)。
他の履歴情報がない場合(S905/NO)、設定候補取得部106は処理を終了する。一方、他の履歴情報がある場合(S905/YES)、設定候補取得部106は、他の履歴情報のうち同じ設定値の組み合わせ件数が最多の件数を取得する(S906)。すなわち、設定候補取得部106は、S904の処理において組み合わせ候補として取得した履歴情報の件数の次に多い同じ設定値の組み合わせ件数を取得する。
組み合わせ件数を取得した設定候補取得部106は、S904の処理において取得した最多件数と取得した組み合わせ件数との件数差が所定値以上であるか否かを判定する(S907)。件数差が所定値以上である場合(S907/YES)、設定候補取得部106は、処理を終了する。
一方、件数差が所定値未満である場合(S907/NO)、設定候補取得部106は、S904の処理において組み合わせ候補として取得した履歴情報の件数の次に件数が多い同じ設定値の組み合わせの履歴情報を、次の組み合わせ候補として取得する(S908)。次の組み合わせ候補を取得した設定候補取得部106は、これまでに取得した組み合わせ候補である履歴情報以外の他の履歴情報があるか否かを判定し(S905)、以降の処理を繰り返す。すなわち、図9に示した動作により、設定候補取得部106は、同じ設定値の組み合わせである件数差の少ない複数の履歴情報を、組み合わせ候補として複数取得する。
図10は、設定候補取得部106が複数の履歴情報を取得した場合における設定画面200を例示する図である。図5に示した設定画面200が1つの組み合わせ候補を表示する1つの一括設定領域202を含むのに対して、図10に示した設定画面200は、複数の組み合わせ候補を表示する複数の一括設定領域202を含む。
図10に示すように、設定画面200において、一括設定領域202は、例えば、同じ設定値の組み合わせの履歴情報件数が多い順に、候補1、候補2、・・・と並べられている。また、組み合わせ候補の数が多く、設定画面200上に一度に表示しきれない場合、図10に示すように、次候補選択部204が表示される。ユーザが次候補選択部204をタッチすると、設定画面200上に表示されていない他の組み合わせ候補を含む一括設定領域202に順次表示が切り替わる。
そして、ユーザが複数の一括設定領域202の中から指定した一括設定領域202のいずれかの位置をタッチすると、個別設定領域201の設定値として、一括設定領域202に表示されている設定値が一括して反映される。
図11は、設定候補取得部106が複数の履歴情報を取得した場合における設定画面200の他の例を示す図である。図11に示すように、設定画面200は、図5に示した設定画面200の構成に加えて、自由設定領域205を含む。自由設定領域205は、ユーザや端末装置1の管理者が自由にカスタマイズできる領域である。例えば、図11に示した設定画面200においては、自由設定領域205に、一括設定領域202に表示されている組み合わせ候補以外の他の組み合わせ候補を選択するためのボタンが配置されている。
ユーザが自由設定領域205に配置されているいずれかのボタンにタッチすることにより、タッチされた組み合わせ候補の設定値が一括設定領域202に表示される。この場合、自由設定領域205は、一括設定領域202に表示する組み合わせ候補を選択する領域である候補選択領域である。図12は、自由設定領域205に配置されている「設定候補2」のボタンがタッチされた場合における設定画面200を例示する図である。
図12に示すように、ユーザが「設定候補2」のボタンをタッチすると、例えば、設定候補取得部106により2番目に取得された組み合わせ候補が一括設定領域202に表示される。これにより、自由設定領域205に配置されていた「設定候補2」のボタンが、図11に示した設定画面200において一括設定領域202に表示されていた最初に取得された組み合わせ候補を選択するための「設定候補1」のボタンと置き換わる。
そして、ユーザが一括設定領域202のいずれかの位置をタッチすると、個別設定領域201の設定値として、一括設定領域202に表示されている設定値が一括して反映される。このような構成により、ユーザは最多件数の組み合わせ候補だけでなく、最多件数と件数の近い複数の組み合わせ候補も同時に確認することができるので、設定項目群の各設定値の組み合わせ候補を一括してより精度よく確認することが可能になる。また、図12に示した設定画面200の構成により、複数の組み合わせ候補の各設定値が一度に表示されることがないので、画面の見やすさを維持しつつ、複数の組み合わせ候補を提示すること可能になる。
なお、本実施形態において、設定候補取得部106は、最多件数との件数差が所定値未満である場合に、次の件数の多い履歴情報を組み合わせ候補として取得する場合を例として説明した。その他、設定候補取得部106は、最多件数から順に件数の多い予め定められた数の組み合わせ候補を取得してもよい。このような構成により、ユーザが指定する可能性のある設定値の組み合わせを数多く提示することが可能になる。
また、設定候補取得部106が複数の組み合わせ候補を取得した場合の設定画面として、図11及び図12に示した設定画面200を例として説明した。その他、図11及び図12に示した設定画面200の構成を組み合わせてもよい。すなわち、例えば、設定画面200は、図12に示した自由設定領域205の他、予め定められた複数(例えば、2つ)の一括設定領域202を含んでもよい。この場合、自由設定領域205には、複数の一括設定領域202に表示されていない組み合わせ候補を選択するためのボタンが配置される。なお、一括設定領域202の数は、例えば、設定画面200の大きさに応じて定められる。
また、図12に示した設定画面200においては、自由設定領域205に配置されているいずれかのボタンがタッチされると、一括設定領域202にタッチされたボタンに対応する組み合わせ候補の設定値が表示される場合を例として説明した。その他、ボタンがタッチされるとそのボタンに対応する組み合わせ候補の設定値が個別設定領域201の設定値として直接反映されてもよい。
また、上記実施形態においては、設定履歴情報記憶部107は、図7に示した設定履歴情報を含む場合を例として説明した。その他、設定履歴情報記憶部107は、図7に示した設定履歴情報の他、各ユーザ(利用者)が最後に指定した設定値の組み合わせである最後履歴情報をワークフローごとに格納してもよい。
図13は、設定履歴情報記憶部107に格納される最後履歴情報を例示する図である。図13に示すように、最後履歴情報は、各ユーザが最後に指定した各設定項目の設定値がワークフローごとに関連付けられたテーブルである。例えば、図13に示すように、最後履歴情報には、“ワークフローID”が「W1」のワークフローを実行するためにユーザIDが「u1111」〜「u5555」のユーザがそれぞれ最後に指定した各設定項目の設定値が含まれる。
設定履歴情報記憶部107の記憶領域には限りがあるので、これまでの設定履歴をすべて設定履歴情報として格納することは好ましくない。また、設定履歴情報記憶部107に格納されている設定履歴情報のサイズが大きすぎると、設定候補取得部106による組み合わせ候補の取得処理に時間がかかり処理効率が悪くなる場合がある。そこで、所定の期間内(例えば、1ヶ月以内)に指定された設定値のみを設定履歴情報として設定履歴情報記憶部107に格納することが考えられる。
しかしながら、この場合、使用頻度の低いワークフローにおいては設定履歴情報が設定履歴情報記憶部107に残っておらず、設定候補取得部106は、最適な組み合わせ候補を取得できない場合がある。このような問題を解決するために、本実施形態においては、所定の期間内のみの設定履歴情報の他、期間に関係なく各ユーザが最後に指定した設定値の組み合わせが、最後履歴情報として設定履歴情報記憶部107に別途格納される。
図14は、設定候補取得部106による所定の期間内のみの設定履歴情報及び最後履歴情報に基づく組み合わせ候補の取得処理の動作を例示するフローチャートである。図14に示すように、設定候補取得部106は、S1401からS1403において、図8に示したS801からS803の処理と同様の処理を行う。
絞り込んだ履歴情報を取得した設定候補取得部106は、絞り込まれた履歴情報が存在するか否かを判定する(S1404)。絞り込まれた履歴情報が存在する場合(S1404/YES)、設定候補取得部106は、S804の処理と同様の処理により組み合わせ候補を取得する(S1405)。
一方、絞り込まれた履歴情報が存在しない場合(S1404/NO)、設定候補取得部106は、設定履歴情報記憶部107に、取得したユーザID及びワークフローIDと一致する最後履歴情報が格納されているか否かを判定する(S1406)。最後履歴情報が格納されている場合(S1406/YES)、設定候補取得部106は、設定履歴情報記憶部107から、取得したユーザID及びワークフローIDと一致する最後履歴情報を組み合わせ候補として取得する(S1406)。一方、最後履歴情報が格納されていない場合(S1406/NO)、設定候補取得部106は、組み合わせ候補を取得することなく処理を終了する。
このような構成により、ユーザが所定期間内に設定値を指定していない場合であっても、ユーザが最後に指定した各設定値を組み合わせ候補として設定画面200に表示することが可能になる。そのため、本実施形態によれば、ユーザによる使用頻度の低いワークフローであっても、過去の指定履歴に基づく各設定値の組み合わせ候補を一括して容易に確認することが可能になる。
なお、本実施形態において、履歴情報が存在する場合(S1404/YES)、設定候補取得部106は、図9に示したS904以降の処理と同様に、複数の組み合わせ候補を取得してもよい。
また、本実施形態において、設定履歴情報記憶部107に履歴情報も最後履歴情報も格納されていない場合(S1404/NO、S1406/NO)、設定候補取得部106は、ユーザの属性に基づいて組み合わせ候補を取得してもよい。この場合、ユーザIDで識別されるユーザが所属する部署やチーム等を示す属性情報を取得可能であり、設定履歴情報記憶部107に格納されている履歴情報には、それぞれユーザの属性情報が関連付けられているものとする。
この場合、設定候補取得部106は、取得したユーザIDで識別されるユーザの属性情報を取得し、設定履歴情報記憶部107に格納されている履歴情報のうち、取得した属性情報と一致する履歴情報に絞り込んで取得する。履歴情報を取得した設定候補取得部106は、S1403以降の処理と同様な処理を行う。このような構成により、ユーザIDに基づいて組み合わせ候補を直接取得できない場合であっても、ユーザの属性情報に基づいて組み合わせ候補を取得することができ、ユーザの傾向にできるだけ合った設定値の候補を設定画面に表示することが可能になる。
同様に、設定履歴情報記憶部107に履歴情報も最後履歴情報も格納されていない場合(S1404/NO、S1406/NO)、設定候補取得部106は、ユーザID及びワークフローIDではなく、ワークフローIDに基づいて履歴情報を絞り込んでもよい。このような構成により、ユーザ自らが設定値を指定しておらず履歴情報が存在しない場合であっても、実行するワークフローの傾向にできるだけ合った設定値の候補を設定画面に表示することが可能になる。
また、本実施形態において、設定候補取得部106は、取得した組み合わせ候補をそのまま設定画面生成部108に対して出力する場合を例として説明した。しかしながら、複数の画像処理装置2の中から画像処理を実行する画像処理装置2が指定される場合、画像処理装置2によっては、取得された組み合わせ候補の各設定値が設定可能な値ではなく、そのまま使用できない場合がある。
そこで、以下、取得した組み合わせ候補の各設定値が、指定された画像処理装置2において設定可能であるか否かを判定し、設定不可能である場合に設定値を変更する実施形態を説明する。
図15は、各設定値の設定可否を判定する場合における端末装置1の機能構成を例示するブロック図である。図15に示すように、端末装置1は、図3に示した端末装置1の構成に設定可能情報取得部111及び設定可能情報記憶部112が追加された構成である。
図15に示した構成における認証処理部104は、認証情報の他、操作部70を介してユーザにより指定された画像処理装置2を識別するための装置識別情報を取得し、設定可能情報取得部111に対して出力する。設定可能情報取得部111は、認証処理部104から入力された装置識別情報により識別される画像処理装置2に対して、ネットワークI/F130を介して各設定項目の設定可能な値を示す設定可能情報を要求して取得する。
図16は、設定可能情報を例示する図である。なお、図16は、原稿の読取処理に関する設定可能情報である。図16に示すように、設定可能情報は、例えば、解像度の設定可能値(100dpiから500dpi)、読取モードの設定可能値(自動、カラー、モノクロ)、読取サイズの設定可能値(A4横、A4縦、A5横、A5縦)を含む。
また、設定可能情報取得部111は、取得した設定可能情報を設定可能情報記憶部112に記憶させる。図15に示した構成における設定候補取得部106は、図3を示して説明した情報の他、設定可能情報記憶部112に格納されている設定可能情報に基づいて、組み合わせ候補を取得する。
図17は、設定候補取得部106による組み合わせ候補の取得処理の動作を例示するフローチャートである。図17に示すように、設定候補取得部106は、S1701からS104の処理において、図8に示したS801からS804の処理と同様な処理を行う。組み合わせ候補を取得した設定候補取得部106は、取得した組み合わせ候補が画像処理を実行する画像処理装置2において設定不可能な値であるか否かを判定する(S1705)。
具体的には、設定候補取得部106は、組み合わせ候補の各設定項目の設定値が、設定可能情報記憶部112に格納されている設定可能情報に含まれる各設定項目の設定不可能な値であるか否かを判定する。例えば、組み合わせ候補の解像度が「600dpi」である場合、設定可能情報に含まれる解像度の設定可能値の「100dpi〜500dpi」範囲外であるので、設定候補取得部106は組み合わせ候補の解像度が設定不可能であると判定する。
各設定値が設定可能である場合(S1705/NO)、設定候補取得部106は、そのまま処理を終了する。一方、設定不可能な設定値がある場合(S1705/YES)、設定候補取得部106は、設定不可能な設定値を、設定可能な近似値により修正する(S1706)。例えば、組み合わせ候補の解像度が「600dpi」である場合、設定候補取得部106は、設定不可能な設定値を、設定可能な近似値「500dpi」に修正する。
図18は、組み合わせ候補が近似値により修正された場合における設定画面200を例示する図である。例えば、組み合わせ候補の解像度が「600dpi」から「500dpi」に修正され、読取サイズが「A3横」から「A4横」に修正されたとする。この場合、図18に示すように、例えば、一括設定領域202において、解像度及び読取サイズの修正前の設定値が取消線で表示され、矢印の先に修正後の設定値が表示される。
このような構成により、指定された画像処理装置2において設定可能な設定値に修正されるとともに、どのように設定値が修正されたのかが把握しやすく表示される。したがって、本実施形態によれば、設定値の修正内容を容易に確認することが可能になるとともに、修正された組み合わせ候補を一括して容易に指定することが可能になる。なお、本実施形態においては、画像処理装置2による画像処理において用いられる設定項目の設定可否を判定する場合を例として説明したが、サーバ3による処理において用いられる設定項目の設定可否についても同様に判定可能である。
また、本実施形態においては、設定値を設定可能な近似値で修正する場合を例として説明した。その他、修正値は画像処理装置2において設定項目ごとに予め定められた値でもよい。また、設定履歴情報に使用された画像処理装置2の装置識別情報が含まれる場合、設定候補取得部106は、図8に示したS803の履歴情報の絞り込みの処理において、装置識別情報が一致する履歴情報にさらに絞り込むようにしてもよい。
この場合、履歴情報の絞り込みの段階で、指定された画像処理装置2において設定可能な設定値で構成される履歴情報のみになるので、設定候補取得部106は、絞り込み候補を取得後に候補の設定値を修正する必要がない。なお、設定値を設定可能な値に修正する本実施形態においても、設定候補取得部106は、図9に示したS904以降の処理と同様に、複数の組み合わせ候補を取得してもよい。
また、上記実施形態において、設定候補取得部106は、ユーザID及びワークフローIDに基づいて履歴情報を絞り込む場合を例として説明した。その他、設定候補取得部106は、ユーザが直近で変更した設定値に基づいてさらに履歴情報を絞り込んでもよい。図19は、変更値に基づいて履歴情報を絞り込む場合における設定候補取得部106による組み合わせ候補の取得処理の動作を例示するフローチャートである。
図19に示すように、設定候補取得部106は、S1901及びS1902において図8に示したS801及びS802の処理と同様の処理を行う。ユーザIDを取得した設定候補取得部106は、取得したユーザIDで識別されるユーザが直近で変更した設定項目及び設定値の情報(以降、「変更情報」とする)を取得する(S1903)。なお、S1902の処理とS1903の処理とは前後関係に制約はなく、逆の順序で実行されてもよいし、並列して実行されてもよい。
ユーザID、ワークフローID及び変更情報を取得した設定候補取得部106は、設定履歴情報記憶部107に格納されている設定履歴情報から、取得したユーザID、ワークフローID及び変更情報と一致する履歴情報に絞り込んで取得する(S1904)。例えば、変更情報は、設定項目が“解像度”の設定値が「300dpi」に変更され、設定項目が“読取モード”の設定値が「モノクロ」に変更されたことを示すとする。この場合、設定候補取得部106は、ユーザID及びワークフローIDが一致することに加えて、解像度が「300dpi」であり、読取モードが「モノクロ」である履歴情報に絞り込む。
絞り込んだ履歴情報を取得した設定候補取得部106は、S1905においてS804の処理と同様の処理を行う。このような構成により、ユーザが直近で変更した設定値を反映した組み合わせ候補が取得されるので、よりユーザの傾向に応じた組み合わせ候補が設定画面200に表示される。
なお、本実施形態においては、ユーザが直近で変更した設定項目及び設定値を変更情報として、変更情報が履歴情報の絞り込みに用いられる場合を例として説明した。その他、変更情報が組み合わせ候補の取得に用いられてもよい。
この場合、設定候補取得部106は、変更情報からユーザが直近で変更した1つ以上の設定項目を取得し、絞り込まれた履歴情報の中から、取得した1つ以上の設定項目の設定値の組み合わせが同じである件数が最多の履歴情報を、組み合わせ候補として取得する。このような構成により、ユーザが設定値を変更した設定項目に注目して組み合わせ候補が取得されるので、よりユーザの傾向に応じた組み合わせ候補が設定画面200に表示される。
その他、ユーザがデフォルト値から変更された設定項目及び設定値を変更情報として、変更情報が履歴情報の絞り込みに用いられてもよい。その他、ユーザがデフォルト値から変更された1つ以上の設定項目を変更情報として、設定候補取得部106は、変更された1つ以上の設定項目に基づいて組み合わせ候補を取得してもよい。
このような構成により、ユーザがデフォルト値から変更する必要があると判断した設定項目や設定値に注目して組み合わせ候補が取得されるので、よりユーザの傾向に応じた組み合わせ候補が設定画面200に表示される。なお、変更情報を用いる本実施形態においても、設定候補取得部106は、図9に示したS904以降の処理と同様に、複数の組み合わせ候補を取得してもよい。
また、上記実施形態において、設定候補取得部106は、絞り込まれた履歴情報の中から、全設定項目の設定値の組み合わせが同じである件数が最多の履歴情報を、組み合わせ候補として取得する場合を例として説明した。その他、設定候補取得部106は、複数の設定項目群ごとに組み合わせ候補を取得してもよい。複数の設定項目群は、図5を示して説明したワークフロー実行の際に用いられる各設定項目が分割された複数のグループである。
図20は、設定履歴情報記憶部107に格納されている設定履歴情報を例示する図である。上述した図7は、画像処理装置2による原稿の読取処理に関する各設定項目を含む設定履歴情報を例示したが、図20は、ワークフロー実行の際に用いられる複数の設定項目群を含む設定履歴情報を例示する。図20に示すように、設定履歴情報は、上述した「スキャン設定」の設定項目群に含まれる各設定項目の他、上述した「メタデータ」や「デスティネーション」の設定項目群にそれぞれ含まれる各設定項目を含む。
設定候補取得部106は、複数の設定項目群の構成情報に基づいて、複数の設定項目群ごとに組み合わせ候補を取得する。図21は、複数の設定項目群の構成情報を例示する図である。図21に示すように、複数の設定項目群の構成情報は、例えば、ワークフローIDが「W1」であるワークフロー実行の際に用いられる各設定項目を「メタデータ」、「スキャン設定」、「デスティネーション」の3つの設定項目群に分割することが示されている。また、図21に示した構成情報は、各設定項目群にどの設定項目が分類されるかが示されている。なお、図21に示した構成情報は、例えば、設定候補取得部106が保持している。その他、図21に示した構成情報は、設定候補取得部106が参照可能な記憶媒体に予め格納されていてもよい。
図22は、設定候補取得部106による複数の設定項目群ごとの組み合わせ候補の取得処理の動作を例示するフローチャートである。図22に示すように、設定候補取得部106は、S2201からS2203において、図8に示したS801からS803の処理と同様の処理を行う。
絞り込んだ履歴情報を取得した設定候補取得部106は、図21に示した構成情報を取得する(S2204)。なお、S2201からS2203の処理それぞれとS2204の処理とは前後関係に制約はなく、逆の順序で実行されてもよいし、並列して実行されてもよい。絞り込んだ履歴情報及び構成情報を取得した設定候補取得部106は、構成情報に示されている複数の設定項目群ごとに、取得した履歴情報の中から、同じ設定値の組み合わせである件数が最多の履歴情報を組み合わせ候補として取得する(S2205)。
具体的には、例えば、設定候補取得部106は、取得した履歴情報の中から、「メタデータ」を構成する“設定日”、“タイトル”等の各設定項目の設定値の組み合わせが同じである件数が最多の履歴情報を、「メタデータ」の設定値の組み合わせ候補として取得する。同様に、設定候補取得部106は、取得した履歴情報の中から、「スキャン設定」の設定値の組み合わせ候補及び「デスティネーション」の設定値の組み合わせ候補を取得する。
図23は、本実施形態に係る設定画面200を例示する図である。図23に示すように、ユーザが設定項目群選択部203において斜線でハッチングされた「メタデータ」のタブをタッチすると、ワークフローW1におけるメタデータの設定項目群の設定値を指定するための画面が表示される。
例えば、図23に示した設定画面200において、設定候補取得部106により取得された「メタデータ」の設定値の組み合わせ候補が一括設定領域202に表示される。このような構成により、ワークフローにおいて分割される設定項目群ごとに組み合わせ候補が取得されて、設定項目群ごとの設定画面に表示されるので、より設定項目の種類及びユーザの傾向に合わせた組み合わせ候補が設定画面200に表示される。
また、本実施形態において、設定候補取得部106は、各設定項目の同じ設定値の組み合わせである件数に基づいて組み合わせ候補を取得する場合を例として説明した。しかしながら、例えば、設定値が日付(メタデータの“設定日”等)である場合、履歴情報において同じ日付である件数が多い履歴情報がユーザの傾向に合った組み合わせ候補とは限らない。
一方で、例えば、メタデータの“設定日”は、ユーザが自由に設定する日付情報であるので、設定の規則についてはユーザごとの傾向により変化する場合がある。ユーザごとの傾向として、ユーザAは、ワークフローを実行する日とメタデータの“設定日”に設定する日とを同日にする傾向があり、ユーザBは、ワークフローを実行する日の前日をメタデータの“設定日”に設定する傾向がある等が考えられる。
このような傾向は、設定項目の設定値そのものではなく、別の値との相関関係によって得られる。値の相関関係によりユーザの傾向を求める情報は、例えば、メタデータの“設定日”の場合、“設定日”の値とワークフローの実行する日の値の差である。この差がゼロである履歴情報の件数が多い場合、ワークフローを実行する日とメタデータの“設定日”に設定する日とが同日である傾向が高い。一方で、この差がゼロ以外である場合、ワークフローを実行する日とメタデータの“設定日”に設定する日とが差の分ずれている傾向が高い。
図24は、設定履歴情報記憶部107に格納されている設定履歴情報を例示する図である。図24に示した設定履歴情報は、ワークフローを実行した日である“実行日”を含む。図24に示すように、ユーザIDが「u1111」であるユーザの履歴情報においては、メタデータの“設定日”に設定されている日が“実行日”の前日である。そこで、設定候補取得部106は、ユーザIDが「u1111」である場合、“設定日”に設定される値を、ワークフローを実行する日付の前日とする組み合わせ候補を取得する。
図25は、本実施形態に係る設定画面200を例示する図である。図25に示した設定画面200は、ユーザAが設定値を指定するための画面であり、ユーザAは、“実行日”の前日を“設定日”に指定する傾向があるとする。図25に示すように、個別設定領域201における“設定日”の設定値の候補は、デフォルト値として現在の日付「20XX/3/20」を示している。
一方、図25に示すように、一括設定領域202における“設定日”の設定値の候補は、ユーザAの傾向に合わせて、現在の日付の前日の日付「20XX/3/19」を示している。このような構成により、設定項目によっては、設定項目の設定値そのものではなく、別の値との相関関係に基づいて組み合わせ候補が取得されるので、よりユーザの傾向に合わせた組み合わせ候補を表示することが可能になる。
なお、本実施形態においては、ユーザの入力傾向に応じて“設定日”に設定される設定値の候補を取得する場合を例として説明した。その他、例えば、設定候補取得部106は、ワークフローの実行指示が出力される時間帯に応じて“設定日”に設定される設定値の候補を取得してもよい。この場合、例えば、実行指示の出力時間帯が15時以降であるワークフローが翌日に実行されるシステム運用である場合、メタデータの“設定日”の設定値の候補として設定画面に翌日の日付が表示される。このような構成により、システムの運用傾向に応じて組み合わせ候補を表示することが可能になる。
また、本実施形態においては、図11及び図12に示した設定画面200の自由設定領域205に組み合わせ候補を選択するためのボタンが配置されている場合を例として説明した。自由設定領域205に配置されるボタンは、組み合わせ候補を選択するためのボタンに限らず、異なる用途として用いるボタンが配置されてもよい。
図26は、自由設定領域205を含む設定画面200を例示する図である。図26に示した設定画面200の自由設定領域205には、ユーザによりプリセットされた各設定項目の設定値の組み合わせを選択するためのボタンが配置されている。例えば、ユーザが自由設定領域205に配置された「ユーザ設定1」のボタンをタッチすると、ユーザ設定1としてプリセットされている各設定項目の設定値の組み合わせが一括設定領域202に表示される。
このような構成により、ユーザがプリセットされた設定値の組み合わせを容易に確認及び指定することが可能になる。なお、図26に示した設定画面200においては、自由設定領域205に配置されているいずれかのボタンがタッチされると、一括設定領域202にタッチされたボタンに対応する設定値の組み合わせが表示される場合を例として説明した。その他、ボタンがタッチされるとそのボタンに対応する設定値の組み合わせが個別設定領域201の設定値として直接反映されてもよい。また、自由設定領域205には、組み合わせ候補を選択するためのボタンとプリセットされた設定値の組み合わせを設定するボタンとが共に配置されていてもよい。
なお、上述した各実施形態においては、指定した画像処理装置2に対するユーザ認証処理が行われた後、実行するワークフローが指定され、ワークフロー実行の際に用いられる各設定項目の設定値を対象とする場合を例として説明した。しかしながら、各実施形態は、ワークフローに限らず、画像処理装置2単体で画像処理を実行する際に用いられる各設定項目の設定値を対象とする場合であっても、同様に適用可能である。
また、上述した各実施形態においては、ワークフローを実行するユーザごとに組み合わせ候補が表示される場合を例として説明した。しかしながら、各実施形態は、ユーザを限定せずワークフローごとに組み合わせ候補が表示される場合であっても同様に適用可能である。この場合、設定候補取得部106は、ワークフローIDのみで履歴情報を絞り込む。また、この場合、ユーザ単位ではなく、ワークフローの傾向(業務内容等)に応じた組み合わせ候補が設定画面200に表示される。
また、上述した各実施形態においては、端末装置1において、設定候補の取得処理、設定画面の生成処理、設定画面の表示処理、設定履歴情報の記憶処理等の各処理が行われる場合を例として説明した。この場合、端末装置1が設定画面の表示を制御する表示制御装置として機能するとともに、設定画面を表示するLCDを備える表示装置(表示部)として機能する。また、表示制御プログラムに従って演算を行うことにより構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る端末装置1の表示制御機能を実現する機能ブロックが構成される。
しかしながら、これは一例であり、画像処理装置2やサーバ3等の端末装置1以外の装置で実行されてもよいし、各処理が各装置で分散して実行されてもよい。例えば、サーバ3において外部の記憶媒体に格納された設定履歴情報に基づく設定候補の取得処理及び設定画面の生成処理が実行され、画像処理装置2に備えられたタッチパネルに生成された設定画面が表示されてもよい。この場合、設定画面を生成するサーバ3及び生成された設定画面の表示を制御する画像処理装置2が表示制御装置として機能し、設定画面を表示するタッチパネルを備える画像処理装置2が表示装置として機能する。
また、上述した各実施形態においては、図7等に示した設定履歴情報の構成を例として説明したが、この構成に限らず、ユーザごとやワークフローごとに別々の設定履歴情報が設定履歴情報記憶部107に格納されてもよい。
また、上述した各実施形態においては、設定画面200の一括設定領域202におけるいずれかの位置をタッチすると表示されている組み合わせ候補が個別設定領域201に反映される場合を例として説明した。しかしながら、これは一例であり、一括設定領域202に表示されている組み合わせ候補が個別設定領域201に一括して反映される態様であればよい。例えば、設定画面200において一括設定領域202以外の領域に「一括設定ボタン」が配置され、「一括設定ボタン」がタッチされると組み合わせ候補が個別設定領域201に反映される。
また、上述した各実施形態においては、複数の組み合わせ候補を取得する実施形態や近似値により組み合わせ候補を修正する実施形態等の様々な実施形態を組み合わせ可能である。