JP2016177857A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーム及びサスペンションの接合強度に優れ、サイズ及び形状の精度が高い磁気ヘッド装置を提供する。【解決手段】磁気ヘッド装置2は、アーム4と、アーム4の先端部に重なるサスペンション8と、サスペンション8の先端部に位置するスライダ10と、アーム4の先端部とサスペンション8との間に位置し、アーム4とサスペンション8とを接合する第一接合部12と、を備え、第一接合部12が、Sn又は樹脂系接着剤を含み、アーム側接合面が4a、アーム4の表面のうちサスペンション8と重なる部分と定義され、サスペンション側接合面8aが、サスペンション8の表面のうちアーム4と重なる部分と定義されるとき、アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aのうち、少なくとも一方の接合面(4a)に第一凹部4bが形成されており、第一接合部12の一部が、第一凹部4b内へ延在している。【選択図】図5

Description

本発明は、磁気ヘッド装置に関する。
磁気ディスク装置では、ヘッドスタックアセンブリ(HSA; Head Stack Assembly)が磁気記録の読み書きを行う。HSAは、例えば、複数のアーム(arm)を有するキャリッジ(carriage)と、各アームに接合されたヘッドジンバルアセンブリ(HGA; Head Gimbal Assembly)と、を備える。HGAは、アームの先端部に接合されるサスペンション(suspensiоn)と、サスペンションの先端部に位置するスライダ(slider)と、を有する。スライダには、磁気ヘッド(例えば、薄膜磁気ヘッド)が組み込まれている。複数のアームを有するキャリッジ(E字型のキャリッジ)は、E−ブロックと呼ばれることがある。
従来、アームとサスペンションとを接合する主な方法として、下記特許文献1に記載されているような嵌合接合が知られている。下記特許文献1に記載の方法では、サスペンションにフランジを形成し、アームに嵌め孔を形成する。フランジの位置と嵌め孔の位置を合わせて、サスペンションのフランジをアームの嵌め孔に嵌め込む。続いて、加圧シャフトにより、金属ボールをフランジの孔から導入し、各孔内を通過させる。金属ボールの直径は、フランジの孔の最小径よりも大きいので、サスペンションのフランジが金属ボールにより押し曲げられ、フランジがアームに押し付けられる。つまり、カシメ(swaging又はcaulking)を行う。これらの手順を経て、アームとサスペンションとが接合される。
また、嵌合接合以外の接合方法も知られている。例えば、下記特許文献2には、接合光線(YAGレーザー)の照射によりサスペンション及びアームを接合することが記載されている。
特開平5−303855号公報 特開平7−178582号公報
磁気ディスク装置の記憶容量を増加させるためには、装置に搭載される磁気ディスクの枚数を増やす必要がある。しかし、磁気ディスク装置の寸法(高さ)は制約される。したがって、磁気ディスクの枚数を増やすためには、アーム、サスペンション及びこれらの接合部を薄くして、アーム及びサスペンションそれぞれの間隔を狭めて、磁気ディスクを設置するための空間を拡げなければならない。
上記特許文献1に記載の嵌合接合の場合、アーム及びサスペンションが薄いほど、嵌める範囲(接合部)が狭くなり、接合強度が低下する。つまり、アーム及びサスペンションが薄いほど、各嵌め孔が浅くなり、接合強度が低下する。接合強度の低下に伴い、磁気ヘッドの位置が不安定になり、磁気記録の正確な読み書きが困難になる。最悪の場合、サスペンションがアームから脱離して磁気ディスク上に落下し、磁気ディスクが破損してしまう。
また上記特許文献2に記載のレーザーを用いた接合では、レーザーのスポット内でアーム及びサスペンションが溶接される。スポットの大きさは制約されるので、接合面積(接合部)が狭くなり、信頼できる十分な接合強度が得られない。また、磁気ディスクの枚数の増加に伴い、サスペンション間の空間が狭まると、レーザーを所望の位置へ正確に照射することが困難となる。その結果、信頼できる十分な接合強度が得られない。
本発明者らは、上記の問題を解決するために、アームの表面とサスペンションの表面とを、Sn単体、又はSnを含む合金(Sn系合金)を介して接合することにより、アーム及びサスペンションの接合強度が向上することを発見した。また、本発明者らは、アームの表面とサスペンションの表面とを樹脂系接着剤により接着した場合も、アーム及びサスペンションの接合強度が向上することを発見した。Sn、Sn系合金及び樹脂系接着剤のいずれかを用いることにより、アーム及びサスペンションが面接触により接合される。したがって、アーム及びサスペンションが薄い場合であっても、優れた接合強度が実現する。
しかし、本発明者らは、Sn、Sn系合金及び樹脂系接着剤のうちいずれかを用いてアーム及びサスペンションを接合する場合、以下の問題が生じることを発見した。
アームの表面とサスペンションの表面とを、Sn又はSn系合金を介して接合する場合、溶融したSn又はSn系合金(溶融金属)が流動して、アームとサスペンションの間からはみ出し、フィレット(fillet)を形成し易い。大きなフィレットは、HSAのサイズ及び形状の精度を損なう。例えば、アーム及びサスペンション其々に貫通孔(位置決め孔)を形成して、各貫通孔の位置を合わせることにより、アーム及びサスペンションそれぞれの位置を決定することがある。しかし、各貫通孔内にフィレットが形成されると、位置決め孔の寸法の精度が損なわれ、アーム及びサスペンションの正確な位置決めが困難になる。アームの表面とサスペンションの表面とを樹脂系接着剤により接着した場合も、硬化していない樹脂系接着剤が流動してアームとサスペンションとの間からはみ出し易い。樹脂系接着剤がはみ出し過ぎる場合、樹脂系接着剤はフィレットと同様にHSAのサイズ及び形状の精度を損なう。以下では、アームとサスペンションとの間からはみ出した樹脂系接着剤も、便宜上、「フィレット」と記す。
磁気ディスク装置の小型化及び磁気ディスクの増加に伴い、磁気ディスク装置に搭載されるHSAの設置のサイズ及び形状は厳しい制約を受ける。したがって、フィレットの形成又は成長を抑制して、HSAのサイズ・形状の精度を高めなければならない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アーム及びサスペンションの接合強度に優れ、サイズ及び形状の精度が高い磁気ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る磁気ヘッド装置は、アームと、アームの先端部に重なるサスペンションと、サスペンションの先端部に位置するスライダと、アームの先端部とサスペンションとの間に位置し、アームとサスペンションとを接合する第一接合部と、を備え、第一接合部が、Sn、又は樹脂系接着剤を含み、アーム側接合面が、アームの表面のうちサスペンションと重なる部分と定義され、サスペンション側接合面が、サスペンションの表面のうちアームと重なる部分と定義されるとき、アーム側接合面及びサスペンション側接合面のうち、少なくとも一方の接合面に第一凹部が形成されており、第一接合部の一部が、第一凹部内へ延在している。
本発明の一側面においては、第一接合部が、Snを含有する合金を含んでよく、合金が、Ag(銀)、Cu(銅)、Bi(ビスマス)、In(インジウム)、Ni(ニッケル)、Zn(亜鉛)、P(リン)及びAu(金)からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有してよい。
本発明の一側面においては、第一凹部が、アーム又はサスペンションを貫通していてよい。
本発明の一側面においては、サスペンションは、アームの先端部に重なり、第一接合部によってアームに接合されるスペーサと、一方の先端部がスペーサに重なり、他方の先端部にスライダが位置するロードビームと、スペーサとロードビームとの間に位置し、スペーサとロードビームとを接合する第二接合部と、を含んでよく、第二接合部が、Sn、又は樹脂系接着剤を含み、スペーサ側接合面が、スペーサの表面のうちロードビームと重なる部分と定義され、ロードビーム側接合面が、ロードビームの表面のうちスペーサと重なる部分と定義されるとき、スペーサ側接合面及びロードビーム側接合面のうち、少なくとも一方の接合面に第二凹部が形成されており、第二接合部の一部が、第二凹部内へ延在していてよい。
本発明の一側面においては、第二接合部が、Snを含有する合金を含んでよく、合金が、Ag、Cu、Bi、In、Ni、Zn、P及びAuからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有してよい。
本発明の一側面においては、第二凹部が、スペーサ又はロードビームを貫通していてよい。
本発明の一側面においては、サスペンションは、アームの先端部に重なり、第一接合部によってアームに接合されるスペーサと、一方の先端部がスペーサに重なり、他方の先端部にスライダが位置するロードビームと、を含んでよく、スペーサとロードビームとが直接溶接されていてよい。
本発明の一側面に係る磁気ヘッド装置は、複数のアームを有するキャリッジを備えてよい。
本発明によれば、アーム及びサスペンションの接合強度に優れ、サイズ及び形状の精度が高い磁気ヘッド装置が提供される。
図1は、本発明の第一実施形態に係る磁気ヘッド装置の模式的斜視図である。 図2は、本発明の第一実施形態に係る磁気ヘッド装置を備える磁気ディスク装置の模式的上面図である。 図3は、図2に示す磁気ディスク装置の模式的側面図である。 図4中のa(図4a)は、図3に示す磁気ヘッド装置が備えるアーム、第一接合部及びサスペンションの模式的拡大図であり、図4中のb(図4b)は、図1に示す磁気ヘッド装置のアームの先端部近傍の斜視分解図である。 図5中のa(図5a)は、本発明の第一実施形態に係る磁気ヘッド装置の製造方法の第一工程を示す模式図であり、図5中のb(図5b)は、図5aが示す第一工程を経て製造された磁気ヘッド装置が備えるアーム、サスペンション及び第一接合部の模式的断面図である。 図6中のa(図6a)は、本発明の第二実施形態に係る磁気ヘッド装置の製造方法の第一工程を示す模式図であり、図6中のb(図6b)は、図6aが示す第一工程を経て製造された磁気ヘッド装置が備えるアーム、サスペンション及び第一接合部の模式的断面図である。 図7中のa(図7a)は、本発明の第三実施形態に係る磁気ヘッド装置の製造方法の第一工程を示す模式図であり、図7中のb(図7b)は、図7aが示す第一工程を経て製造された磁気ヘッド装置が備えるアーム、サスペンション及び第一接合部の模式的断面図である。 図8中のa(図8a)は、本発明の第四実施形態に係る磁気ヘッド装置の製造方法の第一工程を示す模式図であり、図8中のb(図8b)は、図8aが示す第一工程を経て製造された磁気ヘッド装置が備えるアーム、サスペンション及び第一接合部の模式的断面図である。 図9中のa(図9a)は、本発明の第五実施形態に係る磁気ヘッド装置のアームの先端部近傍の斜視分解図であり、図9中のb(図9b)は、本発明の第五実施形態に係る磁気ヘッド装置が備えるアーム、第一接合部、スペーサ、第二接合部及びロードビームの模式的断面図である。 本発明の第六実施形態に係る磁気ヘッド装置が備えるアーム、サスペンション及び第一接合部の模式的断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態について説明する。各図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付す。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
(第一実施形態)
第一実施形態に係る磁気ヘッド装置は、ヘッドスタックアセンブリ(HSA)である。図1、図2、図3及び図4に示すように、HSA2は、複数のアーム4を有するキャリッジ6と、各アーム4の先端部に重なるサスペンション8と、各サスペンション8の先端部に位置するスライダ10と、アーム4の先端部とサスペンション8との間に位置し、アーム4とサスペンション8とを接合する第一接合部12と、を備える。換言すれば、HSA2は、複数のアーム4を有するキャリッジ6と、各アーム4の先端部に接合されたヘッドジンバルアセンブリ(HGA11)と、アーム4とHGA11とを接合する第一接合部12と、を備える。アーム4及びサスペンション8其々は、扁平又は略板状であってよい。アーム4及びサスペンション8其々は、所定の方向に延びていてよい。つまり、アーム4及びサスペンション8其々は、長尺であってよい。サスペンション8は、アーム4の先端部の片面のみに重なっていてよい。一つのサスペンション8がアーム4の先端部の表面に重なり、別のサスペンション8が同アーム4の先端部の裏面に重なっていてもよい。つまり、一つのアーム4の先端部が一対のサスペンション8によって挟まれていてもよい。各スライダ10には、磁気ヘッド(例えば、薄膜磁気ヘッド)が組み込まれている。複数のアーム4及びHGA11は、所定の間隔で、同一の方向を向いて重なっている。説明の便宜上、図示されたアーム4の数は3つであるが、アーム4の数は限定されない。説明の便宜上、図示されたサスペンション8及びスライダ10其々の数は4つであるが、サスペンション8及びスライダ10の数は限定されない。
HSA2は、複数の磁気ディスク16を備える磁気ディスク装置18(HDD)に搭載される。複数の磁気ディスク16は、スピンドルモータ20に取り付けられ、所定の間隔で重ねられている。各磁気ディスク16は、一対のHGA11の間に配置されていてよい。HGA11の先端部に位置する各スライダ10は、磁気ディスク16に対向している。キャリッジ6においてアーム4の反対側に位置する部分は、コイル部14である。コイル部14と、コイル部14を挟んで対向する一対の永久磁石22とは、ボイスコイルモータ(VCM; Voice Coil Motor)を構成する。説明の便宜上、図示された磁気ディスク16の枚数は2枚であるが、磁気ディスク16の枚数は限定されない。
第一接合部12はSn、又は樹脂系接着剤を含む。第一接合部12はSn、又は樹脂系接着剤のうち、いずれか一方のみを含めばよい。第一接合部12はSn単体を含んでよい。第一接合部12はSn単体のみからなっていてよい。第一接合部12は、Snを含有する合金を含んでよい。第一接合部12は、Snを含有する合金のみからなっていてよい。Snを含有する合金は、Ag、Cu、Bi、In、Ni、Zn、P及びAuからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有してもよい。以下では、Snを含有する合金を、「Sn系合金」と記す場合がある。第一接合部12が含む樹脂系接着剤は、既に硬化された樹脂系接着剤を意味する。第一接合部12は、硬化された樹脂系接着剤のみからなっていてよい。樹脂系接着剤は、例えば、加熱硬化型樹脂であってよい。加熱硬化型樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂であってよい。
アーム4を構成する物質(アーム4の素地)は、特に限定されないが、例えば、Al(アルミニウム)等であってよい。アーム4の表面の一部又は全体が、Ni−P(リンを含むNi)からなる保護層であってもよい。つまり、アーム4は、Al等からなる基体と、基体の表面の一部又は全部を覆う保護層と、を有してもよい。第一接合部12は、アーム4の表面を構成する保護層の上に位置してよい。キャリッジ6全体(コイル部14を除く。)を構成する物質は、アーム4を構成する物質と同じであってよい。キャリッジ6(コイル部14を除く。)の表面の一部又は表面の全体が、上記保護層であってもよい。サスペンション8を構成する物質(サスペンション8の素地)は、特に限定されないが、例えば、SUS(ステンレス鋼)等であってよい。
図4b及び図5bに基づき、第一接合部12を詳しく説明する。図5bに示す断面は、図1のVb−Vb線方向の断面に対応する。図5bに示す断面及び図1のVb−Vb線方向の断面のいずれも、アーム4の長手方向に略垂直であり、サスペンション8の長手方向に対しても略垂直である。図5bにおけるアーム4及びサスペンション8の上下関係は、図1のVb−Vb線方向の断面におけるアーム4及びサスペンション8の上下関係とは必ずしも一致しない。
図5bに示すように、アーム側接合面4aは、アーム4の表面のうちサスペンション8と重なる面と定義される。サスペンション側接合面8aは、サスペンション8の表面のうちアーム4と重なる面と定義される。図4b及び図5bに示すように、アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aのうち、アーム側接合面4aには、第一凹部4bが形成されている。図5bに示すように、第一接合部12の一部が、第一凹部4bの内側へ延在している(図示の便宜上、図4bでは第一接合部12は省略されている。)。第一凹部4bの内側へ延在した第一接合部12の一部は、フィレットといえる。つまり、アーム4とサスペンション8との間からはみ出したフィレットが、第一凹部4bの内側へ延在する。後述するように、第一凹部4bの内側へ延在するフィレット(第一接合部12の一部)は、HSA2のサイズ及び形状の精度を損なうものではない。図5bに示すように、第一接合部12の一部は、第一凹部4bの内壁全体を覆うアーム膜34に接している。アーム膜34とは、後述するように、HSA2の製造過程(第一工程)においてアーム4の表面に形成する膜である。アーム膜34は、第一接合部12の前駆体といえる。図5bに示すように、第一凹部4bの内側の一部は空間であってよい。なお、本発明において、第一凹部4bとは、アーム側接合面4a又はサスペンション側接合面8aにおいて開いた空間であればよく、アーム4又はサスペンション8を貫通する孔を含意するものとする。
他の実施形態では、第一凹部4bの内壁の一部のみが、アーム膜34で覆われていてよい。アーム膜34が第一凹部4bの内側に存在しなくてもよく、第一接合部12の一部が、第一凹部4b内に露出したアーム4の表面に直接接していてもよい。第一凹部4bの内側へ延在した第一接合部12の一部は、第一凹部4bの内壁に接していなくてもよい。第一凹部4bの内側が、第一接合部12の一部のみによって満たされていてもよい。第一凹部4bの内側が、第一接合部12の一部及びアーム膜34によって満たされていてもよい。第一凹部がアーム側接合面4aではなくサスペンション側接合面8aに形成されていてよく、第一接合部12の一部がサスペンション側の第一凹部の内側へ延在していてもよい。アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aの両方に第一凹部が形成されていてよく、第一接合部12の一部がアーム側の第一凹部内に延在し、第一接合部12の他の一部がサスペンション側の第一凹部の内へ延在していてもよい。
第一実施形態に係るHSA2は、下記の第一工程と、第一工程に続く第二工程と、を備える製造方法によって製造されてよい。以下では、第一接合部12がSnを含む場合の製造方法を説明する。
第一工程では、アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aのうち一方の接合面又は両接合面を、Sn単体、又はSn系合金で覆う。換言すれば、第一工程では、Snを含む膜を、アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aのうち、少なくとも一方の接合面に形成する。第一工程では、アーム4及びサスペンション8のうち一方の全表面又は両方の全表面を、Sn単体、又はSn系合金で覆ってもよい。つまり、第一工程では、アーム4の全表面を、Snを含む膜で覆ってよく、サスペンション8の全表面を、Snを含む膜で覆ってもよい。以下では、第一工程においてアーム4の表面に形成する膜を、「アーム膜」と記す。また、第一工程においてサスペンション8の表面に形成する膜を、「サスペンション膜」と記す。第一接合部12の組成は、例えば、アーム膜又はサスペンション膜の組成の調整によって、制御することができる。アーム膜及びサスペンション膜うちの少なくとも一方がSnを含めばよい。Snを含むアーム膜がある場合、サスペンション膜はなくてもよい。Snを含むサスペンション膜がある場合、アーム膜はなくてもよい。第一工程では、アーム4の表面を構成する保護層の上にアーム膜を形成してもよい。
アーム膜及びサスペンション膜の形成方法は、例えば、めっき、スパッタリング、又は化学気相蒸着(CVD)であってよい。めっきは、電解めっき又は無電解めっきのどちらであってもよい。これらの形成方法によれば、アーム膜及びサスペンション膜其々の組成及び厚さを自在に調整することできる。第一工程の前にマスキング工程を行うことにより、アーム4の表面のうち一部分(例えば、アーム側接合面4a)のみを露出させ、他部をマスクで覆ってよい。マスキング工程後の第一工程では、アーム4の表面のうち露出した部分(例えば、アーム側接合面4a)のみにアーム膜を形成してよい。第一工程の前にマスキング工程を行うことにより、サスペンション8の表面のうち一部分(例えば、サスペンション側接合面8a)のみを露出させ、他部をマスクで覆ってよい。マスキング工程後の第一工程では、サスペンション8の表面のうち露出した部分(例えば、サスペンション側接合面8a)のみにサスペンション膜を形成してよい。マスキング工程とは、樹脂膜によるアーム4又はサスペンション8の被覆であってよい。つまり、マスクは樹脂膜であってよい。マスキング工程に用いる樹脂膜は、第一接合部12に含まれる樹脂系接着剤とは異なる。
第一実施形態の第一工程では、図5aに示すように、アーム4の全表面のうち、第一凹部4bの内壁全体を含むアーム側接合面4aをアーム膜34で覆う。アーム側接合面4aのみをアーム膜34で覆ってよい。また、サスペンション8の全表面のうち、サスペンション側接合面8aをサスペンション膜38で覆う。サスペンション側接合面8aのみをサスペンション膜38で覆ってよい。他の実施形態では、第一凹部4bの内壁の一部が、アーム膜34で覆われずに露出していてよい。第一凹部4bの内壁全体が、アーム膜34で覆われずに露出していてもよい。
第二工程では、アーム側接合面4aとサスペンション側接合面8aとを重ねて、これらを加熱する。つまり、アーム膜34及びサスペンション膜38を接触させて、アーム膜34又はサスペンション膜38の少なくとも一方又は両方を加熱により溶融させる。その結果、アーム膜34又はサスペンション膜38の一方又は両方から第一接合部12が形成される。つまり、第一接合部12により、アーム側接合面4aとサスペンション側接合面8aとが接合される。アーム側接合面4aとは、アーム4側の被接合面と言い換えてもよい。サスペンション側接合面8aとは、サスペンション8側の被接合面と言い換えてもよい。第一工程前にマスキング工程を行う場合、第二工程の後でマスクをアーム4又はサスペンション8から剥がす工程を行ってよい。
第二工程では、アーム膜34及びサスペンション膜38が溶融して、溶融金属が生じる。溶融金属は流動し易いので、溶融金属の一部が、アーム4とサスペンション8との間から外側へはみ出し易い。図5bに示すように、アーム4とサスペンション8との間から外側へはみ出した溶融金属が固化すると、アーム4及びサスペンション8の間から外側へ突出したフィレット40が形成される。フィレット40が大きいほど、HSA2のサイズ及び形状の精度が損なわれ易い。また、フィレット40は、HSA2から脱落して、磁気ディスク16の表面を傷付けることもある。しかし第一実施形態では、余分な溶融金属が、アーム4とサスペンション8との間から第一凹部4b内へ流入して、第一接合部12の一部となる。したがって、アーム4とサスペンション8との間から外側へはみ出す溶融金属は減少し、フィレット40の形成又は成長が抑制される。つまり、第一実施形態では、HSA2のサイズ及び形状の精度を損なわないフィレット(第一接合部12の一部)を第一凹部4b内に形成することにより、HSA2のサイズ及び形状の精度を損なうフィレット40の形成又は成長が抑制される。図5bに示すフィレット40は小さいほど好ましく、フィレット40はなくてよい。
アーム膜34は、溶融金属に対する優れた濡れ性(溶融金属との親和性)を有する。なぜなら、アーム膜34及びサスペンション膜38から形成された溶融金属の組成は、当然アーム膜34の組成と類似又は共通するからである。したがって、第一工程において、第一凹部4bの内壁の一部又は全部をアーム膜34で覆うことにより、第二工程において、溶融金属が第一凹部4bの内壁へ濡れ広がり易くなり、溶融金属の第一凹部4bへの流入が促進される。その結果、フィレット40の形成又は成長が抑制され易くなる。
上記の通り、第一実施形態の第一工程では、図5aに示すように、第一凹部4bの内壁全体を含むアーム側接合面4aのみをアーム膜34を覆い、サスペンション側接合面8aのみをサスペンション膜38で覆う。このように、アーム膜34及びサスペンション膜38を形成する箇所を限定することにより、フィレット40の形成又は成長が抑制され易くなる。その理由は以下の通りである。
アーム4自体の表面(例えばAl又はAl)は、溶融金属とは異なる組成を有するため、アーム膜34に比べて、濡れ性に劣る。アーム4の表面が、リンを含むNi(Ni−P)からなる保護層で覆われている場合、保護層は、溶融金属とは異なる組成を有するため、アーム膜34及びアーム4の表面のどちらと比べても、濡れ性に劣る。サスペンション8自体の表面(例えばステンレス鋼、又はステンレス鋼に固有の不動態膜)も、溶融金属とは異なる組成を有するため、サスペンション膜38に比べて、濡れ性に劣る。したがって、第一工程において、アーム側接合面4aのみをアーム膜34で覆い、且つサスペンション側接合面8aのみをサスペンション膜38で覆うことにより、第一接合部12が形成されるべき箇所以外においては、溶融金属に対する濡れ性に劣る表面が露出する。したがって、第二工程において溶融金属が第一接合部12以外の箇所に濡れ広がり難い。その結果、フィレット40の形成又は成長が抑制され易くなる。
以上のような原理により、フィレット40の形成又は成長が抑制されたHSA2が得られる。つまり、サイズ及び形状の精度が高いHSA2が得られる。
第二工程における加熱法は、例えば、リフロー等の雰囲気加熱法であってもよい。第二工程では、アーム側接合面4aとサスペンション側接合面8aとを、例えば150〜450℃で加熱すればよい。この温度範囲での加熱により、第一接合部12が形成され易く、アーム4及びサスペンション8の接合強度が向上し易い。レーザー加熱により、アーム側接合面4aとサスペンション側接合面8aとを接合して、第一接合部12を形成してもよい。ただし、サスペンション8間の間隔が狭まるほど、レーザーを各接合面へ正確に照射し難くなる。一方、雰囲気加熱法を用いた場合、サスペンション8間の間隔に関わらず、熱は各接合面へ均一に伝わり易いので、複数の第一接合部12間における接合強度の斑又はばらつきが抑制され易い。
第一接合部12におけるSnの含有量は、例えば、40質量%以上100質量%未満であってよい。Snの含有量が40質量%以上である場合、接合強度が向上し易い。第一接合部12におけるSnの含有量は、例えば、第一工程において形成するアーム膜34又はサスペンション膜38におけるSnの含有量の調整によって自在に制御される。
第一接合部12の厚みは、例えば、2〜50μmであってよく、5〜30μmであってもよい。第一接合部12の厚みとは、第一接合部12を介して接合されたアーム4とサスペンション8との間隔と言い換えてよい。第一接合部12の厚みは、例えば、第一工程において形成するアーム膜34又はサスペンション膜38の厚さの調整によって、自在に制御される。第一接合部12の厚みを2μm以上に制御することにより、接合強度が向上し易い。第一接合部12の厚みを50μm以下に制御することにより、第二工程におけるアーム膜34又はサスペンション膜38を構成する成分の溶融及び流れだし(すなわち、にじみ)並びにフィレットの形成又は成長が抑制され易い。
サスペンション8の厚みは、例えば、0.05〜0.3mmであってよい。アーム4の厚みは、例えば、0.3〜1.0mmであってよい。
第一工程で用いるSn系合金は、例えば、はんだ(solder)、又はろう材(braze material)であってよい。Sn系合金は、Snに加えて、Ag、Cu、Bi、In、Ni、Zn、P及びAuからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有してよい。これらの元素を含有するSn系合金を用いることにより、第二工程において、第一接合部12が形成され易く、接合強度が向上し易い。なお、アーム膜34及びサスペンション膜38のうち一方の膜がSnを含む場合、他方の膜はSnを含まなくてよい。例えば、アーム膜34及びサスペンション膜38のうち一方の膜がSnを含む場合、他方の膜は、Ag、Cu、Bi、In、Ni、Zn、P及びAuからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる膜であってよい。つまり、他方の膜は、Sn以外の元素からなる膜であってよい。アーム膜34が、重なった2つの膜から構成されてよく、うち1つの膜はSnを含み、他方の膜はSnを含まなくてよい。同様に、サスペンション膜38が、重なった2つの膜から構成されていてもよい。
第一工程において、アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aのうち、一方の接合面を、Sn単体又はSn系合金で覆ってよく、他方の接合面を、Sn単体よりも融点が高い金属、又はSn系合金よりも融点が高い金属で覆ってよい。このような第一工程を実施した場合、第二工程における各接合面の過度の溶融及びにじみ、並びにフィレットの形成又は成長が抑制され易い。その結果、第一接合部12が厚くなり易い。Sn単体又はSn系合金よりも融点が高い金属は、例えば、Ni単体、又はPを含むNiである。したがって、第一工程では、一方の接合面を、Sn単体又はSn系合金からなる膜で覆い、他方の接合面を、Ni単体からなる膜、又はPを含むNiからなる膜で覆ってよい。Pを含むNiからなる膜は、例えば、リン化合物を含む無電解ニッケルめっき液から形成することができる。リン化合物とは、例えば、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩であってよい。
第一接合部12が樹脂系接着剤を含む場合、又は第一接合部12が樹脂系接着剤からなる場合、例えば、以下の製造方法により、HSA2を製造すればよい。
第一工程では、アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aのうち一方の接合面又は両接合面を、未硬化の樹脂系接着剤で覆う。換言すれば、第一工程では、未硬化の樹脂系接着剤を含む膜を、アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aのうち、少なくとも一方の接合面に形成する。つまり第一工程では、未硬化の樹脂系接着剤から形成されたアーム膜34又はサスペンション膜34の一方又は両方を形成する。
第二工程では、アーム側接合面4aとサスペンション側接合面8aとを接触させ、アーム4とサスペンション8との間にある樹脂系接着剤を硬化させる。例えば、樹脂系接着剤が加熱硬化型である場合、アーム側接合面4aとサスペンション側接合面8aとを重ねて、これらを加熱する。その結果、樹脂系接着剤が硬化して、第一接合部12が形成される。
樹脂系接着剤を用いて第一接合部12を形成する場合であっても、第二工程において、未硬化の樹脂系接着剤が、溶融金属と同様に流動して、フィレット40を形成することがある。しかし第一実施形態では、余分な樹脂系接着剤がアーム4とサスペンション8との間から第一凹部4b内へ流入して、第一接合部12の一部となる。したがって、アーム4とサスペンション8との間から外側へはみ出す樹脂系接着剤が減少し、フィレット40の形成又は成長が抑制される。つまり、樹脂系接着剤から第一接合部12を形成する場合も、Sn単体又はSn系合金から第一接合部12を形成する場合の同様のメカニズムにより、フィレット40の形成又は成長が抑制される。
以上のように、第一実施形態では、第一接合部12がSn又は樹脂系接着剤のどちらを含む場合であっても、第一接合部12がアーム4及びサスペンション8を化学的又は物理的に接合する。したがって、第一実施形態によれば、嵌合接合等の従来の機械的接合方法を用いる場合に比べて、アーム4及びサスペンション8の接合強度が向上する。また第一実施形態では、第一接合部12の一部が、第一凹部4bの内壁に接している。したがって、第一凹部4bがない場合に比べて、第一接合部12とアーム4(又はサスペンション8)との接触面積を大きくすることができる。さらに、第一実施形態では、面接触により第一接合部12を形成することができるため、嵌め孔を形成するためにアーム4及びサスペンション8を厚くする必要がない。つまり、第一実施形態では、篏合接合ができないほどアーム4及びサスペンション8が薄い場合であっても、接合強度が損なわれ難い。これらの理由により、第一実施形態に係るHSA2によれば、接合強度を確保しつつ、アーム4及びサスペンション8其々を薄くして、磁気ディスク16の枚数を増やすことができる。その結果、従来よりも信頼性が高く、容量が大きい磁気ディスク装置18を実現することができる。
第一実施形態の第一工程では、アーム側接合面4aに隣接する面(アーム4の側面4d)において、アーム4の素地を露出させてもよい。溶融金属又は未硬化の樹脂系接着剤に対する濡れ性に乏しいアーム4の素地を側面4dに露出させることにより、第二工程において、溶融金属又は未硬化の樹脂系接着剤が側面4d上で濡れ広がり難くなる。その結果、アーム4の側面4dにおけるフィレット40の形成又は成長が抑制され易くなる。なお、第一実施形態の第一工程では、アーム側接合面4aの裏面を、アーム膜又は未硬化の樹脂系接着剤で覆ってよい。アーム側接合面4aの裏面を、アーム膜又は未硬化の樹脂系接着剤で覆わなくてもよい。
第一実施形態の第一工程では、アーム側接合面4aに隣接する面(アーム4の側面4d)において、アーム4の素地を覆う保護層を露出させてよい。保護層はNi及びPを含めばよい。この保護層もアーム4の素地と同様に濡れ性に乏しい。したがって、上記と同様の原理により、アーム4の側面4dにおけるフィレット40の形成又は成長が抑制され易い。HSA2の完成後においても、アーム側接合面4aに隣接する面(アーム4の側面4d)において、アーム4の素地を覆う保護層が露出していてよい。
第一実施形態の第一工程では、サスペンション側接合面8aに隣接する面(サスペンションの側面8d)において、サスペンション8の素地を露出させてもよい。溶融金属又は未硬化の樹脂系接着剤に対する濡れ性に乏しいサスペンション8の素地を側面8dに露出させることにより、第二工程において、溶融金属又は未硬化の樹脂系接着剤が側面8d上で濡れ広がり難くなる。その結果、サスペンション8の側面8dにおけるフィレット40の形成又は成長が抑制され易くなる。なお、第一実施形態の第一工程では、サスペンション側接合面8aの裏面を、サスペンション膜又は未硬化の樹脂系接着剤で覆ってよい。サスペンション側接合面8aの裏面を、サスペンション膜又は未硬化の樹脂系接着剤で覆わなくてもよい。
以上、本発明の第一実施形態に係る磁気ヘッド装置(HSA2)について説明したが、本発明は第一実施形態に何ら限定されるものではない。以下に示す他の実施形態においても、第一実施形態と同様のメカニズムにより、アーム及びサスペンションの接合強度に優れ、サイズ及び形状の精度が高い磁気ヘッド装置が提供される。以下では、第一実施形態と他の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一実施形態と他の実施形態とに共通する事項についての説明を省略する。
以下で説明する図6a、7a及び8aは、それぞれ異なる実施形態の第一工程において加工されたアーム4及びサスペンション8を示している。図6a、図6b、図7a、図7b、図8a、図8b、図9b及び図10其々に示す断面は、アーム4の長手方向及びアーム側接合面4aに対して略垂直であり、サスペンション8の長手方向及びサスペンション側接合面8aに対しても略垂直である。
(第二実施形態)
図6aに示すように、第二実施形態の第一工程では、第一凹部4bの内壁全体を含むアーム側接合面4aのみをアーム膜34で覆い、サスペンション8の全表面をサスペンション膜38で覆う。続く第二工程では、溶融金属は、サスペンション膜38で覆われたサスペンション8の表面へ濡れ広がり易いが、露出したアーム4の表面(素地又は保護層が露出したアーム4の側面4d)には濡れ広がり難い。したがって、図6bに示すように、特にアーム4の表面(アーム4の側面4d)におけるフィレット40の形成又は成長が抑制され易い。
(第三実施形態)
図7aに示すように、第三実施形態の第一工程では、第一凹部4bの内壁全体を含むアーム4の全表面をアーム膜34で覆い、サスペンション側接合面8aのみをサスペンション膜38で覆う。続く第二工程では、溶融金属は、アーム膜34で覆われたアーム4の表面へ濡れ広がり易いが、露出したサスペンション8の表面(素地が露出したサスペンション8の側面8d)には濡れ広がり難い。したがって、図7bに示すように、特にサスペンション8の表面(サスペンション8の側面8d)におけるフィレット40の形成又は成長が抑制され易い。
(第四実施形態)
図8aに示すように、第四実施形態の第一工程では、第一凹部4bの内壁全体を含むアーム4の全表面をアーム膜34で覆い、サスペンション8の全表面をサスペンション膜38で覆う。続く第二工程では、溶融金属が、濡れ性を有するアーム膜34及びサスペンション膜38の表面を介して、第一接合部12以外の部分にも濡れ広がり易い。したがって、第四実施形態では、上記実施形態に比べて、フィレット40が形成され易い。第四実施形態では、図8bに示すように、アーム4の表面とサスペンション8の表面との両方に広がるフィレット40が形成されることがある。しかし、第四実施形態においても、第一凹部4bがアーム側接合面4aに形成されていない場合に比べて、フィレット40の形成又は成長が抑制される。
(第五実施形態)
第五実施形態に係るHSAでは、サスペンションは、スペーサ、ロードビーム及びフレキシャを含んでいる。つまり、サスペンションは、スペーサ、ロードビーム及びフレキシャから構成されている。
図9a及び図9bに示すように、第五実施形態では、サスペンション8を構成する一対のスペーサ50が、アーム4の先端部に重なっている。第一接合部12は、アーム4の先端部とスペーサ50との間に位置する(図示の便宜上、図9aでは第一接合部12が省略されている。)。つまり、第一接合部12が、アーム4とサスペンション8の一部(一対のスペーサ50)とを接合している。ロードビーム54の一方の先端部は、一対のスペーサ50に重なっている。第二接合部52が、スペーサ50とロードビーム54の間に位置し、スペーサ50とロードビーム54とを接合している(図示の便宜上、図9aでは第二接合部52が省略されている。)。第二接合部52は、第一接合部12と同様に、Sn又は樹脂系接着剤を含む。図示されていないが、ロードビーム54の他方の先端部にはフレキシャが設置され、フレキシャの表面にスライダ10が位置している。
図9bに示すように、一対のスペーサ50の間には、空間(凹部50b)が形成されている。スペーサ50はサスペンション8の一部であるので、アーム側接合面4aと重なる各スペーサ50の表面50aは、サスペンション側接合面8aといえる。したがって、一対のスペーサ50の間に形成された凹部50bは、サスペンション側接合面8aに形成された第一凹部と言い換えられる。つまり、第五実施形態では、アーム側接合面4a及びサスペンション側接合面8aのうち、サスペンション側接合面8aに第一凹部(凹部50b)が形成されている。そして、第一接合部12の一部は、第一凹部(凹部50b)の内側へ延在している。
第五実施形態では、図9bに示すように、スペーサ側接合面50cは、各スペーサ50の表面のうちロードビーム54と重なる部分と定義される。ロードビーム側接合面54aは、ロードビーム54の表面のうち各スペーサ50と重なる部分と定義される。凹部50bは、スペーサ側接合面50cに形成された第二凹部といえる。したがって、第五実施形態では、スペーサ側接合面50c及びロードビーム側接合面54aのうち、スペーサ側接合面50cに第二凹部(凹部50b)が形成されている。第二接合部52の一部は、第二凹部(凹部50b)内へ延在している。第二接合部52の一部は、第二凹部(凹部50b)の内壁に接している。なお、本発明において、第二凹部とは、スペーサ側接合面50c又はロードビーム側接合面54aにおいて開いた空間であればよく、スペーサ50又はロードビーム54を貫通する孔を含意するものとする。
以上のように、第五実施形態において、凹部50bは第一凹部であり、第二凹部でもある。
他の実施形態では、第二凹部がロードビーム側接合面に形成されていてよく、第二接合部の一部がロードビーム側の第二凹部内へ延在していてよい。スペーサ側接合面及びロードビーム側接合面の両方に第二凹部が形成されていてよく、第二接合部の一部がスペーサ側の第二凹部内に延在し、第二接合部の他の一部がロードビーム側の第一凹部の内側へ延在していてもよい。
第二接合部52がSnを含む場合、以下の製造方法により、HSAを製造すればよい。まず、上記の第一工程と同様に、スペーサ側接合面50c及びロードビーム側接合面54aのうち一方の接合面又は両接合面を、Sn単体又はSn系合金で覆う。続いて、上記の第二工程と同様に、スペーサ側接合面50cとロードビーム側接合面54aとを重ねて、これらを加熱してSn単体又はSn系合金を溶融させることにより、第二接合部52を形成する。換言すれば、サスペンション8(スペーサ50が接合されたロードビーム54)を形成する。続いて、上記の第一工程及び第二工程を実施することにより、サスペンション8の一部であるスペーサ50を、第一接合部12を介して、アーム4に接合する。
第二接合部52が樹脂系接着剤を含む場合、又は第二接合部52が樹脂系接着剤からなる場合、例えば、以下の製造方法により、HSAを製造すればよい。まず、上記第一工程と同様に、スペーサ側接合面50c及びロードビーム側接合面54aのうち一方の接合面又は両接合面を、未硬化の樹脂系接着剤で覆う。続いて、上記第二工程と同様に、スペーサ側接合面50cをロードビーム側接合面54aに接触させ、スペーサ50とロードビーム54との間にある樹脂系接着剤を硬化させる。例えば、樹脂系接着剤が加熱硬化型である場合、スペーサ側接合面50c及びロードビーム側接合面54aを重ねて、これらを加熱する。その結果、樹脂系接着剤が硬化して、第二接合部52が形成される。
第五実施形態では、第一接合部12の場合と同様に、第二接合部52の形成過程において、溶融金属又は未硬化の樹脂系接着剤がスペーサ50とロードビーム54との間から外側へはみ出し易い。スペーサ50とロードビーム54との間から外側へはみ出した溶融金属が固化すると、スペーサ50とロードビーム54との間から外側へ突出したフィレットが形成される。しかし、第五実施形態では、余分な溶融金属又は樹脂系接着剤がスペーサ50とロードビーム54との間から第二凹部(凹部50b)内へ流入して、第二接合部52の一部となる。したがって、スペーサ50とロードビーム54との間から外側へはみ出す溶融金属又は樹脂系接着剤が減少し、フィレットの形成又は成長が抑制される。
第五実施形態では、第二接合部52がスペーサ50及びロードビーム54を化学的又は物理的に接合する。したがって、嵌合接合等の従来の機械的接合方法を用いる場合に比べて、スペーサ50及びロードビーム54の接合強度が向上する。また第五実施形態では、第二接合部52の一部が、第二凹部(凹部50b)の内壁に接している。したがって、第二凹部(凹部50b)がない場合に比べて、第二接合部52とスペーサ50(又はロードビーム54)との接触面積を大きくすることができる。さらに、面接触により第二接合部52を形成することができるため、嵌め孔を形成するためにスペーサ50及びロードビーム54を厚くする必要がない。つまり、篏合接合ができないほどスペーサ50及びロードビーム54が薄い場合であっても、スペーサ50及びロードビーム54の接合強度が損なわれ難い。
(第六実施形態)
第六実施形態では、図10に示すように、第一凹部4bがアーム4を貫通している。一つのサスペンション8が一つの第一接合部12によって一方のアーム側接合面4aに接合される。別のサスペンション8は、別の第一接合部12によって他方のアーム側接合面4aに接合されている。つまり、一対の第一接合部12が一つのアーム4を挟み、一対のサスペンション8が一対の第一接合部12を挟んでいる。それぞれの第一接合部12の一部が、アーム4を貫通する第一凹部4b内へ延在し、かつ第一凹部4bの内壁に接している。
(その他の実施形態)
第一凹部の数は一つでもよく、複数であってよい。第二凹部の数についても同様である。第一凹部内の形状は、特に限定されず、例えば、立方体、直方体、円柱、多角柱、逆円錐、逆多角錐、楔形、又は曲面状(凹面状若しくは半球面状等)であってよい。第二凹部内の形状についても同様である。
磁気ヘッド装置は、一つのアーム4と、当該アーム4の先端部に重なるサスペンション8と、サスペンション8の先端部に位置するスライダ10と、アーム4の先端部とサスペンション8との間に位置し、アーム4とサスペンション8とを接合する第一接合部12と、を備え、第一接合部12がSnを含む、ヘッドアームアセンブリ(HAA)であってよい。
スペーサ50とロードビーム54とは、例えばスポット溶接により、直接溶接されていてよい。この場合、第二接合部52は、スペーサ50及びロードビーム54の間に形成されていなくてよい。
本発明の一側面に係る磁気ヘッド装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)に搭載されるHSAに適用される。
2…HSA(磁気ヘッド装置)、4…アーム、4a…アーム側接合面、4b…第一凹部、6…キャリッジ、8…サスペンション、8a…サスペンション側接合面、10…スライダ、11…HGA、12…第一接合部、14…コイル部、16…磁気ディスク、18…磁気ディスク装置、20…スピンドルモータ、22…永久磁石、34…アーム膜、38…サスペンション膜、40…フィレット、50…スペーサ、50b…第二凹部、50c…スペーサ側接合面、52…第二接合部、54…ロードビーム、54a…ロードビーム側接合面。

Claims (8)

  1. アームと、
    前記アームの先端部に重なるサスペンションと、
    前記サスペンションの先端部に位置するスライダと、
    前記アームの先端部と前記サスペンションとの間に位置し、前記アームと前記サスペンションとを接合する第一接合部と、
    を備え、
    前記第一接合部が、Sn、又は樹脂系接着剤を含み、
    アーム側接合面が、前記アームの表面のうち前記サスペンションと重なる部分と定義され、
    サスペンション側接合面が、前記サスペンションの表面のうち前記アームと重なる部分と定義されるとき、
    前記アーム側接合面及び前記サスペンション側接合面のうち、少なくとも一方の接合面に第一凹部が形成されており、
    前記第一接合部の一部が、前記第一凹部内へ延在している、
    磁気ヘッド装置。
  2. 前記第一接合部が、Snを含有する合金を含み、
    前記合金が、Ag、Cu、Bi、In、Ni、Zn、P及びAuからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する、
    請求項1に記載の磁気ヘッド装置。
  3. 前記第一凹部が、前記アーム又は前記サスペンションを貫通している、
    請求項1又は2に記載の磁気ヘッド装置。
  4. 前記サスペンションは、
    前記アームの先端部に重なり、前記第一接合部によって前記アームに接合されるスペーサと、
    一方の先端部が前記スペーサに重なり、他方の先端部に前記スライダが位置するロードビームと、
    前記スペーサと前記ロードビームとの間に位置し、前記スペーサと前記ロードビームとを接合する第二接合部と、
    を含み、
    前記第二接合部が、Sn、又は樹脂系接着剤を含み、
    スペーサ側接合面が、前記スペーサの表面のうち前記ロードビームと重なる部分と定義され、
    ロードビーム側接合面が、前記ロードビームの表面のうち前記スペーサと重なる部分と定義されるとき、
    前記スペーサ側接合面及び前記ロードビーム側接合面のうち、少なくとも一方の接合面に第二凹部が形成されており、
    前記第二接合部の一部が、前記第二凹部内へ延在している、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気ヘッド装置。
  5. 前記第二接合部が、Snを含有する合金を含み、
    前記合金が、Ag、Cu、Bi、In、Ni、Zn、P及びAuからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する、
    請求項4に記載の磁気ヘッド装置。
  6. 前記第二凹部が、前記スペーサ又は前記ロードビームを貫通している、
    請求項4又は5に記載の磁気ヘッド装置。
  7. 前記サスペンションは、
    前記アームの先端部に重なり、前記第一接合部によって前記アームに接合されるスペーサと、
    一方の先端部が前記スペーサに重なり、他方の先端部に前記スライダが位置するロードビームと、
    を含み、
    前記スペーサと前記ロードビームとが直接溶接されている、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気ヘッド装置。
  8. 複数の前記アームを有するキャリッジを備える、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁気ヘッド装置。
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