JP2016177079A - 硬化性組成物、硬化膜、赤外光透過フィルタ及び固体撮像装置 - Google Patents

硬化性組成物、硬化膜、赤外光透過フィルタ及び固体撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】可視領域の光の遮断及び赤外領域の光の透過が高水準で達成され、色分離性に優れる硬化膜を形成可能な硬化性組成物を提供すること。【解決手段】(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、及び(C)重合性化合物を含有する硬化性組成物であって、膜厚1.2μmの硬化膜を形成したときに下記の条件(1)〜(3)を満たす、硬化性組成物。条件(1):波長400〜600nmにおける光の最大透過率が5%以下であること条件(2):波長700nmにおける光の透過率が10%以下であること条件(3):波長850〜1000nmにおける光の最小透過率が80%以上であること【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物、硬化膜、赤外光透過フィルタ及び固体撮像装置に関わり、より詳しくは赤外光透過フィルタ等に用いられる硬化膜の形成に好適な硬化性組成物、該硬化性組成物を用いて形成された硬化膜、及び該硬化膜を具備する固体撮像装置に関する。
デジタルカメラ等の撮像装置には、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の半導体固体撮像素子が搭載されている。これら固体撮像素子は、人間の目で認識可能な可視光から、それよりも波長の長い赤外光領域まで、非常に広域の波長感度を有している。従来、可視光に比べて波長が長く散乱し難く、人間や動物等の目に見えないという赤外光の特性を利用して様々な撮像装置が開発されている。
例えば、赤外領域の光を十分に透過することの可能な光フィルタを備える撮像装置として、例えば、ビスベンゾフラノン系顔料、アゾメチン系顔料、ペリレン系顔料又はアゾ系染料といった黒色色材を含有する赤外線透過フォルタを備える赤外線センサー(特許文献1)や、ペリレンブラック顔料と、青色着色剤及び緑色着色剤から選ばれる1種と、黄色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種とを特定の割合で含有する光フィルタを備える光センサー(特許文献2)等が提案されている。
特開2014−130173号公報 特開2014−130332号公報
本発明者らは、可視領域の光を十分に遮断し、かつ赤外領域の光を十分に透過し、色分離性に優れる硬化膜を形成可能な硬化性組成物を開発すべく検討したところ、前記従来技術に記載の赤外光透過フィルタは、赤外領域における光の透過率が高いものの、可視領域の低波長側において可視光の遮断が必ずしも十分でなく、色分離性の点で改善の余地があることを見出した。
本発明の課題は、可視領域の光の遮断及び赤外領域の光の透過が高水準で達成され、色分離性に優れる硬化膜を形成可能な硬化性組成物を提供することにある。本発明はまた、該硬化性組成物から形成された硬化膜及び赤外光透過フィルタ、並びに該硬化膜又は赤外光透過フィルタを具備する固体撮像装置を提供することを課題とするものである。
本発明は、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、及び(C)重合性化合物を含有する硬化性組成物であって、
膜厚1.2μmの硬化膜を形成したときに下記の条件(1)〜(3)を満たす、硬化性組成物。
条件(1):波長400〜600nmにおける光の最大透過率が5%以下であること
条件(2):波長700nmにおける光の透過率が10%以下であること
条件(3):波長850〜1000nmにおける光の最小透過率が80%以上であること
本発明はまた、前記硬化性組成物を用いて形成された、硬化膜及び赤外光透過フィルタ、並びに該硬化膜又は赤外光透過フィルタを具備する固体撮像素子を提供するものである。
本発明の硬化性組成物を用いることで、分光光度計に測定される透過スペクトルにおいて、可視領域の低波長側において可視光を十分遮断できるだけでなく、波長800nm付近よりも長波長側の光を十分に透過する特性を示すため、可視領域の光の遮断及び赤外領域の光の透過が高水準で達成され、色分離性に優れる硬化膜を形成することができる。また、本発明の硬化膜は、可視領域の光を十分に遮断する一方、赤外領域の光を十分に透過し、色分離性に優れるから、赤外光透過フィルタとして好適に使用することが可能であり、また該硬化膜又は赤外光透過フィルタを備える固体撮像素子は、例えば、ゲーム機器やテレビのリモコン、自動ドアなどの遠隔制御装置、自動車の車間距離検出センサーなどの車載用デバイス、車の衝突防止センサー、産業用カメラ、医療用近赤外カメラ、監視カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等として好適に使用することができる。
本発明の一実施形態に係る固体撮像装置の概略図である。 本発明の一実施形態に係る固体撮像装置の平面図である。 本発明の一実施形態に係る固体撮像装置の概略を示す断面図である。 実施例7、比較例1及び比較例2で得られた硬化膜(赤外光透過フィルム)透過スペクトルを示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、及び(C)重合性化合物を含み、該硬化性組成物を用いて膜厚1.2μmの硬化膜を形成したときに下記の条件(1)〜(3)を満たすものである。
条件(1):波長400〜600nmにおける光の最大透過率が5%以下であること
条件(2):波長700nmにおける光の透過率が10%以下であること
条件(3):波長850〜1000nmにおける光の最小透過率が80%以上であること
ここで、本明細書において「波長400〜600nmにおける光の最大透過率」とは、分光光度計により測定される透過スペクトルにおいて、波長400〜600nmにおける光の透過率の最大値いい、「波長700nmにおける光の透過率が10%以下」とは、分光光度計に測定される透過スペクトルにおいて、波長700nmにおける光の透過率が10%以下の値を示すことをいい、「波長850〜1000nmにおける光の最小透過率」とは、分光光度計に測定される透過スペクトルにおいて、波長850〜1000nmにおける光の透過率の最小値をいう。
本発明の硬化性組成物は、該硬化性組成物を用いて膜厚1.2μmの硬化膜を形成したときに前記(1−1)〜(3−1)の条件を満たすことが好ましい。このような態様とすることで、分光光度計に測定される透過スペクトルにおいて、可視領域の低波長側においても可視光が十分に遮断され、かつ赤外領域における光を十分に透過することができるため、可視領域の光の遮断及び赤外領域の光の透過がより一層高水準で達成され、色分離性を格段に高めることができる。
条件(1−1)波長400〜600nmにおける最大透過率は、4%以下であることがより好ましく、3%以下であることが更に好ましい。
条件(2−1):波長700nmにおける光の透過率は、9%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、7%以下であることが更に好ましい。
条件(3−1)波長850〜1000nmにおける最小透過率は、83%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、87%以上であることが更に好ましい。
以下、本発明の感光性組成物の構成成分について説明する。
−(A)着色剤−
本発明において、前述した硬化膜の分光特性は、主として硬化性組成物に含まれる(A)着色剤の種類により特徴付けられる。本発明で使用する(A)着色剤としては、前述の条件(1)〜(3)、好ましくは条件(1−1)〜(3−1)を満たす硬化膜を形成することができれば特に限定されないが、下記の(a1)成分及び(a2)成分を含有することが好ましい。
(a1)成分:ペリレン系黒色顔料
(a2)成分:ペリレン系黒色顔料以外の黒色着色剤
(a1)成分のペリレン系着色剤は、通常500〜700nmの可視領域に吸収帯を有し、800nm以上の赤外領域において高い透過性を有するため、赤外領域の透過性を損なうことなく、500〜700nmの可視領域を遮光することができる。
(a1)ペリレン系着色剤としては、例えば、下記式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2016177079
(式(1)中、
1及びR2は、相互に独立に、水素原子、水酸基、メトキシ基又はアセチル基を示す。
3及びR4は、相互に独立に、フェニレン基、又は直接結合を示す。
5及びR6は、相互に独立に、直接結合、又はC1-10アルカンジイル基を示す。但し、R3及びR5が同時に直接結合であることはなく、R4及びR6が同時に直接結合であることはない。)
式(1)において、 R1及びR2は、相互に独立に、水素原子、水酸基、メトキシ基又はアセチル基を示すが、中でも、メトキシ基が好ましい。
また、R3及びR4は、相互に独立に、フェニレン基、又は直接結合を示すが、R3及びR5が同時に直接結合であることはない。R3及びR4としては、フェニレン基が好ましく、その場合、芳香環上のR1及びR2の置換位置はp位が好ましい。
5及びR6は、相互に独立に、直接結合、又はC1-10アルカンジイル基を示すが、R4及びR6が同時に直接結合であることはない。ここで、本明細書において「C1-10」とは「炭素原子数が1〜10個」という意味であり、以下の説明においても特性基を構成する炭素原子数を「C」と数字との組み合わせにより表示するものとする。
5、R6におけるC1-10アルカンジイル基は、直鎖及び分岐鎖のいずれの形態でもよく、例えば、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、へプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基等を挙げることができる。中でも、R5及びR6としては、C1-10アルカンジイル基が好ましく、C1-6アルカンジイル基がより好ましく、C1-4アルカンジイル基が更に好ましく、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基がより更に好ましい。
前記式(1)で表されるペリレン系着色剤として、例えば、下記のようなカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行、以下、同様である。)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32。
前記式(1)で表される着色剤は、例えば、ペリレン−3,5,9,10−テトラカルボン酸又はその二無水物とアミン化合物とを水又は有機溶媒中で反応させることによって得ることができるが、具体的な合成方法は、例えば、特開昭62−1753号公報、特公昭63−26784号公報の記載を参照することができる。
(a2)成分の黒色着色剤は、ペリレン系黒色顔料以外の黒色顔料であれば特に限定されないが、色分離性のより一層の向上の観点から、下記の条件(Z)を満たすものが好ましい。
条件(Z):(a2)成分45質量部、合成例1に記載の分散剤15.0質量部、合成例2に記載のバインダー樹脂20.7質量部、重合性化合物(カヤラッドDPEA−12、日本化薬株式会社製)13.8質量部、重合開始剤(NCI−930、株式会社ADEKA社製)4.6質量部、フタージェントFTX−218(株式会社ネオス社製)0.1質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート563質量部を含有する硬化性組成物を用いて膜厚1.0μmの硬化膜を形成したときに、波長450nmにおける吸光度が1.0〜2.5である。なお、硬化膜の形成は、後掲の実施例の「硬化膜の評価」に準じて行うものとする。
このような態様の黒色着色剤をペリレン系黒色顔料と併用することにより、可視領域における短波長側、とりわけ400〜430nmにおける遮光性が向上し、400〜700nmの可視領域における遮光性がより一層高められるため、色分離性をより一層向上させることができる。なお、波長450nmにおける吸光度は、分光光度計により測定することができる。
かかる条件(Z)において、波長450nmにおける吸光度は、より短波長側の可視光の遮光性をより一層高め、色分離性のより一層の向上させる観点から、1.25〜2.5が好ましく、1.5〜2.5が更に好ましい。
(a2)成分としては、より短波長側の可視光を効率的に遮光できるものであれば特に限定されないが、例えば、オキソベンゾフラニリデン−ジヒドロインドロン化合物が挙げられ、より具体的には、下記式(2)〜(4)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2016177079
〔式(2)及び(3)において、
11は、水素原子、C1-25アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C6-24アリール基、芳香族複素環基、−(CH2nCOR16又は−(CH2mOR17 (但し、R16は、水酸基、−OM(但し、Mはアルカリ金属)、C1-25アルコキシ基、C1-25アルキルアミノ基、ジ(C1-25アルキル)アミノ基、ジ(C6-24アリール)アミノ基、C1-12アルキル基、又はC2-24アルケニル基であり、R17 は、水素原子又は−CO(C1-25アルキル)であり、n及びmは、相互に独立に、0〜6の範囲の整数である。)を示し、
12、R13、R14、R15は、相互に独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、C1-25アルキル基、−OR18、又は−SR18 (但し、R18は、C1-25アルキル基である)を示す。〕
Figure 2016177079
〔式(4)において、
21は、水素原子、C1-25アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C6-24アリール基、芳香族複素環基、−(CH2nCOR26又は−(CH2mOR27 (但し、R26は、水酸基、−OM(但し、Mはアルカリ金属)、C1-25アルコキシ基、C1-25アルキルアミノ基、ジ(C1-25アルキル)アミノ基、ジ(C6-24アリール)アミノ基、C1-12アルキル基、又はC2-24アルケニル基であり、R27 は、水素原子又は−CO(C1-25アルキル)であり、n及びmは、相互に独立に、0〜6の範囲の整数である。)を示し、
22、R23、R24、R25は、互いに独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、C1-25アルキル基、−OR28、又は−SR28 (但し、R28は、C1-25アルキル基である)を示す。〕
11、R21、R18、R28におけるC1-25アルキル基は、直鎖及び分岐鎖のいずれの形態でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基等を挙げることができる。中でも、C1-12アルキル基が好ましく、C1-6アルキル基がより好ましく、C1-4アルキル基が更に好ましい。
11、R21におけるC3-12シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、トリメチルシクロヘキシル基、メンチル基、ツイル基、ボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等を挙げることができる。中でも、C4-12シクロアルキル基が好ましく、C5-12シクロアルキル基が更に好ましい。
11、R21におけるC6-24アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基、フェナントリル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、アントラセニル基等を挙げることができる。中でも、C6-12アリール基が好ましく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が更に好ましい。
11、R21における芳香族複素環基としては、ヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子)を環内に有する芳香族複素環基であれば、単環式芳香族複素環基及び多環式芳香族複素環基のいずれであってもよく、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾイル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、インドリル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、フタルイミド基、チエニル基、フリル基、ピラニル基、プリニル基等を挙げることができる。
16、R26に係るMとしては、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウムを挙げることができる。
16、R26に係るC1-25アルコキシ基は、直鎖及び分岐鎖のいずれの形態でもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エイコシルオキシ基等を挙げることができる。中でも、C1-12アルコキシ基が好ましく、C1-6アルコキシ基がより好ましく、C1-4アルコキシ基が更に好ましい。
16、R26に係るC1-25アルキルアミノ基におけるアルキル基としては、前述のR11、R21に係るアルキル基と同様のものを挙げることができる。中でも、C1-12アルキルアミノ基が好ましく、C1-6アルキルアミノ基がより好ましく、C1-4アルキルアミノ基が更に好ましい。
16、R26に係るジ(C1-25アルキル)アミノ基におけるアルキル基としては、前述のR11、R21に係るアルキル基と同様のものを挙げることができる。中でも、ジ(C1-12アルキル)アミノ基が好ましく、ジ(C1-6アルキル)アミノ基がより好ましく、ジ(C1-4アルキル)アミノ基が更に好ましい。
16、R26に係るジ(C6-24アリール)アミノ基におけるアリール基としては、前述のR11、R21に係るアリール基と同様のものを挙げることができる。中でも、ジ(C6-12アリール)アミノ基が好ましい。
16、R26に係るC1-12アルキル基は、直鎖及び分岐鎖のいずれの形態でもよく、具体例としては、前述のR11、R21において例示したC1-12アルキル基と同様のものを挙げることができる。中でも、C1-6アルキル基が好ましく、C1-4アルキル基が更に好ましい。
16、R26に係るC2-24アルケニル基は、直鎖及び分岐鎖のいずれの形態でもよく、例えば、ビニル基、アリル基、2−プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、1,3−ブタジエン−2−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−2−イル基、2−メチル−1−ブテン−3−イル基、2−メチル−3−ブテン−2−イル基、3−メチル−2−ブテン−1−イル基、1,4−ペンタジエン−3−イル基、2,5−ヘキサジエン−2−イル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、エイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、テトラセコニル基等を挙げることができる。中でも、C2-24アルケニル基が好ましく、C2-6アルケニル基が更に好ましい。
17、R27 に係る−CO(C1-25アルキル)におけるC1-25アルキル基としては、前述のR11、R21に係るアルキル基と同様のものを挙げることができる。中でも、−CO(C1-12アルキル)が好ましく、−CO(C1-6アルキル)がより好ましく、−CO(C1-4アルキル)が更に好ましい。
n及びmとしては、相互に独立に、0〜3の整数が好ましい。
11〜R15、R18、R21〜R25及びR28に係るC1-25アルキル基、R16、R26に係るC1-25アルコキシ基、C1-25アルキルアミノ基、ジ(C1-25アルキル)アミノ基、ジ(C6-24アリール)アミノ基、C1-12アルキル基及びC2-24アルケニル基、並びにR16、R26に係る−CO(C1-25アルキル)は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、オキソ基、シアノ基、−COO(C1-25アルキル)−OM(但し、Mはアルカリ金属)、−COOM(但し、Mはアルカリ金属)等を挙げることができる。なお、置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。また、R11〜R17及びR21〜R28を構成するC−C単結合間には酸素原子を有していてもよい。
中でも、R11、R21としては、水素原子、置換又は非置換のC1-25アルキル基が好ましく、水素原子、C1-6アルキル基、カルボキシル置換C1-6アルキル基が更に好ましい。
12〜R15、R22〜R25としては、水素原子、置換又は非置換のC1-25アルキル基、C1-25アルコキシ基が好ましく、水素原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基が更に好ましい。
上記式(2)〜(4)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記の化合物群αに示す化合物を挙げることができる。
Figure 2016177079
前記式(2)〜4で表される化合物は、例えば、特表2002−528448号公報の記載を参照することにより製造することができる。
本発明において、(a1)成分及び(a2)成分の合計含有量に対する(a2)成分の含有割合は、可視領域における短波長側、とりわけ400〜430nmにおける遮光性向上の観点から、10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、25〜50質量%が更に好ましく、25〜45質量%がより更に好ましい。
また、(a1)成分及び(a2)の合計量は、可視領域における短波長側における遮光性向上の観点から、(A)着色剤の合計含有量に対して、45〜100質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%が更に好ましい。
また、本発明においては、色分離性の向上の観点から、(A)着色剤として、下記の(a3)成分及び(a4)成分を含有することが好ましい。
(a3)成分:青色着色剤及び緑色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤
(a4)成分:黄色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤
(a3)成分の青色着色剤及び緑色着色剤は、650〜750nmの可視領域に吸収帯を有し、800nm以上の近赤外領域を透過するものである。
青色着色剤及び緑色着色剤は、顔料、染料の何れをも使用することが可能であり、顔料は有機顔料及び無機顔料の何れでもよい。なお、青色着色剤及び緑色着色剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
青色着色剤としては、例えば、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系の顔料が挙げられ、具体的には、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー9、C.I.ピグメントブルー10、C.I.ピグメントブルー14、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー24、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー56、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー80等の青色顔料。
また、染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等のアントラキノン系青色染料;
C.I.アシッドブルー7、C.I.ベーシック ブルー1、C.I.ベーシック ブルー5、C.I.ベーシック ブルー7、C.I.ベーシック ブルー11、C.I.ベーシック ブルー26等のトリアリールメタン系青色染料;
C.I.パッドブルー5等のフタロシアニン系青色染料;
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等のキノンイミン系青色染料。
緑色着色剤としては、例えば、フタロシアニン系、アントラキノン系の顔料が挙げられ、具体的には、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58等の緑色顔料。
また、染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59等のアゾ系緑色染料;C.I.アシッドグリーン25等のアントラキノン系緑色染料;C.I.ベーシック グリーン1、C.I.ベーシック グリーン4等のトリアリールメタン系緑色染料。
(a3)成分としては、色分離性のより一層の向上の観点から、青色着色剤が好ましく、銅フタロシアニン顔料が好ましく、C.I.ピグメントブルー15:6が更に好ましい。
(a4)成分の黄色着色剤及び赤色着色剤は、通常380〜480nmの可視領域に吸収帯を有し、800nm以上の近赤外領域を透過させるため、近赤外領域の透過性を損なうことなく、380〜480nmの可視領域を遮光することができる。
黄色着色剤及び赤色着色剤は、顔料、染料の何れをも使用することが可能であり、顔料は有機顔料及び無機顔料の何れでもよい。黄色着色剤及び赤色着色剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
黄色着色剤としては、例えば、アントラキノン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、ジスアゾ系の顔料が挙げられ、具体的には、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ソルベントイエロー163、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー193、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー199、C.I.ピグメントイエロー202等のアントラキノン系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー179、C.I.ピグメントイエロー185等のイソインドリノン系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー180等の縮合アゾ系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー 151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー181等のベンズイミダゾロン系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー6、C.I.ピグメントイエロー9、C.I.ピグメントイエロー10、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー62:1、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー105、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー169、C.I.ピグメントイエロー182、C.I.ピグメントイエロー183等のモノアゾ系黄色顔料;
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー63、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー87、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー170、C.I.ピグメントイエロー172、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー188、C.I.ピグメントイエロー198等のジスアゾ系黄色顔料。
また、染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.アシッドイエロー11、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.モルダントイエロー5等のアゾ系黄色染料;
C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等のキノリン系黄色染料;
C.I.アシッドイエロー1、C.I.ディスパースイエロー42等のニトロ系黄色染料;
C.I.ディスパースイエロー201等のメチン系黄色染料;
C.I.ベーシックイエロー1、C.I.ベーシックイエロー11、C.I.ベーシックイエロー13、C.I.ベーシックイエロー21、C.I.ベーシックイエロー28、C.I.ベーシックイエロー51、C.I.リアクティブイエロー1等のシアニン系黄色染料。
赤色着色剤としては、例えば、モノアゾ系、ジスアゾ系、モノアゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の顔料が挙げられ、具体的には、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド267、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269等のモノアゾ系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41等のジスアゾ系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68等のモノアゾレーキ系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド208等のベンズイミダゾロン系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド272等のジケトピロロピロール系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド242等の縮合アゾ系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ソルベントレッド149、C.I.ソルベントレッド150、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド207等のアンスラキノン系赤色顔料;
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209等のキナクリドン系赤色顔料。
また、染料として、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7等のアゾ系赤色染料;
C.I.ディスパースレッド60等のアントラキノン系赤色染料;
C.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388等のキサンテン系赤色染料;
C.I.ベーシックレッド12、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド14等のシアニン系赤色染料。
(a4)成分としては、色分離性のより一層の向上の観点から、黄色着色剤が好ましく、イソインドリノン系顔料が好ましく、C.I.ピグメントイエロー139が更に好ましい。
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、(a1)〜(a4)成分以外の他の着色剤を用いることもできる。他の着色剤は、顔料及び染料の何れをも使用することが可能であり、顔料は有機顔料及び無機顔料の何れでもよい。また、染料も有機染料及び無機染料の何れでもよい。他の着色剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
他の着色剤としては、下記のカラーインデックス番号が付されている有機顔料や、無機顔料を挙げることができる。
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74等のオレンジ顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット39等のバイオレット顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25等の茶色顔料。
酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛等の無機顔料。
また、有機染料としては、下記のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.アシッドオレンジ7、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.モルダントブラック7等のアゾ系染料;
C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット3、C.I.ベーシックバイオレット14等のトリアリールメタン系染料;
C.I.ベーシックバイオレット11等のキサンテン系染料;
C.I.アシッドオレンジ3等のニトロ系染料;
C.I.ベーシックバイオレット7、C.I.ベーシックバイオレット16等のシアニン系染料。
本発明においては、(A)着色剤として顔料を使用する場合、当該顔料を、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法、遠心分離又はこれらの組み合わせにより精製して使用してもよい。顔料は、所望により、その粒子表面を樹脂で改質して使用することもできる。顔料の粒子表面を改質する樹脂としては、例えば、特開2001−108817号公報に記載のビヒクル樹脂、又は市販の各種の顔料分散用の樹脂が挙げられる。カーボンブラック表面の樹脂被覆方法としては、特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報等に記載の方法を採用することができる。また、有機顔料は、いわゆるソルトミリングにより、一次粒子を微細化して使用してもよい。ソルトミリングの方法としては、例えば、特開平8−179111号公報に開示されている方法を採用することができる。動的光散乱法で測定した有機顔料の分散粒子径は、通常、分散安定性及び解像性のバランスの点から、1nm〜200nmである。
本発明においては、(A)着色剤を、所望により分散剤と共に使用することができる。分散剤は、硬化性組成物、着色剤分散液中の着色剤を均一に溶解又は分散させるために用いるものである。分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、(メタ)アクリル系分散剤等が挙げられる。市販品として、例えば、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN22102(以上、ビックケミー(BYK)社製)等の(メタ)アクリル系分散剤、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)等のウレタン系分散剤、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)等のポリエチレンイミン系分散剤、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(以上、味の素ファインテクノ(株)社製)等のポリエステル系分散剤の他、BYK−LPN21324(ビックケミー(BYK)社製)を使用することができる。分散剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、(メタ)アクリル系分散剤として、例えば、特開2011−232735号公報、特開2011−237769号公報、特開2012−32767号公報、国際公開第2011/129078号パンフレット、国際公開第2012/001945号パンフレット等に開示されている共重合体も使用することもできる。
分散剤の含有量は分散剤の種類により適宜選択可能であるが、(A)着色剤100質量部に対して、好ましくは5〜300質量部、より好ましくは10〜200質量部、更に好ましくは15〜100質量部である。
また、本発明においては、分散剤と共に分散助剤を用いることもできる。分散助剤としては、例えば、顔料誘導体等を挙げることができる。顔料誘導体としては、酸性官能基を有する顔料誘導体が好ましく、酸性官能基としてはスルホ基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げることができる。具体的には、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。なお、分散助剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができる。
(a3)成分の含有割合は、可視領域の光のより一層の遮光性向上の観点から、(A)着色剤の合計含有量に対して、10〜25質量%が好ましく、12〜23質量%が更に好ましい。
(a4)成分の合計量は、色分離性のより一層の向上の観点から、(A)着色剤の合計含有量に対して、10〜35質量%が好ましく、18〜25質量%が更に好ましい。
(A)着色剤の含有割合は、色分離性の観点から、硬化性組成物の固形分中に、30〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましく、45〜60質量%が更に好ましい。ここで、本明細書において「固形分」とは、後述する(E)溶剤以外の成分である。
−(B)バインダー樹脂−
(B)バインダー樹脂((メタ)アクリル系分散剤を除く)としては、アルカリ可溶性であることが好ましく、例えば、酸性基を有する樹脂を挙げることができる。酸性基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホ基等が挙げられる。酸性基を有する樹脂は、1分子中に1個以上の酸性基を有する重合体であれば特に限定されるものではないが、好適な態様として、例えば、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」とも称する。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b1)」とも称する。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b2)」とも称する。)との共重合体を挙げることができる。
不飽和単量体(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。
不飽和単量体(b1)は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、不飽和単量体(b2)としては、例えば、
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレンの如き芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタンの如き(メタ)アクリル酸エステル;
シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタンの如きビニルエーテル;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
不飽和単量体(b2)は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(b1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(b1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた硬化性組成物を得ることができる。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
また、本発明においては、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平9−325494号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を、バインダー樹脂として使用することもできる。
本発明における(B)バインダー樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す。)(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000である。また、(B)バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)と、数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。なお、ここでいう、Mnは、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量をいう。このような態様とすることで、色分離性がより高められるとともに、アルカリ現像性、硬化性組成物の保存安定性が向上し、析出物や塗膜異物の発生も抑制することができる。
本発明におけるバインダー樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
本発明において、バインダー樹脂は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、(B)バインダー樹脂の含有量は、(A)着色剤100質量部に対して、通常10〜1,000質量部、好ましくは15〜500質量部、より好ましくは20〜100質量部である。このような態様とすることで、色分離性がより高められるとともに、アルカリ現像性、硬化性組成物の保存安定性が向上し、析出物や塗膜異物の発生も抑制することができる。
−(C)重合性化合物−
本発明において重合性化合物とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、重合性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ここで、脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。上記多官能イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。酸無水物としては、例えば、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。
また、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開平11−44955号公報の段落〔0015〕〜〔0018〕に記載されている化合物を挙げることができる。上記アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたイソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。なお、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造とは、1以上のトリアジン環又はフェニル置換トリアジン環を基本骨格として有する化学構造をいい、メラミン、ベンゾグアナミン又はそれらの縮合物をも含む概念である。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
これらの重合性化合物のうち、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンが好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物が、可視領域の光の遮断、及び赤外領域の光の透過がより高められるとともに、硬化膜の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上及び遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で好ましい。
本発明において、(C)重合性化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における(C)重合性化合物の含有量は、色分離性の観点から、(A)着色剤100質量部に対して、3〜200質量部が好ましく、5〜100質量部がより好ましく、5〜50質量部が更に好ましい。
−(D)光重合開始剤−
本発明の硬化性組成物は、(D)光重合開始剤を含有することができる。これにより、硬化性組成物に感放射線性を付与することができる。本発明に用いる光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、(C)重合性化合物の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
このような光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物、O−アシルオキシム化合物、オニウム塩化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、α−ジケトン化合物、多核キノン化合物、ジアゾ化合物、イミドスルホナート化合物等を挙げることができる。
本発明において、(D)光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。光重合開始剤としては、チオキサントン化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物、O−アシルオキシム化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明における好ましい光重合開始剤のうち、チオキサントン化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。
また、アセトフェノン化合物の具体例としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン等を挙げることができる。
また、ビイミダゾール化合物の具体例としては、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール、2,2'−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等を挙げることができる。
なお、(D)光重合開始剤としてビイミダゾール化合物を用いる場合、水素供与体を併用することが、感度を改良することができる点で好ましい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。水素供与体としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール等のメルカプタン水素供与体、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン水素供与体を挙げることができる。本発明において、水素供与体は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができるが、1種以上のメルカプタン水素供与体と1種以上のアミン水素供与体とを組み合わせて使用することが、さらに感度を改良することができる点で好ましい。
また、トリアジン化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン化合物を挙げることができる。
また、O−アシルオキシム化合物の具体例としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。O−アシルオキシム化合物の市販品としては、NCI−831、NCI−930(以上、株式会社ADEKA社製)、DFI−020、DFI−091(以上、ダイトーケミックス株式会社製)等を使用することもできる。
本発明において、アセトフェノン化合物等のビイミダゾール化合物以外の光重合開始剤を用いる場合には、増感剤を併用することもできる。このような増感剤としては、例えば、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
本発明において、(D)光重合開始剤の含有量は、(C)重合性化合物100質量部に対して、0.01〜120質量部が好ましく、1〜100質量部がより好ましく、5〜70質量部が更に好ましい。このような態様とすることで、硬化性、被膜特性をより一層高めることができる。
−(E)溶媒−
本発明の硬化性組成物は、(A)〜(C)成分、及び任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、有機溶媒を配合して液状組成物として調製される。
有機溶媒としては、硬化性組成物を構成する(A)〜(C)成分や他の成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜選択して使用することができる。(E)溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のグリコールエーテル;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の脂肪酸アルキルエステル;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド、又はラクタム
等を挙げることができる。
これらの有機溶媒のうち、溶解性、分散性、塗布性等の観点から、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、グリコールエーテル、ケトン、ジアセテート、アルコキシカルボン酸エステル、脂肪酸アルキルエステルが好ましい。
(E)溶媒の含有量は特に限定されるものではないが、硬化性組成物中の溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、10〜30質量%となる量がより好ましい。このような態様とすることにより、分散性、安定性、塗布性の良好な硬化性組成物とすることができる。
−添加剤−
本発明の着色組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フルオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素界面活性剤、シリコーン界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ−スピロ[5.5]ウンデカン、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤等を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物は、例えば、(A)着色剤を(E)溶剤中、必要に応じて(B)バインダー樹脂や分散剤と共に、例えば、ビーズミル、ロールミル等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色剤分散液を調製する。次いでこの着色剤分散液に、(B)バインダー樹脂と(C)重合性化合物と、必要に応じて添加剤、更に追加の(E)溶媒等を添加し、混合する方法により製造することができる。なお、着色剤分散液は、遠心分離等で精製してから使用することもできる。
硬化膜及び赤外光透過フィルタ並びにそれらの製造方法
本発明の硬化膜は、本発明の硬化性組成物を用いて形成されたものであり、可視領域の光の遮光性が高く、赤外領域(好ましくは波長700〜1000nm)における透過性に優れるため、赤外光透過フィルタとして極めて有用である。
本発明の硬化膜及び赤外光透過フィルタは適宜の方法で形成することが可能であるが、例えば、本発明の硬化性組成物を用いて下記の(i)〜(iv)を含む工程に供することにより製造することができる。なお、工程(i)〜(iv)は、下記の順序で実施することが好ましい。
(i)基板上に本発明の硬化性組成物を塗布し、乾燥して塗膜を形成する工程
(ii)前記塗膜を硬化させる工程
(iii)工程(ii)で得られた硬化膜の少なくとも一部を現像する工程
(iv)現像後の塗膜を加熱処理する工程
以下、各工程について順次説明する。
−工程(i)−
工程(i)は、基板の表面上に、本発明の硬化性組成物を塗布し、乾燥して塗膜を形成する工程である。
基板としては特に限定されず、ガラス、石英、シリコン、樹脂等が挙げられ、適宜選択することができる。樹脂の材質としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が挙げられる。なお、基板は、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
硬化性組成物の塗布方法としては特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法等の適宜の方法を採用することができる。中でも、スピンコート法が好ましい。
乾燥する際には、必要により加熱処理することができる。加熱処理は、オーブン、ホットプレート等公知の加熱手段を用いることが可能であり、減圧乾燥と加熱乾燥を組み合わせて行ってもよい。加熱条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、例えば、温度60〜250℃で30秒〜15分程度とすることができる。
乾燥後の塗膜の膜厚は、通常0.1〜30μm、好ましくは0.2〜10μm、更に好ましくは0.3〜5μmである。
−工程(ii)−
工程(ii)は、工程(i)で形成された塗膜を硬化させる工程である。
硬化処理は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、露光処理、加熱処理等が挙げられる。ここで、本明細書において「露光」とは、各種波長の光のみならず、電子線、X線等の放射線照射をも包含する概念である。
露光処理の方法としては、例えば、形成された塗膜表面の一部又は全部を露光する方法が挙げられる。
露光は、放射線の照射により行うことが好ましく、放射線としては、電子線、KrF、ArF、g線、h線、i線等の紫外線や可視光が挙げられ、中でも、KrF、g線、h線、i線が好ましい。
露光方式としては、ステッパー露光や高圧水銀灯による露光等が挙げられる。
露光量は、5〜3000mJ/cmが好ましく、10〜2000mJ/cmがより好ましく、50〜1000mJ/cmが更に好ましい。
露光装置としては特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯等のUV露光機が挙げられる。
また、加熱処理としては、形成された塗膜表面の一部又は全部を加熱する方法が挙げられる。
加熱温度は、120〜250℃が好ましく、160〜230℃がより好ましい。
加熱時間は、3分〜180分が好ましく、5分〜120分がより好ましい。
加熱装置としては特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができるが、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーター等が挙げられる。
このように形成された硬化膜の膜厚は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μm、更に好ましくは0.5〜3μmである。
−工程(iii)−
工程(iii)は、工程(ii)で得られた硬化膜の少なくとも一部を現像する工程である。
現像液としては、通常アルカリ性の現像液が使用される。アルカリ性の現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
アルカリ性の現像液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適量添加することもできる。なお、現像後は、通常、水洗する。
現像方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像液の温度は、通常常温であり、現像は、通常10〜300秒程度行う。
−工程(iv)−
工程(iv)は、現像後の塗膜を加熱処理(ポストベーク)する工程である。
ポストベークの条件は、通常、100〜300℃で1〜60分程度である。
このようにして形成された硬化膜の膜厚は、通常、0.3〜3.0μm、好ましくは0.3〜2.0μmである。
得られた硬化膜及び赤外光透過フィルタは、以下の特性を具備することができる。
条件(1):波長400〜600nmにおける光の最大透過率:通常5%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。
条件(2):波長700nmにおける光の透過率:通常10%以下、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下、更に好ましくは7%以下である。
条件(3):波長850〜1000nmにおける光の最小透過率:通常80%以上、好ましくは83%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは87%以上である。
このように、本発明の硬化膜及び赤外光透過フィルタは、分光光度計に測定される透過スペクトルにおいて、図4に示すように、分光光度計に測定される透過スペクトルにおいて、可視領域の低波長側において可視光を十分遮断できるだけでなく、波長800nm付近よりも長波長側の光を十分に透過する特性を示すため、色分離性を優れるものである。
固体撮像装置
本発明の固体撮像装置は、本発明の硬化膜を具備するものであり、適宜の構造を採ることができる。例えば、1つの実施の形態として、本発明の硬化性組成物を用いて、CMOS基板などの半導体基板上に、前述と同様の操作により硬化膜を形成することにより、特に赤外光の検出精度に優れた固体撮像装置を作製することができる。なお、赤外光の波長は、通常750〜2500nmであり、好ましくは850〜1000nmである。
以下、本発明の一実施形態に係る固体撮像装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はここで説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にa、bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は、図示の便宜上実際の比率と必ずしも一致せず、構成の一部を図面から省略する場合がある。
また、本明細書中において「上」とは、支持基板の主面(固体撮像素子を配置する面)を基準とした相対的な位置を指し、支持基板の主面から離れる方向が「上」である。本願図面では、紙面に向かって上方が「上」となっている。また、「上」には、物体の上に接する場合(つまり「on」の場合)と、物体の上方に位置する場合(つまり「over」の場合)とが含まれる。逆に、「下」とは、支持基板の主面を基準とした相対的な位置を指し、支持基板の主面に近づく方向が「下」である。本願図面では、紙面に向かって下方が「下」となっている。
図1は、本発明の一実施形態に係る固体撮像装置の応用例である。具体的には、本実施形態の固体撮像装置をTOF(Time Of Flight)方式の撮像装置(例えば距離画像カメラ)に応用した例を示している。なお、ここで説明する撮像装置はあくまで概略図であり、他の要素が追加若しくは削除されることを妨げるものではない。
図1において、撮像機器(カメラ)10は、基本的な構成要素として、光源11、固体撮像装置(イメージセンサ)12、信号処理部13、主制御部14を備えている。主制御部14は、光源11、固体撮像装置12及び信号処理部13と接続され、それぞれの動作を制御する役割を果たす。固体撮像装置12は、更に信号処理部13とも接続され、固体撮像装置12で生成された電気信号を信号処理部13に伝達する。
光源11としては、近赤外光を出力する公知のLED(Light Emmiting Diode)を用いることができる。光源11から出力された近赤外光は、撮像対象物15に当たって反射され、その反射光が固体撮像装置12に入射する。このとき、光源11から出力された近赤外光と撮像対象物15から戻ってきた近赤外光との間には、撮像対象物15の立体形状に応じた位相差が生じることとなる。
固体撮像装置12としては、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサを用いることができる。CMOSイメージセンサとしては、表面照射型と裏面照射型のいずれのタイプを用いることも可能であるが、本実施形態では、高感度な裏面照射型CMOSイメージセンサを用いることとする。
撮像対象物15で反射した外界の可視光と光源11から出力された近赤外光は、固体撮像装置12内の固体撮像素子(光電変換素子やセンサ素子とも呼ばれる)に入射し、光量に応じた電気信号に変換される。変換された電気信号は、固体撮像装置15内に設けられたAD変換回路によってデジタル化され、デジタル信号として信号処理部13へ出力される。固体撮像装置12の具体的な構造については後述する。
信号処理部13は、固体撮像装置12から出力されたデジタル信号を受信して信号処理を行い、撮像対象物15に基づく画像を形成する。その際、可視光に基づくデジタル信号は、撮像対象物15の色彩や形状を再現する情報として用いられ、近赤外光に基づくデジタル信号は、撮像対象物15までの距離を認識するための情報として用いられる。これらのデジタル信号により撮像対象物15を立体的に把握することが可能となる。
主制御部14は、CPUを中心とする演算処理部であり、光源11、固体撮像装置12及び信号処理部13を制御するとともに、信号処理部13から得られた情報に基づいて、図示しない他の処理部をも制御する。
図2は、固体撮像装置12の概略を説明するための平面図である。パッケージ16には、画素部17及び端子部18が配置される。画素部17と端子部18との間には、AD変換回路が設けられていてもよい。拡大部19は、画素部17の一部を拡大した様子を示している。拡大部19に示されるように、画素部17には、複数の画素20がマトリクス状に配置されている。
図2には、画素部17と端子部18というように単純な構造しか示していないが、本実施形態の固体撮像装置は、これに限定されるものではない。例えば、図2に示した固体撮像装置12に対し、図1に示した信号処理部13としての機能を内蔵させることも可能である。さらには、図1に示した主制御部14と同等の演算処理能力をも内蔵させ、ワンチップで撮像機能と演算機能を備えるシステムIC回路としてよい。
図3は、図2に示した画素20をIII−III’で切断した断面図である。図3には、外光が入射する側から、第1光学層21、第1間隙22、マイクロレンズアレイ23、第2間隙24、第2光学層25、第3間隙26、可視光透過フィルタ(カラーフィルタ)27a〜27c、近赤外光透過フィルタ27d、絶縁体28、フォトダイオード29a〜29d、並びに、支持基板30が図示されている。第1間隙22、第2間隙24及び第3間隙26は、空気や不活性ガスで充填された空間として確保されてもよいし、有機絶縁膜や無機絶縁膜で構成される絶縁体として確保されてもよい。また、第1間隙22、第2間隙24又は第3間隙26は無くてもよく、例えば第2光学層25と可視光透過フィルタ27a〜27cとが接していてもよいし、マイクロレンズアレイ23と第2光学層25とが接していてもよい。
本明細書中において、可視光透過フィルタ27a〜27c及びそれらに対応して配置されたフォトダイオード29a〜29cで構成される画素を「可視光検出用画素」と呼び、近赤外光透過フィルタ27d及びフォトダイオード29dで構成される画素を「近赤外光検出用画素」と呼ぶ。
ここで、第1光学層21は、可視光及び近赤外光の少なくとも一部を透過する光学層であり、例えば波長400〜700nmの可視光と波長750〜2500nmの少なくとも一部(典型的には750〜950nm)の近赤外光とを透過する。勿論、透過する波長域はここで述べた範囲に限られず、R(赤)、G(緑)及びB(青)の光に対応する可視光と、後述する近赤外光検出用画素で検出可能な波長域の近赤外光とを透過できればよい。このように異なる2つの波長域を透過する光学特性を備えたフィルタは、一般的に2波長バンドパスフィルタと呼ばれる。
なお、本実施形態では、第1光学層21として、特定の光学特性を有する化合物を含む透明樹脂(透光性を有する樹脂)層を有する基材(フィルム)に誘電体多層膜を設けた光学層を用いる。特定の光学特性を有する化合物としては、例えば、近赤外光の一部を吸収する化合物(以下「化合物(X)」という)が挙げられる。化合物(X)としては近赤外光の一部を吸収するできるものであれば特に限定されないが、例えば、スクアリリウム系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、シアニン系化合物等を挙げることができる。
このように、近赤外光の一部を吸収する化合物(X)を含む透明樹脂層を有する基材に誘電体多層膜を設けることにより、可視光と近赤外光の少なくとも一部とを透過する2波長バンドパスフィルタとすることができる。このとき、基材は、単層であっても多層であってもよい。単層であれば、透明樹脂層で構成される可撓性の基材とすることができる。多層の場合は、例えば、ガラス基板や樹脂基板など透明基板上に化合物(X)および硬化性樹脂を含む透明樹脂層が積層された基材や、化合物(X)を含む透明基板上に硬化性樹脂を含むオーバーコート層などの樹脂層が積層された基材を用いることができる。
前述のように、第1光学層21を樹脂製の基材で構成した場合、一般的な2波長バンドパスフィルタよりも薄くすることが容易であり、例えばフィルム状とすることが可能である。つまり、前述の化合物(X)を含む透明樹脂層を有する基材に誘電体多層膜を積層した構造とした場合、第1光学層21の厚さは、例えば200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下、特に好ましくは120μm以下とすることができる。
マイクロレンズアレイ23は、個々のマイクロレンズの位置が各画素の位置に対応しており、各マイクロレンズで集光された入射光が、それぞれ対応する各画素(具体的には、各フォトダイオード)に受光される。マイクロレンズアレイ23は、樹脂材料を用いて形成することができるため、オンチップで形成することも可能である。例えば、第2間隙24として絶縁体を用い、その上に塗布した樹脂材料を加工してマイクロレンズアレイ23を形成してもよい。また、第2間隙24として樹脂で構成された基材(フィルム)を用い、その上に塗布した樹脂材料を加工してマイクロレンズアレイ23を形成した後、その基材を貼り付ける形で固体撮像素子12に組み込んでもよい。
第2光学層25は、近赤外光の少なくとも一部を吸収する光学層であり、例えば波長750〜2000nmに吸収極大を有する化合物(以下「化合物(Y)」という)を含む。化合物(Y)としては近赤外光の少なくとも一部を吸収できるものであれば特に限定されないが、例えば、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物、タングステン化合物、金属ホウ化物等を挙げることができる。第2光学層25は、化合物(Y)の光学特性に応じて近赤外光の一部を吸収する近赤外光カットフィルタとして機能する。
第2光学層25は、近赤外光検出用画素(具体的には、フォトダイオード29d)に対応する部分に開口部を有する。つまり、フォトダイオード29dに対してそのまま近赤外光が到達するように、フォトダイオード29dの上方には開口部が設けられ、近赤外光の入射を妨げない構造となっている。換言すれば、第2光学層25における「フォトダイオード29dに対応する部分」とは、フォトダイオード29dの上方、つまりフォトダイオード29dに向かう近赤外光の光路と第2光学層25とが交差する部分を指す。
このように、第2光学層25は、近赤外光検出用画素以外の部分(すなわち可視光検出用画素)の上方を覆うように配置される。これにより、可視光検出用画素に近赤外光が到達することを極力抑えることができる。その結果、可視光検出用画素においてノイズ成分を低減することができ、可視光の検出精度を向上させることが可能である。
第2光学層25の下方には、前述した可視光検出用画素と近赤外光検出用画素とを含む画素群が配置される。前述のように、本実施形態では、各フォトダイオード29a〜29cと可視光透過フィルタ27a〜27cとがそれぞれ対応して可視光検出用画素を構成する。また、フォトダイオード29dと近赤外光透過フィルタ27dとが対応して近赤外光検出用画素を構成する。本明細書では、フォトダイオード29a〜29cを「第1受光素子」と呼び、フォトダイオード29dを「第2受光素子」と呼ぶ。
なお、実際には、可視光透過フィルタ27a〜27cは、それぞれ異なる波長の可視光を透過するパスフィルタで構成される。例えば、可視光透過フィルタは、緑色光を透過するパスフィルタ27a、赤色光を透過するパスフィルタ27b、及び、青色光を透過するパスフィルタ27cを含むことができる。したがって、それら個別の色に対応する画素をそれぞれ緑色光検出用画素、赤色光検出用画素、青色光検出用画素と呼んでもよい。なお、可視光透過フィルタ27a〜27cは、特定波長に吸収を有する色素(顔料や染料)を含有させた樹脂材料を用いることができる。
また、近赤外光透過フィルタ27dは、本発明の硬化性組成物を用いて好適に製造することが可能である。また、近赤外光透過フィルタ27dは、図4に示すように、分光光度計に測定される透過スペクトルにおいて、可視領域の低波長側において可視光を十分遮断できるだけでなく、波長800nm付近よりも長波長側の光を十分に透過する特性を示すため、色分離性に優れるものである。
上述したフォトダイオード29a〜29dは、支持基板30としてシリコン基板を用い、シリコン基板の表面に公知の半導体プロセスを用いて形成することができる。勿論、支持基板30としてガラス、セラミックス、樹脂等の基板を用い、公知の薄膜形成技術を用いてフォトダイオード29a〜29dを形成することも可能である。
本実施形態では、フォトダイオード29aを波長520〜560nmの緑色光を受光するための受光素子として用い、フォトダイオード29bを波長580〜620nmの赤色光を受光するための受光素子として用い、フォトダイオード29cを波長430〜470nmの青色光を受光するための受光素子として用いる。このように、本実施形態の固体撮像装置12では、これらのフォトダイオード29a〜29cを用いて外部から入射した可視光を検出する。
他方、フォトダイオード29dは、波長750〜2500nm(典型的には波長750〜950nm)の近赤外光を受光するための受光素子として機能し、フォトダイオード29dにより、外部から入射した近赤外光が検出される。
本実施形態における固体撮像装置12は、まず、第1光学層21により外光をフィルタリングして、波長400〜700nmの可視光と波長750〜2500nmの近赤外光の少なくとも一部(例えば、波長850〜1000nmの近赤外光)とを透過する。そして、第1光学層21を透過した可視光と近赤外光の一部は、第2光学層25に入射する。その際、フォトダイオード29dの上方における第2光学層25には開口部が設けられているため、第1光学層21を透過した可視光と近赤外光の一部は、そのまま近赤外光透過フィルタ27dへと入射する。近赤外光透過フィルタ27dでは、おおよそ波長750nm以下の可視光が吸収(カット)され、波長750〜950nmの近赤外光がフォトダイオード29dに入射する。これにより、可視光に起因するノイズ等の影響を受けずに、精度良く撮像対象物15までの距離を把握することが可能となる。
したがって、本実施形態における固体撮像装置12は、例えば、ゲーム機器やテレビのリモコン、自動ドアなどの遠隔制御装置、自動車の車間距離検出センサーなどの車載用デバイス、車の衝突防止センサー、産業用カメラ、医療用近赤外カメラ、監視カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等として好適である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されない。
<分散剤の合成>
合成例1
国際公開第2012/001945号パンフレットの実施例1を参考にして、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するAブロックと、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート及びメタクリル酸由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体(各繰り返し単位の共重合比は、ジメチルアミノエチルメタクリレート/ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸=22/50/23/5であり、Mwが12,720、Mw/Mn=1.46である。)を合成した。このブロック共重合体を「分散剤(X−1)」とする。
<バインダー樹脂の合成>
合成例2
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100質量部を仕込み、引き続きN−フェニルマレイミド12質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸20質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート29質量部、ベンジルメタクリレート14質量部及びペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業(株)製)5質量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を3時間保持して重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂(b−1)を固形分濃度34質量%で含むバインダー樹脂溶液(B−1)を得た。得られたバインダー樹脂(b−1)は、Mwが9,700、Mnが5,700であった。
合成例3
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80質量部を仕込んで窒素置換した。80℃に加熱して、同温度で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50質量部、メタクリル酸15質量部、スチレン10質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.5質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート38質量部、N−フェニルマレイミド12質量部及びこはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)12.5質量部の混合溶液、並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20質量部及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6質量部の混合溶液を3時間かけて各々滴下し、この温度を保持して1時間重合した。その後、反応溶液の温度を100℃に昇温させ、さらに1時間重合することにより、バインダー樹脂(b−2)を含むバインダー樹脂溶液を得た。得られたバインダー樹脂(b−2)は、Mwが10,800、Mnが5,900であった。
<着色剤分散液の調製>
調製例1
C.I.ピグメントブラック32を12質量部、分散剤(X−1)を5質量部、キノフタロン系顔料誘導体(X−2)を1.2質量部、バインダー樹脂(b−1)を3質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを78.8質量部、混合した。ペイントシェーカーを用いて8時間分散し、着色剤分散液1を得た。
調製例2〜4
調製例1において、各成分の種類及び量を表1に示すように変更した以外は、調製例1と同様にして、着色剤分散液2〜4を製造した。
Figure 2016177079
なお表1において、各成分は次の通りである。
(a1)成分:C.I.ピグメントブラック32
(a2)成分:特表2002−528448号公報の実施例12bで得られる化合物
(a3)成分:C.I.ピグメントブルー15:6
(a4)成分:C.I.ピグメントイエロー139
X−2 :キノフタロン系顔料誘導体
E−1 :1−エトキシ−2−プロパノール
E−2 :1−メトキシ−2−プロパノール
E−3 :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<硬化性組成物の調製および評価>
実施例1
硬化性組成物の調製
着色剤分散液1を30.8質量部、着色剤分散液2を20.5質量部、着色剤分散液3を10.3質量部、着色剤分散液4を10.7質量部、バインダー樹脂溶液(B−1)(固形分濃度34質量%)を0.8質量部、カヤラッドDPEA−12(日本化薬株式会社製、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)を2.0質量部、NCI−831(株式会社ADEKA社製)を0.2質量部、NCI−930(株式会社ADEKA社製)を0.5質量部、フッ素系界面活性剤としてとしてフタージェントFTX−218(株式会社ネオス社製)を0.9質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23.4質量部を混合して、固形分濃度19質量%、着色剤の含有割合が54質量%の硬化性組成物1を調製した。
硬化膜の評価
ガラス基板上に、硬化性組成物1をスピンコート法にて塗布した後、100℃で180秒間加熱し、塗膜を形成した。その後、基板上の塗膜を全面露光(波長365nmにて1000mJ/cm2の露光量)した。次いで、塗膜を、0.05質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含有する水溶液に15秒間接触させた後、塗膜を水洗した。次いで、塗膜を有するガラス基板を200℃のホットプレートにて300秒間加熱し、厚さ1.2μmの硬化膜を有するガラス基板を得た。
得られたガラス基板について、分光光度計(日本分光(株)製、V−7300)を用いて、波長400〜1000nmにおける透過率(%T)を5nm刻みで測定し、以下の評価項目1〜3により硬化膜の透過性及び遮光性について評価した。評価結果を表3に示す。ただし表3の透過性は、ガラス基板対比での値である。
なお、膜厚は触針式段差計(ヤマト科学(株)製、アルファステップIQ)にて測定した。
評価項目1:波長400〜600nmにおける光の最大透過率(%)
評価項目2:波長700nmにおける光の透過率(%)
評価項目3:波長850〜1000nmにおける光の最小透過率(%)
実施例2〜9、及び比較例1〜3
実施例1において、各成分の種類及び量を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、硬化性組成物2〜12を調製した。硬化性組成物2〜12は全て、固形分濃度が19質量%である。
そして、実施例1と同様の手法にて評価を行った。結果を表3に示す。なお、図4に、実施例7で得られた硬化膜の透過スペクトル(実線)、比較例1で得られた硬化膜の透過スペクトル(破線)及び比較例2で得られた硬化膜の透過スペクトル(点線)を示す。
Figure 2016177079
なお、表2において、各成分は次の通りである。
C−1:カヤラッドDPEA−12(日本化薬株式会社製、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
D−1:NCI−831(株式会社ADEKA社製)
D−2:NCI−930(株式会社ADEKA社製)
F−1:フタージェントFTX−218(株式会社ネオス社製)
Figure 2016177079
10:撮像機器(カメラ)
11:光源
12:固体撮像装置(イメージセンサ)
13:信号処理部
14:主制御部
15:撮像対象物
16:パッケージ
17:画素部
18:端子部
19:拡大部
20:画素
21:第1光学層(2波長バンドパスフィルタ)
22:第1間隙
23:マイクロレンズアレイ
24:第2間隙
25:第2光学層(赤外線カットフィルタ)
26:第3間隙
27a〜27c:可視光透過フィルタ(カラーフィルタ)
27d:近赤外光透過フィルタ
28:絶縁体
29a〜29d:フォトダイオード
30:支持基板

Claims (10)

  1. (A)着色剤、(B)バインダー樹脂、及び(C)重合性化合物を含有する硬化性組成物であって、
    膜厚1.2μmの硬化膜を形成したときに下記の条件(1)〜(3)を満たす、硬化性組成物。
    条件(1):波長400〜600nmにおける光の最大透過率が5%以下であること
    条件(2):波長700nmにおける光の透過率が10%以下であること
    条件(3):波長850〜1000nmにおける光の最小透過率が80%以上であること
  2. (A)着色剤として、下記の(a1)成分及び(a2)成分を含有する、請求項1に記載の硬化性組成物。
    (a1)成分:ペリレン系黒色顔料
    (a2)成分:ペリレン系黒色顔料以外の黒色着色剤
  3. (A)着色剤として、更に下記の(a3)成分及び(a4)成分を含有する、請求項2に記載の硬化性組成物。
    (a3)成分:青色着色剤及び緑色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤
    (a4)成分:黄色着色剤及び赤色着色剤から選ばれる1種以上の着色剤
  4. (a1)成分及び(a2)成分の合計含有量に対する(a2)成分の含有割合が10〜70質量%である、請求項2又は3に記載の硬化性組成物。
  5. (a3)成分の含有割合が(A)着色剤の合計含有量に対して10〜25質量%である、請求項3又は4に記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いて形成された硬化膜。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いて形成された赤外光透過フィルム。
  8. 請求項6に記載の硬化膜を具備する固体撮像装置。
  9. 請求項7に記載の赤外光透過フィルムを具備する固体撮像装置。
  10. 更に赤外線カットフィルタを具備する、請求項8又は9に記載の固体撮像装置。
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