JP2016176976A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ローラ定着方式の定着装置は、例えば、加熱ローラと、加圧ローラからなり、それぞれ金属パイプの表層にゴム層を設け、内側にハロゲンヒータを備えている。このようなローラ定着方式の定着装置では、ゴム層が熱抵抗となるため、表面を一定温度に制御すると、金属パイプとゴム層の界面温度が高くなり、ゴムの耐熱温度を超えてしまう。そのため、ゴム層は薄くする必要がある(0.5〜2mm程度)。しかしながら、薄いゴム層の定着ローラと加圧ローラから得られるニップ幅は小さく、幅広いニップが必要な高速機には、ローラ定着方式では対応することができなかった。
ベルト定着方式の定着装置は、例えば、加熱ローラと、定着部材と、加熱ローラ及び定着部材によって張られた定着ベルトと、定着ベルトを介して定着部材に加圧接触する加圧ローラから構成される。定着部材を固定部材とすることにより、省スペースで幅広いニップ幅を得ることが容易となる(例えば、特許文献1及び2参照)。
このような状態では、ニップ部内で必要な圧力を確保できる範囲が小さくなってしまうため、用紙上に十分にトナー像を定着させることができなくなるという問題がある。
図1に、本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置の一実施形態であるカラー複写機の全体概略構成を示す。図中符号100は、カラー複写機本体である。
カラー複写機本体100の中央には、無端ベルト状の中間転写体10を備えられている。中間転写体10は、駆動ローラ14、第1の従動ローラ15及び第2の従動ローラ16に掛け回され、時計まわりに回転搬送可能に設けられている。
中間転写体10は図1に示す態様に限定されず、例えば、片寄りを調整するためのローラ等、他のローラを含む4つ以上のローラに掛け回されてもよい。また、水平ではなく、斜めに傾斜して張り渡されてもよい。
また、駆動ローラ14と第2の従動ローラ16との間に張り渡した中間転写体10上には、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4つの単色作像手段18が搬送方向に沿って配置されたタンデム作像装置20が設けられている。
タンデム作像装置20の上部には、露光装置21が設けられている。
2次転写装置22の横には、2つのローラ23間に、無端ベルトである搬送ベルト24が掛け渡されている。搬送ベルト24の横には、記録媒体(以下、「用紙」ともいう)P上の転写画像を定着するための本発明の定着装置25が設けられている。
単色作像手段18を構成する装置の全部または一部でプロセスカートリッジを構成し、該プロセスカートリッジを複写機本体100に対して一括して着脱自在とすることによりメンテナンス性を向上させることができる。
現像装置42は、例えば、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分現像剤を使用する。
図1の例では、1次転写装置43はローラ状の部材が中間転写体10を挟んで像担持体40に押し当てられているが、この態様に限定されず、例えば、ブラシや非接触のチャージャであってもよい。
クリーニング装置44は、像担持体40に接触するクリーニングブレードやクリーニングブラシなどのクリーニング部材を備え、像担持体40上の残留トナーを除去する。
除電装置は、例えばランプであり、光を照射して像担持体40の表面電位を初期化する。
その後、現像装置42によりトナーを付着させて静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置43で中間転写体10上に転写する。画像転写後の像担持体40の表面は、クリーニング装置44で残留トナーを除去して清掃し、除電装置で除電して再度の画像形成に備える。
〔第1の実施形態〕
本実施形態の定着装置は、熱源により加熱されるとともに回転する加熱回転体と、前記加熱回転体の外周面の一部と摺動接触する接触部を有する固定部材と、前記加熱回転体及び前記固定部材に架け渡される定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記固定部材と加圧接触して記録媒体が搬送されるニップ部を形成し、駆動回転することにより前記定着ベルトを従動回転させる加圧回転体と、を前記ニップ部形成のための加圧方向にこの順番で備え、前記ニップ部の圧力は、前記定着ベルト及び前記固定部材を介し、前記加熱回転体と前記加圧回転体との間の加圧により付与される定着装置において、前記加熱回転体の回転中心と前記加圧回転体の回転中心とを結ぶ直線が、ニップ部における前記記録媒体の搬送方向と直交しないように配置され、前記加熱回転体の前記固定部材との対向面の中央位置における面法線と、前記加圧回転体の前記固定部材との対向面の中央位置における面法線とが、前記固定部材が設けられた領域において交差する。
なお、本明細書において「周方向」とは、加熱回転体の回転方向をいい、「軸方向」とは、加熱回転体の回転軸方向をいう。
すなわち、加熱ローラ78の回転中心と加圧ローラ72の回転中心とを結ぶ直線が、記録媒体の搬送方向(図では水平方向)に対して、直交する配置となる加熱ローラ78の配置に対し、傾斜する(角度を有する)ように配置されている。言い換えると、固定部材74のニップ部の中心に対して、加熱ローラ78の回転中心が、記録媒体の搬送方向の上流側にオフセットしている。
このような配置とすることにより、定着ニップ部出口部での定着ベルトの走行方向がニップ面に対して角度がつく方向になり、用紙の分離能力が向上する。
固定部材74の接触部74a、74bは、加熱ローラ78の周方向における定着ニップ部を挟んだ両側に設けられる。そして、加熱ローラ78の固定部材74との対向面Sbは、接触部74a、74bにより区画される外周面である。
加圧ローラ72の固定部材74との対向面Saは、固定部材74との摺動接触面であり、定着ニップ部に相当する領域である。
なお、接触面Sa及びSbは、均一な平面形状でない場合は、平面形状に近似させて考えることができるものとする。
固定部材74は、加熱ローラの外周面と摺動接触する接触部74a、74bとともに、回転支点となる支点部74cを備えている。
固定部材74は支点部74cを中心として回動可能に支持されている。すなわち、固定部材74は、対向面Sa及びSbに対して略垂直の方向に回動(揺動)することができる。
なお、接触面Sa及びSbの接線とは、接触面Sa及びSbを平面形状に近似させたときの面の延長線として考えることができるものとする。
また、固定部材74には法線Na方向及び法線Nb方向に加圧力が生じるが、法線Na方向と法線Nb方向との交点は固定部材74の領域に位置しているため、固定部材74には図7(B)に示すような回転力(図中Mで示す力)が発生することがなく、図7(C)に示すように圧力は均一となる。
分離板83は、用紙搬送方向下流側に回転支点を有し、分離板先端近傍の位置決め部(軸方向で見て、用紙幅より外側にある)を定着ベルト77にバネ部材等で付勢し、定着ベルト77との間を微小なギャップとなるようにしている。これにより、定着ニップ部の出口側で自然分離した用紙Pは、分離板83によってガイドされ、定着ベルト77に巻きつくことが防止される。
両端のジャーナル部60には、ベアリング61を設け、フレーム81に回転可能に設けた加圧レバー82とスプリング62によって、ベアリング61を加熱ローラ78方向に加圧している(加圧機構部)。
そして、駆動手段からの駆動が加圧ローラ端部に設けたギヤ63に入力され、反時計まわりに回転する。
このように構成された加圧ローラ72が回転することにより、定着ニップ部の定着ベルト77が従動回転する。
加圧ローラ72の表面は、定着ベルト77との接触や、固定部材74との摺動接触による摩耗を防止するため、アルマイト処理やフッ素樹脂処理等が施されている。また、内面には耐熱黒塗装が施され、熱源84からの熱を吸収しやすくしている。
なお、定着ニップの形状はこれに限られるものではなく、例えば、定着ベルト77との対向面は、加圧ローラ72の外形面と同方向の緩い曲面で形成されていても良い。このような固定部材側に凸形状のニップ形状では、用紙Pは加圧ローラ側に沿って排出されるため、用紙Pが定着ベルト77に巻きつきにくくなる。
また、固定部材74が小さく、加熱ローラ78と接触しているため、定着ベルト77の周長を短くすることができ、装置を小型化できる。
さらに、固定部材74の形状によって、ニップ出口の定着ベルト曲率を大きくすることができ、分離性能に優れ、自然分離が可能である。
加熱ローラ78は、回転しながら定着ベルト77と接しているため、加熱ローラ78から定着ベルト77への熱伝達効率にも優れた構成とすることができる。
本実施形態の定着装置の側面図を図4に示す。
上述の第1の実施形態では、加圧機構部が加圧ローラ72側に設けられているが、本実施形態の定着装置のように、加圧機構部を加熱ローラ78側に設けることができる。すなわち、加圧ローラ72をフレーム81に固定し、加熱ローラ78側から加圧する構成とすることができる。
また、固定部材74を固定して、加熱ローラ78側及び加圧ローラ72側の両方向から加圧する構成とすることもできる。
本実施形態の定着装置の側面図の部分拡大図を図5に示す。
加熱ローラ78は定着ベルト77によって従動回転しているため、各々の部材に速度差が生じることがなく、各々の部材の磨耗劣化を防止することができる。
しかしながら、加熱ローラ78は、固定部材74と摺動しながら回転するため、定着ベルト77による加熱ローラ駆動力よりも固定部材74との摺動抵抗が大きくなると、加熱ローラ78が回転しないという問題が生じる。加熱ローラ78が回転しないと、定着ベルト77の加熱効率が悪化するばかりでなく、定着ベルト77の回転抵抗となって定着ベルト77が回転しなくなるというおそれもある。
これを防止するために、本実施形態の定着装置は図5に示す回転機構部を備える。
加熱ローラ78は定着ベルト77によって従動回転し、ギヤ65は加熱ローラ78より数%(1〜5%程度)遅い速度で回転している。
このように、本実施形態の定着装置は、定着ベルト77と加熱ローラ78との間にスリップが生じても、加熱ローラ78が駆動されることで定着ベルト77を回転させるので、定着ベルト77がスリップで回転停止するのを防止することができる。
定着ベルト77は加圧ローラ72によって従動回転している。しかしながら、定着ベルト77は固定部材74と摺動しながら回転するため、加圧ローラ72による定着ベルト駆動力よりも固定部材74との摺動抵抗が大きくなると、定着ベルト77が回転しないという問題が発生する。特に、定着ニップ部において用紙搬送中は、加圧ローラ72と定着ベルト77間に用紙Pが存在するため、加圧ローラ72による定着ベルト駆動力が低下してしまう。すなわち、定着ベルト77が回転しないと、用紙Pを搬送することができなくなってしまう。
そこで、図5に示す第3の実施形態と同様、加熱ローラ78と加圧ローラ72とをギヤ65及びギヤ66によりギヤ連結し、加熱ローラ78も回転駆動するようにすることが好ましい。
本実施形態の定着装置において、熱源は、加熱ローラ78の内部又は外部に設けられる誘導加熱手段とすることができる。
例えば、図6に示すように、加熱ローラ78の熱源として誘導加熱手段89を備える態様とすることができる。
14 駆動ローラ
15 第1の従動ローラ
16 第2の従動ローラ
18 単色作像手段
20 タンデム作像装置
21 露光装置
22 2次転写装置
23 ローラ
24 搬送ベルト
25 定着装置
28 媒体収納カセット
30 原稿台
31 光源
32 ミラー
33 レンズ
34 CCD
35 給紙コロ
36 給紙路
37 レジストローラ
38 排紙トレイ
40 像担持体
41 帯電装置
42 現像装置
43 1次転写装置
44 クリーニング装置
47 ポリゴンミラー
48 ミラー
60 ジャーナル部
61,64 ベアリング
62 スプリング
63,65,66 ギヤ
67 ワンウェイクラッチ
68 リブ
72 加圧ローラ(加圧回転体)
74 固定部材
74a、74b 接触部
74c 回動支点
77 定着ベルト
78 加熱ローラ(加熱回転体)
81 フレーム
82 加圧レバー
83 分離爪
84,86 熱源
85a サーモパイル
85b,87 サーミスタ
88 入口ガイド
89 誘導加熱手段
100 複写機本体
200 スキャナ
L 書込み光
G 原稿
P 記録媒体(用紙)
S 対向面
N 法線
T 接線
Claims (8)
- 熱源により加熱されるとともに回転する加熱回転体と、
前記加熱回転体の外周面の一部と摺動接触する接触部を有する固定部材と、
前記加熱回転体及び前記固定部材に架け渡される定着ベルトと、
前記定着ベルトを介して前記固定部材と加圧接触して記録媒体が搬送されるニップ部を形成し、駆動回転することにより前記定着ベルトを従動回転させる加圧回転体と、を前記ニップ部形成のための加圧方向にこの順番で備え、前記ニップ部の圧力は、前記定着ベルト及び前記固定部材を介し、前記加熱回転体と前記加圧回転体との間の加圧により付与される定着装置において、
前記加熱回転体の回転中心と前記加圧回転体の回転中心とを結ぶ直線が、ニップ部における前記記録媒体の搬送方向と直交しないように配置され、
前記加熱回転体の前記固定部材との対向面の中央位置における面法線と、前記加圧回転体の前記固定部材との対向面の中央位置における面法線とが、前記固定部材が設けられた領域において交差することを特徴とする定着装置。 - 前記固定部材の前記接触部は、前記加熱回転体の周方向における前記ニップ部を挟んだ両側に設けられ、
前記加熱回転体の前記固定部材との対向面は、前記接触部により区画される外周面であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記加圧回転体の前記固定部材との対向面は、前記固定部材との摺動接触面であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記固定部材の回転支点となる支点部を備え、前記固定部材は前記支点部を中心として回動可能に支持されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加熱回転体の前記固定部材との対向面の接線と、前記加圧回転体の前記固定部材との対向面の接線とが、前記支点部が配置された領域において交差することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
- 前記熱源は、中空パイプ形状である加熱回転体の内部に配置される赤外線ヒータであることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の定着装置。
- 前記熱源は、前記加熱回転体の内部又は外部に設けられる誘導加熱手段であることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1から7までのいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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