JP2016176135A - 金属多孔質体 - Google Patents
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Abstract
【課題】欠けが生じにくい金属多孔質体を提供する。【解決手段】本発明の金属多孔質体1は、複数の金属粒子5が結合した焼結体で形成され、3次元網目構造をした骨格2と、骨格2によって区切られた領域に存在する中抜き細孔3と、骨格2内部の金属粒子5同士の間に形成された空隙6とを有し、少なくとも空隙6に樹脂組成物4を含み、中抜き細孔3同士が、液体や気体が流通するように内部空間が互いに連通しているので、金属粒子5同士の結合が強くなり骨格2の内部が補強され、金属多孔質体1の強度を向上でき、欠けの発生を抑制できる。【選択図】図1
Description
本発明は、金属多孔質体に関する。
金属多孔質体は、無数の細孔を有しており、通気性が良く、比表面積が大きい。さらに金属多孔質体は、金属で形成されているため導電性や熱伝導性が高いという特徴を有している。そのため金属多孔質体は、燃料電池や二次電池、キャパシタの電極、触媒担体、摺動部材などとして、様々な用途に用いられている(特許文献1〜7参照)。
特許文献1には、めっき法により形成され、気孔率が0.6以上0.98以下である金属多孔質体が開示されている。特許文献1に開示されている金属多孔質体は、導電性の担体を介して又は直接触媒を担持してガス分解素子の触媒電極として用いられている。
特許文献2には、鋼板で形成された裏金に一体成型され、気孔率がおおむね10%以上である金属多孔質体が開示されている。特許文献2に開示されている金属多孔質体は、細孔に樹脂組成物が充填され、表面に当該樹脂組成物からなる摺動層が形成されている。特許文献2に開示されている金属多孔質体は、ラックピニオン式舵取装置において、ラックバーの外周面に摺動部材に当接してラックバーを摺動自在に支持するラックガイドの摺動部に用いられている。
特許文献3には、ラネー型金属又は合金からなり、気孔率が70〜98%である金属多孔質体が開示されている。特許文献3に開示されている金属多孔質体は、表面に0.3〜1mmの電極活物質含有被覆層が形成され、ニッケル水素電池の負極として用いられている。
特許文献4には、積層型圧電素子の圧電体層の間に形成され、島状に分布した部分金属層と空隙とからなる金属多孔質体が開示されている。
特許文献5には、気孔率が10%以上70%以下の多孔質の金属薄板からなる金属多孔質体が開示されている。特許文献5に開示されている金属多孔質体は触媒となる金属がめっきにより直接担持されて燃料電池の燃料極として用いられている。
特許文献6には、焼結により形成された金属多孔質体が開示されている。当該金属多孔質体は、特許文献6の図11に示されているように、金属多孔質体の細孔を塞ぐようにポリエチレン樹脂の被膜で覆われている。特許文献6に開示されている金属多孔質体は、活物質層が形成された芯体の露出部に接合され、活物質の脱落を防止する部材としてアルカリ蓄電池の正極に用いられている。
特許文献7には、裏金上に形成され、樹脂組成物を含浸し、表面に樹脂層を備える金属多孔質体が開示されている。特許文献7に開示されている金属多孔質体は、樹脂層が内面となるように円筒形に成型されて車両用のショックアブソーバに用いられている。
金属多孔質体は、目的に応じて気孔率を変えて使用される。金属多孔質体は、気孔率を99体積%とすることも可能であり、このようにしても、自重で崩壊することはない。しかしながら、金属多孔質体は、気孔率が高いと、細孔を多く含むため密度が低く、脆い。そのため金属多孔質体は、作製した金属多孔質体を使用するにあたって、手で触ったり、機械装置に入れて搬送したりすると、欠けを生じやすい。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、欠けが生じにくい金属多孔質体を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点は、複数の金属粒子が結合した焼結体で形成され、3次元網目構造をした骨格と、前記骨格によって区切られた領域に存在する中抜き細孔と、前記骨格内部の前記金属粒子同士の間に形成された空隙とを有し、少なくとも前記空隙に樹脂組成物を含み、前記中抜き細孔同士は、液体や気体が流通するように内部空間が互いに連通していることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、気孔率が70%以上であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、前記中抜き細孔は、球形状をしていることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1〜第3の観点のいずれかに基づく発明であって、前記中抜き細孔の内面が前記樹脂組成物で覆われていることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1〜第4の観点のいずれかに基づく発明であって、前記樹脂組成物が、前記骨格の質量の0.1〜200wt%含まれていることを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第4の観点に基づく発明であって、前記中抜き細孔の内面を覆う前記樹脂組成物の厚さが0.05〜100μmであることを特徴とする。
本発明の第7の観点は、第1〜第6の観点のいずれかに基づく発明であって、前記樹脂組成物が、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニリンオキシド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルニトリルから選ばれる1つ以上を含むことを特徴する。
本発明の第8の観点は、第1〜第6の観点のいずれかに基づく発明であって、前記樹脂組成物が導電性樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の第1の観点の金属多孔質体は、空隙に露出した金属粒子の表面が樹脂組成物で覆われて金属粒子同士の結合が強くなり骨格の内部が補強されているので、金属多孔質体としての特性を有したまま、金属多孔質体の強度を向上でき、欠けの発生を抑制できる。
本発明の第2の観点の金属多孔質体は、十分な通気性を確保することができ、また、中抜き細孔に物質を十分に担持することができる。
本発明の第3の観点の金属多孔質体は、気孔率を高くでき、十分な通気性を確保することができ、また、中抜き細孔に物質を十分に担持することができる。
本発明の第4の観点の金属多孔質体は、中抜き細孔の表面が樹脂組成物で覆われることで骨格が補強され、金属多孔質体の強度をさらに向上できる。
本発明の第5の観点の金属多孔質体は、より確実に金属多孔質体の特性を保持でき、強度を向上できる。
本発明の第6の観点の金属多孔質体は、より確実に金属多孔質体の特性を保持でき、強度を向上できる。
本発明の第7の観点の金属多孔質体は、金属表面への濡れ性に優れ、かつ強度に優れた皮膜を形成する所定の樹脂組成物で被覆されることにより、確実に金属多孔質体の強度を向上できる。
本発明の第8の観点の金属多孔質体は、金属表面を導電性の樹脂組成物で被覆することにより、強度を向上できると共に、樹脂組成物の被覆による金属多孔質体の導電性低下を抑制できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.本実施形態の金属多孔質体の構成
図1に示すように、金属多孔質体1は、骨格2と、中抜き細孔3とを備えている。骨格2は、焼結により形成された多孔質金属であり、複数の金属粒子5が結合した焼結体で形成され、3次元網目構造をしている。骨格2を形成する金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼などを用いることができる。
図1に示すように、金属多孔質体1は、骨格2と、中抜き細孔3とを備えている。骨格2は、焼結により形成された多孔質金属であり、複数の金属粒子5が結合した焼結体で形成され、3次元網目構造をしている。骨格2を形成する金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼などを用いることができる。
中抜き細孔3は骨格2によって区切られた領域に形成されており、金属多孔質体1中に無数に存在する。中抜き細孔3同士は、内部空間が繋がっている連通孔であり、液体や気体が中抜き細孔3を介して金属多孔質体1中を流通できる。図1では金属多孔質体1を模式的に表しているため、便宜的に中抜き細孔3が他の中抜き細孔3と独立しているように描かれている。
このような中抜き細孔3は、後述するように金属多孔質体1を作製するとき、金属の微粉末と水溶性バインダーと界面活性剤と発泡剤と水とを含むスラリーを成形して作られたシート中の発泡剤を発泡させて泡を形成し、スラリーを乾燥させ、焼結する過程で当該泡が除去されることで、泡が存在した空間に形成される。このように中抜き細孔3は、例えば金属粒子を充填していく過程で金属粒子同士の間に形成される空間のような自然と形成される空間ではなく、例えば上記の様に発泡剤を発泡させてスラリー中に泡を形成し、当該泡を除去することで形成されるような意図的に形成される空間である。中抜き細孔3は、発泡剤が発泡して球形状の泡となることで形成されるため球形状をしている。ここでいう球形状とは、真球のみを意味するのではなく、球面の一部が平面になり多面体のようになった球体、断面が楕円形をした球体なども含む。
中抜き細孔3は内面が樹脂組成物4で覆われている。中抜き細孔3の内面とは中抜き細孔3の内部空間に露出している骨格2の表面であり、骨格2の表面が樹脂組成物4で覆われている。
樹脂組成物4としては、金属表面への濡れ性に優れ、かつ強度に優れた皮膜を形成できるポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニリンオキシド(PPO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスルフォン(PSU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、エポキシ樹脂(EP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)などを用いることができる。また樹脂組成物4はポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンスルフィドなどの導電性樹脂であってもよい。これらの樹脂は樹脂組成物4を形成するために用いることができる樹脂の一例である。上記以外の他の樹脂を用いて樹脂組成物4を形成してもよい。また、樹脂組成物4は、1種類の樹脂を用いて形成してもよいし、複数種類の樹脂を混合して形成してもよい。
骨格2についてさらに詳しく説明する。図2に示すように、骨格2は複数の金属粒子5が直接結合した焼結体で形成されている。焼結体の金属粒子5同士の間には、空隙6が存在する。金属粒子5が粒状をしているため、骨格2が最密構造をしていたとしても、金属粒子5同士の間には、空間が生じる。このように金属粒子5同士間に必然的に生じる空間が空隙6であり、空隙6は複数の頂点を有する多面体形状をしている。空隙6の空間に挿入可能な球体の最大径は、金属粒子5の平均粒径に依存して決まり、金属粒子5の平均粒径の2倍以下である。金属多孔質体1は金属粒子5の平均粒径の2倍以下の径を有する小さな空隙6にも樹脂組成物4が入り込むことで、より多くの金属粒子5が樹脂組成物4で覆われるようになり、隣接する金属粒子5との結合が強くなった金属粒子5が増加し、金属多孔質体1の強度をより向上できる。
ちなみに、本明細書では、空隙6に挿入可能な球体の最大径を空隙6の径として定義する。金属粒子5の平均粒径は、レーザー回折法による粒度分布を測定して求めた。また、空隙6の径は、骨格2の表面又は断面を撮影した走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)及び3次元CTスキャナーによる測定結果より求めた。なお、空隙6の径は、30個の空隙について測定し、その測定結果の平均値とした。
骨格2の表面において露出している金属粒子5は樹脂組成物4によって覆われている。加えて、樹脂組成物4が空隙6の内部に入り込んでおり、空隙6の内部空間に露出していた金属粒子5の表面も覆われている。特に、金属粒子5同士の間に樹脂が入り込むことで、金属粒子5同士は、金属粒子5間の直接の結合に加えて、樹脂組成物4を介して結合している。このように骨格2は、その表面に加え、内部においても、樹脂組成物4によって覆われている。本実施形態の場合、樹脂組成物4は、骨格2の内部の空隙6に露出する金属粒子5の上よりも、骨格2の最表面の金属粒子5の上の方が厚く形成されている。また、すべての空隙6が樹脂組成物4で満たされているわけではなく、いくつかの空隙6は内部に空間を有している。
金属多孔質体1の気孔率は、70%以上であることが望ましい。気孔率が70%であれば、十分な通気性を確保することができ、また、中抜き細孔3に物質を十分に担持することができる。ここで気孔率とは、金属多孔質体1の全体積に占める金属多孔質体1内の空間の体積の割合をいう。樹脂組成物4を含む金属多孔質1の場合、当該空間は、中抜き細孔3及び空隙6の内、樹脂組成物4が存在しない残りの部分を意味する。
ちなみに、金属多孔質体1の気孔率は、金属多孔質体1の空中重量と水中重量を測定し、アルキメデス法により求めた。
このような金属多孔質体1は、樹脂組成物4を骨格2の質量の0.1〜200wt%含んでいるのが望ましい。樹脂組成物4の含有量が骨格2の質量の0.1〜200wt%であると、中抜き細孔3が樹脂組成物4によって塞がれずに、金属多孔質体1の空気や気体の流通性を確保できる。そして、樹脂組成物4の厚さも厚くなりすぎないので、導電性や熱伝導性を保持できる。よって金属多孔質体1は、通気性や金属としての特性をより確実に有したまま、強度が向上する。通気性を確保しつつ、強度向上を図るためのさらに好ましい範囲は、1〜20wt%である。
また、中抜き細孔3の内面を覆う樹脂組成物4の厚さは0.05〜100μmであることが望ましい。樹脂組成物4の厚さが0.05〜100μmであると、中抜き細孔3が樹脂組成物4によって塞がれずに金属多孔質体1の空気や気体の流通性を確保でき、導電性や熱伝導性を保持できる。100μmよりも厚い樹脂組成物4が付着した場合には、金属多孔質体1の中抜き細孔3の一部を塞いでしまう不具合が生じてしまう。よって金属多孔質体1は、通気性や金属としての特性をより確実に有したまま、強度が向上する。通気性を確保しつつ、強度向上を図るためのさらに好ましい範囲は、0.1〜10μmである。
樹脂組成物4の厚さは、中抜き細孔3の内部空間に露出する金属粒子5の表面から、当該金属粒子の表面を覆う樹脂組成物4の最表面までの距離を、金属多孔質体1の断面を撮影した顕微鏡写真を用いて30カ所測定し、その平均値を算出して求めた。
2.本実施形態の金属多孔質体の製造方法
金属多孔質体1の製造方法は、(1)骨格2を作製する工程と、(2)樹脂組成物4を被覆する工程とからなる。これらの工程を以下で詳しく説明する。
金属多孔質体1の製造方法は、(1)骨格2を作製する工程と、(2)樹脂組成物4を被覆する工程とからなる。これらの工程を以下で詳しく説明する。
(1)骨格2を作製する工程
まず、金属の微粉末と水溶性バインダーと界面活性剤と発泡剤とを水に混ぜてスラリーを作製する。次に、ドクターブレード法により、ペットフィルム上にスラリーを薄く塗布しシート状に成形する。成形したシートを所定の温度に加熱して、発泡剤によりシートに泡を形成しつつ、乾燥する。その後、所定温度の非酸化性雰囲気(例えば、不活性雰囲気、還元性雰囲気)で焼結することにより、複数の金属粒子5が結合した焼結体を形成し、当該焼結体で形成された骨格2を得る。
まず、金属の微粉末と水溶性バインダーと界面活性剤と発泡剤とを水に混ぜてスラリーを作製する。次に、ドクターブレード法により、ペットフィルム上にスラリーを薄く塗布しシート状に成形する。成形したシートを所定の温度に加熱して、発泡剤によりシートに泡を形成しつつ、乾燥する。その後、所定温度の非酸化性雰囲気(例えば、不活性雰囲気、還元性雰囲気)で焼結することにより、複数の金属粒子5が結合した焼結体を形成し、当該焼結体で形成された骨格2を得る。
(2)樹脂組成物4を被覆する工程
所定の濃度になるようにミキサーを用いて樹脂を溶媒に溶解させ樹脂溶液を作製する。その後、骨格2を所定時間、樹脂溶液に浸漬する。樹脂溶液に浸漬した骨格2を、所定温度で所定時間、乾燥し、骨格2が樹脂組成物4で覆われた金属多孔質体1を得る。このように、金属多孔質体1は、発泡剤の発泡により成形され、金属粒子5が焼結により結合して形成された3次元網目構造をした骨格2、及び、発泡剤の発泡により形成され、骨格2によって区切られた領域に存在する中抜き細孔3を有する発泡金属と、骨格2の表面を覆い、空隙6の内部に含まれる樹脂組成物4とを備える。
所定の濃度になるようにミキサーを用いて樹脂を溶媒に溶解させ樹脂溶液を作製する。その後、骨格2を所定時間、樹脂溶液に浸漬する。樹脂溶液に浸漬した骨格2を、所定温度で所定時間、乾燥し、骨格2が樹脂組成物4で覆われた金属多孔質体1を得る。このように、金属多孔質体1は、発泡剤の発泡により成形され、金属粒子5が焼結により結合して形成された3次元網目構造をした骨格2、及び、発泡剤の発泡により形成され、骨格2によって区切られた領域に存在する中抜き細孔3を有する発泡金属と、骨格2の表面を覆い、空隙6の内部に含まれる樹脂組成物4とを備える。
なお、金属多孔質体1の樹脂組成物4の含有量は、樹脂を溶かす溶媒中における樹脂の質量を変えることで調整できる。溶媒中の樹脂の質量を変えると樹脂溶液の粘度が変化し、骨格2への樹脂組成物4の付着の仕方が変わる。樹脂溶液の粘度が低いと、骨格2の金属粒子5間の空隙6に樹脂溶液が浸み込み易く、空隙6に露出した金属粒子5に樹脂組成物4が付着し易くなる傾向がある。この場合、樹脂溶液の濃度が低いので、金属粒子5を覆う乾燥後の樹脂組成物4の厚さが薄くなる傾向があり、金属多孔質体1の骨格2の質量に対する樹脂組成物4の含有量が少ない傾向がある。樹脂溶液の粘度が高くなると、金属粒子5を覆う乾燥後の樹脂組成物4の厚さが厚くなる傾向があり、中抜き細孔3の内面にも樹脂組成物4が付着するようになり、金属多孔質体1の骨格2の質量に対する樹脂組成物4の含有量が増える。樹脂溶液の粘度がさらに高くなると、金属粒子5間の空隙6に樹脂溶液が入り込みにくくなり、空隙6に露出した金属粒子5に樹脂組成物4が付着し難くなる傾向がある。そして、中抜き細孔3の内面に樹脂組成物4が厚く付着する傾向がある。この場合、金属多孔質体1の骨格2の質量に対する樹脂組成物4の含有量が高い傾向にある。
3.作用及び効果
以上の構成において、金属多孔質体1は、金属粒子5の焼結により形成された骨格2と、骨格2によって形成された中抜き細孔3とを備え、骨格2を覆う樹脂組成物4を有しているように構成した。
以上の構成において、金属多孔質体1は、金属粒子5の焼結により形成された骨格2と、骨格2によって形成された中抜き細孔3とを備え、骨格2を覆う樹脂組成物4を有しているように構成した。
よって金属多孔質体1は、金属多孔質体1に力が加えられたとき、樹脂組成物4が伸縮することにより骨格2にかかる力の一部を吸収するので、金属多孔質体1を破断させるのに必要な力が増加し、強度が増す。このように金属多孔質体1は、骨格2を樹脂組成物4で覆うことで補強されているので、金属多孔質体としての特性を有したまま、金属多孔質体1の強度を向上でき、欠けの発生を抑制できる。
また金属多孔質体1は、骨格2が、複数の金属粒子5と、金属粒子5同士の間に形成された空隙6とを有し、空隙6に樹脂組成物4が含まれているようにすることで、空隙6に露出した金属粒子5の表面が樹脂組成物4で覆われて金属粒子5同士の結合が強くなり骨格2の内部が補強され、金属多孔質体1の強度を向上できる。
加えて金属多孔質体1は、中抜き細孔3の内面が樹脂組成物4で覆われているようにすることで、骨格2の内部に加えて骨格2の表面が補強され、金属多孔質体1の強度をさらに向上できる。
従来は、例えば、金属粉末と無機質粉末とを混合した混合物を、2〜7トン/cm2でプレスした後、800〜1150℃で焼結して金属多孔質体を形成していた。このような場合、焼結後の金属多孔質体の密度は5.15〜6.19g/cm3と高く、気孔率は21.1〜34.1%と低い。
金属粉末が鉄の場合、鉄の真密度は6.98g/cm3であり、鉄の真密度と焼結後の金属多孔質体の密度とを比較すると、従来の金属多孔質体の密度は鉄の真密度に近く高い値であり、このことは気孔率が低いこととも一致している。金属粉末がNiの場合も同様に、Niの真密度は8.91g/cm3であり、従来の金属多孔質体の密度はNiの真密度に近く高い値である。
これは、ある程度の強度を要求される軸受部材などに使用するために、密度を高く、気孔率を低く形成したためである。このように従来は、金属多孔質体の密度を高くし、気孔率を低くすることで金属多孔質体の強度を保っていた。また、従来から、このような気孔率の低い金属多孔質体の細孔に樹脂を充填した例もあったが、それは金属多孔質体の通気性を調整するためであった。
本実施形態の場合、金属多孔質体1の発泡金属の気孔率は、70%以上であることが望ましい。この場合、仮に、鉄でなる金属粒子5を用いた場合の金属多孔質体1の発泡金属の密度は2.09g/cm3未満であり、Niでなる金属粒子5を用いた場合の金属多孔質体1の発泡金属の密度は2.67g/cm3未満であり、従来の金属多孔質体と比較して金属多孔質体1の発泡金属の密度は低い。Alでなる金属粒子5を用いた場合の金属多孔質体1の密度は、Alの真密度2.7g/cm3の3割である0.81g/cm3未満となる。
例えば、金属多孔質体1の発泡金属として気孔率94%の発泡アルミを用いる場合、気孔率94%の発泡アルミの密度は0.16g/cm3と非常に低いため、骨格2の質量に対して200wt%もの割合で多くの樹脂組成物4を含んでいたとしても、その密度は0.48g/cm3と低い。このように、金属多孔質体1は、密度が低く、強度が低い発泡金属の3次元網目構造の骨格2を樹脂組成物4で覆うことで、空隙6にも樹脂組成物4が含まれ、密度が低いままで、すなわち、気孔率が高いままで、強度を向上できる。
従来の金属多孔質体は、金属粉末を高圧でプレスして固めたものを焼結して形成され、気孔率が20〜30%程度と低いため、細孔の数が少なく、プレスによって金属粒子間の空隙が潰れてしまい空隙の数も少ないと考えられる。その結果、金属多孔質体には、他の細孔や空隙から孤立している閉塞した細孔や空隙が形成されていると考えられる。閉塞された細孔や空隙には、空気等の気体が含まれているが、気体や液体が流入できないので樹脂組成物も流れ込むことはできない。
これに対して本実施形態の金属多孔質体1は、骨格2が発泡剤の発泡により成形され、複数の金属粒子5が焼結により結合した焼結体で形成された3次元網目構造をし、中抜き細孔3が発泡剤の発泡により形成されており、さらに発泡金属の形成時にプレスされていないので、閉塞した中抜き細孔3や空隙6が少なく、中抜き細孔3や空隙6に樹脂組成物4を流しこみ易い。
さらに、本実施形態の金属多孔質体1は、発泡金属の気孔率が70%以上であると、閉塞された中抜き細孔3や空隙6が存在しないため、樹脂組成物4を流し込むときに中抜き細孔3や空隙6内の空気等の気体が当該中抜き細孔3や空隙6と連通した中抜き細孔3や空隙6に流れ出ることができる。よって、金属多孔質体1は、中抜き細孔3や空隙6に樹脂組成物4をより流しこみ易く、局所的に樹脂組成物4を含有しない部分を骨格2に形成せずに、骨格2全体の空隙6に樹脂組成物4を含浸させ易い。
4.変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
上記の実施形態では、骨格2の金属粒子5間の空隙6に樹脂組成物4が含まれ、中抜き細孔3の内面が樹脂組成物4で覆われている場合について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、金属多孔質体1は、空隙6に樹脂組成物4が含まれ、空隙6において金属粒子5の表面が樹脂組成物で覆われていれば、中抜き細孔3の内面が樹脂組成物4で覆われていなくてもよい。このような金属多孔質体1は、比較的、粘度の低い樹脂溶液に骨格2を浸漬して作製できる。
上記実施形態では、樹脂溶液を作製するときの溶媒への樹脂の添加量を調整し、樹脂溶液の粘度を変えることで、樹脂組成物4の含有量を変化させたが、本発明はこれに限られない。金属多孔質体1の樹脂組成物4の含有量は、樹脂の分子量を変えることにより、変化させることができる。平均分子量の高い樹脂を用いることで、樹脂溶液の粘度を高くでき、樹脂組成物4の含有量を増加できる。さらにこの場合は、樹脂組成物4の弾性強度が高くなり、金属多孔質体1の強度がさらに向上する。例えば、平均分子量28万g/モルのPVDF(例えば、株式会社クレハ社製PVDF#1100)を、平均分子量100万g/モルのPVDF(例えば、株式会社クレハ社製PVDF#7300)に変えることで、同じ質量の樹脂量で、強度アップを図ることができる。
上記実施形態では、骨格2を樹脂溶液に浸漬して樹脂組成物4で被覆したが、本発明はこれに限られない。例えば、樹脂組成物4を被覆する工程において、骨格2を真空容器に投入し、真空にした状態で樹脂溶液を容器に流しこみ、骨格2を樹脂溶液に浸漬し、その後大気圧に戻すことで、骨格2を樹脂組成物4で被覆してもよい。この場合は、より多くの樹脂組成物4を骨格2に含有させることができる。骨格2を真空下に置いたことで、大気下では抜けにくかった金属粒子5間の微細な空隙6に含まれていた気体も抜けて、当該空隙6にも樹脂組成物4が入り込むようになる。また、真空から大気圧に戻すときに、骨格2の内部の空隙6に樹脂組成物4がより入り込みやすくなる。そのため樹脂組成物4の含有量が増加する。
さらに、樹脂溶液をコンマロールコータやダイコータなどにより骨格2の最表面に塗工して、最表面から骨格2内部に樹脂溶液を浸み込ませ、骨格2を樹脂組成物4で被覆してもよい。ダイコータを用いる場合、樹脂溶液の吐出量を調整することで、樹脂組成物4の含有量を調整することができる。
加えて、樹脂溶液をスプレー装置などにより骨格2の最表面に塗工して、最表面から骨格2内部に樹脂溶液を浸み込ませ、骨格2を樹脂組成物4で被覆してもよい。スプレー装置を用いる場合、樹脂溶液の噴射量を調整することで、樹脂組成物4の含有量を調整することができる。
また上記の実施形態では、金属の微粉末、水溶性バインダー、界面活性剤、及び、発泡剤を水に混ぜたスラリーをシート状に成形し、その状態で発泡剤を発泡させた後、焼結して骨格2を形成した場合について説明したが、本発明はこれに限られず、例えばビーズを用いて骨格2を作製できる。
この場合、まず、例えばポリエチレンなどの樹脂でなるビーズと、例えば銅やニッケル、アルミニウムなどの金属でなる金属粉とを、所定の体積比となるように計量して容器に投入し、さらに所定量のバインダーも容器に投入する。
次に、容器内に直径5mmのアルミナ(Al2O3)製のボールを3kg投入した後、容器に蓋をしてボールミル混合を実施する。続いて、混合粉を目開き3mmメッシュの篩にかけ、混合粉からアルミナボールを取り出す。
次いで、アルミナボールを取り出した混合粉を金型に投入してプレスし、圧粉体を作製する。続いて、雰囲気制御可能なベルト炉内に圧粉体を配置し、当該圧粉体を大気雰囲気中で加熱し、樹脂成分を蒸発させてビーズを除去する。最後に、ベルト炉内をアルゴンなどの不活性ガス雰囲気にして圧粉体を焼結することで、骨格2を作製できる。
このようなビーズを用いて作製した骨格2では、中抜き細孔3は、圧粉体中に存在するビーズを形成する樹脂を蒸発させて除去することで、ビーズが存在した空間に形成される。このように中抜き細孔3は、圧粉体からビーズを除去することで形成される、意図的に形成される空間である。また、中抜き細孔3は、ビーズの形状と同様の形状となり、球形状のビーズを用いた場合、球形状をしている。なお、ここでいう球形状とは、真球形状のみを指すのではなく、球の一部が歪んだり撓んだりしているものも含む。
5.金属多孔質体の用途
金属多孔質体1は、高い通気性、導電性、及び熱伝導性を有したまま、強度が増しているので、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、及びニッケル水素電池などの電気化学セルの電極、フィルタ、熱交換器に用いることができる。
金属多孔質体1は、高い通気性、導電性、及び熱伝導性を有したまま、強度が増しているので、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、及びニッケル水素電池などの電気化学セルの電極、フィルタ、熱交換器に用いることができる。
金属多孔質体1を電気化学セルの電極に用いる場合、金属多孔質体1は電極の集電体として用いられる。金属多孔質体1は、リチウムイオン二次電池の正極に用いる場合、例えば、正極活物質としてのLiCoO2と、導電助剤としてのアセチレンブラックと、バインダーとしてのPVDFとを混合して作製した合材が中抜き細孔3に充填されて正極となる。金属多孔質体1はこのような正極の集電体として機能する。金属多孔質体1は、正極活物質を負極活物質に変えることで、負極にも用いることができる。
金属多孔質体1を電極に用いた電気化学セルは、製造過程における電極の欠けを防ぐことができ、電極の破片により電気化学セルが内部短絡することを抑制できる。また、金属多孔質体1を電極に用いた電気化学セルは、樹脂組成物4により、金属多孔質体1の金属の充填率を上げずに従来の物よりも強度を高くすることが可能であり、気孔率を従来よりも高めることができ、電極がより多くの活物質を有することができ、容量を向上できる。
金属多孔質体1をフィルタとして用いる場合は、金属多孔質体1に気体や液体を流通させてフィルタとして使用する。このようなフィルタは、気体や液体から分離したい物質が金属多孔質体1の中抜き細孔3を通ることができないため、気体や液体から所定の物質を分離できる。
金属多孔質体1を用いたフィルタは、金属多孔質体1を通過する気体や液体によって金属多孔質体1が破損し、劣化することを抑制でき、耐久性を向上できる。
金属多孔質体1を熱交換器として用いる場合は、金属多孔質体1に気体や液体を流通させて使用する。金属多孔質体1は熱伝導率が高いため、気体や液体が金属多孔質体1と接したとき、気体や液体の熱が金属多孔質体1に移動する。そのため、金属多孔質体1は、熱交換器として機能する。
金属多孔質体1を用いた熱交換器は、金属多孔質体1を通過する気体や液体によって金属多孔質体1が破損し、劣化することを抑制でき、耐久性を向上できる。
(実施例1)
本発明の金属多孔質体を作製し、その特性を評価した。まず、金属多孔質体の断面を電子顕微鏡により観察し、その構造を評価した。次に作製した金属多孔質体の引張強度を測定し、強度を評価した。
本発明の金属多孔質体を作製し、その特性を評価した。まず、金属多孔質体の断面を電子顕微鏡により観察し、その構造を評価した。次に作製した金属多孔質体の引張強度を測定し、強度を評価した。
(1)金属多孔質体の作製
実施例1として、発泡アルミを用い、アルミニウムで形成された骨格の質量に対して0.1、1、5、10、50、100、200wt%のPVDFを含む金属多孔質体をそれぞれ作製した。作製方法は、溶媒への樹脂の添加量を変化させた点以外は同じであるので、発泡アルミの質量に対して0.1wt%のPVDFを含む金属多孔質体を例に説明する。
実施例1として、発泡アルミを用い、アルミニウムで形成された骨格の質量に対して0.1、1、5、10、50、100、200wt%のPVDFを含む金属多孔質体をそれぞれ作製した。作製方法は、溶媒への樹脂の添加量を変化させた点以外は同じであるので、発泡アルミの質量に対して0.1wt%のPVDFを含む金属多孔質体を例に説明する。
アルミニウムの微粉末(アルドリッチ社製、平均粒径5μm)200gと、水溶性バインダーとしてポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール株式会社製)50gと、水溶性の界面活性剤(花王株式会社製、製品名:エマール、品番20T)6gと、発泡剤としてヘキサン(関東化学株式会社製)5gと、水500mLとを混ぜてスラリーを作製した。ドクターブレード法により、作製したスラリーをペットフィルム(東レ株式会社製、製品名:トレファン、品番2500T)上に薄く塗布してシート状に成形した。成形したシートを、50℃に加熱してシートに泡を形成しつつ、乾燥した。その後、成形体をペットフィルムから剥がし、アルミナ製の板の上に載せ、500℃のアルゴン雰囲気下で焼結し、気孔率94%、厚さ0.4mmの発泡アルミ(アルミニウム焼結体)を得た。作製した発泡アルミを幅10mm、長さ30mmの大きさに切断し、アルミニウムで形成された骨格を用意した。
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に粒子状のPVDF粉末(株式会社クレハ社製PVDF#7300)を3wt%の質量濃度になるようにミキサーで溶解させ、粘度が0.1Pa・sであるPVDFの樹脂溶液を作製した。その後、用意した骨格を樹脂溶液に3分浸漬した。浸漬した骨格を180℃で30分間乾燥させて、骨格の質量に対して0.1wt%の割合でPVDFを含む金属多孔質体を作製した。
一方、PVDF粉末(株式会社クレハ社製PVDF#7300)を11wt%の質量濃度になるようにミキサーで溶解させ、粘度が5Pa・sであるPVDFの樹脂溶液を作製し、同様に、切断した骨格を樹脂溶液に3分間浸漬し、180℃で、30分間乾燥させて、骨格の質量に対して200wt%の割合でPVDFを含む金属多孔質体を作製した。
骨格の質量に対して0.1wt%の割合でPVDFを含む金属多孔質体の場合、骨格表面に付着しているPVDFの厚さは、0.05μmであり、200wt%の割合で、PVDFを含む金属多孔質体の場合、100μmであった。
(2)金属多孔質体の構造の評価
作製した金属多孔質体の内、PVDFの含有量が骨格の質量の5wt%と50wt%の金属多孔質体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。図3AはPVDFの含有量が骨格の質量の5wt%の金属多孔質体、図3BはPVDFの含有量が骨格の質量の50wt%の金属多孔質体の切断面の表面のSEM写真である。図面の下に示す白線は、その白線の長さが図中では100μmであることを示している。
作製した金属多孔質体の内、PVDFの含有量が骨格の質量の5wt%と50wt%の金属多孔質体の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。図3AはPVDFの含有量が骨格の質量の5wt%の金属多孔質体、図3BはPVDFの含有量が骨格の質量の50wt%の金属多孔質体の切断面の表面のSEM写真である。図面の下に示す白線は、その白線の長さが図中では100μmであることを示している。
図3A、図3Bに示すように、金属多孔質体の骨格2は複数の金属粒子5が結合して形成されていることがわかる。金属粒子5間の空隙6は、黒くなっている部分と濃い灰色となっている部分があり、濃い灰色の部分には樹脂組成物4(PVDF)が存在していることがわかる。なお、黒くなっている部分は空隙6のPVDFが入っていない部分である。
また、中抜き細孔3の内面が樹脂組成物4で覆われていることがわかる。骨格の質量に対するPVDFの含有量が50wt%の金属多孔質体(図3B)は、5wt%の金属多孔質体(図3A)よりも、内面が樹脂組成物4で覆われている中抜き細孔3が多いことがわかる。これは、PVDFの含有量が骨格の質量の50wt%の金属多孔質体の方が、作製時の樹脂溶液のPVDFの量が多く、中抜き細孔3の内面に樹脂溶液が付着し易いためであると考えられる。
図4A、4Bは骨格2の内部の金属粒子5を拡大して示すSEM写真である。これらのSEM写真は、実施例1の金属多孔質体の内、PVDFの含有量が骨格の質量の5wt%の金属多孔質体について撮影したものである。
図4A、4Bに示すように、金属粒子5の表面が樹脂組成物4で覆われていることがわかる。図4Bに示すように、結合している金属粒子5同士の間に樹脂組成物4が存在しており、その部分では金属粒子5が樹脂組成物4を介して補強しているようになっていることがわかる。
(3)金属多孔質体の強度の評価
テンシロン万能試験機(エーアンドデー社製)を用いて、実施例1の金属多孔質体の引張強度を測定した。金属多孔質体を2つのチャックでチャック間距離が10mmとなるように保持し、試験機に金属多孔質体を設置した。2つのチャックを0.2mm/minの速度で離していき、金属多孔質体が破断したときに金属多孔質体にかかっていた力と、そのときのチャック間距離を測定した。本明細書では、破断時の引張力を引張強度とし、破断時のチャック間距離からチャック間距離の初期値である10mmを引いた値を金属多孔質体の伸びと定義した。
テンシロン万能試験機(エーアンドデー社製)を用いて、実施例1の金属多孔質体の引張強度を測定した。金属多孔質体を2つのチャックでチャック間距離が10mmとなるように保持し、試験機に金属多孔質体を設置した。2つのチャックを0.2mm/minの速度で離していき、金属多孔質体が破断したときに金属多孔質体にかかっていた力と、そのときのチャック間距離を測定した。本明細書では、破断時の引張力を引張強度とし、破断時のチャック間距離からチャック間距離の初期値である10mmを引いた値を金属多孔質体の伸びと定義した。
比較のために、比較例1として実施例1の金属多孔質体を作製するのに用いた発泡アルミの引張強度も測定した。この値を1として算出した実施例1の金属多孔質体の相対強度から1を引いた値を百分率で表したものを樹脂被覆による「強化率」とし、強化率により金属多孔質体の強度を評価した。
表1に示すように、実施例1の金属多孔質体は、いずれも強化率が正の値となっており強度が向上していることがわかる。実施例1の金属多孔質体では、骨格が樹脂組成物で覆われているので、金属多孔質体が引っ張られたとき、樹脂組成物が伸縮することにより骨格にかかる力の一部を吸収するので、金属多孔質体にかかる力が減少する。さらに、実施例1の金属多孔質体では、金属粒子が樹脂組成物で覆われていることで、金属粒子間の結合が強くなる。その結果、実施例1の金属多孔質体は強度が増加したと考えられる。
また、実施例1の金属多孔質体は比較例1の金属多孔質体より破断時の伸びが大きい。実施例1の金属多孔質体では、上記の様に金属粒子間の結合が強くなったため、樹脂組成物で覆われていない場合は金属粒子間の結合が切れる程度の力が金属粒子にかかっても、金属粒子間の結合が切れず、樹脂組成物が伸縮したためと考えられる。
実施例1の金属多孔質体は、樹脂組成物の含有量が増えるほど強化率が高く、破断時の伸びが大きい。樹脂組成物の量が増えると、樹脂組成物が吸収する力も増え、金属粒子間の結合も強くなるためであると考えられる。
(実施例2)
樹脂組成物を変えて金属多孔質体の引張強度を評価した。作製した実施例2の金属多孔質体は、幅10mm、長さ30mm、厚さ0.4mm、気孔率94%の発泡アルミを用い、アルミニウムで形成された骨格の質量の5wt%の樹脂組成物を含有している。金属多孔質体の作製方法は実施例1と同様である。実施例2の金属多孔質体に用いた樹脂は、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニリンオキシド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルニトリルと、導電性樹脂のポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンスルフィドとである。
樹脂組成物を変えて金属多孔質体の引張強度を評価した。作製した実施例2の金属多孔質体は、幅10mm、長さ30mm、厚さ0.4mm、気孔率94%の発泡アルミを用い、アルミニウムで形成された骨格の質量の5wt%の樹脂組成物を含有している。金属多孔質体の作製方法は実施例1と同様である。実施例2の金属多孔質体に用いた樹脂は、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニリンオキシド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルニトリルと、導電性樹脂のポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンスルフィドとである。
比較例2として、実施例2の金属多孔質体を作製するのに用いた発泡アルミの破断時の引張強度も測定した。
金属多孔質体の強度は、測定した実施例2の破断時の引張強度を比較例2の破断時の引張強度で割った値から1を引いた値を百分率で表したものを引張強度の向上度合として定義し、それを用いて評価した。表2には、引張強度の向上度合が30%以上である場合を◎、10%以上30%未満である場合を○、1%以上10%未満の場合を△、1%未満の場合を×として示してある。破断時の引張強度は実施例1と同じ方法で測定した。
表2に示すように、実施例2の金属多孔質体は引張強度が向上していることがわかる。金属多孔質体は、上記の樹脂を用いて作製した樹脂組成物で骨格を覆うことで、強度を向上できることがわかる。
(実施例3)
実施例3では、ビーズを用いて作製した骨格を樹脂組成物で覆って補強した金属多孔質体を作製し、当該金属多孔質体の特性を評価した。
実施例3では、ビーズを用いて作製した骨格を樹脂組成物で覆って補強した金属多孔質体を作製し、当該金属多孔質体の特性を評価した。
まず、ビーズと銅粉を体積比で90:10の割合で計量し、プラスチック容器に投入した。具体的には、球形状の平均粒径300μmのポリエチレン製ビーズを100mLの容器で9回すくって3Lのプラスチック容器に投入し、平均粒径10μmの銅粉(アルドリッチ社製)を100mLの容器で1回すくって当該プラスチック容器に投入した。その後、ビーズと銅粉が投入されたプラスチック容器内にバインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)粉末を35g投入した。
次に、プラスチック容器内に直径5mmのアルミナ製のボールを3kg投入した後、プラスチック容器に蓋をして24時間、60回転/分の速度でプラスチック容器を回転させ、ボールミル混合を実施した。その後、ボールミル混合で得られた混合粉を目開き3mmメッシュの篩にかけ、混合粉からアルミナボールを取り出した。
続いて、アルミナボールを取り出した混合粉を縦3cm、横3cm、深さ1cmの金型に4g投入し、200kg/cm2の荷重で混合粉をプレスして圧粉体を作製した。
次いで、雰囲気制御可能なベルト炉内に圧粉体を配置し、大気雰囲気中で炉内を350℃まで5時間かけて昇温し、炉内の温度を350℃に10時間保持して圧粉体を加熱することで、圧粉体中のビーズのポリエチレンを蒸発させてビーズを除去する。
続いて、ベルト炉内をアルゴン雰囲気にし、炉内を1070℃まで3時間かけて昇温し、炉内の温度を1070℃に1時間保持し、6時間かけて100℃まで炉内の温度を下げて圧粉体を焼結することで銅焼結体を作製した。作製した銅焼結体は、厚さ1.2mm、気孔率70%であった。当該銅焼結体を幅10mm、長さ25mmにカットし、銅で形成された骨格を用意した。
次いで、用意した骨格をNMPにポリアミドを溶解した樹脂溶液に浸漬した後、樹脂溶液から取り出して余分な樹脂溶液をふき取り、大気雰囲気中において120℃で3時間乾燥させて金属多孔質体を作製した。作製した金属多孔質体は骨格の質量に対して2wt%の割合でポリアミドを含んでいた。
テンシロン万能試験機を用いて、実施例1と同様の方法、条件で実施例3の金属多孔質体の引張強度、破断時の伸びを測定した。比較のために、比較例3として実施例3の金属多孔質体を作製するのに用いた銅焼結体の引張強度、破断時の伸びも同様の方法で測定した。そして、実施例3と比較例3の測定結果を用いて強化率を算出した。その結果を表3に示す。なお、引張強度、破断時の伸び、強化率の定義も実施例1と同様である。
表3に示すように、実施例3の金属多孔質体は、強化率が正の値となっており、比較例3の金属多孔質体より破断時の伸びが大きいことから、強度が向上していることがわかる。このように、骨格がビーズを用いて作製した銅焼結体で形成された場合も、金属多孔質体は、樹脂組成物で骨格を補強することで、金属多孔質体の強度が向上でき、欠けの発生を抑制できることがわかる。
1 金属多孔質体
2 骨格
3 中抜き細孔
4 樹脂組成物
5 金属粒子
6 空隙
2 骨格
3 中抜き細孔
4 樹脂組成物
5 金属粒子
6 空隙
Claims (8)
- 複数の金属粒子が結合した焼結体で形成され、3次元網目構造をした骨格と、
前記骨格によって区切られた領域に存在する中抜き細孔と、
前記骨格内部の前記金属粒子同士の間に形成された空隙とを有し、
少なくとも前記空隙に樹脂組成物を含み、
前記中抜き細孔同士は、液体や気体が流通するように内部空間が互いに連通している
ことを特徴とする金属多孔質体。 - 気孔率が70%以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の金属多孔質体。 - 前記中抜き細孔は、球形状をしている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属多孔質体。 - 前記中抜き細孔の内面が前記樹脂組成物で覆われている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属多孔質体。 - 前記樹脂組成物が、前記骨格の質量の0.1〜200wt%含まれている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属多孔質体。 - 前記中抜き細孔の内面を覆う前記樹脂組成物の厚さが0.05〜100μmである
ことを特徴とする請求項4に記載の金属多孔質体。 - 前記樹脂組成物が、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニリンオキシド、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルニトリルから選ばれる1つ以上を含む
ことを特徴する請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属多孔質体。 - 前記樹脂組成物が導電性樹脂を含む
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属多孔質体。
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-
2015
- 2015-10-08 JP JP2015200077A patent/JP2016176135A/ja active Pending
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