JP2016175525A - 車両用燃料タンク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐圧容器2に収容されて内部に燃料Fuを貯留するタンク本体3と、燃料注入時にタンク本体3の内部の蒸発ガスを排気するためのブリーザチューブ5と、を有する車両用燃料タンク1とする。そして、タンク本体3は可撓性を有する可撓性容器であって、タンク本体3の天面3aに、ブリーザチューブ5が接続されるブリーザジョイント5aが備わり、ブリーザジョイント5aが天面3aの中心に配置されていることを特徴とする。また、タンク本体3の天面3aに、ベントチューブ6が接続される複数のベントジョイント6aが備わり、複数のベントジョイント6aがブリーザジョイント5aを囲むように、天面3aの角部に寄って配置されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載されるような、燃料の貯留量に応じて変形する可撓性のタンク本体を有する燃料タンクでは、タンク本体にブリーザチューブを接続するブリーザジョイントや、タンク本体にベントチューブを接続するベントジョイントが好適な位置に配置されないと、タンク本体内に発生する蒸発ガス(燃料蒸気)が適切に排気されない場合がある。
例えば、燃料注入時においてタンク本体内の蒸発ガスが適切に排気されないと、オートストップ機能(規定の給油量で、給油ガンからの給油が自動的に停止する機能)が適切に動作しないなどの問題が生じる。
本発明によると、可撓性容器の角部に発生する蒸発ガスの効果的な排気が可能になる。
本発明によると、可撓性容器の角部に発生する蒸発ガスをさらに効果的に排気することが可能になる。
本発明によると、フランジ部を天面に溶着する簡単な構造でベントジョイントを可撓性容器に取り付けることが可能になる。さらに、フランジ部が可撓性容器の角部に向かって延伸しているので、可撓性容器の天面の角部が補強される。
図1は車両用燃料タンクの断面図である。図2はブリーザバルブの内部構造の一例を示す断面図であり、(a)は筺体の内部に燃料が流入していない状態を示す図、(b)は筺体の内部に燃料が流入した状態を示す図である。図3はベントジョイントの断面図である。
図1に示すように、本実施形態の車両用燃料タンク1は、耐圧容器2とタンク本体3を有する。燃料Fuはタンク本体3の内部に貯留される。タンク本体3は可撓性を有する可撓性容器であって耐圧容器2に収容されている。耐圧容器2はタンク本体3の周囲を覆うように形成され、上方(車両上下方向上方)には上面2aが形成されている。
タンク本体3に貯留される燃料Fuは、ポンプユニット8aによって吸い出されて動力源となるエンジン8に供給される。
また、耐圧容器2にはブリーザパイプ51とベントパイプ61が接続されている。ブリーザパイプ51とベントパイプ61は耐圧容器2を貫通し、それぞれ耐圧容器2の内部で開口している。
また、タンク本体3にはブリーザジョイント5aが備わる。ブリーザジョイント5aはタンク本体3の天面3aに備わる。天面3aはタンク本体3の上方を形成する面である。
なお、本実施形態においては、規定量の燃料Fuがタンク本体3に貯留された状態を満タン状態とする。
燃料注入時にタンク本体3の内部で発生する蒸発ガス(燃料蒸気)は、ブリーザジョイント5a及びブリーザチューブ5を介してブリーザパイプ51を流れ、給油口4bに流入して給油ガン(図示せず)で回収される。
このように、本実施形態におけるブリーザパイプ51は、燃料注入時にタンク本体3の内部に発生する蒸発ガスをフィラーチューブ4(給油口4b)に逃がす排気管として機能する。
また、燃料注入時に、タンク本体3に貯留された燃料Fuの液面Fsが先端部5a1に到達すると開口が燃料Fuで閉塞されるので燃料Fuがブリーザジョイント5aからブリーザチューブ5に流入する。
そして、フロート50bは下方に変位したときにブリーザパイプ51の先端部51aに着座してブリーザパイプ51の先端部51aを閉塞し、上方に変位したときに筺体50aの上方に接続されるブリーザパイプ51を閉塞する(図2の(b)に破線で示す)。
このように、ブリーザバルブ50によって、ブリーザパイプ51における燃料Fuの流通が遮断される。
ベントパイプ61はキャニスタ7に接続されている。キャニスタ7には活性炭7aが収納され、ベントパイプ61を流通する蒸発ガスに含まれる燃料Fuが活性炭7aに吸着される。また、活性炭7aに吸着された燃料Fuは、エンジン8が駆動したときに吸引される外気によって活性炭7aから離脱し、エンジン8に供給されて燃焼される。
フロート60bは、上昇したときに、筺体60aの上方に形成されている排気口60dを閉塞するように構成される。ベントチューブ6は排気口60dと連通するように接続されており、上昇したフロート60bでベントチューブ6が閉塞されるように構成されている。なお、筺体60aの内部における燃料Fuの液面Fsが下降すると、フロート60bは液面Fsとともに下降して排気口60dから離れ、タンク本体3の内部とベントチューブ6とが連通する。
タンク本体3とフランジ部6a1は気密に溶着されて、天面3aとフランジ部6a1との間から燃料Fuや蒸発ガスが漏出しないように構成されている。例えば、フランジ部6a1は筺体60aの周囲に沿って連続してタンク本体3(天面3a)と溶着される。
タンク本体3の内部が昇圧して燃料Fuがベントパイプ61に流れ込んだときにはロールオーババルブ70によってベントパイプ61が閉塞され、ベントパイプ61における燃料Fuの流通が遮断される。
なお、ロールオーババルブ70は一般的に使用されているものであり、車両用燃料タンク1が傾斜した場合等にもベントパイプ61を閉塞して燃料Fuの流出を防止するように構成されている。
そのため、ブリーザチューブ5は柔軟性を有する管路(チューブ)であり、天面3aの変形にともなうブリーザジョイント5aの変動に対応して変形可能となっている。同様に、ベントチューブ6は柔軟性を有する管路(チューブ)であり、天面3aの変形にともなうベントジョイント6aの変動に対応して変形可能となっている。
なお、図4は、耐圧容器2の上面2a(図1参照)が取り除かれた耐圧容器2の内部を示している。
図4に示すように、本実施形態のタンク本体3は、規定量の燃料Fuを貯留している状態(満タン状態)で天面3aが矩形となるように構成されている。
また、タンク本体3を収容する耐圧容器2は、規定量の燃料Fuを貯留しているタンク本体3を平面視で矩形に維持するように平面形状が矩形となっている。
そして、ブリーザジョイント5aは矩形を呈する天面3aの中心Ptに配置されている。本実施形態において、ブリーザジョイント5aは平面視で円形を呈し、天面3aの中心Ptが円形の内側となるようにブリーザジョイント5aが取り付けられている。
中心Ptは、天面3aの物理的な中心(重心位置)であって、天面3aが矩形の場合、2つの対角線L1,L1の交点が中心Ptとなる。
これによって、ベントジョイント6aは、矩形を呈するタンク本体3の天面3aの中心Ptからタンク本体3の角部3b(耐圧容器2の角部)に向かう方向に配置されることになる。また、4つのベントジョイント6aが、中心Pt(ブリーザジョイント5a)を囲むように配置される。したがって、4つのベントジョイント6aは中心Ptの周囲に配置される。
このような形状のフランジ部6a1が天面3aに溶着されることで、タンク本体3の天面3aは、ベントジョイント6aと角部3bの間がフランジ部6a1で補強される。
図5の(a)に示すように、タンク本体3に燃料Fuが入っていない空の状態のとき、タンク本体3は収縮し、天面3aが落ち込んで上下方向につぶれた状態になる。
タンク本体3の天面3aは、側面(天面3aの周囲に形成される面)から最も離れている中心Ptが最も撓みやすくなっている。したがって、燃料注入時にタンク本体3の内部が昇圧すると、最も撓みやすい中心Ptが最も上方に盛り上がり、タンク本体3はこの状態で膨張する。このため、燃料注入時には、タンク本体3の内部に発生する蒸発ガスや燃料Fuとともにフィラーパイプ4を通ってタンク本体3に流入する空気が中心Ptの位置に集まって中心Ptの位置にガス溜まりGiが形成される。そして、中心Ptの位置にガス溜まりGiが形成された状態で燃料Fuの注入が進行する。
本実施形態に係る車両用燃料タンク1(図1参照)は、タンク本体3の天面3aにおける中心Ptにブリーザジョイント5aを配置することで、燃料注入時にガスだまりGiに溜まる蒸発ガスの適切な排気と給油ガン(図示せず)のオートストップ機能の適切な動作を実現している。
エンジン8の駆動時など、タンク本体3に貯留されている燃料Fuがポンプユニット8aによって吸い出される燃料消費時には、図6に示すように、燃料Fuの貯留量に応じてタンク本体3が変形(収縮)する。そして、天面3aに対する液面Fsの高さが所定の高さより低くなるとベントジョイント6aが開口してタンク本体3の内部に発生する蒸発ガスが排気される。
したがって、ベントジョイント6aが中心Pt(ブリーザジョイント5a)から角部3bに寄って配置されるとともに角部3bに向かって延伸する形状のフランジ部6a1を有することにより、タンク本体3の内部に発生する蒸発ガスの効果的な排気が可能となる。
なお、図6はタンク本体3が収縮する状態を模式的に示した図であり、側面が蛇腹状に規則的に変化して収縮するタンク本体3に限定されない。
図4に示すように、天面3aは矩形を呈し、ブリーザジョイント5aは天面3aの中心Pt(矩形の中心Pt)に配置されている。また、タンク本体3には4つのベントジョイント6aが備わる。4つのベントジョイント6aは、例えば、天面3aの中心Pt(ブリーザジョイント5a)を中心とする仮想円C1の円周上において、天面3aの対角線L1上に配置されている。つまり、4つのベントジョイント6aは中心Pt(ブリーザジョイント5a)の周囲に、中心Ptからの距離が等しくなるように配置されている。そして、4つのベントジョイント6aは天面3aの角部3b(耐圧容器2の角部)に寄って配置されている。
例えば、図4に示すように本実施形態のベントジョイント6aは、天面3aの中心Ptを中心とする仮想円C1の円周上において天面3aの対角線上に配置されている。このような配置ではなく、仮想円C1の円周上に90度間隔で4つのベントジョイント6aが配置される構成であってもよい。
2 耐圧容器
3 タンク本体(可撓性容器)
3a 天面
3b 角部
5 ブリーザチューブ
5a ブリーザジョイント
6 ベントチューブ
6a ベントジョイント
6a1 フランジ部
C1 仮想円
Pt 中心
Claims (5)
- 耐圧容器に収容されて内部に燃料を貯留する可撓性容器と、
燃料注入時に前記可撓性容器の内部のガスを排気するためのブリーザチューブと、を有する車両用燃料タンクであって、
前記ブリーザチューブが接続されるブリーザジョイントが前記可撓性容器の天面に備わり、
前記ブリーザジョイントが前記天面の中心に配置されていることを特徴とする車両用燃料タンク。 - 前記可撓性容器の内部で前記燃料が気化して発生する蒸発ガスを排気するためのベントチューブをさらに有し、
前記可撓性容器の前記天面に、前記ベントチューブが接続されるベントジョイントが備わり、
前記天面において前記ブリーザジョイントを囲むように複数の前記ベントジョイントが備わっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料タンク。 - 前記天面が矩形であり、
前記天面の中心から前記天面の角部に向かう方向に前記ベントジョイントが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用燃料タンク。 - 前記ベントジョイントが、前記角部に寄って取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用燃料タンク。
- 前記ベントジョイントは、前記可撓性容器の前記天面に沿って広がるフランジ部が当該天面に溶着されて前記可撓性容器に取り付けられ、
前記フランジ部が前記角部に向かって延伸していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両用燃料タンク。
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