JP2016175505A - ハイブリッド車両及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、発進時に車重を高精度に推定できるハイブリッド車両及びその制御方法を提供する。【解決手段】プロペラシャフト25をモータージェネレーター33の回転軸32及び第2パワステポンプ45の駆動軸46のそれぞれに接続する減速機構30と、ステアリングユニット53へのパワステフルードの供給源を第2パワステポンプ45に切り換える切換装置とを備え、制御装置80を、発進時にはモータ走行を選択する制御を行う構成にし、さらに、車重推定装置83が、発進時の駆動力が走行抵抗に等しくなるとして、発進時の出力トルクと加速度とに基づいて車重を推定するように構成される【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両及びその制御方法に関し、より詳細には、従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードにおける操舵アシストを停止することなく燃料消費量を削減し、さらに、発進時に車重を高精度に推定するハイブリッド車両及びその制御方法に関する。
近年、燃費向上及び環境対策などの観点から、車両の運転状態に応じて複合的に制御されるエンジン及びモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムを備えたハイブリッド車両(以下「HEV」という。)が注目されている。このHEVにおいては、車両の加速時や発進時には、モータージェネレーターによる駆動力のアシストが行われる一方で、慣性走行時や制動時にはモータージェネレーターによる回生発電が行われる(例えば、特許文献1を参照)。
このような、いわゆるパラレル型のHEVでは、モータージェネレーターは、通常はエンジンの回転動力を変速するトランスミッションのエンジン側から車両の駆動系に接続される。そのため、HEVの高速走行中(例えば、50〜90km/h)に慣性走行状態になった時は、トランスミッションは高速段に変速されているので、モータージェネレーターにおける回生制動トルクが小さくなって発電の高効率点から外れてしまうため、回生発電の効率を向上することが困難であるという問題があった。
また、モータージェネレーターを配置するために既存の車両のパワートレインコンポーネントのレイアウトの大幅な変更等が必要となるため、既存の車両をHEV化して転用することが容易ではないという問題もあった。
このような問題を解決するために、発明者は、車両のプロペラシャフトとモータージェネレーターの回転軸とを、モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつプロペラシャフトを出力軸とする減速機構を介して接続することを考案した。
また、発明者は、その新たに考案したHEVの燃費を向上するために、詳しくはHEV化したバスやトラックなどの大型車両の燃費を向上するために、オートクルーズモードにおける燃料消費量に着目した。
オートクルーズモードでは、これから走行する走行路の勾配や距離を含む地図情報及びHEVの車重に基づいて、エンジンの駆動力で走行するエンジン走行、エンジン及びモータージェネレーターの両方の駆動力で走行するアシスト走行、モータージェネレーターの駆動力で走行するモータ走行、並びに、エンジン及びモータージェネレーターの駆動力を付与しない惰性走行を適時選択して、車速を目標速度に維持している。
しかしながら、バスやトラックなどの大型車両においては、運転者の操舵を補助するステアリングユニット(パワーステアリング)として、出力、操舵性、及び信頼性の観点から油圧式のステアリングユニットが採用されており、走行中は、この油圧式のステアリングユニットに、エンジンの駆動力が伝達されて駆動するパワステポンプから常時パワステフルードを供給する必要がある。そのため、モータ走行中や惰性走行中には、エンジンを停止できないために、燃料消費量を削減できないという問題があった。
さらに、発明者は、その新たに考案したHEVのオートクルーズモードにおける燃費を
向上するために、エンジン走行、アシスト走行、モータ走行、及び惰性走行を選択する際に利用される車重を高精度に推定することに着目した。
大型車両の車重においては、変速時における変速前の加速度及び変速中の減速度を導き、且つ変速前の駆動力を変速前の加速度から変速中の減速度を減算した値で除算して車重を推定する装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献2に記載の装置では、変速中に車重を推定する構成にしているため、例えば、50km/h〜60Km/h程度の車速にならないと、車重を推定できないという問題があった。また、ある程度の車速に到達しても、変速に要する時間が短時間の場合は、車重を推定するために必要なパラメータを正確に取得することができないという問題もあった。
特開2002−238105号公報 特開2002−13620号公報
本発明の目的は、従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードにおける操舵アシストを停止することなく燃料消費量を削減し、さらに、発進時に車重を高精度に推定することができるハイブリッド車両及びその制御方法を提供することである。
上記の目的を達成する本発明のハイブリッド車両は、ディーゼルエンジンにクラッチを介して接続されたトランスミッション及び駆動輪を駆動するデファレンシャルを連結するプロペラシャフトと、該ディーゼルエンジン及びモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムと、該ディーゼルエンジンに連結された第1パワステポンプと、該第1パワステポンプから供給されたパワステフルードを利用してステアリングの操舵をアシストするステアリングユニットと、車重を推定する車重推定装置と、車両加速度を取得する加速度取得装置と、制御装置とを備えたハイブリッド車両において、前記プロペラシャフトと前記モータージェネレーターの回転軸とを、該モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつ該プロペラシャフトを出力軸として接続する減速機構と、該減速機構を介して該プロペラシャフトに連結される第2パワステポンプと、前記ディーゼルエンジンの停止に伴って前記第1パワステポンプが停止した場合には、前記ステアリングユニットに供給されるパワステフルードの供給源を該第1パワステポンプから該第2パワステポンプに切り換える切換装置と、前記制御装置を、発進時には、前記モータージェネレーターから前記減速機構を経由して前記プロペラシャフトに伝達された駆動力で走行するモータ走行を選択する制御を行う構成にし、さらに、前記車重推定装置を、発進時には前記駆動輪に伝達される駆動力が走行抵抗に等しくなるとして、前記モータ走行における前記モータージェネレーターの出力トルクと、前記加速度取得装置で取得した前記車両加速度とに基づいて前記車重を推定する構成にしたことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成する本発明のハイブリッド車両の制御方法は、走行中に、ディーゼルエンジンからクラッチ及びトランスミッションを経由してプロペラシャフトに伝達された駆動力、及び、モータージェネレーターから減速機構を経由して該プロペラシャフトに伝達された駆動力の少なくとも一方で走行するエンジン走行、アシスト走行、及びモータ走行のいずれかと、該ディーゼルエンジン及び該モータージェネレーターの駆動力を該プロペラシャフトに伝達しない惰性走行とを選択すると共に、前記モータ走行を選択した場合には、前記クラッチを切断状態にして前記ディーゼルエンジンを停止すると共に、前記ディーゼルエンジンの停止に伴って停止した第1パワステポンプの代わりに、前記プロペラシャフトから前記減速機構を介して伝達された回転動力で第2パワステポンプを駆動させてステアリングユニットにパワステフルードを供給するハイブリッド車両の制御方法であって、発進時に、前記モータージェネレーターから前記減速機構を経由して前記プロペラシャフトに伝達された駆動力で走行する前記モータ走行を選択し、前記モータ走行中に、前記モータージェネレーターの出力トルクと車両加速度とを取得し、発進時には、前記プロペラシャフトを経由して駆動輪に伝達される駆動力が走行抵抗に等しくなるとして、前記出力トルクと前記車両加速度とに基づいて車重を推定することを特徴とする方法である。
本発明のハイブリッド車両及びその制御方法によれば、モータージェネレーターの回転軸とプロペラシャフトとを減速機構を介して接続することで、従来よりも高速走行時における回生効率を向上することができる。
また、第2パワステポンプをプロペラシャフトに減速機構を介して接続し、第1パワステポンプの駆動が停止した場合のパワステフルードの供給源を第2パワステポンプに切り換えることで、第1パワステポンプの駆動が停止しても、ステアリングユニットへのパワステフルードの供給が常時維持されるので、操舵アシストが停止されることを回避でき、油圧式のステアリングユニットを搭載した大型車両でもモータージェネレーターの駆動力のみで走行するモータ走行を選択できる。
そして、モータ走行を選択可能になったことで、発進時にそのモータ走行を選択し、発進時には駆動輪に伝達される駆動力が走行抵抗に等しくなるものとして、そのモータ走行におけるモータージェネレーターの出力トルクと車両加速度とに基づいて車重を推定するようにしたので、車速が一定以上(例えば、50km/h〜60Km/h以上)に到達する前に車重を推定できる。また、発進直後に車重を推定するようにしたことで、走行抵抗のうちの転がり抵抗、空気抵抗、及び登坂抵抗のそれぞれを無効にして、変数を減らすことができるので、より高精度且つ単純に車重を推定できる。
これにより、発進直後から高精度に推定した車重に基づいて加速エネルギー量及び制動エネルギー量を予測して、モータージェネレーターの電力の収支制御を行うことができるので、燃費を向上できる。
本発明の実施形態からなるハイブリッド車両の構成図である。 図1の車載ネットワークや制御信号線を示す構成図である。 本発明の実施形態からなるハイブリッド車両の制御方法を説明するフロー図である。 急登坂路、急降坂路、及び緩降坂路をオートクルーズモードで走行した場合の車速、エンジントルク、モータージェネレータートルク、バッテリーの充電状態、及び標高の関係を例示した説明図である。 急降坂路、急登坂路、及び平坦路をオートクルーズモードで走行した場合の車速、エンジントルク、モータージェネレータートルク、バッテリーの充電状態、及び標高の関係を例示した説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発
明の実施形態からなるハイブリッド車両を示す。なお、図2の一点鎖線は、車載ネットワークや制御信号線を示している。
このハイブリッド車両(以下「HEV」という。)は、バスやトラックなどの大型車両であり、車両の運転状態に応じて複合的に制御されるディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33を有するハイブリッドシステムを備えている。また、このHEVは、パワステフルード51を利用してステアリング54の操舵をアシストするステアリングユニット53を有するパワーステアリングシステムを備えている。さらに、このHEVは、制御装置80に運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合に、オートクルーズモードを実行するように構成されている。
まず、HEVのハイブリッドシステムについて説明する。ディーゼルエンジン10においては、エンジン本体11に形成された複数(この例では6個)の気筒12内における燃料の燃焼により発生した熱エネルギーにより、クランクシャフト13が回転駆動される。このクランクシャフト13の回転動力は、流体継手14及び湿式多板クラッチ15(以下、クラッチ15という。)を通じてトランスミッション20に伝達される。なお、流体継手14及び湿式多板クラッチ15の代わりに、乾式クラッチを用いる場合もある。
トランスミッション20には、HEVの運転状態と予め設定されたマップデータとに基づいて決定された目標変速段へ自動的に変速するAMTが用いられている。このトランスミッション20は、入力された回転動力を複数段に変速可能な主変速機構21と、その主変速機構21から伝達された回転動力を低速段と高速段の2段に変速可能な副変速機構22とから構成されている。
トランスミッション20で変速された回転動力は、アウトプットシャフト23に連結するプロペラシャフト25を通じてデファレンシャル26に伝達され、ダブルタイヤからなる一対の駆動輪27にそれぞれ駆動力として分配される。
モータージェネレーター33は、インバーター34を通じてバッテリー35に電気的に接続されている。
これらのディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33は、制御装置80により制御される。具体的には、ディーゼルエンジン10は、回転数センサ86で検出されたエンジン回転数Neやアクセル開度センサ92で検出したアクセルペダルの踏み込み量に基づいて気筒12への燃料の噴射量や噴射タイミングが調節される。また、モータージェネレーター33は、バッテリー35の充電状態(SOC)などに応じてインバーター34の周波数やバッテリー35及びモータージェネレーター33の間の電流値が調節され、HEVの発進時や加速時には、モータージェネレーター33により駆動力の少なくとも一部をアシストする一方で、慣性走行時や制動時においては、モータージェネレーター33による回生発電を行って、余剰の運動エネルギーを電力に変換してバッテリー35に充電する。
そして、プロペラシャフト25とモータージェネレーター33の回転軸32とは、減速機構30を介して接続されている。この減速機構30は、モータージェネレーター33の回転軸32を入力軸とし、かつプロペラシャフト25を出力軸としている。つまり、減速機構30においては、モータージェネレーター33の回転数Nmに対するプロペラシャフト25の回転数Npの割合である減速比(Nm/Np)が1.0より大となる。なお、この減速比は、固定又は可変のいずれに設定されていてもよい。
この減速機構30を設けることで、高速走行中の慣性走行時において、トランスミッシ
ョン20のギア段にかかわらず、モータージェネレーター33の回生制動トルクを減速機構30により大きくすることができるため、回生効率を向上することができる。
また、車両のプロペラシャフト25に減速機構30を新たに取り付けるだけであり、パワートレインコンポーネントのレイアウトの変更が非常に小さくて済むため、既存の車両からの転用を従来よりも容易に行うことができる。
続いてHEVのパワースアリングシステムについて説明する。このパワーステアリングシステムにおいては、第1パワステポンプ40の駆動軸41がVベルト42またはギアを介してディーゼルエンジン10のクランクシャフト13に接続されており、ディーゼルエンジン10によって駆動された第1パワステポンプ40が、第1油圧回路43にパワステフルード44を圧送している。そして、ステアリングユニット53が、供給されたパワステフルード51を利用してステアリング54の操舵をアシストしている。なお、この実施形態のHEVは大型車両であるため、ステアリングユニット53として、出力が大きく、且つ操舵性及び信頼性に優れた油圧式のパワーシリンダを備えた油圧式のステアリングユニットを用いている。
そして、第2パワステポンプ45は、減速機構30を介してプロペラシャフト25に連結されている。また、パワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えるダブルチェックバルブ49、各種油圧回路(第1油圧回路43、第2油圧回路47及び主油圧回路50)、及びアキュムレーター52からなる切換装置により、ディーゼルエンジン10の停止に伴って第1パワステポンプ40が停止した場合には、ステアリングユニット53に供給されるパワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えている。
第1油圧回路43は、第1パワステポンプ40とダブルチェックバルブ49とを連通している。第2油圧回路47は、第2パワステポンプ45とダブルチェックバルブ49とを連通している。なお、第1油圧回路43の第1パワステポンプ40よりも上流側の端部及び第2油圧回路47の第2パワステポンプ45よりも上流側の端部は、パワステフルード44、48を貯留する図示しないリザーバタンクに接続されている。主油圧回路50は、ダブルチェックバルブ49とステアリングユニット53とを連通している。また、主油圧回路50の通路途中は分岐して、アキュムレーター52に接続されている。
第2パワステポンプ45の駆動軸46は、減速機構30を介してプロペラシャフト25に連結されており、具体的には、第2パワステポンプ45の減速機構30のプロペラシャフト25及びモータージェネレーター33を連結する第1動力伝達経路104とは別に配設された第2動力伝達経路105を介してプロペラシャフト25に連結されている。なお、第1動力伝達経路104及び第2動力伝達経路105は、ギア機構、ベルト機構、及びチェーン機構を例示できる。また、第2動力伝達経路105をプロペラシャフト25に連結自在に構成すると、第2パワステポンプ45を駆動しない場合に、プロペラシャフト25との連結を解除でき、その分、駆動損失を低減できる。
ダブルチェックバルブ49は、第1パワステポンプ40及び第2パワステポンプ45から供給されたパワステフルード44、48のうち圧力の高い方を、主油圧回路50を介して優先的にステアリングユニット53へ導出するバルブである。そのため、第2パワステポンプ45のパワステフルード48の設定吐出圧は、第1パワステポンプ40のパワステフルード44の設定吐出圧よりも小さくなるように設定されることが好ましい。具体的には第2パワステポンプ45にはリリーフ弁が設けられており、このリリーフ弁を調整することで、第2パワステポンプ45の設定吐出圧は第1パワステポンプ40の設定吐出圧よりも小さい値に調整されている。
アキュムレーター52は、第1パワステポンプ40及び第2パワステポンプ45から供給されダブルチェックバルブ49を経由したパワステフルード51(=44、48)を蓄積し、パワステフルード51の供給源がダブルチェックバルブ49で切り換えられるときに、その蓄積されたパワステフルード51をステアリングユニット53に供給する。このアキュムレーター52により、ステアリングユニット53に供給されるパワステフルード51の圧力が大きく変動することを抑制することができるので、ドライバビリティの悪化を回避できる。
このように、減速機構30を介して第2パワステポンプ45をプロペラシャフト25に連結し、さらに、切換装置によりパワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えることにより、走行中に第1パワステポンプ40からパワステフルード44が供給されない場合でも、減速機構30を介してプロペラシャフト25の回転動力によって駆動された第2パワステポンプ45から圧送されたパワステフルード48をステアリングユニット53へ供給することができる。これにより、走行中にディーゼルエンジン10を停止しても、走行中のステアリング54の操舵アシストが停止されることを回避できる。
なお、走行中に第1パワステポンプ40からパワステフルード44が供給されない場合は、例えば、ディーゼルエンジン10が停止する場合、第1パワステポンプ40が失陥する又は第1油圧回路43が破損するなどの状況に陥った場合、及び、HEVがモータージェネレーター33の駆動力のみで走行する場合を例示できる。
このようなHEVにおいて、制御装置80が、発進時には、モータージェネレーター33から減速機構30を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力で走行するモータ走行を選択する制御を行うように構成される。さらに、車重推定装置83が、発進時の駆動輪27に伝達される駆動力Fmが走行抵抗Rに等しくなるとして、発進時のモータ走行におけるモータージェネレーター33の出力トルクTmと、モータ用回転センサ36で取得した車両加速度(以下、加速度という)aとに基づいて車重Mを推定するように構成される。
前述した通り、HEVは、プロペラシャフト25をモータージェネレーター33の回転軸32と第2パワステポンプ45にそれぞれ接続する減速機構30を備えたことで、油圧式のステアリングユニット53を備えたHEVにおけるモータ走行を可能にしたものである。
走行抵抗Rは、HEVの走行時にHEVに掛かる抵抗のことであり、転がり抵抗Rr、空気抵抗Rd、登坂抵抗Rs、及び加速抵抗Raの合計である。駆動力Fmは、モータ走行時にモータージェネレーター33からHEVの駆動輪27に伝達される力のことである。
モータージェネレーター33の出力トルクTmは、車載ネットワークを介してインバーター34から取得でき、例えば、モータージェネレーター33の出力と定格回転数とから求まる定格出力トルクと、モータージェネレーター33の特性が設定されたマップデータから求まる周波数による低減率とから算出されている。
加速度aは、モータ用回転センサ36で検出されるHEVの発進直後の車速Vの変化量であり、具体的には、モータージェネレーター33の回転軸32の単位時間当たりの回転数の変化量である。なお、この実施形態では、加速度aを取得する加速度取得装置としてモータ用回転センサ36を用いたが、代わりに車輪速センサ84やGセンサ85を用いて
もよい。但し、車速Vが10km/h以下の極低速の場合の加速度aを取得するには、外乱の影響の少ないモータ用回転センサ36を用いることが好ましい。
HEVの発進直前には、この走行抵抗Rと駆動力Fmとが釣り合う、つまり等しく(R=Fm)になり、走行抵抗Rよりも駆動力Fmが大きくなる(Fm>R)とHEVが発進する。
そこで、制御装置80が発進時にはモータ走行を選択するようにして、車重推定装置83がモータ走行時のモータージェネレーター33の出力トルクTmを取得可能にすると共に、HEVの発進時に駆動力Fmが走行抵抗Rに等しくなることを利用して車重Mを推定するようにした。
なお、ここでいう発進時とは、モータ用回転センサ36が加速度aを取得するまでの間、つまりHEVが停止状態から発進して、予め設定された所定速度veに到達するまでの間の時間を示している。この所定速度veは、モータ用回転センサ36の性能に基づいて設定されており、実験や試験により予め求められている。この所定速度veは遅い速度に設定することで、発進時、つまり駆動力Fmが走行抵抗Rに等しくなる状況で車重Mを推定できるので、高精度化に有利になる。そのため、この所定速度veは、例えば、ゼロkm/h超、5km/h以下の速度が好ましく、ゼロkm/h超、2km/h以下の速度がより好ましい。
発進時の走行抵抗Rと駆動力Fmとを等しいとすると、車重Mは以下の数式(2)で表される。ここで、転がり抵抗係数をμr、重力加速度をg、空気抵抗係数をμd、HEVの前面投影面積をA、慣性相当重量係数(トランスミッション20、モータージェネレーター33、減速機構30、プロペラシャフト25、デファレンシャル26、及び駆動輪27からなる回転慣性を重量換算したものと車重Mとの割合)をφ、減速機構30のギアレシオをi、モータージェネレーター33から駆動輪27まで駆動力Fmの伝達効率をη、駆動輪27のタイヤ動半径をrとする。
HEVの発進時では、車速Vが低速、且つ加速度aを取得するまでの車速Vの変動が小さい場合には、つまり、車速Vが5km/h、あるいは2km/hになるまでは、転がり抵抗Rr、空気抵抗Rd、及び登坂抵抗Rsのそれぞれは無効にできる。従って、HEVの車重Mは、上記の数式(2)に基づいて以下の数式(1)で表される。
このHEVの制御方法を、図3に示すフローチャートに基づいて制御装置80の機能として以下に説明する。なお、この制御方法は、HEVの発進時に行われる方法であるが、HEVの車重Mが推定できていない、あるいは積荷の積み卸しで車重Mが変化した場合に限定して行うようにしてもよい。
まず、ステップS10で、運転者によりHEVの発進操作が行われると、制御装置80がその操作による発信指令を受信して、ステップS20へ進む。次いで、ステップS20では、制御装置80が、ディーゼルエンジン10の停止を維持してステップS30へ進む。HEVの停止中は、燃料の噴射の停止によりディーゼルエンジン10を停止すると共に、クラッチ15を切断状態にしている。ステップS20では、このアイドリングストップ状態を維持する。
次いで、ステップS30では、制御装置80が、インバーター34を介してモータージェネレーター33を回転駆動してステップS40へ進む。つまり、このステップS30では、モータ走行を選択し、そのモータ走行によりHEVが発進する。このとき、クラッチ用アクチュエーター120によりクラッチ15を切断状態にしておくことで、発進直後には出力の変動の大きいディーゼルエンジン10の影響を回避すると共に、流体継手14及びクラッチ15を考慮しない慣性相当重量係数φや伝達効率ηを用いることができ、より精度の向上に有利になる。
次いで、ステップS40では、制御装置80がモータ走行を維持してステップS50へ進む。次いで、ステップS50では、車速Vが予め設定された所定速度veになったか否かを判定する。このステップS50で、車速Vが所定速度ve未満の場合には、ステップS40へ戻り、車速Vが所定速度ve以上の場合には、ステップS60へ進む。
次いで、ステップS60では、車重推定装置83が、インバーター34からモータージェネレーター33の出力トルクTmを取得して、ステップS70へ進む。次いで、ステップS70では、車重推定装置83が、モータ用回転センサ36から加速度aを取得して、ステップS80へ進む。次いで、ステップS80では、車重推定装置83が、上記の数式(1)に取得した加速度aと出力トルクTmとを代入して、車重Mを推定して、この制御方法は完了する。なお、慣性相当重量係数φ、ギアレシオi、及び伝達効率ηのそれぞれは、予め実験や試験により求めておく。
なお、上記のステップS20では、ディーゼルエンジン10の停止を維持したが、クラッチ15を切断状態に維持したまま、ディーゼルエンジン10を始動するように制御してもよい。このように制御すると、車重Mを推定した後にクラッチ15を接続状態にするだけで、HEVをエンジン走行、あるいはアシスト走行で走行させることができ、ドライバビリティの向上に有利になる。
以上のような制御を行うようにしたので、車速Vが一定以上(例えば、50km/h〜60Km/h以上)に到達する前にモータージェネレーター33の出力トルクTmと加速度aとの二つのみを変数として、車重Mを高精度に推定することができる。また、HEVの発信時の極低速で走行するときに車重Mを推定するようにしたので、走行抵抗Rのうちの転がり抵抗Rr、空気抵抗Rd、及び登坂抵抗Rsのそれぞれを無効にして、変数を減らすことができるので、より高精度且つ単純に車重Mを推定できる。
なお、制御装置80は、車重推定装置83が車重Mを推定した後には、エンジン走行やアシスト走行を選択することが望ましい。
高精度に推定した車重Mを利用した制御としては、例えば、オートクルーズモードにおけるHEVの加速エネルギー及び制動エネルギーを予測した電力の収支制御がある。
続いてオートクルーズモードについて説明する。このオートクルーズモードは、特に高速道路を走行する際に使用されており、制御装置80に記憶されたプログラムが、運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合にHEVを自動走行させて予定通りに運行させるモードである。
具体的には、オートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合に、制御装置80が、エンジン走行、アシスト走行、モータ走行、及び惰性走行を、地図情報取得装置82で取得された勾配θを含む地図情報及び車重推定装置83で推定された車重Mに基づいて適時選択して、車輪速センサ84で取得された車速Vを予め設定された目標速度範囲に維持してHEVを自動走行させるモードである。
なお、オートクルーズモード中には、アクセル開度センサ92でアクセルペダルの踏み込みが検出されるとディーゼルエンジン10からの駆動力により加速させることもできる。また、ブレーキペダル開度センサ93でブレーキペダルの踏み込みが検出される、図示しないクラッチペダルの踏み込みが検出される、あるいは、オートクルーズ作動スイッチ81の投入が解除されると、オートクルーズモードは解除される。
目標速度範囲は、目標速度vaを基準とした上限速度vbと下限速度vcとの間の範囲のことである。これら目標速度va、上限速度vb、及び下限速度vcは、運転手が任意の値にそれぞれ設定でき、例えば、目標速度vaは70km/h以上、90km/h以下に設定され、上限速度vbは目標速度vaに対して0km/以上、+10km/h以下の速度に設定され、下限速度vcは目標速度vaに対して−10km/h以上、0km/h以下の速度に設定される。
地図情報取得装置82としては、制御装置80にそれぞれ接続された、衛星測位システム(GPS)と通信してHEVの現在位置を取得する手段と、三次元道路データが記憶されたサーバーと通信して走行路の勾配θ及び走行距離sを含む三次元道路データを取得する手段と、HEVがこれから走行する走行路の勾配θ及び走行距離sを抽出する手段とからなり、例えば、HEVの前方の1km以上、5km以下の走行路を、走行距離sを500mごとに区切り、その走行距離sごとの勾配θを取得する装置や、勾配θごとに区切りその勾配θごとの走行距離sを取得する装置を例示できる。
また、この地図情報取得装置82としては、少なくとも走行路の勾配θ及び走行距離sが取得できる機能を有するものであればその具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば、ドライブレコーダーに記憶された三次元道路データから走行路の勾配θ及び走行距離sを取得するものも例示できる。また、勾配θにおいては、車輪速センサ84や加速度センサ(Gセンサ)85との取得した値に基づいて算出してもよい。
このオートクルーズモードの制御方法を以下に制御装置80の機能として説明する。まず、HEVの走行中において運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入されると、制御装置80が、地図情報及び推定した車重Mに基づいて、車速Vが目標速度範囲に維持されるようにエンジン走行、アシスト走行、モータ走行、及び惰性走行のいずれかを適時選択する。
エンジン走行は、ディーゼルエンジン10からクラッチ15及びトランスミッション20を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力FeでHEVを走行させる。アシスト走行は、ディーゼルエンジン10からの駆動力Fe及びモータージェネレーター33から減速機構30を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力Fmの両方でHEVを走行させる。モータ走行は、クラッチ15を切断状態にしてモータージェネレーター33からの駆動力FmでHEVを走行させる。惰性走行は、ディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33の駆動力をプロペラシャフト25に伝達しない状態でHEVを走行させる。
この選択のときに、制御装置80が、地図情報及び車重Mに基づいて、アシスト走行で消費する電力、モータ走行で消費する電力、あるいは惰性走行の減速時に生じる電力を予測しておき、バッテリー35の充電状態Ceを適正範囲、つまり予め設定された低充電状態Cl以上、高充電状態Ch以下に維持するように、アシスト走行、モータ走行、及び惰性走行を選択する制御を行うように構成されることが望ましい。
高充電状態Chは、バッテリー35の充電状態が満放電を0%、満充電を100%とした場合には、50%以上、好ましくは60%以上の状態であり、低充電状態Clは、50%未満、好ましくは40%以下の状態である。なお、バッテリー35の充電状態Ceは、バッテリー35の種類により適正な運用範囲が定められており、例えば、高充電状態Ch及び低充電状態Clは、その運用範囲の上限値及び下限値に設定されてもよい。
このように、アシスト走行及びモータ走行で消費する電力と、惰性走行の減速時に生じる電力との収支を調節する電力収支制御を行うようにすると、バッテリー35の充電状態Ceを適正範囲に収めることができることに加えて、燃料の噴射によるディーゼルエンジン10の始動によるモータージェネレーター33の回生発電の機会を抑制できるので、より燃費を向上できる。
また、制御装置80は、モータ走行及び惰性走行中には、クラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジン10を停止する制御を行って、それらの走行中にはアイドリングストップ状態を維持している。
前述したように、ディーゼルエンジン10の停止に伴って第1パワステポンプ40が停止しても、プロペラシャフト25に連結された第2パワステポンプ45から、ステアリングユニット53にパワステフルード51を常時供給するので、HEVの走行中は、操舵アシストを停止することなくディーゼルエンジン10を停止できる。そこで、モータ走行中及び惰性走行中に、クラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射の停止によりディーゼルエンジン10を停止したアイドリングストップ状態にしたことで、モータ走行中及び惰性走行中の燃料消費量を削減できる。
また、モータ走行中及び惰性走行中にディーゼルエンジン10を停止するようにしたことで、排気バルブ70からの排気ガス71の排出を削減できるので、排気通路73に配置されて、排気バルブ70からエグゾーストマニホールド72を経由してタービン74を駆動した排気ガス71を浄化する排気ガス浄化装置75の浄化能力の低下を抑制できる。これにより、排気ガス浄化装置75の浄化能力が低下した場合に、HEVの駆動力に寄与しない燃料を噴射して排気ガス71の温度を上昇させて排気ガス浄化装置75の浄化能力を回復して再生する機会が低減するので、その再生に必要な燃料消費も削減できる。この排気ガス浄化装置75としては、例えば、排気ガス71中の粒子状物質を捕集する捕集装置を例示でき、モータ走行及び惰性走行中は、捕集装置への粒子状物質の堆積が抑制されるので、捕集装置の再生に必要な燃費を抑制できる。
加えて、モータ走行中及び惰性走行中にクラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジン10を停止する構成にしたことで、プロペラシャフト2
5の回転動力がディーゼルエンジン10の回転抗力により減少することも回避できるので、モータ走行中及び惰性走行中のエネルギーの損失を低減してより燃費を向上できる。
図4及び図5は、オートクルーズモードにおける車速V、ディーゼルエンジン10の出力トルクTe、モータージェネレーター33の出力トルクTm、バッテリー35の充電状態Ce、及び標高Hの関係の一例を示している。
図4に示すように、HEVの走行路は、急登坂路L3、急降坂路L1、及び緩降坂路L2が連続している。この急登坂路L3は、勾配θ3が急な上り坂であり、車体に加わる重力加速度による後進方向の力を含む走行抵抗により、エンジン走行、つまり、ディーゼルエンジン10の駆動力のみでは、トランスミッション20のギア段をダウンシフトしなければ車速Vが目標速度va未満又は下限速度vc未満になると予測される登坂路である。このような急登坂路L3としては、例えば、HEVの車重Mが25tの場合には、勾配θ3が3%以上で、走行距離s3が500m以上になる登坂路を例示できる。
急降坂路L1は、勾配θ1が急な下り坂であり、惰性走行をさせたと仮定した場合に車速Vが下限速度vc以上に維持されると予測される降坂路である。このような急降坂路L1としては、例えば、HEVの車重Mが25tの場合には、勾配θ1が2%以上で、走行距離s1が500m以上になる降坂路を例示できる。
緩降坂路L2は、下り坂ではあるが勾配θ2が緩く、車体に加わる重力加速度による前進方向の力だけでは走行抵抗に打ち勝てず、ディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33のいずれかの駆動力をプロペラシャフト25に付加しないと車速Vが下限速度vc未満になると予測される降坂路である。具体的には、惰性走行をさせたと仮定した場合に車速Vが下限速度vc未満になると予測され、かつ車速Vを目標速度vaに維持するようにエンジン走行又はアシスト走行させたと仮定した場合にディーゼルエンジン10の燃料消費率(SFC)Seが悪化すると予測される降坂路である。このような緩降坂路L2としては、例えば、HEVの車重Mが25tの場合には、勾配θ2が2%未満で、走行距離s2が500m以上になる降坂路を例示できる。
このような走行路の場合には、制御装置80が、地図情報取得装置82の取得した地図情報及び車重推定装置83が推定した車重Mに基づいて、急登坂路L3、急降坂路L1、及び緩降坂路L2が連続していると予測する。次いで、制御装置80が、ディーゼルエンジン10の燃料消費量を削減するように、かつバッテリー35の充電状態Ceを急登坂路L3の開始地点Aでは高充電状態Ch、惰性走行の開始地点Bでは低充電状態Cl、緩降坂路L2の開始地点Dでは高充電状態Chにそれぞれするように、急登坂路L3ではアシスト走行、急降坂路L1では惰性走行、緩降坂路L2ではモータ走行を選択する。
A地点からB地点までは、HEVをアシスト走行で走行させて、ディーゼルエンジン10の出力の増加を抑制すると共に、トランスミッション20をダウンシフトさせずに走行させる、あるいは一つ上のギア段で走行させるので、ディーゼルエンジン10のエンジン回転数Neを低回転側にして燃料消費量を削減する。また、急降坂路L1に到達する前、詳しくは、惰性走行が開始されるまでにバッテリー35の充電状態Ceを低充電状態Clにする。
次いで、B地点からD地点までは、HEVを惰性走行で走行させると共に、車速Vが上限速度vbを超えるC地点からモータージェネレーター33で回生発電する回生ブレーキを作動させることで、この区間における燃料消費量を削減する。また、緩降坂路L2に到達する前に、急登坂路L3で消費されたバッテリー35の充電状態Ceを回生ブレーキによる回生発電で高充電状態Chにする。
次いで、D地点からE地点までは、HEVをモータ走行で走行させて、エンジン走行やアシスト走行でディーゼルエンジンを低い負荷率で駆動して燃費が悪化することを回避して、その区間における燃料消費量を削減する。
図5に示すように、HEVの走行路は、急降坂路L1、急登坂路L3、及び平坦路L0が連続している。このような走行路の場合には、制御装置80が、地図情報及び車重Mに基づいて、急降坂路L1、急登坂路L3、及び平坦路L0が連続していると予測する。次いで、制御装置80が、ディーゼルエンジン10の燃料消費量を削減するように、かつバッテリー35の充電状態Ceを急登坂路L3の開始地点Bでは高充電状態Chにするように、急降坂路L1では惰性走行、急登坂路L3ではアシスト走行、平坦路L0ではエンジン走行を選択する。
A地点からB地点までは、HEVを惰性走行で走行させると共に、車速Vが上限速度vbを超えた地点からモータージェネレーター33で回生発電する回生ブレーキを作動させることで、この区間における燃料消費量を削減する。また、急登坂路L3に到達する前に、バッテリー35の充電状態Ceを高充電状態Chにする。
B地点からC地点までは、HEVをアシスト走行で走行させて、ディーゼルエンジン10の出力の増加を抑制すると共に、トランスミッション20をダウンシフトさせずに走行させる、あるいは一つ上のギア段で走行させるので、ディーゼルエンジン10のエンジン回転数Neを低回転側にして燃料消費量を削減する。
以上のような制御は、HEVの車重Mを高精度に推定することで可能となる。つまり、HEVの発進直後から高精度に推定した車重Mに基づいて加速エネルギー量及び制動エネルギー量を予測することが可能となり、ディーゼルエンジン10の燃料消費量を削減しつつ、モータージェネレーター33の電力の収支制御を行うことができるので、燃費を向上できる。
10 ディーゼルエンジン
15 クラッチ
20 トランスミッション
25 プロペラシャフト
26 デファレンシャル
27 駆動輪
30 減速機構
32 回転軸
33 モータージェネレーター
34 インバーター
36 モータ用回転センサ
40 第1パワステポンプ
45 第2パワステポンプ
49 ダブルチェックバルブ
53 ステアリングユニット
80 制御装置
81 オートクルーズ作動スイッチ
82 地図情報取得装置
83 車重推定装置

Claims (5)

  1. ディーゼルエンジンにクラッチを介して接続されたトランスミッション及び駆動輪を駆動するデファレンシャルを連結するプロペラシャフトと、該ディーゼルエンジン及びモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムと、該ディーゼルエンジンに連結された第1パワステポンプと、該第1パワステポンプから供給されたパワステフルードを利用してステアリングの操舵をアシストするステアリングユニットと、車重を推定する車重推定装置と、車両加速度を取得する加速度取得装置と、制御装置とを備えたハイブリッド車両において、
    前記プロペラシャフトと前記モータージェネレーターの回転軸とを、該モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつ該プロペラシャフトを出力軸として接続する減速機構と、該減速機構を介して該プロペラシャフトに連結される第2パワステポンプと、前記ディーゼルエンジンの停止に伴って前記第1パワステポンプが停止した場合には、前記ステアリングユニットに供給されるパワステフルードの供給源を該第1パワステポンプから該第2パワステポンプに切り換える切換装置と、
    前記制御装置を、発進時には、前記モータージェネレーターから前記減速機構を経由して前記プロペラシャフトに伝達された駆動力で走行するモータ走行を選択する制御を行う構成にし、
    さらに、前記車重推定装置を、発進時には前記駆動輪に伝達される駆動力が走行抵抗に等しくなるとして、前記モータ走行における前記モータージェネレーターの出力トルクと、前記加速度取得装置で取得した前記車両加速度とに基づいて前記車重を推定する構成にしたことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記車重推定装置を、前記車重をM、前記出力トルクをTm、前記車両加速度をa、前記減速機構のギアレシオをi、前記モータージェネレーターから前記駆動輪までの動力伝達経路の伝達効率をη、前記駆動輪のタイヤ動半径をr、慣性相当重量係数をφとして、以下の数式(1)を用いて前記車重を算出する構成にした請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記制御装置を、発進直後から前記加速度取得装置が前記車両加速度を取得するまでの間で、前記モータ走行を維持する構成にした請求項1に記載のハイブリッド車両。
  4. 地図情報を取得する地図情報取得装置と、車速を取得する車速取得装置とを備え、
    前記制御装置を、オートクルーズモードが設定された場合には、前記ディーゼルエンジンから前記クラッチ及び前記トランスミッションを経由して前記プロペラシャフトに伝達された駆動力、並びに、前記モータージェネレーターから前記減速機構を経由して該プロペラシャフトに伝達された駆動力の少なくとも一方で走行するエンジン走行、アシスト走行、及び前記モータ走行のいずれかと、該クラッチを切断状態にすると共に燃料の噴射の停止により該ディーゼルエンジンを停止して該ディーゼルエンジン及び該モータージェネレーターの駆動力を該プロペラシャフトに伝達しない惰性走行とを、前記地図情報、前記車重、並びに、前記エンジン走行、前記アシスト走行、前記モータ走行、及び前記惰性走行における電力の収支に基づいて適時選択して、前記車速を予め設定された目標速度範囲に維持する制御を行う構成にした請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両
  5. 走行中に、ディーゼルエンジンからクラッチ及びトランスミッションを経由してプロペラシャフトに伝達された駆動力、及び、モータージェネレーターから減速機構を経由して該プロペラシャフトに伝達された駆動力の少なくとも一方で走行するエンジン走行、アシスト走行、及びモータ走行のいずれかと、該ディーゼルエンジン及び該モータージェネレーターの駆動力を該プロペラシャフトに伝達しない惰性走行とを選択すると共に、
    前記モータ走行を選択した場合には、前記クラッチを切断状態にして前記ディーゼルエンジンを停止すると共に、前記ディーゼルエンジンの停止に伴って停止した第1パワステポンプの代わりに、前記プロペラシャフトから前記減速機構を介して伝達された回転動力で第2パワステポンプを駆動させてステアリングユニットにパワステフルードを供給するハイブリッド車両の制御方法であって、
    発進時に、前記モータージェネレーターから前記減速機構を経由して前記プロペラシャフトに伝達された駆動力で走行する前記モータ走行を選択し、
    前記モータ走行中に、前記モータージェネレーターの出力トルクと車両加速度とを取得し、
    発進時には、前記プロペラシャフトを経由して駆動輪に伝達される駆動力が走行抵抗に等しくなるとして、前記出力トルクと前記車両加速度とに基づいて車重を推定することを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108128301A (zh) * 2017-12-21 2018-06-08 潍柴动力股份有限公司 一种发动机功率调节方法、装置及电子设备
CN113859252A (zh) * 2021-10-29 2021-12-31 北汽福田汽车股份有限公司 车辆车重确定方法和装置

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