JP2016175496A - ハイブリッド車両及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードにおける操舵アシストを停止することなく、かつバッテリーの充電状態を適正範囲に維持しながら燃料消費量を削減して燃費を向上するハイブリッド車両及びその制御方法を提供する。【解決手段】プロペラシャフト25をモータージェネレーター33の回転軸32及び第2パワステポンプ45の駆動軸46のそれぞれに接続する減速機構30と、ステアリングユニット53へのパワステフルードの供給源を第2パワステポンプ45に切り換える切換装置とを備え、制御装置80を、急降坂路L1を予測し、急降坂路L1では惰性走行を選択すると共にその惰性走行の開始地点Bに到達するまでにアシスト走行又はモータ走行のどちらか一方を選択して、開始地点Bにおけるバッテリー35の充電状態Ceを低充電状態Clにする制御を行う構成にした。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両及びその制御方法に関し、より詳細には、従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードにおける操舵アシストを停止することなく、かつバッテリーの充電状態を適正範囲に維持しながら燃料消費量を削減して燃費を向上するハイブリッド車両及びその制御方法に関する。
近年、燃費向上及び環境対策などの観点から、車両の運転状態に応じて複合的に制御されるエンジン及びモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムを備えたハイブリッド車両(以下「HEV」という。)が注目されている。このHEVにおいては、車両の加速時や発進時には、モータージェネレーターによる駆動力のアシストが行われる一方で、慣性走行時や制動時にはモータージェネレーターによる回生発電が行われる(例えば、特許文献1を参照)。
このような、いわゆるパラレル型のHEVでは、モータージェネレーターは、通常はエンジンの回転動力を変速するトランスミッションのエンジン側から車両の駆動系に接続される。そのため、HEVの高速走行中(例えば、50〜90km/h)に慣性走行状態になった時は、トランスミッションは高速段に変速されているので、モータージェネレーターにおける回生制動トルクが小さくなって発電の高効率点から外れてしまうため、回生発電の効率を向上することが困難であるという問題があった。
また、モータージェネレーターを配置するために既存の車両のパワートレインコンポーネントのレイアウトの大幅な変更等が必要となるため、既存の車両をHEV化して転用することが容易ではないという問題もあった。
このような問題を解決するために、発明者は、車両のプロペラシャフトとモータージェネレーターの回転軸とを、モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつプロペラシャフトを出力軸とする減速機構を介して接続することを考案した。
また、発明者は、その新たに考案したHEVの燃費を向上するために、詳しくはHEV化したバスやトラックなどの大型車両の燃費を向上するために、オートクルーズモードにおける燃料消費量に着目した。
オートクルーズモードでは、エンジンの駆動力で走行するエンジン走行、エンジン及びモータージェネレーターの両方の駆動力で走行するアシスト走行、モータージェネレーターの駆動力で走行するモータ走行、並びに、エンジン及びモータージェネレーターの駆動力を付与しない惰性走行を適時選択して、車速を目標速度に維持している。
しかしながら、バスやトラックなどの大型車両においては、運転者の操舵を補助するステアリングユニット(パワーステアリング)として、出力、操舵性、及び信頼性の観点から油圧式のステアリングユニットが採用されており、走行中は、この油圧式のステアリングユニットに、エンジンの駆動力が伝達されて駆動するパワステポンプから常時パワステフルードを供給する必要がある。そのため、モータ走行中や惰性走行中には、エンジンを停止できないために、燃料消費量を削減できないという問題があった。
また、車体に加わる重力加速度による前進方向の力だけで加速できる急降坂路が長く続く場合に、HEVの車速が目標速度よりも速くなったときには、エンジンブレーキやフッ
トブレーキなどによる制動力で目標速度を維持しようとするので、これらによるエネルギー損失が発生して、燃費が悪化するという問題があった。
さらに、この燃費の悪化を解消するために、急降坂路ではモータージェネレーターで回生発電する回生ブレーキを優先的に作動させるようにするには、そのような急降坂路の開始地点に到達するまでに、バッテリーの充電状態を低い状態にする必要があるという問題もあった。
特開2002−238105号公報
本発明の目的は、従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードにおける操舵アシストを停止することなく、かつバッテリーの充電状態を適正範囲に維持しながら燃料消費量を削減して燃費を向上することができるハイブリッド車両及びその制御方法を提供することである。
上記の目的を達成する本発明のハイブリッド車両は、ディーゼルエンジンにクラッチを介して接続されたトランスミッション及び駆動輪を駆動するデファレンシャルを連結するプロペラシャフトと、該ディーゼルエンジン及びバッテリーに電気的に接続されたモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムと、該ディーゼルエンジンに連結された第1パワステポンプと、該第1パワステポンプから供給されたパワステフルードを利用してステアリングの操舵をアシストするステアリングユニットと、地図情報を取得する地図情報取得装置と、車重を推定する車重推定装置と、車速を取得する車速取得装置と、制御装置とを備えたハイブリッド車両において、前記プロペラシャフトと前記モータージェネレーターの回転軸とを、該モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつ該プロペラシャフトを出力軸として接続する減速機構と、該減速機構を介して該プロペラシャフトに連結される第2パワステポンプと、前記ディーゼルエンジンの停止に伴って前記第1パワステポンプが停止した場合には、前記ステアリングユニットに供給されるパワステフルードの供給源を該第1パワステポンプから該第2パワステポンプに切り換える切換装置とを備え、前記制御装置を、前記車速を予め設定された目標速度範囲に維持するオートクルーズモードが設定された場合に、前記ディーゼルエンジン及び前記モータージェネレーターの駆動力を前記プロペラシャフトに伝達しない惰性走行を前記地図情報及び前記車重に基づいて選択したときは、該惰性走行中に前記クラッチを切断状態にすると共に燃料の噴射の停止により前記ディーゼルエンジンを停止する制御を行うことに加えて、前記惰性走行中の少なくとも一部の区間で、前記モータージェネレーターにより回生発電して回生ブレーキを作動させたと仮定したときに、前記車速を予め設定された目標速度範囲の上限速度以下に維持する急降坂路を前記地図情報及び前記車重に基づいて予測する制御を行い、さらに、予測した前記急降坂路では前記惰性走行を選択すると共に、該惰性走行の開始地点に到達するまでに、少なくとも前記モータージェネレーターから前記減速機構を経由して前記プロペラシャフトに伝達された駆動力で走行するアシスト走行又はモータ走行のどちらか一方を選択して、該開始地点における前記バッテリーの充電状態を満放電状態以上、半充電状態以下に設定された低充電状態にする制御を行う構成にしたことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成する本発明のハイブリッド車両の制御方法は、オートクルーズモードが設定された場合には、ディーゼルエンジンからクラッチ及びトランスミッション
を経由してプロペラシャフトに伝達する駆動力で走行するエンジン走行と、該ディーゼルエンジンの駆動力及びバッテリーに電気的に接続されたモータージェネレーターから減速機構を経由して該プロペラシャフトに伝達する駆動力の両方で走行するアシスト走行と、該モータージェネレーターの駆動力で走行するモータ走行と、該ディーゼルエンジン及び該モータージェネレーターの駆動力を該プロペラシャフトに伝達しない惰性走行とを、地図情報及び車重に基づいて適時選択して、車速を予め設定された目標速度範囲に維持して自動走行すると共に、前記惰性走行を選択した場合には、前記クラッチを切断状態にして前記ディーゼルエンジンを停止すると共に、該ディーゼルエンジンの停止に伴って停止した第1パワステポンプの代わりに、前記プロペラシャフトから前記減速機構を介して伝達された回転動力で第2パワステポンプを駆動させてステアリングユニットにパワステフルードを供給するハイブリッド車両の制御方法であって、前記惰性走行中の少なくとも一部の区間で前記モータージェネレーターにより回生発電して回生ブレーキを作動させたと仮定した場合に、前記車速を前記目標速度範囲の上限速度以下に維持する急降坂路を前記地図情報及び前記車重に基づいて予測し、前記急降坂路では前記惰性走行を選択すると共に、該惰性走行の開始地点に到達するまでに、前記アシスト走行又は前記モータ走行のどちらか一方を選択して、該開始地点における前記バッテリーの充電状態を満放電状態以上、半充電状態以下に設定された低充電状態にすることを特徴とする方法である。
本発明のハイブリッド車両及びその制御方法によれば、モータージェネレーターの回転軸とプロペラシャフトとを減速機構を介して接続することで、従来よりも高速走行時における回生効率を向上することができる。
また、第2パワステポンプをプロペラシャフトに減速機構を介して接続し、第1パワステポンプの駆動が停止した場合のパワステフルードの供給源を第2パワステポンプに切り換えることで、第1パワステポンプの駆動が停止しても、ステアリングユニットへのパワステフルードの供給が常時維持されるので、操舵アシストが停止されることを回避できる。
加えて、オートクルーズモードでの惰性走行中は、クラッチを切断状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジンを停止してアイドリングストップ状態にするようにしたので、惰性走行中の燃料消費量を削減できる。
さらに、惰性走行中の少なくとも一部の区間でモータージェネレーターにより回生発電して回生ブレーキを作動させたと仮定した場合に、車速を上限速度以下に維持可能な急降坂路を予測し、その急降坂路における惰性走行の開始地点までに、バッテリーの充電状態を低充電状態にするようにしたので、実際に急降坂路の惰性走行中には、モータージェネレーターを回生発電する回生ブレーキの作動機会を増加することができる。
これにより、急降坂路でエンジンブレーキやフットブレーキの作動時に無駄に消費されるエネルギーの損失を回避でき、かつモータージェネレーターの発電のためのディーゼルエンジンの駆動による燃料消費量を抑制できるので、燃費を向上することができる。
そのうえ、惰性走行の開始地点まではアシスト走行又はモータ走行を選択するようにしたので、バッテリーに充電された電力によりモータージェネレーターを回転駆動して、ディーゼルエンジンの出力を抑制したり、エンジン回転数を低回転側にしたりできるので、急降坂路以外の走行時の燃料消費量を削減できる。
本発明の実施形態からなるハイブリッド車両の構成図である。 図1の車載ネットワークや制御信号線を示す構成図である。 本発明の実施形態からなるハイブリッド車両の制御方法を説明するフロー図である。 平坦路及び急降坂路をオートクルーズモードで走行した場合の、車速、エンジントルク、モータージェネレータートルク、バッテリーの充電状態、及び標高との関係を例示した説明図である。 急登坂路及び急降坂路をオートクルーズモードで走行した場合の、車速、エンジントルク、モータージェネレータートルク、バッテリーの充電状態、及び標高との関係を例示した説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態からなるハイブリッド車両を示す。なお、図2の一点鎖線は、車載ネットワークや制御信号線を示している。
このハイブリッド車両(以下「HEV」という。)は、バスやトラックなどの大型車両であり、車両の運転状態に応じて複合的に制御されるディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33を有するハイブリッドシステムを備えている。また、このHEVは、パワステフルード51を利用してステアリング54の操舵をアシストするステアリングユニット53を有するパワーステアリングシステムを備えている。さらに、このHEVは、制御装置80に運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合に、オートクルーズモードを実行するように構成されている。
まず、HEVのハイブリッドシステムについて説明する。ディーゼルエンジン10においては、エンジン本体11に形成された複数(この例では6個)の気筒12内における燃料の燃焼により発生した熱エネルギーにより、クランクシャフト13が回転駆動される。このクランクシャフト13の回転動力は、流体継手14及び湿式多板クラッチ15(以下、クラッチ15という。)を通じてトランスミッション20に伝達される。なお、流体継手14及び湿式多板クラッチ15の代わりに、乾式クラッチを用いる場合もある。
トランスミッション20には、HEVの運転状態と予め設定されたマップデータとに基づいて決定された目標変速段へ自動的に変速するAMTが用いられている。このトランスミッション20は、入力された回転動力を複数段に変速可能な主変速機構21と、その主変速機構21から伝達された回転動力を低速段と高速段の2段に変速可能な副変速機構22とから構成されている。
トランスミッション20で変速された回転動力は、アウトプットシャフト23に連結するプロペラシャフト25を通じてデファレンシャル26に伝達され、ダブルタイヤからなる一対の駆動輪27にそれぞれ駆動力として分配される。
モータージェネレーター33は、インバーター34を通じてバッテリー35に電気的に接続されている。
これらのディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33は、制御装置80により制御される。具体的には、ディーゼルエンジン10は、回転数センサ86で検出されたエンジン回転数Neやアクセル開度センサ92で検出したアクセルペダルの踏み込み量に基づいて気筒12への燃料の噴射量や噴射タイミングが調節される。また、モータージェネレーター33は、バッテリー35の充電状態(SOC)などに応じてインバーター34の周波数やバッテリー35及びモータージェネレーター33の間の電流値が調節され、HEVの発進時や加速時には、モータージェネレーター33により駆動力の少なくとも一部をアシストする一方で、慣性走行時や制動時においては、モータージェネレーター33による回生発電を行って、余剰の運動エネルギーを電力に変換してバッテリー35に充電する。
そして、プロペラシャフト25とモータージェネレーター33の回転軸32とは、減速機構30を介して接続されている。この減速機構30は、モータージェネレーター33の回転軸32を入力軸とし、かつプロペラシャフト25を出力軸としている。つまり、減速機構30においては、モータージェネレーター33の回転数Nmに対するプロペラシャフト25の回転数Npの割合である減速比(Nm/Np)が1.0より大となる。なお、この減速比は、固定又は可変のいずれに設定されていてもよい。
この減速機構30を設けることで、高速走行中の慣性走行時において、トランスミッション20のギア段にかかわらず、モータージェネレーター33の回生制動トルクを減速機構30により大きくすることができるため、回生効率を向上することができる。
また、車両のプロペラシャフト25に減速機構30を新たに取り付けるだけであり、パワートレインコンポーネントのレイアウトの変更が非常に小さくて済むため、既存の車両からの転用を従来よりも容易に行うことができる。
続いてHEVのパワースアリングシステムについて説明する。このパワーステアリングシステムにおいては、第1パワステポンプ40の駆動軸41がVベルト42またはギアを介してディーゼルエンジン10のクランクシャフト13に接続されており、ディーゼルエンジン10によって駆動された第1パワステポンプ40が、第1油圧回路43にパワステフルード44を圧送している。そして、ステアリングユニット53が、供給されたパワステフルード51を利用してステアリング54の操舵をアシストしている。なお、この実施形態のHEVは大型車両であるため、ステアリングユニット53として、出力が大きく、且つ操舵性及び信頼性に優れた油圧式のパワーシリンダを備えた油圧式のステアリングユニットを用いている。
そして、第2パワステポンプ45は、減速機構30を介してプロペラシャフト25に連結されている。また、パワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えるダブルチェックバルブ49、各種油圧回路(第1油圧回路43、第2油圧回路47及び主油圧回路50)、及びアキュムレーター52からなる切換装置により、ディーゼルエンジン10の停止に伴って第1パワステポンプ40が停止した場合には、ステアリングユニット53に供給されるパワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えている。
第1油圧回路43は、第1パワステポンプ40とダブルチェックバルブ49とを連通している。第2油圧回路47は、第2パワステポンプ45とダブルチェックバルブ49とを連通している。なお、第1油圧回路43の第1パワステポンプ40よりも上流側の端部及び第2油圧回路47の第2パワステポンプ45よりも上流側の端部は、パワステフルード44、48を貯留する図示しないリザーバタンクに接続されている。主油圧回路50は、ダブルチェックバルブ49とステアリングユニット53とを連通している。また、主油圧回路50の通路途中は分岐して、アキュムレーター52に接続されている。
第2パワステポンプ45の駆動軸46は、減速機構30を介してプロペラシャフト25に連結されており、具体的には、第2パワステポンプ45の減速機構30のプロペラシャフト25及びモータージェネレーター33を連結する第1動力伝達経路104とは別に配設された第2動力伝達経路105を介してプロペラシャフト25に連結されている。なお、第1動力伝達経路104及び第2動力伝達経路105は、ギア機構、ベルト機構、及びチェーン機構を例示できる。また、第2動力伝達経路105をプロペラシャフト25に連結自在に構成すると、第2パワステポンプ45を駆動しない場合に、プロペラシャフト25との連結を解除でき、その分、駆動損失を低減できる。
ダブルチェックバルブ49は、第1パワステポンプ40及び第2パワステポンプ45から供給されたパワステフルード44、48のうち圧力の高い方を、主油圧回路50を介して優先的にステアリングユニット53へ導出するバルブである。そのため、第2パワステポンプ45のパワステフルード48の設定吐出圧は、第1パワステポンプ40のパワステフルード44の設定吐出圧よりも小さくなるように設定されることが好ましい。具体的には第2パワステポンプ45にはリリーフ弁が設けられており、このリリーフ弁を調整することで、第2パワステポンプ45の設定吐出圧は第1パワステポンプ40の設定吐出圧よりも小さい値に調整されている。
アキュムレーター52は、第1パワステポンプ40及び第2パワステポンプ45から供給されダブルチェックバルブ49を経由したパワステフルード51(=44、48)を蓄積し、パワステフルード51の供給源がダブルチェックバルブ49で切り換えられるときに、その蓄積されたパワステフルード51をステアリングユニット53に供給する。このアキュムレーター52により、ステアリングユニット53に供給されるパワステフルード51の圧力が大きく変動することを抑制することができるので、ドライバビリティの悪化を回避できる。
このように、減速機構30を介して第2パワステポンプ45をプロペラシャフト25に連結し、さらに、切換装置によりパワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えることにより、走行中に第1パワステポンプ40からパワステフルード44が供給されない場合でも、減速機構30を介してプロペラシャフト25の回転動力によって駆動された第2パワステポンプ45から圧送されたパワステフルード48をステアリングユニット53へ供給することができる。これにより、走行中にディーゼルエンジン10を停止しても、走行中のステアリング54の操舵アシストが停止されることを回避できる。
なお、走行中に第1パワステポンプ40からパワステフルード44が供給されない場合は、例えば、ディーゼルエンジン10が停止する場合、第1パワステポンプ40が失陥する又は第1油圧回路43が破損するなどの状況に陥った場合、及び、HEVがモータージェネレーター33の駆動力のみで走行する場合を例示できる。
続いてオートクルーズモードについて説明する。このオートクルーズモードは、特に高速道路を走行する際に使用されており、制御装置80に記憶されたプログラムが、運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合にHEVを自動走行させて予定通りに運行させるモードである。
具体的には、オートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合に、制御装置80が、エンジン走行、アシスト走行、モータ走行、及び惰性走行を、地図情報取得装置82で取得された地図情報及び車重推定装置83で推定された車重Mに基づいて適時選択して、車輪速センサ84で取得された車速Vを予め設定された目標速度範囲に維持してHEVを自動走行させるモードである。
なお、オートクルーズモード中には、アクセル開度センサ92でアクセルペダルの踏み込みが検出されるとディーゼルエンジン10からの駆動力により加速させることもできる。また、ブレーキペダル開度センサ93でブレーキペダルの踏み込みが検出される、図示しないクラッチペダルの踏み込みが検出される、あるいは、オートクルーズ作動スイッチ81の投入が解除されると、オートクルーズモードは解除される。
目標速度範囲は、目標速度vaを基準とした上限速度vbと下限速度vcとの間の範囲のことである。これら目標速度va、上限速度vb、及び下限速度vcは、運転手が任意の値にそれぞれ設定でき、例えば、目標速度vaは70km/h以上、90km/h以下に設定され、上限速度vbは目標速度vaに対して0km/以上、+10km/h以下の速度に設定され、下限速度vcは目標速度vaに対して−10km/h以上、0km/h以下の速度に設定される。
地図情報取得装置82としては、制御装置80にそれぞれ接続された、衛星測位システム(GPS)と通信してHEVの現在位置を取得する手段と、三次元道路データが記憶されたサーバーと通信して走行路の勾配θ及び走行距離sを含む三次元道路データを取得する手段と、HEVがこれから走行する走行路の勾配θ及び走行距離sを抽出する手段とからなり、例えば、HEVの前方の1km以上、5km以下の走行路を、走行距離sを500mごとに区切り、その走行距離sごとの勾配θを取得する装置や、勾配θごとに区切りその勾配θごとの走行距離sを取得する装置を例示できる。
また、この地図情報取得装置82としては、少なくとも走行路の勾配θ及び走行距離sが取得できる機能を有するものであればその具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば、ドライブレコーダーに記憶された三次元道路データから走行路の勾配θ及び走行距離sを取得するものも例示できる。また、勾配θにおいては、車輪速センサ84や加速度センサ(Gセンサ)85との取得した値に基づいて算出してもよい。
車重推定装置83としては、制御装置80に記憶されて、制御装置80により発進加速時のモータ走行が行われたときに車重Mを推定するプログラム、具体的には、駆動輪27に伝達される駆動力Fmが走行抵抗Rに等しくなるとして、発進加速時のモータ走行におけるインバーター34で取得したモータージェネレーター33の出力トルクTmと、モータージェネレーター33の回転数を取得するモータ用回転センサ36で取得した車両加速度(以下、加速度)aとに基づいて、車重Mを推定するプログラムを例示できる。
この車重推定装置83としては、HEVの車重Mが推定できる機能を有するものであればその具体的構成は特に限定されるものではないが、モータ走行による発進加速時の出力トルクTmと加速度aとに基づいて車重Mを推定する構成にすると、車速Vが低速度(30km/h以下の速度)でも車重Mを推定でき、かつ、走行抵抗Rのうちの転がり抵抗Rr、空気抵抗Rd、及び登坂抵抗Rsのそれぞれを無効にして、変数を減らすことができるので、より高精度且つ単純に車重Mを推定できる。なお、モータ走行による発進加速時は、HEVの後退時も含む。
このオートクルーズモードの制御方法を以下に制御装置80の機能として説明する。まず、HEVの走行中において運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入されると、制御装置80が、地図情報及び推定した車重Mに基づいて、車速Vが目標速度範囲に維持されるようにエンジン走行、アシスト走行、モータ走行、及び惰性走行のいずれかを適時選択する。
エンジン走行は、ディーゼルエンジン10からクラッチ15及びトランスミッション20を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力FeでHEVを走行させる。アシスト走行は、ディーゼルエンジン10からの駆動力Fe及びモータージェネレーター33から減速機構30を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力Fmの両方でHEVを走行させる。モータ走行は、クラッチ15を切断状態にしてモータージェネレーター33からの駆動力FmでHEVを走行させる。惰性走行は、ディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33の駆動力をプロペラシャフト25に伝達しない状態でHEVを走行させる。
また、制御装置80は、惰性走行中には、クラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジン10を停止する制御を行って、その惰性走行中にはアイドリングストップ状態を維持している。
前述したように、ディーゼルエンジン10の停止に伴って第1パワステポンプ40が停止しても、プロペラシャフト25に連結された第2パワステポンプ45から、ステアリングユニット53にパワステフルード51を常時供給するので、HEVの走行中は、操舵アシストを停止することなくディーゼルエンジン10を停止できる。そこで、惰性走行中に、クラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射の停止によりディーゼルエンジン10を停止したアイドリングストップ状態にしたことで、惰性走行中の燃料消費量を削減できる。
また、惰性走行中にディーゼルエンジン10を停止するようにしたことで、排気バルブ70からの排気ガス71の排出を削減できるので、排気通路73に配置されて、排気バルブ70からエグゾーストマニホールド72を経由してタービン74を駆動した排気ガス71を浄化する排気ガス浄化装置75の浄化能力の低下を抑制できる。これにより、排気ガス浄化装置75の浄化能力が低下した場合に、HEVの駆動力に寄与しない燃料を噴射して排気ガス71の温度を上昇させて排気ガス浄化装置75の浄化能力を回復して再生する機会が低減するので、その再生に必要な燃料消費も削減できる。この排気ガス浄化装置75としては、例えば、排気ガス71中の粒子状物質を捕集する捕集装置を例示でき、モータ走行及び惰性走行中は、捕集装置への粒子状物質の堆積が抑制されるので、捕集装置の再生に必要な燃費を抑制できる。
加えて、惰性走行中にクラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジン10を停止する構成にしたことで、プロペラシャフト25の回転動力がディーゼルエンジン10の回転抗力により減少することも回避できるので、モータ走行中及び惰性走行中のエネルギーの損失を低減してより燃費を向上できる。
また、制御装置80が、モータ走行中にクラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射の停止によりディーゼルエンジン10を停止する制御を行ってもよい。
このように、モータ走行も惰性走行と同様に、ディーゼルエンジン10を停止することで、モータ走行中の燃料消費量を削減でき、かつ排気ガス浄化装置75の浄化能力の低下を抑制できるので、より燃費を向上することができる。
このようなHEVにおいて、制御装置80が、惰性走行中の少なくとも一部の区間で回生ブレーキを作動させたと仮定した場合に、車速Vを上限速度vb以下に維持可能な急降坂路L1を地図情報及び車重Mに基づいて予測する制御を行うように構成される。さらに、制御装置80が、その急降坂路L1では惰性走行を選択すると共に、その惰性走行の開始地点に到達するまでに、アシスト走行又はモータ走行のどちらか一方を選択して、開始地点におけるバッテリー35の充電状態Ceを満放電状態(0%)以上、半充電状態(50%)未満に設定された低充電状態Clにする制御を行うように構成される。
急降坂路L1は、勾配θ1が急な下り坂であり、車体に加わる重力加速度による前進方向の力が走行抵抗以上になり、ディーゼルエンジン10を停止した惰性走行をさせたと仮定した場合に車速Vを下限速度vc以上に維持すると予測され、しかも、その惰性走行中に少なくとも一部の区間で回生ブレーキを作動させたと仮定した場合に、車速Vを上限速
度vb以下に維持可能と予測される降坂路である。このような急降坂路L1としては、例えば、HEVの車重Mが25tの場合には、勾配θ1が2%以上で、走行距離s1が500m以上になる降坂路を例示できる。
高充電状態Chは、バッテリー35の充電状態が満放電を0%、満充電を100%とした場合には、50%以上、好ましくは60%以上の状態であり、低充電状態Clは、50%未満、好ましくは40%以下の状態である。なお、バッテリー35の充電状態Ceは、バッテリー35の種類により適正な運用範囲が定められており、例えば、高充電状態Ch及び低充電状態Clは、その運用範囲の上限値及び下限値に設定されてもよい。
惰性走行の開始地点は、急降坂路L1の開始地点やその開始地点よりも手前の位置に設定することができる。オートクルーズモードにおいては、急降坂路L1の開始地点で車速Vが下限速度vcになっても、その後に車体に加わる重力加速度による前進方向の力で加速できれば、車速Vが目標速度範囲に維持できるので、惰性走行の開始地点は、急降坂路L1の開始地点よりも手前の位置にも設定できる。
このHEVのオートクルーズモードにおける制御方法を、図3のフローチャートに基づいて制御装置80の機能として以下に説明する。なお、この制御方法は、HEVの走行中において運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入されて、急降坂路L1の手前の平坦路L0(勾配θ0、走行距離s0)をオートクルーズモードで走行中に行われるものとする。
まず、ステップS10では、制御装置80が、勾配θ1及び走行距離s1を含む地図情報並びに推定した車重Mに基づいて、平坦路L0の次に急降坂路L1があるか否かを予測する。このステップS10で平坦路L0の次に急降坂路L1が無いと予測するとこの制御方法が完了し、急降坂路L1があると予測するとステップS20へ進む。
次いで、ステップS20では、制御装置80が、バッテリー35の充電状態Ceを取得し、この充電状態Ceが低充電状態Cl以下か否かを判定する。このステップS20で充電状態Ceが低充電状態Cl以下の場合はこの制御方法が完了し、充電状態Ceが低充電状態Cl超の場合はステップS30へ進む。
次いで、ステップS30では、制御装置80が、バッテリー35に充電された電力によりモータージェネレーター33を回転駆動して、ステップS40へ進む。このステップS30では、例えば、平坦路L0の場合には、ディーゼルエンジン10の出力を落として、好ましくはディーゼルエンジン10を停止したモータ走行によりバッテリー35を放電する。また、平坦路L0の代わりに急登坂路L3が急降坂路L1の手前にある場合には、モータージェネレーター33からの駆動力を増加して、ディーゼルエンジン10の出力を低下させるアシスト走行によりバッテリー35を放電する。
次いで、ステップS40では、制御装置80が、地図情報に基づいて惰性走行の開始地点まで到達したか否かを判定する。このステップS40で開始地点に到達していない場合には、ステップS30へ戻って、モータージェネレーター33の回転駆動を維持し、開始地点に到達した場合にはステップS50へ進む。
次いで、ステップS50では、制御装置80が、開始地点から惰性走行を実施して、かつ少なくとも一部の区間では回生ブレーキを作動させて、この制御方法は完了する。
図4及び図5は、オートクルーズモードにおける車速V、ディーゼルエンジン10の出力トルクTe、モータージェネレーター33の出力トルクTm、バッテリー35の充電状
態Ce、及び標高Hの関係の一例を示している。
図4に示すように、平坦路L0をエンジン走行で走行しているときに、A地点でステップS10〜ステップS20が行われる。ここで、B地点を惰性走行の開始地点(急降坂路L1の開始地点)と予測し、かつバッテリー35の充電状態Ceが低充電状態Cl超と判定する。そして、A地点からステップS30が行われ、クラッチ15を切断状態にすると共にディーゼルエンジン10を停止する一方で、モータージェネレーター33を回転駆動したモータ走行を実施する。
A地点からB地点までの間にステップS30が継続されて、B地点で、モータージェネレーター33の回転駆動によるバッテリー35の電力の消費により、バッテリー35の充電状態Ceが低充電状態Clになり、ステップS40が行われる。そして、B地点からステップS50が行われる。
図5に示すように、急登坂路L3をアシスト走行で走行しているときに、A地点でステップS10〜ステップS20が行われる。ここで、B地点を惰性走行の開始地点及びC地点を急降坂路L1の開始地点とそれぞれ予測し、かつバッテリー35の充電状態Ceが低充電状態Cl超と判定する。そして、A地点からステップS30が行われ、ディーゼルエンジン10の出力を小さくする一方で、モータージェネレーター33の出力を大きくしたアシスト走行を実施する。
A地点からB地点までの間にステップS30が継続されて、B地点で、モータージェネレーター33の回転駆動によるバッテリー35の電力の消費により、バッテリー35の充電状態Ceが低充電状態Clになり、ステップS40が行われる。そして、B地点からステップS50が行われて、C地点までは、車速Vが下限速度vcまで減速し、C地点から車速Vが増速する。
このような制御を行うようにしたので、惰性走行の開始地点Bまでに、バッテリー35の充電状態Ceを低充電状態Clにして、急降坂路L1の惰性走行中には、モータージェネレーター33により回生発電した回生ブレーキの作動機会を増加することができる。
つまり、バッテリー35に電力を充電できる機会を予測し、言い換えれば、惰性走行中に回生ブレーキにより回生発電しながら車速Vを上限速度vb以下に維持できる機会を予測し、その前にモータージェネレーター33を回転駆動してバッテリー35の充電状態Ceを低充電状態Clにしておくことで、バッテリー35の充電状態Ceを適正範囲に維持しながら、急降坂路L1における回生ブレーキの機会を増やすことができる。
これにより、急降坂路L1でエンジンブレーキやフットブレーキの作動時に無駄に消費されるエネルギーの損失を回避でき、かつモータージェネレーター33の発電のためのディーゼルエンジン10の駆動による燃料消費量を抑制できるので、燃費を向上することができる。
また、惰性走行の開始地点Bまではアシスト走行又はモータ走行を選択し、バッテリー35に充電された電力によりモータージェネレーター33を回転駆動して、ディーゼルエンジン10の出力を抑制したり、エンジン回転数Neを低回転側にしたりするので、急降坂路L1以外の走行時の燃料消費量を削減できる。
図4ではC地点で、図5ではD地点で、車体に加わる重力加速度による前進方向の力により車速Vが上限速度vbになると、制御装置80が、モータージェネレーター33で回生発電する回生ブレーキを作動させる。これにより、バッテリー35に発電による電力が
充電されると共に重力加速度により前進方向の力と、走行抵抗及び回生ブレーキによる制動力とが釣り合うことで、車速Vは上限速度vbに維持される。
回生ブレーキは、制御装置80がインバーター34を制御してモータージェネレーター33を発電機として作動させ、プロペラシャフト25の回転動力をモータージェネレーター33の回生による発電で電力に変換するブレーキである。
このように、上記のHEVにおいては、制御装置80が、急降坂路L1では、惰性走行中に車速Vが上限速度vbを超えて減速する場合には、複数のブレーキのうちの回生ブレーキを最初に作動させる制御を行うように構成されることが望ましい。このような制御により、急降坂路L1の惰性走行中のモータージェネレーター33の回生機会を確実に増加して、燃料を消費したディーゼルエンジン10の駆動によるモータージェネレーター33の発電を抑制できるので、より燃費を向上できる。
なお、回生ブレーキを作動しても、車速Vが上限速度vbを超える場合には、車速Vが上限速度vbを超えるごとに、回生ブレーキ、エンジンブレーキ、補助ブレーキ、及びフットブレーキを順次、付加的に作動させるようにすることが好ましい。このように、ブレーキによる制動力を徐々に大きくするようにすると、急激な制動力を与えずにより長く惰性走行を維持できるので、さらに燃費を向上できる。
また、上記のHEVにおいては、上限速度vbを、目標速度vaにゼロkm/h以上、5km/h以下の値を加算した速度に設定することが望ましい。前述した通り、急降坂路L1では、ディーゼルエンジン10を停止した惰性走行中に車速Vが上限速度vbを超える場合には、最初に回生ブレーキを作動させる。この上限速度vbをより遅い速度に設定することで、急降坂路L1における車速Vの増加幅を小さくして、確実に予定通りの運行を遂行することができる。
また、上記のHEVにおいては、制御装置80が、急降坂路L1の走行距離s1に応じて低充電状態Clを設定する制御を行うように構成されることが望ましい。例えば、地図情報取得装置82の取得した走行距離s1の基準を500mに設定した場合には、走行距離s1が500mよりも短いときに低充電状態Clをより高い値に設定し、走行距離s1が500mよりも長いときには低充電状態Clをより低い値に設定する。
このような制御を行うことで、急降坂路L1の惰性走行中にモータージェネレーター33の回生発電によりバッテリー35の充電状態が高充電状態Chになることを抑制して、モータージェネレーター33で回生発電して制動時のエネルギーを電力に変換してバッテリー35に充電する機会を増加させることができ、エンジンブレーキやフットブレーキ120の作動時に無駄に消費されるエネルギーの損失を少なくすることができる。
10 ディーゼルエンジン
15 クラッチ
20 トランスミッション
25 プロペラシャフト
26 デファレンシャル
27 駆動輪
30 減速機構
32 回転軸
33 モータージェネレーター
35 バッテリー
40 第1パワステポンプ
45 第2パワステポンプ
49 ダブルチェックバルブ
53 ステアリングユニット
80 制御装置
81 オートクルーズ作動スイッチ
82 地図情報取得装置
83 車重推定装置
84 車輪速センサ
L1 急登坂路

Claims (4)

  1. ディーゼルエンジンにクラッチを介して接続されたトランスミッション及び駆動輪を駆動するデファレンシャルを連結するプロペラシャフトと、該ディーゼルエンジン及びバッテリーに電気的に接続されたモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムと、該ディーゼルエンジンに連結された第1パワステポンプと、該第1パワステポンプから供給されたパワステフルードを利用してステアリングの操舵をアシストするステアリングユニットと、地図情報を取得する地図情報取得装置と、車重を推定する車重推定装置と、車速を取得する車速取得装置と、制御装置とを備えたハイブリッド車両において、
    前記プロペラシャフトと前記モータージェネレーターの回転軸とを、該モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつ該プロペラシャフトを出力軸として接続する減速機構と、該減速機構を介して該プロペラシャフトに連結される第2パワステポンプと、前記ディーゼルエンジンの停止に伴って前記第1パワステポンプが停止した場合には、前記ステアリングユニットに供給されるパワステフルードの供給源を該第1パワステポンプから該第2パワステポンプに切り換える切換装置とを備え、
    前記制御装置を、前記車速を予め設定された目標速度範囲に維持するオートクルーズモードが設定された場合に、前記ディーゼルエンジン及び前記モータージェネレーターの駆動力を前記プロペラシャフトに伝達しない惰性走行を前記地図情報及び前記車重に基づいて選択したときは、該惰性走行中に前記クラッチを切断状態にすると共に燃料の噴射の停止により前記ディーゼルエンジンを停止する制御を行うことに加えて、
    前記惰性走行中の少なくとも一部の区間で、前記モータージェネレーターにより回生発電して回生ブレーキを作動させたと仮定したときに、前記車速を予め設定された目標速度範囲の上限速度以下に維持する急降坂路を前記地図情報及び前記車重に基づいて予測する制御を行い、
    さらに、予測した前記急降坂路では前記惰性走行を選択すると共に、該惰性走行の開始地点に到達するまでに、少なくとも前記モータージェネレーターから前記減速機構を経由して前記プロペラシャフトに伝達された駆動力で走行するアシスト走行又はモータ走行のどちらか一方を選択して、該開始地点における前記バッテリーの充電状態を満放電状態以上、半充電状態以下に設定された低充電状態にする制御を行う構成にしたことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記制御装置を、前記急降坂路では、前記惰性走行中に前記車速が前記目標速度範囲の上限速度を超えて減速する場合には、複数のブレーキのうちの前記モータージェネレーターで回生発電する回生ブレーキを最初に作動させる制御を行う構成にした請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記制御装置を、前記急降坂路の距離に応じて前記低充電状態を設定する制御を行う構成にした請求項1又は2に記載のハイブリッド車両。
  4. オートクルーズモードが設定された場合には、ディーゼルエンジンからクラッチ及びトランスミッションを経由してプロペラシャフトに伝達する駆動力で走行するエンジン走行と、該ディーゼルエンジンの駆動力及びバッテリーに電気的に接続されたモータージェネレーターから減速機構を経由して該プロペラシャフトに伝達する駆動力の両方で走行するアシスト走行と、該モータージェネレーターの駆動力で走行するモータ走行と、該ディーゼルエンジン及び該モータージェネレーターの駆動力を該プロペラシャフトに伝達しない惰性走行とを、地図情報及び車重に基づいて適時選択して、車速を予め設定された目標速度範囲に維持して自動走行すると共に、
    前記惰性走行を選択した場合には、前記クラッチを切断状態にして前記ディーゼルエンジンを停止すると共に、該ディーゼルエンジンの停止に伴って停止した第1パワステポンプの代わりに、前記プロペラシャフトから前記減速機構を介して伝達された回転動力で第
    2パワステポンプを駆動させてステアリングユニットにパワステフルードを供給するハイブリッド車両の制御方法であって、
    前記惰性走行中の少なくとも一部の区間で前記モータージェネレーターにより回生発電して回生ブレーキを作動させたと仮定した場合に、前記車速を前記目標速度範囲の上限速度以下に維持する急降坂路を前記地図情報及び前記車重に基づいて予測し、
    前記急降坂路では前記惰性走行を選択すると共に、該惰性走行の開始地点に到達するまでに、前記アシスト走行又は前記モータ走行のどちらか一方を選択して、該開始地点における前記バッテリーの充電状態を満放電状態以上、半充電状態以下に設定された低充電状態にすることを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
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