JP2016175492A - ハイブリッド車両及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードにおける操舵アシストを停止することなく、かつ空気圧装置に供給される圧縮空気の圧力を一定以上に維持しながら、燃料消費量を削減して燃費を向上するハイブリッド車両及びその制御方法を提供する。【解決手段】プロペラシャフト25をモータージェネレーター33の回転軸32及び第2パワステポンプ45の駆動軸46のそれぞれに接続する減速機構30と、パワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換える切換装置とを備え、制御装置80を、クラッチ15を切断状態にして燃料の噴射の停止によりディーゼルエンジン10を停止した惰性走行中に、圧力ptが下限圧力pb以下になったときは、燃料の噴射によりディーゼルエンジン10を始動する制御を行う構成にした。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両及びその制御方法に関し、より詳細には、従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードにおける操舵アシストを停止することなく、かつ空気圧装置に供給される圧縮空気の圧力を一定以上に維持しながら、燃料消費量を削減して燃費を向上するハイブリッド車両及びその制御方法に関する。
近年、燃費向上及び環境対策などの観点から、車両の運転状態に応じて複合的に制御されるエンジン及びモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムを備えたハイブリッド車両(以下「HEV」という。)が注目されている。このHEVにおいては、車両の加速時や発進時には、モータージェネレーターによる駆動力のアシストが行われる一方で、慣性走行時や制動時にはモータージェネレーターによる回生発電が行われる(例えば、特許文献1を参照)。
このような、いわゆるパラレル型のHEVでは、モータージェネレーターは、通常はエンジンの回転動力を変速するトランスミッションのエンジン側から車両の駆動系に接続される。そのため、HEVの高速走行中(例えば、50〜90km/h)に慣性走行状態になった時は、トランスミッションは高速段に変速されているので、モータージェネレーターにおける回生制動トルクが小さくなって発電の高効率点から外れてしまうため、回生発電の効率を向上することが困難であるという問題があった。
また、モータージェネレーターを配置するために既存の車両のパワートレインコンポーネントのレイアウトの大幅な変更等が必要となるため、既存の車両をHEV化して転用することが容易ではないという問題もあった。
このような問題を解決するために、発明者は、車両のプロペラシャフトとモータージェネレーターの回転軸とを、モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつプロペラシャフトを出力軸とする減速機構を介して接続することを考案した。
更に、発明者は、その新たに考案したHEVの燃費を向上するために、詳しくはHEV化したバスやトラックなどの大型車両の燃費を向上するために、オートクルーズモードにおける燃料消費量に着目した。
オートクルーズモードでは、これから走行する走行路の勾配や距離を含む地図情報及びHEVの車重に基づいて、エンジンの駆動力で走行するエンジン走行、エンジン及びモータージェネレーターの両方の駆動力で走行するアシスト走行、モータージェネレーターの駆動力で走行するモータ走行、並びに、エンジン及びモータージェネレーターの駆動力を付与しない惰性走行を適時選択して、車速を目標速度に維持している。
しかしながら、バスやトラックなどの大型車両においては、運転者の操舵を補助するステアリングユニット(パワーステアリング)として、出力、操舵性、及び信頼性の観点から油圧式のステアリングユニットが採用されており、走行中は、この油圧式のステアリングユニットに、エンジンの駆動力が伝達されて駆動するパワステポンプから常時パワステフルードを供給する必要がある。そのため、モータ走行中や惰性走行中には、エンジンを停止できないために、燃料消費量を削減できないという問題があった。
また、大型車両においては、空気圧式のフットブレーキやエアサスペンションが搭載さ
れており、走行中にはエアタンクの内部の圧力が閾値を下回るため、ディーゼルエンジンの駆動力によってエアコンプレッサー駆動して、適時、圧縮空気をエアタンクに供給する必要があるという問題もある。
特開2002−238105号公報
本発明の目的は、従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードにおける操舵アシストを停止することなく、かつ空気圧装置に供給される圧縮空気の圧力を一定以上に維持しながら、燃料消費量を削減して燃費を向上することができるハイブリッド車両及びその制御方法を提供することである。
上記の目的を達成する本発明のハイブリッド車両は、ディーゼルエンジンにクラッチを介して接続されたトランスミッション及び駆動輪を駆動するデファレンシャルを連結するプロペラシャフトと、該ディーゼルエンジン及びモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムと、該ディーゼルエンジンに連結された第1パワステポンプと、該第1パワステポンプから供給されたパワステフルードを利用してステアリングの操舵をアシストするステアリングユニットと、該ディーゼルエンジンに連結されたエアコンプレッサーと、該エアコンプレッサーから供給された圧縮空気を蓄圧するエアタンクと、該エアタンクから供給された圧縮空気を利用して駆動する空気圧装置と、地図情報を取得する地図情報取得装置と、車重を取得する車重取得装置と、車速を取得する車速取得装置と、該エアタンクの圧力を取得する圧力取得装置と、制御装置とを備えたハイブリッド車両において、前記プロペラシャフトと前記モータージェネレーターの回転軸とを、該モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつ該プロペラシャフトを出力軸として接続する減速機構と、該減速機構を介して該プロペラシャフトに連結される第2パワステポンプと、前記ディーゼルエンジンの停止に伴って前記第1パワステポンプが停止した場合には、前記ステアリングユニットに供給されるパワステフルードの供給源を該第1パワステポンプから該第2パワステポンプに切り換える切換装置とを備え、前記制御装置を、前記車速を予め設定された目標速度範囲に維持するオートクルーズモードが設定された場合に、前記ディーゼルエンジン及び前記モータージェネレーターの駆動力を前記プロペラシャフトに伝達しない惰性走行を前記地図情報及び前記車重に基づいて選択したときは、該惰性走行中に前記クラッチを切断状態にすると共に燃料の噴射の停止により前記ディーゼルエンジンを停止する制御を行うことに加えて、前記ディーゼルエンジンを停止した前記惰性走行中に、前記圧力取得装置で取得した前記圧力が予め設定された下限圧力以下になったときは、燃料の噴射により該ディーゼルエンジンを始動する制御を行う構成にしたことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成する本発明のハイブリッド車両の制御方法は、オートクルーズモードが設定された場合には、ディーゼルエンジンからクラッチ及びトランスミッションを経由してプロペラシャフトに伝達する駆動力で走行するエンジン走行と、該ディーゼルエンジンの駆動力及びモータージェネレーターから減速機構を経由して該プロペラシャフトに伝達する駆動力の両方で走行するアシスト走行と、該モータージェネレーターの駆動力で走行するモータ走行と、該ディーゼルエンジン及び該モータージェネレーターの駆動力を該プロペラシャフトに伝達しない惰性走行とを、地図情報及び車重に基づいて適時選択して、車速を予め設定された目標速度範囲に維持して自動走行すると共に、前記惰性走行を選択した場合には、前記クラッチを切断状態にして前記ディーゼルエンジンを停止す
ると共に、該ディーゼルエンジンの停止に伴って停止した第1パワステポンプの代わりに、前記プロペラシャフトから前記減速機構を介して伝達された回転動力で第2パワステポンプを駆動させてステアリングユニットにパワステフルードを供給するハイブリッド車両の制御方法であって、前記惰性走行中に、エアタンクの圧力が予め設定された下限圧力以下になったときは、燃料の噴射による前記ディーゼルエンジンの始動によりエアコンプレッサーを駆動して該エアタンクに圧縮空気を蓄圧することを特徴とする方法である。
本発明のハイブリッド車両及びその制御方法によれば、モータージェネレーターの回転軸とプロペラシャフトとを減速機構を介して接続することで、従来よりも高速走行時における回生効率を向上することができる。
また、第2パワステポンプをプロペラシャフトに減速機構を介して接続し、第1パワステポンプの駆動が停止した場合のパワステフルードの供給源を第2パワステポンプに切り換えることで、第1パワステポンプの駆動が停止しても、ステアリングユニットへのパワステフルードの供給が常時維持されるので、操舵アシストが停止されることを回避できる。
さらに、オートクルーズモードでの惰性走行中は、クラッチを切断状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジンを停止してアイドリングストップ状態にするようにしたので、その惰性走行中の燃料消費量を削減できる。
そのうえ、ディーゼルエンジンを停止した惰性走行中に、エアタンクから空気圧装置へ供給される圧力が空気圧装置を作動させることができなくなる下限圧力以下になったときには、燃料の噴射によるディーゼルエンジンの始動により、エアコンプレッサーを駆動するようにしたので、走行中にエアタンクから空気圧装置へ供給される圧力を、下限圧力以上の圧力に維持できる。
つまり、従来よりも高速走行時における回生効率を向上しつつ、オートクルーズモードでの走行中には、第2パワステポンプによるステアリングユニットへのパワステフルードの供給を常時維持すると共にエアコンプレッサーによるエアタンクへ圧縮空気の供給を適時行いながら、ディーゼルエンジンを停止したアイドリングストップ状態により燃料消費量を削減できるので、燃費を向上できる。
本発明の実施形態からなるハイブリッド車両の構成図である。 図1の車載ネットワークや制御信号線を示す構成図である。 本発明の実施形態からなるハイブリッド車両の制御方法を説明するフロー図である。 急降坂路をオートクルーズモードで走行した場合の、車速、エンジントルク、モータージェネレータートルク、バッテリーの充電状態、及び標高との関係を例示した説明図である。 緩降坂路をオートクルーズモードで走行した場合の、車速、エンジントルク、モータージェネレータートルク、バッテリーの充電状態、及び標高との関係を例示した説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態からなるハイブリッド車両を示す。なお、図2の一点鎖線は、車載ネットワークや制御信号線を示している。
このハイブリッド車両(以下「HEV」という。)は、バスやトラックなどの大型車両であり、車両の運転状態に応じて複合的に制御されるディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33を有するハイブリッドシステムを備えている。また、このHEVは、パワステフルード51を利用してステアリング54の操舵をアシストするステアリングユニット53を有するパワーステアリングシステムと、エアタンク64に蓄圧された圧縮空気65を利用して空気圧装置を作動させるエア供給システムとを備えている。さらに、このHEVは、制御装置80に運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合に、オートクルーズモードを実行するように構成されている。
まず、HEVのハイブリッドシステムについて説明する。ディーゼルエンジン10においては、エンジン本体11に形成された複数(この例では6個)の気筒12内における燃料の燃焼により発生した熱エネルギーにより、クランクシャフト13が回転駆動される。このクランクシャフト13の回転動力は、流体継手14及び湿式多板クラッチ15(以下、クラッチ15という。)を通じてトランスミッション20に伝達される。なお、流体継手14及び湿式多板クラッチ15の代わりに、乾式クラッチを用いる場合もある。
トランスミッション20には、HEVの運転状態と予め設定されたマップデータとに基づいて決定された目標変速段へ自動的に変速するAMTが用いられている。このトランスミッション20は、入力された回転動力を複数段に変速可能な主変速機構21と、その主変速機構21から伝達された回転動力を低速段と高速段の2段に変速可能な副変速機構22とから構成されている。
トランスミッション20で変速された回転動力は、アウトプットシャフト23に連結するプロペラシャフト25を通じてデファレンシャル26に伝達され、ダブルタイヤからなる一対の駆動輪27にそれぞれ駆動力として分配される。
モータージェネレーター33は、インバーター34を通じてバッテリー35に電気的に接続されている。
これらのディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33は、制御装置80により制御される。具体的には、ディーゼルエンジン10は、回転数センサ86で検出されたエンジン回転数Neやアクセル開度センサ92で検出したアクセルペダルの踏み込み量に基づいて気筒12への燃料の噴射量や噴射タイミングが調節される。また、モータージェネレーター33は、バッテリー35の充電状態(SOC)などに応じてインバーター34の周波数やバッテリー35及びモータージェネレーター33の間の電流値が調節され、HEVの発進時や加速時には、モータージェネレーター33により駆動力の少なくとも一部をアシストする一方で、慣性走行時や制動時においては、モータージェネレーター33による回生発電を行って、余剰の運動エネルギーを電力に変換してバッテリー35に充電する。
そして、プロペラシャフト25とモータージェネレーター33の回転軸32とは、減速機構30を介して接続されている。この減速機構30は、モータージェネレーター33の回転軸32を入力軸とし、かつプロペラシャフト25を出力軸としている。つまり、減速機構30においては、モータージェネレーター33の回転数Nmに対するプロペラシャフト25の回転数Npの割合である減速比(Nm/Np)が1.0より大となる。なお、この減速比は、固定又は可変のいずれに設定されていてもよい。
この減速機構30を設けることで、高速走行中の慣性走行時において、トランスミッション20のギア段にかかわらず、モータージェネレーター33の回生制動トルクを減速機構30により大きくすることができるため、回生効率を向上することができる。
また、車両のプロペラシャフト25に減速機構30を新たに取り付けるだけであり、パワートレインコンポーネントのレイアウトの変更が非常に小さくて済むため、既存の車両からの転用を従来よりも容易に行うことができる。
続いてHEVのパワースアリングシステムについて説明する。このパワーステアリングシステムにおいては、第1パワステポンプ40の駆動軸41がVベルト42またはギアを介してディーゼルエンジン10のクランクシャフト13に接続されており、ディーゼルエンジン10によって駆動された第1パワステポンプ40が、第1油圧回路43にパワステフルード44を圧送している。そして、ステアリングユニット53が、供給されたパワステフルード51を利用してステアリング54の操舵をアシストしている。なお、この実施形態のHEVは大型車両であるため、ステアリングユニット53として、出力が大きく、且つ操舵性及び信頼性に優れた油圧式のパワーシリンダを備えた油圧式のステアリングユニットを用いている。
そして、第2パワステポンプ45は、減速機構30を介してプロペラシャフト25に連結されている。また、パワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えるダブルチェックバルブ49、各種油圧回路(第1油圧回路43、第2油圧回路47及び主油圧回路50)、及びアキュムレーター52からなる切換装置により、ディーゼルエンジン10の停止に伴って第1パワステポンプ40が停止した場合には、ステアリングユニット53に供給されるパワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えている。
第1油圧回路43は、第1パワステポンプ40とダブルチェックバルブ49とを連通している。第2油圧回路47は、第2パワステポンプ45とダブルチェックバルブ49とを連通している。なお、第1油圧回路43の第1パワステポンプ40よりも上流側の端部及び第2油圧回路47の第2パワステポンプ45よりも上流側の端部は、パワステフルード44、48を貯留する図示しないリザーバタンクに接続されている。主油圧回路50は、ダブルチェックバルブ49とステアリングユニット53とを連通している。また、主油圧回路50の通路途中は分岐して、アキュムレーター52に接続されている。
第2パワステポンプ45の駆動軸46は、減速機構30を介してプロペラシャフト25に連結されており、具体的には、第2パワステポンプ45の減速機構30のプロペラシャフト25及びモータージェネレーター33を連結する第1動力伝達経路104とは別に配設された第2動力伝達経路105を介してプロペラシャフト25に連結されている。なお、第1動力伝達経路104及び第2動力伝達経路105は、ギア機構、ベルト機構、及びチェーン機構を例示できる。また、第2動力伝達経路105をプロペラシャフト25に連結自在に構成すると、第2パワステポンプ45を駆動しない場合に、プロペラシャフト25との連結を解除でき、その分、駆動損失を低減できる。
ダブルチェックバルブ49は、第1パワステポンプ40及び第2パワステポンプ45から供給されたパワステフルード44、48のうち圧力の高い方を、主油圧回路50を介して優先的にステアリングユニット53へ導出するバルブである。そのため、第2パワステポンプ45のパワステフルード48の設定吐出圧は、第1パワステポンプ40のパワステフルード44の設定吐出圧よりも小さくなるように設定されることが好ましい。具体的には第2パワステポンプ45にはリリーフ弁が設けられており、このリリーフ弁を調整することで、第2パワステポンプ45の設定吐出圧は第1パワステポンプ40の設定吐出圧よりも小さい値に調整されている。
アキュムレーター52は、第1パワステポンプ40及び第2パワステポンプ45から供給されダブルチェックバルブ49を経由したパワステフルード51(=44、48)を蓄積し、パワステフルード51の供給源がダブルチェックバルブ49で切り換えられるときに、その蓄積されたパワステフルード51をステアリングユニット53に供給する。このアキュムレーター52により、ステアリングユニット53に供給されるパワステフルード51の圧力が大きく変動することを抑制することができるので、ドライバビリティの悪化を回避できる。
このように、減速機構30を介して第2パワステポンプ45をプロペラシャフト25に連結し、さらに、切換装置によりパワステフルード51の供給源を第1パワステポンプ40から第2パワステポンプ45に切り換えることにより、走行中に第1パワステポンプ40からパワステフルード44が供給されない場合でも、減速機構30を介してプロペラシャフト25の回転動力によって駆動された第2パワステポンプ45から圧送されたパワステフルード48をステアリングユニット53へ供給することができる。これにより、走行中にディーゼルエンジン10を停止しても、走行中のステアリング54の操舵アシストが停止されることを回避できる。
なお、走行中に第1パワステポンプ40からパワステフルード44が供給されない場合は、例えば、ディーゼルエンジン10が停止する場合、第1パワステポンプ40が失陥する又は第1油圧回路43が破損するなどの状況に陥った場合、及び、HEVがモータージェネレーター33の駆動力のみで走行する場合を例示できる。
続いてエア供給システムについて説明する。このエア供給システムにおいては、エアコンプレッサー61の駆動軸がディーゼルエンジン10のクランクシャフト13にVベルトやギアなどにより接続されており、ディーゼルエンジン10によって駆動されたエアコンプレッサー61が、第1空圧管路63を経由させてエアタンク64に圧縮空気65を圧送している。そして、エアタンク64に蓄圧された圧縮空気65が、第2空圧管路66を経由して空気圧装置に供給されている。この空気圧装置としては、クラッチ用アクチュエーター120、フットブレーキ122、及び図示しないエアサスペンションを例示できる。
また、エアコンプレッサー61にはアンローダーバルブ62が配設されている。アンローダーバルブ62は、エアタンク64と第3空圧管路67により接続されており、エアタンク64の圧力ptが作用することで作動している。具体的には、エアタンク64の圧力ptがエアタンク64の耐久性に基づいて設定された上限圧力pa以上になったときは、圧縮空気を逃すことで、エアコンプレッサー61からエアタンク64への圧縮空気の供給を停止し、一方、エアタンク64の圧力ptが空気圧装置の作動に支障を来さないように設定された下限圧力pb以下になったときは、エアコンプレッサー61からエアタンク64の圧縮空気の供給を開始している。
圧力センサ87は、エアタンク64又は第2空圧管路66のどちらかに配設されており、エアタンク64に蓄圧された圧縮空気65の圧力、あるいは第2空圧管路66から各空気圧装置に供給される圧縮空気65の圧力を取得している。
続いてオートクルーズモードについて説明する。このオートクルーズモードは、特に高速道路を走行する際に使用されており、制御装置80に記憶されたプログラムが、運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合にHEVを自動走行させて予定通りに運行させるモードである。
具体的には、オートクルーズ作動スイッチ81が投入された場合に、制御装置80が、エンジン走行、アシスト走行、モータ走行、及び惰性走行を、地図情報取得装置82で取
得された地図情報及び車重推定装置83で推定された車重Mに基づいて適時選択して、車輪速センサ84で取得された車速Vを予め設定された目標速度範囲に維持してHEVを自動走行させるモードである。
なお、オートクルーズモード中には、アクセル開度センサ92でアクセルペダルの踏み込みが検出されるとディーゼルエンジン10からの駆動力により加速させることもできる。また、ブレーキペダル開度センサ93でブレーキペダルの踏み込みが検出される、図示しないクラッチペダルの踏み込みが検出される、あるいは、オートクルーズ作動スイッチ81の投入が解除されると、オートクルーズモードは解除される。
目標速度範囲は、目標速度vaを基準とした上限速度vbと下限速度vcとの間の範囲のことである。これら目標速度va、上限速度vb、及び下限速度vcは、運転手が任意の値にそれぞれ設定でき、例えば、目標速度vaは70km/h以上、90km/h以下に設定され、上限速度vbは目標速度vaに対して0km/以上、+10km/h以下の速度に設定され、下限速度vcは目標速度vaに対して−10km/h以上、0km/h以下の速度に設定される。
地図情報取得装置82としては、制御装置80にそれぞれ接続された、衛星測位システム(GPS)と通信してHEVの現在位置を取得する手段と、三次元道路データが記憶されたサーバーと通信して走行路の勾配θ及び走行距離sを含む三次元道路データを取得する手段と、HEVがこれから走行する走行路の勾配θ及び走行距離sを抽出する手段とからなり、例えば、HEVの前方の1km以上、5km以下の走行路を、走行距離sを500mごとに区切り、その走行距離sごとの勾配θを取得する装置や、勾配θごとに区切りその勾配θごとの走行距離sを取得する装置を例示できる。
また、この地図情報取得装置82としては、少なくとも走行路の勾配θ及び走行距離sが取得できる機能を有するものであればその具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば、ドライブレコーダーに記憶された三次元道路データから走行路の勾配θ及び走行距離sを取得するものも例示できる。また、勾配θにおいては、車輪速センサ84や加速度センサ(Gセンサ)85との取得した値に基づいて算出してもよい。
車重推定装置83としては、制御装置80に記憶されて、制御装置80により発進加速時のモータ走行が行われたときに車重Mを推定するプログラム、具体的には、駆動輪27に伝達される駆動力Fmが走行抵抗Rに等しくなるとして、発進加速時のモータ走行におけるインバーター34で取得したモータージェネレーター33の出力トルクTmと、モータージェネレーター33の回転数を取得するモータ用回転センサ36で取得した車両加速度(以下、加速度)aとに基づいて、車重Mを推定するプログラムを例示できる。
この車重推定装置83としては、HEVの車重Mが推定できる機能を有するものであればその具体的構成は特に限定されるものではないが、モータ走行による発進加速時の出力トルクTmと加速度aとに基づいて車重Mを推定する構成にすると、車速Vが低速度(30km/h以下の速度)でも車重Mを推定でき、且つ、走行抵抗Rのうちの転がり抵抗Rr、空気抵抗Rd、及び登坂抵抗Rsのそれぞれを無効にして、変数を減らすことができるので、より高精度且つ単純に車重Mを推定できる。なお、モータ走行による発進加速時は、HEVの後退時も含む。
このオートクルーズモードの制御方法を以下に制御装置80の機能として説明する。まず、HEVの走行中において運転者によってオートクルーズ作動スイッチ81が投入されると、制御装置80が、地図情報及び推定した車重Mに基づいて、車速Vが目標速度範囲に維持されるようにエンジン走行、アシスト走行、モータ走行、及び惰性走行のいずれか
を適時選択する。エンジン走行は、ディーゼルエンジン10からクラッチ15及びトランスミッション20を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力FeでHEVを走行させる。アシスト走行は、ディーゼルエンジン10からの駆動力Fe及びモータージェネレーター33から減速機構30を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力Fmの両方でHEVを走行させる。モータ走行は、クラッチ15を切断状態にしてモータージェネレーター33からの駆動力FmでHEVを走行させる。惰性走行は、ディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33の駆動力をプロペラシャフト25に伝達しない状態でHEVを走行させる。
また、制御装置80は、惰性走行中には、クラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジン10を停止する制御を行って、その惰性走行中にはアイドリングストップ状態を維持している。
前述したように、ディーゼルエンジン10の停止に伴って第1パワステポンプ40が停止しても、プロペラシャフト25に連結された第2パワステポンプ45から、ステアリングユニット53にパワステフルード51を常時供給するので、HEVの走行中は、操舵アシストを停止することなくディーゼルエンジン10を停止できる。そこで、惰性走行中に、クラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射の停止によりディーゼルエンジン10を停止したアイドリングストップ状態にしたことで、惰性走行中の燃料消費量を削減できる。
また、惰性走行中にディーゼルエンジン10を停止するようにしたことで、排気バルブ70からの排気ガス71の排出を削減できるので、排気通路73に配置されて、排気バルブ70からエグゾーストマニホールド72を経由してタービン74を駆動した排気ガス71を浄化する排気ガス浄化装置75の浄化能力の低下を抑制できる。これにより、排気ガス浄化装置75の浄化能力が低下した場合に、HEVの駆動力に寄与しない燃料を噴射して排気ガス71の温度を上昇させて排気ガス浄化装置75の浄化能力を回復して再生する機会が低減するので、その再生に必要な燃料消費も削減できる。この排気ガス浄化装置75としては、例えば、排気ガス71中の粒子状物質を捕集する捕集装置を例示でき、惰性走行中は、捕集装置への粒子状物質の堆積が抑制されるので、捕集装置の再生に必要な燃費を抑制できる。
加えて、惰性走行中にクラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジン10を停止する構成にしたことで、プロペラシャフト25の回転動力がディーゼルエンジン10の回転抗力により減少することも回避できるので、惰性走行中のエネルギーの損失を低減してより燃費を向上できる。
このようなHEVにおいて、制御装置80が、ディーゼルエンジン10を停止した走行中に、具体的には惰性走行中に圧力センサ87で取得したエアタンク64の圧力ptが予め設定された下限圧力pb以下になったときは、燃料の噴射によりディーゼルエンジン10を始動する制御を行うように構成される。
下限圧力pbは、アンローダーバルブ62がエアコンプレッサー61からエアタンク64の圧縮空気の供給を開始する圧力、つまり、エアタンク64の圧力ptが低下して、空気圧装置の作動に支障を来すおそれのある圧力に設定されており、例えば、0.30MPa以上、0.50MPa以下に設定される。
このHEVのオートクルーズモードにおける制御方法を、図3に示すフローチャートに基づいて制御装置80の機能として以下に説明する。なお、この制御方法は、走行路を走行中に、制御装置80が、地図情報取得装置82で取得した勾配θ及び走行距離s並びに
車重推定装置83で推定した車重Mに基づいてディーゼルエンジン10を停止する走行、つまり惰性走行を選択した際に行われる。なお、以下では制御装置80が惰性走行を選択したものとする。
まず、ステップS10では、制御装置80が、圧力センサ87の検出した圧力ptを監視して、その圧力ptが下限圧力pb以下になったか否かを判定する。このステップS10で圧力ptが下限圧力pb超の場合には、スタートへ戻り、一方、圧力ptが下限圧力pb以下の場合にはステップS20へ進む。
次いで、ステップS20では、制御装置80が、気筒12への燃料の噴射を開始して、ディーゼルエンジン10の始動を開始してステップS30へ進む。このステップS20においては、制御装置80が、クラッチ15の切断状態を維持したままスターター60を駆動してクランクシャフト13が回転したときに、気筒12への燃料を噴射する制御を行うことが望ましい。クラッチ15を切断状態に維持したままディーゼルエンジン10を始動することで、ディーゼルエンジン10の回転抗力がプロペラシャフト25に伝達されない状態、つまりエンジンブレーキを作動させない状態にすることで、惰性走行中のエネルギーの損失を低減できるので、燃費の向上に有利になる。
そして、このディーゼルエンジン10の始動により、エアコンプレッサー61が駆動する。このとき、エアタンク64の圧力ptが下限圧力pb以下になっているために、アンローダーバルブ62はエアコンプレッサー61からエアタンク64の圧縮空気の供給を有効にしており、エアコンプレッサー61で生成された圧縮空気がエアタンク64に蓄圧されることで、圧力ptが下限圧力pbに向って上昇する。
次いで、ステップS30では、制御装置80が、ディーゼルエンジン10をアイドリング状態に維持してステップS40へ進む。このステップS30のように制御することで、エアタンク64の圧力ptを下限圧力pb以上に維持するために必要な最低限の燃料消費量で済むので、より燃費の向上に有利になる。
次いで、ステップS40では、制御装置80が、エアコンプレッサー61の駆動により圧力ptが上限圧力pa以上になったか否かを判定する。このステップS40で圧力ptが上限圧力pa未満の場合には、ステップS30へ戻り、一方、圧力ptが上限圧力pa以上の場合には、ステップS50へ進む。
なお、この上限圧力paは、アンローダーバルブ62がエアコンプレッサー61からエアタンク64の圧縮空気の供給を停止する圧力、すなわちエアタンク64の耐久性の限界に基づいて設定された圧力に設定されており、例えば、0.7MPa以上、0.8MPa以下に設定される。
次いで、ステップS50では、制御装置80が、燃料の噴射の停止によりディーゼルエンジン10を停止して、スタートへ戻る。
以上のような制御を行うようにしたので、ディーゼルエンジン10の停止に伴ってエアコンプレッサー61の駆動が停止しても、エアタンク64の圧力ptがクラッチ用アクチュエーター120やフットブレーキ122などの空気圧装置が作動できなくなる下限圧力pb以下になったときには、燃料の噴射によるディーゼルエンジン10の始動によって、エアコンプレッサー61を駆動して、その低下した圧力ptを下限圧力pb以上に維持できる。
つまり、オートクルーズモードにおける惰性走行中には、第2パワステポンプ45によ
るステアリングユニット53へのパワステフルード51(=48)の供給を常時維持すると共にエアコンプレッサー61によるエアタンク64へ圧縮空気65の供給を適時行いながら、ディーゼルエンジン10を停止したアイドリングストップ状態により燃料消費量を削減できるので、燃費を向上できる。
また、圧力ptが上限圧力pa以上になったときに、ディーゼルエンジン10を停止する制御を行うようにしたので、アンローダーバルブ62が開くような状況、すなわち圧力ptが上限圧力pa以上になる状況では無駄になる燃料消費量を削減できる。
図4及び図5は、オートクルーズモードにおける車速V、ディーゼルエンジン10の出力トルクTe、モータージェネレーター33の出力トルクTm、バッテリー35の充電状態Ce、及び標高Hの関係の一例を示している。なお、モータージェネレーター33の負になる出力トルクTmは回生トルクを示しているものとする。
図4に示すように、急降坂路L1は、勾配θ1が急な下り坂であり、惰性走行をさせたと仮定した場合に車速Vが下限速度vc以上に維持されると予測される降坂路である。このような急降坂路L1としては、例えば、HEVの車重Mが25tの場合には、勾配θ1が2%以上で、走行距離s1が500m以上になる降坂路を例示できる。
この急降坂路L1では、急登坂路L3を走行中に、制御装置80が、勾配θ1及び走行距離s1並びに車重Mに基づいて惰性走行させたと仮定した場合に車速Vが下限速度vc以上に維持される急降坂路L1を予測する。次いで、急降坂路L1の手前から惰性走行を開始する。
このような急降坂路L1ではHEVが重力加速するため、エンジン走行、アシスト走行、及びモータ走行により駆動力を付加して走行すると車速Vが上限速度vbを早期に超えることで、エンジンブレーキやフットブレーキにより失われるエネルギーが多くなる。そこで、このような急降坂路L1では、上記の制御のように惰性走行を行うことで、エネルギーの損失を低減できるので、より燃費を向上できる。
図5に示すように、緩降坂路L2は、下り坂ではあるが勾配θ2が緩く、車体に加わる重力加速度による前進方向の力だけでは走行抵抗に打ち勝てず、ディーゼルエンジン10及びモータージェネレーター33のいずれかの駆動力をプロペラシャフト25に付加しないと車速Vを目標速度範囲に維持できない降坂路である。
具体的には、惰性走行をさせたと仮定した場合に車速Vが下限速度vc未満になると予測され、かつ車速Vを目標速度vaに維持するようにエンジン走行又はアシスト走行をさせたと仮定した場合にディーゼルエンジン10の燃料消費率(SFC)Seが悪化すると予測される降坂路である。このような緩降坂路L2としては、例えば、HEVの車重Mが25tの場合には、勾配θ2が2%未満で、走行距離s2が500m以上になる降坂路を例示できる。
この緩降坂路L2では、走行路L0を走行中に、制御装置80が、勾配θ2及び走行距離s2並びに車重Mに基づいて加速走行と惰性走行とを繰り返して走行する緩降坂路L2を予測する。
次いで、制御装置80が、車速Vを下限速度vcにするまで惰性走行と、車速Vを上限速度vbにするまでエンジン走行を行うと共にモータージェネレーター33の回生発電によりバッテリー35を充電する。車速Vを上限速度vbにするときに、制御装置80が、ディーゼルエンジン10のエンジン回転数Ne及び出力トルクTeに基づいた燃料消費率
Seが設定されたマップデータを参照して、ディーゼルエンジン10の燃料消費率Seが、最低燃料消費率になるようにディーゼルエンジン10を駆動するとよい。また、制御装置80が、車速Vを上限速度vbまで加速するには過剰となるトルクでモータージェネレーター33を回生発電する。なお、バッテリー35の充填状態に余裕があり、HEVを加速するトルクが不足する場合には、その不足分のトルクを補うようにモータージェネレーター33を回転駆動してもよく、HEVを加速トルクに過不足がなければモータージェネレーター33を停止してもよい。
このような緩降坂路L2ではエンジン走行及びアシスト走行によりディーゼルエンジン10を駆動して車速Vを目標速度vaに維持しようとすると、ディーゼルエンジン10の燃料消費率が高くなり、燃費が悪化する。そこで、このような緩降坂路L2では、ディーゼルエンジン10の燃料消費率の低い加速走行と燃料が消費されない減速走行とを繰り返す波状運転を行うことで燃費を向上できる。
図4及び図5に示すように、ディーゼルエンジン10を停止した走行中、すなわち惰性走行中には、A地点で、圧力センサ87の検出した圧力ptが下限圧力pb以下になり、制御装置80がクラッチ15の切断状態を維持したまま、スターター60の駆動と燃料の噴射によりディーゼルエンジン10を始動して、エアコンプレッサー61を駆動する。これにより、エアコンプレッサー61から圧縮空気65がエアタンク64に供給され圧力ptが上昇する。
次いで、B地点で、圧力センサ87の検出した圧力ptが上限圧力pa以上になるため、制御装置80がディーゼルエンジン10を再度停止して、エアコンプレッサー61の駆動を停止する。
このようにディーゼルエンジン10を停止した走行中に、圧力ptが下限圧力pb以下に低下した場合には、ディーゼルエンジン10の始動によりエアコンプレッサー61を駆動するので、空気圧装置に供給される圧縮空気65の圧力ptを一定以上に維持できる。
上記の実施形態では、惰性走行中にディーゼルエンジン10を始動する際にスターター60を用いた例を説明したが、スターター60を用いずにディーゼルエンジン10を始動する構成としてもよい。この場合には、制御装置80が、惰性走行中にディーゼルエンジン10を始動する際に、クラッチ15を切断状態から徐々に接続状態にし、その間にクランクシャフト13が回転したときに、気筒12へ燃料を噴射する制御を行うように構成されることが望ましい。
具体的には、制御装置80が、クラッチ用比例制御弁121へ送信する制御信号(電流値)を徐々に大きくすることで、クラッチ用比例制御弁121の開度が徐々に大きくなり、それに伴ってクラッチ用アクチュエーター120に供給される圧縮空気65の流量が徐々に大きくなることで、クラッチ15が切断状態から徐々に接続状態になる。
そして、クラッチ15が切断状態から接続状態になるまでの間で、プロペラシャフト25の回転動力がクラッチ15から伝達されてディーゼルエンジン10のクランクシャフト13が回転したときに、制御装置80が、スターター60使用時と同様の噴射タイミングで気筒12へ燃料を噴射してディーゼルエンジン10を始動する。このときの燃料の噴射量は、スターター60使用時よりも少ない噴射量とする。
このように構成すると、スターター60を用いることなくディーゼルエンジン10の始動トルクを確保でき、更に、ディーゼルエンジン10を始動するときの燃料の噴射量を少なくしても、クラッチ15を接続状態にすることで得られる駆動トルクにより、エンジン
回転数Neをアイドリング回転数Ni以上にもできる。これにより、惰性走行中にディーゼルエンジン10を再始動しても、始動に要する燃料消費量を抑制できると共に、スターター60で消費される電力も削減できるので、より燃費の向上に有利になる。
なお、エアコンプレッサー61を駆動してエアタンク64への圧縮空気の供給するためにディーゼルエンジン10を始動してアイドリング状態に維持した後には、クラッチ15を切断状態にしてもよく、一方、制動力が必要な場合には、クラッチ15を接続状態にしたまま燃料の噴射を停止して、プロペラシャフト25の回転動力によりディーゼルエンジン10のクランクシャフト13を回転して、エアコンプレッサー61を駆動してもよい。
また、上記のHEVにおいて、制御装置80が、オートクルーズモードが設定された場合に、モータ走行を地図情報及び車重Mに基づいて選択したときは、モータ走行中にクラッチ15を切断状態にすると共に燃料の噴射の停止によりディーゼルエンジン10を停止する制御を行うことに加えて、ディーゼルエンジン10を停止したモータ走行中に、圧力ptが下限圧力pb以下になったときは、燃料の噴射によりディーゼルエンジン10を始動する制御を行うように構成されることが望ましい。
このように、モータ走行も惰性走行と同様に、ディーゼルエンジン10を停止することで、モータ走行中の燃料消費量を削減でき、かつ排気ガス浄化装置75の浄化能力の低下を抑制できるので、より燃費を向上することができる。また、ディーゼルエンジン10を停止したモータ走行中に、圧力ptが下限圧力pb以下に低下した場合には、ディーゼルエンジン10の始動によりエアコンプレッサー61を駆動するので、空気圧装置に供給される圧縮空気65の圧力ptを一定以上に維持できる。
10 ディーゼルエンジン
15 クラッチ
20 トランスミッション
25 プロペラシャフト
26 デファレンシャル
27 駆動輪
30 減速機構
32 回転軸
33 モータージェネレーター
40 第1パワステポンプ
45 第2パワステポンプ
49 ダブルチェックバルブ
53 ステアリングユニット
60 スターター
61 エアコンプレッサー
62 アンローダーバルブ
64 エアタンク
65 圧縮空気
80 制御装置
81 オートクルーズ作動スイッチ
82 地図情報取得装置
83 車重推定装置
84 車輪速センサ
87 圧力センサ
120 クラッチ用アクチュエーター
122 フットブレーキ

Claims (6)

  1. ディーゼルエンジンにクラッチを介して接続されたトランスミッション及び駆動輪を駆動するデファレンシャルを連結するプロペラシャフトと、該ディーゼルエンジン及びモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムと、該ディーゼルエンジンに連結された第1パワステポンプと、該第1パワステポンプから供給されたパワステフルードを利用してステアリングの操舵をアシストするステアリングユニットと、該ディーゼルエンジンに連結されたエアコンプレッサーと、該エアコンプレッサーから供給された圧縮空気を蓄圧するエアタンクと、該エアタンクから供給された圧縮空気を利用して駆動する空気圧装置と、地図情報を取得する地図情報取得装置と、車重を取得する車重取得装置と、車速を取得する車速取得装置と、該エアタンクの圧力を取得する圧力取得装置と、制御装置とを備えたハイブリッド車両において、
    前記プロペラシャフトと前記モータージェネレーターの回転軸とを、該モータージェネレーターの回転軸を入力軸とし、かつ該プロペラシャフトを出力軸として接続する減速機構と、該減速機構を介して該プロペラシャフトに連結される第2パワステポンプと、前記ディーゼルエンジンの停止に伴って前記第1パワステポンプが停止した場合には、前記ステアリングユニットに供給されるパワステフルードの供給源を該第1パワステポンプから該第2パワステポンプに切り換える切換装置とを備え、
    前記制御装置を、前記車速を予め設定された目標速度範囲に維持するオートクルーズモードが設定された場合に、前記ディーゼルエンジン及び前記モータージェネレーターの駆動力を前記プロペラシャフトに伝達しない惰性走行を前記地図情報及び前記車重に基づいて選択したときは、該惰性走行中に前記クラッチを切断状態にすると共に燃料の噴射の停止により前記ディーゼルエンジンを停止する制御を行うことに加えて、
    前記ディーゼルエンジンを停止した前記惰性走行中に、前記圧力取得装置で取得した前記圧力が予め設定された下限圧力以下になったときは、燃料の噴射により該ディーゼルエンジンを始動する制御を行う構成にしたことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記下限圧力を、前記エアコンプレッサーに配設されたアンローダーバルブが前記エアコンプレッサーから前記エアタンクへの圧縮空気の供給を開始する圧力に設定した請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記制御装置を、走行中に停止した前記ディーゼルエンジンを再始動した後は、前記クラッチを切断状態に維持して該ディーゼルエンジンをアイドリング状態に維持する制御を行う構成にした請求項1又は2に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記制御装置を、走行中に停止した前記ディーゼルエンジンを再始動した後に前記エアコンプレッサーの駆動により前記圧力が予め設定された上限圧力以上になったときに、前記ディーゼルエンジンを再停止する制御を行う構成にした請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
  5. 前記制御装置を、前記オートクルーズモードが設定された場合に、前記モータージェネレーターから前記減速機構を経由した前記プロペラシャフトに伝達された駆動力で走行するモータ走行を前記地図情報及び前記車重に基づいて選択したときは、該モータ走行中に前記クラッチを切断状態にすると共に燃料の噴射の停止により前記ディーゼルエンジンを停止する制御を行うことに加えて、
    前記ディーゼルエンジンを停止した前記モータ走行中に、前記圧力が前記下限圧力以下になったときは、燃料の噴射により該ディーゼルエンジンを始動する制御を行う構成にした請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
  6. オートクルーズモードが設定された場合には、ディーゼルエンジンからクラッチ及びト
    ランスミッションを経由してプロペラシャフトに伝達する駆動力で走行するエンジン走行と、該ディーゼルエンジンの駆動力及びモータージェネレーターから減速機構を経由して該プロペラシャフトに伝達する駆動力の両方で走行するアシスト走行と、該モータージェネレーターの駆動力で走行するモータ走行と、該ディーゼルエンジン及び該モータージェネレーターの駆動力を該プロペラシャフトに伝達しない惰性走行とを、地図情報及び車重に基づいて適時選択して、車速を予め設定された目標速度範囲に維持して自動走行すると共に、
    前記惰性走行を選択した場合には、前記クラッチを切断状態にして前記ディーゼルエンジンを停止すると共に、該ディーゼルエンジンの停止に伴って停止した第1パワステポンプの代わりに、前記プロペラシャフトから前記減速機構を介して伝達された回転動力で第2パワステポンプを駆動させてステアリングユニットにパワステフルードを供給するハイブリッド車両の制御方法であって、
    前記惰性走行中に、エアタンクの圧力が予め設定された下限圧力以下になったときは、燃料の噴射による前記ディーゼルエンジンの始動によりエアコンプレッサーを駆動して該エアタンクに圧縮空気を蓄圧することを特徴とするハイブリッド車両の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110056626A (zh) * 2019-05-05 2019-07-26 陆永翠 用于机动车辆的混合动力变速箱

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