JP2016174476A - スライドシート用のワイヤハーネス配索装置 - Google Patents

スライドシート用のワイヤハーネス配索装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スライドシートに接続するワイヤハーネスの余長部を収容するフロア側の余長吸収ケースを小型化して、必要スペースを減少する。
【解決手段】車両に搭載されるスライドシートのシートレールの側方にハーネスレール部とターン部とを備える余長吸収ケースをフロア側に設置し、前記ハーネスレール部にスライダを摺動自在に嵌合する一方、前記スライドシートへの給電用のワイヤハーネスを、該スライドシートの取付位置からキャタピラ型プロテクタで外装し、該キャタピラ型プロテクタの他端を前記スライダに嵌合固定すると共に、該スライダから引き出す前記ワイヤハーネスを前記ターン部内を摺動自在に迂回させてフロアハーネス側へと引き出し、前記スライドシートの前後移動時に前記キャタピラ型プロテクタを連動させてワイヤハーネスの余長吸収を行った後に前記余長吸収ケースのターン部内でワイヤハーネスを摺動させて迂回量を調節してワイヤハーネスの余長吸収を行う構成としている。
【選択図】図5

Description

本発明はスライドシート用のワイヤハーネス配索装置に関し、特に、600mm以上のロングスライドシート用に好適に用いられ、フロア上に配置する余長吸収ケースの小型化を図るものである。
自動車のシートには電動リクライニング装置やシートヒータなど種々の電装品が装備されており、これらの電装品に給電するために、車体フロアからシートに給電用のワイヤハーネスが配索されている。スライドシートの場合には、ワイヤハーネスをシートのスライド動作に追従させる必要があり、そのためワイヤハーネスに余長部を持たせて配索している。
この種のスライドシートへのワイヤハーネスの配索装置は、通常、ワイヤハーネスの電線余長部を収容する余長吸収ケースを設け、該余長吸収ケースをシートレールの側方のフロア下方に配置している場合が多い。また、ロングスライドシートの場合はシートレールと平行にハーネスレールを敷設し、該ハーネスレールに電線余長吸収ケースを連続して配置し、これらハーネスレールと電線余長吸収ケースをシートレールの側方のフロア下部に配置している。
この種の車体フロアとロングスライドシートとの間に配索するハーネス配索装置として、特開2010−193599号公報(特許文献1)で図7(A)(B)(C)に示す装置が提供されている。該装置では、スライドシート100用のシートレール101の側方に隣接して平行にワイヤハーネス用レール102がフロアに敷設されると共に、該ワイヤハーネス用レール102の側方に隣接して平行に余長吸収ケース110が設置されている。スライドシート100に配線されるワイヤハーネスW/Hは、フロアハーネスから分岐し、コルゲートチューブで外装された状態で余長吸収ケース110内に挿通され、該余長吸収ケース110からワイヤハーネス用レール102内をスライドシート100と連動して移動するスライダ103内を通されてスライドシート100に配線されている。
前記特許文献1で開示された装置では、図7(B)に示すように、車体の底壁を構成する鋼板からなるフロアパネル150と、その上方の車室床材160の間の空間Cにシートレール101、ワイヤハーネス用レール102および電線余長吸収ケース110が平行に設置されている。
特開2010−193599号公報
前記のように、特許文献1等の従来の装置では、スライドシート100内に配線されるワイヤハーネスW/Hはスライドシート100外に引き出された後にワイヤハーネス用レール102および余長吸収ケース110内をスライド自在に通して、スライドシートのスライドに追従させる構成とされ、ワイヤハーネス用レール102および余長吸収ケース110の長さはスライド長さに対応することになる。よって、600mm以上のスライド長さが大きくなるロングスライドシートでは、フロアに敷設するワイヤハーネス用レール102および余長吸収ケース110の長さが増大する。そのため、フロア側に設置スペースを取り、既存材が多い場合には設置スペースを確保することが困難となる。かつ、余長吸収ケースが長く大型化すると乗員の足踏みにより損傷を受ける恐れもある。
本発明は前記問題を解消せんとするもので、スライドシートのスライド長さが大となるロングスライドシートの場合も、フロア側に設置するワイヤハーネス用レールおよび余長吸収ケースの長さが増大しないようにして、フロア側の必要スペースを減少し、乗員に踏まれにくくすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、車両に搭載されるスライドシートのシートレールの側方にハーネスレール部とターン部とを備える余長吸収ケースをフロア側に設置し、前記ハーネスレール部にスライダを摺動自在に嵌合する一方、
前記スライドシートへの給電用のワイヤハーネスを、該スライドシートの取付位置からキャタピラ型プロテクタで外装し、該キャタピラ型プロテクタの他端を前記スライダに嵌合固定すると共に、該スライダから引き出す前記ワイヤハーネスを前記ターン部内を摺動自在に迂回させてフロアハーネス側へと引き出し、
前記スライドシートの前後移動時に前記キャタピラ型プロテクタを連動させてワイヤハーネスの余長吸収を行った後に前記余長吸収ケースのターン部内でワイヤハーネスを摺動させて迂回量を調節してワイヤハーネスの余長吸収を行う構成としているスライドシート用のワイヤハーネス配索装置を提供している。
前記のように、スライドシートを前後移動させた時に、まず、スライドシートに連動するキャタピラ型プロテクタの移動でワイヤハーネスの余長を吸収し、該キャタピラ型プロテクタの移動だけでワイヤハーネスの余長を吸収できない時にフロア側に固定している余長吸収ケースのターン部内でワイヤハーネスの迂回量を調節するように摺動させてワイヤハーネスの余長を吸収している。このように、フロア側に固定する余長吸収ケース内での迂回量の調節だけでワイヤハーネスの余長を吸収するのではなく、スライドシートの移動に追従するキャタピラ型プロテクタの移動で余長を吸収させ、キャタピラ型プロテクタを余長吸収材として利用し、余長吸収を分担させている。これにより、フロア側に設置する余長吸収ケースのハーネスレール部およびターン部の長さを短くして小型化している。その結果、フロア側での設置スペースを小さくできると共に、余長吸収ケースが乗員により足踏みされにくくすることができる。
前記キャタピラ型プロテクタはワイヤハーネスを挿通するボックス状のブロックを一方向にのみ屈曲可能に連続させ、他方向および前記屈曲方向と直交方向には屈曲しない構造としており、前記スライドシートの下部と前記スライダとの間に、前後方向の一端を湾曲させると共に上側端部をスライドシート連結側、下側端部をスライダ連結側として配置している。
前記キャタピラ型プロテクタは押出成形する樹脂材で形成しており、前記各ブロックを四角筒体とし、四角筒の3辺を隣接するブロックと分離すると共に残りの一辺同士をヒンジ部を介して連結し、一方向にのみ屈曲可能に連続させている。
具体的には、例えば、該キャタピラ型プロテクタは、帯状の連続した長尺材からなる平板に、長さ方向に延在する4本の折曲ラインを幅方向の中間部に間隔をあけて設けて、該平板を幅方向に5個の辺に区画し、前記折曲ラインを直角に折り曲げ、幅方向の両側辺を重ねて互いに係止して、四角筒状に組み立て、かつ、平板に3辺を分離する幅方向の切込ラインを長さ方向に間隔をあけて設け、分離していない一辺の連結部をヒンジ部として機能させている。
なお、本発明で用いるキャタピラ型プロテクタは前記平板の帯材から屈曲する組み立て式の構造に限定されず、コ型とした3辺を有する連続材を組み合わせて4辺を有するブロックとして組み立てる構造でもよい。
さらに、コ型とした3辺の内1辺を折り曲げ可能に成形し、該1辺を折り曲げて4辺を有するブロックとして組み立てる構造でもよい。
前記キャタピラ型プロテクタで外装するワイヤハーネスの長さは、スライドシートの座部フレームの前後寸法に相当させ、該スライドシートの前端および後端から前記キャタピラ型プロテクタが突出しないように設定することが好ましい。
スライドシートのシートレールに沿ってフロア側に固定する前記余長吸収ケースはハーネスレール部とターン部とを一体成形して一体品としているが、別体として前記ハーネスレール部の前端にターン部を連続配置し、
前記ターン部は前端円弧状突出部に両側直線部が連続し、前記シートレール側の一側直線部を後方に延在させてハーネスレール部とし、他側直線部にワイヤハーネス引出開口を設け、ターン部内のワイヤハーネスをフロア側へ引き出し、ターン部内でのターン位置を調節することでワイヤハーネスの余長を吸収する構成とすることが好ましい。
前記フロア側に設置する前記余長吸収ケースは両側直線部を左右に配置して平行配置とし、あるいは、両側直線部を上下に配置して垂直方向に設置としてもよい。
前記ハーネスレール部に上面開口のガイド凹部を備え、該ガイド凹部にスライダを摺動自在に嵌合し、スライドシートの移動に追従してキャタピラ型プロテクタが移動する時に前記スライダを連動して前記ハーネスレール部内を摺動させ、ハーネスレール部の前端位置まで前記スライダが移動すると、該スライダから引き出されるワイヤハーネスがターン部の前端円弧状突出部の内面に沿ってターンする一方、前記スライダがハーネスレール部の後端まで移動すると、ターン部内でのターン位置が前端円弧状突出部の内面から離れた位置となって、ターン部内でのワイヤハーネスの挿通長さを減少させて余長を吸収する構成としている。
前記のように、本発明では、スライドシートとフロアとの間に配線する給電用のワイヤハーネスの余長吸収を、フロア側に設置する余長吸収ケース内でワイヤハーネスを移動させて吸収するだけでなく、スライドシートと連続するキャタピラ型プロテクタの屈曲移動でワイヤハーネスの余長吸収を分担しているため、フロア側に設置する余長吸収ケースの短尺化および狭幅化、さらにハーネスレールの短尺化を図ることができる。よって、フロア側に大きな設置スペースを必要とせず、さらに、乗員による足踏みが生じないようにすることができる。
本発明のワイヤハーネス配索装置の実施形態を示し、(A)はスライドシートの斜視図、(B)は側面図である。 余長吸収ケースを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は(A)のC−C線断面図である。 (A)は余長吸収ケースにおけるワイヤハーネスの作動を示す斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 ワイヤハーネスに外装するキャタピラ型プロテクタを示し、(A)は斜視図、(B)は展開図、(C)は(A)の一部底面図である。 (A)(B)(C)はスライドシートの移動とワイヤハーネスの移動の関係を示す図面である。 余長吸収ケースの小型化を示す図面である。 (A)〜(C)は従来例を示す図面である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6に本発明の実施形態を示す。
図1に示すように、自動車に搭載するスライドシート1に装着した電装品(図示せず)に給電するために、フロアパネル50に沿って配索するフロアハーネス55から分岐したシート給電用のワイヤハーネス2をスライドシート1へと配索し、スライドシート1の座部1aの内部に配線しているシートハーネス3と座部下面でコネクタC1とC2とで接続している。
前記ワイヤハーネス2は、シートハーネス3との接続位置からスライドシートの座部1aの前後長さ寸法L1と同等な長さ位置まで、樹脂製のキャタピラ型プロテクタ5で外装している。図4に示すキャタピラ型プロテクタ5は、後述するように、ワイヤハーネス2を挿通する四角筒状のブロック5aをヒンジ部5bで順次連結し、一方向(本実施形態では下向き方向)に屈曲できるが、上向き及び直交する左右方向に屈曲できない構造としている。
スライドシート1の下部の車室床材51に敷設されるスライドレール6に沿った車室床材の下部に余長吸収ケース10をスライドレール6と平行に配置している。該余長吸収ケース10は図2に示すように略J字形状で、縦軸部に相当するハーネスレール部7の前端にターン部8を組み合わせた形状で水平配置している。本実施形態ではハーネスレール部7とターン部8とを樹脂で一体成形して一部品としている。なお、ハーネスレール部とターン部8を別体として成形し、連続配置してもよい。
前記ワイヤハーネス2を外装するキャタピラ型プロテクタ5は、一端をシートハーネスとの接続用コネクタC1の近傍に位置させてワイヤハーネス2とテープ巻き固定し、他端はハーネスレール部7のガイド凹部7aに摺動自在に嵌合するスライダ9に内嵌固定している。該スライダ9に固定したキャタピラ型プロテクタ5から引き出すワイヤハーネス2をコルゲートチューブ11で外装してターン部8の内部に摺動自在に挿通させ、ターンさせた後に引出口8aから外部へ引き出し、フロアハーネス55の幹線と合流させている。ターンさせたワイヤハーネス2を引出口8aから引き出す際に、引出口の周縁とワイヤハーネス2とをテープ巻き固定している。
前記余長吸収ケース10のハーネスレール部7の前側に連続させるターン部8は前端を円弧状突出部8cとすると共に、ハーネスレール部7の前部と対応する位置に後端の円弧状窪み部8dを設けている。
前記余長吸収ケース10は底壁10bの周縁から周壁10cを立設した本体10aに蓋10eを被せた構成としている。ハーネスレール部7に相当する部分の蓋10eにはガイド凹部7aを設け、図2(C)に示すように、ガイド凹部7aの底面に電線引込開口7cを設けている。該構成として、図3(B)に示すように、ガイド凹部7aに摺動自在に嵌合させるスライダ9から引き出したワイヤハーネス2を電線引込開口7cを通してターン部8の内部に挿入している。
キャタピラ型プロテクタ5は、図4(B)に示す帯状の連続した長尺材からなる平板40を折り曲げラインに沿って折り曲げて前記四角筒状のブロック5aをヒンジ部5bで順次連結した構成に組み立てている。詳しくは、平板40には、長さ方向Xに延在する4本の薄肉に形成した折曲ライン41、42、43、44を幅方向Yの中間部に間隔をあけて設けて、平板40を幅方向に5個の辺S1〜S5に区画し、折曲ライン41〜44を直角に折り曲げ、幅方向の両側辺S1とS5を重ねることで図4(A)に示すように、四角筒体に組み立てている。
平板40の幅方向の両側の一方側の辺S1の側縁に係止突片45を突設し、他方側の辺S5に設けた係止穴46に係止している。かつ、平板40には前記4本の折曲ライン41〜44を結ぶ幅方向Yの切込ライン48を長さ方向Xに間隔をあけて設け、辺S2、S3、S4を分離している。かつ、切込ライン48の中央部で辺S3の中央位置に直線を湾曲させた円弧状の切込49を設け、長さ方向に隣接する一方側を円弧状に突出させ、他方を円弧状に窪ませ、凹凸嵌合部を設けている。また、切込ライン48を設けていない辺S1とS5には薄肉としたヒンジ部47を設けている。
キャタピラ型プロテクタ5は予め折曲ライン41〜44を折り曲げる一方、係止突片45は係止穴46に挿入せず、開いた状態でワイヤハーネス2の電線群を折り曲げた両側辺S1とS5の間の開口から挿入する。この電線群の挿入後に辺S1とS5を重ね、係止突片45を係止穴46に挿入係止し、電線群を四角筒の中に挿入した状態で外装する。
前記のように組み立てて、切込ライン48で分割した各ブロック5aを辺S1とS5とからなる一辺の隣接ブロックとの境界をヒンジ部5bとして連結しているため、該ヒンジ部5bを内周側として外周側が開く一方向に屈曲でき、逆方向および直交方向には屈曲できない構成となっている。
前記構造としたキャタピラ型プロテクタ5の長さは前記のようにスライドシート1の前後寸法と同様な寸法とし、前記のように、両端のブロック5aとワイヤハーネス2とを粘着テープで固着している。該キャタピラ型プロテクタ5の他端のブロック5aをスライダ9の四角穴9aに内嵌固定して、ワイヤハーネス2の移動にキャタピラ型プロテクタ5を介してスライダ9を連続させている。即ち、スライドシート1が前後移動すると、シートハーネスと連結したワイヤハーネス2および外装材のキャタピラ型プロテクタ5も追従移動し、スライダ9が余長吸収ケース10のハーネスレール部7を前後進するものとしている。
前記構成として、スライドシート1の前後移動時に、まず、該スライドシートと連動するワイヤハーネス2をキャタピラ型プロテクタ5で外装し、該キャタピラ型プロテクタ5の屈曲移動でワイヤハーネス2の余長を吸収する。ついで、スライドシート1の前後移動寸法がキャタピラ型プロテクタ5の屈曲移動だけで吸収できない場合に、キャタピラ型プロテクタ5より引き出したワイヤハーネス2を余長吸収ケース10のターン部8内でターンする迂回長さを変えてワイヤハーネス2の余長を吸収している。
即ち、スライドシート1の前後移動時のワイヤハーネス2の余長吸収機能を、スライドシート1と連動するシート側のワイヤハーネス2を外装したキャタピラ型プロテクタ5による余長吸収と、キャタピラ型プロテクタ5より引き出して余長吸収ケース10のターン部8での余長吸収とで分担して行う構成としている。
スライドシート1のスライド動作に追従するワイヤハーネス2の動きを、図5を参照して説明する。
スライドシート1が前端に位置すると、図5(A)(B)(C)において、ワイヤハーネス2を外装したキャタピラ型プロテクタ5の先端を内嵌固定したスライダ9はハーネスレール部7の前端位置P1に位置する。かつ、該前端位置P1からキャタピラ型プロテクタ5で外装したワイヤハーネス2は更に前方へと引き出され、前端で上向きに屈曲した後、スライドシート1の下面でシートハーネス3とコネクタ接続されている。このとき、ターン部8内でコルゲートチューブで外装したワイヤハーネス2は前端の円弧状突出部8cの内周面に沿って位置し、側面8eに沿って後方へ延在し、ワイヤハーネスを引出口8aからフロア側へ引き出している。
スライドシート1を前端位置P1から後方へスライドさせ、該スライド寸法がキャタピラ型プロテクタ5の長さ寸法以下の中間位置であると、スライドシート1の後退にワイヤハーネス2およびキャタピラ型プロテクタ5が連動し、スライドシート1の下方部分が後方に伸びて前端の円弧部Rが後方へ移動するが、スライダ9は未だ移動せず、よって、ターン部8内のワイヤハーネス2も移動しない。
スライドシート1を更に後退させると、ワイヤハーネス2に外装したキャタピラ型プロテクタ5を内嵌固定したスライダ9がハーネスレール部7内で後方へ移動する。スライドシート1を後端位置P2までスライドさせると、スライダ9はハーネスレール部7の後端位置まで移動する。該スライダ9の後端への移動に応じてターン部8内のワイヤハーネス2がハーネスレール部7側へと引き出され、ターン部8内のワイヤハーネス2の円弧状迂回点2rが前端の円弧状突出部8cから離れて後端の円弧状窪み部8dへと近づき、最終的に円弧状窪み部8dに沿った状態となって引出口8aから外方へ引き出された状態となる。
前記後端位置P2からスライドシート1を前進させる場合は、逆動作となり、まず、スライドシート1と連動してキャタピラ型プロテクタ5で外装したワイヤハーネス2のシート側が前進移動し、中間位置に達する。該中間位置までの移動はワイヤハーネス2とキャタピラ型プロテクタ5だけが移動し、スライダ9は移動しない。中間位置に達すると、スライダ9がハーネスレール部7内で前進移動を開始し、ターン部8内でワイヤハーネス2が移動して円弧状迂回点2rが前端の円弧状突出部8cに近づいていく。
前記のように、スライドシート1に取り付けてフロア側へと引き出すワイヤハーネス2を保形力を有すると共に一方向に屈曲するキャタピラ型プロテクタ5で外装して、スライドシート1の前後移動にキャタピラ型プロテクタ5で外装したワイヤハーネス2を追従させているため、フロア側に固定する余長吸収ケース10内でのワイヤハーネス2の追従移動量を低減することができる。この低減寸法はキャタピラ型プロテクタ5の長さ、即ち、スライドシート1の座部1aの前後寸法に相当する。
具体的には、図5(B)に点線で示す範囲がフロア側に固定した余長吸収ケース10の設置範囲であり、図5(C)に点線で示す範囲が前記余長吸収ケース10での余長吸収寸法とスライドシート1に連動するキャタピラ型プロテクタ5で外装したワイヤハーネス2の余長吸収寸法とを合わせた余長吸収寸法である。このように、フロア側に固定する余長吸収ケース10の長さにスライドシート1の前後寸法L1を加えた長さに余長吸収寸法を増大でき、言い換えれば、スライドシートの前後寸法L1だけ余長吸収ケース10の前後長さを縮小できる。
前記余長吸収ケース10の短縮化は、図6に示すように、フロア側の余長吸収ケースのみで余長を吸収する場合は前後寸法L3が必要であったが、前記実施形態の余長吸収ケース10では、前側の寸法L5と後側の寸法L6を削減して、寸法L1とすることができる。
前記のように、スライドシート1のスライドに応じたワイヤハーネス2の余長吸収機能を、スライドシート1と連動するキャタピラ型プロテクタ5で外装するワイヤハーネス2の追従移動による余長吸収と、フロア側に固定する余長吸収ケース10内でのワイヤハーネス2の追従移動による余長吸収とに分割しているため、フロア側に固定する余長吸収ケース10の長さを短縮でき、フロア側の設置スペースを小さくできる。その結果、乗員によって足踏みされる可能性を減少できる。
本発明は前記実施形態に限定されず、スライドシート内に配索するシートハーネスを延在してシート下面からフロア側へ引き出し、キャタピラ型プロテクタ5で外装した後に余長吸収ケース内を通した後に、フロアハーネスとコネクタ接続してもよい。
さらに、フロア側に設置する余長吸収ケースは縦向きとして垂直方向に設置すると、車室床材に面する表面積を小さくでき、乗員による足踏みを更に低減できる。
また、ワイヤハーネスに外装するキャタピラ型プロテクタ5は前記実施形態に限定されず、ヒンジ部を介して順次連結したブロックからなり、該ブロック内にワイヤハーネスを挿通させ、一方向に屈曲する構成であればよい。
さらに、余長吸収ケース内を挿通させるワイヤハーネスには、コルゲートチューブによる外装に代えて、キャタピラ型プロテクタ5を連続して外装してもよい。
1 スライドシート
2 ワイヤハーネス
3 シートハーネス
5 キャタピラ型プロテクタ
7 ハーネスレール部
8 ターン部
9 スライダ
10 余長吸収ケース

Claims (4)

  1. 車両に搭載されるスライドシートのシートレールの側方にハーネスレール部とターン部とを備える余長吸収ケースをフロア側に設置し、前記ハーネスレール部にスライダを摺動自在に嵌合する一方、
    前記スライドシートへの給電用のワイヤハーネスを、該スライドシートの取付位置からキャタピラ型プロテクタで外装し、該キャタピラ型プロテクタの他端を前記スライダに嵌合固定すると共に、該スライダから引き出す前記ワイヤハーネスを前記ターン部内を摺動自在に迂回させてフロアハーネス側へと引き出し、
    前記スライドシートの前後移動時に前記キャタピラ型プロテクタを連動させてワイヤハーネスの余長吸収を行った後に前記余長吸収ケースのターン部内でワイヤハーネスを摺動させて迂回量を調節してワイヤハーネスの余長吸収を行う構成としているスライドシート用のワイヤハーネス配索装置。
  2. 前記キャタピラ型プロテクタはワイヤハーネスを挿通するボックス状のブロックを一方向にのみ屈曲可能に連続させ、他方向および前記屈曲方向と直交方向には屈曲しない構造としており、前記スライドシートの下部と前記スライダとの間に、前後方向の一端を湾曲させると共に上側端部をスライドシート連結側、下側端部をスライダ連結側として配置している請求項1に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索装置。
  3. 前記キャタピラ型プロテクタで外装するワイヤハーネスの長さは、前記スライドシートの座部フレームの前後寸法に相当させ、該スライドシートの前端および後端から前記キャタピラ型プロテクタが突出しない設定としている請求項1または請求項2に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索装置。
  4. 前記スライドシートのシートレールに沿ってフロア側に固定する前記余長吸収ケースはハーネスレール部とターン部とを一体成形して一体品とし、または別体として前記ハーネスレール部の前端にターン部を連続配置し、
    前記ターン部は前端の円弧状突出部に両側直線部が連続し、前記シートレール側の一側直線部を後方に延在させてハーネスレール部とし、他側直線部にワイヤハーネス引出用の開口を設け、該開口より前記ワイヤハーネスをフロア側へ引き出し、ターン部内でのターン位置を調節することでワイヤハーネスの余長を吸収する構成としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索装置。
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