JP2016173901A - 密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シート及び密閉型鉛蓄電池セパレータ - Google Patents

密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シート及び密閉型鉛蓄電池セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、従来のガラス繊維を主体とするシートに適度な強度物性を付与させながら、なおかつ電解液通液性のばらつきが少ない鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートを提供することにある。【解決手段】本発明に係る密閉型鉛電池セパレータ用ガラス繊維シートは、ガラスウールと、繊維径14μm以下、繊維長2〜10mmの熱溶融型バインダー繊維とを含有し、前記ガラスウールと前記熱溶融型バインダー繊維との質量比が96/4〜88/12であり、前記ガラスウールと前記熱溶融型バインダー繊維との合計質量が全体質量の80%以上100%以下であり、かつ、前記熱溶融型バインダー繊維の質量が全体質量の4%以上12%以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シート及び密閉型鉛蓄電池セパレータに関するものである。
密閉型鉛蓄電池は、正極板及び負極板をガラス繊維製のシートを介して積層して極板群を構成し、該極板群を電槽に挿入して組み立てるのが一般的である。この密閉式鉛蓄電池用ガラス繊維シートは、正極板と負極板との間を短絡させないこと、鉛蓄電池の電解液である硫酸をシートの空隙に保持すること、電池反応が起こる際に、正極板と負極板との間のイオン伝導を、保持した電解液を通じてスムースに行うことが重要な特性である。
密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートは、基本的にガラス繊維を主体に構成されているが、ガラス繊維自体に接着性がなく繊維が絡みあっているだけなので、ガラス繊維シート自体の強度が低い。このため、シートを粗雑に扱うとシートの一部が破損したり、穴になってしまう場合がある。破損したシートや穴が開いたシートは正極板と負極板とが短絡するため、使用できなくなってしまう。
このため、ガラス繊維シートの強度を向上させる方策として、ガラス繊維、吸水性を有する合成繊維及びこれらの繊維を接着するアクリル系液体バインダーを含む密閉式鉛蓄電池用セパレータが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、平均繊維径1μm以下のガラス繊維70〜95重量%と、有機繊維5〜30重量%とを混抄し、前記有機繊維として少なくともモノフィラメント状合成繊維を5重量%以上混抄した密閉形鉛蓄電池用セパレータが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
また、芯鞘構造の熱融着繊維が2〜50質量%、無機粉体が0〜35質量%、ガラス繊維が15〜98質量%で構成されており、密度が0.15〜0.25g/cmである密閉式鉛蓄電池用セパレータが提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。
特開昭62−252065号公報 特開平11−16560号公報 特開2002−8621号公報
しかし、特許文献1に開示された密閉式鉛蓄電池用セパレータでは、吸水性を有する合成繊維自体に接着力がなく、また、アクリル系液体バインダーの親水性が低いことから、電解液の吸収性ならびに保液性が劣るという問題があった。また、特許文献2の場合には、モノフィラメント状合成繊維を配合するため、圧縮破断強度の向上には効果があるももの、モノフィラメント状合成繊維自体に接着力がないため、シート強度全体の強度向上には効果が低い。また、特許文献3の場合には、シート強度物性が向上するものの、熱融着繊維を配合するとガラス繊維シートの電解液通液性のばらつきが大きくなる問題がある。すなわち、強度物性を向上させようとして熱溶融型バインダー繊維を配合するとガラス繊維シート中における熱溶融型バインダー繊維の分散状態とガラス繊維の分散状態が異なるため、繊維が構成するネットワーク構造に歪が生じて、空隙間のばらつきが大きくなり、電解液の通液性にばらつきが生じてしまう。結果として、電池特性に悪影響を及ぼしてしまう問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来のガラス繊維を主体とするシートに適度な強度物性を付与させながら、なおかつ電解液通液性のばらつきが少ない鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートは、ガラスウールと、繊維径14μm以下、繊維長2〜10mmの熱溶融型バインダー繊維とを含有し、前記ガラスウールと前記熱溶融型バインダー繊維との質量比が96/4〜88/12であり、前記ガラスウールと前記熱溶融型バインダー繊維との合計質量が全体質量の80%以上100%以下であり、かつ、前記熱溶融型バインダー繊維の質量が全体質量の4%以上12%以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートでは、ガラスチョップド繊維をさらに含有し、前記ガラスチョップド繊維の質量が全体質量の0%を超え20%以下であってもよい。ガラスウールの一部をガラスチョップド繊維に置き換えて引張強さを高めることができる。
また、本発明に係る密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートでは、前記熱溶融型バインダー繊維を5質量%以上9質量%以下含有することが好ましい。電解液通液性のばらつきを特に少なくすることができる。
また、本発明に係る密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートでは、前記熱溶融型熱溶融型バインダー繊維が鞘芯構造を有し、鞘部が変成ポリエステル樹脂であり、芯部がポリエステル樹脂であり、繊維径が11μm以下であることが好ましい。電解液通液性のばらつきを特に少なくすることができる。
また、本発明に係る密閉型鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートでは、バインダー液として濾材に付与される合成樹脂系バインダーを含有していないことが好ましい。電解液の吸収性ならびに保液性が劣るという問題が生じにくい。
本発明に係る密閉型鉛蓄電池セパレータは、本発明に係る密閉型鉛電池セパレータ用ガラス繊維シートを用いたことを特徴とする。
本発明により、従来のガラス繊維を主体とするシートに適度な強度物性を付与させながら、なおかつ電解液通液性のばらつきが少ない鉛蓄電池セパレータ用ガラス繊維シートを得ることができる。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態で使用されるガラスウールは、耐酸性を有するホウケイ酸ガラスで構成されている原綿状のもので、ガラス短繊維とも呼称されている。その製造方法としては火焔法や遠心法などがある。
本実施形態において、ガラスウールはその平均繊維径が過度に大きいとガラス繊維シートの最大細孔径が大きくなり、毛細管現象による電解液保持力が低下するおそれがあるので、平均繊維径を3μm以下とすることが好ましく、より好ましくは2μm以下とする。また、逆にガラスウールの繊維径が小さ過ぎることはコスト高となってしまうので、0.5μm以上とするのが好適である。すなわち、本実施形態で使用されるガラスウールの平均繊維径は、3μm以下とすることが好ましく、特に0.5〜2μmであることが望ましい。
本実施形態において、ガラスウールは平均繊維径が3μm以下とすることが好ましく、3μm以下のガラスウールのみでなく、トータルの平均繊維径が3μm以下であるならば、繊維径が3μmを超え30μm以下のガラスウールを使用しても構わない。このようなガラスウールを配合することによってガラスウールの低コスト化を図ることができるが、繊維径が3μmを超えるガラスウールの配合量が多くなるにつれガラス繊維シートの平均細孔径が大きくなり、毛細管現象による電解液保持力が低下しやすくなる。従って、繊維径が3μmを超えるガラスウールの配合量は、ガラスウールの全量を基準として20質量%以下とすることが好ましい。
本実施形態において、ガラスウールの繊維長は、繊維長と繊維径との比の分布{繊維長(μm)/繊維径(μm)}で500/1〜3000/1が好ましい。500/1より比が小さいとシートの空隙が小さくなり、電解液保持力が低下したり、シート自体の強度が低下したりする恐れがある。3000/1より比が大きいと、シート抄紙工程でガラスウールの分散性が悪くなり、シートが不均一になる恐れがある。
ガラスウールの配合量は68〜96質量%とする。78〜95質量%が好ましく、88〜91質量%がより好ましい。ガラスウールの配合量が68質量%未満となると、ガラス繊維シートの平均細孔径が非常に大きくなり、前記同様に電解液保持力が低下しやすくなるとともに正極、負極間が短絡しやすくなる問題がある。ガラスウールの配合量が96質量%を超えると、相対的に熱溶融型バインダー繊維の配合量が少なくなりすぎ、ガラス繊維シートの強度物性がほとんど向上せず、配合効果が得られない。
本実施形態において使用される熱溶融型バインダー繊維は有機合成繊維であり、ガラス繊維シート製造工程中の熱乾燥工程において、有機合成繊維の融点以上の熱によって溶融して、ガラス繊維シートの繊維間を接着するものである。熱溶融型バインダー繊維としては、構成する合成樹脂全てが溶融するもの、2成分以上の合成樹脂で構成されており、その一部の成分のみ溶融するものがある。特に後者は、異なった合成樹脂が繊維断面から見て重なった構造のもの、繊維断面がオレンジ断面の様に互い違いに異なった合成樹脂となったもの、断面の内側と外側が異なった合成樹脂となったいわゆる芯鞘構造と呼ばれるものなどがある。本実施形態においては、芯鞘構造の熱溶融型バインダー繊維を使用することがより好ましい。
熱溶融型バインダー繊維の合成樹脂成分としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフルオロエチレン樹脂などの合成樹脂であり、このうち熱溶融成分となるものは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂である。このうち、ポリエステル樹脂は変性して融点を低減した変性ポリエステル樹脂がある。熱溶融型バインダー繊維は、ガラス繊維シート製造工程の熱乾燥工程に合ったものが適宜選択される。特に、本実施形態においては、熱溶融型バインダー繊維として、芯部がポリエステル樹脂で鞘部が変性ポリエステル樹脂の芯鞘構造、芯部がポリプロピレン樹脂で鞘部がポリエチレン樹脂の芯鞘構造、あるいは芯部がポリエステル樹脂で鞘部がポリエチレン樹脂の芯鞘構造、を有する熱溶融型バインダー繊維が好適に用いられる。
本実施形態において、熱溶融型バインダー繊維の配合率は重要である。熱溶融型バインダー繊維の配合率は4〜12質量%であり、5〜9質量%がより好ましい。4質量%より少ないとガラス繊維シートの強度物性がほとんど向上せず、配合効果が得られず、12質量%より多いと強度物性がより高くなるが、電解液通液性のばらつきが大きくなってしまう。本実施形態の熱溶融型バインダー繊維を4〜12質量%の範囲で含有させることでガラス繊維シートに電解液通液性のばらつき低減効果と強度物性とを同時に付与することができる。
また、驚くべきことに、本実施形態の熱溶融型バインダー繊維の配合率ならば、ガラスウールのみのガラス繊維シートよりも電解液通液性のばらつきを低減できることがわかった。詳細な作用は不明であるが、この範囲の少量な配合率ならばガラス繊維シート中のガラスウールのネットワークを整合化させる効果があると見られる。熱溶融型バインダー繊維が12質量%より多い配合率になると、整合化効果よりも熱溶融型バインダー繊維の分散性が勝ってネットワークに歪が生じて電解液通液性のばらつきが大きくなってしまうと推測される。
本発明における熱溶融型バインダー繊維の繊維径は重要である。繊維径は14μm以下とし、13μm以下であることが好ましく、11μm以下であることがさらに好ましい。繊維径を14μm以下とすることで、ガラス繊維シートの細孔径が小さくなり、毛細管現象による電解液保持力が高まった状態となりやすい。また、繊維径の下限は特に限定はされないが、2μmとすることが好ましく、より好ましくは5μmである。そして、熱溶融型バインダー繊維が、芯部がポリエステル樹脂で鞘部が変性ポリエステル樹脂の芯鞘構造を有する場合は繊維径11μm以下であることがより好ましく、10μmとすることがさらに好ましくい。繊維径の下限は特に限定はされないが、2μmとすることが好ましく、より好ましくは3μmである。また、熱溶融型バインダー繊維が、芯部がポリプロピレン樹脂で鞘部がポリエチレン樹脂の芯鞘構造を有する場合は繊維径11μm以下であることがより好ましく、10μmとすることがさらに好ましくい。繊維径の下限は特に限定はされないが、2μmとすることが好ましく、より好ましくは3μmである。また、熱溶融型バインダー繊維の繊維径が14μmより大きいと、例え配合率が本発明の範囲内となったとしてもガラス繊維シートの細孔径の低減効果が発揮できず、毛細管現象による電解液保持力が低下しやすくなる。熱溶融型バインダー繊維を2種類以上配合する場合には、どの熱溶融型バインダー繊維も繊維径は14μm以下とし、13μm以下であることが好ましく、11μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において、熱溶融型バインダー繊維の長さは、2〜10mmとし、好ましくは3〜6mmである。長さが10mmを超えると、ガラス繊維シート内での熱溶融型バインダー繊維の分散が悪くなって電解液通液性が悪化するおそれがあり、また、長さが2mm未満であると繊維長が短すぎてシートの強度物性が低下するおそれがある。
本実施形態のガラス繊維シートは、ガラスウールを主体とするが、本発明の効果を損なわない限り、異種繊維や粉体材料などの副資材を配合することが可能である。副資材の配合率は20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。ここで、本実施形態のガラス繊維シートでは、ガラスウールと、熱溶融型バインダー繊維との配合比は、質量比で96/4〜88/12である。好ましくは94/6〜90/10である。ガラスウールの割合が96を超えても、88未満となっても、電解液通液性のばらつきが大きくなってしまう。また、熱溶融型バインダー繊維の質量は全体質量の4〜12%であり、ガラスウールと熱溶融型バインダー繊維との合計質量は全体質量の80〜100%である。このとき、副資材の質量は全体質量の0〜20%となる。すなわち、ガラスウールの一部を副資材に置換して配合することとなる。したがって、ガラスウール及び副資材の合計質量と熱溶融型バインダー繊維との質量比が96/4〜88/12を満たす。また、副資材を配合しない場合は、ガラスウールの質量は全体質量の88〜96%となる。
異種繊維としては、繊維径5μm以上のガラスチョップド繊維、本発明の製造工程で熱溶融しないポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフルオロエチレン樹脂などの合成樹脂繊維、木材やコットンなどのセルロールパルプなどが挙げられる。粉体材料としては、シリカ、タルク、カオリン等の粘土鉱物粉体などが挙げられる。これらの材料については、電解液である硫酸に対する耐酸性のあるものを選択すべきである。なお、110℃以下で熱溶融しないとは、110℃で15分加熱したときに、合成樹脂繊維の繊維間で熱融着が生じていないことをいう。また、ガラスチョップド繊維を2種類以上配合する場合には、どのガラスチョップド繊維も繊維径は5μm以上が好ましい。より好ましくは、繊維径が6μm以上15μm以下である。
本実施形態のガラス繊維シートでは、ガラスチョップド繊維をさらに含有し、ガラスチョップド繊維の質量が全体質量の0%を超え20%以下であってもよい。ガラスウールの一部をガラスチョップド繊維に置き換えて引張強さを高めることができる。
本実施形態のガラス繊維シートの坪量は、電解液保持性、電極間の短絡防止などの観点から、50〜500g/mが好ましく、より好ましくは100〜400g/mである。
本実施形態のガラス繊維シートにおける電解液通液性のばらつきは、シート通気性のばらつきで評価することができる。シート通気性は、JIS P 8117:2009「紙及び板紙‐透気度及び透気抵抗度試験方法(中間領域)‐ガーレー法」に準ずるガーレー法にて行い、測定端直径10mmのガーレー通気度測定器を用いて、300ml通気させた際にかかる時間(秒)について、シート内の1cm以上相互に離れた任意の箇所10点を測定する。通気度ばらつき(%)は、得られた測定値の平均値Xと母集団標準偏差σn−1から、以下の数1で求めた値で定義したものである。
(数1)
(通気度ばらつき)=(母集団標準偏差σn−1)/(平均値X)×100;単位%
本発明のガラス繊維シートの強度物性は、JIS P 8113:2006「紙及び板紙-引張特性の試験方法‐第2部:定速伸張法」に準じた引張強さによるものである。
本実施形態のガラス繊維シートは、一般の湿式抄紙法で製造できる。湿式抄紙法としては、ガラスウールを水に分散させたスラリーの一定量について金網などの網上に抄き上げて、この湿紙シートを乾燥機で乾燥させてシート化する方法が挙げられる。乾燥機における乾燥条件は、例えば、100〜180℃が好ましく、110〜160℃がより好ましい。乾燥時間は、1〜15分が好ましく、3〜10分がより好ましい。乾燥さ工業的に大量生産する方法としては、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄紙機で分散スラリーを連続的に抄きあげて、この湿紙シートを熱風乾燥機、赤外線乾燥機、ドラム式乾燥機などで乾燥させ、乾燥シートを巻き取る方法が挙げられる。
本実施形態に係る密閉型鉛電池セパレータは、密閉型鉛蓄電池における正極板及び負極板が、本実施形態に係るガラス繊維シートを挟んだ状態となっている。ここで、密閉型鉛電池セパレータは、正極板と負極板との間を短絡させないこと、鉛蓄電池の電解液である硫酸をシートの空隙に保持すること、電池反応が起こる際に、正極板と負極板との間のイオン伝導を、保持した電解液を通じてスムースに行うことを実現している。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することができる。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
(実施例1)
ガラスウールとして、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)96質量部と、熱溶融型バインダー繊維として、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)4質量部とを、硫酸酸性pH3の酸性水を加えて濃度0.5質量%の原料スラリーとし、これら原料スラリーを食品用ミキサー(松下電器産業社製:品番MX‐V200)内で1分間離解した。次いで、離解後の原料スラリーを硫酸酸性pH3の酸性水で濃度0.1質量%まで希釈し、手抄装置を用いて抄紙することによって湿紙を得た。この湿紙を130℃のロールドライヤーで乾燥し、坪量304g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例2)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を94質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を6質量部とした以外は、実施例1と同様にして坪量301g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例3)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を92質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂繊維、帝人ファイバー社製)の配合量を8質量部とした以外は、実施例1と同様にして坪量301g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例4)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を90質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を10質量部とした以外は、実施例1と同様にして坪量298g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例5)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を88質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を12質量部とした以外は、実施例1と同様にして坪量301g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例6)
実施例1において、熱溶融型バインダー繊維を、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)4質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例7)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を93質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)の配合量を7質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例8)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を91質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)の配合量を9質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量303g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例9)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を89質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)の配合量を11質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量302g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例10)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を93質量部とし、熱溶融型バインダー繊維を、繊維径1.7dtex(推定径13.8μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、帝人ファイバー社製)7質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして坪量301g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例11)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を92質量部とし、熱溶融型バインダー繊維を、繊維径1.7dtex(推定径12.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして坪量301g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例12)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を87質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を8質量部とし、更に繊維径13μmのガラスチョップド繊維(Cガラス、ジョンズマンビル社製)5質量部を配合した以外は、実施例1と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例13)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を82質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を8質量部とし、更に繊維径13μmのガラスチョップド繊維(Cガラス、ジョンズマンビル社製)10質量部を配合した以外は、実施例1と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例14)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を93質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長2mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)の配合量を7質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量298g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例15)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を93質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長10mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)の配合量を7質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(実施例16)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を83質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウレーヨン社製)の配合量を7質量部、副資材として繊維径1.7dtex(推定径12μm)、繊維長5mmのレーヨン繊維の配合量を10質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例1)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を100質量部とし、熱溶融型バインダー繊維を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして坪量299g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例2)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を95質量部とし、熱溶融型バインダー繊維を配合せず、更に繊維径13μmのガラスチョップド繊維(Cガラス、ジョンズマンビル社製)5質量部を配合した以外は、実施例1と同様にして坪量298g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例3)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を98質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を2質量部とした以外は、実施例1と同様にして坪量301/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例4)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を86質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を14質量部とした以外は、実施例1と同様にして坪量300/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例5)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を84質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を16質量部とした以外は、実施例1と同様にして坪量299/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例6)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を80質量部とし、繊維径1.1dtex(推定径10.1μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)の配合量を20質量部とした以外は、実施例1と同様にして坪量302/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例7)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を98質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)2質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量302g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例8)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を86質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)14質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量302g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例9)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を86質量部とし、熱溶融型バインダー繊維を、繊維径1.7dtex(推定径13.8μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、帝人ファイバー社製)14質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして坪量302g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例10)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を94質量部とし、熱溶融型バインダー繊維を、繊維径2.2dtex(推定径14.3μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)6質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例11)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を92質量部とし、熱溶融型バインダー繊維を、繊維径2.2dtex(推定径14.3μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例12)
実施例1において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を90質量部とし、熱溶融型バインダー繊維を、繊維径2.2dtex(推定径14.3μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリエステル樹脂、鞘:変性ポリエステル樹脂、帝人ファイバー社製)10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして坪量300g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例13)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を93質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長1mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)の配合量を7質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量297g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例14)
実施例6において、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を93質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長13mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)の配合量を7質量部とした以外は、実施例6と同様にして坪量298g/mのガラス繊維シートを得た。
(比較例15)
ガラスウールとして、平均繊維径0.8μmのボロシリケートガラスウール(ジョンズマンビル社製、Type253、グレード206)の配合量を93質量部とし、繊維径0.8dtex(推定径10.5μm)、繊維長5mmの芯鞘タイプ熱溶融型バインダー繊維(芯:ポリプロピレン樹脂、鞘:ポリエチレン樹脂、ダイワボウ社製)の配合量を7質量部とを、硫酸酸性pH3の酸性水を加えて濃度0.5質量%の原料スラリーとし、これら原料スラリーを食品用ミキサー(松下電器産業社製:品番MX‐V200)内で1分間離解した。次いで、離解後の原料スラリーを硫酸酸性pH3の酸性水で濃度0.1質量%まで希釈し、手抄装置を用いて抄紙することによって湿紙を得た。次いで、この湿紙に合成樹脂バインダーとしてアクリル酸エステル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業社製)の1.4質量%水溶液を含浸し、吸引脱水した後、この湿紙を130℃のロールドライヤーで乾燥し、坪量305g/mのガラス繊維シートを得た。
各実施例及び比較例で得られたガラス繊維シートについて、以下に示す方法により各特性の測定を行った。結果を表1に示す。
(1)坪量 : 試料質量を試料面積で除して得た。
(2)厚さ : 電池工業会規格SBA S 0401:1998に準じて、試料をその厚み方向に20kg/100cm2 の荷重で押圧した状態で測定した。
(3)引張強さ : JIS P 8113:2006に準じて、幅25mmの試験片を定速伸張形引張試験機で測定した。
(4)通気度ばらつき : 測定直径10mmのガーレー通気度測定器を用いて、300ml通気させた際にかかる時間(秒)について、シート内の任意の箇所10点を測定した。得られた平均値Xと母集団標準偏差σn−1から、以下の(数1)で求めた。
(数1)
通気度ばらつき(%)=(母集団標準偏差σn−1)/(平均値X)×100
表1及び表2の結果から明らかなように、熱溶融型バインダー繊維の配合率が増加するとともに引張強度が増大した。一方、通気度ばらつきは無配合に比べて配合率4%で低減し、12%までは低減効果が見られたが、さらに配合を増すと無配合に比べてより悪化する傾向となった。
Figure 2016173901
Figure 2016173901

Claims (6)

  1. ガラスウールと、繊維径14μm以下、繊維長2〜10mmの熱溶融型バインダー繊維とを含有し、
    前記ガラスウールと前記熱溶融型バインダー繊維との質量比が96/4〜88/12であり、
    前記ガラスウールと前記熱溶融型バインダー繊維との合計質量が全体質量の80%以上100%以下であり、かつ、
    前記熱溶融型バインダー繊維の質量が全体質量の4%以上12%以下であることを特徴とする密閉型鉛電池セパレータ用ガラス繊維シート。
  2. ガラスチョップド繊維をさらに含有し、前記ガラスチョップド繊維の質量が全体質量の0%を超え20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の密閉型鉛電池セパレータ用ガラス繊維シート。
  3. 前記熱溶融型バインダー繊維を5質量%以上9質量%以下含有する、請求項1又は2に記載の密閉型鉛電池セパレータ用ガラス繊維シート。
  4. 前記熱溶融型バインダー繊維が芯鞘構造を有し、芯部がポリエステル樹脂であり、鞘部が変性ポリエステル樹脂であり、繊維径が11μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の密閉型鉛電池セパレータ用ガラス繊維シート。
  5. バインダー液として濾材に付与される合成樹脂系バインダーを含有していないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の密閉型鉛電池セパレータ用ガラス繊維シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の密閉型鉛電池セパレータ用ガラス繊維シートを用いた密閉型鉛電池セパレータ。
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