JP2016173388A - エフェクタ、エフェクトプログラムおよび効果付与方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多様な効果を得ることが可能な技術の提供。
【解決手段】音信号に基づいてアタックを検出するアタック検出手段と、前記音信号に第1効果を与えた音を示す第1音響効果信号を出力する第1音響効果信号出力手段と、前記音信号に第2効果を与えた音を示す第2音響効果信号を出力する第2音響効果信号出力手段と、前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号とが含まれる調整信号を出力する調整信号出力手段と、を備えるエフェクタであって、前記調整信号出力手段は、前記アタックが検出された場合に、前記第1音響効果信号の比率と前記第2音響効果信号の比率との一方を減少させ、他方を増加させて前記調整信号を出力する、エフェクタを構成する。
【選択図】図1
【解決手段】音信号に基づいてアタックを検出するアタック検出手段と、前記音信号に第1効果を与えた音を示す第1音響効果信号を出力する第1音響効果信号出力手段と、前記音信号に第2効果を与えた音を示す第2音響効果信号を出力する第2音響効果信号出力手段と、前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号とが含まれる調整信号を出力する調整信号出力手段と、を備えるエフェクタであって、前記調整信号出力手段は、前記アタックが検出された場合に、前記第1音響効果信号の比率と前記第2音響効果信号の比率との一方を減少させ、他方を増加させて前記調整信号を出力する、エフェクタを構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エフェクタ、エフェクトプログラムおよび効果付与方法に関する。
従来、音信号に対して種々の効果を付与して出力するエフェクタが知られている。例えば、特許文献1には、楽音信号のアタックレベルに応じてフィルタのカットオフ周波数と状態変数フィルタのQ値と出力音量レベルを変化させる技術が開示されている。この構成により、特許文献1においては、音に対してスプリングリバーブに類する効果を付与することができる。
従来の技術においては、エフェクタによって得られる効果が画一的であった。特許文献1に開示された技術においては、楽音信号のアタックレベルに応じてカットオフ周波数と状態変数フィルタのQ値と出力音量レベルを変化させている。しかし、変化する要素がカットオフ周波数と状態変数フィルタのQ値と出力音量レベルのみであるため、これらの要素が多少変化したとしても、同種の効果の程度が多少変化するに過ぎない。従って、聴覚上の変化は少なく、楽音信号に対して与えられる効果は画一的である。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、多様な効果を得ることが可能な技術の提供を目的とする。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、多様な効果を得ることが可能な技術の提供を目的とする。
上述の目的を達成するため、エフェクタは、アタックが検出された場合に、第1音響効果信号の比率と第2音響効果信号の比率との一方を減少させ、他方を増加させて調整信号を生成し、出力する。この構成によれば、音信号に効果を与えて調整信号として出力するエフェクタにおいて、アタックに同期して第1音響効果と第2音響効果との一方がアタック以前よりも大きく聞こえる。また、他方がアタック以前よりも小さく聞こえる。このため、調整信号が示す出力音においては、アタックに同期して音に付与された効果が大きく異なる。従って、エフェクタは、調整信号が示す出力音に多様な効果を与えることが可能である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)エフェクタの構成:
(2)動作例:
(3)第2実施形態:
(3−1)動作例:
(4)第3実施形態:
(4−1)動作例:
(5)他の実施形態:
(1)エフェクタの構成:
(2)動作例:
(3)第2実施形態:
(3−1)動作例:
(4)第3実施形態:
(4−1)動作例:
(5)他の実施形態:
(1)エフェクタの構成:
図1は本発明の一実施形態にかかるエフェクタ10の構成を示すブロック図である。エフェクタ10は、ハードウェアによって構成されても良いし、ソフトウェアによって構成されても良い。ここでは、DSP(Digital Signal Processor)によってエフェクタ10が構成されている例を説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるエフェクタ10の構成を示すブロック図である。エフェクタ10は、ハードウェアによって構成されても良いし、ソフトウェアによって構成されても良い。ここでは、DSP(Digital Signal Processor)によってエフェクタ10が構成されている例を説明する。
エフェクタ10には他の機器から音信号が入力される。エフェクタは、当該音信号が示す音に対して音響効果を与える。エフェクタは更に、音響効果が与えられた音信号に対して所定の調整(後述)を施し、調整信号として出力する。
本実施形態において、音信号は音波を示すデジタル信号である。このような信号の信号源としては、種々の装置が想定可能である。例えば、MIDI信号に基づいて音信号を生成、出力するトーンジェネレータや、マイクによって検出された音波に対してアナログデジタル変換を実施する装置等を信号源とすることができる。
調整信号は、音響効果が付与された音の音波を示すデジタル信号に所定の調整を施した信号である。音を出力するための構成は、種々の構成を採用可能である。例えば、調整信号をアナログ信号に変換する装置と、当該アナログ信号を増幅するサウンドシステムと、当該増幅された信号によって音を出力するスピーカーを利用する構成等が挙げられる。
本実施形態において、エフェクタ10は、アタック検出部20と第1音響効果信号出力部21と第2音響効果信号出力部22と調整信号出力部23とを備えている。アタック検出部20は、音信号に基づいてアタックを検出する処理を実行する。ここで、アタックは、音楽等の音において、音波の振幅(またはエンベロープ)がそれ以前に比較して急激に増加するタイミングである。本実施形態において、アタック検出部20は、音信号に基づいて音波の振幅を解析することで、アタックを検出する。
アタックの検出は、種々の手法によって実行可能であり、例えば、音信号に対してエンベロープフォロワを作用させ、このエンベロープフォロワの出力信号を微分し、微分値が閾値を超えたタイミングをアタックと見なす構成等を採用可能である。他にも、当該微分値がピークとなるタイミング等をアタックと見なす構成等が採用されても良い。いずれにしても、アタック検出部20は、アタックを検出すると、アタックが検出されたことを示す信号を出力する。
第1音響効果信号出力部21は、入力された音信号に第1効果を与え、第1効果が与えられた音を示す信号を第1音響効果信号として出力する。本実施形態において第1音響効果信号出力部21は、第1効果付与部21aと増幅器21b,21cと混合器21dとを備えている。第1効果付与部21aは、FIFO(First In First Out)形式で音信号を順次入力する図示しないメモリと、当該メモリに記録された音信号に基づいて所定の処理を行う図示しない処理部とを備えている。所定の処理は、メモリに記録された音信号に基づいて音信号が示す音に第1効果を付与する処理である。従って、第1効果付与部21aは、音信号が示す音に第1効果を付与し、第1効果が付与された音を示す信号を出力する。なお、第1効果は、任意の効果であってよく、例えば、リバーブ、ディレイ、コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ、ワウ、コンプレッサー、ディストーション等の任意の種類の効果が挙げられる。
第1音響効果信号出力部21から出力される第1音響効果信号は、入力された音信号に第1効果が与えられた音のみを示していても良いし、第1効果が与えられた音と他の音(例えば、入力された音信号)とが混合された音であっても良い。図1に示す本実施形態においては、後者が採用されている。すなわち、第1効果付与部21aから出力される信号は増幅器21bでゲインが調整され、混合器21dに入力される。一方、第1音響効果信号出力部21に入力される音信号は増幅器21cでゲインが調整され、混合器21dに入力される。
混合器21dは、複数の種類の信号が示す音を同時に発音させるための混合信号を生成する回路である。すなわち、混合器21dは、増幅器21bの出力信号と増幅器21cの出力信号とを混合した混合信号を生成し、第1音響効果信号として出力する。なお、本明細書では、増幅器21bの出力信号が示す音は、第1効果が付与された音のみからなるため、ウェット音とも呼ぶ。一方、増幅器21cの出力信号が示す音は音信号が示す音に第1効果が付与されていない音のみからなるため、ドライ音とも呼ぶ(以下、他の効果についても同様)。
さらに、本実施形態においては、図示しないインターフェース(ボタン等の操作部や他のコンピュータによるUI等)によって、増幅器21b,21cのゲインを設定することができる。従って、利用者は、当該インターフェースに対する操作を行うことで、ウェット音とドライ音とを混合する際の比率を調整することができる。なお、本実施形態においては、ウェット音とドライ音とのそれぞれが0%〜100%であるとともに、両者の和が100%になるように比率を調整することができる。
第2音響効果信号出力部22は、入力された音信号に第1効果と異なる種類の第2効果を与え、第2効果が与えられた音を示す信号を第2音響効果信号として出力する。本実施形態において、第2音響効果信号出力部22は、第2効果付与部22aと増幅器22b,22cと混合器22dとを備えている。第2効果付与部22aと増幅器22b,22cと混合器22dはそれぞれ、第1効果付与部21aと増幅器21b,21cと混合器21dと同様の構成であるため、詳細説明は省略する。ただし、第2効果は第1効果とは異なる種類の効果である。
調整信号出力部23は、第1音響効果信号と第2音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で第1音響効果信号と第2音響効果信号とが含まれる調整信号を出力する。本実施形態においては、第1音響効果信号と第2音響効果信号とのそれぞれについてのゲインを調整した後に両者を混合する構成が採用されている。具体的には、調整信号出力部23は、増幅器23a,23bと混合器23cを備えている。第1音響効果信号は、増幅器23aに入力され、ゲインが調整されて混合器23cに入力される。一方、第2音響効果信号は、増幅器23bに入力され、ゲインが調整されて混合器23cに入力される。混合器23cは、複数の種類の信号が示す音を同時に発音させるための混合信号を生成する回路である。すなわち、混合器23cは、増幅器23aの出力信号と増幅器23bの出力信号とを混合した混合信号を生成し、調整信号として出力する。
本実施形態における増幅器23a,23bは、ゲインを0%〜100%の間で調整することができる。従って、本実施形態においては、増幅器23a,23bにおけるゲイン調整によって、調整信号に含まれる第1音響効果信号と第2音響効果信号との比率を調整可能である。そして、本実施形態において調整信号出力部23は、アタックが検出された場合に、第1音響効果信号の比率と第2音響効果信号の比率との一方を減少させ、他方を増加させて調整信号を出力する。すなわち、調整信号出力部23は、アタックに同期して一方の音響効果信号が示す音を抑制し、他方が示す音を強調する。
具体的には、本実施形態において調整信号出力部23は、過渡期以外における増幅器23a,23bのゲインを0%または100%に設定する。すなわち、調整信号出力部23は、デフォルトで増幅器23aのゲインを100%、増幅器23bのゲインを0%とし、アタック検出部20からアタックが検出されたことを示す信号が出力されると、増幅器23aのゲインを徐々に減少させて0%とし、増幅器23bのゲインを徐々に増加させて100%に設定する(過渡期)。以後、調整信号出力部23は、アタック検出部20からアタックが検出されたことを示す信号が出力されるたびに、増幅器23aにおけるゲインの増加および減少と、増幅器23bにおけるゲインの減少および増加とを繰り返す。
すなわち、調整信号出力部23は、第1のアタックが検出された場合に、第1音響効果信号の比率を減少させ、第2音響効果信号の比率を増加させ、第1のアタックに続く第2のアタックが検出された場合に、第2音響効果信号の比率を減少させ、第1音響効果信号の比率を増加させる。この結果、調整信号出力部23は、連続する2回のアタックのそれぞれにおいて、第1音響効果信号の比率の減少および増加と第2音響効果信号の比率の増加と減少とを行うことになる。さらに、第2のアタックより後のアタックに応じた比率の調整は任意の調整を行うことが可能であるが、本実施形態においては、第2のアタックの次のアタックが再び第1のアタックであると見なしている。すなわち、調整信号出力部23は、アタックのたびに第1音響効果信号と第2音響効果信号とのいずれか一方を強調するようにゲインを調整する。
(2)動作例:
次に、図2Aに基づいてエフェクタ10の動作例を説明する。図2Aは、時系列の第1音響効果信号と第2音響効果信号と調整信号とを模式的に示す図である。同図2Aにおいて、第1音響効果信号および第2音響効果信号については、ウェット音とドライ音との比率を示している。すなわち、図2Aにおいては実線によって第1音響効果信号におけるウェット音とドライ音との比率を示しており、同図において第1音響効果信号におけるウェット音は約75%であり、ドライ音は約25%である(増幅器21bのゲインが75%、増幅器21cのゲインが25%)。
次に、図2Aに基づいてエフェクタ10の動作例を説明する。図2Aは、時系列の第1音響効果信号と第2音響効果信号と調整信号とを模式的に示す図である。同図2Aにおいて、第1音響効果信号および第2音響効果信号については、ウェット音とドライ音との比率を示している。すなわち、図2Aにおいては実線によって第1音響効果信号におけるウェット音とドライ音との比率を示しており、同図において第1音響効果信号におけるウェット音は約75%であり、ドライ音は約25%である(増幅器21bのゲインが75%、増幅器21cのゲインが25%)。
一方、図2Aにおいては一点鎖線によって第2音響効果信号におけるウェット音とドライ音との比率を示しており、同図において第2音響効果信号におけるウェット音は約50%であり、ドライ音は約50%である(増幅器22bのゲインが50%、増幅器22cのゲインが50%)。同図においては、利用者によって指定されたウェット音とドライ音との比率が変化されずに推移した例、すなわち、第1音響効果信号および第2音響効果信号におけるウェット音とドライ音との比率が一定である(時間経過に応じて変化しない)例を示している。
図2Aにおける時間軸上の時刻T1以前においては、増幅器23aのゲインが100%、増幅器23bのゲインが0%である。従って、時間軸上の時刻T1以前においては、調整信号に第1音響効果信号が100%含まれ、第2音響効果信号は含まれていない。図2Aにおいては、調整信号のタイミングチャートにおいて第1音響効果信号を示す「第1」側に実線が記述されていることによって、調整信号に第1音響効果信号が100%含まれ、第2音響効果信号が含まれていないことを示している。
この状態において、時間軸上の時刻T1でアタックが検出されると、アタック検出部20からアタックが検出されたことを示す信号が出力される。この結果、調整信号出力部23は、増幅器23aのゲインを100%から0%まで徐々に減少させ、増幅器23bのゲインを0%から100%まで徐々に増加させる。この結果、調整信号に含まれる第1音響効果信号の比率は徐々に低下し、第2音響効果信号の比率は徐々に増加し、最終的に100%となる。図2Aにおいては、時刻T1以後、二点鎖線によって第1音響効果信号の比率が減少し、第2音響効果信号の比率が増加することを示している。そして、時刻T11以後においては、第2音響効果信号の比率が100%になることが一点鎖線によって示されている。なお、増幅器23a、23bのゲインを徐々に変化させる際の速さは、ノイズが発生しない程度に高速であることが望ましい(例えば数十ms程度)。ゲインを高速に変化させることで音響信号のアタック感を損なわずに、第1音響効果信号から第2音響効果信号に推移させることができる。
以後、同様にして、時間軸上の時刻T2でアタックが検出されると、調整信号出力部23は、増幅器23aのゲインを0%から100%まで増加させ、増幅器23bのゲインを100%から0%まで減少させる。また、時間軸上の時刻T3でアタックが検出されると、調整信号出力部23は、増幅器23aのゲインを100%から0%まで減少させ、増幅器23bのゲインを0%から100%まで増加させる。
以上のように本実施形態における調整信号は、増幅器23a、23bのゲインを変化させている最中を除いて、第1音響効果信号と第2音響効果信号のいずれか一方が含まれる信号となっている。むろん、調整信号出力部23において、増幅器23a,23bのゲインの一方を100%、他方を0%としなければ、調整信号に第1音響効果信号と第2音響効果信号との双方が含まれる状態となる。例えば、増幅器23a,23bのゲインをそれぞれ75%,25%とし、アタックによってゲインを25%,75%に切り替える構成によれば、調整信号に第1音響効果信号と第2音響効果信号との双方が含まれる状態となり、アタックに応じて主たる効果が第1効果と第2効果とで切り替えられる。なお、第1音響効果信号の増幅器23aと第2音響効果信号の増幅器23bのゲインの合計を常に100%とするものに限らず、一時的に100%を超える状態があってもよい。例えば、第1音響効果信号の増幅器23aのゲインを100%としたまま第2音響効果信号の増幅器23bのゲインを0%から徐々に上げていき、100%にした後に、第1音響効果信号の増幅器23aのゲインを100%から徐々に下げて0%にするようにしてもよい。逆に、一時的に100%を下回る状態があってもよく、例えば、第1音響効果信号の増幅器23aのゲインを100%から徐々に下げていき、0%にした後に、第2音響効果信号の増幅器23bのゲインを0%から徐々に上げて100%にするようにしてもよい。
以上の構成によれば、音信号に効果を与えて調整信号として出力するエフェクタにおいて、アタックに同期して第1音響効果と第2音響効果との一方がアタック以前よりも大きく聞こえる(他方がアタック以前よりも小さく聞こえる)ように調整信号を生成することができる。このため、調整信号が示す出力音においては、アタックに同期して音に付与された効果が大きく変化する。従って、エフェクタは、調整信号が示す出力音に多様な効果を与えることが可能である。例えば、第1効果がリバーブであり、第2効果が他の効果である場合において、アタック前にリバーブがかけられている状態を想定する。この場合、当該リバーブがアタック後の他の効果にかぶらないように、アタックに同期して効果を切り替えることができる。
さらに、本実施形態において調整信号出力部23は、アタックのたびに第1音響効果信号と第2音響効果信号とのゲインの一方を減少させ、他方を増加させる。従って、調整信号出力部23は、連続するアタックにおいて効果が大きく変化するように調整信号を生成して出力することができる。さらに、第2効果は、第1効果と異なる種類の効果であるため、アタックに同期して第1効果と第2効果とを切り替える本実施形態によれば、アタックに併せて音に与えられた効果が全く異なる効果に変化するような音を生成することができる。
(3)第2実施形態:
上述の実施形態においては、第1効果を与える構成要素と第2効果を与える構成要素とが並列であったが、両者を直列に構成することもできる。図3は、第1効果を与える構成要素と第2効果を与える構成要素とが直列である場合の構成例を示すブロック図である。この例において、エフェクタ100は、アタック検出部200と第1音響効果信号出力部210と第2音響効果信号出力部220と調整信号出力部230とを備えている。アタック検出部200は、図1に示すアタック検出部20と同様の構成である。ただし、出力信号(アタックを検出したことを示す信号)は調整信号出力部230の増幅器230a、230b、230d、230e)に供給される。
上述の実施形態においては、第1効果を与える構成要素と第2効果を与える構成要素とが並列であったが、両者を直列に構成することもできる。図3は、第1効果を与える構成要素と第2効果を与える構成要素とが直列である場合の構成例を示すブロック図である。この例において、エフェクタ100は、アタック検出部200と第1音響効果信号出力部210と第2音響効果信号出力部220と調整信号出力部230とを備えている。アタック検出部200は、図1に示すアタック検出部20と同様の構成である。ただし、出力信号(アタックを検出したことを示す信号)は調整信号出力部230の増幅器230a、230b、230d、230e)に供給される。
第1音響効果信号出力部210は、音信号に第1効果を与える第1効果付与部210aを備えている。第1効果付与部210aは、図1に示す第1効果付与部21aと同様の構成である。ただし、本実施形態において、第1音響効果信号出力部210には、図1に示す増幅器21b,21cや混合器21dが備えられていない。従って、図3に示す例において、第1音響効果信号出力部210が出力する第1音響効果信号は、音信号が示す音に第1効果を与えた音のみを示す信号である。
第2音響効果信号出力部220は、音信号に第1効果と異なる種類の第2効果を与える第2効果付与部220aを備えている。第2効果付与部220aは、図1に示す第2効果付与部22aと同様の構成である。ただし、本実施形態において、第2音響効果信号出力部220には、図1に示す増幅器22b,22cや混合器22dが備えられていない。従って、図3に示す例において、第2音響効果信号出力部220が出力する第2音響効果信号は、音信号が示す音に第2効果を与えた音のみを示す信号である。
調整信号出力部230は、第1音響効果信号と第2音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で第1音響効果信号と第2音響効果信号とが含まれる調整信号を出力するための構成を備えている。本実施形態において調整信号出力部230は、音信号が示す音をドライ音、第1音響効果信号が示す音をウェット音として、ウェット音とドライ音との比率を調整する構成を備えている。さらに、調整信号出力部230は、このようにして比率が調整された後の音をドライ音、第2音響効果信号が示す音をウェット音として、ウェット音とドライ音との比率を調整する構成を備えている。
具体的には、調整信号出力部230は、増幅器230a,230b,230d,230eと混合器230c,230fを備えている。第1音響効果信号は、増幅器230aに入力され、ゲインが調整されて混合器230cに入力される。一方、音信号は、増幅器230bに入力され、ゲインが調整されて混合器230cに入力される。混合器230cは、複数の種類の信号が示す音を同時に発音させるための混合信号を生成する回路である。すなわち、混合器230cは、増幅器230aの出力信号と増幅器230bの出力信号とを混合した混合信号(混合信号1と呼ぶ)を生成し、出力する。
本実施形態における増幅器230a,230bにおいては、図示しないインターフェース(ボタン等の操作部や他のコンピュータによるUI等)によって、ゲインを設定することができる。従って、利用者は、当該インターフェースに対する操作を行うことで、第1音響効果信号と音信号とを混合する際の比率を指定することができる。なお、本実施形態においては、第1音響効果信号と音信号とのそれぞれが0%〜100%であるとともに、両者の和が100%になるように比率を調整することができる。
本実施形態において調整信号出力部230は、さらに、アタックが検出された場合に増幅器230a,230bのゲインを調整する。すなわち、調整信号出力部230は、第1音響効果信号の比率と音信号の比率との一方を減少させ、他方を増加させて混合信号1を出力する。具体的には、調整信号出力部230は、アタックに同期して第1音響効果信号が示す音を、利用者によって指定された比率から0%まで抑制し、音信号が示す音を利用者によって指定された比率から100%まで強調する。従って、後者の状態においては、混合信号1がドライ音を示していることになる。
さらに、混合器230cから出力される混合信号1は第2音響効果信号出力部220に入力される。第2音響効果信号出力部220から出力される第2音響効果信号は増幅器230dに入力され、ゲインが調整されて混合器230fに入力される。一方、混合信号1は、増幅器230eに入力され、ゲインが調整されて混合器230fに入力される。混合器230fは、複数の種類の信号が示す音を同時に発音させるための混合信号を生成する回路である。すなわち、混合器230fは、増幅器230dの出力信号と増幅器230eの出力信号とを混合した混合信号(混合信号2と呼ぶ)を生成し、調整信号として出力する。
増幅器230d,230eにおいても、図示しないインターフェース(ボタン等の操作部や他のコンピュータによるUI等)によって、ゲインを設定することができる。従って、利用者は、当該インターフェースに対する操作を行うことで、第2音響効果信号と混合信号1とを混合する際の比率を指定することができる。なお、ここでも、第2音響効果信号と混合信号1とのそれぞれが0%〜100%であるとともに、両者の和が100%になるように比率を調整することができる。
調整信号出力部230は、さらに、アタックが検出された場合に、増幅器230d,230eのゲインを調整する。すなわち、調整信号出力部230は、第2音響効果信号の比率と混合信号1の比率との一方を減少させ、他方を増加させて混合信号2を出力する。具体的には、調整信号出力部230は、アタックに同期して一方の音響効果信号が示す音を、利用者によって指定された比率から0%まで抑制し、他方が示す音を利用者によって指定された比率から100%まで強調する。
(3−1)動作例:
次に、図2Bに基づいてエフェクタ100の動作例を説明する。図2Bは、時系列の混合信号1と混合信号2(調整信号と同一の信号)とを模式的に示す図である。なお、図2Bにおいては、混合信号1および混合信号2と示したタイミングチャートのそれぞれにおいて、各信号のウェット音とドライ音との比率を示している。
次に、図2Bに基づいてエフェクタ100の動作例を説明する。図2Bは、時系列の混合信号1と混合信号2(調整信号と同一の信号)とを模式的に示す図である。なお、図2Bにおいては、混合信号1および混合信号2と示したタイミングチャートのそれぞれにおいて、各信号のウェット音とドライ音との比率を示している。
すなわち、図2Bは、利用者が図示しないインターフェースにより、増幅器230a,230bに対して第1音響効果信号の比率を約75%、音信号の比率を25%と指定し、増幅器230d,230eに対して第2音響効果信号の比率を約50%、混合信号1の比率を50%と指定した場合の例を示している。
このような指定が行われた場合、調整信号出力部230は、増幅器230a,230bを制御し、第1音響効果信号の比率を75%と0%との間で変化させ、音信号の比率を25%と100%との間で変化させる。例えば、第1音響効果信号の比率が75%、音信号の比率が25%である状態(時刻T1より前の状態)において、時刻T1でアタックが検出されると、調整信号出力部230は、第1音響効果信号の比率を75%から0%に減少させ、音信号の比率を25%から100%に増加させる。
また、調整信号出力部230は、増幅器230d,230eを制御し、第2音響効果信号の比率を50%と0%との間で変化させ、混合信号1の比率を50%と100%との間で変化させる。例えば、第2音響効果信号の比率が0%、混合信号1の比率が100%である状態(時刻T1より前の状態)において、時刻T1でアタックが検出されると、調整信号出力部230は、第2音響効果信号の比率を0%から50%に増加させ、混合信号1の比率を100%から50%に減少させる。
図2Bにおいても、利用者が指定した比率が変化されずに推移した例を示している。この場合、時間軸上の時刻T1以前においては、増幅器230aのゲインが75%、増幅器230bのゲインが25%、増幅器230dのゲインが0%、増幅器230eのゲインが100%である。従って、時間軸上の時刻T1以前においては、混合信号1に第1音響効果信号が75%含まれ、音信号が25%含まれている。また、混合信号2に第2音響効果信号が0%含まれ、混合信号1が100%含まれている。このため、エフェクタ100からは混合信号1(すなわち、第1音響効果信号と音信号が3:1で混合された信号)が調整信号として出力される。
この状態において、時間軸上の時刻T1でアタックが検出されると、アタック検出部200からアタックが検出されたことを示す信号が出力される。この結果、調整信号出力部230は、増幅器230aのゲインを75%から0%まで徐々に減少させ、増幅器230bのゲインを25%から100%まで徐々に増加させる。さらに、調整信号出力部230は、増幅器230dのゲインを0%から50%まで徐々に増加させ、増幅器230eのゲインを100%から50%まで徐々に減少させる。
従って、ゲインの調整が終了した時刻T11以後においては、混合信号1に第1音響効果信号が0%含まれ、音信号が100%含まれている。このため、第2音響効果信号出力部220においては、音信号が示す音に対して第2効果を与えた音を示す第2音響効果信号を出力する。さらに、混合信号2には、第2音響効果信号が50%含まれ、混合信号1が50%含まれている。そして、混合信号1は、音信号100%の信号であるため、混合信号2は、第2音響効果信号と音信号とが1:1で混合された信号となる。従って、この場合、第2音響効果信号と音信号とが1:1で混合された信号が調整信号として出力される。以後、同様にして、時間軸上の時刻T2,T3にてアタックが検出されるたびに、第1音響信号に基づいて生成された信号と、第2音響信号に基づいて生成された信号とが入れ替わるように変化していく。
以上のように本実施形態においては、ある時間帯では、混合信号1に含まれる第1音響効果信号および音信号の比率が75%および25%であり、混合信号2に含まれる第2音響効果信号および混合信号1の比率が0%および100%である。従って、この状態においては、第1音響効果信号および音信号が75%および25%で混合された混合信号1が調整信号として出力される。一方、アタックが検出されると、混合信号1に含まれる第1音響効果信号および音信号の比率が0%および100%であり、第2音響効果信号出力部220および増幅器230eに第1音響効果信号は供給されない。そして、この場合において、混合信号2に含まれる第2音響効果信号および混合信号1の比率は50%および50%であるが、混合信号1は音信号そのものであるため、この状態においては、第2音響効果信号と音信号が50%ずつ混合された混合信号2が調整信号として出力される。従って、本実施形態における調整信号は、第1音響効果信号と第2音響効果信号のいずれか一方が含まれる信号となる。むろん、調整信号出力部230において、アタック後の増幅器230a,230bのゲインを0%,100%としなければ、調整信号に第1音響効果信号と第2音響効果信号との双方が含まれる状態となるように比率を調整することができる。
(4)第3実施形態:
上述の実施形態においては、2個の機能ブロックによって音に対して第1効果および第2効果を与える構成であったが、1個の機能ブロックによって第1効果および第2効果を与える構成とすることもできる。図4Aは、1個の機能ブロックで音に対して第1効果および第2効果を与える構成例を示すブロック図である。この例において、エフェクタ101は、アタック検出部201と音響効果信号出力部211と調整信号出力部231とを備えている。アタック検出部201は、図1に示すアタック検出部20と同様の構成である。ただし、出力信号(アタックを検出したことを示す信号)は効果種類選択部231d(後述)と増幅器231a,231bとに供給される。
上述の実施形態においては、2個の機能ブロックによって音に対して第1効果および第2効果を与える構成であったが、1個の機能ブロックによって第1効果および第2効果を与える構成とすることもできる。図4Aは、1個の機能ブロックで音に対して第1効果および第2効果を与える構成例を示すブロック図である。この例において、エフェクタ101は、アタック検出部201と音響効果信号出力部211と調整信号出力部231とを備えている。アタック検出部201は、図1に示すアタック検出部20と同様の構成である。ただし、出力信号(アタックを検出したことを示す信号)は効果種類選択部231d(後述)と増幅器231a,231bとに供給される。
音響効果信号出力部211は、音信号に複数の種類の効果を与えることが可能な効果付与部211aを備えている。効果付与部211aは、FIFO(First In First Out)形式で音信号を順次入力する図示しないメモリと、当該メモリに記録された音信号に基づいて所定の処理を行う処理部とを備えている。所定の処理は、メモリに記録された音信号に基づいて音信号が示す音に効果を付与する処理であり、効果種類選択部231d(後述)から受け渡された指示に応じて複数の種類の効果から実行すべき処理を選択する。そして、効果付与部211aは、メモリに記録された音信号に基づいて、選択した効果を与えるための処理を実行し、第1音響効果信号または第2音響効果信号として出力する。
調整信号出力部231は、第1音響効果信号と第2音響効果信号のいずれを効果付与部が付与するか選択する構成と、音響効果が付与された信号と音信号の比率を調整し、調整後の比率で音響効果が付与された信号(第1音響効果信号または第2音響効果信号)が含まれる調整信号を出力するための構成を備えている。従って、本実施形態における調整信号は、第1音響効果信号と第2音響効果信号のいずれか一方が含まれる信号となる。
このような調整のため、調整信号出力部231は、利用者から効果の指示を受け付け、指示された効果を示す情報を効果付与部211aに受け渡す効果種類選択部231dを備えている。効果種類選択部231dは、図示しないインターフェース(ボタン等の操作部や他のコンピュータによるUI等)によって、利用者が行った指示操作を受け付け、音に対して与える効果を2個選択する。すなわち、利用者は、図示しないインターフェースを利用して予め第1効果と第2効果を指示する。第1効果と第2効果が指示されると、効果種類選択部231dは、音信号が示す音に対して与えるべき効果を示す信号を出力する。なお、本実施形態において、当該効果を示す信号は、アタック検出部201の出力信号に応じて切り替わる。
すなわち、効果種類選択部231dから第1効果を示す信号が効果付与部211aに対して出力され、効果付与部211aにおいて第1効果が付与されている状態において、アタック検出部201の出力信号が効果種類選択部231dに入力されると、効果種類選択部231dは、第2効果を示す信号を出力する。この第2効果を示す信号を受けて、効果付与部211aは、音信号に対して第2音響効果を付与し、第2音響効果信号を出力する。効果種類選択部231dから第2効果を示す信号が効果付与部211aに対して出力され後、アタック検出部201の出力信号が効果種類選択部231dに入力されると、効果種類選択部231dは、第1効果を示す信号を出力する。この第1効果を示す信号を受けて、効果付与部211aは音信号に対して第1音響効果を付与し、第1音響効果信号を出力する。
さらに、調整信号出力部231は、音信号が示す音をドライ音、音響効果信号(第1音響効果信号または第2音響効果信号)が示す音をウェット音として、ウェット音とドライ音との比率を調整する構成を備えている。具体的には、調整信号出力部231は、増幅器231a,231bと混合器231cを備えている。音響効果信号は、増幅器231aに入力され、ゲインが調整されて混合器231cに入力される。一方、音信号は、増幅器231bに入力され、ゲインが調整されて混合器231cに入力される。混合器231cは、複数の種類の信号が示す音を同時に発音させるための混合信号を生成する回路である。すなわち、混合器231cは、増幅器231aの出力信号と増幅器231bの出力信号とを混合した混合信号を生成し、調整信号として出力する。
本実施形態における増幅器231a,231bにおいては、図示しないインターフェース(ボタン等の操作部や他のコンピュータによるUI等)によって、ゲインを設定することができる。従って、利用者は、当該インターフェースに対する操作を行うことで、音響効果信号と音信号とを混合する際の比率を指定することができる。なお、本実施形態においては、音響効果信号と音信号とのそれぞれが0%〜100%であるとともに、両者の和が100%になるように比率を調整することができる。
本実施形態において調整信号出力部231は、さらに、アタックが検出された場合に増幅器231a,231bのゲインを調整する。すなわち、調整信号出力部231は、アタックが検出された場合に音響効果信号の比率を減少させ、音信号の比率を増加させて効果を切り替えるための期間を確保する。そして、当該期間内に効果種類選択部231dによって効果を示す信号が切り替わり、効果付与部211aが付与する効果が切り替わると、調整信号出力部231は、再び音響効果信号の比率を増加させ、音信号の比率を減少させる。具体的には、調整信号出力部231は、アタックに同期して音響効果信号が示す音を、利用者によって指定された比率から0%まで抑制し、音信号が示す音を利用者によって指定された比率から100%まで強調する。さらに、この状態を所定期間維持した後、調整信号出力部231は、音響効果信号が示す音を0%から利用者によって指定された比率まで増加させ、音信号が示す音を100%から利用者によって指定された比率まで減少させる。
(4−1)動作例:
次に、図4Bに基づいてエフェクタ101の動作例を説明する。図4Bは、時系列の音響効果信号と調整信号とを模式的に示す図である。なお、図4Bにおいては、音響効果信号と示したタイミングチャートにおいて、音響効果信号が示す音に与えられた効果が第1効果、第2効果のいずれであるのかを示している。一方、図4Bにおいて調整信号と示したタイミングチャートにおいて、ウェット音とドライ音との比率を示している。
次に、図4Bに基づいてエフェクタ101の動作例を説明する。図4Bは、時系列の音響効果信号と調整信号とを模式的に示す図である。なお、図4Bにおいては、音響効果信号と示したタイミングチャートにおいて、音響効果信号が示す音に与えられた効果が第1効果、第2効果のいずれであるのかを示している。一方、図4Bにおいて調整信号と示したタイミングチャートにおいて、ウェット音とドライ音との比率を示している。
すなわち、図4Bは、利用者が図示しないインターフェースにより、増幅器231a,231bに対して音響効果信号の比率を約75%、音信号の比率を25%と指定した場合の例を示している。このような指定が行われた場合、調整信号出力部231は、増幅器231a,231bを制御し、音響効果信号の比率を75%と0%との間で変化させ、音信号の比率を25%と100%との間で変化させる。例えば、時刻T1,T2,T3でアタックが検出されると、調整信号出力部231は、音響効果信号の比率を75%から0%に減少させ、音信号の比率を25%から100%に増加させる。さらに、この状態を所定期間維持した後、調整信号出力部231は、音響効果信号が示す音を0%から75%まで増加させ、音信号が示す音を100%から25%まで減少させる。
本実施形態においては、以上のように調整信号のウェット音とドライ音との比率がアタックのたびに一旦変化する。そして、効果種類選択部231dは、アタックのたびに第1効果と第2効果を順次切り替える。例えば、図4Bに示す時刻T1以前のように、音響効果信号が第1音響効果信号である状態において、時刻T1でアタックが検出されると、調整信号に含まれる音響効果信号の比率が75%から0%になる時刻T12まで音響効果信号が第1音響効果信号である状態が継続する。そして、調整信号が100に含まれる音信号の比率が100%となった時刻T12に効果種類選択部231dが音響効果信号を第2音響効果信号に切り替える処理を開始し、時刻T13において音響効果信号を第2音響効果信号に切り替わると、調整信号に含まれる音響効果信号の比率が再び0%から75%に上昇していく。本実施形態においては、このように、アタックのたびに音響効果信号(ウェット音を示す信号)に与えられた効果が第1効果と第2効果とで順次切り替わっていく。従って、調整信号に含まれる音響効果信号は、アタックのたびに第1音響効果信号と第2音響効果信号とで交互に切り替わる(第1音響効果信号と第2音響効果信号との比率がそれぞれ100%、0%の状態と、0%、100%の状態とが交互に切り替わるとも言える)。
なお、本実施形態において調整信号出力部231は、音響効果信号の比率を0%に変化させた状態を所定期間維持しており、効果付与部211aにおける音響効果信号の切り替わりは当該所定期間内(例えば、図4Bに示す時刻T12〜時刻T13)において終了する。従って、調整信号が示す音において効果が切り替わる際には、音が小さくなることで一旦効果が抑制され、再び音が聞こえる状態になったときには既に効果が切り替わっている。このため、違和感のない効果の切替を実現することが可能である。
(5)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、第1音響効果信号出力手段や第2音響効果信号出力手段においては、効果の強弱や音の変調度合い等を示すパラメータが可変であってよい。さらに、効果やそのパラメータ等が利用者によって選択可能であってもよい。
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、第1音響効果信号出力手段や第2音響効果信号出力手段においては、効果の強弱や音の変調度合い等を示すパラメータが可変であってよい。さらに、効果やそのパラメータ等が利用者によって選択可能であってもよい。
さらに、調整信号出力手段において調整される比率は、調整信号の出力レベルに対する第1音響効果信号の出力レベルの割合と、調整信号の出力レベルに対する第2音響効果信号の出力レベルの割合とを示していれば良い。従って、比率は、上述の実施形態のようにパーセンテージに従って調整されても良いし、1:1のような比の値に従って調整されても良い。また、比率は、連続的に変化可能であってもよく、段階的に変化可能であってもよい。
さらに、第1音響効果信号と第2音響効果信号との比率は、第1音響効果信号の出力レベルと第2音響効果信号の出力レベルとが直接的に調整されることによって変化しても良いし、間接的に調整されることによって変化しても良い。後者としては、例えば、調整信号が第1音響効果信号と第2音響効果信号と他の信号との混合信号である場合に、各信号の中の少なくとも1個の出力レベルが調整され、他の信号の出力レベルが連動して変化する構成等によって実現可能である。
比率の調整量は任意の量とすることができるが、調整の際に減少させる量が多く、増加させる量が多いほどアタックに同期した効果の変化を強調することができる。なお、アタック前に出力音の主成分(50%以上の比率)であった音響効果信号の比率をアタック後に減少させ、他の音響効果信号が主成分となるように比率を増加させることにより、アタックに同期して出力音の主成分を切り替えることが可能である。このような構成であれば、アタックに同期させて異なる効果に切り替えられるような音を生成することができる。従って、例えば、調整信号が示す音に対してアタック前にリバーブがかけられている場合において、当該リバーブがアタック後の他の効果にかぶらないように効果を切り替えることができる。
さらに、音信号に第3効果を与えた音を示す第3音響効果信号を出力する第3音響効果信号出力手段をさらに備える構成としてもよい。この場合、調整信号出力手段は、第1音響効果信号と第2音響効果信号と第3音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で第1音響効果信号と第2音響効果信号と第3音響効果信号とが含まれる調整信号を出力する構成となる。さらに、調整信号出力手段は、アタックが検出された場合に、第1音響効果信号の比率と第2音響効果信号の比率と第3音響効果信号の比率との少なくとも1個を減少させ、残りの信号の比率の少なくとも1個を増加させて調整信号を出力する。すなわち、アタックに同期させて、第1音響効果信号と第2音響効果信号と第3音響効果信号との比率を変化させる。この構成によれば、調整信号出力手段は、アタックに同期して多様に効果が変化する音を示す調整信号を出力することができる。
このような構成は、例えば、図1に示す構成において、第3音響効果信号出力部を第1音響効果信号出力部21,第2音響効果信号出力部22に対して並列に配置し、調整信号出力部23において、各出力部の出力を増幅器で調整した後に混合する構成等によって実現可能である。むろん、図3に示す構成において、第3音響効果信号出力部を第1音響効果信号出力部210,第2音響効果信号出力部220に対して直列に配置し、調整信号出力部23において、各出力部の出力を増幅器で調整し、各出力部における効果が付与されていない信号と混合する構成が採用されてもよい。さらに、図4に示す構成において、効果種類選択部231dにおいて3個の効果を選択する構成であってもよい。むろん、4個以上の効果が与えられた音を示す4個以上の音響効果信号の比率が調整されて調整信号が生成されても良い。
3個以上の効果が付与され得る構成においては、アタックに応じて切り替えられる効果の順序は任意の順序とすることができる。例えば、予め決められた順序に従って効果が切り替えられても良いし、ランダムに切り替えられても良い。
さらに、音響効果を付与する音響効果信号出力部は、アナログの音信号に対して音響効果を付与するものでもよい。
10…エフェクタ、20…アタック検出部、21…第1音響効果信号出力部、21a…第1効果付与部、21b,21c…増幅器、21d…混合器、22…第2音響効果信号出力部、22a…第2効果付与部、22b,22c…増幅器、22d…混合器、23…調整信号出力部、23a,23b…増幅器、23c…混合器
Claims (5)
- 音信号に基づいてアタックを検出するアタック検出手段と、
前記音信号に第1効果を与えた音を示す第1音響効果信号を出力する第1音響効果信号出力手段と、
前記音信号に第2効果を与えた音を示す第2音響効果信号を出力する第2音響効果信号出力手段と、
前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号とが含まれる調整信号を出力する調整信号出力手段と、を備えるエフェクタであって、
前記調整信号出力手段は、
前記アタックが検出された場合に、前記第1音響効果信号の比率と前記第2音響効果信号の比率との一方を減少させ、他方を増加させて前記調整信号を出力する、
エフェクタ。 - 前記調整信号出力手段は、
第1の前記アタックが検出された場合に、前記第1音響効果信号の比率を減少させ、前記第2音響効果信号の比率を増加させ、
第1の前記アタックに続く第2の前記アタックが検出された場合に、前記第2音響効果信号の比率を減少させ、前記第1音響効果信号の比率を増加させる、
請求項1に記載のエフェクタ。 - 前記音信号に第3効果を与えた音を示す第3音響効果信号を出力する第3音響効果信号出力手段をさらに備え、
前記調整信号出力手段は、
前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号と前記第3音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号と前記第3音響効果信号とが含まれる前記調整信号を出力し、
前記アタックが検出された場合に、前記第1音響効果信号の比率と前記第2音響効果信号の比率と前記第3音響効果信号の比率との少なくとも1個を減少させ、残りの信号の比率の少なくとも1個を増加させて前記調整信号を出力する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載のエフェクタ。 - 音信号に基づいてアタックを検出するアタック検出機能と、
前記音信号に第1効果を与えた音を示す第1音響効果信号を出力する第1音響効果信号出力機能と、
前記音信号に第2効果を与えた音を示す第2音響効果信号を出力する第2音響効果信号出力機能と、
前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号とが含まれる調整信号を出力する調整信号出力機能と、コンピュータに実現させるエフェクタプログラムであって、
前記調整信号出力機能では、
前記アタックが検出された場合に、前記第1音響効果信号の比率と前記第2音響効果信号の比率との一方を減少させ、他方を増加させて前記調整信号を出力する機能を前記コンピュータに実現させる、
エフェクタプログラム。 - 音信号に基づいてアタックを検出するアタック検出工程と、
前記音信号に第1効果を与えた音を示す第1音響効果信号を出力する第1音響効果信号出力工程と、
前記音信号に第2効果を与えた音を示す第2音響効果信号を出力する第2音響効果信号出力工程と、
前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号との比率を調整し、調整後の比率で前記第1音響効果信号と前記第2音響効果信号とが含まれる調整信号を出力する調整信号出力工程と、を含む効果付与方法であって、
前記調整信号出力工程では、
前記アタックが検出された場合に、前記第1音響効果信号の比率と前記第2音響効果信号の比率との一方を減少させ、他方を増加させて前記調整信号を出力する、
効果付与方法。
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Cited By (1)
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CN106658219A (zh) * | 2016-12-29 | 2017-05-10 | 微鲸科技有限公司 | 一种音效设置方法及系统 |
-
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- 2015-03-16 JP JP2015052084A patent/JP2016173388A/ja active Pending
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