JP2016173172A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】減衰力低減効果が大きく、安定した所望の減衰力特性を確保し得る減衰力調整機構を備えた緩衝器を提供する。【解決手段】弁座部材21と弁部材22との間に介装され、弁部材に支持される調整弁部材50を備え、弁部材は、弁座部材の外側で対向するように形成された弁座部22aを有し、調整弁部材50は、弁座部材及び弁座部に当接可能に配設され、弁座部材の内側で開口する連通路52が形成された可撓性の板状弁体51を有し、板状弁体が弁座部材から離座する方向への弁部材のストロークの増加に応じて、板状弁体が順次弁座部及び弁座部材から離座する。この結果、連通路、及び板状弁体と弁座部との間の第1の間隙を介して流路が連通すると共に、板状弁体と弁座部材との間の第2の間隙を介して流路が連通し、流路の開口面積が増加する。【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝器に関し、特に、減衰力調整機構を備えた緩衝器に係る。
車両に搭載される緩衝器(ショックアブソーバ)には、減衰力調整機構を有するものがある。この機構は、減衰力がピストンの作動速度に対して一義的に決まる緩衝器によっては、背反関係にある乗心地と操縦安定性を充足させることができないため、ピストンが発生する減衰力を調整可能とするものであり、種々の形式のものが知られている。例えば下記の特許文献1には、「従来の減衰力調整弁を備えた緩衝器では、例えば減衰特性の調整により、流出量が小さく平らで平面的な減衰力特性を得ることは困難であった。これらの場合、凸凹なあるいは不安定な働きをすることが不可避である。緩衝器にスムーズな挙動をさせて任意の異なるタイプの調整を可能にする必要がある。」(特許文献1の段落〔0006〕に記載)とし、この課題を解決するため「弁穴を有する弁座及び該弁穴を開閉する弁体を有し、該弁体の一方の面には上記弁穴を介して作動液体の開方向力が作用し、他方の面には閉方向力が作用し、該弁体のストロークに伴って、かつ該ストロークの大きさに応じた減衰力を発生させるように構成された緩衝器の減衰力調整弁において、上記弁体のストロークに伴って同時に作動して上記減衰力を発生させる内側減衰部と外側減衰部を有し、該内側減衰部及び外側減衰部は、上記ストロークに伴って大きさが同時に変化する減衰部面積を有し、該減衰部面積の変化速度に応じて各減衰部の発生する減衰力が異なる大きさに段階的に又は連続的に変化するように構成されており、上記作動液体は上記内側減衰部から外側減衰部への一方向に流れ、かつ該内側減衰部、外側減衰部でのみ実質的な減衰力が発生する」緩衝器の減衰力調整弁が提案されている(同段落〔0012〕に記載)。
特許第3655489号公報
上記特許文献に記載の減衰力調整弁においては、弁体のストロークに伴って同時に作動して減衰力を発生させる外側減衰部と内側減衰部からなる二つの減衰部を有し、これらの減衰部は上記ストロークに伴って減衰部面積が変化し、各減衰部が発生する減衰力の大きさが変化することで、上記ストロークの大きさに応じて減衰力を連続的に変化させることとしている。然し乍ら、二つの減衰部が直列に配置された構成となっているので、弁体が開弁方向に大きくストロークしたときには、二つの減衰部の減衰力が合成されることになり、十分な減衰力低減効果を望めない。また、二つの減衰部が弁体のストロークに伴って同時に作動し、内側減衰部のシール部が弁体と弁座の重なりによって構成されるため、弁体及び弁座の幾何学的な許容限度(平面度、同軸度)が小さく、減衰力特性にばらつきが生じやすい。
そこで、本発明は、減衰力低減効果が大きく、安定した所望の減衰力特性を確保し得る減衰力調整機構を備えた緩衝器を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、作動流体を収容する筒体と、該筒体内を摺動するピストンと、該ピストンに接続するピストンロッドと、前記筒体内で前記ピストンを介して流動する作動流体を制御し減衰力を調整する減衰力調整機構とを備えた緩衝器において、前記減衰力調整機構は、前記筒体に連通する流路が形成され前記筒体に接合されるケースと、該ケース内で前記流路に設けられた弁座部材と、該弁座部材に着座するときに前記流路を遮断し、当該弁座部材から離座するときに前記流路を連通する弁部材と、該弁部材が前記弁座部材に着座する方向に付勢する付勢部材と、前記弁座部材と前記弁部材との間に介装され、前記弁部材に支持される調整弁部材とを備え、前記弁部材は、前記弁座部材の外側で対向するように形成された弁座部を有し、前記調整弁部材は、前記弁座部材及び前記弁座部に当接可能に配設され、前記弁座部材の内側で開口する連通路が形成された可撓性の板状弁体を有し、該板状弁体と前記弁座部によって第1の減衰部が構成されると共に、前記板状弁体と前記弁座部材によって第2の減衰部が構成され、初期位置においては前記板状弁体が前記弁座部及び前記弁座部材に当接した状態にあり、前記板状弁体が前記弁座部材から離座する方向への前記弁部材のストロークの増加に応じて、前記板状弁体が順次前記弁座部及び前記弁座部材から離座し、前記連通路、及び前記板状弁体と前記弁座部との間の第1の間隙を介して前記流路が連通して前記第1の減衰部が作動すると共に、前記板状弁体と前記弁座部材との間の第2の間隙を介して前記流路が連通して前記第2の減衰部が作動し、前記弁部材のストロークの増加に応じて前記流路の開口面積が増加するように設定されているものである。
上記の緩衝器において、前記調整弁部材を構成する前記板状弁体は円板状に形成され、前記板状弁体の中央部から外周縁部に向かって変位量が増加するように、前記弁部材の底面に支持され、前記板状弁体の外周縁部の一方の面で前記弁座部に当接可能に配置されると共に、前記板状弁体の外周縁部の他方の面で前記弁座部材に当接可能に配置され、前記板状弁体の一方の面と前記弁座部との間に空隙が形成され、該空隙に連通するように前記連通路が前記板状弁体に形成されている構成とするとよい。
前記板状弁体に形成される前記連通路は、前記板状弁体の中央部から放射状に延出する少なくとも一つのスリット状に形成するとよい。更に、前記弁部材に形成された前記弁座部の着座径は、前記弁座部材の着座径より大に設定されている構成とするとよい。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の緩衝器においては、減衰力調整機構が、筒体に連通する流路が形成され筒体に接合されるケースと、ケース内で流路に設けられた弁座部材と、弁座部材に着座するときに流路を遮断し、弁座部材から離座するときに流路を連通する弁部材と、弁部材が弁座部材に着座する方向に付勢する付勢部材と、弁座部材と弁部材との間に介装され、弁部材に支持される調整弁部材とを備えたものであり、弁部材は、弁座部材の外側で対向するように形成された弁座部を有し、調整弁部材は、弁座部材及び弁座部に当接可能に配設され、弁座部材の内側で開口する連通路が形成された可撓性の板状弁体を有し、板状弁体と弁座部によって第1の減衰部が構成されると共に、板状弁体と弁座部材によって第2の減衰部が構成され、初期位置においては板状弁体が弁座部及び弁座部材に当接した状態にあり、板状弁体が弁座部材から離座する方向への弁部材のストロークの増加に応じて、板状弁体が順次弁座部及び弁座部材から離座し、連通路、及び板状弁体と弁座部との間の第1の間隙を介して流路が連通して第1の減衰部が作動すると共に、板状弁体と弁座部材との間の第2の間隙を介して流路が連通して第2の減衰部が作動し、弁部材のストロークの増加に応じて流路の開口面積が増加するように設定されているので、減衰力低減効果が大きく、安定した所望の減衰力特性を確保することができる。
特に、第1及び第2の減衰部が異なる減衰部面積を有するので、減衰力を連続的に変化させることができ、更に第1及び第2の減衰部が並列に配置されていることになるため、弁部材が開弁方向にストロークしたときにも、内側に配置される減衰部に影響されることはなく、減衰力を適切且つ十分に低減することができる。しかも、上記の板状弁部材が可撓性を有するものであるため、板状弁体と弁座部及び弁座部材の重なりによってシール部を構成する必要はなく、両者間の幾何学的な許容限度が大きく、安定した減衰力特性を確保することができる。
上記の緩衝器において、調整弁部材を構成する板状弁体は円板状に形成され、板状弁体の中央部から外周縁部に向かって変位量が増加するように、弁部材の底面に支持され、板状弁体の外周縁部の一方の面で弁座部に当接可能に配置されると共に、板状弁体の外周縁部の他方の面で弁座部材に当接可能に配置され、板状弁体の一方の面と弁座部との間に空隙が形成され、空隙に連通するように連通路が板状弁体に形成されている構成とすれば、幾何学的な許容限度が大きく、安定した減衰力特性を容易に確保することができる。
上記の板状弁体に形成される連通路を、板状弁体の中央部から放射状に延出する少なくとも一つのスリット状に形成すれば、板状弁体の中央部を弁部材の底面に支持するだけで、上記の空隙を前述の流路に容易に連通させることができる。更に、弁部材に形成された弁座部の着座径を、弁座部材の着座径より大に設定すれば、第1及び第2の減衰部を容易に且つ確実に並列に配置することができる。
本発明の一実施形態に係る緩衝器に装着された減衰力調整機構の断面図である。 本発明の一実施形態に供される調整弁部材の平面図である。 本発明の一実施形態に供される調整弁部材の別の態様を示す平面図である。 本発明の一実施形態に供される減衰力調整機構の一部を拡大して示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る減衰力調整機構の作動状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る減衰力調整機構の作動状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る緩衝器の減衰力特性を従来特性と対比して示すグラフである。
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る緩衝器に装着された減衰力調整機構を示すもので、作動流体を収容する筒体1が外筒1a、内筒1b及びシリンダ1cから成り、図1に二点鎖線で示すように、筒体1内を摺動するピストン2と、このピストン2に接続するピストンロッド3を備えている。内筒1bとシリンダ1cとの間に第1の流路F1が形成され、外筒1aと内筒1bとの間に第2の流路F2が形成されている。シリンダ1c内にはピストン2の両側に上室UC及び下室LCが形成され、シリンダ1cの底部の下室LC内にベースバルブBVが配設され、ピストン2内にはピストンバルブPVが配設されている。何れのバルブも従前と同様に構成されており、少なくとも、夫々所定の流体圧以上で下方側から上方側への流体の流れを許容し逆方向の流れを遮断する一方向弁機能を有している。このベースバルブBVを介して下室LCが第2の流路F2に連通し、上室UCが第1の流路F1に連通している。
上記の筒体1に減衰力調整機構DAが接合され、図1に示すように第1の流路F1及び第2の流路F2に連通接続されている。而して、上室UC内の流体が第1の流路F1に排出され、減衰力調整機構DAに導入される。そして、減衰力調整機構DAから第2の流路F2に排出され、ベースバルブBVを介して下室LC内に導入される。尚、第2の流路F2は所謂リザーバとして機能する。
本実施形態の減衰力調整機構DAは、二重筒形状のケース10が筒体1に接合され、このケース10内に弁部材30が収容された状態で、ソレノイドアッセンブリ40がケース10に接合されている。ケース10は、内筒1bに開口する円筒部1dの内周面に一方の開口端部が液密的に嵌合される内側ケース11と、これを囲繞するように配設され、第2の流路F2に連通するように外筒1aに一方の開口端部が接合される外側ケース12で構成され、内側ケース11の他方の開口端部が拡径されて成るフランジ部11aが、外側ケース12の内周面に形成された環状段部12aに係止されるように配設される。そして、ソレノイドアッセンブリ40の段付環状部材43が、内側ケース11のフランジ部11aの端面に当接すると共に外側ケース12の内周面に液密的に嵌合した状態で、外側ケース12の外周面に円筒状の締結部材13が螺合されて一体となるように構成されている。
内側ケース11の一方の開口端部内には円筒状の弁座部材21が圧入されており、この開口端面に当接して着座し得るように弁部材22が内側ケース11内に収容され、所定の軸方向距離を摺動可能に支持されている。図1に示すように、弁部材22は有底筒体のカップ形状に形成され、底部に連通孔P0が形成されると共に、外周面にラビリンス溝が形成されている。更に、弁部材22の筒体内には、弁部材22に対し径方向及び軸方向に間隙を以って、有底筒体のハット形状に形成された弁座部材23が遊嵌され、内側ケース11の内周面に形成された環状段部11bにフランジ部23aが係止されて、弁部材22に対する上記所定の軸方向距離が維持される。弁部材22と弁座部材23との環状間隙には圧縮コイルばねB1が収容され、弁部材22の底部と弁座部材23のフランジ部23aとの間に張設されている。弁座部材23の底部には連通孔P1が形成され、その回りに第1の弁座S1が形成されている。尚、弁部材22には調整弁部材50が支持されているが、これについては後述する。
更に、弁部材30を軸方向移動可能に支持する筒体の支持部材24が内側ケース11内に収容され、支持部材24の一端に形成されたフランジ部24aが、弁座部材23のフランジ部23aに当接するように配置されている。弁部材30と弁座部材23との環状間隙には圧縮コイルばねB2が収容され、弁座部材23の底部と弁部材30の大径部32との間に張設されている。尚、支持部材24の側壁には径方向に連通孔P3が形成され、内側ケース11の側壁にも径方向に連通孔P4及びP5が形成されている。本実施形態の弁部材30は段付ロッド形状の単一部材で、軸方向の連通孔33、並びにこれに連通する径方向の連通孔34及び35が形成されているが、連通孔35は省略することとしてもよい。
支持部材24のフランジ部24aには弁部材30の大径部32より小径で、弁部材30の中間部より大径の連通孔P2が形成されており、その回りに第2の弁座S2が構成されている。弁部材30は、第2の弁座S2に対し大径部32が着座可能に保持されると共に、支持部材24の筒体内に、例えば焼結金属製のブシュ25を介して摺動可能に保持され、弁座部材23内に圧縮コイルばねB2が収容された状態で、支持部材24のフランジ部24aが弁座部材23のフランジ部23aに当接するように配置される。而して、弁部材30には、弁部材30の先端部31によって第1の弁体部V1が構成されると共に、大径部32によって第2の弁体部V2が構成されており、後述するように、第1の弁体部V1と第1の弁座S1によって連通孔P1の流量を制御し得るように構成されている。尚、弁部材30とブシュ25との間は液密的嵌合状態とし、流体が通過しないように設定することが好ましい。
一方、ソレノイドアッセンブリ40は、弁部材30の後端面に当接するように配設される円筒状のプランジャ41が、金属の深絞り成形によって形成された円筒状のプランジャケース42内に摺動可能に収容された状態で、プランジャケース42の開口端部が段付環状部材43の小径筒体部43aに溶接接合され、段付環状部材43と一体となっている。段付環状部材43は固定コアとして機能し、その中央部にはテーパ孔(中径孔)43b、小径孔43c及び大径孔43dが形成されており、小径孔43cに弁部材30の胴部が遊嵌されると共に、大径孔43dに支持部材24が遊嵌され、夫々の微小間隙を流体が通過し得るように配設されている。
更に、プランジャケース42の回りに円筒状の固定コア44が配設されると共に、その回りに円筒状のソレノイドコイル45が配設されている。そして、ソレノイドコイル45に電気的に接続されるコネクタ47と共に、これらを収容する円筒状のソレノイドケース46が段付環状部材43に接合され、前述のように締結部材13によって外側ケース12に接合される。尚、プランジャケース42内には流体が充填され、プランジャ41の両端面に付与される圧力が相殺されるので、流体の圧力によってプランジャ41に対する駆動力が左右されることはない。また、弁部材30は円筒体ではなく中実部を有するので、弁座部材23内の流体圧がそのままプランジャ41側に伝達されることはなく、しかも、プランジャ41に至る流路は上記の微小間隙で絞られているので、プランジャケース42内が高圧となることを回避し得る。
而して、本実施形態においては、筒体1に連通する流路(F1)が形成され筒体1に接合されるケース10と、ケース10内で流路(F1)に設けられた弁座部材21と、弁座部材21に着座するときに流路を遮断し、弁座部材21から離座するときに流路を連通する弁部材22と、この弁部材22が弁座部材21に着座する方向に付勢する付勢部材(圧縮コイルばねB1)と、弁座部材21と弁部材22との間に介装され、弁部材22に支持される調整弁部材50とを備えた減衰力調整機構DAが構成されている。
本実施形態の弁部材22は、図4に拡大して示すように、弁座部材21の外側で対向するように形成された弁座部22aを有する。そして、調整弁部材50は、弁座部材21及び弁座部22aに当接可能に配設され、弁座部材21の内側で開口する連通路52が形成された可撓性の板状弁体51を有しており、板状弁体51と弁座部22aによって第1の減衰部が構成されると共に、板状弁体51と弁座部材21によって第2の減衰部が構成されている。
図1及び図4に示す初期位置においては、板状弁体51が弁部材22の弁座部22a及び弁座部材21に当接した状態にあり、板状弁体51が弁座部材21から離座する方向への弁部材22のストロークの増加に応じて、板状弁体51が順次弁座部22a及び弁座部材21から離座し、連通路52、及び板状弁体51と弁座部22aとの間の第1の間隙G1(図5及び図6に示す)を介して流路(F1)が連通して第1の減衰部が作動すると共に、板状弁体51と弁座部材21との間の第2の間隙G2(図6に示す)を介して流路(F1)が連通して第2の減衰部が作動し、弁部材22のストロークの増加に応じて流路(F1)の開口面積が増加するように設定されている。
図2及び図4に拡大して示すように、本実施形態の調整弁部材50は、可撓性を有する金属製円板形状の板状弁体51で構成され、この板状弁体51が、中央部51aから外周縁部51bに向かって変位量が増加するように、中央部51aで弁部材22の底面に支持され、外周縁部51bの一方の面(図2に二点鎖線で示す枠内のハッチング領域)で環状の弁座部22aに当接可能に配置されると共に、外周縁部51bの他方の面(図2に破線で示す枠内のハッチング領域)で弁座部材21に当接可能に配置される。換言すれば、板状弁体51は、その外周縁部51bの一方の面で、弁座部22aが図2の二点鎖線枠内のハッチング領域に着座し、外周縁部51bの他方の面で、弁座部材21が図2の破線枠内のハッチング領域に着座するように配置される。
板状弁体51は可撓性を有し、その中央部に形成された取付孔51c(図2及び図4に示す)が、弁部材22の底面に形成された凸部22b(図4に示す)に圧入されて、弁部材22に支持されるので、図5及び図6に示すように、外周縁部51bと弁座部22aとの間に第1の間隙G1が形成され、外周縁部51bと弁座部材21との間に第2の間隙G2が形成され得る。更に、板状弁体51の中央部51a(取付孔51c)から放射状に延出するスリット状の連通路52が形成されている。そして、図2及び図4に示すように、弁部材22に形成された弁座部22aの着座径(図2に示す二点鎖線枠内のハッチング領域の中心径D1)は、弁座部材21の着座径(図2に示す破線枠内のハッチング領域の中心径D2で示す)より大に設定されている。
而して、図4に示すように、板状弁体51の一方の面と弁座部22aとの間に空隙G3が形成され、この空隙G3に連通路52が連通するように、調整弁部材50が配設されている。尚、板状弁体51は、図3に示すように、中央部51a(取付孔51c)と外周縁部51bとの間に形成された一対の連通孔53、53によって、上記の空隙G3に連通する連通路を構成することとしてもよい。
次に、上記の構成になる減衰力調整機構DAが装着された緩衝器の全体作動を説明する。図1の停止状態から、例えばピストン2が下室LC内を圧縮して下降し始めると、下室LC内の流体がピストンバルブPVを介して上室UCに移動し、第1の流路F1から減衰力調整機構DAの弁座部材21、連通孔P0、P1を介して弁部材22及び弁座部材23内に導入され、連通孔P2乃至P4を介して第2の流路F2に排出される。ピストン2の速度の上昇に伴い第1の流路F1から弁座部材21に導入される圧力が上昇すると、弁部材22は圧縮コイルばねB1の付勢力に抗して弁座部材21から離座し、流体は両者間の間隙から連通孔P5を介して第2の流路F2に排出される。ピストン2が上室UC内を圧縮して上昇する場合も減衰力調整機構DAが同様に作動する。
更に、減衰力調整機構DAのソレノイドコイル45が励磁されると、プランジャ41が前進駆動され(図1の左方に移動)、圧縮コイルばねB2の付勢力に抗して弁部材30が同方向に駆動され、ソレノイドコイル45の励磁電流の増加に伴い弁部材30の先端部(第1の弁体部V1)が第1の弁座S1に近接し、最終的には第1の弁体部V1が第1の弁座S1に着座する。この間、第1の流路F1から導入される流体によって弁部材22の底部の両側に圧力差が生じ、圧縮コイルばねB1の付勢力に抗して弁部材22が図1の右方向に駆動され、弁座部材21から離座し、流体は両者間の間隙から連通孔P5を介して第2の流路F2に排出される。
そして、この間のソレノイドコイル45に対する励磁電流の制御によって、弁部材22ひいては調整弁部材50が弁座部材21から離座する方向の弁部材22のストロークの増加に応じて、先ず、板状弁体51が弁座部22aから離座し、図5に示す状態になると、連通路52、及び板状弁体51と弁座部22aとの間に形成される第1の間隙G1を介して、流路(F1)からの流体が図5に矢印で示すように、連通孔P5(図1に示す)に至る方向(図5の下方)に流れ、前述の第1の減衰部が作動する。
続いて、板状弁体51が弁座部材21からも離座し、図6に示す状態になると、上記の連通路52、及び板状弁体51と弁座部22aとの第1の間隙G1に加え、板状弁体51と弁座部材21との間に形成される第2の間隙G2を介して、流路(F1)からの流体が図6に矢印で示すように、連通孔P5(図1に示す)に至る方向(図6の下方)に流れ、前述の第2の減衰部が作動し、以後、弁部材22のストロークの増加に応じて流路(F1)の開口面積が増加し、通過する流体の流量が増大する。
而して、調整弁部材50を通過する流体の流量が変化し、これに応じて、第1及び第2の流路F1及びF2内の流体に付与される減衰力が調整される。例えば、ソレノイドコイル45に対する励磁電流を増加させると、プランジャ41に対する前進駆動力が増大し、第1の弁体部V1と第1の弁座S1との間を通過する流体の流量は減少するので、発生する減衰力が増大し、所謂ハードな減衰力制御となる。これに対し、ソレノイドコイル45に対する励磁電流を減少させると、プランジャ41に対する駆動力が低下し、第1の弁体部V1と第1の弁座S1との間を通過する流体の流量が増大するので、発生する減衰力は低下し、所謂ソフトな減衰力制御となるが、何れの場合においても、図7に示すように、破線で示す従前の装置の減衰力特性に比し、本実施形態によれば、ピストン速度が増大したときの減衰力の上昇を抑え(減衰力を低減し)、安定した減衰力特性を確保することができる。
以上のように、本実施形態の減衰力調整機構DAにおいては、調整弁部材50が弁座部材21から離座する方向への弁部材22のストロークの増加に応じて、板状弁体51が順次弁座部22a及び弁座部材21から離座し、連通路52、及び板状弁体51と弁座部22aとの間の第1の間隙G1を介して流路(F1)が連通して第1の減衰部が作動すると共に、板状弁体51と弁座部材21との間の第2の間隙G2を介して流路(F1)が連通して第2の減衰部が作動し、弁部材22のストロークの増加に応じて流路(F1)の開口面積が増加するように設定されているので、減衰力低減効果が大きく、安定した所望の減衰力特性を確保することができる。
また、弁座部22a及び弁座部材21が異なる着座径に設定されているので、板状弁体51と弁座部22aで構成される減衰部面積と、板状弁体51と弁座部材21で構成される減衰部面積が異なる。即ち、調整弁部材50によって構成される第1の減衰部と第2の減衰部が異なる減衰部面積を有するので、減衰力を連続的に変化させることができる。しかも、二つの減衰部が並列に配置されていることになるため、弁部材22が開弁方向にストロークしたときにも、内側に配置される減衰部に影響されることなく、減衰力を適切且つ十分に低減することができる。特に、板状弁体51が可撓性を有するため、板状弁体51と弁座部22a及び弁座部材21の重なりでシール部を構成する必要はなく、両者間の幾何学的な許容限度が大きく、安定した減衰力特性を確保することができる。
1 筒体
2 ピストン
3 ピストンロッド
10 ケース
21、23 弁座部材
22、30 弁部材
24 支持部材
40 ソレノイドアセンブリ
41 プランジャ
45 ソレノイドコイル
50 調整弁部材
51 板状弁体
52 連通路
F1 第1の流路
F2 第2の流路
S1 第1の弁座
S2 第2の弁座
G1 第1の間隙
G2 第2の間隙
V1 第1の弁体部
V2 第2の弁体部
P0〜P5 連通孔

Claims (4)

  1. 作動流体を収容する筒体と、該筒体内を摺動するピストンと、該ピストンに接続するピストンロッドと、前記筒体内で前記ピストンを介して流動する作動流体を制御し減衰力を調整する減衰力調整機構とを備えた緩衝器において、前記減衰力調整機構は、前記筒体に連通する流路が形成され前記筒体に接合されるケースと、該ケース内で前記流路に設けられた弁座部材と、該弁座部材に着座するときに前記流路を遮断し、当該弁座部材から離座するときに前記流路を連通する弁部材と、該弁部材が前記弁座部材に着座する方向に付勢する付勢部材と、前記弁座部材と前記弁部材との間に介装され、前記弁部材に支持される調整弁部材とを備え、前記弁部材は、前記弁座部材の外側で対向するように形成された弁座部を有し、前記調整弁部材は、前記弁座部材及び前記弁座部に当接可能に配設され、前記弁座部材の内側で開口する連通路が形成された可撓性の板状弁体を有し、該板状弁体と前記弁座部によって第1の減衰部が構成されると共に、前記板状弁体と前記弁座部材によって第2の減衰部が構成され、初期位置においては前記板状弁体が前記弁座部及び前記弁座部材に当接した状態にあり、前記板状弁体が前記弁座部材から離座する方向への前記弁部材のストロークの増加に応じて、前記板状弁体が順次前記弁座部及び前記弁座部材から離座し、前記連通路、及び前記板状弁体と前記弁座部との間の第1の間隙を介して前記流路が連通して前記第1の減衰部が作動すると共に、前記板状弁体と前記弁座部材との間の第2の間隙を介して前記流路が連通して前記第2の減衰部が作動し、前記弁部材のストロークの増加に応じて前記流路の開口面積が増加するように設定されていることを特徴とする緩衝器。
  2. 前記調整弁部材を構成する前記板状弁体は円板状に形成され、前記板状弁体の中央部から外周縁部に向かって変位量が増加するように、前記弁部材の底面に支持され、前記板状弁体の外周縁部の一方の面で前記弁座部に当接可能に配置されると共に、前記板状弁体の外周縁部の他方の面で前記弁座部材に当接可能に配置され、前記板状弁体の一方の面と前記弁座部との間に空隙が形成され、該空隙に連通するように前記連通路が前記板状弁体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の緩衝器。
  3. 前記板状弁体に形成される前記連通路は、前記板状弁体の中央部から放射状に延出する少なくとも一つのスリット状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の緩衝器。
  4. 前記弁部材に形成された前記弁座部の着座径は、前記弁座部材の着座径より大に設定されていることを特徴とする請求項2又は3記載の緩衝器。
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