JP6504443B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器に関し、特に、減衰力調整機構を備えた緩衝器に係る。
車両に搭載される緩衝器(ショックアブソーバ)には、減衰力調整機構を有するものがある。この機構は、減衰力がピストンの作動速度に対して一義的に決まる緩衝器によっては、背反関係にある乗心地と操縦安定性を充足させることができないため、ピストンが発生する減衰力を調整可能とするものであり、種々の形式のものが知られている。例えば下記の特許文献1には、「圧力制御弁の応答遅れ及び弁体の自励振動の発生を防止するようにした減衰力調整式緩衝器を提供する」することを目的とし(特許文献1の段落〔0007〕)、「流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる流体の流れを制御して減衰力を発生させ、開弁圧力を調整可能な圧力制御弁とを備えた減衰力調整式緩衝器において、前記圧力制御弁は、弁体と、該弁体を軸方向一方側に付勢して開弁圧力を調整するプランジャと、前記弁体と前記プランジャとの間に介装された弁バネと、前記プランジャまたは前記弁体を軸方向他方側に付勢するメインバネとを備え、前記弁体は、前記プランジャよりも質量が小さく、前記弁バネは、前記メインバネよりもバネ剛性が高い」減衰力調整式緩衝器が提案されている(同段落〔0008〕に記載)。
そして、上記の圧力制御弁として、特許文献1には「ポートと弁体とで圧力制御弁を形成しており、弁体は、ポート内の油液の圧力が所定圧力に達すると開弁し、その開弁圧力はプランジャバネのバネ力及びソレノイドの推力すなわちコイルへの通電電流に応じて調整されるようになっている」旨記載されている(同段落〔0022〕に記載。但し、付記された符合は省略)。
また、下記の特許文献2には、「減衰力発生機構の生産性を高めた緩衝器を提供」することを目的とし(特許文献1の段落〔0006〕)、「作動流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、該ピストンに連結され前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内の前記ピストンの摺動によって生じる作動流体の流れを制御して減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備え、前記減衰力発生機構は、開口部が設けられたケース部材と、前記ケース部材内に保持されて前記ケース部材内に形成されたシート部に離着座する弁体と、前記ケース部材内に設けられて前記弁体を前記シート部に対して付勢する付勢部材とを有するバルブブロックと、前記バルブブロックのケース部材内に保持された弁体に対向する作動ロッドを有し、前記バルブブロックに結合可能なソレノイドブロックとを含み、前記バルブブロックと前記ソレノイドブロックとが結合されたとき、前記弁体と前記作動ロッドとが係合する」緩衝器が提案されている(同段落〔0007〕に記載)。
更に、パイロット弁に関し、「コイルへの通電により、作動ロッドによりパイロット弁部材をシート部に向かって前進させることにより、パイロットバネのバネ部を段部に当接させ、フェイルセーフバネ及びパイロットバネのバネ力に抗してパイロット弁部材をシート部に着座させ、通電電流により開弁圧力を制御する」旨記載されている(同段落〔0029〕に記載。但し、付記された符合は省略)。
特開2009−281584号公報 特開2013−11342号公報
上記特許文献1及び2における圧力制御弁及びパイロット弁は何れも、通電電流に応じたソレノイド推力によって、弁部材が着座した状態から、一定のばね定数を有するバネ力に抗して、所定のパイロット圧に到達すると開弁されるように構成されている。このため、パイロット圧が小さく、所定の圧力に到達するまでの弁部材が着座した状態、即ち、ショックアブソーバの低ピストン速度領域では、ショックアブソーバの減衰力を調整することはできず、全体として所望の減衰力特性を確保することはできない。
そこで、本発明は、低ピストン速度領域においても所望の減衰力特性を確保し得る減衰力調整機構を備えた緩衝器を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は作動流体を収容する筒体と、該筒体内を摺動するピストンと、該ピストンに接続するピストンロッドと、前記筒体内で前記ピストンを介して流動する作動流体を制御し減衰力を調整する減衰力調整機構とを備えた緩衝器において、前記減衰力調整機構は、前記筒体に連通する流路が形成され前記筒体に接合されるケースと、該ケース内で所定距離を隔てて前記流路に設けられた第1の連通路及び第2の連通路と、前記第1の連通路に設けられた第1の弁座と、前記第2の連通路に設けられた第2の弁座と、前記第1の弁座に対し近接離隔作動可能に支持される第1の弁体部、及び前記第2の弁座に着座可能に支持される第2の弁体部を有する弁部材と、前記第1の弁体部が前記第1の弁座から離隔すると共に前記第2の弁体部が前記第2の弁座に着座するように前記弁部材を付勢する弁付勢部材と、前記ケースに支持される筒状のソレノイドと、該ソレノイド内に収容され、当該ソレノイドの励磁に応じて、前記弁付勢部材の付勢力に抗して前記第2の弁体部が前記第2の弁座から離座し、前記第1の弁体部が前記第1の弁座に近接する方向に前記弁部材を駆動するプランジャと、前記第1の弁座に着座するように配設され、前記第1の連通路を開閉する可撓性の板状弁体と、該板状弁体に一端面が当接すると共に他端面が前記弁部材の先端部に当接可能に配設され、前記弁部材の軸方向移動に応じて前記板状弁体の前記第1の弁座に対する開口面積を増減可能に配設される保持部材と、前記板状弁体の前記第1の弁座に対する開口面積が減少する方向に前記保持部材を付勢する保持付勢部材とを備えることとしたものである。
上記の緩衝器において、前記板状弁体は、周縁部で前記第1の連通路を開閉する弾性円板弁体から成り、前記保持部材が、前記弁部材の軸方向移動に応じて拡径及び縮径可能に配設され、前記保持付勢部材が、前記保持部材を前記弾性円板弁体の中心方向に付勢するように構成するとよい。
上記の緩衝器において、前記保持部材は、前記弾性円板弁体の中心回りに配設され、筒体を形成する複数の分割部材から成り、該複数の分割部材によって形成される前記筒体の一方の軸方向端面が前記弾性円板弁体に当接するように配設され、前記筒体の他方の軸方向端面に円錐状凹部が形成されると共に、前記弁部材の先端部が、前記円錐状凹部の内側面に線接触する曲面形状に形成されている構成とするとよい。
上記の緩衝器において、前記保持付勢部材は、前記複数の分割部材の外周面を囲繞し前記弾性円板弁体の中心方向に付勢する環状弾性部材で構成することができる。あるいは、前記保持付勢部材は、前記複数の分割部材の各々を前記弾性円板弁体の中心方向に付勢するばね部材で構成することもできる。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の緩衝器においては、減衰力調整機構は、筒体に連通する流路が形成され筒体に接合されるケースと、該ケース内で所定距離を隔てて流路に設けられた第1の連通路及び第2の連通路と、第1の連通路に設けられた第1の弁座と、第2の連通路に設けられた第2の弁座と、第1の弁座に対し近接離隔作動可能に支持される第1の弁体部、及び第2の弁座に着座可能に支持される第2の弁体部を有する弁部材と、第1の弁体部が第1の弁座から離隔すると共に第2の弁体部が第2の弁座に着座するように弁部材を付勢する弁付勢部材と、ケースに支持される筒状のソレノイドと、該ソレノイド内に収容され、当該ソレノイドの励磁に応じて、弁付勢部材の付勢力に抗して第2の弁体部が第2の弁座から離座し、第1の弁体部が第1の弁座に近接する方向に弁部材を駆動するプランジャと、第1の弁座に着座するように配設され、第1の連通路を開閉する可撓性の板状弁体と、該板状弁体に一端面が当接すると共に他端面が弁部材の先端部に当接可能に配設され、弁部材の軸方向移動に応じて板状弁体の第1の弁座に対する開口面積を増減可能に配設される保持部材と、板状弁体の第1の弁座に対する開口面積が減少する方向に保持部材を付勢する保持付勢部材とを備えたものであり、上記弁部材の軸方向移動に応じて保持部材が作動し、板状弁体の第1の弁座に対する開口面積が増減することにより、これを通過する流体の流量が変化して減衰力が調整されるので、ハード及びソフトな減衰力制御の何れにおいても、所望の減衰力特性を確保することができる。特に、低ピストン速度領域においても、円滑且つ適切な流量制御を行うことができるので、容易に所望の減衰力特性を確保することができる。
上記の板状弁体は、周縁部で第1の連通路を開閉する弾性円板弁体から成り、保持部材が、弁部材の軸方向移動に応じて拡径及び縮径可能に配設され、保持付勢部材が、保持部材を弾性円板弁体の中心方向に付勢するように構成すれば、弾性円板弁体の第1の弁座に対する開口面積を円滑且つ確実に増減することができ、低ピストン速度領域においても所望の減衰力特性を容易に確保することができる。
更に、保持部材は、弾性円板弁体の中心回りに配設され、筒体を形成する複数の分割部材から成り、該複数の分割部材によって形成される筒体の一方の軸方向端面が弾性円板弁体に当接するように配設され、筒体の他方の軸方向端面に円錐状凹部が形成されると共に、弁部材の先端部が、円錐状凹部の内側面に線接触する曲面形状に形成されている構成とすれば、弾性円板弁体の第1の弁座に対する開口面積を円滑且つ確実に増減することができる。
そして、保持付勢部材は、複数の分割部材の外周面を囲繞し弾性円板弁体の中心方向に付勢する環状弾性部材で構成し、あるいは、複数の分割部材の各々を弾性円板弁体の中心方向に付勢するばね部材で構成することができるので、簡単な構造で上記の開口面積を円滑且つ確実に増減することができる。
本発明の一実施形態に係る緩衝器に装着された減衰力調整機構の断面図である。 本発明の一実施形態に供される弁部材、保持部材及び弾性円板弁体を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る減衰力調整機構の停止状態の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る減衰力調整機構の作動状態の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る減衰力調整機構の作動状態の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に供される弁部材、保持部材及び弾性円板弁体の他の態様を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る緩衝器の減衰力特性を示すグラフである。 従来装置の減衰力特性を示すグラフである
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る緩衝器に装着された減衰力調整機構を示すもので、作動流体を収容する筒体1が外筒1a、内筒1b及びシリンダ1cから成り、図1に二点鎖線で示すように、筒体1内を摺動するピストン2と、このピストン2に接続するピストンロッド3を備えている。内筒1bとシリンダ1cとの間に第1の流路F1が形成され、外筒1aと内筒1bとの間に第2の流路F2が形成されている。シリンダ1c内にはピストン2の両側に上室UC及び下室LCが形成され、シリンダ1cの底部の下室LC内にベースバルブBVが配設され、ピストン2内にはピストンバルブPVが配設されている。何れのバルブも従前と同様に構成されており、少なくとも、夫々所定の流体圧以上で下方側から上方側への流体の流れを許容し逆方向の流れを遮断する一方向弁機能を有している。このベースバルブBVを介して下室LCが第2の流路F2に連通し、上室UCが第1の流路F1に連通している。
上記の筒体1に減衰力調整機構DAが接合され、図1に示すように第1の流路F1及び第2の流路F2に連通接続されている。而して、上室UC内の流体が第1の流路F1に排出され、減衰力調整機構DAに導入される。そして、減衰力調整機構DAから第2の流路F2に排出され、ベースバルブBVを介して下室LC内に導入される。尚、第2の流路F2は所謂リザーバとして機能する。
本実施形態の減衰力調整機構DAは、二重筒形状のケース10が筒体1に接合され、このケース10内に弁部材30が収容された状態で、ソレノイドアッセンブリ40がケース10に接合されている。ケース10は、内筒1bに開口する円筒部1dの内周面に一方の開口端部が液密的に嵌合される内側ケース11と、これを囲繞するように配設され、第2の流路F2に連通するように外筒1aに一方の開口端部が接合される外側ケース12で構成されている。そして、ソレノイドアッセンブリ40の段付環状部材43が外側ケース12の内周面に液密的に嵌合されると共に環状段部12aに係止され、外側ケース12及び段付環状部材43の端面にソレノイドケース46の端面が当接した状態で、外側ケース12の外周面に円筒状の締結部材13が螺合されて一体となるように構成されている。
上記の内側ケース11内には弁部材22が収容され、所定の軸方向距離を摺動可能に支持される。そして、円筒状の弁座部材21が開口端部11a内に圧入されると、弁部材22が弁座部材21の開口端面に当接して着座し得るように配設されている。図1及び図3に示すように、弁部材22は有底筒体のカップ形状に形成され、底部に一対の連通孔P0、P0が形成されると共に、外周面にラビリンス溝が形成されている。更に、弁部材22の筒体内には、弁部材22に対し径方向及び軸方向に間隙を以って、有底筒体の弁座部材23が遊嵌され、内側ケース11の開口11aに嵌着されている。弁部材22と弁座部材23との環状間隙には圧縮コイルばねB1が収容され、弁部材22の底部と内側ケース11の端部との間に張設されている。尚、弁座部材23の底部には一対の連通孔P1、P1が形成され、その回りに第1の弁座S1、S1が形成されている(図1には夫々一方のみに符合を付している)。
更に、弁部材30を軸方向移動可能に支持する筒体の支持部材24が弁座部材23の筒体内に収容され、弁座部材23の開口には環状の弁座部材25が固定されている。弁部材30と支持部材24との環状間隙には圧縮コイルばねB2(後述の第2の弁体部V2に対する弁付勢部材として機能)が収容され、支持部材24の端面と弁部材30(後述の大径部32)との間に張設されている。弁座部材23の側壁には径方向に連通孔P3が形成され、内側ケース11と段付環状部材43との間の間隙P4に連通している。また、支持部材24には軸方向に連通孔24aが形成されており、この連通孔24aを介して支持部材24の両側の空間が連通している。尚、内側ケース11の側壁にも径方向に連通孔P5が形成されている。
本実施形態の弁部材30は段付ロッド形状の単一部材で、曲面形状の先端部31と大径部32が形成されている。また、第1の連通路(連通孔P1)を開閉する可撓性の板状弁体として、弾性円板弁体50が、その周縁部で第1の連通路(連通孔P1)を開閉するように配設されている。そして、保持部材60の一端面が弾性円板弁体50に当接すると共に他端面が弁部材30の先端部31に当接するように配設されている。この保持部材60は、弁部材30の軸方向移動に応じて、拡径及び縮径可能、即ち、弾性円板弁体50(板状弁体)の第1の弁座S1に対する開口面積を増減可能に配設されている。更に、弾性円板弁体50の中心方向、即ち、弾性円板弁体50(板状弁体)の第1の弁座S1に対する開口面積が減少する方向に保持部材60を付勢する保持付勢部材70が配設されている。
上記の保持部材60は、図2に拡大して示すように、弾性円板弁体50の中心回りに配設され、筒体を形成する複数の分割部材(本実施形態では、三つの分割部材61乃至63)から成り、これらの分割部材61乃至63によって形成される筒体の一方の軸方向端面が弾性円板弁体50に当接するように配設され、当該筒体の他方の軸方向端面に円錐状凹部64(図3に断面を示す)が形成されると共に、弁部材30の先端部31が、円錐状凹部64の内側面に線接触する曲面形状(図3に断面を示す)に形成されている。そして、上記の保持付勢部材70として、例えば、ばね材料で環状に形成された環状弾性部材71が用いられ、各分割部材61乃至63の外周面に、環状弾性部材71を収容する環状溝65が形成されている。而して、分割部材61乃至63の外周面を囲繞するように配設される環状弾性部材71によって、各分割部材61乃至63が弾性円板弁体50の中心方向に付勢されている。
一方、弁座部材25には、弁部材30の大径部32より小径で弁部材30の中間部より大径の連通孔P2が形成されており、その回りに第2の弁座S2が構成されている。弁部材30は、第1の弁座S1に対し先端部31が近接離隔作動可能に支持されると共に、第2の弁座S2に対し大径部32が着座可能に支持され、前述のように、支持部材24の筒体内に摺動可能に保持されている。そして、弁部材30の筒体内に圧縮コイルばねB2が収容され、弁部材30の大径部32と支持部材24との間に張設され、大径部32が弁座部材25に着座する方向に付勢されると共に、支持部材24及び保持部材60が弁座部材23の底部方向に付勢されている。
而して、弁部材30には、弁部材30の先端部31によって、第1の弁座S1に対し近接離隔作動を行う第1の弁体部V1が構成されると共に、大径部32によって第2の弁座S1を開閉する第2の弁体部V2が構成されている。尚、第2の弁体部V2が第2の弁座S2に着座した後は、連通孔P3を介して第1及び第2の流路F1及びF2間の連通状態を維持し得るように構成されている。
一方、ソレノイドアッセンブリ40は、弁部材30の後端面に当接するように配設される円筒状のプランジャ41が、金属の深絞り成形によって形成された円筒状のプランジャケース42内に摺動可能に収容された状態で、プランジャケース42の開口端部が段付環状部材43の小径筒体部43aに溶接接合され、段付環状部材43と一体となっている。段付環状部材43は固定コアとして機能し、その中央部には中径孔43b、小径孔43c及び大径孔43dが形成されており、これらの孔と弁部材30との間の間隙を流体が通過し得るように構成されている。
更に、プランジャケース42の回りに円筒状の固定コア44が配設されると共に、その回りに円筒状のソレノイドコイル45が配設されている。そして、ソレノイドコイル45に電気的に接続されるコネクタ47と共に、これらを収容する円筒状のソレノイドケース46が段付環状部材43に接合され、前述のように締結部材13によって外側ケース12に接合される。尚、プランジャケース42内には流体が充填され、プランジャ41の両端面に付与される圧力が相殺されるので、流体の圧力によってプランジャ41に対する駆動力が左右されることはない。また、弁部材30は円筒体ではなく中実部を有するので、弁座部材23内の流体圧がそのままプランジャ41側に伝達されることはなく、プランジャケース42内が高圧となることを回避し得る。
而して、本実施形態においては、図1に全体構成を示し、図3に一部を拡大して示すように、筒体1に連通する流路(F1、F2)が形成され筒体1に接合されるケース10と、ケース10内で所定距離を隔てて流路に設けられた第1の連通路(連通孔P1)及び第2の連通路(連通孔P2)と、第1の連通路(連通孔P1)に設けられた第1の弁座S1と、第2の連通路(連通孔P2)に設けられた第2の弁座S2と、第1の弁座S1(弁座部材23)に対し近接離隔作動可能に支持される第1の弁体部V1(先端部31)、及び第2の弁座S2(弁座部材25)に着座可能に支持される第2の弁体部V2(大径部32)を有する弁部材30と、第1の弁体部V1が第1の弁座S1から離隔すると共に第2の弁体部V2が第2の弁座S2に着座するように弁部材30を付勢する弁付勢部材(圧縮コイルばねB2)と、ケース10に支持される筒状のソレノイド(ソレノイドコイル45)と、ソレノイド内に収容され、ソレノイドの励磁に応じて、弁付勢部材(圧縮コイルばねB2)の付勢力に抗して第2の弁体部V2が第2の弁座S2から離座し、第1の弁体部V1が第1の弁座S1に近接する方向に弁部材30を駆動するプランジャ41と、第1の弁座S1に着座するように配設され、第1の連通路(連通孔P1)を開閉する可撓性の板状弁体(弾性円板弁体50)と、この板状弁体に一端面が当接すると共に他端面が弁部材30の先端部31に当接可能に配設され、弁部材30の軸方向移動に応じて板状弁体(弾性円板弁体50)の第1の弁座S1に対する開口面積を増減可能(拡径及び縮径可能)に配設される保持部材60と、板状弁体(弾性円板弁体50)の第1の弁座S1に対する開口面積が減少する方向(弾性円板弁体50の中心方向)に保持部材60を付勢する保持付勢部材70(環状弾性部材71)を備えた減衰力調整機構DAが構成されている。
本実施形態の保持部材60は、図2に拡大して示すように構成されているが、図6に拡大して示すように構成してもよい。即ち、図6に示す保持部材60xは二つの分割部材61x及び62xから成り、これらの分割部材61x及び62xによって形成される筒体の一方の軸方向端面が弾性円板弁体50に当接するように配設され、筒体の他方の軸方向端面に円錐状凹部64xが形成されている。そして、分割部材61x及び62xの各々を弾性円板弁体50の中心方向に付勢する保持付勢部材として、一対のコイルスプリング(代表して72で表す)が用いられている。尚、図6には表れていないが、分割部材61x及び62xには夫々、コイルスプリング72を収容する径方向の穴が形成されている。
次に、上記の構成になる減衰力調整機構DAが装着された緩衝器の全体作動を説明する。先ず、図1(及び図3)に示す停止状態から、例えばピストン2が下室LC内を圧縮して下降し始めると、下室LC内の流体がピストンバルブPVを介して上室UCに移動し、第1の流路F1から減衰力調整機構DAに導入される圧力が上昇する。そして、減衰力調整機構DAのソレノイドコイル45が励磁されると、プランジャ41が前進駆動され(図1及び図3の左方に移動)、圧縮コイルばねB2の付勢力に抗して弁部材30が同方向に駆動され、第2の弁体部V2(大径部32)が第2の弁座S2(弁座部材25)から離座し、弁座部材23内が連通孔P2及び間隙P4を介して第2の流路F2に連通するので、弁座部材23の前後で差圧が生じ弾性円板弁体50が開弁し、流体は第1の流路F1から連通孔P0、P1を介して弁部材22及び弁座部材23内に導入され、連通孔P2及び間隙P4を介して第2の流路F2に排出される。この結果、圧縮コイルばねB1の付勢力に抗して弁部材22が図3の右方向に駆動され、弁部材22が弁座部材21から離座し、流体は両者間の間隙から連通孔P5を介して第2の流路F2に排出されることとなる。
ソレノイドコイル45への励磁電流の増加に伴い弁部材30の先端部31(第1の弁体部V1)が保持部材60に近接し、図3に示す状態から、図4に示すように弁部材30の先端部31が保持部材60の円錐状凹部64に当接した状態になり、弁部材30の保持部材60に対する押圧力の増大に応じて、環状弾性部材71の付勢力に抗して分割部材61乃至63が径方向外側に駆動されて保持部材60が拡径し、弾性円板弁体50が撓む支点位置が径方向外側に移動する。この結果、弾性円板弁体50の撓み可能範囲が減少し、即ち、弾性円板弁体50の第1の弁座S1に対する開口面積が減少し、弾性円板弁体50と第1の弁座S1との間を通過する流体の流量が減少する。
逆に、弁部材30の先端部31の保持部材60に対する押圧力が減少すると、その減少に応じて、環状弾性部材71の付勢力によって先端部31の移動に追従する分割部材61乃至63が径方向内側に駆動されて保持部材60が縮径することになる。従って、図5に示す状態から図4に示す状態に移行し、更に、図4から図3に示す状態に移行するに従い、弾性円板弁体50の撓み可能範囲が順次増加し、即ち、弾性円板弁体50の第1の弁座S1に対する開口面積が増加し、弾性円板弁体50と第1の弁座S1との間を通過する流体の流量が増大する。
そして、ピストン2の速度の上昇に伴い第1の流路F1から弁座部材21に導入される圧力が上昇すると、圧縮コイルばねB1の付勢力に抗して弁部材22が図3乃至図5の右方向に駆動され、弁部材22が弁座部材21から離座し、流体は両者間の間隙から連通孔P5を介して第2の流路F2に排出される。図1において、ピストン2が上室UC内を圧縮して上昇する場合も減衰力調整機構DAが同様に作動する。尚、例えばソレノイドコイル45が断線し非励磁状態、即ちフェイル状態となると、圧縮コイルばねB2の付勢力によってプランジャ41及び弁部材30が図1等の右方向に戻され、弁部材22は弁座部材21に着座した状態になるが、第1の流路F1の流体は連通孔P0、P1を介して弁座部材23内に導入され、連通孔P3及び間隙P4を介して第2の流路F2に排出される。
而して、弁部材22に対する流体の圧力差の変化に加え、弾性円板弁体50と第1の弁座S1との間を通過する流体の流量の変化に応じて、減衰力が調整される。例えば、ソレノイドコイル45に対する励磁電流を増加させると、プランジャ41に対する前進駆動力が増大し、弾性円板弁体50と第1の弁座S1との間を通過する流体の流量は減少するので、発生する減衰力が増大し、所謂ハードな減衰力制御(図7の上方にHCで示す)となる。一方、ソレノイドコイル45に対する励磁電流を減少させると、プランジャ41に対する駆動力が低下し、弾性円板弁体50と第1の弁座S1との間を通過する流体の流量が増大するので、発生する減衰力は低下し、所謂ソフトな減衰力制御(図7の下方にSCで示す)となる。
特に、図7に破線で示す原点近傍領域の制御開始時には、上記のように弁部材30、ソレノイドアセンブリ40、弾性円板弁体50、保持部材60及び環状弾性部材71等によって、上記のハード及びソフトな減衰力制御の何れにおいても、滑らかな流量制御が行われる。即ち、ソレノイドコイル45に対する励磁電流の制御に応じて、弾性円板弁体50の撓み量を調整することができるので、弾性円板弁体50の所謂バルブ剛性を変化させることができる。この結果、図7の原点近傍(破線で示す領域)の低ピストン速度領域においても、緩衝器の減衰力を適切に調整することができる。
これに対し、従来装置においては、パイロット圧調整弁(図示せず)が、ソレノイドの励磁電流に応じて所定のパイロット圧に達すると、一定のばね定数の付勢力に抗して開弁されるように構成されているので、特に、低ピストン速度領域でパイロット圧が小さい状態では、減衰力を調整することはできない。従って、従来装置では、図8に破線で示す原点近傍領域の制御開始時には、ハードな減衰力制御(図8の上方にHCで示す)及びソフトな減衰力制御(図8の下方にSCで示す)の何れにおいても、図7の同領域に比し急激な制御が行われることになり、円滑な制御を期待することはできない。
1 筒体
2 ピストン
3 ピストンロッド
10 ケース
21、23、25 弁座部材
22、30 弁部材
24 支持部材
40 ソレノイドアセンブリ
41 プランジャ
45 ソレノイドコイル
50 弾性円板弁体(板状弁体)
60 保持部材
70 保持付勢部材
71 環状弾性部材(保持付勢部材)
72 コイルスプリング(保持付勢部材)
B2 圧縮コイルばね(弁付勢部材)
F1 第1の流路
F2 第2の流路
S1 第1の弁座
S2 第2の弁座
V1 第1の弁体部
V2 第2の弁体部
P0〜P3、P5 連通孔
P4 間隙

Claims (5)

  1. 作動流体を収容する筒体と、該筒体内を摺動するピストンと、該ピストンに接続するピストンロッドと、前記筒体内で前記ピストンを介して流動する作動流体を制御し減衰力を調整する減衰力調整機構とを備えた緩衝器において、前記減衰力調整機構は、前記筒体に連通する流路が形成され前記筒体に接合されるケースと、該ケース内で所定距離を隔てて前記流路に設けられた第1の連通路及び第2の連通路と、前記第1の連通路に設けられた第1の弁座と、前記第2の連通路に設けられた第2の弁座と、前記第1の弁座に対し近接離隔作動可能に支持される第1の弁体部、及び前記第2の弁座に着座可能に支持される第2の弁体部を有する弁部材と、前記第1の弁体部が前記第1の弁座から離隔すると共に前記第2の弁体部が前記第2の弁座に着座するように前記弁部材を付勢する弁付勢部材と、前記ケースに支持される筒状のソレノイドと、該ソレノイド内に収容され、当該ソレノイドの励磁に応じて、前記弁付勢部材の付勢力に抗して前記第2の弁体部が前記第2の弁座から離座し、前記第1の弁体部が前記第1の弁座に近接する方向に前記弁部材を駆動するプランジャと、前記第1の弁座に着座するように配設され、前記第1の連通路を開閉する可撓性の板状弁体と、該板状弁体に一端面が当接すると共に他端面が前記弁部材の先端部に当接可能に配設され、前記弁部材の軸方向移動に応じて前記板状弁体の前記第1の弁座に対する開口面積を増減可能に配設される保持部材と、前記板状弁体の前記第1の弁座に対する開口面積が減少する方向に前記保持部材を付勢する保持付勢部材とを備えたことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記板状弁体は、周縁部で前記第1の連通路を開閉する弾性円板弁体から成り、前記保持部材が、前記弁部材の軸方向移動に応じて拡径及び縮径可能に配設され、前記保持付勢部材が、前記保持部材を前記弾性円板弁体の中心方向に付勢するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の緩衝器
  3. 前記保持部材は、前記弾性円板弁体の中心回りに配設され、筒体を形成する複数の分割部材から成り、該複数の分割部材によって形成される前記筒体の一方の軸方向端面が前記弾性円板弁体に当接するように配設され、前記筒体の他方の軸方向端面に円錐状凹部が形成されると共に、前記弁部材の先端部が、前記円錐状凹部の内側面に線接触する曲面形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の緩衝器。
  4. 前記保持付勢部材は、前記複数の分割部材の外周面を囲繞し前記弾性円板弁体の中心方向に付勢する環状弾性部材で構成されることを特徴とする請求項3記載の緩衝器。
  5. 前記保持付勢部材は、前記複数の分割部材の各々を前記弾性円板弁体の中心方向に付勢するばね部材で構成されることを特徴とする請求項3記載の緩衝器。
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