以下、駐車装置の一例として車両を積載したパレットを2段階に昇降させることで車両の駐車スペースを確保することが可能な昇降式駐車装置を挙げて説明する。
<第1実施形態>
図1(a)及び図1(b)に示すように、昇降式駐車装置10は、車両を積載するパレット15と、パレット15の前後左右の四隅近傍に設けられる4本の支柱16,17,18,19を有する。4本の支柱のうち、支柱16及び支柱18は一対の支柱に該当する。また、支柱17及び支柱19は一対の支柱に該当する。4本の支柱16,17,18,19のうち、支柱16及び支柱17は、上端部が上部梁20により連結され、下端部が下部梁21により連結される。同様にして、支柱18及び支柱19は、上端部が上部梁22により連結され、下端部が下部梁23により連結される。なお、符号24は、パレット15を昇降させる際に操作される操作部である。操作部24は、操作キーが挿入されるキースイッチの他、キースイッチに操作キーを挿入した後で押圧操作される操作ボタン等を有する。
図2に示すように、昇降式駐車装置10は、パレット15を昇降させる駆動機構28、パレット15の幅方向(左右方向)における両端部の高さのバランスを図る左右バランス機構29、パレット15の前後方向における両端部の高さのバランスを図る前後バランス機構30,31を有する。
駆動機構28は、一例として、駆動モータ32、スプロケット33,34,35,36及び昇降用チェーン37を含む。駆動モータ32は、支柱17の上端部に固定される。駆動モータ32の駆動軸には、スプロケット33が固定される。スプロケット34は、スプロケット33の下方となる位置で、支柱17に軸着される。スプロケット33及びスプロケット34には、チェーン38が巻き掛けられる。したがって、スプロケット33は主動スプロケットとして機能し、スプロケット34は従動スプロケットとして機能する。
スプロケット34の回転軸には、スプロケット35が固定される。また、スプロケット36は、スプロケット35の下方で、スプロケット35に対して所定の間隔を空けた位置で、支柱17に軸着される。
昇降用チェーン37は、支柱17に沿って下方に引き回された一端側をスプロケット36に巻き掛け、上方に折り返した後、スプロケット35に巻き掛けて下方に折り返す。そして、スプロケット35によって下方に折り返された昇降用チェーン37の一端部は、パレット15の後端部に連結される。
したがって、駆動モータ32が駆動すると、主動スプロケット33及び従動スプロケット34が回転する。従動スプロケット34の回転によりスプロケット35が回転して、昇降用チェーン37の繰り出しや引き込みが行われる。
左右バランス機構29は、滑車40,41と、バランスワイヤー42とから構成される。滑車40,41は、パレット15の後端部で、且つパレット15の幅方向の両端部に軸着される。バランスワイヤー42は、支柱17の下端部から上方に向けて引き回された後、滑車40及び滑車41にそれぞれ巻き掛けられる。そして、滑車41に巻き掛けられたバランスワイヤー42は、支柱19に沿って上端部に向けて引き回される。バランスワイヤー42の一端部は、支柱17の下端部に連結され、他端部は支柱19の上端部に連結される。
前後バランス機構30は、例えば支柱16,17及び上部梁20の内部に設けられる。前後バランス機構30は、滑車44,45,46と、バランスワイヤー47とから構成される。滑車44は支柱16の上端部に軸着される。また、滑車45は支柱17と上部梁20との連結部分に軸着される。さらに、滑車46は、支柱17の下端部に軸着される。
バランスワイヤー47は、パレット15の支柱16近傍の側部に連結された一端側から支柱16に沿って上方に引き回された後、滑車44、滑車45にそれぞれ巻き掛けられる。滑車45に巻き掛けられたバランスワイヤー47は、支柱17に沿って下方に引き回された後、滑車46に巻き掛けられて支柱17の下端部から上方に引き回される。そして、バランスワイヤー47の他端部は、パレット15の支柱17近傍の側部に連結される。
前後バランス機構31は、例えば支柱18,19及び上部梁22の内部に設けられる。前後バランス機構31は、滑車49,50,51と、バランスワイヤー52とから構成される。滑車49は支柱18の上端部に軸着される。また、滑車50は支柱19と上部梁22との連結部分に軸着される。さらに、滑車51は、支柱19の下端部に軸着される。
バランスワイヤー52は、パレット15の支柱18近傍の側部に連結された一端側から支柱18に沿って上方に引き回された後、滑車49、滑車50にそれぞれ巻き掛けられる。滑車50に巻き掛けられたバランスワイヤー52は、支柱19に沿って下方に引き回された後、滑車51に巻き掛けられて支柱19の下端部から上方に引き回される。そして、バランスワイヤー52の他端部は、パレット15の支柱19近傍の側部に連結される。
第1実施形態では、左右バランス機構29、前後バランス機構30,31を、バランスワイヤーと複数の滑車から構成しているが、バランスチェーンとバランスチェーンが巻き掛けられる複数のスプロケットとから構成することも可能である。
昇降式駐車装置10におけるパレット15の昇降動作について説明する。以下、下段位置にあるパレット15を上昇させる場合について説明する。
操作部24の操作を受け付けると、駆動モータ32が駆動し、昇降用チェーン37がスプロケット35に向けて引き込まれる。昇降用チェーン37が引き込まれることで、昇降用チェーン37によって懸吊されたパレット15の支柱17近傍の端部が引き上げられる。
昇降用チェーン37の引き込みによりパレット15の支柱17近傍の端部が引き上げられると、パレット15の支柱17近傍の端部に設けた滑車40も上昇する。滑車40の上昇に伴い、バランスワイヤー42が支柱17側に引っ張られる。ここで、バランスワイヤー42の長さは一定であることから、バランスワイヤー42が滑車40の移動量に対応した長さ分、支柱17側に引っ張られる。その結果、バランスワイヤー42が支柱17側に引っ張られると、滑車41は回転しながら上方に移動する。したがって、パレット15の支柱17近傍の端部が引き上げられると、パレット15の支柱19近傍の端部もパレット15の支柱17近傍の端部と同一量引き上げられる。
パレット15の支柱17近傍の端部が引き上げられると、パレット15の後端部に連結されたバランスワイヤー47が上方に引っ張られる。バランスワイヤー47が上方に引っ張られると、バランスワイヤー47が巻き掛けられた滑車44,45,46がそれぞれ回転して、バランスワイヤー47をパレット15の後端側に移動させる。ここで、バランスワイヤー47の長さは一定であることから、パレット15の後端側でのバランスワイヤー47の繰り出し量と、パレット15の支柱16近傍の端部を懸吊するバランスワイヤー47の滑車44における引き込み量とは同一量である。その結果、パレット15の支柱17近傍の端部が引き上げられると、パレット15の支柱16近傍の端部もパレット15の支柱17近傍の端部と同一量引き上げられる。
パレット15の支柱17近傍の端部が引き上げられることに起因して、パレット15の支柱19近傍の端部が引き上げられると、バランスワイヤー52が上方に引っ張られる。バランスワイヤー52が上方に引っ張られると、バランスワイヤー52が巻き掛けられた滑車49,50,51がそれぞれ回転して、バランスワイヤー52をパレット15の後端側に移動させる。ここで、バランスワイヤー52の長さは一定であることから、パレット15の後端側でのバランスワイヤー52の繰り出し量と、パレット15の支柱18近傍の端部を懸吊するバランスワイヤー52の滑車49における引き込み量とは同一量である。その結果、パレット15の支柱19近傍の端部が引き上げられると、パレット15の支柱18近傍の端部もパレット15の支柱19近傍の端部と同一量引き上げられる。
したがって、下段位置にあるパレット15は一定の姿勢に保持された状態で、上段位置に向けて上昇することが可能となる。
次に、上段位置にあるパレット15を下降させる場合について説明する。
操作部24の操作を受け付けると、駆動モータ23が駆動し、昇降用チェーン37が繰り出される。昇降用チェーン37が繰り出されることで、昇降用チェーン37によって懸吊されたパレット15の支柱17近傍の端部が下降する。
昇降用チェーン37の繰り出しによりパレット15の支柱17近傍の端部が下降すると、パレット15の支柱17近傍の端部に設けた滑車42も下降する。滑車42の下降に伴い、バランスワイヤー42が支柱19側に引き出される。ここで、バランスワイヤー42の長さは一定であることから、バランスワイヤー42が滑車41の移動量に対応した長さ分、支柱19側に引き出される。その結果、バランスワイヤー42が支柱19側に引き出された分だけ、滑車41は下方に移動する。したがって、パレット15の支柱17近傍の端部が引き下げられると、パレット15の支柱19近傍の端部もパレット15の支柱17近傍の端部と同一量下降する。
パレット15の支柱17近傍の端部が下降すると、パレット15の支柱17近傍の端部に連結されたバランスワイヤー47が滑車45に向けて送り出される。バランスワイヤー47が滑車45に向けて送り出されると、バランスワイヤー47が巻き掛けられた滑車44,45,46がそれぞれ逆回転して、バランスワイヤー47を、パレット15の前端側に移動させる。ここで、バランスワイヤー47の長さは一定であり、また、パレット15の前端側へのバランスワイヤー47の繰り出し量と、パレット15の支柱16側の端部を懸吊するバランスワイヤー47の滑車44からの繰り出し量とは同一量である。その結果、パレット15の支柱17近傍の端部が下降すると、パレット15の支柱16近傍の端部もパレット15の支柱17近傍の端部と同一量下降する。
パレット15の支柱17近傍の端部が下降することに起因して、パレット15の支柱19近傍の端部が下降すると、バランスワイヤー52が滑車50に向けて送り出される。バランスワイヤー52が滑車50に向けて送り出されると、バランスワイヤー52が巻き掛けられた滑車49,50,51がそれぞれ逆回転して、バランスワイヤー52を、パレット15の前端側に移動させる。ここで、バランスワイヤー52の長さは一定であり、また、パレット15の前端側へのバランスワイヤー52の繰り出し量と、パレット15の前端部を懸吊するバランスワイヤー47の滑車49からの繰り出し量とは同一量である。その結果、パレット15の支柱17近傍の端部が下降すると、パレット15の支柱18近傍の端部もパレット15の支柱17近傍の端部と同一量下降する。
したがって、上段位置にあるパレット15は、一定の姿勢に保持された状態で、下段位置に向けて下降することが可能となる。
図1に戻って、支柱17及び支柱19には、上段位置にあるパレット15の落下を防止するための支持機構55,56がそれぞれ設けられる。図3は支持機構55について示している。支持機構55,56は、パレット15の移動軌跡から退避する退避位置と、パレット15の移動軌跡上に突出する突出位置との間で移動する係止片55aを有する。係止片55aは、図示を省略したアクチュエータによって、退避位置と、突出位置との間で移動する。支持機構55は、パレット15が上段位置まで移動したときに、図示を省略した検出手段によりパレット15が上段位置に移動したことを検出して、退避位置にある係止片55aを突出位置に移動させる。係止片55aが突出位置に移動することで、昇降用チェーン37が切断されたときに、上段位置にあるパレット15の支柱17近傍の端部を下方から支持して、パレット15が落下することを防止する。なお、符号15aは、パレット15が落下したときに、突出位置にある係止片55aに支持される支持片である。
なお、支持機構56の構成は、支持機構55の構成と同一であることから、説明を省略する。支持機構56は、昇降用チェーン37が切断されたときに、上段位置にあるパレット15の支柱19近傍の端部を下方から支持するために設けられる。
支柱17及び支柱19の近傍には、落下防止装置60がそれぞれ設置される。落下防止装置60は、パレット15が昇降する過程で昇降用チェーン37、バランスワイヤー42のいずれかが切断された場合にパレット15を懸吊することで、パレット15の落下を防止する。
図4に示すように、落下防止装置60は、例えば車両に乗車した乗員が締めるシートベルト装置が用いられる。落下防止装置60は、ウェビングベルト61と、ウェビングベルト61を巻き取るリトラクタ62とを有する。ウェビングベルト61は、例えば引張強度が15kNのベルトが用いられる。ウェビングベルト61は、先端部にブラケット63を有している。リトラクタ62は、詳細は省略するが、ウェビングベルト61を巻き取るスプール(スピンドル)と、スプールを回転させてウェビングベルト61を巻き取る巻取機構と、ウェビングベルト61の引き出し時におけるスプールの回転を禁止するロック機構とを有する。ロック機構は、ウェビングベルト61が引き出される際に回転されるスプールの加速度が予め設定された加速度を超えたときに、スプールの回転を禁止してウェビングベルト61の引き出し動作をロックする。
図5(a)に示すように、落下防止装置60のリトラクタ62は、支柱17の上端部にブラケット63を介して固定される。また、ウェビングベルト61の先端部に有するブラケット63はパレット15の後端部に連結される。なお、2個の落下防止装置60を設置する場合、リトラクタ62から引き出されたウェビングベルト61が並列するように配置してもよいし、ウェビングベルト61が各々対面するように配置してもよい。なお、図6は、ウェビングベルト61が対面するように、2個の落下防止装置60を配置した場合を示す。
図5(b)に示すように、昇降式駐車装置10に設置される落下防止装置60は、保護カバー65,66に収納される。保護カバー65は、2個の落下防止装置60を構成するリトラクタ62の各々を保護する。また、保護カバー66は、リトラクタ62から引き出されたウェビングベルト61を包囲するように収納して、ウェビングベルト61を保護する。保護カバー66は、一側面が長手方向に切り欠かれることで長手方向に開口されたスリットを有する、短手方向の断面が矩形の筒部材である。保護カバー66のスリットには、一対の遮蔽片67,68が取り付けられる。一対の遮蔽片67,68は、例えば板状のゴムである。保護カバー66のスリットが一対の遮蔽片67,68に遮蔽されることで、ウェビングベルト61の人為的な切断の発生を防止することができる。なお、ウェビングベルト61のブラケット63が連結されるパレット15の連結片15aは、一対の遮蔽片67,68が突き当てられる部分から保護カバー66の内部に入り込む。
図6に示すように、落下防止装置60は、支柱17及び支柱19の近傍に各々2個設置される。以下、支柱17の近傍に設置される2個の落下防止装置60のうち、支柱17側から落下防止装置60a、落下防止装置60bと称する。また、支柱19の近傍に設置される2個の落下防止装置60を、支柱19側から落下防止装置60c、落下防止装置60dと称する。
図7は、昇降用チェーン37や、左右バランス機構29、及び前後バランス機構30,31の各バランスワイヤーが切断されずにパレット15が下降したときの検証結果を示すグラフである。この検証においては、パレット15及びパレット15に積載された車両の総重量を2800kgとしている。図7において、「計測トリガーON」となる箇所は、パレット15が下降を開始したタイミングを示す。パレット15が下降を開始し始めたときには、パレット15には、例えば0.2Gの加速度が生じる。一方、各落下防止装置60のウェビングベルト61を繰り出すリトラクタ62において、ロック機構が作用する加速度は、0.35Gに設定されている。したがって、昇降用チェーン37や、左右バランス機構29、及び前後バランス機構30,31の各バランスワイヤーが切断されずにパレット15が下降する場合には、落下防止装置60は、作動しないことがわかる。
昇降式駐車装置10におけるパレット15の昇降中に、昇降用チェーン37が切断した場合について説明する。昇降用チェーン37が切断されると、昇降用チェーン37により吊り上げる応力が働かなくなるので、パレット15の支柱17近傍の端部が落下する。上述した落下防止装置60が設けられていない場合には、パレット15の支柱17近傍の端部が落下することにより、左右バランス機構29や前後バランス機構30,31が作用し、パレット15全体が落下する。
一方、昇降式駐車装置10に落下防止装置60を設けた場合、各落下防止装置60のウェビングベルト61には、落下するパレット15及びパレット15に搭載された車両分の加速度が生じる。したがって、ウェビングベルト61はリトラクタ62から一旦引き出されるが、ウェビングベルト61が引き出されることで回転するスプールの加速度が、ロック機構が作用する加速度よりも大きくなり、ロック機構が働く。よって、ウェビングベルト61のリトラクタ62からの引き出し動作が禁止される。したがって、パレット15が落下防止装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態となる。これに合わせて、左右バランス機構29、及び前後バランス機構30,31の各バランスワイヤーの繰り出し動作が行われなくなるので、パレット15の落下が停止されるとともに、一定の姿勢で保持される。したがって、パレット15の昇降時に、昇降用チェーン37が切断されたとしても、パレット15が落下装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態が保持され、パレット15の落下を確実に防止することができる。
図8(a)から図8(d)は、落下防止装置60a、60b、60c、60dの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力の時間変化を示す。図8中矢印で示す「計測トリガーON」は昇降用チェーン37が切断されるタイミングである。また、「S/Bロック」は、ウェビングベルト61の繰り出しが禁止されたタイミングである。昇降用チェーン37が切断されると、落下防止装置60a、60b、60c、60dの各ウェビングベルト61には、パレット15及びパレット15に積載された車両の総重量に基づく引張応力が働く。しかしながら、落下防止装置60a、60b、60c、60dの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力は、ベルト自体の引張応力よりも低い。したがって、パレット15を懸吊した落下防止装置60a、60b、60c、60dの各ウェビングベルト61のいずれもが破断することはなく、パレット15は、落下防止装置60a、60b、60c、60dの各ウェビングベルト61に吊り下げられる。
また、左右バランス機構29におけるバランスワイヤー42が切断した場合、パレット15の支柱19近傍の端部が落下する。したがって、パレット15の支柱16近傍の端部も落下する。一方、パレット15の支柱19近傍の端部が下降したときには、支柱19側に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61に対して、落下するパレット15及びパレット15に搭載された車両分の加速度が生じる。したがって、支柱19近傍に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61はリトラクタ62から一旦引き出されるが、ウェビングベルト61が引き出されることで回転するスプールの加速度が大きいことで、ロック機構が働く。よって、支柱19側に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61のリトラクタ62からの引き出し動作が禁止される。したがって、パレット15が支柱19側に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態となる。これに合わせて、前後バランス機構31のバランスワイヤー52の繰り出し動作が行われなくなるので、パレット15の落下が停止されるとともに、一定の姿勢で保持される。なお、パレット15の支柱17近傍の端部は、昇降用チェーン37に懸吊された状態となるので、元の位置に保持される。
図9(a)及び図9(b)は、落下防止装置60c、60dの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力の時間変化を示す。図9中矢印で示す「計測トリガーON」は昇降用チェーン37が切断されるタイミングである。また、「S/Bロック」は、ウェビングベルト61の繰り出しが禁止されたタイミングである。昇降用チェーン37が切断されると、落下防止装置60c、60dの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力は、ベルト自体の引張応力よりも低い。したがって、パレット15を懸吊した落下防止装置60c、60dの各ウェビングベルト61のいずれもが破断することはなく、パレット15の支柱18,19近傍の端部は、落下防止装置60c、60dの各ウェビングベルト61に吊り下げられる。
したがって、パレット15の昇降時に、左右バランス機構29のバランスワイヤー42が切断された場合、パレット15が落下装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態が保持され、パレット15の落下を確実に防止することができる。
なお、前後バランス機構30,31のバランスワイヤーが切断された場合には、安全装置によってパレット15の落下が防止される。図示は省略するが、安全装置は、例えばパレット15の支柱16及び支柱18の近傍となる位置に設けられた係止爪と、支柱16及び支柱18の上下方向に沿って複数設けられた係合孔とを有する。この安全装置では、パレット15の前端部が落下したときに、落下するパレット15の前端部に連動して係止爪が回動し、複数設けられた係合孔のうちのいずれかに係合することで、パレット15の前端部の落下を防止する。
第1実施形態における昇降式駐車装置10では、下段位置にあるパレット15に車両を積載する場合や、上段位置にパレット15が移動することで確保される駐車スペースに車両を入庫する場合に、車両のドアを開閉するスペースを確保する必要があることから、落下防止装置60を支柱17及び支柱19の近傍に設けている。しかしながら、落下防止装置60は、支柱17及び支柱19の近傍に設ける他に、支柱16及び支柱18の近傍にも設けることも可能である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図10(a)及び図10(b)に示すように、第2実施形態の昇降式駐車装置70は、第1実施形態における昇降式駐車装置10と同様に、車両を積載するパレット71と、パレット71の前後左右の四隅近傍に設けられる4本の支柱72,73,74,75を有する。4本の支柱のうち、支柱72及び支柱74は一対の支柱に該当する。また、支柱73及び支柱75は一対の支柱に該当する。支柱72及び支柱73は、上端部が上部梁76によって連結され、下端部が下部梁77によって連結される。また、支柱74及び支柱75は、上端部が上部梁78によって連結され、下端部が下部梁79によって連結される。
図11に示すように、昇降式駐車装置70は、パレット71を昇降させる駆動機構80、パレット71の幅方向(左右方向)における両端部の高さのバランスを図る左右バランス機構81、パレット71の前後方向における両端部の高さのバランスを図る前後バランス機構82,83を有する。
駆動機構80は、駆動モータ84、チェーン巻取部85、昇降用チェーン86及びスプロケット87を含む。チェーン巻取部85は、昇降用チェーン86が巻き取られており、駆動モータの駆動時に回転して、昇降チェーン86の繰り出しや巻き取りを行う。ここで、昇降チェーン86の一端は、例えば支柱73の上端部に連結される。スプロケット87は、パレット71の支柱73側の後端部に軸着される。スプロケット87は、チェーン巻取部85から繰り出された昇降チェーン86が巻き掛けられる。したがって、駆動モータ84の駆動により昇降用チェーン86がチェーン巻取部85から繰り出されたときには、パレット71が下降し、昇降用チェーン86がチェーン巻取部85に巻き取られるときには、パレット71が上昇する。
左右バランス機構81は、滑車88,89と、バランスワイヤー90とから構成される。バランスワイヤー90の一端部は支柱73の下端部に連結され、バランスワイヤー90の他端部は支柱75の上端部に連結される。滑車88,89は、パレット71の後端部で、且つパレット71の幅方向の両端部に軸着される。バランスワイヤー90は、一端側が支柱73の下端部から上方に向けて引き回された後、滑車88及び滑車89にそれぞれ巻き掛けられる。そして、滑車89に巻き掛けられたバランスワイヤー90の他端側は、支柱75に沿って上端部に向けて引き回される。なお、符号91は、バランスワイヤー90に張力を付加するための滑車である。
前後バランス機構82は、滑車93,94,95と、バランスワイヤー96とから構成される。滑車93は支柱72の上端部に軸着される。また、滑車94は支柱72の下端部に軸着される。さらに、滑車95は、支柱73の下端部と下部梁77との連結部分に軸着される。
バランスワイヤー96は、支柱72に沿って上方に引き回された後、滑車93に巻き掛けられて下方に折り返される。下方に折り返されたバランスワイヤー96は、滑車94に巻き掛けられ、滑車95に向けて更に折り返される。滑車95に巻き掛けられたバランスワイヤー96は、支柱73に沿って上方に引き回される。したがって、バランスワイヤー96の一端側はパレット71の支柱72近傍の端部に、他端部はパレット71の支柱73近傍の端部に各々連結される。
同様にして、前後バランス機構83は、滑車98,99,100と、バランスワイヤー101とから構成される。滑車98は支柱74の上端部に軸着される。また、滑車99は支柱74の下端部に軸着される。さらに、滑車100は、支柱75の下端部と下部梁79との連結部分に軸着される。
バランスワイヤー101は、支柱74に沿って上方に引き回された後、滑車98に巻き掛けられて下方に折り返される。下方に折り返されたバランスワイヤー101は、滑車99に巻き掛けられ、滑車100に向けて更に折り返される。滑車100に巻き掛けられたバランスワイヤー101は、支柱75に沿って上方に引き回される。したがって、バランスワイヤー101の一端側はパレット71の支柱74近傍の端部に、他端部はパレット71近傍の端部に各々連結される。
第2実施形態では、左右バランス機構81、前後バランス機構82,83を、バランスワイヤーと複数の滑車から構成しているが、バランスチェーンとバランスチェーンが巻き掛けられる複数のスプロケットとから構成することも可能である。
昇降式駐車装置70におけるパレット71の昇降動作について説明する。以下、下段位置にあるパレット71を上昇させる場合について説明する。
操作部105の操作を受け付けると、駆動モータ84が駆動し、昇降用チェーン86がチェーン巻取部85に巻き取られる。昇降用チェーン86がチェーン巻取部85に巻き取られることで、昇降用チェーン86によって懸吊されたパレット71における支柱73側の後端部が引き上げられる。
昇降用チェーン86が巻き取られることで、パレット71の支柱73近傍の端部が引き上げられると、パレット71の支柱73近傍の端部に設けた滑車88も上昇しながら回転する。滑車88の回転により、バランスワイヤー90が支柱73側に引っ張られる。バランスワイヤー90が支柱73側に引っ張られることで、パレット71の支柱75近傍の端部に設けた滑車89が回転し、バランスワイヤー90を支柱73側に送り出す。ここで、バランスワイヤー90の長さは一定であることから、滑車89は回転しながら、バランスワイヤー90を支柱73側に向けて送り出すと同時に上方に移動する。したがって、パレット71の支柱73近傍の端部が引き上げられるときには、パレット71の支柱75近傍の端部も同一量引き上げられる。
パレット71の支柱73近傍の端部が引き上げられると、パレット71の後端部に連結されたバランスワイヤー96が上方に引っ張られる。バランスワイヤー96が上方に引っ張られると、バランスワイヤー96が巻き掛けられた滑車93,94,95がそれぞれ回転して、バランスワイヤー96を、パレット71の後端側に移動させる。バランスワイヤー96は、バランスワイヤー96が上方に引っ張られた分だけ、パレット71の後端側に移動する。ここで、バランスワイヤー96の長さは一定であることから、パレット71の後端側でのバランスワイヤー96の繰り出し量と、パレット71の前端部を懸吊するバランスワイヤー96の滑車93における引き込み量とは同一量である。その結果、パレット71の支柱73近傍の端部が引き上げられると、パレット71の前端部もパレット71の支柱73近傍の端部と同一量引き上げられる。
パレット71の支柱73近傍の端部が引き上げられることに起因して、パレット71の支柱75近傍の端部が引き上げられると、バランスワイヤー101が上方に引っ張られる。バランスワイヤー101が上方に引っ張られると、バランスワイヤー101が巻き掛けられた滑車98,99,100がそれぞれ回転して、バランスワイヤー101を、パレット71の後端側に移動させる。ここで、バランスワイヤー101の長さは一定であることから、パレット71の後端側でのバランスワイヤー101の繰り出し量と、パレット71の前端部を懸吊するバランスワイヤー101の引き込み量とは同一量である。その結果、パレット71の支柱75近傍の端部が引き上げられると、パレット71の前端部もパレット15の支柱75近傍の端部と同一量引き上げられる。
したがって、下段位置にあるパレット71は一定の姿勢に保持された状態で、上段位置に向けて上昇することが可能となる。
次に、上段位置にあるパレット71を下降させる場合について説明する。
操作部105の操作を受け付けると、駆動モータ84が駆動し、昇降用チェーン86がチェーン巻取部85から繰り出される。昇降用チェーン86が繰り出されることで、昇降用チェーン86によって懸吊されたパレット71の支柱73近傍の端部が下降する。
昇降用チェーン86の繰り出しによりパレット71の支柱73近傍の端部が下降すると、パレット71の支柱73近傍の端部に設けた滑車88も下降する。滑車88の下降に伴い、バランスワイヤー90が支柱75側に引き出される。ここで、バランスワイヤー90の長さは一定であることから、バランスワイヤー90は滑車88の移動量に対応した長さ分、支柱75側に引き出される。その結果、バランスワイヤー90が支柱75側に引き出された分だけ、滑車89は下降する。したがって、パレット71の支柱73近傍の端部が下降すると、パレット71の支柱75近傍の端部もパレット71の支柱73近傍の端部と同一量下降する。
パレット71の支柱73近傍の端部が下降すると、パレット71の後端部に連結されたバランスワイヤー96が支柱72に向けて送り出される。バランスワイヤー96が支柱72に向けて送り出されると、バランスワイヤー96が巻き掛けられた滑車93,94,95がそれぞれ逆回転して、バランスワイヤー96の移動を円滑に行う。ここで、バランスワイヤー96の長さは一定であり、また、パレット71の前端側へのバランスワイヤー96の繰り出し量と、パレット71の前端部を懸吊するバランスワイヤー96の滑車93からの繰り出し量は同一量である。その結果、パレット71の支柱73近傍の端部が下降すると、パレット71の前端部も同一量下降する。
パレット71の支柱73近傍の端部が下降することに起因して、パレット71の支柱75近傍の端部が下降すると、バランスワイヤー101が巻き掛けられた滑車93,94,95がそれぞれ回転して、バランスワイヤー101が支柱74に向けて繰り出される。ここで、バランスワイヤー101の長さは一定であり、また、バランスワイヤー101の支柱74側への繰り出し量と、パレット71の前端部を懸吊するバランスワイヤー101の滑車98からの繰り出し量は同一量である。その結果、パレット71の支柱75近傍の端部が下降すると、パレット71の前端部も同一量下降する。
したがって、上段位置にあるパレット71は、一定の姿勢に保持された状態で、下段位置に向けて下降することが可能となる。
図10に戻って、支柱73には、上段位置にあるパレット71の落下を防止するための支持機構106が設けられる。なお、支持機構106の構成は第1実施形態の支持機構55と同一の構成である。
第1実施形態に示す昇降式駐車装置10と同様に、第2実施形態に示す昇降式駐車装置70は、落下防止装置を備えている。なお、第2実施形態に示す昇降式駐車装置70に設けられる落下防止装置は、第1実施形態に示す昇降式駐車装置10に設けられた落下防止装置と同一の構成であることから、第1実施形態と同一の符号を付して説明する。図12(a)に示すように、落下防止装置60は、リトラクタ62から引き出されたウェビングベルト61が並列した状態となるように配置されている。落下防止装置60のリトラクタ62は、支柱73の上端部にブラケット107を介して固定される。また、ウェビングベルト61の先端部に有するブラケット63はパレット71の後端部に連結される。
図12(b)に示すように、昇降式駐車装置70に設置される落下防止装置60は、保護カバー108,109に収納される。保護カバー108は、2個の落下防止装置60を構成するリトラクタ62の各々を保護する。また、保護カバー109は、リトラクタ62から引き出されたウェビングベルト61を包囲するように収納して、ウェビングベルト61を保護する。保護カバー109は、一側面が長手方向に切り欠かれたスリットを有する、短手方向の断面が矩形の筒部材である。保護カバー109のスリットには、一対の遮蔽片110,111が取り付けられる。一対の遮蔽片110,111は、例えば板状のゴムである。保護カバー109のスリットが一対の遮蔽片110,111に被覆されることで、ウェビングベルト61の人為的な切断の発生を防止することができる。なお、ウェビングベルト61のブラケット63が連結されるパレット71の連結片(図示省略)は、一対の遮蔽片110,111が突き当てられる部分から保護カバー109の内部に入り込む。
図13に示すように、落下防止装置60は、支柱73及び支柱75の近傍に各々2個設置される。以下、支柱73の近傍に設置される2個の落下防止装置60のうち、支柱73側から落下防止装置60e、落下防止装置60fと称する。また、支柱75の近傍に設置される2個の落下防止装置60を、支柱74側から落下防止装置60g、落下防止装置60hと称する。
図示は省略するが、上述した昇降式駐車装置70において、パレット71を下降させた場合について説明する。以下、パレット71及びパレット71に積載された車両の総重量を1952kgとした場合について説明する。パレット71を下降させるときにパレット71に掛かる加速度は0.25Gとなる。パレット71を下降させるときにパレット71に掛かる加速度は、落下防止装置60のロック機構が作用するときの加速度0.35Gよりも小さい値となる。したがって、昇降式駐車装置70の昇降動作に異常が生じない場合には、昇降式駐車装置70に設置される落下防止装置60の各々は作用しない。
例えば、昇降式駐車装置70におけるパレット71の昇降中に、昇降用チェーンが切断した場合について説明する。昇降用チェーン86が切断されると、昇降用チェーン86によりパレット71を吊り上げる応力が働かなくなるので、パレット71の支柱73近傍の端部が落下する。上述した落下防止装置60が設けられていない場合には、パレット71の支柱73近傍の端部が落下することにより、左右バランス機構81や前後バランス機構82,83が作用し、パレット71全体が落下する。支柱73近傍に設置した落下防止装置60のウェビングベルト61には、落下するパレット71及びパレット71に搭載された車両分の加速度が生じる。したがって、ウェビングベルト61はリトラクタ62から一旦引き出されるが、ウェビングベルト61が引き出されることで回転するスプールの加速度が大きいことで、ロック機構が働く。よって、ウェビングベルト61のリトラクタ62からの引き出し動作が禁止される。したがって、支柱73近傍に設置したパレット71が落下防止装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態となる。これに合わせて、左右バランス機構81、及び前後バランス機構82,83の各バランスワイヤーの繰り出し動作が行われなくなるので、パレット71の落下が停止されるとともに、一定の姿勢で保持される。したがって、パレット71の昇降時に、昇降用チェーン86が切断されたとしても、パレット71が落下装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態が保持され、パレット71の落下を確実に防止することができる。
図14(a)から図14(d)は、落下防止装置60e、60f、60g、60hの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力の時間変化を示す。図14中矢印で示す「計測トリガーON」は昇降用チェーン86が切断されるタイミングである。また、「S/Bロック」は、ウェビングベルト61の繰り出しが禁止されたタイミングである。昇降用チェーン86が切断されると、落下防止装置60e、60f、60g、60hの各ウェビングベルト61には、パレット71及びパレット71に積載された車両の総重量に基づく引張応力が働く。しかしながら、落下防止装置60e、60f、60g、60hの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力は、ベルト自体の引張応力よりも低い。したがって、パレット71を懸吊した落下防止装置60e、60f、60g、60hの各ウェビングベルト61のいずれもが破断することはなく、パレット71は、落下防止装置60e、60f、60g、60hの各ウェビングベルト61に吊り下げられる。
また、左右バランス機構81におけるバランスワイヤー90が切断した場合、パレット71の支柱75近傍の端部が下降する。したがって、パレット71の支柱74側の前端部も下降する。一方、パレット71の支柱75近傍の端部が下降したときには、支柱75近傍に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61に対して、落下するパレット71及びパレット71に搭載された車両分の加速度が生じる。したがって、支柱75近傍に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61はリトラクタ62から一旦引き出されるが、ウェビングベルト61が引き出されることで回転するスプールの加速度が大きいことで、ロック機構が働く。よって、支柱75近傍に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61のリトラクタ62からの引き出し動作が禁止される。したがって、パレット71が支柱75近傍に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態となる。これに合わせて、前後バランス機構83のバランスワイヤー101の繰り出し動作が行われなくなるので、パレット71の落下が停止されるとともに、一定の姿勢で保持される。なお、パレット71の支柱73近傍の端部は、昇降用チェーン86に懸吊された状態となるので、元の位置に保持される。
図15(a)及び図15(b)は、落下防止装置60g、60hの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力の時間変化を示す。図15中矢印で示す「計測トリガーON」は昇降用チェーン86が切断されるタイミングである。また、「S/Bロック」は、ウェビングベルト61の繰り出しが禁止されたタイミングである。昇降用チェーン86が切断されると、落下防止装置60g、60hの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力は、ベルト自体の引張応力よりも低い。したがって、パレット71を懸吊した落下防止装置60g、60hの各ウェビングベルト61のいずれもが破断することはなく、パレット71の支柱74,75側の端部は、落下防止装置60g、60hの各ウェビングベルト61に吊り下げられる。なお、前後バランス機構82,83のバランスワイヤーが切断された場合には、図示を省略した安全装置によってパレット71の落下が防止される。
したがって、パレット71の昇降時に、左右バランス機構81のバランスワイヤー90が切断された場合には、パレット71が落下装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態が保持され、パレット71の落下を確実に防止することができる。
なお、前後バランス機構82,83のバランスワイヤーが切断された場合には、安全装置によってパレット71の落下が防止される。図示は省略するが、安全装置としては、例えばパレット71の支柱72及び支柱74の近傍の端部に設けられた係止爪と、支柱72及び支柱74の上下方向に沿って複数設けられた係合孔とを有する装置が挙げられる。この安全装置では、パレット71の前端部が落下したときに、パレット71の前端部の落下に連動して係止爪が回動し、複数設けられた係合孔のうちのいずれかに係合することで、パレット71の前端部の落下を防止する。
第2実施形態における昇降式駐車装置70では、下段位置にあるパレット71に車両を積載するときや、上段位置にパレット71が移動することで確保される駐車スペースに車両を入庫したときに、車両のドアを開閉するスペースを確保する必要があることから、落下防止装置60を支柱73及び支柱75の近傍に設けている。しかしながら、落下防止装置60は、支柱73及び支柱75の近傍に設ける他に、支柱72及び支柱74の近傍にも設けることも可能である。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態の昇降式駐車装置について説明する。図16(a)及び図16(b)に示すように、第3実施形態における昇降式駐車装置120は、第1実施形態及び第2実施形態の昇降式駐車装置と同様にして、パレット121、4本の支柱122,123,124,125を有する。4本の支柱のうち、支柱122及び支柱124は一対の支柱に該当する。また、支柱123及び支柱125は一対の支柱に該当する。支柱122及び支柱123は、上端部において上部梁126により連結される。支柱122及び支柱123は、下端部において下部梁127により連結される。また、支柱124及び支柱125は、上端部において、上部梁128により連結される。支柱124及び支柱125は、下端部において下部梁129より連結される。この第3実施形態においては、4本の支柱の位置が全てパレット121の前後方向における後端側に設けられている。なお、第3実施形態の昇降式駐車装置120においては、4本の支柱122,123,124,125を用いるのではなく、パレット121の幅方向の両端部の外側に立設される一対の支柱であってもよい。
図17に示すように、昇降式駐車装置120は、パレット121を昇降させる駆動機構130、パレット121の左端部及び右端部の高さのバランスを図る左右バランス機構131、パレット121の前端部及び後端部の高さのバランスを図る前後バランス機構132,133を有する。
駆動機構130は、駆動モータ134、スプロケット137,138,139,140及び昇降用チェーン141を含む。駆動モータ134は、支柱123の上端部に固定される。駆動モータ134の駆動軸には、スプロケット137が固定される。スプロケット138は、スプロケット137の下方となる位置で、支柱123に軸着される。スプロケット137及びスプロケット138には、チェーン142が巻き掛けられる。したがって、スプロケット137は主動スプロケットとして機能し、スプロケット138は従動スプロケットとして機能する。スプロケット138の回転軸には、スプロケット139が固定される。また、スプロケット140は、パレット121の後端側部に軸着される。
昇降用チェーン141は、支柱123の上端部に連結された状態で、支柱123に沿って下方に引き回される。支柱123に沿って下方に引き回された昇降用チェーン141は、スプロケット140に巻き掛けられた後、上方に折り返され、スプロケット139に巻き掛けて下方に折り返される。
したがって、駆動モータ134が駆動すると、主動スプロケット137及び従動スプロケット138が回転する。従動スプロケット138の回転によりスプロケット139が回転して、昇降用チェーン141の繰り出しや引き込みが行われる。
左右バランス機構131は、滑車145,146、バランスチェーン147を含む。バランスチェーン147は、一端部が支柱123の下端部に連結され、他端部が支柱125の上端部に連結される。滑車145,146は、パレット121の後端部で、且つパレット121の幅方向の両端部に軸着される。バランスチェーン147は、一端側が支柱123の下端部から上方に向けて引き回された後、滑車145及び滑車146にそれぞれ巻き掛けられる。そして、滑車146に巻き掛けられたバランスチェーン147の他端側は、支柱125に沿って上端部に向けて引き回される。
前後バランス機構132は、滑車148,149,150と、バランスチェーン151とから構成される。滑車148は支柱123の上端部に軸着される。また、滑車149は支柱123の上端部と上部梁126との連結部分に軸着される。さらに、滑車150は、支柱123の下端部に軸着される。
バランスチェーン151は、支柱123に沿って上方に引き回された後、滑車148、滑車149の順に巻き掛けられ、滑車150に向けて下方に折り返される。滑車150に巻き掛けられたバランスチェーン151は、支柱123に沿って上方に引き回される。よって、バランスチェーン151の一端部は、パレット121の支柱122近傍の端部に連結され、他端部はパレット121の支柱123近傍の端部に連結される。
同様にして、前後バランス機構133は、滑車153,154,155と、バランスチェーン156とから構成される。滑車153は支柱124の上端部に軸着される。また、滑車154は支柱125の上端部と上部梁128との連結部分に軸着される。さらに、滑車155は、支柱125の下端部に軸着される。
バランスチェーン156は、支柱124に沿って上方に引き回された後、滑車153、滑車154の順に巻き掛けられ、滑車155に向けて下方に折り返される。滑車155に巻き掛けられたバランスチェーン156は、支柱125に沿って上方に引き回される。よって、バランスチェーン156の一端部は、パレット121の支柱124近傍の端部に連結され、他端部はパレット121の支柱125近傍の端部に連結される。
第3実施形態では、左右バランス機構131、前後バランス機構132,133を、バランスチェーンと複数の滑車から構成しているが、バランスワイヤーと複数のスプロケットから構成することも可能である。
昇降式駐車装置120におけるパレット121の昇降動作について説明する。以下、下段位置にあるパレット121を上昇させる場合について説明する。
操作部158の操作により駆動モータ134が駆動すると、主動スプロケット137及び従動スプロケット138が回転する。従動スプロケット137の回転により昇降用チェーン141がスプロケット139に向けて引き込まれ、昇降用チェーン141により懸吊されたパレット121の支柱123近傍の端部が引き上げられる。
昇降用チェーン141の引き込みによりパレット121の支柱123近傍の端部が引き上げられると、パレット121の支柱123近傍の端部に設けた滑車145も上昇する。滑車145の上昇に伴い、バランスチェーン147が支柱123側に引っ張られる。ここで、バランスチェーン147の長さは一定であることから、バランスチェーン147が滑車145の移動量に対応した長さ分、支柱123側に引っ張られる。その結果、バランスチェーン147が支柱123側に引っ張られると、滑車146は回転しながら上方に移動する。したがって、パレット121の支柱123近傍の端部が引き上げられると、パレット121の支柱124近傍の端部もパレット121の支柱123近傍の端部と同一量引き上げられる。
パレット121の支柱123近傍の端部が引き上げられると、パレット121の後端部に連結されたバランスチェーン151が上方に引っ張られる。バランスチェーン151が上方に引っ張られると、バランスチェーン151が巻き掛けられた滑車148,149,150がそれぞれ回転し、バランスチェーン151がパレット121の後端側に移動する。ここで、バランスチェーン151の長さは一定であることから、パレット121の後端側でのバランスチェーン151の繰り出し量と、パレット121の支柱122近傍の端部を懸吊するバランスチェーン151の滑車148における引き込み量とは同一量である。その結果、パレット121の支柱123近傍の端部が引き上げられると、パレット121の支柱122近傍の端部もパレット121の支柱123近傍の端部と同一量引き上げられる。
パレット121の支柱123近傍の端部が引き上げられることに起因して、パレット121の支柱125近傍の端部が引き上げられると、バランスチェーン156が上方に引っ張られる。バランスチェーン156が上方に引っ張られると、バランスチェーン156が巻き掛けられた滑車153,154,155がそれぞれ回転し、バランスチェーン156がパレット121の後端側に移動する。ここで、バランスチェーン156の長さは一定であることから、パレット121の支柱125近傍の端部を懸吊するバランスチェーン156の繰り出し量と、パレット121の支柱124近傍の端部を懸吊するバランスチェーン156の引き込み量とは同一量である。その結果、パレット121の支柱125近傍の端部が引き上げられると、パレット121の支柱124近傍の端部もパレット121の支柱125近傍の端部と同一量引き上げられる。
したがって、下段位置にあるパレット121は一定の姿勢に保持された状態で、上段位置に向けて上昇することが可能となる。
次に、上段位置にあるパレット121を下降させる場合について説明する。
操作部158の操作により駆動モータ134が駆動すると、主動スプロケット137及び従動スプロケット138が逆回転する。従動スプロケット137の逆回転により昇降用チェーン141がスプロケット140からスプロケット139に向けて繰り出され、昇降用チェーン141により懸吊されたパレット121の支柱123近傍の端部が下降する。
昇降用チェーン141の繰り出しによりパレット121の支柱123近傍の端部が下降すると、パレット121の支柱123近傍の端部に設けた滑車145も下降する。滑車145の下降に伴い、バランスチェーン147が支柱125側に引き出される。ここで、バランスチェーン147の長さは一定であることから、バランスチェーン147が滑車145の移動量に対応した長さ分、支柱125側に引き出される。その結果、バランスチェーン147が支柱125側に引き出された分だけ、滑車146は下方に移動する。したがって、パレット121の支柱123近傍の端部が引き下げられると、パレット121の支柱125近傍の端部もパレット121の支柱123近傍の端部と同一量下降する。
パレット121の支柱123側の後端部が下降すると、バランスチェーン151が滑車150から滑車149に向けて繰り出される。バランスチェーン151が滑車150から滑車149に向けて繰り出されると、バランスチェーン151が巻き掛けられた滑車148,149,150がそれぞれ逆回転して、バランスチェーン151を、パレット121の前端側に移動させる。ここで、バランスチェーン151の長さは一定であり、また、パレット121の前端側へのバランスチェーン151の繰り出し量と、パレット121の前端部を懸吊するバランスチェーン151の滑車148からの繰り出し量とは同一量である。その結果、パレット121の支柱123近傍の端部が下降すると、パレット121の支柱122近傍の端部もパレット121の支柱123近傍の端部と同一量下降する。
パレット121の支柱123近傍の端部が下降することに起因して、パレット121の支柱125近傍の端部が下降すると、バランスチェーン156が滑車155に向けて送り出される。バランスチェーン156が滑車155に向けて送り出されると、バランスチェーン156が巻き掛けられた滑車153,154,155がそれぞれ逆回転して、バランスチェーン156を、パレット121の前端側に移動させる。ここで、バランスチェーン156の長さは一定であり、また、パレット121の前端側へのバランスチェーン156の繰り出し量と、パレット121の前端部を懸吊するバランスチェーン156の滑車153からの繰り出し量とは同一量である。その結果、パレット121の支柱125近傍の端部が下降すると、パレット121の支柱124近傍の端部もパレット121の支柱125近傍の端部と同一量下降する。
したがって、上段位置にあるパレット121は、一定の姿勢に保持された状態で、下段位置に向けて下降することが可能となる。
図16に戻って、支柱122及び支柱124には、上段位置にあるパレット121の落下を防止するための支持機構160,161がそれぞれ設けられる。なお、支持機構160の構成は、第1実施形態の支持機構55,56と同一の構成である。
支柱123及び支柱125の近傍には、落下防止装置60がそれぞれ設置される。落下防止装置60は、パレット121が昇降する過程で昇降用チェーン141、バランスチェーン147が切断された場合にパレット121を懸吊することで、パレット121の落下を防止する。
第1実施形態に示す昇降式駐車装置と同様に、第3実施形態に示す昇降式駐車装置120は、落下防止装置を備えている。なお、第3実施形態に示す昇降式駐車装置120に設けられる落下防止装置は、第1実施形態に示す昇降式駐車装置10に設けられた落下防止装置と同一の構成であることから、第1実施形態と同一の符号を付して説明する。第3実施形態における落下防止装置60は、支柱122と支柱123との間、支柱124と支柱125との間の各々に2個設置される。図19に示すように、支柱122と支柱123との間に設置される2個の落下防止装置60は、ウェビングベルト61が並列するように配置される。また、支柱124と支柱125との間に設置される2個の落下防止装置60は、ウェビングベルト61が並列するように配置される。なお、各落下防止装置60のウェビングベルト61の先端に設けたブラケット63は、パレット121に連結される。
図19に示すように、支柱122と支柱123との間に設置される2個の落下防止装置60は、保護カバー162及び2個の保護カバー163に収納される。保護カバー162は、2個の落下防止装置60を構成するリトラクタ62の各々を保護する。また、2個の保護カバー163は、2個の落下防止装置60のリトラクタ62から各々引き出されたウェビングベルト61を個別に包囲するように収納して、ウェビングベルト61を保護する。保護カバー163は、第1実施形態の保護カバー66と同様に、一側面が長手方向に切り欠かれたスリットを有する、短手方向の断面が矩形の筒部材である。図示は省略するが、保護カバー163のスリットには、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、一対の遮蔽片が取り付けられる。したがって、保護カバー163の内部が遮蔽されることになり、ウェビングベルト61の人為的な切断の発生を防止することができる。なお、第3実施形態の場合も、第1実施形態及び第2実施形態と同様にして、ウェビングベルト61のブラケット63が連結されるパレット121の連結片(図示省略)が、一対の遮蔽片が突き当てられる部分から保護カバー163の内部に入り込む。
図20に示すように、落下防止装置60は、支柱122と支柱123との間、及び支柱124及び支柱125との間に各々2個設置される。以下、支柱122と支柱123との間に設置される2個の落下防止装置60のうち、支柱122側から落下防止装置60i、落下防止装置60jと称する。また、支柱124及び支柱125との間に設置される2個の落下防止装置60を、支柱124側から落下防止装置60k、落下防止装置60lと称する。
図示は省略するが、上述した昇降式駐車装置120において、パレット121を下降させた場合について説明する。第1実施形態と同様に、パレット121及びパレット121に積載された車両の総重量を2906kgとした場合について説明する。パレット121を下降させるときにパレット121に掛かる加速度は0.25Gとなる。パレット121を下降させるときにパレット121に掛かる加速度は、落下防止装置60のロック機構が作用するときの加速度0.35Gよりも小さい値となる。したがって、昇降式駐車装置120の昇降動作に異常が生じない場合には、落下防止装置は作用しない。
昇降式駐車装置120におけるパレット121の昇降中に、昇降用チェーン141が切断した場合について説明する。昇降用チェーン141が切断されると、昇降用チェーン141により吊り上げる応力が働かなくなるので、パレット121の支柱123側の後端部が落下する。上述した落下防止装置60が設けられていない場合には、パレット121の支柱123側の後端部が落下することにより、左右バランス機構131や前後バランス機構132,133が作用し、パレット121が落下する。
昇降式駐車装置120は、落下防止装置60を設けている。したがって、パレット121が落下すると、各落下防止装置60のウェビングベルト61には、落下するパレット121及びパレット121に搭載された車両分の加速度が生じる。したがって、ウェビングベルト61はリトラクタ62から一旦引き出されるが、ウェビングベルト61が引き出されることで回転するスプールの加速度が大きいことで、ロック機構が働く。よって、ウェビングベルト61のリトラクタ62からの引き出し動作が禁止され、パレット121が落下防止装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態となる。これに合わせて、左右バランス機構131、及び前後バランス機構132,133の各バランスチェーンの繰り出し動作が行われなくなるので、パレット121の落下が停止されるとともに、パレット121が一定の姿勢で保持される。したがって、パレット121の昇降時に、昇降用チェーン141が切断されたとしても、パレット121が落下防止装置120のウェビングベルト61に懸吊された状態が保持され、パレット121の落下を確実に防止することができる。
図21(a)から図21(d)は、落下防止装置60i、60j、60k、60lの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力の時間変化を示す。図21中矢印で示す「計測トリガーON」は昇降用チェーン141が切断されるタイミングである。また、「S/Bロック」は、ウェビングベルト61の繰り出しが禁止されたタイミングである。昇降用チェーン141が切断されると、落下防止装置60i、60j、60k、60lの各ウェビングベルト61には、パレット121及びパレット121に積載された車両の総重量に基づく引張応力が働く。しかしながら、落下防止装置60i、60j、60k、60lの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力は、ベルト自体の引張応力よりも低い。したがって、パレット121を懸吊した落下防止装置60i、60j、60k、60lの各ウェビングベルト61のいずれもが破断することはなく、パレット121は、落下防止装置60i、60j、60k、60lの各ウェビングベルト61に吊り下げられる。
また、左右バランス機構131のバランスチェーン147が切断した場合、パレット121の支柱125近傍の端部が落下する。したがって、パレット121の支柱124近傍の端部も落下する。ここで、パレット121の支柱125近傍の端部が落下したときには、支柱125側に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61に対して、落下するパレット121及びパレット121に搭載された車両分の加速度が生じる。したがって、支柱125近傍に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61はリトラクタ62から一旦引き出されるが、ウェビングベルト61が引き出されることで回転するスプールの加速度が大きいことで、ロック機構が働く。よって、支柱125側に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61のリトラクタ62からの引き出し動作が禁止される。したがって、パレット121が支柱125側に設置された落下防止装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態となる。これに合わせて、前後バランス機構133のバランスチェーン156の繰り出し動作が行われなくなるので、パレット121の落下が停止されるとともに、一定の姿勢で保持される。なお、パレット121の支柱123近傍の端部は、昇降用チェーン141に懸吊された状態となるので、元の位置に保持される。
図22(a)及び図22(b)は、落下防止装置60k、60lの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力の時間変化を示す。図22中矢印で示す「計測トリガーON」は左右バランス機構131のバランスチェーン147が切断されるタイミングである。また、「S/Bロック」は、ウェビングベルト61の繰り出しが禁止されたタイミングである。左右バランス機構131のバランスチェーン147が切断されると、落下防止装置60k、60lの各ウェビングベルト61に掛かる引張応力は、ベルト自体の引張応力よりも低い。したがって、パレット121を懸吊した落下防止装置60k、60lの各ウェビングベルト61のいずれもが破断することはなく、パレット121の支柱124,125側の端部は、落下防止装置60k、60lの各ウェビングベルト61に吊り下げられる。
したがって、パレット121の昇降時に、左右バランス機構131のバランスチェーン147が切断された場合には、パレット121が落下装置60のウェビングベルト61に懸吊された状態が保持され、パレット121の落下を確実に防止することができる。
なお、前後バランス機構132,133のバランスチェーンが切断された場合には、安全装置によってパレット121の落下が防止される。図示は省略するが、安全装置は、パレット121に設けられ、例えば支柱122の内部に設けたレールにパレット121の前端部側から当接されるガイドローラと、支柱123の内部に設けたレールにパレット121の後端部側から当接されるガイドローラとで構成される安全装置と、パレット121に設けられ、例えば支柱124の内部に設けたレールにパレット121の前端部側から当接されるガイドローラと、支柱125の内部に設けたレールにパレット121の後端部側から当接されるガイドローラとで構成される安全装置との2つの安全装置を有する。なお、2つの安全装置を構成するガイドローラのうち、パレット121の前端側に位置するガイドローラは、駐車装置120の上下方向において、パレット121の後端側に位置するガイドローラよりも低い位置に設けられる。つまり、パレット121の前端部が落下したときには、パレット121の前端側に位置するガイドローラが支柱122及び支柱124の内部に設けたレールに当接され、また、パレット121の後端側に位置するガイドローラが支柱123及び支柱125の内部に設けたレールに当接されることで、パレット121が傾くことが防止される。
第1実施形態から第3実施形態においては、パレットの後端側に配置される支柱に対して支持機構を設けることについてのみ説明しているが、支持機構はパレットの前端側に配置される支柱に対しても設けることが可能である。
第1実施形態から第3実施形態においては、下段位置及び上段位置の間でパレットを昇降させる2段階の昇降式の駐車装置を取り上げているが、3段階以上の位置でパレットを昇降させる駐車装置であってもよい。また、この他に、複数のパレットを同時に昇降させる昇降式駐車装置であってもよい。さらに、パレットを昇降させる他に、パレットを水平方向に移動させる駐車装置に本発明を適用することも可能である。