JP2016172512A - 車両のドア構造 - Google Patents

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【課題】衝突判定装置による衝突状態の判定を早期に且つ的確に行うことができる車両のドア構造を提供する。
【解決手段】インナパネル12に形成された貫通孔16と、空間15内に貫通孔16を封止可能に設けられるホール塞ぎ部材17と、インナパネル12との間に隙間を確保した状態でホール塞ぎ部材17を保持する保持部材18と、ホール塞ぎ部材17とアウタパネル11との間に設けられ、内部に粘性流体が封入されたシリンダ20と、シリンダ20内を車幅方向で相対移動可能に設けられるピストン21と、を備えるダンパー部材19と、を有する構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の衝突状態を判定する衝突判定装置を備える車両のドア構造に関する。
従来、車両には、衝突時に乗員を保護するための乗員保護装置、例えば、エアバッグ装置が搭載されているものがある。エアバッグ装置は、様々な衝突形態に対応したものがあり、例えば、車両が側面衝突した際に、乗員と側面車体部材(例えば、サイドドア)との間にエアバッグを展開膨張させ、シートに着座している乗員の側面部分を保護するものである。
また、このようなエアバッグ装置は、車両に搭載されている衝突判定装置による判定結果に基づいてエアバッグが展開されるように構成されている。
衝突判定装置としては、例えば、車両のドアを構成するアウタパネルとインナパネルとの間の空間の圧力を検出する圧力検出部を備え、この圧力検出部の検出結果に基づいて衝突状態を判定するものがある。具体的には、圧力検出部によって検出される圧力が所定圧力(判定閾値)を超えた場合に、エアバッグを展開させる必要のある衝突状態であると判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−46862号公報
衝突時に乗員を適切に保護するためには、乗員保護装置を早期に作動、例えば、エアバッグを早期に展開させることが好ましく、そのためには、衝突判定装置によって衝突状態がエアバッグを展開させる必要のあるものか否かを早期に判定する必要がある。
上述のように圧力変化に基づいて衝突状態を判定する場合、圧力検出部によって圧力が検出される空間の密閉性を高めて衝突時の圧力の上昇を早めることで、衝突状態がエアバッグを展開させる必要のあるものか否かを早期に判定することができる。
しかしながら、上記空間の密閉性を高めた場合、この空間内の圧力が高まり易くなるため、エアバッグを展開させる必要のない場合でも空間内が閾値を超えて上昇してしまい、エアバッグを展開させることが必要な衝突状態と判定する虞がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、衝突判定装置による衝突状態の判定を早期に且つ的確に行うことができる車両のドア構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、車両のドアを構成するアウタパネルとインナパネルとで形成される空間の圧力を検出する圧力検出部を有し該圧力検出部の検出結果に基づいて衝突状態を判定する衝突判定装置を備える車両のドア構造であって、前記インナパネルに形成された貫通孔と、前記空間内に前記貫通孔を封止可能に設けられるホール塞ぎ部材と、前記インナパネルとの間に隙間を確保した状態で前記ホール塞ぎ部材を保持する保持部材と、前記ホール塞ぎ部材と前記アウタパネルとの間に設けられ、内部に粘性流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内を車幅方向で相対移動可能に設けられるピストンと、を備えるダンパー部材と、を有することを特徴とする車輌のドア構造にある。
かかる第1の態様では、通常時には(衝突が起きていない状態では)、貫通孔が開口しているため、アウタパネルとインナパネルとで形成される空間の密閉性は比較的低くなっている。この状態で、例えば、走行中の車両との衝突などのように衝突速度が比較的速い衝突が発生すると、ダンパー部材の動きが規制される。すなわちシリンダ内の粘性流体によってピストンの移動が規制される。このため、衝突による衝撃がダンパー部材を介して、保持部材によって保持されているホール塞ぎ部材に伝達され、ホール塞ぎ部材は保持部材の保持力に抗してインナパネルまで移動する。これにより貫通孔がホール塞ぎ部材によって塞がれ、上記空間の密閉性が高まる。したがって衝突速度が比較的速い衝突が起こると、上記空間内の圧力は早期に上昇し空間の圧力が早期に閾値を超える。
一方で、例えば、自転車との衝突などのように衝突速度が比較的遅い衝突が発生した場合、粘性流体によってピストンの移動はそれほど規制されることはなく、ピストンがシリンダ内を移動する。つまり衝突による衝撃がダンパー部材によって減衰する。このため、ホール塞ぎ部材には大きな衝撃が伝達されることがなく、貫通孔はホール塞ぎ部材によって塞がれることなく開口した状態に保持される。すなわち空間の密閉性は低い状態のまま維持される。したがって、上記空間内の圧力の上昇速度は比較的遅くなり、空間内の圧力の閾値を超えての上昇は抑制される。よって圧力検出部の検出結果に基づいて衝突状態を的確に判定することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様の車両のドア構造において、前記ホール塞ぎ部材が矩形の板状部材からなり、前記保持部材が前記ホール塞ぎ部材の上下方向両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする車両のドア構造にある。
本発明の第3の態様は、第2の態様の車両のドア構造において、前記ホール塞ぎ部材と前記保持部材とが一体的に形成され、前記ホール塞ぎ部材と前記保持部材との境界部分に脆弱部が設けられていることを特徴とする車両のドア構造にある。
本発明の第4の態様は、第2又は3の態様の車両のドア構造において、前記ホール塞ぎ部材は、車両の前後方向の長さが前記保持部材よりも長くなっていることを特徴とする車両のドア構造にある。
かかる第2から4の態様では、比較的簡易な構造で、ドアへの衝突が乗員保護装置を作動させる必要のある衝撃か否かを適切に判定することができる。
本発明の第5の態様は、第1から4の何れか一つの態様の車両のドア構造において、前記粘性流体がダイラタント特性を有する材料であることを特徴とする車両のドア構造にある。
かかる第5の態様では、粘性流体として、入力負荷が小さい(衝突速度が低い)ときには柔軟性を有し入力負荷が高くなる(衝突速度が高くなる)と硬化するダイラント特性を有する材料を用いることで、衝突に伴う貫通孔の開閉をより適切に制御できる。
以上のように本発明に係る車両のドア構造によれば、衝突判定装置による衝突状態の判定を早期に且つ的確に行うことができるようになる。
本発明の一実施形態に係る車両のドア構造を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る車両のドア構造を示す断面図である。 衝突時の圧力変化率の推移を説明するグラフである。 図2のA矢視図であり、本発明の一実施形態に係るホール塞ぎ部材と貫通孔との位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るホール塞ぎ部材及び保持部材を示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る車両のドア構造の動作を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る車両のドア構造の動作を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る車両のドア構造における衝突時の圧力変化率の推移を説明するグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、車両1には、衝突状態を判定する衝突判定装置2と、乗員保護装置としてのエアバッグ装置3と、を備えている。エアバッグ装置3は、既存の構成であるため詳細な説明は省略する。
衝突判定装置2は、圧力検出部としての圧力センサ4と、判定部5を有するECU(電子制御ユニット)6とで構成される。圧力センサ4は、本実施形態では、車両の乗降用のドア10に設けられている。
車両のドア10は、車両の外板をなす外装部材であるアウタパネル11と、アウタパネル11の車室側に配された内装部材であるインナパネル12とで構成されるドアパネル13と、樹脂材料等からなりインナパネル12の車室側に配され意匠面となるドアトリム14と、を備えている。ドアパネル13内の空間15には、図示は省略するが、ドアウィンドウガラスやドアロックシステム等が収容される。そして圧力センサ4はインナパネル12に設けられ、空間15内の圧力を検出する。
判定部5は、車両の衝突(側突)が起こった際、この圧力センサ4の検出結果に基づいて衝突状態を判定する。車両の衝突によりアウタパネル11が変形すると、ドアパネル13内の空間15の容積が減少する。空間15の容積の減少に伴って空間15内の圧力は大気圧から一時的に上昇する。この空間15内の圧力変化が圧力センサ4によって検出され、判定部5はその検出結果に基づいて衝突状態を判定する。
本実施形態では、判定部5は、圧力センサ4の検出結果から空間15内の圧力変化率を演算し、この圧力変化率の推移に基づいて衝突状態を判定している。具体的には、判定部5は、空間15内の圧力変化率が予め設定された判定閾値を超えると、エアバッグ装置3を作動させる必要のある衝突であると判定し、車両の衝突が起こっても空間15内の圧力変化率が判定閾値を超えない場合には、エアバッグ装置3を作動させる必要のない衝突であると判定する。そしてエアバッグ装置3は、この判定部5によってエアバッグ装置3を作動させる必要のある衝突であると判定された場合に作動するように構成されている。なお、ここでいう圧力変化率とは、衝突により上昇した空間15内の圧力の大気圧に対する比率である。
図3に、車両の衝突が起こった際の空間15内の圧力変化率の推移の一例を示す。例えば、走行中の車両との衝突などのように衝突速度が比較的速い衝突の場合、図3中に実線で示すように、衝突発生後、空間15内の圧力変化率ΔP(t)は急速に上昇し、予め設定された判定閾値ΔPaよりも高いピーク値ΔP1まで上昇する。このような場合、判定部5は、空間15内の圧力変化率ΔP(t)がピーク値ΔP1まで上昇する過程で判定閾値ΔPaに達した時刻Taにおいて、エアバッグ装置3を作動させる必要のある衝突であると判定する。つまり時刻Taにおいてエアバッグ装置3が作動することになる。
一方、例えば、自転車との衝突などのように衝突速度が比較的遅い衝突の場合、図3中に点線で示すように、空間15内の圧力変化率ΔP(t)は比較的ゆっくりと上昇し、そのピーク値ΔP2は、判定閾値ΔPaよりも低い値となる。このような場合、判定部5は、エアバッグ装置3を作動させる必要のある衝突であるとは判定せず、エアバッグ装置3が作動することはない。
すなわち判定閾値ΔPaは、エアバッグ装置3を作動させる必要のない衝突では、圧力変化率がこの判定閾値ΔPaを超えないような値に設定されている。判定閾値ΔPaの設定方法は、特に限定されないが、例えば、エアバッグ装置3の作動が必要な衝突試験(ON要件試験)と、エアバッグ装置3の作動が不要な衝突試験(OFF要件試験)と、を行い、これらの試験結果に基づいて、ON要件試験のみで達する値を判定閾値ΔPaとして設定する。
このように空間15内の圧力変化に基づいて衝突状態を判定することで、衝突状態を的確に判定することができるが、以下に説明する本発明の車輌のドア構造を採用することで、衝突状態をより早期に判定することが可能となる。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、ドア10を構成するインナパネル12には、貫通孔16が車幅方向に亘って設けられている。この貫通孔16は、アウタパネル11及びインナパネル12により構成されるドアパネル13内の空間15とインナパネル12及びドアトリム14により形成される空間とを連通する。貫通孔16の形状は特に限定されないが、本実施形態では略円形に形成されている。また貫通孔16を設ける位置も特に限定されないが、車両の前後方向については極力前方側であることが好ましく、上下方向についてはドア10のドアトリム14に設けられるアームレストよりも下側であることが好ましい。すなわち貫通孔16は、インナパネル12の、シートに着座した乗員とは正対しない位置に設けられていることが好ましい。
インナパネル12のアウタパネル11側、つまり空間15内には、ホール塞ぎ部材17が、貫通孔16を封止可能に設けられている。具体的には、図4に示すように、ホール塞ぎ部材17は、車幅方向で貫通孔16に対向する位置に配置され、少なくとも貫通孔16を塞ぐことができる大きさで形成されている。本実施形態では、ホール塞ぎ部材17は、車両の前後方向の長さが保持部材18よりも長くなるように形成されている。さらにホール塞ぎ部材17は、保持部材18によってインナパネル12(貫通孔16)との間に隙間を確保した状態で保持されている。
本実施形態では、保持部材18はホール塞ぎ部材17と一体的に形成されている。具体的には、図5に示すように、略矩形の板状部材からなるホール塞ぎ部材17と、このホール塞ぎ部材17の上下方向両端部に設けられる一組の保持部材18とが、車両の幅方向における断面が略コ字状(図2参照)となるように一体的に形成されている。ホール塞ぎ部材17は、このような保持部材18によってインナパネル12との間に隙間を確保した状態で保持されているため、通常時は貫通孔16が開口しており空間15の密閉性は低くなっている。
またホール塞ぎ部材17とアウタパネル11との間には車幅方向に亘ってダンパー部材19が設けられている。ダンパー部材19は、内部に粘性流体が封入されたシリンダ20と、シリンダ20内を車幅方向で相対移動可能に設けられるピストン21と、を備えている。本実施形態では、ホール塞ぎ部材17にシリンダ20が固定され、アウタパネル11側にピストン21が設けられている。ピストン21は、アウタパネル11に固定されている必要はないが、固定されていてもよい。またピストン21は、図示は省略するが、アウタパネル11とインナパネル12内に車両前後方向にアウタパネル11に沿って延び長手方向両端部でアウタパネル11に取り付けられるインパクトバーに固定されていてもよい。勿論、シリンダ20とピストン21との配置は特に限定されず、ホール塞ぎ部材17側にピストン21を設け、アウタパネル11側にシリンダ20を配置してもよい。
このような構成では、通常時には(衝突が起きていない状態では)、貫通孔16が開口しているため、アウタパネル11とインナパネル12とで形成される空間15の密閉性は比較的低くなっている。この状態で、例えば、走行中の車両との衝突などのように衝突速度が比較的速い衝突が発生すると、ダンパー部材19の動きが規制される。すなわちシリンダ20内の粘性流体によってシリンダ20内でのピストン21の移動が規制される。このため、衝突による衝撃がダンパー部材19を介して、保持部材18によって保持されているホール塞ぎ部材17に伝達される。これにより、ホール塞ぎ部材17は保持部材18の保持力に抗して、保持部材18の内面をガイドとしてインナパネル12まで移動し貫通孔16が塞がれる。
本実施形態では、ホール塞ぎ部材17と保持部材18との境界部分22は、例えば、切り欠き等の脆弱部が設けられ、アウタパネル11からダンパー部材19を介してホール塞ぎ部材17に所定荷重がかかると破断されるようになっている。そして上述のように衝突による衝撃がホール塞ぎ部材17に伝達されると、図6に示すように、ホール塞ぎ部材17と保持部材18との境界部分22が破断し、ホール塞ぎ部材17が貫通孔16周縁のインナパネル12に当接、密着して貫通孔16が塞がれる。具体的には、インナパネル12は、図4に示すように、貫通孔16の周縁部にホール塞ぎ部材17を受ける受け部12aを備えている。このため、ホール塞ぎ部材17は、この受け部12aにおいてインナパネル12と当接することで貫通孔16が塞がれる。
また本実施形態では、上述したようにホール塞ぎ部材17の車両の前後方向における長さが保持部材18よりも長く形成されている。このホール塞ぎ部材17の保持部材18よりも外側の部分に対向するインナパネル12も上記受け部12aを構成することになる。このように本実施形態では、車両の前後方向での受け部12aの面積が比較的広く確保されている。したがって、ホール塞ぎ部材17の位置が多少ずれたとしても、貫通孔16が確実に塞がれる。
なお、貫通孔16は、ドア10に設けられる図示しないドアウィンドウガラスを最も下方に下げてドアパネル13内に格納させた場合の下端よりも下方に設けられている。これにより、ホール塞ぎ部材17がドアウィンドウガラスに当接することがない。したがって、ウィンドウガラスの位置に拘わらず、ホール塞ぎ部材17によって貫通孔16を確実に塞ぐことができる。
一方で、例えば、自転車との衝突などのように衝突速度が比較的遅い衝突が発生した場合、ピストン21のシリンダ20内での移動は粘性流体によってそれほど規制されることはないため、図7に示すように、ピストン21はシリンダ20内をホール塞ぎ部材17側に移動する。すなわち衝突による衝撃はダンパー部材19によって減衰され、大きな衝撃がホール塞ぎ部材17に伝達されることはない。したがって、ホール塞ぎ部材17と保持部材18との境界部分22が破断することはなく、貫通孔16は開口した状態に保持される。
図8は、貫通孔16を塞ぐホール塞ぎ部材17を備える実施例の構成における圧力変化率の推移と、貫通孔16を塞ぐホール塞ぎ部材17を備えていない比較例の構成における圧力変化率の推移と、を示す図である。
衝突速度が比較的速い衝突が起こった場合(図中実線)、実施例の構成では上述のように貫通孔16がホール塞ぎ部材17によって塞がれて空間15の密閉性が高まる(図6参照)。このため、空間15内の圧力変化率ΔP(t)は、図8に示すように、比較的早い段階(時刻T1)から上昇し時刻T2で判定閾値ΔPaに達する。なお空間15の密閉性が高くなっているため、ピーク値も比較的高くなる(ΔP3)。一方、比較例の構成では貫通孔16は開口したままであり空間15内の密閉性が低いため、空間15内の圧力変化率ΔP(t)は時刻T1よりも遅い時刻T3から上昇し、時刻T2よりも遅い時刻T4で判定閾値ΔPaに達する。なおそのピーク値は実施例の構成に比べて低くなる(ΔP4)。この結果から分かるように、実施例の構成では、比較例の構成に比べて空間15内の圧力変化率ΔP(t)の立ち上がりを早めることができ、早期に衝突判定を行うことができる。したがって、早期にエアバッグ装置3を作動させることができる。
衝突速度が比較的遅い衝突が起こった場合(図中点線)、実施例の構成においても、比較例の構成の場合と同様に貫通孔16は開口した状態に保持される(図7参照)。すなわち何れの構成においても、空間15の密閉性は比較的低い状態に保持される。したがって、圧力変化率ΔP(t)の上昇は抑制され、例えば、時刻T5付近でピーク値(ΔP5)に達するものの、圧力変化率ΔP(t)は判定閾値ΔPaを超えることはなく、エアバッグ装置3が作動することはない。
なおシリンダ20内に封入されている粘性流体として、ゆっくりとした速度で負荷を加えた際には流動性を示し早い速度で負荷を加えた際には固化したような状態となるダイラタント特性を有する材料を用いることが好ましい。また、粘性流体として比較的粘度の高い材料を用いることで、上述のようにホール塞ぎ部材17によって貫通孔16が塞がれるようにすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能なものである。
例えば、ホール塞ぎ部材及び保持部材は、上述の実施形態の構成に限定されるものではなく、衝突速度が比較的速い衝突が起こった場合に、ホール部塞ぎ部材によって貫通孔が塞がれるように構成されていればよい。特に、ホール塞ぎ部材等をインパクトバーに対向する位置に設けた場合には、衝突時の衝撃がまずはインパクトバーで吸収され、その後ダンパー部材を介してホール塞ぎ部材へと伝わるため望ましい。
また上述の実施形態では、ホール塞ぎ部材と保持部材とが一体的に形成されている構成を例示したが、これらホール塞ぎ部材と保持部材とは、勿論、別体として形成されていてもよい。
また上述の実施形態では、インナパネルに一つの貫通孔を形成した構成について説明したが、貫通孔を複数個設け、各貫通孔に対応してホール塞ぎ部材、保持部材及びダンパー部材を設けるようにしてもよい。
また上述の実施形態では、判定部がドアパネルの空間内の圧力変化率から衝突状態を判定する例を説明したが、上記空間内の圧力変化率ではなく、例えば、空間内の圧力値から衝突状態を判定することもできる。
1 車両
2 衝突判定装置
3 エアバッグ装置
4 圧力センサ
5 判定部
10 ドア
11 アウタパネル
12 インナパネル
13 ドアパネル
14 ドアトリム
15 空間
16 貫通孔
17 ホール塞ぎ部材
18 保持部材
19 ダンパー部材
20 シリンダ
21 ピストン

Claims (5)

  1. 車両のドアを構成するアウタパネルとインナパネルとで形成される空間の圧力を検出する圧力検出部を有し該圧力検出部の検出結果に基づいて衝突状態を判定する衝突判定装置を備える車両のドア構造であって、
    前記インナパネルに形成された貫通孔と、
    前記空間内に前記貫通孔を封止可能に設けられるホール塞ぎ部材と、
    前記インナパネルとの間に隙間を確保した状態で前記ホール塞ぎ部材を保持する保持部材と、
    前記ホール塞ぎ部材と前記アウタパネルとの間に設けられ、内部に粘性流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内を車幅方向で相対移動可能に設けられるピストンと、を備えるダンパー部材と、を有する
    ことを特徴とする車両のドア構造。
  2. 請求項1に記載の車両のドア構造において、
    前記ホール塞ぎ部材が矩形の板状部材からなり、前記保持部材が前記ホール塞ぎ部材の上下方向両端部にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする車両のドア構造。
  3. 請求項2に記載の車両のドア構造において、
    前記ホール塞ぎ部材と前記保持部材とが一体的に形成され、前記ホール塞ぎ部材と前記保持部材との境界部分に脆弱部が設けられている
    ことを特徴とする車両のドア構造。
  4. 請求項2又は3に記載の車両のドア構造において、
    前記ホール塞ぎ部材は、車両の前後方向の長さが前記保持部材よりも長くなっている
    ことを特徴とする車両のドア構造。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の車両のドア構造において、
    前記粘性流体がダイラタント特性を有する材料である
    ことを特徴とする車両のドア構造。
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