JP2016172296A - ロボット装置、ロボット制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーム先端部でヒステリシスロスなどによって発生する位置姿勢誤差や振動を低減でき、またその緩衝機能を必要に応じて無効にできる緩衝機構を備えたロボット装置を提供する。【解決手段】ロボット装置(100)は、ワーク(101)をフィンガ部90によって把持するロボットハンド110と、ロボットハンド110の位置および姿勢を制御するロボットアーム3と、ロボットハンド110およびロボットアーム3を制御する制御装置(200)を備える。フィンガ部90は、ロボットアーム3に対するワークの位置または姿勢の少なくとも一自由度を調整する複数の主フィンガ9と、主フィンガ9の少なくとも1つの先端に可動支持された副フィンガ10と、上記の主、副フィンガとの間に配置され、圧縮コイルバネ13によって副フィンガ10をワークの把持方向へ付勢するフローティング機構を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、ワークをフィンガ部によって把持する把持装置と、前記把持装置の位置および姿勢を制御するロボットアームを備えたロボット装置に関する。
従来、垂直多関節アーム及びハンドあるいはグリッパなどの把持装置を備えたロボットでは、ロボットが所定の位置姿勢となる教示点をロボットに記憶させ、その記憶した教示データに従ってロボットを動作させるロボット制御が行われている。
この種のロボットでは、関節での減速機として主に波動歯車減速機が用いられているが、この波動歯車減速機は撓みや残留応力が発生し易く、内部にねじれが生じ、トルクをゼロに戻してもねじれ角が残留するヒステリシスロスが発生することがある。また、ロボットでは、ヒステリシスロスの他にも、歯車の噛み合いによるバックラッシュや、伝達系にベルトなどが用いられていればそのベルトの伸び等の特性が影響する。以下、これらヒステリシスロス、バックラッシュ、ベルトの伸び、などの特性を総称して、ヒステリシスロス等と呼ぶ。
ヒステリシスロスを生じやすい伝達系、例えば波動歯車減速機を用いたロボットでは、ロボットに目標となる位置姿勢に移動するよう指令を入力しても、その目標位置姿勢に向かう方向や速度によって、実際に到達する位置姿勢に誤差が生じる可能性がある。例えば、6軸多関節アームを利用したロボットのように多軸のロボットでは、各関節で発生したヒステリシスロス等が累積して、目標位置姿勢に対する実際の位置姿勢の誤差が発生し易い。
また、多関節アームは先端に大きな慣性質量をもった片持ち梁の形態になる為、目標位置姿勢への停止時に振動が発生し易く、位置姿勢が安定するまで時間がかかることがあった。
そこで、ロボットの動作時の位置姿勢の誤差を軽減し、短時間に位置姿勢を安定化させるため、多関節アームの最先端の関節と作業部(ハンド)との間に作業部調整機構を配置する構成が提案されている(例えば下記の特許文献1)。特許文献1の作業部調整機構は、キャリブレーションデータに基づき制御装置によって能動的に駆動され、これにより、ヒステリシスロスや振動が低減される。
また、多関節アームの最先端の関節とハンドとの間に配置され、ハンドによって保持する側のワークの水平面内におけるずれを修正可能なフローティング装置が提案されている(下記の特許文献2)。このフローティング装置は、X、Y軸方向にそれぞれ移動自在なリニアガイドと、これらリニアガイドを位置決めする引張りばねから構成されている。吸着ハンドによって把持したワークを相手ワークに対して挿入する際、ワークの位置姿勢の誤差および振動が発生していても、この誤差や振動はフローティング装置によって吸収される。
特許文献1の作業部調整機構、および特許文献2のフローティング装置は、いずれもハンド(ないしそれにより支持されるワーク)の位置姿勢の誤差や、振動を吸収する緩衝機構に相当する。
ところが、特許文献1に記載されたロボットシステムの作業部調整機構は、精密ガイド、ボールねじ、ボールねじを駆動するステッピングモータなどから構成され、X、Y軸方向に動作する並進移動機構によって構成されている。この作業部調整機構には剛性の高いガイドが必要であり、ハンドと同等程度の重量増加となる。このため、ロボットアーム先端付近の構成が複雑になり、特にこの部分の大型化、重量増加を招く恐れがある。この場合、安定したロボット動作を行うためには、この重量増加に対応して、アームの各関節の駆動力を増強しなければならい可能性があり、もし駆動力が不足であれば、逆に位置姿勢の誤差、振動を増加させる可能性がある。
即ち、特許文献1の構成では、ロボットアームの先端に配置する作業部調整機構の質量増加分、アーム各部の駆動力を増やさない限り、位置姿勢の誤差や振動を低減する、という本来の目的を達することができない、というデメリットがある。特に、作業部調整機構は、操作対象のワークよりもはるかに質量の大きなハンド20を駆動できる性能を有している必要があり、ハンドの例えばフィンガなどの駆動部より大がかりなものになりがちである。このため、ワークがロボットアーム先端部の全体質量に影響され、位置姿勢の正確な修正ができなくなる可能性もある。
また、ワーク搬送時にはハンドとワークの質量とが受ける加速度等による力を作業部調整機構が受け止めて位置姿勢を保持できなければならない。このため、作業部調整機構は、このような搬送期間における位置姿勢の修正のために、さらに大きな駆動力および保持力を有している必要がある。もちろん、作業部調整機構は、複雑かつ繊細な制御過程によって、その動作を能動的に制御しなければならず、ハードウェア的に生じるコストアップに加えて、ソフトウェア的なコストが増大するのを回避することができない。
一方、特許文献2のフローティング装置も、アームの最先端の関節と吸着ハンドとの間に配置されている。このため、重量の大きなハンドの部位を支持する必要から、例えばフローティング装置の各部に充分な剛性が求められ、これによりアーム先端部が大型化し、重量が重くなる問題がある。このため、特許文献2の構造でも、アーム先端部の質量増大に応じてアーム各部の駆動力を増加させる必要があり、また、ワークの位置姿勢がアーム先端部の質量に影響されて安定しなくなる可能性がある。
さらに、特許文献2のフローティング装置は、能動的な駆動手段を有しておらず、引張りばねの張力のみによって(例えばワーク)の中立位置が保持される。従って、ワークを含むアーム先端部の質量と引張りばねの張力のバランスによっては却って位置姿勢の誤差や振動を招き、ワークの位置姿勢の制御に時間がかったり、ワークの脱落、放出を招きかねない問題がある。
本発明の課題は、以上に鑑み、駆動手段を必要とせず、アーム先端部でヒステリシスロスなどによって発生する位置姿勢誤差や振動を低減でき、またその緩衝機能を必要に応じて無効にできる緩衝機構を備えたロボット装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、ワークをフィンガ部によって把持する把持装置と、前記把持装置の位置および姿勢を制御するロボットアームと、前記把持装置および前記ロボットアームを制御する制御装置とを備えたロボット装置において、前記フィンガ部は、前記ロボットアームに対する前記ワークの位置または姿勢の少なくとも一自由度を調整する複数の主フィンガと、少なくとも前記主フィンガの1つの先端に可動支持された副フィンガと、前記主フィンガと前記副フィンガとの間に配置され、弾性部材によって前記副フィンガを前記ワークの把持方向へ付勢するフローティング機構と、を備えた構成を採用した。
あるいはさらに、前記フィンガ部により前記ワークを把持する際、前記制御装置が、前記フィンガ部の前記主フィンガの開閉状態を制御して、前記フローティング機構の前記弾性部材を圧縮し、前記主フィンガと前記副フィンガとがリジッドに結合された第1の状態と、前記フローティング機構の前記弾性部材を介して前記副フィンガが前記主フィンガに対して弾性支持された第2の状態と、のいずれかに切り換えて、前記フィンガ部による前記ワークの把持状態を制御する構成を採用した。
上記構成によれば、主フィンガ、フローティング機構を介して可動支持された副フィンガから成る構成を採用している。このため、ロボットアームによりワークを操作する際、駆動手段を必要とせず、アーム先端部でヒステリシスロスなどによって発生する寸法誤差や位置姿勢誤差や振動を低減することができる。また、主フィンガの開閉状態を制御することによりフローティング機構の動作を制御し、第1および第2の把持状態を切り換える構成によれば、フローティング機構の緩衝機能を必要に応じて無効にすることができる。
本発明によれば、主フィンガ、フローティング機構を介して可動支持された副フィンガから成る構成によって、ロボットアームでワークを取り扱う際、寸法誤差や位置姿勢誤差や振動を低減することができ、安定した高速なワーク組付け作業が行える。また、把持装置のフィンガ部より先にフローティング機構を設けるため、フローティング機構よりも先の荷重が小さくて済む。また、主フィンガの開閉状態を制御することによりフローティング機構の動作を制御することができ、フローティング機構そのものを制御するための独立した駆動源も必要としない。以上の理由により、機構は小型軽量に構成でき、簡単安価に製造できる。
把持装置によってワークを把持して搬送する場合などには、上記の第1の(リジッドな)把持状態を選択できる。この場合、弾性部材を圧縮し、強い把持力でワークを把持して搬送することができ、ロボットアームの移動の加速、減速によりワークが把持ズレを起こしたりや落下したりすることを防止できる。また、ワークを取付あるいは位置決めする所定の位置近傍では、上記の第2の(弾性的な)把持状態を選択できる。この場合、副フィンガが主フィンガに対し弾性支持され、ワークの位置、姿勢が調整可能な状態に切換えられ、安定した高速なワーク取付作業が行える。
以下、添付図面に示す実施例を参照して本発明を実施するための形態につき説明する。なお、以下に示す実施例はあくまでも一例であり、例えば細部の構成については本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が適宜変更することができる。また、本実施形態で取り上げる数値は、参考数値であって、本発明を限定するものではない。
後述の実施例1および2に示す構成を適用可能なロボットシステムの構成について、図9、図10に基づいて詳細に説明する。図9は、本発明を採用したロボット装置を含むロボットシステムの全体構成を、また、図10は図9の装置の制御系(ロボット制御装置)の構成を示している。
図9に示す、ロボット装置100は例えば産業用ロボットである。図9のロボット装置100は、ワーク101の組み立て等の作業を行うロボット装置100、ロボット装置100を制御する制御装置200、制御装置200に接続されたティーチングペンダント300を含む。ロボット装置100は、多関節ロボットアーム(以下「ロボットアーム」という)3と、このロボットアーム3の先端に接続されたエンドエフェクタであるロボットハンド110と、を有する。
図9のロボットアーム3は、例えば垂直多関節型のロボットアームであり、作業台に固定されるベース部(基端リンク)3c上に変位や力を伝達する複数のリンクを複数の関節J1〜J6で旋回または回転可能に互いに連結して成る。ロボットアーム3の各関節J1〜J6は、サーボモータおよびこのサーボモータの出力を減速する例えば波動歯車機構から減速機などにより構成された駆動部(不図示)を内蔵する。この駆動部には、各関節J1〜J6について必要なトルクの大きさに合わせて適切な出力のものが用いられる。後述する制御系(制御装置200)は、各関節J1〜J6を回転駆動することにより、その姿勢(角度)を制御する。これにより、ロボットアーム3の基準位置(たとえばロボットハンド110が装着されるフランジ面中心など)を所望の位置姿勢に制御することができる。
ロボットアーム3の先端部のリンク3dには、ワーク101を取り扱うエンドエフェクタ(ツール)の一例として把持装置、例えばロボットハンド110が装着される。ロボットハンド110は、ワーク101を把持するフィンガ部90を有する。このフィンガ部90は、後述の各実施例に示す構造では、主フィンガ(9)および副フィンガ(10)から構成される。また、フィンガ部90には、ワーク101の把持力(ないしその応力(反力))を検出する力覚センサ(不図示)が設けることができる。
ティーチングペンダント300は制御装置200に接続可能に構成され、制御装置200に接続された際に、ロボットアーム3やロボットハンド110を駆動制御する指令を制御装置200に送信できるよう構成されている。ティーチングペンダント300はロボット操作装置の一例である。「ティーチングペンダント」のような呼称が用いられる製品の多くは、ロボット装置100の設置環境において、ロボット装置100の動きを監視しつつ指令を送り、ロボット装置100の各部を操作できるよう構成される。なお、ロボット操作装置としては、その他にもオフライン環境でロボット制御プログラムを入力、ないし編集するような制御端末が用いられる場合がある。
制御装置200は、図10に示すように、例えば汎用マイクロプロセッサなどから成るCPU601を中心として構成される。図10のように、制御装置200は、例えばCPU601と、データを一時的に記憶するRAM603と、各部を制御するためのロボット制御プログラムを記憶するROM602と、インターフェース回路604、605から構成することができる。
ROM602は、後述のようなトルク制御を含むロボット制御プログラムを記憶するコンピュータ(CPU601)により読み取り可能な記録媒体に相当する。CPU601は、例えばROM602に格納されたロボット制御プログラムを実行することにより、後述のようなフィンガ制御(図11)を含むロボット制御を実行する。このロボット制御については、後述の実施例3で詳細に説明する。
なお、ROM602の一部は、E(E)PROMのような書き換え可能な不揮発領域により構成できる。その場合、不図示のフラッシュメモリや光ディスクのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、ネットワークなどを介して取得したロボット制御プログラムを新たに上記書き換え可能な不揮発領域にインストールすることができる。また、上記書き換え可能な不揮発領域に格納されているロボット制御プログラムは、上記コンピュータ読み取り可能な記録媒体や、ネットワークなどを介して取得したデータによって更新することもできる。
制御装置200は、上記の各関節J1〜J6の動作に要求される要求電力を不図示の電源から各関節の駆動部に供給することにより、ロボット装置100の各部、特にロボットアーム3やロボットハンド110の位置、姿勢を制御するロボット制御を実行する。その場合、制御信号の入出力には、インターフェース605が用いられる。なお、図10では、各関節J1〜J6の駆動部を代表する構成部材として、モータ112を示してある。このモータ112は、後述のロボットハンド110のフィンガ部90を駆動するモータ2(22)を含む。
また、インターフェース605には、知覚系113が接続されている。この知覚系113として示したブロックには、例えば上述のフィンガ部90に設けた力覚センサやフィンガ部90の制御位置を検出するエンコーダが含まれる。また、知覚系113には、関節J1〜J6の駆動力を検出するエンコーダ、トルクセンサなどが含まれていてもよい。あるいは、知覚系113には、ロボット装置100の近傍に配置されたデジタルカメラなどからなる視覚(ヴィジョン)系が含まれていてもよい。知覚系113は、例えばロボット装置100の特定部位(上記の基準位置)の位置、姿勢を上記エンコーダの出力や、カメラの撮影画像を介して取得するために用いられる。また、上記の力覚センサや、トルクセンサなどを用いてフィンガ部90や各関節J1〜J6の駆動力を取得することができる。上記のように、知覚系113によって取得(知覚)されたロボット装置100の現在の駆動状態に関するインターフェース605を介してCPU601にフィードバックされる。CPU601は、この(知覚)情報を利用して、各関節J1〜J6やフィンガ部90の駆動量を制御するロボット制御を行うことができる。
また、CPU601は、インターフェース回路604を介してティーチングペンダント300からの指令を入力し、この指令に応じて上記各部の動作を制御するロボット制御を行う。あるいは、CPU601は、他のプログラム端末などから供給され、RAM603などに記憶されているロボット制御プログラムの内容に応じて上記各部の動作を制御することもできる。ロボット装置100は、入力された設定等に従って、制御装置200がロボットアーム3の各関節J1〜J6を動作させ、ロボットハンド110を任意の位置および姿勢に移動させることができる。例えば、任意の位置及び姿勢において、フィンガ部90に作用する反力を知覚系113の力覚センサ(不図示)で検出しながらフィンガ部90を駆動するモータ(後述の2、22)を制御する。これによりロボットハンド110でワーク101を把持し、組み立て作業などを行うことができる。
図1は、本実施例において、上記ロボット装置のロボットアーム3の先端部、特にロボットハンド110に適用可能な構成を示している。また、図2(a)〜(d)、図3(a)〜(d)、図4(a)、(b)は、特に図1のロボットハンド110でワーク101を取り扱う際のフィンガ部90(主フィンガ9および副フィンガ10)の動作の様子を示している。
図1に示すロボットハンド110は、上述のロボットアーム3の先端のリンク3dの最先端部3eに装着される。ロボットハンド110は、リンク3dの最先端部3eに固定的に装着されるものであってもよく、また、適当な着脱機構を介して着脱可能であってもよい。
図1のロボットハンド110では、ハンド基台1の後部(アーム側)にモータ2が装着されている。本実施例では、モータ2は、例えば最先端部3aに接続されるロボットハンド110の部位の剛性を確保するフレームの役割も持つ。また、構成部材の着脱に関して言えば、ハンド基台1より図1の下方に示したフィンガ部90の部位が着脱自在に構成されていてもよい。以下に示すフィンガ部90を構成する各部位は、金属や樹脂など、製品仕様を満足する適当な材料から構成される。
モータ2のモータ回転軸4はハンド基台1を貫通し反対側に突出し、先端にピニオンギア5が取り付けられている。ハンド基台1には、2本のリニアガイドレール6、6が対向して配置され、各リニアガイドレール6、6には例えば鋼球などにより支持されたリニアガイド7、7がそれぞれ配置され、各リニアガイドレール6、6に沿って自由に移動可能となっている。
各リニアガイド7、7には、ラックギア8、8が設けられ、各ラックギア8、8のギア部にピニオンギア5のギア部が噛み合い、モータ2の回転駆動によりラックギア8、8は直線作動する。この噛合状態によって、ラックギア8、8はモータ2の回転駆動により互いに逆方向に直線作動する。
フィンガ部90は、ロボットアーム3に対するワーク101の位置または姿勢の少なくとも一自由度を調整する複数の主フィンガ9と、先端に可動支持された副フィンガ10を備えている。
図1の構成では、各ラックギア8、8の先端に2本の主フィンガ9、9が装着されている。この構成において、モータ2を回転駆動すると、その回転方向に応じてラックギア8、8を介して主フィンガ9、9が平行に開方向、または閉(ワーク101の把持方向)方向に作動する。
本実施例では、主フィンガ9、9の先端には、それぞれ副フィンガ10、10が開閉方向に直動可能に支持されている。本実施例では、副フィンガ10、10は主フィンガ9、9に対してワーク101の把持方向に平行に直動可能に支持される。なお、後述の機能(例えば緩衝機能)を実現するためには少なくとも主フィンガ9の1つの先端に副フィンガ10を設ければよい。本実施例の副フィンガ10、10は、主フィンガ9、9を貫通する軸状部分の先端に、それよりも大きな径を有する、11、12で示したストッパ部位が設けられている。これらストッパ部位は、開放側ストッパ11、および閉鎖側ストッパ12である。
開放側ストッパ11、11、および閉鎖側ストッパ12、12は、副フィンガ10、10中央の軸状部分より径の大きな例えば円盤状の部材であって、特に開放側ストッパ11、11の端面は、ワーク把持部14、14を構成する。ワーク把持部14、14(ないし開放側ストッパ11、11)の形状や材質は任意であって、取り扱うワーク101の物性や形状に応じた構造とすることができる。
主フィンガ9、9と副フィンガ10、10との間、特に主フィンガ9、9と、開放側ストッパ11、11の間には、圧縮コイルバネ13、13が弾装してある。これにより、常時、副フィンガ10、10は、主フィンガ9、9の閉鎖方向(ワークの把持方向)へ付勢力を受ける。なお、図2(a)などに断面を示すように、圧縮コイルバネ13、13の径より僅かに大きな径の円筒断面の凹部を穿ち、圧縮コイルバネ13、13の軸状部分とともに圧縮コイルバネ13、13の保持位置を規制するよう構成することができる。
副フィンガ10、10は、開放側ストッパ11、11および閉鎖側ストッパ12、12が主フィンガ9、9とそれぞれ当接することにより開放位置(例えば図2(a))、または閉鎖位置(例えば図2(d))に位置規制される。
上記のような構造により、主フィンガ9、9に対して副フィンガ10、10が可動支持される。この圧縮コイルバネ13、13(弾性部材)は、主フィンガ9、9と副フィンガ10、10との間に配置され、前記副フィンガを前記ワークの把持方向へ付勢するフローティング機構を構成する。あるいは、このフローティング機構は、圧縮コイルバネ13、13(弾性部材)と、主フィンガ9、9に対する副フィンガ10、10の上記の可動支持機構によって構成される、と考えてもよい。
図2〜図4は、図1に示したフィンガ部90を有するロボット装置100によって載置面103上のワーク101を把持し、移動して、ワーク組付面102上に設けられた凹部101a(例えばワーク101の組み付け位置)に装着する動作を示している。図2(a)〜(d)、図3(a)〜(d)、図4(a)、(b)は、副フィンガ10、10の動作の理解を容易にするため、断面図に準じた様式の図示としてある。
図2において、(a)はフィンガ開放状態、(b)はワーク把持準備状態、(c)はワーク把持直前状態、(d)はワーク把持状態をそれぞれ示している。また、図3において、(a)はワーク搬送状態、(b)はワークの組付調整開始の状態、(c)はワークの組付調整を完了した状態、(d)はアームの組付誤差によりハンドが位置ズレした状態をそれぞれ示している。また、図4において、(a)はハンドがワークを開放した状態、(b)ワークの組付けを終了しアームが退避した状態をそれぞれ示している。
図2(a)は、ロボットシステムが作動開始し、フィンガ部90がワーク101を把持するため開放状態となっている状態である。各リニアガイド7、7はモータ2の駆動により開放側(ワーク開放側)に移動され、主フィンガ9は最大に開いた状態となっている。この状態では、副フィンガ10、10は、圧縮コイルバネ13、13のバネ付勢により閉鎖側(ワークの把持方向)へスライドする。そして、閉鎖側ストッパ12、12が主フィンガ9、9に当接して、この位置に副フィンガ10、10が位置決めされている。
続いて、図2(b)のように、ロボットアーム3の各部の姿勢制御を介して、ワーク101が置かれたワーク載置面103上にロボットアーム3を移動させる。ロボットハンド(110)の主フィンガ9および副フィンガ10から成るフィンガ部(90)は、ワーク101のほぼ直上で把持準備状態となっている。副フィンガ10、10の位置決め状態は、図2(a)と同様である。
続いて、図2(c)のようにロボットアーム3の各部の姿勢制御を介して、ワーク101が置かれたワーク載置面103上に、ロボットアーム3によりロボットハンド(110)の主フィンガ9および副フィンガ10から成るフィンガ部(90)を下降させる。この状態では、副フィンガ10、10の先端のワーク把持部14、14がワーク101のほぼ側方に位置するよう、ロボットハンド(110)を下降させている。この状態は、ワーク101の把持直前状態である。
続いて、図2(d)に示すようにフィンガ部90によってワーク101を把持する。ここでは、モータ2の駆動により各リニアガイド7、7を閉鎖方向に作動させる。これにより、主フィンガ9、9は閉鎖方向(ワーク把持方向)に作動する。そして、ワーク把持部14、14がワーク101に当接し、副フィンガ10、10は圧縮コイルバネ13、13のバネ付勢に抗して開放側へスライドする。この時、ピニオンギア5、ラックギア8、8を介して伝達されるモータ2の駆動力(把持力)は、圧縮コイルバネ13、13を圧縮して、開放側ストッパ11、11が主フィンガ9、9に当接する状態となるように調節される。なお、この把持状態を形成するモータ2の駆動力(把持力)の制御には、知覚系113(図10)に含まれるセンサ類(不図示)によって検出したモータ2(図10ではモータ112)の状態に関する情報をフィードバックして利用することができる。このフィードバック情報としては、例えば、知覚系113に含まれるモータ2のトルクや回転量(角)を検出するトルクセンサや位置センサによって検出した情報を用いることができる。
図2(d)のワーク把持状態は、圧縮コイルバネ13、13が圧縮され、副フィンガ10、10のワーク把持部14、14がワーク101に当接した主フィンガ9、9と副フィンガ10、10とがリジッドに結合された第1の状態である。このリジッドな把持状態(第1の状態)は、上記のモータ2の制御によって、モータ2の駆動力を調節することにより維持される。この状態では、主フィンガ9、9と副フィンガ10、10とはとがリジッドに結合された状態であり、両者は一体となってワーク101を強い把持力で剛性把持する。
一方、図2(a)〜(c)の状態は、上記のフローティング機構を構成する圧縮コイルバネ13、13(弾性部材)を介して、副フィンガ10、10が主フィンガ9、9に対して弾性支持(浮動支持)された第2の状態(開放状態)に相当する。
そして、本実施例では、上記の第1の状態(ワーク把持状態)または、第2の状態(開放状態)は、フィンガ部90の駆動源であるモータ2の駆動力のみによって制御され、例えば、特許文献1におけるような独立した駆動源を用いる必要がない。
さらに、図2(d)の状態から、図3(a)〜(d)、図4(a)、(b)に示すようにワーク101の操作を続けることができる。
図3(a)は、ワーク搬送状態を示したもので、図2(d)の状態からワーク101を把持したままロボットアーム3によりハンドが上昇停止し、目標位置にワーク101の搬送を開始する。この時のモータ2の駆動力は図2(d)とほぼ同じ状態を維持するよう制御する。
ここで、特に図3(a)のワーク把持状態は、主フィンガ9、9と副フィンガ10、10とがリジッドに結合されたリジッドな把持状態(第1の状態)である。このリジッドな把持状態は、モータ2の把持力によって維持することができる。そしてこのリジッドな把持状態では、例えばロボットアーム3を上下左右に移動させても、フローティング機構の圧縮コイルバネ13、13は不要な振動を生じることがない。また、ワーク101の把持位置は、副フィンガ10、10のストッパ(10、11)と主フィンガ9、9の位置関係により定まる正確な位置に制御することができる。
なお、図2(a)以降のロボットアーム3の制御に関しては、例えば知覚系113に設けたカメラなどの視覚(ヴィジョン)系によって撮影した撮影画像を用いて、ロボットアーム3、ロボットハンド110の各部の位置姿勢を制御することができる。
図3(b)は、ワーク101の組付開始の状態を示しており、ここでは、ロボットアーム3によって、ワーク101を把持したロボットハンド110を下降させる。そして、ワーク101がワーク組付面102に接する位置で停止させる。
その後、ワーク101をワーク組付面102の凹部101a(組付け部)に装着する時、圧縮コイルバネ13、13(弾性部材)を用いたフローティング機構を利用して、例えば図3(b)〜図3(d)に示すような制御を行うことができる。
まず、図3(b)〜(c)では、モータ2を圧縮コイルバネ13、13の付勢よりも弱い把持力となるように駆動する。これにより、主フィンガ9、9は開放方向に作動する。一方、圧縮コイルバネ13、13の付勢力により副フィンガ10、10はワーク把持方向に作動し、圧縮コイルバネ13、13の付勢力がその伸張により低下してモータ2の弱い把持力とバランスする位置で停止する。
この状態では、図3(b)、(c)に示すように副フィンガ10、10の開放側ストッパ11、11、および閉鎖側ストッパ12、12と主フィンガ9、9との間に間隔を生じる。このため、ワーク101は圧縮コイルバネ13、13の付勢力に抗する力をかければ左右に動かすことが可能な弾性把持状態(フローティング状態)となる。本実施例では、図3(b)の状態から右方向のワーク101の組付位置(凹部101a)に落し込むよう、ロボットアーム3の位置姿勢を制御し、ワーク101を移動させる。このワーク移動についても、知覚系113で得た情報(例えばカメラなどから得た撮影画像、ないしその画像認識結果)などをフィードバックする制御を行うことができる。
例えば、ワーク101を図3(b)の位置から図中右方へ移動させると、図3(c)のようにワーク101がワーク組付面102の凹部101a(組付け部)に落し込まれる。この時、好ましくは、例えば知覚系113からのフィードバックを利用しつつ、ワーク101をワーク組付面102に摺動させつつ、図中右方へ移動するよう、ロボットアーム3の位置姿勢を制御する。そして、この時、ロボットアーム3の位置姿勢の制御の誤差や、ワーク101や凹部101a(組付け部)の寸法(位置)誤差などがあっても、圧縮コイルバネ13、13(弾性部材)によるフローティング支持によって、その誤差を吸収することができる。
例えば、図3(d)に示すように、ロボットアーム3の制御誤差などによって、凹部101a(組付け部)よりもワーク101が図中右方に行き過ぎたような状況においても、フローティング支持によって位置(姿勢)制御の誤差を吸収することができる。即ち、図3(d)のように、ロボットアーム3およびロボットハンド110が右方に行き過ぎてしまっても、圧縮コイルバネ13、13が伸張および圧縮して動きおよび力を吸収し、副フィンガ10、10はワーク101を安定して保持することができる。
この時、もし、副フィンガ10、10がなく、主フィンガ9、9により剛性的(リジッド)にワーク101を把持する構造では、位置姿勢の誤差によってはワーク101やロボットアーム3、ロボットハンド110などの各部に無理な応力がかかる可能性がある。これにより、ワーク101の変形や破損、ロボット装置100の各部に故障を生じる可能性がある。しかしながら、本実施例では、上記の圧縮コイルバネ13、13(弾性部材)を用いたフローティング機構によって、上記のような位置姿勢の制御誤差、ないしはそれにより生じる無理な応力などを吸収することができ、上記のような問題を生じない。
その後、図4(a)、(b)に示すように、ロボットハンド110から凹部101aに落し込んだワーク101を開放し、ロボットハンド110を上方に退避させることができる。
図4(a)では、(例えば図3(d)の状態から)モータ2によって各リニアガイド7、7を開放側(外側)に移動させ、主フィンガ9、9を最大に開いた状態に制御している。この時、副フィンガ10、10のワーク把持部14、14はワーク101から離間した状態となっている。この状態では、図2(a)と同様に、副フィンガ10、10が圧縮コイルバネ13、13の付勢力により閉鎖方向(ワーク把持方向)へスライドする。そして、副フィンガ10、10は、閉鎖側ストッパ12、12が主フィンガ9、9に当接することにより位置決めされた状態となる。上記のようにワーク101の組付けを終了した後、図4(b)に示すように、ロボットアーム3を上方に退避させることができる。
上記のように本実施例では、主フィンガ、フローティング機構を介して可動支持された副フィンガから成る構成を採用している。このため、ロボットアームによりワークを操作する際、駆動手段を必要とせず、アーム先端部でヒステリシスロスなどによって発生する寸法誤差や位置姿勢誤差や振動を低減することができる。また、主フィンガの開閉状態を制御することによりフローティング機構の動作を制御し、第1および第2の把持状態を切り換える構成によれば、フローティング機構の緩衝機能を必要に応じて無効にすることができる。
本発明によれば、主フィンガ、フローティング機構を介して可動支持された副フィンガから成る構成によって、ロボットアームでワークを取り扱う際、寸法誤差や位置姿勢誤差や振動を低減することができ、安定した高速なワーク組付け作業が行える。また、把持装置のフィンガ部より先にフローティング機構を設けるため、フローティング機構よりも先の荷重が小さくて済む。また、主フィンガの開閉状態を制御することによりフローティング機構の動作を制御することができ、フローティング機構そのものを制御するための独立した駆動源も必要としない。以上の理由により、機構は小型軽量に構成でき、簡単安価に製造できる。
把持装置によってワークを把持して搬送する場合などには、上記の第1の(リジッドな)把持状態を選択できる。この場合、弾性部材を圧縮し、強い把持力でワークを把持して搬送することができ、ロボットアームの移動の加速、減速によりワークが把持ズレを起こしたりや落下したりすることを防止できる。また、ワークを取付あるいは位置決めする所定の位置近傍では、上記の第2の(弾性的な)把持状態を選択できる。この場合、副フィンガが主フィンガに対し弾性支持され、ワークの位置、姿勢が調整可能な状態に切換えられ、安定した高速なワーク取付作業が行える。
なお、主フィンガ9と副フィンガ10との間に配置される弾性部材の仕様を変えることにより、弾性把持時の把持力を様々に変更することが可能で様々な重量のワークに対応することもできる。以上の説明では、主フィンガ9、9および副フィンガ10、10が2本で1組となっている構成を示したが、把持装置としてのフィンガ部90はこれよりも多い数の主フィンガ9、9(…)ないしは副フィンガ10、10(…)を用いる構成であってもよい。
また、以上の説明では、複数の主フィンガ9、9(…)の全てに副フィンガ10、10(…)を可動支持する構成を示した。しかしながら、上記の第1および第2の把持状態を形成するためには、必ずしも複数の主フィンガ9、9(…)の全てに副フィンガ10、10(…)を可動支持する必要はない。例えば、上記構成において、主フィンガ9、9の片側の副フィンガ10を省略し、その側の主フィンガ9を反対側の副フィンガと協働可能な形状とした構成においても、上記の第1および第2の把持状態を形成することができる。即ち、複数の主フィンガ9の少なくとも1つの先端に副フィンガ10が可動支持される構成であれば、上記の第1および第2の把持状態を形成することができる。
以上の実施例1では、副フィンガ10、10の可動支持機構は、主フィンガ9、9に対して副フィンガ10、10がワーク把持方向にほぼ平行に直動可能に支持されるよう構成されていた。しかしながら、主フィンガ9、9に対する副フィンガ10、10の可動支持機構は、揺動支持機構によって構成されていてもよい。以下に示すように、本実施例2では、副フィンガ(30)が主フィンガ(29)に対してワーク101の把持方向に揺動可能に支持される。
図5は、本実施例のロボットハンド110の構成を示しており、その図示の様式は実施例1の図1と同様である。上記の実施例1では、ロボットハンド110の構成部材の参照符号には1〜10番台の参照符号を用いていたが、本実施例では20〜30番台の参照符号を用いている。
図5は、本実施例において、上記ロボット装置のロボットアーム3の先端部、特にロボットハンド110に適用可能な構成を示している。図5に示すロボットハンド110は、上述のロボットアーム3の先端のリンク3dの最先端部3eに装着される。ロボットハンド110は、リンク3dの最先端部3eに固定的に装着されるものであってもよく、また、適当な着脱機構を介して着脱可能であってもよい。
図5において、モータ22から図中下方の主フィンガ29、29までの構成は、例えば主フィンガ29、29の形状や副フィンガ30、30の支持機構を除いてほぼ図1のロボットハンド110とほぼ同様である。ハンド基台21に装着されたモータ22のモータ回転軸24はハンド基台21を貫通し反対側に突出し、先端にピニオンギア25が取り付けられている。ハンド基台21には、リニアガイドレール26、26が対向して配置され、各リニアガイドレール26、26には例えば鋼球により支持されたリニアガイド27、27が配置される。これにより、リニアガイド27、27は、リニアガイドレール26、26に沿って移動可能に支持される。
リニアガイド27、27には、ラックギア28、28が設けられ、ラックギア28、28はピニオンギア25と噛合しており、モータ22の回転駆動によりラックギア28、28が直線作動する。ラックギア28、28の先端には、それぞれ主フィンガ29、29が取り付けられ、ラックギア28、28の直線作動により平行に開閉作動する。
本実施例でも、 フィンガ部90は、ロボットアーム3に対するワーク101の位置または姿勢の少なくとも一自由度を調整する複数の主フィンガ29と、先端に可動支持された副フィンガ30を備えている。
図5の構成では、主フィンガ29、29には、副フィンガ30、30がそれぞれ回転軸31、31を介して回動可能に可動支持されている。副フィンガ30、30は、例えばL字状に形成された主フィンガ29、29の下部に設けた溝状のスロット内で揺動するよう規制されている。例えばこのスロットの回転軸31、31より下部の内壁は副フィンガ30、30の閉鎖側ストッパ33、33として機能する。また、主フィンガ29、29の上部外側には、金属材料などからボタン形状に形成された開放側ストッパ32、32が配置されている。副フィンガ30、30の揺動位置は、上記の閉鎖側ストッパ33、33および開放側ストッパ32、32により閉鎖方向および開放方向にそれぞれ位置規制される。
副フィンガ30、30の先端はワーク把持部35、35として形成されている。副フィンガ30、30はほぼ全体がL字状に形成されているが、例えば特にワーク把持部35、35の材質や形状はワークの物性や形状に応じて任意に設計変更可能である。副フィンガ30、30の上部内側と、主フィンガ29、29の外側の間には、それぞれ圧縮コイルバネ34、34を弾装し、これら圧縮コイルバネ34、34により副フィンガ30、30が閉鎖方向にバネ付勢されている。なお、副フィンガ30、30の上部内側と、主フィンガ29、29の外側に圧縮コイルバネ34、34内部と係合する突起(図示省略)を設けて圧縮コイルバネ34、34の脱落を防止することができる。
上記のような副フィンガ30、30の可動支持機構は、実施例1のものがワーク把持方向に沿って直動するように構成されているのに対して、本実施例では副フィンガ30、30がワーク把持ないし開放方向に揺動する点を除き、機能的には同等である。
図5に示したロボットハンド110は、図6(a)〜(d)、図7(a)〜(d)、図8(a)、(b)のように動作させることができる。図6(a)〜(d)、図7(a)〜(d)、図8(a)、(b)は、上述の実施例における図2(a)〜(d)、図3(a)〜(d)、図4(a)、(b)にそれぞれ相当する。図6(a)〜(d)、図7(a)〜(d)、図8(a)、(b)は、副フィンガ10、10の動作の理解を容易にするため、断面図に準じた様式の図示としてある。
図6において、(a)はフィンガ開放状態、(b)はワーク把持準備状態、(c)はワーク把持直前状態、(d)はワーク把持状態をそれぞれ示している。また、図7において、(a)はワーク搬送状態、(b)はワークの組付調整開始の状態、(c)はワークの組付調整を完了した状態、(d)はアームの組付誤差によりハンドが位置ズレした状態それぞれ示している。また、図8において、(a)はハンドがワークを開放した状態、(b)ワークの組付けを終了しアームが退避した状態をそれぞれ示している。
図6(a)は、ロボットシステムが作動開始し、フィンガ部90がワーク101を把持するため開放状態となっている状態である。リニアガイド27、27はモータ22の駆動により開放側(外側)に移動され、主フィンガ29、29は最大に開いた状態である。副フィンガ30、30は、圧縮コイルバネ34、34のバネ付勢により回転軸31を中心にバネ付勢により閉鎖側(ワークの把持方向)に回動し、閉鎖側ストッパ33、33が副フィンガ30、30に当接している。図6(a)のように、主フィンガ29、29により副フィンガ30、30に把持力を加えていなければ、図示の位置で副フィンガ30、30が位置決めされる。
続いて、図6(b)のように、ロボットアーム3の各部の姿勢制御を介して、ワーク101が置かれたワーク載置面103上にロボットアーム3を移動させる。ロボットハンド(110)の主フィンガ29および副フィンガ30から成るフィンガ部(90)は、ワーク101のほぼ直上で把持準備状態となっている。副フィンガ30、30の位置決め状態は、図6(a)と同様である。
続いて、図2(c)のようにロボットアーム3の各部の姿勢制御を介して、ワーク101が置かれたワーク載置面103上に、ロボットアーム3によりロボットハンド(110)の主フィンガ29および副フィンガ30から成るフィンガ部(90)を下降させる。この状態では、副フィンガ30の先端のワーク把持部35、35がワーク101のほぼ側方に位置するよう、ロボットハンド(110)を下降させている。この状態は、ワーク101の把持直前状態である。
続いて、図6(d)に示すようにフィンガ部90によってワーク101を把持する。モータ22の駆動により各リニアガイド27、27を閉鎖方向に作動させる。これにより、主フィンガ29、29は閉鎖方向(ワーク把持方向)に揺動する。そして、ワーク把持部35、35がワーク101に当接し、副フィンガ30、30は、圧縮コイルバネ34、34のバネ付勢に抗して開放側へ揺動する。そして、開放側ストッパ32、32が副フィンガ30、30に当接し、この位置で副フィンガ30、30が固定される。この状態から、さらにモータ22が駆動すれば、主フィンガ29と副フィンガ30とは一体となって閉鎖作動することになり、ワーク把持部35、35はワーク101を強い把持力で剛性把持する。
モータ22の駆動力(把持力)は、圧縮コイルバネ34、34を圧縮して、開放側ストッパ32、32が副フィンガ30、30に当接する状態となるように調節される。なお、この把持状態を形成するモータ22の駆動力(把持力)の制御には、知覚系113(図10)に含まれるセンサ類(不図示)によって検出したモータ22(図10ではモータ112)の状態に関する情報をフィードバックして利用することができる。このフィードバック情報としては、例えば、知覚系113に含まれるモータ22のトルクや回転量(角)を検出するトルクセンサや位置センサによって検出した情報を用いることができる。
図6(d)のワーク把持状態は、圧縮コイルバネ34、34が圧縮されて、主フィンガ29、29と副フィンガ30、30とがリジッドに結合された第1の状態である。このリジッドな把持状態(第1の状態)は、上記のモータ22の制御によって、モータ22の駆動力を調節することにより維持される。この状態では、主フィンガ29、29と副フィンガ30、30とはとがリジッドに結合された状態であり、両者は一体となってワーク101を強い把持力で剛性把持する。
一方、図6(a)〜(c)の状態は、上記のフローティング機構を構成する圧縮コイルバネ34、34(弾性部材)を介して、副フィンガ30、30が主フィンガ29、29に対して弾性支持(浮動支持)された第2の状態(開放状態)に相当する。
そして、本実施例においても、上記の第1の状態(ワーク把持状態)または、第2の状態(開放状態)は、フィンガ部90の駆動源であるモータ22の駆動力のみによって制御され、例えば、特許文献1におけるような独立した駆動源を用いる必要がない。
さらに、図6(d)の状態から、図7(a)〜(d)、図8(a)、(b)に示すようにワーク101の操作を続けることができる。
図7(a)は、ワーク搬送状態を示したもので、図6(d)の状態からワーク101を把持したままロボットアーム3によりハンドが上昇停止し、目標位置にワーク101の搬送を開始する。この時のモータ22の駆動力は図6(d)とほぼ同じ状態を維持するよう制御する。
ここで、特に図7(a)のワーク把持状態は、主フィンガ29、29と副フィンガ30、30とがリジッドに結合されたリジッドな把持状態(第1の状態)である。このリジッドな把持状態は、モータ22の把持力によって維持することができる。そしてこのリジッドな把持状態では、例えばロボットアーム3を上下左右に移動させても、フローティング機構の圧縮コイルバネ34、34は不要な振動を生じることがない。また、ワーク101の把持位置は、副フィンガ30、30とストッパ(32)と主フィンガ29、29の位置関係により定まる正確な位置に制御することができる。
なお、図6(a)以降のロボットアーム3の制御に関しては、例えば知覚系113に設けたカメラなどの視覚(ヴィジョン)系によって撮影した撮影画像を用いて、ロボットアーム3、ロボットハンド110の各部の位置姿勢を制御することができる。
以後、図7(a)〜(d)、図8(a)、(b)に示すワークの組付時の動作、特に得られる効果は実施例1の場合と同様である。
図7(b)は、ワーク101の組付開始の状態を示しており、ここでは、ロボットアーム3によって、ワーク101を把持したロボットハンド110を下降させる。そして、ワーク101がワーク組付面102に接する位置で停止させる。
その後、ワーク101をワーク組付面102の凹部101a(組付け部)に装着する時、圧縮コイルバネ34、34(弾性部材)を用いたフローティング機構を利用して、例えば図7(b)〜図7(d)に示すような制御を行うことができる。
まず、図7(b)〜(c)では、モータ22を圧縮コイルバネ34、34の付勢よりも弱い把持力となるように駆動する。これにより、主フィンガ9、9は開放方向に作動する。一方、圧縮コイルバネ34、34の付勢力により副フィンガ30、30はワーク把持方向に作動し、圧縮コイルバネ34、34の付勢力がその伸張により低下してモータ22の弱い把持力とバランスする位置で停止する。
この状態では、主フィンガ29、29の開放側ストッパ32、32、および閉鎖側ストッパ33、33と副フィンガ30との間に間隔を生じる。このため、ワーク101は圧縮コイルバネ34、34の付勢力に抗する力をかければ左右に動かすことが可能な弾性把持状態(フローティング状態)となる。本実施例では、図7(b)の状態から右方向のワーク101の組付位置(凹部101a)に落し込むよう、ロボットアーム3の位置姿勢を制御し、ワーク101を移動させる。このワーク移動についても、知覚系113で得た情報(例えばカメラなどから得た撮影画像、ないしその画像認識結果)などをフィードバックする制御を行うことができる。
例えば、ワーク101を図7(b)の位置から図中右方へ移動させると、図7(c)のようにワーク101がワーク組付面102の凹部101a(組付け部)に落し込まれる。この時、好ましくは、例えば知覚系113からのフィードバックを利用しつつ、ワーク101をワーク組付面102に摺動させつつ、図中右方へ移動するよう、ロボットアーム3の位置姿勢を制御する。そして、この時、ロボットアーム3の位置姿勢の制御の誤差や、ワーク101や凹部101a(組付け部)の寸法(位置)誤差などがあっても、圧縮コイルバネ34、34によるフローティング支持によって、その誤差を吸収することができる。
例えば、図7(d)に示すように、ロボットアーム3の制御誤差などによって、凹部101a(組付け部)よりもワーク101が図中右方に行き過ぎたような状況においても、フローティング支持によって位置(姿勢)制御の誤差を吸収することができる。図3(d)のように、ロボットアーム3およびロボットハンド110が右方に行き過ぎてしまっても、圧縮コイルバネ34、34が伸張および圧縮して、動きおよび力を吸収する。これにより、副フィンガ30、30は、それぞれ図示のような揺動姿勢となり、この姿勢でワーク101を安定して保持することができる。
この時、もし、副フィンガ30、30がなく、主フィンガ9、9により剛性的(リジッド)にワーク101を把持する構造において生じる問題は、本実施例においても解消される。副フィンガ30、30がなく、主フィンガ9、9のみが設けられる構造では、位置姿勢の誤差によってはワーク101やロボットアーム3、ロボットハンド110などの各部に無理な応力がかかる可能性がある。そして、ワーク101の変形や破損、ロボット装置100の各部に故障を生じる可能性がある。しかしながら、本実施例では、上記の圧縮コイルバネ34、34(弾性部材)を用いたフローティング機構によって、上記のような位置姿勢の制御誤差、ないしはそれにより生じる無理な応力などを吸収することができ、上記のような問題を生じない。
その後、図8(a)、(b)に示すように、ロボットハンド110から凹部101aに落し込んだワーク101を開放し、ロボットハンド110を上方に退避させることができる。
図8(a)では、(例えば図7(d)の状態から)モータ22によって各リニアガイド27、27を開放側(外側)に移動させ、主フィンガ9、9を最大に開いた状態に制御している。この時、副フィンガ30、30のワーク把持部35、35はワーク101から離間した状態となっている。
この状態では、図2(a)と同様に、副フィンガ30、30はそれぞれ圧縮コイルバネ34、34の付勢力により閉鎖方向(ワーク把持方向)へ揺動する。そして、副フィンガ30、30は、閉鎖側ストッパ33、33と当接することにより位置決めされた状態となる。上記のようにワーク101の組付けを終了した後、図8(b)に示すように、ロボットアーム3を上方に退避させることができる。
この状態では、図2(a)と同様に、副フィンガ30、30はそれぞれ圧縮コイルバネ34、34の付勢力により閉鎖方向(ワーク把持方向)へ揺動する。そして、副フィンガ30、30は、閉鎖側ストッパ33、33と当接することにより位置決めされた状態となる。上記のようにワーク101の組付けを終了した後、図8(b)に示すように、ロボットアーム3を上方に退避させることができる。
以上のように、主フィンガ9、9に対する副フィンガ10、10の可動支持機構を揺動支持機構によって構成する場合でも、直動支持機構を用いた実施例1と同様の機能を実現でき、上述の実施例1と同様の作用、効果を発揮することができる。
実施例1(および実施例2)に示したフィンガ部(90)において、主フィンガ9(29)に対する副フィンガ10(30)の支持構造は、圧縮コイルバネ13(34)(弾性部材)を用いたフローティング機構を含む。このフローティング機構は、例えば、ワーク寸法誤差や、ロボット装置100の位置姿勢の制御誤差や、各部の動作の際に生じる振動を吸収する緩衝機構として機能する。この緩衝機構としてのフローティング機構を含む支持構造は、主フィンガ9(29)の開閉状態を制御することにより、次のような2つの把持状態にフィンガ部(90)を制御することができる。
(1)フローティング機構の圧縮コイルバネ13(34)(弾性部材)を圧縮し、主フィンガ9(29)と副フィンガ10(30)とがリジッドに結合された第1の状態(リジッド把持状態)。
(2)フローティング機構の圧縮コイルバネ13(34)(弾性部材)を介して副フィンガ10(30)が主フィンガ9(29)に対して弾性支持された第2の状態(弾性把持状態)。
そして、フィンガ部90の上記の第1の状態、および第2の状態は、例えばワーク101に対する操作の内容などに応じて制御装置200(図9、図10)によって選択することができる。例えば、実施例1および実施例2においては、ワーク101を把持して搬送する期間においては第1の(リジッド把持)状態(図2(d)、図3(a)あるいは図6(d)、図7(a))を選択する例を示した。また、寸法誤差や位置制御の誤差が問題となるワーク101の他の部材への組付け時には、第2の(弾性把持)状態(図3(b)〜(d)あるいは図7(b)〜(d))を選択する例を示した。
上記のような制御は、図9、図10に示した制御装置200、特に主制御部であるCPU601が実行するロボット制御プログラムの流れとして記述すると、図11のフローチャート図のような手順となる。図示の制御手順は、例えばCPU601が実行する制御プログラムとして、ROM602などに格納しておくことができる。この制御プログラムは、前述のような手法でインストールあるいは更新することが可能である。図11の手順は、例えば制御装置200が、予め(RAM603などに)用意されたロボット制御プログラムや教示データに応じて、ロボットアーム3およびロボットハンド110を動作させる際の把持制御に相当する。
図11のステップS10は、CPU601が上記の第1の状態(リジッド把持状態)を選択するか否かを判定するステップで、このステップS10が肯定された場合には制御はステップS11に分岐する。また、ステップS10が否定された場合、即ち上記の第2の状態(弾性把持状態)を選択する場合にはステップS12に分岐する。
ステップS10は、例えば、CPU601が、実行中のロボット動作の性質に係る何らかの自動判定(例えば、上述のワーク搬送中か、組付け中か、など)を行うことにより、第1の把持状態または第2の把持状態のいずれかを選択するものであってよい。
また、多くのロボットシステムの実装では、ロボット装置100の設置環境において、ティーチングペンダント300を用いて、実際にロボットアーム3およびロボットハンド110を動作させながら、ロボット装置100の動作を教示する。その場合、例えば、ティーチングペンダント300にロボットハンド110のフィンガ部90の開閉(や把持力)を指定するためのジョグボタン(ダイヤルやスイッチ)のような把持操作手段が設けられる。操作者は、フィンガ部90の動作を観察しながらこの把持操作手段を操作し、実際にワーク(101)を実際に把持したり開放したりする動作を教示できる。
そして、実施例1、2に示すような主フィンガ9(29)に対する副フィンガ10(30)の支持構造であれば、例えば副フィンガ10(30)の直動ないし揺動位置を実際に目視しながらフィンガ部90を操作できる。即ち、操作者は、ティーチングペンダント300の把持操作手段を介してモータ2(22)を駆動し、状況に応じて、フィンガ部90を上記の第1の状態(リジッド把持状態)または第2の状態(弾性把持状態)に制御することができる。
このような教示操作が行われた場合、当然ながらティーチングペンダント300の操作に基づき生成される教示データには、ティーチングペンダント300の把持操作手段により指定されたフィンガ部90の制御情報が含まれることになる。より具体的には、このフィンガ部90の制御情報は、例えば駆動力(トルク)や位置(例えば回転角)などのデータにより表現されたモータ2(22)の駆動情報を含むものとなる。
このようなロボット教示が行われる構成では、ステップS10の判定は、教示情報中のフィンガ部90の制御情報(モータ2(22)の駆動情報)を識別して、その結果に応じてステップS11またはS12に分岐する制御となる。
ステップS10で第1の状態(リジッド把持状態)が選択されている場合、CPU601は、ステップS11において、主フィンガ9(29)と副フィンガ10(30)とがリジッドに結合される状態となるよう、モータ2(22)を駆動する。これにより、圧縮コイルバネ13(34)が図2(d)、図3(a)あるいは図6(d)、図7(a)のように圧縮され、主フィンガ9(29)と副フィンガ10(30)とがリジッドに結合された第1の状態(リジッド把持状態)が形成される。
また、ステップS10で、第2の状態(弾性把持状態)が選択されている場合、ステップS12に移行する。ここでは、CPU601は、フローティング機構の圧縮コイルバネ13(34)(弾性部材)を介して副フィンガ10(30)が主フィンガ9(29)弾性支持された状態となるようモータ2(22)を駆動する。これにより、図3(b)〜(d)あるいは図7(b)〜(d)に示したような副フィンガ10(30)が主フィンガ9(29)に対して弾性支持された第2の状態(弾性把持状態)が形成される。
ステップS11およびS12に続くステップS13、S14では、フィンガ部90を開放するか否かを判定し、開放しない場合はステップS11または、S12に復帰する。これにより上記の第1の状態(リジッド把持状態)、または第2の状態(弾性把持状態)が維持される。一方、フィンガ部90を開放する場合には、ステップS15に移行し、例えば主フィンガ9(29)が図4(b)(図8(b))のような全開放となるようにモータ2(22)を駆動し、フィンガ部90を開放する。このステップS13、S14、S15の制御は、例えば上記のように教示データにフィンガ部90の制御情報が含まれている場合には、この制御情報に応じてモータ2(22)を駆動する制御によって実現される。
以上のような把持制御をCPU601が実行するロボット制御プログラムに含めることによって、実施例1および2に示したようなロボットハンド110の制御を含むロボット動作が可能となる。そして、実施例1および2で説明したような作用、および効果が実現される。
なお、以上に示したようなロボット制御を可能とするCPU601の制御プログラムを実装するための具体的な構成は任意である。例えば、本発明は、本実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給することができる。また、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサによってそのプログラムを読出し実行する処理でも実現できる。また、本実施例の1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1…ハンド基台、2…モータ、3…ロボットアーム、4…モータ軸、5…ピニオンギア、6…リニアガイドレール、7…リニアガイド、8…ラックギア、9…主フィンガ、10…副フィンガ、11…開放側ストッパ、12…閉鎖側ストッパ、13…圧縮コイルバネ、14…ワーク把持部、21…ハンド基台、22…モータ、23…多関節アーム、24…モータ軸、25…ピニオンギア、26…リニアガイドレール、27…リニアガイド、28…ラックギア、29…主フィンガ、30…副フィンガ、31…回転軸、32…開放側ストッパ、33…閉鎖側ストッパ、34…圧縮コイルバネ、35…ワーク把持部、101…ワーク、102…ワーク組付面、103…ワーク載置面、300…ティーチングペンダント。
Claims (6)
- ワークをフィンガ部によって把持する把持装置と、
前記把持装置の位置および姿勢を制御するロボットアームと、
前記把持装置および前記ロボットアームを制御する制御装置とを備えたロボット装置において、
前記フィンガ部は、
前記ロボットアームに対する前記ワークの位置または姿勢の少なくとも一自由度を調整する複数の主フィンガと、
少なくとも前記主フィンガの1つの先端に可動支持された副フィンガと、
前記主フィンガと前記副フィンガとの間に配置され、弾性部材によって前記副フィンガを前記ワークの把持方向へ付勢するフローティング機構と、
を備えたことを特徴とするロボット装置。 - 請求項1に記載のロボット装置において、
前記フィンガ部により前記ワークを把持する際、前記制御装置が、前記フィンガ部の前記主フィンガの開閉状態を制御して、
前記フローティング機構の前記弾性部材を圧縮し、前記主フィンガと前記副フィンガとがリジッドに結合された第1の状態と、
前記フローティング機構の前記弾性部材を介して前記副フィンガが前記主フィンガに対して弾性支持された第2の状態と、
のいずれかに切り換えて、前記フィンガ部による前記ワークの把持状態を制御することを特徴とするロボット装置。 - 請求項1または2に記載のロボット装置において、前記副フィンガが前記主フィンガに対して前記ワークの把持方向に平行に直動可能に支持されることを特徴とするロボット装置。
- 請求項1または2のいずれか1項に記載のロボット装置において、前記副フィンガが前記主フィンガに対して前記ワークの把持方向に揺動可能に支持されることを特徴とするロボット装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置に前記把持装置および前記ロボットアームの制御を実行させるためのロボット制御プログラム。
- 請求項5に記載のロボット制御プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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- 2015-03-17 JP JP2015053148A patent/JP2016172296A/ja active Pending
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