JP2016171960A - 歯列矯正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯列の矯正効果が大きいので、患者の歯列不正程度に係らず矯正期間を従来よりも短縮でき、且つ患者の歯に常時装着する必要がないので、患者の負担を軽減できる歯列矯正装置を提供する。【解決手段】人の上下歯の歯列形状に形成された馬蹄形状の振動板12Aを備えた振動部材12と、振動板12Aの両面に、人の体温を超えた温度で軟化する熱可塑性樹脂18を軟化状態で盛り付けて上下歯で前記振動板を咬合した後に冷却固化することにより形成され、上下歯に着脱自在に嵌合するマウスピース14と、振動板12Aを振動させることによりマウスピース14を介して上下歯に振動力を付与する振動手段16と、を備え、振動板12Aには、熱可塑性樹脂18が侵入することで振動板12Aの両面に盛り付けた熱可塑性樹脂18同士を連結する複数の貫通孔21が形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は歯列矯正装置に係り、特に歯に振動力を付与することにより不揃いな歯列や不正な噛み合わせ等を矯正する歯列矯正装置に関する。
従来、不揃いな歯列や不正な噛み合わせ等を矯正する歯列矯正装置としては、上下歯の全ての歯の表面にブラケットを接着し、接着したブラケットに金属製のアーチ状ワイヤーを取り付けたワイヤー式の歯列矯正装置が一般的である(例えば特許文献1)。この歯列矯正装置によれば、アーチ状ワイヤーの撓みが歯茎の中で歯を支えている歯槽骨に荷重を加え、歯槽骨を徐々に変形させることにより歯列を矯正することができる。
また、上顎歯列と下顎歯列との一対の矯正用ガイド部と、矯正用ガイド部の位置調整手段と、を備えたマウスピース式の歯列矯正装置も提案されている(例えば特許文献2)。この歯列矯正装置によれば、ワイヤー式の歯列矯正装置のように歯に常時装着している必要がないので、単純な歯列不正治療では、歯列矯正を行う患者の負担を軽減できるとされている。
しかしながら、特許文献1のワイヤー式の歯列矯正装置は、矯正が終了するまでの矯正期間が非常に長く(早くても6か月、通常は数年)かかってしまうという問題がある。また、特許文献2のマウスピース式の歯列矯正装置は、単純な歯列不正治療を行うものであり、全ての患者に適用することはできない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、歯列矯正の効果が大きいので、患者の歯列不正程度に係らず矯正期間を従来よりも短縮でき、且つ患者の歯に常時装着する必要がないので、患者の負担を軽減できる歯列矯正装置を提供することを目的とする。
本発明の歯列矯正装置は上記目的を達成するために、人の上下歯の歯列形状に形成された馬蹄形状の振動板を備えた振動部材と、前記振動板の両面に、人の体温を超えた温度で軟化する熱可塑性樹脂を軟化状態で盛り付けて前記上下歯で前記振動板を咬合した後に冷却固化することにより形成され、前記上下歯に着脱自在に嵌合するマウスピースと、前記振動板を振動させることにより前記マウスピースを介して前記上下歯に振動力を付与する振動手段と、を備え、前記振動板には、前記熱可塑性樹脂が侵入することで前記振動板の両面に盛り付けた熱可塑性樹脂同士を連結する複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の歯列矯正装置によれば、歯列の矯正を行う患者の上下歯にマウスピースを装着し、振動手段により振動板を振動させることによりマウスピースを介して上下歯に振動力を付与することができる。このように、上下歯に所定の振動力を加えることで、歯茎の中で歯を支えている歯槽骨が徐々に変形し、歯列を矯正することができる。
そして、本発明では、振動板に複数の貫通孔を形成し、振動板の両面に盛り付けた熱可塑性樹脂が貫通孔に侵入して両面の熱可塑性樹脂同士を連結するようにしたので、形成されたマウスピースは振動板に強固に固定される。
したがって、振動板の振動力がマウスピースを介して歯に確実に且つ精度良く伝達されるので、歯列矯正を精度良く行うことができる。
本発明の歯列矯正装置において、前記貫通孔の直径は1〜3mmの範囲であることが好ましい。
貫通孔の直径が1mmを下回って小さすぎると、振動板とマウスピースとを連結する連結力が弱くなり、振動板の振動によって振動板とマウスピースとが分離する危険がある。また、3mmを超えて大きすぎると、振動板の両面に盛り付けた熱可塑性樹脂が貫通孔に多く侵入して盛り付け厚みが薄くなってしまい、上下歯の歯列形状を精度良く型取りしたマウスピースを形成できない。また、貫通孔に熱可塑性樹脂を多く侵入させすぎることはマウスピース形成のコストアップになる。さらに、大きな直径の貫通孔を多く設けることは振動板の強度低下になる。貫通孔の直径のより好ましい範囲は、1〜2mmである。
本発明の歯列矯正装置において、前記振動板は、奥歯部分の厚みが前歯部分の厚みよりも薄い厚み勾配を有することが好ましい。
これにより、上下歯にマウスピースを装着して振動板を咬合したときに、上顎及び下顎に無理な力が加わらないので、上下歯全体で振動板を均等に咬合することができる。これにより、振動板の振動力が上下歯全体に均等に加わるので、歯列矯正を精度良く行うことができる。
この場合、前記厚み勾配は、振動板の奥歯部分の厚みが0.1mm以上2mm未満の範囲であり、前記前歯部分の厚みは2mm以上7mm以下の範囲であることが好ましい。
本発明の歯列矯正装置において、前記振動手段は、前記振動板を振動させる振動周波数を可変可能であることが好ましい。
この理由は、矯正する患者の歯列の不揃い状態、性別や年齢、及び前歯部分の矯正か、奥歯部分の矯正か等により、好適な振動周波数、即ち好適な振動力が異なるためである。
この場合、振動板の振動周波数は20〜40Hzの範囲で可変可能であることが好ましい。歯列矯正が効果を発揮する振動周波数としては、20〜40Hzの範囲が好ましく、この範囲内で患者の歯列の不揃い状態、性別や年齢、及び前歯部分の矯正か、奥歯部分の矯正か等により選択することが好ましいからである。
本発明の歯列矯正装置において、前記マウスピースは、前記上下歯列のうち矯正する一部の上下歯について形成される。
これにより、矯正を行いたい例えば奥歯部分又は前歯部分のみに振動力を付与して矯正を行うことができる。
本発明の歯列矯正装置によれば、歯列の矯正効果が大きいので、患者の歯列不正程度に係らず矯正期間を従来よりも短縮でき、且つ患者の歯に常時装着する必要がないので、患者の負担を軽減できる。
以下添付図面にしたがって、本発明に係る歯列矯正装置の好ましい実施の形態について説明する。
[歯列矯正装置の全体構成]
図1に示すように、本発明の実施の形態の歯列矯正装置10は、主として、振動部材12と、マウスピース14(図3(C)参照)と、振動手段16とで構成される。
そして、歯列矯正装置10は、振動手段16により振動部材12を振動させ、マウスピース14を介して上下歯に振動力を付与することにより、歯列矯正を行う。
図1に示すように、本発明の実施の形態の歯列矯正装置10は、主として、振動部材12と、マウスピース14(図3(C)参照)と、振動手段16とで構成される。
そして、歯列矯正装置10は、振動手段16により振動部材12を振動させ、マウスピース14を介して上下歯に振動力を付与することにより、歯列矯正を行う。
(振動部材)
図1及び図2に示すように、振動部材12は、振動板12Aと連結部12Bとで構成される。振動板12Aは、人の上下歯の歯列形状を有する馬蹄形状に形成され、歯列矯正を行うときに口腔内に挿入される。
図1及び図2に示すように、振動部材12は、振動板12Aと連結部12Bとで構成される。振動板12Aは、人の上下歯の歯列形状を有する馬蹄形状に形成され、歯列矯正を行うときに口腔内に挿入される。
振動板12Aを口腔内に挿入したときの前歯部分位置には、馬蹄形状の湾曲部分の外縁と内縁とに沿って振動板12Aから立設した外縁湾曲部13Aと内縁湾曲部13Bとが設けられる。これにより、後記するマウスピース14の形成の際に、上下歯で振動板12Aを咬合する際の前歯位置の位置決めを行う位置決め部材13が構成される。
また、振動板12Aの両面(上面X及び下面Y)には、細かな半円球状の突起15が多数形成されている。これにより、後記するマウスピース14の形成の際に、振動板12Aの両面に盛り付けた軟化状態の熱可塑性樹脂18(図3(A)参照)が流れないようにする。
振動部材12の形成材料は、振動に耐える強度のものであれば特に限定されないが、図2のa−a線に沿った断面図である図4に示すように、振動板12Aの中心層部分P及び連結部12Bは硬質プラスチック、金属、セラミックス等の薄板状の硬質材料で形成されることが好ましい。これにより、振動部材12の骨組みの強度を大きくすることができる。
そして、振動板12Aについては、硬質材料で形成された中心層部分Pを、軟質プラスチックや発泡プラスチック等の軟質材料で形成した上面層部分Qと下面層部分Rとで挟んだ3層構造に形成されることが好ましい。
これにより、後記するマウスピース14の形成の際に、振動板12Aの上面層部分Qと下面層部分Rは、マウスピース14の材料である軟化性の熱可塑性樹脂になじみ易く、且つ上下歯で振動板12Aを咬合したときに当たりを柔らかくできる。
また、図1に示すように、連結部12Bには、後記する振動手段16の振動発生部に振動部材12を連結するための凸型コネクタ19が設けられる。
また、図1に示すように、連結部12Bには、後記する振動手段16の振動発生部に振動部材12を連結するための凸型コネクタ19が設けられる。
(マウスピース)
図3の(A)から(C)は、マウスピース14の形成ステップを説明する図である。
マウスピース14は、上記の振動板12Aに、人の体温を超えた温度で軟化する熱可塑性樹脂18を軟化状態で盛り付けて上下歯で振動板12Aを咬合した後に冷却固化することにより形成される。ここで、熱可塑性樹脂18の代わりに歯科用のシリコン印象材、歯科用のアルジネート印象材、その他歯型を取るのに用いられる材料や、歯科用の印象材を使用することができるが、以下においては、例として熱可塑性樹脂18を用いて説明する。よって、以下の説明においては、熱可塑性樹脂18の代わりに歯科用シリコン印象材や歯科用アルジネート印象材を用いても硬化方法以外は同様の説明になる。
歯科用シリコン印象材は、2つの材料(キャタリストとベース)を混合することにより調製され、2つの材料の混合後から所定の時間経過後に固化する。歯科用アルジネート印象材は、水との混合により調製され、水との混合後から所定の時間経過後に固化する。
図3の(A)から(C)は、マウスピース14の形成ステップを説明する図である。
マウスピース14は、上記の振動板12Aに、人の体温を超えた温度で軟化する熱可塑性樹脂18を軟化状態で盛り付けて上下歯で振動板12Aを咬合した後に冷却固化することにより形成される。ここで、熱可塑性樹脂18の代わりに歯科用のシリコン印象材、歯科用のアルジネート印象材、その他歯型を取るのに用いられる材料や、歯科用の印象材を使用することができるが、以下においては、例として熱可塑性樹脂18を用いて説明する。よって、以下の説明においては、熱可塑性樹脂18の代わりに歯科用シリコン印象材や歯科用アルジネート印象材を用いても硬化方法以外は同様の説明になる。
歯科用シリコン印象材は、2つの材料(キャタリストとベース)を混合することにより調製され、2つの材料の混合後から所定の時間経過後に固化する。歯科用アルジネート印象材は、水との混合により調製され、水との混合後から所定の時間経過後に固化する。
図3の(A)に示すように、振動板12Aの上面Xと下面Yには、人の体温を超えた温度で軟化する熱可塑性樹脂18が、軟化状態で上下歯の型取りを行う厚みに盛り付けされる。
次に、図3の(B)に示すように、軟化状態の熱可塑性樹脂18が盛り付けられた振動板12Aを口腔内に挿入して、上下歯で熱可塑性樹脂18を介して振動板12Aを咬合する。そして、咬合した状態で熱可塑性樹脂18を冷却固化する。なお、図3(B)では、説明し易いように骸骨25を使用して図示している。
次に、図3の(B)に示すように、軟化状態の熱可塑性樹脂18が盛り付けられた振動板12Aを口腔内に挿入して、上下歯で熱可塑性樹脂18を介して振動板12Aを咬合する。そして、咬合した状態で熱可塑性樹脂18を冷却固化する。なお、図3(B)では、説明し易いように骸骨25を使用して図示している。
これにより、図3の(C)に示すように、上下歯の歯列形状Sが凹状に転写されたマウスピース14が形成される。次に、マウスピース14を患者が装着したとき、患者の矯正したい歯に所定の方向に所定の力が加わるように、歯科医によりマウスピース14の患者の歯が接触する部分の形状が調製される。
なお、図3では、上下歯の歯列全体のマウスピース14を形成することで説明したが、歯列のうちの矯正を行いたい一部の歯列、例えば奥歯部分や前歯部分についてのマウスピースを形成することもできる。特に、歯列が外部から見え易い前歯部分のみのマウスピースを形成することができる。
図1及び図2では、貫通孔21を振動板12Aの奥歯部分側に多く形成した図で描いているが、前歯部分のマウスピースを形成する振動板12Aの場合には、振動板12Aの前歯部分側にも貫通孔21を形成する。
ここで、人の体温を超えた温度で軟化するとは、マウスピース14を形成する熱可塑性樹脂18を、人の体温を超えた温度に加温して歯列に押し付けたときに歯列形状Sが転写される程度に軟化することを意味する。軟化温度の上限は特に限定されないが、マウスピース14を軟化させる手段として一般的に加熱水が好ましいことから、現実的な温度として水の沸点である100℃以下であることが好ましい。
マウスピース14の形成に使用される熱可塑性樹脂18としては、衛生面の安全性が保証され、且つ歯や歯茎へのアレルギー等の影響のない樹脂材料であればどのような樹脂でもよい。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコンゴム、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン)、ポリビニルアセテート(PVA)、ポリウレタンエラストマー等が含まれる。これらの樹脂のうち、軟化温度が人の体温を超えた50℃以上、上限が水の沸点温度100℃以下を満足するエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が特に好ましい。
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコンゴム、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン)、ポリビニルアセテート(PVA)、ポリウレタンエラストマー等が含まれる。これらの樹脂のうち、軟化温度が人の体温を超えた50℃以上、上限が水の沸点温度100℃以下を満足するエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が特に好ましい。
(振動板とマウスピースの関係)
上記したマウスピース14の形成において、振動板12Aの振動力がマウスピース14に確実に且つ精度良く伝達されることが歯列矯正を精度良く行う上で重要になる。
上記したマウスピース14の形成において、振動板12Aの振動力がマウスピース14に確実に且つ精度良く伝達されることが歯列矯正を精度良く行う上で重要になる。
しかし、振動板12Aの両面に熱可塑性樹脂18を盛り付けただけでマウスピース14を形成すると、振動板12Aの振動によって振動板12Aとマウスピース14とが分離して振動板12Aとマウスピース14との間に隙間が形成されてしまう。この結果、振動板12Aの振動力がマウスピース14に精度良く伝達されにくくなる。
また、熱可塑性樹脂18の代わりに、歯科用シリコン印象材を用いた場合は、シリコン印象材は、振動板12Aとの接着性が良くないので、振動板12Aからシリコン印象材が外れてしまう。
そこで、本発明の実施の形態の歯列矯正装置10では、図2及び図4に示すように、振動板12Aに複数の貫通孔21を形成し、振動板12Aの両面に盛り付けた軟化状態の熱可塑性樹18が貫通孔21に侵入して両面の熱可塑性樹脂18同士を連結し、この状態で熱可塑性樹脂18を冷却固化させるようにした。
歯科用シリコン印象材や歯科用アルジネート印象材を熱可塑性樹脂18の代わりに使用した場合も同様に、振動板12Aの両面に盛り付けた軟化状態の歯科用シリコン印象材や歯科用アルジネート印象材が貫通孔21に侵入して両面の歯科用シリコン印象材や歯科用アルジネート印象材同士を連結し、この状態で歯科用シリコン印象材や歯科用アルジネート印象材を固化させるようにした。
これにより、貫通孔21内には、振動板12Aの上面Xに盛り付けられた軟化状態の熱可塑性樹脂18と、下面Yに盛り付けられた軟化状態の熱可塑性樹脂18と、を連結する熱可塑性樹脂の連結棒18Aが形成される。
したがって、上下歯の歯列形状Sが形成されたマウスピース14は、振動板12Aに強固に固定されるので、振動板12Aの振動力をマウスピース14に精度良く伝達することができる。
振動板12Aに形成する貫通孔21の直径は1〜3mmの範囲であることが好ましい。
貫通孔21の直径が1mmを下回って小さすぎると、熱可塑性樹脂の連結棒18Aが細すぎて、振動板12Aとマウスピース14との連結力が弱くなる。また、3mmを超えて大きすぎると、振動板12Aの両面に盛り付けた熱可塑性樹脂18が貫通孔21に多く侵入して盛り付け厚みが薄くなってしまい、上下歯の歯列形状Sを精度良く型取りしたマウスピース14を形成できない。また、貫通孔21に必要以上に侵入させ過ぎることは熱可塑性樹脂18の使用量が増えるので、マウスピース形成のコストアップになる。さらには、大きな直径の貫通孔21を多く設けることは振動板12Aの強度低下になる。貫通孔21の直径のより好ましい範囲は、1〜2mmである。
貫通孔21の直径が1mmを下回って小さすぎると、熱可塑性樹脂の連結棒18Aが細すぎて、振動板12Aとマウスピース14との連結力が弱くなる。また、3mmを超えて大きすぎると、振動板12Aの両面に盛り付けた熱可塑性樹脂18が貫通孔21に多く侵入して盛り付け厚みが薄くなってしまい、上下歯の歯列形状Sを精度良く型取りしたマウスピース14を形成できない。また、貫通孔21に必要以上に侵入させ過ぎることは熱可塑性樹脂18の使用量が増えるので、マウスピース形成のコストアップになる。さらには、大きな直径の貫通孔21を多く設けることは振動板12Aの強度低下になる。貫通孔21の直径のより好ましい範囲は、1〜2mmである。
また、上下歯にマウスピース14を装着して振動板12Aを咬合した状態で歯列矯正を精度良く行うには、振動板12Aを咬合する際の上下歯全体の咬合力が均等であることが重要になる。
そこで、本発明の実施の形態の歯列矯正装置10では、図2のb−b線に沿った断面図である図5に示すように、振動板12Aは、奥歯部分の厚みD1が前歯部分の厚みD2よりも薄い厚み勾配を有することが好ましい。
この奥歯部分の厚みD1と前歯部分の厚みD2の厚み勾配は、人間の歯列の湾曲に沿った勾配、またはそれに近い勾配であることがより好ましい。よって、振動板12Aは、スピーの彎曲やモンソンカーブに沿った形状や厚み勾配を持つことが最も好ましい。
これにより、熱可塑性樹脂18を介して振動板12Aを咬合して形成されたマウスピース14の咬合面も振動板12Aの厚み勾配に倣って形成される。この結果、上下歯にマウスピース14を装着して振動板12Aを咬合したときに、上顎及び下顎に無理な力が加わらないので、上下歯全体で振動板12Aを均等に咬合することができる。これにより、振動板12Aの振動力が上下歯全体に均等に加わるので、歯列矯正を精度良く行うことができる。
振動板12Aの厚み勾配は、振動板12Aの奥歯部分の厚みD1が0.1mm以上2mm未満の範囲が好ましく、より好ましくは0.5mm以上1mmの範囲である。また、前歯部分の厚みD2は2mm以上7mm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは2mm以上5mm以下の範囲、特に好ましくは2mm以上4mm以下の範囲である。
ここで、奥歯部分としては、第1大臼歯、第2大臼歯、第3大臼歯の3本が好ましい。
前歯部分としては、中切歯、側切歯、犬歯の3本が好ましい。
ここで、奥歯部分としては、第1大臼歯、第2大臼歯、第3大臼歯の3本が好ましい。
前歯部分としては、中切歯、側切歯、犬歯の3本が好ましい。
(振動手段)
振動手段16は、図1に示すように、主として、振動発生部20と、電源・振動制御部22と、振動発生部20と電源・振動制御部22とを連結する電気コード51と、で構成される。
振動手段16は、図1に示すように、主として、振動発生部20と、電源・振動制御部22と、振動発生部20と電源・振動制御部22とを連結する電気コード51と、で構成される。
図1のc−c線に沿った断面図である図6に示すように、振動発生部20は、上蓋24と下蓋26とで形成されたケース28内にモータ30を固定し、モータ30の回転軸30Aに偏心した偏心羽32(錘)を取り付けて構成される。これにより、モータ30で偏心羽32を回転させたときに生じる遠心力でケース28が振動するように構成される。ケース28の一方端であって、上蓋24と下蓋26との合わせ部分には、電源・振動制御部22からの電気コード51を引き込むガイド孔34が形成される。
さらに、図1に示すように、振動発生部20のケース28(図6参照)には、上記した振動部材12の連結部12Bに形成した凸型コネクタ19が嵌合して連結される凹状コネクタ23が設けられる。
また、図1に示すように、電源・振動制御部22は、主として、モータ30を駆動する電源部(図示せず)と、振動周波数を可変する周波数可変部(図示せず)とがケース40内に収納されている。そして、ケース40外面に設けた電源スイッチ36をON−OFFすることにより、モータ30がON−OFFする。
また、図1に示すように、電源・振動制御部22は、主として、モータ30を駆動する電源部(図示せず)と、振動周波数を可変する周波数可変部(図示せず)とがケース40内に収納されている。そして、ケース40外面に設けた電源スイッチ36をON−OFFすることにより、モータ30がON−OFFする。
電源部の電源としては乾電池方式、充電方式、AC電源方式の何れでもよいが、歯列矯正装置10の取扱いの容易さから、乾電池方式、充電方式の何れかが好ましい。
また、ケース40外面には、周波数可変部を可変する可変ダイヤル38が設けられる。この可変ダイヤル38は、モータ30の回転周波数を制御するものであり、回転周波数を制御することで振動発生部20の振動周波数を可変する。可変する振動周波数としては、20〜40Hzの範囲、より好ましくは25〜35Hzの範囲である。
また、ケース40外面には、周波数可変部を可変する可変ダイヤル38が設けられる。この可変ダイヤル38は、モータ30の回転周波数を制御するものであり、回転周波数を制御することで振動発生部20の振動周波数を可変する。可変する振動周波数としては、20〜40Hzの範囲、より好ましくは25〜35Hzの範囲である。
なお、振動手段16は、上記したアンバランスマス方式の振動手段16に限らず、例えばピストンを油圧によって駆動して振動を発生させる油圧型、フレミングの左手による磁界中でコイルに電流を流すことにより起きる力を利用(スピーカの原理)して振動を発生させる静電型でもよい。
[歯列矯正装置による歯列矯正方法]
図7は、本発明の実施の形態の歯列矯正装置10を用いて、歯列矯正を行っている図である。なお、図7では、説明し易いように図3(B)と同様に骸骨25を使用して図示している。
図7は、本発明の実施の形態の歯列矯正装置10を用いて、歯列矯正を行っている図である。なお、図7では、説明し易いように図3(B)と同様に骸骨25を使用して図示している。
本発明の実施の形態の歯列矯正装置10の設定は歯科医が行い、使用法の習得は歯科医の指導のもとに行われるが、実際の、振動させての歯列矯正は、患者が自宅で行うことができる。
歯科医は、先ず、患者の歯列矯正を行うに当たって、図3(A)から図3(C)に示したステップにより、患者のマウスピース14を形成する。
次に、図7のように、振動部材12の連結部12Bに形成された凸状コネクタ19を振動発生部20の凹状コネクタ23に連結させるとともに、可変ダイヤル38により患者に適した振動周波数に設定する。
次に、図7のように、振動部材12の連結部12Bに形成された凸状コネクタ19を振動発生部20の凹状コネクタ23に連結させるとともに、可変ダイヤル38により患者に適した振動周波数に設定する。
振動周波数を可変する理由は、患者の歯列の不揃い状態、性別や年齢、及び前歯部分の矯正か、奥歯部分の矯正か等により、好適な振動周波数が異なるためである。
この場合、歯列矯正が効果を発揮する振動周波数としては、上記した20〜40Hzの範囲が好ましく、この範囲内で患者に好適な振動周波数を設定する。
次に、電源スイッチ36をONにして、振動発生部20で振動板12Aを振動させ、マウスピース14を介して患者の上下歯に振動力を付与することにより、歯列矯正を開始する。歯列矯正時間としては、20〜30分程度が好ましい。例えば、振動周波数を30Hzに設定した場合の歯にかかる振動力は約25gfとなる。
次に、電源スイッチ36をONにして、振動発生部20で振動板12Aを振動させ、マウスピース14を介して患者の上下歯に振動力を付与することにより、歯列矯正を開始する。歯列矯正時間としては、20〜30分程度が好ましい。例えば、振動周波数を30Hzに設定した場合の歯にかかる振動力は約25gfとなる。
このように、上下歯に所定の振動力を加えることで、歯茎の中で歯を支えている歯槽骨が徐々に変形し、歯列を矯正することができる。
歯を振動させることにより不揃いな歯列や不正な噛み合わせを矯正する本発明の実施の形態の歯列矯正装置10は、歯列の矯正効果が大きいので、患者の歯列不正程度に係らず矯正期間を従来よりも短縮でき、且つ患者の歯に常時装着する必要がないので、患者の負担を軽減できる。
歯を振動させることにより不揃いな歯列や不正な噛み合わせを矯正する本発明の実施の形態の歯列矯正装置10は、歯列の矯正効果が大きいので、患者の歯列不正程度に係らず矯正期間を従来よりも短縮でき、且つ患者の歯に常時装着する必要がないので、患者の負担を軽減できる。
特に、本発明の歯列矯正装置10は、振動板12Aに貫通孔21を形成したことにより、マウスピース14が振動板12Aに強固に固定されている。これにより、振動板12Aの振動力がマウスピース14を介して確実且つ精度良く歯に伝達されるので、矯正効果は一層大きくなる。
さらに、本発明の歯列矯正装置10は、振動板12Aは、奥歯部分の厚みD1が前歯部分の厚みD2よりも薄い厚み勾配を有するので、振動板12Aの振動力が上下歯全体に均等に加わる。これにより、歯列矯正を一層精度良く行うことができる。
10…歯列矯正装置、12…振動部材、12A…振動板、12B…連結部、13…位置決め部材、13A…外縁湾曲部、13B…内縁湾曲部、14…マウスピース、15…振動板の突起、16…振動手段、18…熱可塑性樹脂、19…凸状コネクタ、20…振動発生部、21…振動板の貫通孔、22…電源・振動制御部、23…凹状コネクタ、24…上蓋、25…骸骨、26…下蓋、28…ケース、30…モータ、30A…モータの回転軸、32…偏心羽(錘)、34…ガイド孔、36…電源スイッチ、38…可変ダイヤル、40…電源・振動制御部のケース、51…電気コード、P…振動板の中心層部分、Q…振動板の上面層部分、R…振動板の下面層部分、S…上下歯の歯列形状、X…振動板の上面、Y…振動板の下面
Claims (8)
- 人の上下歯の歯列形状に形成された馬蹄形状の振動板を備えた振動部材と、
前記振動板の両面に、人の体温を超えた温度で軟化する熱可塑性樹脂、または歯列の型を取るための歯科用印象材を軟化状態で盛り付けて前記上下歯で前記振動板を咬合した後に固化させることにより形成され、前記上下歯に着脱自在に嵌合するマウスピースと、
前記振動板を振動させることにより前記マウスピースを介して前記上下歯に振動力を付与する振動手段と、を備え、
前記振動板には、前記印象材が侵入することで前記振動板の両面に盛り付けた前記熱可塑性樹脂、または前記歯科用印象材を連結する複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする歯列矯正装置。 - 前記貫通孔の直径は1〜3mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の歯列矯正装置。
- 前記振動板は、奥歯部分の厚みが前歯部分の厚みよりも薄い厚み勾配を有する請求項1又は2に記載の歯列矯正装置。
- 前記厚み勾配は、前記振動板の奥歯部分の厚みが0.1mm以上2mm未満の範囲であり、前歯部分の厚みは2mm以上7mm以下の範囲である請求項3に記載の歯列矯正装置。
- 前記振動板の前歯部分には、前記マウスピースを形成する際の前記上下歯の位置決めを行う位置決め部材が設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載の歯列矯正装置。
- 前記振動手段は、前記振動板を振動させる振動周波数を可変可能である請求項1〜5の何れか1項に記載の歯列矯正装置。
- 前記振動板の振動周波数は20〜40Hzの範囲で可変可能である請求項6に記載の歯列矯正装置。
- 前記マウスピースは、前記上下歯列のうち矯正する一部の上下歯について形成される請求項1〜7の何れか1項に記載の歯列矯正装置。
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- 2015-03-18 JP JP2015054292A patent/JP2016171960A/ja active Pending
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