JP2016171537A - 音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動板背面側に通気性のある音響抵抗物質を配して振動板の低域共振を抑制し,抑制による低音の不足を補う電気駆動回路に周波数補正回路により均一な周波数−音圧特性を得るスピーカーシステムを提供する。【解決手段】フレームに弾性的に支持された振動板101と低音域に固有の機械共振を有するスピーカーユニット1に於いて、スピーカーユニット1の振動板101の背面側に配し通気性を有する音響抵抗物質8を配置し、ホルムヘルツ共振器11を設け、電気駆動回路にはこれらの共振を抑制したことによる低音域の音圧不足を補う周波数補正回路5を備える。【選択図】図11

Description

本件発明は,スピーカーとそれを駆動する電気回路で構成される音響装置に関わり,相対的に小型のスピーカーユニットとエンクロージャーでより低い音を再生するいわゆる低音再生技術に係る。
現在の一般的音響装置は,電磁駆動装置に直結する振動板を弾性的にフレームに支持したスピーカーユニットと該スピーカーユニットを取り付けるエンクロージャーとからなるスピーカーシステムと,スピーカーユニットの電磁駆動装置に接続される電気駆動回路で構成される。
図1は,筐体201と内部空間202を有する密閉型エンクロージャー2に,フレーム102と該フレームに図示しない弾性支持系で弾性的に支持された振動板101と該振動板を振幅駆動する電磁駆動装置103から成るスピーカーユニット1を取り付けたごく一般的なスピーカーシステムで,図2はその低音域における機械共振を表す機械系等価回路である。
図2において,Fo,Mo,Co,Roはスピーカーユニットの機械系等価要素であり,Foは電磁駆動装置の駆動力,Moは振動板を含む振動系の等価機械質量,Coは同じく等価機械スチフネス,Roは等価機械抵抗で,Ceはエンクロージャー内部空間の等価機械スチフネスである。
この機械系等価回路は,MoとCoとCeの直列共振回路を構成しているが,エンクロージャーに取り付けられていない自由空間では図2のCeが無限大となり,その場合の共振周波数はMoとCoで定まり一般的にそのスピーカーユニット固有の最低共振周波数foと呼ばれる。その共振の強さはRoで制限され一般的にQoと呼ばれる。Roが大きければ共振の強さQoは小さく,Roが小さければQoは大きくなる。
ここで図1のように密閉型エンクロージャーにスピーカーユニットを取り付けた場合は,Ceが有限になるからCoとCeの直列合成スチフネスをCsとすると,CsはCoより小さくなるのでその共振周波数をfsとすればfsはfoより高くなる。
ところで,この等価回路は,その共振現象によって共振周波数を中心とした周波数領域では駆動力Foによるよりも大きく振動板が振動することを表している。図3はこの低域共振と音圧の関係を示しており,一般的に周波数−音圧特性(f特)と呼ばれるものである。
図3において,(イ)は共振がある場合の特性で,従来のスピーカーシステムは前述の共振を利用し,十分に低い出力インピーダンスの電力増幅器により周波数に対し一定の電圧でスピーカーユニットの電磁駆動装置を駆動した場合に,周波数毎の音圧がほぼ一定になるよう設計・製造される。従って,前述のシステムで再生可能な最低周波数は低域の共振周波数fsに制約され,それより低い周波数では低くなるに従って音圧が急に小さくなる現象を生じる。
図3(ロ)は前述の共振がない場合の特性を示した図で,理論的にはスピーカーの口径で定まる周波数fhから低い周波数に向けて6dB/octでなだらかに音圧が低下する特性となることが知られている。またfhはスピーカーユニットの口径が大きい方が低く,小さい方が高くなる。
このような関係は,鼓膜とスピーカーユニットの振動板が含まれる空間が十分に大きい場合,すなわち部屋で音楽を聴くような場合に成り立つもので,該空間が極端に小さい例えばヘッドホンやイヤホンのような場合は成り立たず本件発明の対象から除かれる。
以上のような原理原則に基づき,発明者は,通気性のある音響抵抗物質を使用した機械的な手段でスピーカーの低音域の共振を抑制しスピーカーシステムの低音域での周波数−音圧特性を図3(ロ)に近づけて,それにより不足する低音の音圧を電気駆動回路系で補うことを考えた。(特許文献1,特許文献2)
特願2004−102435号公報 特願2005−244036号公報
図4にその電気駆動回路系の構成を,図5にその周波数特性の関係を示す。図4において3は再生しようとする音の電気信号源,4は周波数補正回路,5は電力増幅器,1はスピーカーユニットで電力増幅器5の出力はスピーカーユニット1の電磁駆動装置に接続される。
図4の周波数補正回路4の特性は,図5の周波数補正回路の周波数特性に示すように,前述の図3の(ロ)に示す周波数fhからスピーカーユニットの最低共振周波数foより低い周波数flにかけて6dB/octで上昇するようなものとしている。このような特性は電気回路素子CとRおよび適当なバッファアンプを組み合わせることで容易に実現可能で俗にイコライザーとも呼ばれる。
周波数補正回路4の特性は図3の(ロ)に示す特性と真逆の関係になっているから,このような電気回路で図3の(ロ)の特性のスピーカーシステムを駆動した場合,その周波数−音圧特性は図5の(ハ)のようにスピーカーユニット固有の最低共振周波数foより低い周波数まで再生可能となる。
このようにすることで,相対的に小さな口径のスピーカーユニットや小型のエンクロージャーを用いてもスピーカーユニット固有のfoより低い周波数の音まで再生することが可能になることは自明である。すなわち一般的なスピーカーユニットのfoはその口径が大きい方が低く,小さい方が高いので,再生できる最低周波数はほぼスピーカーユニットの口径に依存する限界が生じるが,最低共振周波数foの影響を排除あるいは制限できればその限界から解き放たれるからである。
エンクロージャーもまた,そのスチフネスCeが最低共振周波数を高くする働きをするので十分な低音を再生しようとすれば大型化することが自明であり,共振そのものを抑制できれば共振周波数を気にすることなく小型化することが可能である。
それを実現するために,前述の発明者による特願では,基本的にスピーカーユニットの振動板とエンクロージャー内部の主空間の間を通気性のある音響抵抗物質で仕切って機械的に低域の共振を抑制している。通気性のある音響抵抗物質としては通気性の発泡ウレタンや綿やグラスウールなど繊維質材料の密度を高く配して用いることができる。
そのような音響抵抗物質を使用することは図2の等価回路でRoとCeの間に新たに等価機械抵抗を挿入し結果的にRoを大きくしたことと等価となるから,スピーカーユニットとエンクロージャーの組み合わせによる共振度合いQoが小さくなり,システムとして周波数−音圧特性を図3(ロ)の特性に近づけることが可能となる。
このような理論に基づき,発明者は図6のようなスピーカーシステムを考案した。図6のスピーカーシステムはスピーカーユニット1を筒状のエンクロージャー6に取り付け,エンクロージャー内の主空間602とスピーカーユニットの振動板101の間は振動板101の近傍で通気性のある音響抵抗物質8により仕切られ,主空間602の内部には吸音材9を適当な密度で,より具体的には発泡ウレタンを1〜数センチ角に切断したものや真綿,グラスウールなどを適当な密度で連続的に配してある。そしてスピーカーユニットから最も遠い端部は鼓膜と振動板を含む空間に接する開口端603としている。
ここで,音響抵抗物質8と吸音材9の機能を説明すれば,音響抵抗物質8は主にスピーカーユニットとエンクロージャー内部の主空間の相互作用による低音域の機械共振の抑制が目的であり,吸音材9は主に振動板101の背面から音響抵抗物質8を通じて漏れ出た音の消音が目的であるが,副次的に前述の低音域の機械共振の抑制にも寄与している。
より詳しく説明すれば,音響抵抗物質8による共振の抑制は,振動板101から主空間602に向けた通気断面積の制限による空気の粘性を利用した流動抑制である。したがって音響抵抗物質8は体積よりその密度が重要であり,振動板101と主空間602の間に隙間を作ることなく配する必要がある。具体的には通気性のある発泡ウレタンや真綿など柔らかい繊維質の吸音材料を圧縮気味にして用いている。
一方で吸音材9は消音が目的であり,一般的に発泡ウレタンやグラスウールなどの繊維質材料が用いられるが,低い周波数まで十分な消音を行うには全体としてのボリュームや空気振動が通過する厚みが必要で,前述の音響抵抗物質8より密度は低くてよい。
このような吸音材の吸音率は,一般的に約300Hz以上では1に近く,約100Hz以下の低い周波数では0.1以下に近い。これは吸音材の吸音効果が物質同志の振動摩擦による音響エネルギーから熱エネルギーへの転換昇華に起因しているものと考えられ,高い周波数では時間当たりの摩擦頻度が高いが低い周波数では摩擦頻度が低いことに起因していると考えられる。
図6においてエンクロージャーを長い筒状としたのは,この吸音材の吸音率が100Hz程度以下の低い周波数では非常に小さいので,振動板101から開口端603までの吸音材の厚みを確保して低い周波数の音のエネルギーを十分に吸収できるようにするためである。
このようなシステムの低音域の機械系等価回路を図7に示す。図においてRtは音響抵抗物質8の等価機械抵抗,Ctは振動板101と音響抵抗物質8の間の空間の等価機械スチフネス,Ce1,Re1,Ce2,Re2・・・Renはエンクロージャー6内部の主空間602に吸音材9を適当な密度で連続的に配したことによる等価機械スチフネスと等価機械抵抗を模擬している。C∞は振動板と鼓膜を含む空間の等価機械スチフネスで,その他のCoやCt,Cenに比べ十分に大きいものとする。
このようなシステムの低音域の機械共振の特性は,等価機械抵抗Ro,Rt,Re1〜Renとその間に存在するCoとCt,Ce1〜Cen,C∞の直並列の合成等価機械スチフネスに依存し,最低はCoとC∞,最高はCoとCtの直列スチフネスで決まる周波数領域で連続的に分散した形になると考えられ,その連続的に分散する共振峰の形はRt,Re1〜RenおよびCt,Ce1〜Cenの個々の大きさに関係すると考えられる
しかしCtについてその容積は,スピーカーユニットが例えば16cmの口径であるとき,振動板から音響抵抗物質8までの距離を3cmとすれば約0.5リットルほどであると考えられ,スピーカーユニットのfoを40Hzと仮定してMoとCoとCtの直列共振周波数を別途シミュレーションすれば400Hz以上と推定される。
一方,音響抵抗物質8は前述のとおり通気性のある発泡ウレタンや布や真綿などの繊維質の材料であって一般的な吸音材と同一であり,その吸音率は300Hz以上であれば1に近く,また振動板背面のほぼ全面を覆っていることから共振エネルギーは十分に吸収抑制されると考えられる。
従って,図6のようなスピーカーシステムにおける図7の等価回路においてはCtの影響は無視でき,Ce1,Ce2・・・CenとC∞のみ考慮すればよいものと考えられる。その場合,CoとCe1の間に入る音響抵抗Ro+RtよりCoとC∞の間に入る音響抵抗Ro+Rt+Re1+・・・+Renの方が大きいので,共振の強さは連続的に分散する共振峰の内,CoとCe1の直列スチフネスで決まる周波数の共振が強く表れる。
図6に示すエンクロージャーにおいて開口端603の意義について説明する。開口端603が閉端状の場合は図7に示す機械共振の等価回路においてC∞はゼロとなり前述の連続した共振峰のうちCoとCe1で決まる高い周波数の共振がより強くなるとともに,CoとC∞の直列のスチフネスで決まる低い周波数の共振が欠けてしまい低い周波数での振動板振幅に制約を与えると考えられるから,開口端603の存在はそのことに配慮したものである。
音響抵抗物質8の音響抵抗を可能な限り大きくし,対して吸音材9の等価機械抵抗を無視し得る程度に小さくして,且つ筒6の長さを無限大とすれば,共振は極限まで抑制され,且つ鼓膜が接する空間に音が届くまでには音のエネルギーも吸収されて理想的な図3の(ロ)に近い周波数−音圧特性が得られると考えられるが,本件の目的がスピーカーユニットの大きさのみならずエンクロージャーも小型に構成することであるから,筒の長さは有限で且つ可能な限り短いことが望ましく現実的には数十cmから1m程度までと考えられる。
発明者は図6に示すスピーカーシステムの次にさらに図8のような構造のスピーカーシステムを考案し試作した。図8に示すスピーカーシステムは,図6に示す基本的な構想をさらに小型化できるようにしたものである。図8のスピーカーシステムではスピーカーユニット1をエンクロージャー10に取り付け,エンクロージャーはユニット1側から鼓膜が接する空間への開口端部1004までを内部で折り曲げて先細りとした空間1001〜1003を有するように構成したもので,スピーカーユニット1の振動板101とエンクロージャー内部の主空間1001の間は通気性のある音響抵抗物質8で仕切り,空間1001〜1003には吸音材9を配置している。
吸音材9の配置密度は基本的に同一としているが,エンクロージャー内部を折り曲げた空間として振動板101から鼓膜が接する空間までの通路の長さを確保するとともに,エンクロージャーの開口端部1004に向けて空間を先細りとし,さらに吸音材9の密度も図6のものよりは高く,すなわち等価機械抵抗を高くなるようにして外部空間に漏れ出す音を吸収,消音できるよう配慮している。
図8に示すものの試作では,スピーカーユニット1には16cm口径でfoが40Hzのものを用い,エンクロージャー10は六面体の1辺が約20cmとして,低音再生までを考慮した16cm口径のスピーカーのためのエンクロージャーとしては破格に小さいものとしている。
このようなスピーカーシステムを図4のような電気駆動回路,すなわち周波数補正回路4と周波数対電圧利得が一定の電力増幅器5を含む回路で駆動した。
しかし,このような音響装置では,前述の図7のCoとCe1の直列スチフネスの影響と思われる共振で意図しない中低域すなわち150Hz近傍の周波数で音圧の山が生じるという課題が発生した。これは図8のスピーカーシステムではエンクロージャー内部の空間が先細りとしてあること,また吸音材9の配置密度が図6のものより高く配してあるから図7に示す等価回路においてRe1〜Renの値が図6の場合より大きく,且つRe1からRenに向けて順次値が大きくなるのでCoとCe1の直列スチフネスの影響がより強く表れ易いためと考えられる。
その様子を図9と図10で説明する。図9は,周波数補正特性のfhを図5で説明した理想に近いものとほぼ同一の関係とした場合で,図9の(二)に示すよう周波数fpで前述の図7のCoとCe1の直列スチフネスの影響と考えられる音圧の山ができてしまっている。前述の図8で説明したスピーカーシステムではfpの周波数は約150Hzであった。
図10は,そのピークの音圧が現れないようfhの周波数をほぼfpにまでずらせた場合の特性で,fp近傍の音圧のピークは生じないものの,今度はピークの周波数fpより低い周波数で音圧が一段下がってしまっている。
このような傾向は図6に示したようなスピーカーシステムにおいても,前述のとおりRe1〜Renの影響によりCoとCe1の直列スチフネスによる共振の方がCoとC∞の直列スチフネスによる共振より相対的に強く表れるからその程度は少ないものの同様である。
以上の図6と図8に示すスピーカーシステムでは,主空間601と1001内に吸音材9を配し,スピーカーユニットの反対側は開口端603,1004としたことを説明したが,開口端603,1004を閉じ吸音材9がない場合はより回路が単純化され,前述の図2でRoが音響抵抗8の分大きくなった場合に相当し,且つ図9のfpに示す音圧の山は,中心周波数がスピーカーユニットとエンクロージャー内の空間の容積の関係によって定まり,山の大きさがより大きくなる。
そこで本件の発明は,フレームに弾性的に支持された振動板と,振動板を振幅駆動する電磁駆動装置からなるスピーカーユニットを,振動板の背面側の音と前面側の音の干渉を阻害するエンクロージャーに取り付け,且つ前記振動板背面側近傍には該振動板とエンクロージャー内部の空間を仕切るように通気性のある音響抵抗物質を配して振動板の低音域の共振を抑制し,該低域共振の抑制による低音の不足を補うように電気駆動回路に周波数補正回路を備えた音響装置において,より均一な周波数−音圧特性を得ることを課題としている。
前述の課題を解決するために,請求項1では,フレームに弾性的に支持された振動板と該振動板を振幅駆動する電磁駆動装置からなり低音域に固有の機械共振を有するスピーカーユニットと,該スピーカーユニットを取り付けてスピーカーユニットの振動板の背面側の音と前面側の音の干渉を阻害するエンクロージャーと,前記振動板背面側近傍には該振動板とエンクロージャー内部の空間を仕切るように通気性のある音響抵抗物質を配して第一の共振抑制手段とし,該第一の共振抑制手段によってなお残る共振を抑制する第二の共振抑制手段を備え,電気駆動回路には共振を抑制したことによる低音域の音圧不足を補う周波数−音圧補正回路を備える音響装置を提供した。
請求項2では,前記第二の共振抑制手段は,前記エンクロージャー内部の空間に接する一つあるいは複数の機械的共振器である音響装置を提供した。
請求項3は,前記第二の共振抑制手段は,スピーカーユニットを駆動する電気駆動回路に設けられたひとつあるいは複数の帯域減衰フィルターである音響装置を提供した。
請求項4は,フレームに弾性的に支持された振動板と該振動板を振幅駆動する電磁駆動装置からなり,低音域に固有の機械共振を有するスピーカーユニットと,該スピーカーユニットを取り付けてスピーカーユニットの振動板の背面側の音と前面側の音の干渉を阻害するエンクロージャーと,前記振動板背面側近傍にはスピーカーユニットとエンクロージャー内部の主空間との相互作用による機械共振の抑制手段を備え,電気駆動回路には前述の機械共振を抑制したことによる低音域の音圧不足を補う周波数−音圧補正回路を備える音響装置において,前記機械共振の抑制手段は,前記スピーカーユニットの振動板の背面と該振動板背面から所定の距離を置く開口を含み,該開口を介してのみ前記振動板の振動による空気振動が前記エンクロージャー内の主空間に伝搬するようにした小空間内の,前記振動板と開口間に通気性と吸音性のある音響抵抗物質を配したものであることを特徴とした音響装置を提供した。
請求項5は,前記エンクロージャーは,スピーカーユニットから該スピーカーユニットの振動板と鼓膜を含む空間に対する開口に向けて長細状の空間を有し,該空間に吸音材を詰めたものであることを特徴とした請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の音響装置を提供した。
それにより,請求項1によれば,第一の共振抑制手段で抑制し切れなかった共振をさらに第二の共振抑制手段で抑制できるので,エンクロージャーを小型に構成しても,意図しないスピーカーユニットとエンクロージャー内部の空間による共振による音圧の山をより少なくでき,電気駆動回路の周波数補正回路で音圧を補正した場合に得られる周波数−音圧特性をより平坦なものにできる。
請求項2によれば,第二の共振抑制手段は,エンクロージャー内部の空間に接する機械的共振器としたので,エンクロージャー側に設けることができ,電気駆動回路を簡単な構成にできる。
請求項3によれば,第二の共振抑制手段は,電気駆動回路に設けた帯域減衰フィルターとしたので,エンクロージャーを簡単な構造とできる。
請求項4によれば,振動板背面に設けた通気性のある音響抵抗物質のみの場合に比べてより強力な共振抑制手段を得ることができて,電気駆動回路の周波数補正回路で音圧を補正した場合に得られる周波数−音圧特性をより平坦なものにできる。
請求項5によれば音圧−周波数特性が平坦でより低い周波数まで再生可能でスピーカーシステムを従来よりも小型な構成とした音響装置を得られる。
従来の密閉型エンクロージャーによるスピーカーシステムの略図 図1に示すスピーカーシステムの低音域機械共振の機械系等価回路の図 図1に示すスピーカーシステムの周波数−音圧特性の説明図 図3の(ロ)の周波数−音圧特性のスピーカーシステムに用いる電気駆動回路の図 図4の電気駆動回路を用いて図3(ロ)の周波数−音圧特性のスピーカーシステムを駆動した場合の周波数−音圧特性の説明図 図3(ロ)の特性を得るためのスピーカーシステムの一例 図6に示すスピーカーシステムの低音域機械共振の機械系等価回路 図6を基礎にして試作した現実的なスピーカーシステムの図 図8に示すスピーカーシステムを図4の電気駆動回路で駆動した場合の周波数−音圧特性を説明する第一の図 図8に示すスピーカーシステムを図4の電気駆動回路で駆動した場合の周波数−音圧特性を説明する第ニの図 本件の発明による第一の実施例を用いた音響装置を示す図 本件の発明による第一の実施例を用いた音響装置の周波数−音圧特性を説明する図 本件の発明による第一の実施例を用いたスピーカーシステムの別の実施例を示す図 本件の発明による第一の実施例を用いたスピーカーシステムの別の実施例を示す図 本件の発明による第二の実施例の電気駆動回路を示す図 本件の発明による第二の実施例の周波数−音圧特性を説明する図 本件の発明による第二の実施例に用いる帯域減衰フィルターの回路例を示す図 本件の発明による第三の実施例を用いたスピーカーシステムを示す図 図18に示すスピーカーシステムの低音域機械共振の機械系等価回路を示す図
本件発明の第一の実施例を用いた音響ステムを図11に示す。図11の(a)におけるスピーカーシステムは図8に示すものに第二の共振抑制手段としてホルムヘルツ共振器11をその開口筒1101がエンクロージャー内部の主空間1001に接するように配し,ホルムヘルツ共振器11の共振周波数は,スピーカーユニット1とエンクロージャー10の内部の主空間1001の関係で現れる共振による音圧上昇の中心周波数とほぼ同一となるよう,共振器内部の空間1102の容積と開口筒1101の開口面積および長さを設定する。
なお,ホルムヘルツ共振器11の共振の強さや共振の帯域幅は開口筒1101の開口面積や長さと空間1102の大きさの関係,および開口筒1101や空間1102中に吸音材や音響抵抗物質を詰めるなどして調整するものとする。
それにより,第一の共振抑制手段,すなわちスピーカーユニット1の振動板101の背面側の通気性のある音響抵抗物質8を備えてなお,スピーカーユニット1とエンクロージャー10内部の主空間1001の関係で現れる共振のエネルギー,すなわち図9(二)に示す150Hz付近の音圧上昇を共振器11が吸収しキャンセルできるから,図11の(b)に示す電気駆動回路で駆動した場合に音圧特性を図5の(ハ)に近づけることが可能になり,音響装置全体としては周波数−音圧特性を平坦化できるとともに,スピーカーユニットおよびエンクロージャーを小型に構成してもスピーカーユニットのfoあるいはスピーカーシステムのfsに対し低い周波数まで再生可能とすることができる。
以上の関係を図12の周波数−音圧特性および機械的共振器による音圧吸収特性および周波数補正回路の特性で説明すれば,図12の周波数−音圧特性に示す点線部分の(ニ’)は前述のホルムヘルツ共振器11がない場合の特性で,共振器による音圧吸収特性はホルムヘルツ共振器11による音圧吸収特性を示しており,(ニ’)の音圧の山をホルムヘルツ共振器11が吸収している。
ここで,図11(a)に示すスピーカーの口径が16cm,エンクロージャーが1辺20cmの六面体の場合で前述の150Hz付近のピークのエネルギー吸収を想定し,第二の共振抑制手段として用いるホルムへルツ共振器の空間1102の容積を試算すれば,開口筒1101の開口面積を約1.9cmとし長さを約2cmとすれば約1200cmとなって,共振器の大きさを考慮してもなお再生可能な低音の周波数を考慮すればエンクロージャー全体としての外形は従来の方式に比べ格段に小型のもので済む。
試作による確認では,このような音響装置で再生可能な最低周波数は30Hz程度であり,ちなみに,再生可能周波数を30Hzとしてこれを同じスピーカーユニットを用い従来の例えばバスレフ方式のエンクロージャーで構成しようとしればエンクロージャーの内容積は40リットル程度となって図11に示す本件発明の実施例によるものより相当大型のものとなる。
なお,図11のホルムヘルツ共振器の代わりに図13のような方法でもよい。図13に示す共振器は前述のホルムヘルツ共振器の開口筒1101の代わりに質量を有する振動板1201とそれを支持する弾性支持体1202を設けたもので,振動板の質量と弾性体の弾性率と主空間1203の容積をうまく設定すればホルムヘルツ共振器と同様の効果を奏する。
また図14に示すように主空間1001内に別の共振器14を設けることも可能である。共振器14は,主空間1001内に例えば穴あき遮蔽板などで囲われて通気性を有する音響抵抗9に邪魔されない自由空間13内に設ける。共振器14は弾性板部1402の自由端側に錘部1401を設けてその質量と板部1402の弾性で共振を起こすように調整されている。板部の基端1403はエンクロージャーに固定され,弾性板部1402にプラスチックのような適当な弾性と機械損失を有する材料を用い,その共振周波数を前述のfpに設定すれば,主空間1001内の共振エネルギーにより共振器14の錘部1401が振動し,弾性板部1402が屈曲してその機械損失によりエネルギーを吸収する。
次に,本件発明の第二の実施例について説明する。第二の実施例に用いるスピーカーシステムは図8のようなものをそのまま使用するが,第二の共振抑制手段として,スピーカーユニット1の電磁駆動装置に接続する電気駆動回路中に前述の振動板の振動とエンクロージャー内部の主空間の関係で現れる共振での音圧上昇分をキャンセルする帯域減衰フィルターを設け,前述の音圧のピークを電気的に相殺するものである。
第二の実施例に用いる電気駆動回路を図15に示す。図15に示す電気駆動回路は図4に示す回路にさらに第二の共振抑制手段として帯域減衰フィルターいわゆるBEF(バンドエリミネーションフィルター)15を付加したものである。
これにより図16に示すようにBEFの減衰特性を図12に示す共振器による音圧吸収特性と略同一とすれば,図11に示す第一の実施例とほぼ等価にすることができる。図17(a),(b)にBEFとして用いる回路の一例を示す。これらの回路のLCRの各値を適宜設定してこれに図示しないバッファー用増幅器を組み合わせれば容易に図15の減衰特性を得ることができる。またBEFは図17のような電気回路素子の組み合わせによらなくとも近年ではデジタル技術(コンピューターとソフトウエア)でも容易に構成できる。
以上において,機械的共振器およびBEFはただ一つでなく,共振周波数をずらせた複数のものを用いることもできる。そのようにして第二の共振抑制手段の抑制周波数帯域を調整することが可能である。
また,本件の発明は,第一の共振抑制手段として通気性がある音響抵抗物質を用い,さらに機械的共振手段あるいは電気的な帯域減衰フィルター(BEF)による第二の共振抑制手段を備えることを特徴としているが,第二の共振抑制手段に機械的共振手段を用い,さらに第三の共振抑制手段として電気的な帯域減数フィルターを組み合わせるなどは任意である。
以上のように本件発明の第一,第二の実施例によれば,スピーカーユニットの振動板の背面側と前面側の音の干渉を阻害するエンクロージャーに取り付けたスピーカーユニットの振動板背面側に第一の共振抑制手段として通気性のある音響抵抗物質を配し低音域の機械共振を抑制した構造のスピーカーシステムを,前述の低音域の共振を抑制したことによる低音の音圧の不足を補うような周波数補正回路を備える電気駆動回路で駆動する音響装置において,前記の第一の共振抑制手段によって抑制しきれなかった低音域の機械共振を第二の機械共振抑制手段によって抑制するから,より周波数−音圧特性を平坦化できる。
また前記第二の機械共振抑制手段はエンクロージャー内部空間に接するホルムヘルツ共振器のような機械的共振器,あるいは電気駆動回路に設けた帯域減衰フィルターのような音圧上昇分のキャンセル回路で簡単に実現可能である。
第二の共振抑制手段に機械的共振器を使用した場合は,電気駆動回路が簡単な構成で済み,電気駆動回路に帯域減衰フィルターを設ける場合は,スピーカーシステムの構造が簡単な構造とできる。
さらに,本件発明による第二の共振抑制手段にホルムヘルツ共振器など機械的共振器を用いる場合は,エンクロージャーを小型に構成するために非常に好都合である。なぜなら,エンクロージャーを小型に構成することによってスピーカーユニットとエンクロージャー内部の主空間の相互作用による共振周波数が上昇し,その共振を抑制する機械的共振器も小型のもので済むからである。
本件発明による第三の実施例を用いたスピーカーシステムを図18に示す。図18は図8に示す通気性のある音響抵抗物質8の共振抑制効果をさらに強化したものである。
図8のスピーカーシステムとの違いは図8に示すシステムではスピーカーユニット1と通気性を有する音響抵抗物質8が主空間1001内に直接配置してあるのに対し,図18の実施例では,エンクロージャー10と壁部16で覆われる小空間17内に配置され,スピーカーユニット1の振動板101の振動によって生じる空気の振動は小空間17の開口1701を通じてのみ主空間1001に伝搬し,また逆に主空間1001内の音響エネルギーすなわち空気の振動もまた開口1701を通じてのみ振動板101に伝搬することであり,さらに小空間内には振動板101の背面側に通気性を有する音響抵抗物質8,開口1701側に吸音材18が配されていることである。
なお,音響抵抗物質8と吸音材18の間の空間には適当な吸音材を充填されていてもよく,場合によっては空間のままでもよい。さらには吸音材18と同一の材料で充填されていてもよいし音響抵抗物質8と吸音材18は同一の材料で一体的に構成されていてもよい。
ここで音響抵抗物質8は,振動板101の振動による空気流量を制限して振動板を制動するこが目的であり,より具体的には空気に粘性があることを利用して通気面積を制限することで時間あたりの空気流量を制限するもので,通気性の発泡ウレタンや布や真綿などを使用できる。このような材料では振動板の制動のみならず吸音効果も期待できる。
吸音材18には音響抵抗物質8と同様に繊維質材料や通気性の発泡ウレタンなどを用いることができるが配置密度は調整するものとする。このような構成により図8に示す実施例に対し以下に説明するようにさらなる共振抑制効果を得ることができる。図19は図18に示すスピーカーシステムの低音域の機械共振の等価回路である。
図19に示す等価回路においてRt1は前記の音響抵抗物質8の等価機械抵抗で,Rt2は吸音材18の等価機械抵抗を示している。Ct1は振動板101と音響抵抗物質8の間の空間のスチフネス,ResとCesは音響抵抗物質8より後から吸音材18の間の等価機械抵抗と等価機械スチフネスである。Ce1,Ce2・・・はエンクロージャー10内の主空間1001から1003のスチフネス,Re1〜Renは主空間1001から1003内の吸音材9の等価機械抵抗,C∞は振動板101と鼓膜を含む空間の等価機械スチフネスである。
ここで,スピーカーユニット1とエンクロージャー10内の空間の共振について図19を用いて説明する。一番高い周波数の共振は,前述のとおりCoとCtの直列等価機械スチフネスとMoの等価機械質量の関係で起こるが,前述のとおりその周波数は400Hz程度と考えられ音響抵抗物質8によりそのエネルギーは吸収される。次に高い周波数の共振はCoとCs1〜Cs2の直列等価機械スチフネスとMoの等価機械質量の関係,すなわちスピーカーユニット1と小空間17の関係で起こるが,小空間17の容積が1リットル程度までであれば約300Hz程度となり,そのエネルギーもまた音響抵抗物質8や吸音材18により吸収される。
次に高い周波数の共振はCoとCe1の直列等価スチフネスとMoの等価機械質量の関係,すなわちスピーカーユニット1と主空間1001の関係で起こるが,前述のとおりその周波数は約150Hz程度である。150Hzの周波数における吸音材の吸音率は前述のとおり0と1の中間になるが,音が通過する吸音材の厚みを厚くすれば吸音率を高めることができる。図18に示すとおり振動板101から開口1701までの距離すなわち音響抵抗物質8と吸音材18およびその間の空間に適当な吸音材を配した場合にその空気振動が通過する厚みは前述の150Hzの周波数の音のエネルギーを吸収できる程度としてある。それによりスピーカーユニット1と主空間1001間での空気振動の伝搬は音響抵抗物質8と吸音材18により吸収され共振を抑制する。
一方で,スピーカーユニット1と主空間1001の相互関係でおこる共振は,主空間1001内も音響エネルギーで満たすが,瞬時では主空間1001内の吸音材9によりその一部は吸収され,吸収できないエネルギーは主空間1001を構成するエンクロージャーの内壁面と壁部16の主空間1001側の面及び開口1701の面積に応じて単位面積あたりで均等な圧力として伝搬しようとする。しかし開口1701の面積分だけが振動板101方向に伝搬でき,その他は壁により反射され,次の瞬時ではまた同じことを繰り返し,壁部16と開口1701がない図8の場合に比べて主空間1001側から振動板101に作用するエネルギーは相応に制限されるからさらに共振抑制効果を高くできる。開口1701から振動板101に伝搬できなかったエネルギーは時間をかけて一部は開口1701から振動板101に伝搬し残りは吸音材9が吸収することになる。
以上のように図18に示す第三の実施例の発明を用いたスピーカーシステムでは,図8に示すものに比べて,振動板101と主空間1001との共振を生じる相互関係において,吸音材18および吸音材18と音響抵抗物質8間の吸音材,開口1701と壁部16の作用により共振抑制効果を高めることができ,図4に示す電気駆動回路と組み合わせて使用することで周波数−音圧特性がより平坦な音響装置を得ることができる。
図18において,小空間17はエンクロージャー10と該エンクロージャー10に一体化された壁部17によって囲われて構成されているが,壁部をエンクロージャーやスピーカーユニットとは別の一部品として例えば樹脂成型品のようなもので構成し,スピーカーユニットの背面全部を該部品で覆って構成してもよい。すなわち小空間は該部品によってのみ囲われて構成されるようにしてもよい。
なお,図11,図13,図14,図18に示す本件発明を用いたスピーカーシステムの実施例では全て,図8に示すスピーカーシステムに本件発明を応用した実施例として説明したが,開口端1004が閉じている場合,あるいは吸音材9が配されず,形状も図1に示したような単純な密閉型エンクロージャーに適用した場合でもスピーカーユニットとエンクロージャー内の空間の相互作用による共振を抑制し,より平坦な周波数−音圧特性を得るという目的に対する効果は同じである。
音響装置の存在を外形寸法的に負担に感じさせない且つ高品位な音を再生するステレオ装置,あるいはTV装置,あるいはPCオーディオ装置,サブウーハー装置などに適用できる。
1 ・・・スピーカーユニット
101 ・・・振動板
102 ・・・フレーム
103 ・・・電磁駆動装置
2 ・・・密閉型エンクロージャー
201 ・・・筐体
201 ・・・内部空間
3 ・・・信号源
4 ・・・周波数補正回路
5 ・・・電力増幅器
6 ・・・エンクロージャー
601 ・・・筐体
602 ・・・内部空間
603 ・・・開口端
8 ・・・通気性のある音響抵抗
9 ・・・通気性のある音響抵抗
10 ・・・エンクロージャー
1001・・・主空間
1002・・・折り曲げた内部空間
1003・・・折り曲げた内部空間
1004・・・開口端部
11 ・・・ホルムヘルツ共振器
1101・・・開口筒
1102・・・内部空間
12 ・・・別の共振器
1201・・・質量を有する振動板
1202・・・弾性支持部
13 ・・・自由空間
14 ・・・別の共振器
1401・・・錘部
1402・・・板部
1403・・・基端部
15 ・・・帯域減衰フィルター(BEF)
16 ・・・壁部
17 ・・・小空間
1701・・・開口
18 ・・・吸音材

Claims (5)

  1. フレームに弾性的に支持された振動板と該振動板を振幅駆動する電磁駆動装置からなり低音域に固有の機械共振を有するスピーカーユニットと,該スピーカーユニットを取り付けてスピーカーユニットの振動板の背面側の音と前面側の音の干渉を阻害するエンクロージャーと,スピーカーユニットの電磁駆動装置に接続される電気駆動回路からなる音響装置において,スピーカーユニットの振動板背面側に配し通気性を有する音響抵抗物質から成る第一の共振抑制手段と,該第一の共振抑制手段によってなお残る共振を抑制する第二の共振抑制手段を備え,電気駆動回路には共振を抑制したことによる低音域の音圧不足を補う周波数−音圧補正回路を備えることを特徴とする音響装置。
  2. 前記第二の共振抑制手段は,前記エンクロージャー内部の空間に接する一つあるいは複数の機械的共振器であることを特徴とする請求項1の音響装置。
  3. 前記第二の共振抑制手段は,スピーカーユニットを駆動する電気駆動回路に設けられたひとつあるいは複数の帯域減衰フィルターであることを特徴とする請求項1の音響装置。
  4. フレームに弾性的に支持された振動板と該振動板を振幅駆動する電磁駆動装置からなり,低音域に固有の機械共振を有するスピーカーユニットと,該スピーカーユニットを取り付けてスピーカーユニットの振動板の背面側の音と前面側の音の干渉を阻害するエンクロージャーと,前記振動板背面側近傍にはスピーカーユニットとエンクロージャー内部の主空間との相互作用による機械共振の抑制手段を備え,電気駆動回路には前述の機械共振を抑制したことによる低音域の音圧不足を補う周波数−音圧補正回路を備える音響装置において,前記機械共振の抑制手段は前記スピーカーユニットの振動板の背面と該振動板背面から所定の距離を置く開口を含み,該開口を介してのみ前記振動板の振動による空気振動が前記エンクロージャー内部の主空間に伝搬するようにした小空間内の,前記振動板と開口間に通気性と吸音性のある音響抵抗物質を配したものであることを特徴とする音響装置。
  5. 前記エンクロージャーは,スピーカーユニットから該スピーカーユニットの振動板と鼓膜を含む空間に対する開口に向けて長細状の空間を有し,該空間に吸音材を詰めたものであることを特徴とした請求項1または請求項2または請求項3または請求項4の音響装置。
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