JP2016171158A - Cu−In−Ga−Se太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板裏面へのCdSの付着量の少ないCIGS太陽電池を提供する。【解決手段】 フロート法により製造されたガラス基板を用いたCu−In−Ga−Se太陽電池であって、CIGS層は前記ガラス基板のボトム面側に設けられたことを特徴とするCu−In−Ga−Se太陽電池。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、ガラス基板の間に光電変換層が形成されている太陽電池用ガラス基板およびそれを用いた太陽電池に関する。より詳しくは、ガラス基板として典型的にはガラス基板とカバーガラスとを有し、ガラス基板上に11族、13族、16族元素を主成分とした光電変換層が形成されているCu−In−Ga−Se太陽電池に関するものである。
カルコパイライト結晶構造を持つ11−13族、11−16族化合物半導体や立方晶系あるいは六方晶系の12−16族化合物半導体は、可視から近赤外の波長範囲の光に対して大きな吸収係数を有している。そのために、高効率薄膜太陽電池の材料として期待されている。代表的な例としてCu(In,Ga)Se(以下、「CIGS」または「Cu−In−Ga−Se」と記述する。)やCdTeがあげられる。
CIGS薄膜太陽電池(以下、「CIGS太陽電池」ともいう)およびCdTe薄膜太陽電池(以下、「CdTe太陽電池」ともいう)では、安価であることと平均熱膨張係数がCIGS化合物半導体のそれに近いこととから、ソーダライムガラスが基板として用いられ、太陽電池が得られている。
近年、CIGS太陽電池用ガラス基板として、高温の熱処理温度に耐えうるガラス材料の提案もされている(例えば、特許文献1、参照。)
CIGS太陽電池においては、ガラス基板の間にはCIGS光電変換層(以下、「CIGS層」ともいう)が形成されるが、発電効率の良い太陽電池を作製するにはより高温での熱処理が好ましく、ガラス基板にはそれに耐えうることが要求される。
一方で、ガラス基板上の光電変換層(CIGS層)の成膜中または成膜後の剥離を防止するためには、ガラス基板は、所定の平均熱膨張係数を有することが求められる。
さらに、CIGS太陽電池の製造および使用の観点から、ガラス基板の強度向上および軽量化、また板ガラス生産時に溶解性、成形性が良好なこと、失透しないこと等が求められる。
しかし、CIGS太陽電池に使用されるガラス基板において高い発電効率、高いアルカリ拡散性、高いガラス転移点温度、所定の平均熱膨張係数、高いガラス強度、低いガラス密度、並びに、板ガラス生産時の高い溶解性、良好な成形性および良好な失透防止性等の特性をバランスよく有することは困難であった。
従って、高い発電効率、高いアルカリ拡散性、高いガラス転移点温度、所定の平均熱膨張係数、高いガラス強度、低いガラス密度、並びに、板ガラス生産時の高い溶解性、良好な成形性および良好な失透防止性等の特性をバランスよく有し、CIGS太陽電池用に好適に使用できるガラス基板が求められている。
このCIGS太陽電池を作製するプロセスでCBD法(Chemical Bath Deposition)によるCdS(硫化カドミウム)膜の成膜工程がある。このCdS膜は、電池成膜面とは反対側のガラス基板裏面にも成膜されてしまう。CdS材料はカドミウムを含む特殊な材料であり CIGS太陽電池は屋外に設置されるため、環境汚染を考慮した場合、可能な限りガラス基板裏面へのCdSの付着量を抑制する必要がある。
特開平11−135819号公報
ガラス基板裏面へのCdSの付着量の少ないCIGS太陽電池を提供する。
本発明の実施形態に係るCu−In−Ga−Se太陽電池は、フロート法により製造されたガラス基板を用いたCu−In−Ga−Se太陽電池であって、 CIGS層は前記ガラス基板のボトム面側に設けられたことを特徴とする。
ガラス基板裏面へのCdSの付着量の少ないCu−In−Ga−Se太陽電池を提供できる。
図1は、本発明のCIGS太陽電池の実施形態の一例を模式的に表す断面図である。 図2は、実施例において評価用ガラス基板上に作製した太陽電池セル(a)とその断面図(b)を示す。 図3は、表2に示した例1〜6の数値をプロットしたものを示したグラフである。 図4は、例1〜6のガラスを用いて製造したCIGS太陽電池の発電効率(Eff)を示したグラフである。
<Cu−In−Ga−Se太陽電池用ガラス基板>
以下、本実施形態のCu−In−Ga−Se太陽電池に使用するCu−In−Ga−Se太陽電池用ガラス基板の一例について説明する。
本発明のCu−In−Ga−Se太陽電池用ガラス基板は、下記酸化物基準の質量百分率表示で、
SiOを50〜65%、
Alを8〜15%、
を0〜1%、
MgOを0〜10%、
CaOを1〜12%、
SrOを6〜12%、
BaOを0〜3%、
ZrOを1〜7%、
NaOを2〜8%、
Oを0〜8%、
MgO+CaO+SrO+BaOを15〜30%含有し、
SrO/NaOが0.8〜2.5であるCu−In−Ga−Se用ガラス基板である。
なお、Cu−In−Ga−Seを以下「CIGS」と記載する。
本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板のガラス転移点温度(Tg)は640℃以上、700℃以下であり、ソーダライムガラスのガラス転移点温度より高い。ガラス転移点温度(Tg)は高温におけるCIGS層の形成を担保するため645℃以上であるのが好ましく、650℃以上がより好ましく、655℃以上がさらに好ましい。一方、溶解時の粘性を上げ過ぎないようにするために690℃以下とするのが好ましい。より好ましくは685℃以下、さらに好ましくは680℃以下である。
本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板の50〜350℃における平均熱膨張係数は60×10−7〜110×10−7/℃である。60×10−7/℃未満または110×10−7/℃超ではCIGS層との熱膨張差が大きくなりすぎ、剥がれ等の欠点が生じやすくなる。好ましくは65×10−7/℃以上、より好ましくは70×10−7/℃以上、さらに好ましくは75×10−7/℃以上である。また、プラス電極であるMo(モリブデン)膜との膨張差による反りを低減するために、好ましくは100×10−7/℃以下、より好ましくは95×10−7/℃以下、更に好ましくは90×10−7/℃以下である。
本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板は、粘度が10dPa・sとなる温度(T)と失透温度(T)との関係がT−T≧−30℃である。T−Tが−30℃未満では、板ガラス成形時に失透が生じやすく、ガラス板の成形が困難になるおそれがある。T−Tが好ましくは−10℃以上、より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは30℃以上、特に好ましくは50℃以上である。ここで、失透温度とは、ガラスを特定の温度で17時間保持するときに、ガラス表面および内部に結晶が生成しない最大温度を指す。ガラス板の成形性、即ち、平坦性向上、生産性向上を考慮すると、Tは1230℃以下である。Tは1220℃以下が好ましく、1210℃以下がより好ましく、1200℃以下がさらに好ましく、1190℃以下が特に好ましい。
また、本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板は、ガラスの溶解性、即ち、均質性向上、生産性向上を考慮して、粘度が10dPa・sとなる温度(T)を1620℃以下とする。Tは1590℃以下が好ましく、1570℃以下がより好ましく、1560℃以下が更に好ましく、1550℃以下が特に好ましい。
本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板は、密度が2.45g/cm以上、2.9g/cm以下である。密度が2.9g/cmを超えると、製品質量が重くなり好ましくない。また、ガラス基板が脆くなり破壊しやすくなり好ましくない。密度はより好ましくは2.85g/cm以下、さらに好ましくは2.82g/cm以下、特に好ましくは2.8g/cm以下である。
また、密度が2.45g/cm未満であると、ガラス基板の構成元素として、原子番号の小さい軽元素しか使用することができず、所望の発電効率、ガラス粘度を得られないおそれがある。より好ましくは2.5g/cm以上、さらに好ましくは2.55g/cm以上、特に好ましくは2.6g/cm以上である。
本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板において上記組成(以下、「母組成」ともいう)範囲に限定する理由は以下のとおりである。
SiO:ガラスの骨格を形成する成分で、45質量%(以下、単に「%」と記載する)未満ではガラス基板の耐熱性および化学的耐久性が低下し、平均熱膨張係数が増大するおそれがある。好ましくは48%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは52%以上である。
しかし、70%超ではガラスの高温粘度が上昇し、溶解性が悪化する問題が生じるおそれがある。好ましくは65%以下であり、より好ましくは60%以下であり、さらに好ましくは58%以下である。
Al:ガラス転移点温度を上げ、耐候性(ソラリゼーション)、耐熱性および化学的耐久性を向上し、ヤング率を上げる。その含有量が10%未満では、ガラス転移点温度が低下するおそれがある。また平均熱膨張係数が所定の範囲から外れるおそれがある。好ましくは11%以上であり、より好ましくは14%以上、さらに好ましくは15%以上である。
しかし、20%超では、ガラスの高温粘度が上昇し、溶解性が悪くなるおそれがある。また、失透温度が上昇し、成形性が悪くなるおそれがある。また発電効率が低下するおそれがある。好ましくは19%以下、より好ましくは18%以下、さらに好ましくは17%以下、特に好ましくは16%以下である。
は、溶解性を向上させる等のために0.5%まで含有してもよい。含有量が0.5%を超えると、ガラス転移点温度が下がる、または平均熱膨張係数が小さくなるおそれがあり、CIGS層を形成するプロセスにとって好ましくない。また失透温度が上昇して失透しやすくなり板ガラス成形が難しくなるおそれがある。さらに、大規模な除去設備が必要となり、環境負荷が大きくなるため好ましくない。
また、p型半導体であるCIGS層中にB(ホウ素)が拡散してドナーとして働き、発電効率を低下させるおそれがあり好ましくない。好ましくは含有量が0.3%以下である。実質的に含有しないことがより好ましい。
なお、本発明において「実質的に含有しない」とは、原料等から混入する不可避的不純物以外には含有しないこと、すなわち、意図的に含有させないことを意味する。
MgO:ガラスの溶解時の粘性を下げ、溶解を促進する効果があるので含有してもよい。好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.1%以上であり、さらに好ましくは0.2%以上である。
しかし、6%超では、失透温度が上昇するおそれがある。さらに、発電効率が低下するおそれがある。好ましくは5%以下、より好ましくは4.5%以下、更に好ましくは4%以下である。
CaO:ガラスの溶解時の粘性を下げ、溶解を促進する効果があるので含有してもよい。好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.1%以上であり、さらに好ましくは0.2%以上である。しかし、Na拡散を阻害する効果があるため、4%未満の範囲で含有させ、好ましくは3.5%以下、より好ましくは3%以下である。
SrO:ガラスの溶解時の粘性を下げ、平均熱膨張係数を所定の値に維持し、溶解を促進する効果がある。さらに、CIGS層へのNaの拡散を促進する効果があるので9.5%以上含有させる。好ましくは10%以上、より好ましくは10.5%以上、さらに好ましくは11%以上である。しかし、20%超含有するとガラス基板の平均熱膨張係数が増大するとともに密度が増大し、ガラスが脆くなるおそれがある。好ましくは19%以下、より好ましくは18%以下、さらに好ましくは16%以下、特に好ましくは15%以下である。
BaO:ガラスの溶解時の粘性を下げ、溶解を促進する効果があるので含有させることができる。好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.5%以上である。しかし、5%超含有すると発電効率が低下し、またガラス基板の平均熱膨張係数が増大するとともに密度が増大し、ガラスが脆くなるおそれがある。また、ヤング率が低下するおそれがある。好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下である。
ZrO:ガラスの溶解時の粘性を下げ、溶解を促進する効果があるので含有させることができる。しかし、8%超含有するとガラス基板の平均熱膨張係数が低下し、発電効率が低下し、また失透温度が上昇して失透しやすくなり板ガラス成形が難しくなる。好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下、さらに好ましくは5.5%以下である。また、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上、さらに好ましくは1.5%以上である。
TiO:TiOを含有させると失透温度が上昇するため、含有しないことが好ましい。ただし本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板は、通常のソーダライムガラスに比べて溶融ガラス表面に泡層が生成しやすい。泡層が生成すると、溶融ガラスの温度が上がらず、清澄しづらくなり、生産性が悪化する傾向がある。溶融ガラス表面に生成した泡層を薄化ないし消失させるために消泡剤としてチタン化合物が、溶融ガラス表面に生成した泡層に供給されることがある。チタン化合物は、溶融ガラス中に取り込まれ、TiOとして存在する。このチタン化合物は、無機チタン化合物(四塩化チタン、酸化チタン等)であってもよく、有機チタン化合物であってもよい。有機チタン化合物としては、チタン酸エステルまたはその誘導体、チタンキレートまたはその誘導体、チタンアシレートまたはその誘導体、シュウ酸チタネート等が挙げられる。上記の理由により、TiOは、不純物として0.2%以下ガラス中に含有することが許容される。
MgO、CaO、SrOおよびBaO:MgO、CaO、SrOおよびBaOは、ガラスの溶解時の粘性を下げ、溶解を促進させ,熱膨張係数を所定の範囲にするために,合量で17%以上が好ましい。18%以上がより好ましく,19%以上がさらに好ましい。しかし、合量で30%超では失透温度が上昇し、成形性が悪くなる恐れがある。そのため、30%以下が好ましく、26%以下がより好ましく、24%以下がさらに好ましい。
さらに上記MgO、CaO、SrOおよびBaOのうちSrOの占める割合は、0.6以上が好ましい。0.6以上にすることによって、CIGS太陽電池を作製した時にNaがガラス上のCIGS層へ拡散するのを促進する効果をより強めることができる。より好ましくは0.65以上であり、さらに好ましくは0.7以上である。
NaO:NaOはCIGSの太陽電池の発電効率向上に寄与するための成分であり、必須成分である。また、ガラス溶解温度での粘性を下げ、溶解しやすくする効果があるので3〜10%含有させる。Naはガラス基板上に構成されたCIGS層中に拡散し、発電効率を高めるが、含有量が3%未満ではガラス基板上のCIGS層へのNa拡散が不十分となり、発電効率も不十分となるおそれがある。含有量が3.5%以上であると好ましく、含有量が4%以上であるとより好ましく、4.5%以上であるとさらに好ましい。
NaO含有量が10%を超えると平均熱膨張係数が所定の範囲から外れ、ガラス転移点温度が低下する傾向がある。または化学的耐久性が劣化する。または、ヤング率が低下するおそれがある。または、過剰なNaにより、Mo(モリブデン)膜を劣化させて発電効率の低下につながるおそれがある。含有量が9%以下であると好ましく、8%以下であるとより好ましく、7%以下であるとさらに好ましい。
O:NaOと同様の効果があるため、また、CIGS太陽電池の製造工程における高温でのCIGSの結晶成長において、CIGS組成の変化を抑える働きがあり、それにより、短絡電流の低下が抑えられるため2〜9.5%含有させる。
しかし、15%超ではガラス転移点温度が低下し、平均熱膨張係数が所定の範囲から外れるおそれがある。または、ヤング率が低下するおそれがある。好ましくは3%以上、より好ましくは3.5%以上、さらに好ましくは4%以上である。また、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは7%以下である。
本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板は本質的に上記母組成からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を、それぞれ1%以下、合計で5%以下含有してもよい。たとえば、耐候性、溶解性、失透性、紫外線遮蔽、屈折率等の改善を目的に、ZnO、LiO、WO、Nb、V、Bi、MoO、P等を含有してもよい場合がある。
また、ガラスの溶解性、清澄性を改善するため、ガラス基板中にSO、F、Cl、SnOをそれぞれ1%以下、合量で2%以下含有するように、これらの原料を母組成原料に添加してもよい。
また、ガラス基板の化学的耐久性向上のため、ガラス基板中にY、Laを合量で2%以下含有させてもよい。
また、ガラスの色調を調整するため、ガラス中にFe等の着色剤を含有してもよい。このような着色剤の含有量は、合量で1%以下が好ましい。より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05%以下である。また好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.01%以上である。
また、本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板は、環境負荷を考慮すると、As、Sbを実質的に含有しないことが好ましい。また、安定してフロート成形することを考慮すると、ZnOを実質的に含有しないことが好ましい。しかし、本発明のCIGS太陽電池用ガラス基板は、フロート法による成形に限らず、フュージョン法等による成形により製造してもよい。
前記したように、CIGS太陽電池に適したガラス基板は、発電効率を高めるためにCIGS層へのアルカリ拡散がし易い基板となっている。本発明者等によると、アルカリ拡散がし易い基板であると、基板へのCds付着量が多くなっていることが分かった。
<CIGS太陽電池>
次に、本実施形態におけるCIGS太陽電池について説明する。
本実施形態における太陽電池は、ガラス基板と、カバーガラスと、上記ガラス基板と上記カバーガラスとの間に、光電変換層として配置されるCIGS層と、を有し、上記ガラス基板が少なくとも、上記した本実施形態のCu−In−Ga−Se太陽電池用ガラス基板である。
以下添付の図面を使用して本実施形態におけるCIGS太陽電池を詳細に説明する。なお本実施形態は添付の図面に限定されない。
図1は本実施形態における太陽電池の実施形態の一例を模式的に表す断面図である。
図1において、本実施形態におけるCIGS太陽電池1は、ガラス基板5、カバーガラス19、およびガラス基板5とカバーガラス19との間にCIGS層9を有する。ガラス基板5は、上記で説明した本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板からなる。太陽電池1は、ガラス基板5上にプラス電極7であるMo膜の裏面電極層を有し、その上にCIGS層9を有する。CIGS層の組成はCu(In1−xGax)Seが例示できる。xはInとGaの組成比を示すもので0<x<1である。
CIGS層9上には、バッファ層11としてのCdS(硫化カドミウム)層、ZnS(亜鉛硫化物)層、ZnO(酸化亜鉛)層、Zn(OH)(水酸化亜鉛)層、またはこれらの混晶層を有する。バッファ層を介して、ZnOまたはITO、またはAlをドープしたZnO(AZO)等の透明導電膜13を有し、さらにその上にマイナス電極15であるAl電極(アルミニウム電極)等の取出し電極を有する。これらの層の間の必要な場所には反射防止膜を設けてもよい。図1においては、透明導電膜13とマイナス電極15との間に反射防止膜17が設けられている。
本実施形態のCIGS太陽電池では、CIGS太陽電池用ガラス基板がフロート法を用いて製造されたものを使用しており、ガラス基板の製造時にフロートバスのスズ面に接する方の面(以下、ボトム面という。)に裏面電極層が形成されている。ボトム面と、ガラス基板の製造時にフロートバスのスズ面に接しない方の面(以下、トップ面という。)とを比較すると、トップ面の方がCdSが付着し難い。そのため、ボトム面に裏面電極層を形成することによってガラス基板裏面へのCdSの付着量の少ないCIGS太陽電池を提供できる。
またマイナス電極15上にカバーガラス19を設けてもよく、必要な場合はマイナス電極とカバーガラスとの間は、樹脂封止される、または接着用の透明樹脂で接着される。カバーガラスには、本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板を用いてもよい。
本実施形態においてCIGS層の端部または太陽電池の端部は封止されていてもよい。封止するための材料としては、例えば本実施形態のCIGS太陽電池用ガラス基板と同じ材料、そのほかのガラス、樹脂が挙げられる。
なお添付の図面に示す太陽電池の各層の厚さは図面に限定されない。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
まず、ガラス基板5a上に、スパッタ装置にて、プラス電極7aとしてMo(モリブデン)膜を成膜した。成膜は室温にて実施し、厚み500nmのMo膜を得た。使用したガラス基板の組成は表1に示した通りである。
そのプラス電極7a(Mo膜)上にスパッタ装置にて、CuGa合金ターゲットでCuGa合金層を成膜し、続いてInターゲットを使用してIn層を成膜することで、In−CuGaのプリカーサ膜を成膜した。成膜は室温にて実施した。蛍光X線によって測定したプリカーサ膜の組成が、Cu/(Ga+In)比が0.8、Ga/(Ga+In)比が0.25となるように各層の厚みを調整し、厚み650nmのプリカーサ膜を得た。
Figure 2016171158
プリカーサ膜をRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いてアルゴンおよびセレン化水素混合雰囲気(セレン化水素はアルゴンに対し5体積%、「セレン雰囲気」と呼ぶ)にて加熱処理した。
条件としては、まず、第1段階としてセレン雰囲気で500℃で10分保持を行い、CuおよびInおよびGaとSeとを反応させて、その後、第2段階として硫化水素雰囲気(硫化水素はアルゴンに対し5体積%)に置換した後、さらに580℃で30分保持してCIGS結晶を成長させることでCIGS層9aを得た。得られたCIGS層9aの厚みは2μmであった。
続いて、CIGS層9a上に、CBD(Chemical Bath Deposition)法にて、バッファ層11aとしてCdS層を成膜した。具体的には、まず、ビーカー内で、濃度0.01Mの硫酸カドミウム、濃度1.0Mのチオウレア、濃度15Mのアンモニア及び純水を混合させた。次に、CIGS層を上記混合液に浸し、ビーカーごと予め水温を70℃にしておいた恒温バス槽に入れ、CdS層を50〜80nm成膜した。CdSはガラス基板5の裏面側にも成膜される。ここで、トップ面とボトム面のCdSの付着量の違いを測定するためにXRF(X−ray Fluorescence Analysis)を使用してトップ面とボトム面のCdSの付着量の比較を行った。具体的には、ガラス基板の裏面側(Mo膜の成膜面5aとは反対側の面)がトップ面であるもの(例1、3、5)と、ボトム面であるもの(例2、4、6)の付着量の比較を行った。その結果を表2に示す。また、表2に示した例1〜6の数値をプロットしたものを図3に示す。
Figure 2016171158
表2に示すように、ボトム面に成膜したものの方が、検出されたCdS強度が高く、付着しているCdSの量が多いことが分かる。
さらにCdS層上にスパッタ装置にて、透明導電膜13aを以下の方法で成膜した。まず、ZnOターゲットを使用してZnO層を成膜し、次に、AZOターゲット(Alを1.5wt%含有するZnOターゲット)を使用してAZO層を成膜した。各層の成膜は室温にて実施し、厚み480nmの2層構成の透明導電膜13aを得た。
透明導電膜13aのAZO層上にEB蒸着法により、U字型のマイナス電極15aとして膜厚1μmのアルミ膜を成膜した。最後に、メカニカルスクライブによって透明導電膜13a側からCIGS層9aまでを削りセル化を行った。
ソーラーシミュレータ(山下電装株式会社製、YSS−T80A)に、評価用CIGS太陽電池(上記8個のセルを作製した評価用ガラス基板5a)を設置し、あらかじめInGa溶剤を塗布したプラス電極7aにプラス端子を(不図示)、マイナス電極15aのU字の下端にマイナス端子16aをそれぞれ電圧発生器に接続した。ソーラーシミュレータ内の温度は25℃一定に温度調節機にて制御した。疑似太陽光を照射し、10秒後に、電圧を−1Vから+1Vまで0.015V間隔で変化させ、電流値を測定した。
この照射時の電流と電圧特性から発電効率を式(1)により算出した。8個のセルのうち最も効率の良いセルの値を、各ガラス基板の発電効率の値として表2及び表3に示した。試験に用いた光源の照度は0.1W/cmであった。発電効率[%]=Voc[V]×Jsc[A/cm2]×FF[無次元]×100/試験に用いる光源の照度[W/cm2]・・・式(1)
発電効率(Eff)は、開放電圧(Voc)と短絡電流密度(Jsc)と曲線因子(FF)の掛け算で求められる。
なお、開放電圧(Voc)は端子を開放した時の出力であり、短絡電流(Isc)は短絡した時の電流である。短絡電流密度(Jsc)はIscをマイナス電極を除いたセルの面積で割ったものである。
また最大の出力を与える点が最大出力点と呼ばれ、その点の電圧が最大電圧値(Vmax)、電流が最大電流値(Imax)と呼ばれる。最大電圧値(Vmax)と最大電流値(Imax)の掛け算の値を、開放電圧(Voc)と短絡電流(Isc)の掛け算の値で割った値が、曲線因子(FF)として求められる。上記の値を使用し、発電効率(Eff)を求めた。
図4に例1〜6のガラスを用いて製造したCIGS太陽電池の発電効率(Eff)を示す。図4から分かる通り、トップ面に電池を作製した場合と、ボトム面に電池を作製した場合で発電効率(Eff)に大きな違いは生じなかった。従って、ボトム面に電池を作製した方がCdSの付着量の少ないCIGS太陽電池を製造することが出来る。
1 太陽電池
5、5a ガラス基板
7、7a プラス電極
9、9a CIGS層
11、11a バッファ層
13、13a 透明導電膜
15、15a マイナス電極
17 反射防止膜
19 カバーガラス

Claims (7)

  1. フロート法により製造されたガラス基板を用いたCu−In−Ga−Se太陽電池であって、
    CIGS層は前記ガラス基板のボトム面側に設けられたことを特徴とするCu−In−Ga−Se太陽電池。
  2. バッファ層としてCdS層を有する請求項1に記載のCu−In−Ga−Se太陽電池。
  3. 前記ガラス基板は、酸化物基準の質量百分率表示で、
    SiOを45〜70%、
    Alを10〜20%、
    を0〜0.5%
    MgOを0〜6%、
    CaOを0〜4%未満、
    SrOを9.5〜20%、
    BaOを0〜5%、
    ZrOを0〜8%、
    NaOを3〜10%、
    Oを2〜9.5%、
    含有する請求項2に記載のCu−In−Ga−Se太陽電池。
  4. 前記ガラス基板は、ガラス転移点温度が640℃〜700℃である請求項3に記載のCu−In−Ga−Se太陽電池。
  5. 前記ガラス基板は、平均熱膨張係数が60×10−7〜110×10−7/℃である、請求項4に記載のCu−In−Ga−Se太陽電池。
  6. 前記ガラス基板は、密度が2.9g/cm以下である,請求項5に記載のCu−In−Ga−Se太陽電池。
  7. 前記ガラス基板は、酸化物基準の質量百分率表示で、SrO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.6以上である請求項6に記載のCu−In−Ga−Se太陽電池。
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