JP2016169424A - 膜厚傾斜膜の製造装置および製造方法 - Google Patents

膜厚傾斜膜の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜材料ごとに膜厚勾配を調整し、異なる成膜材料からなる膜の膜厚勾配を両方とも設計勾配に近づけて、所望の分光特性を得る。
【解決手段】膜厚傾斜膜の製造装置1は、マスク板12と、複数の補正板13とを備える。マスク板12は、基板11に対して複数の蒸発源6の配置側に、基板11の一部との間に間隙が形成された状態で基板11とともに公転するように配置され、各蒸発源6から蒸発して基板11上に付着する各成膜材料からなる膜に、上記間隙に応じた膜厚勾配を付与する。複数の補正板13は、上記膜厚勾配を、各成膜材料ごとに調整するために、各蒸発源6に対応して配置されるとともに、各蒸発源6から基板11への各成膜材料の進行を、基板11の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置に、各成膜材料の成膜ごとに切り替えて配置され、かつ、互いに異なる形状で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上に膜厚勾配を有する多層膜を膜厚傾斜膜として成膜する、膜厚傾斜膜の製造装置および製造方法に関するものである。
従来から、基板上に膜厚勾配を有する膜を成膜する方法として、例えば特許文献1または2に開示された方法がある。特許文献1では、ドーム状の基板ホルダーと蒸発源との間に、2つの膜厚調整機構を配置し、一方の膜厚調整機構により、基板ホルダーにセットされた各基板上に成膜される膜の膜厚分布を基板ホルダー内で均一化し、他方の膜厚調整機構(例えばマスク板)により、各基板上に成膜される膜に対して所定の膜厚勾配を与えるようにしている。
特に、図23の上段の図に示すように、基板ホルダー100の回転半径方向の外側(回転中心とは反対側)に向かって回転方向の幅が狭まる三角形状のマスク板102(図中で黒塗りの部分)を、基板101の蒸発源側に配置して成膜を行うことにより、回転半径方向の内側(中心側)ほど、成膜材料がマスク102でけられる領域(面積)が大きいため、基板101上に成膜される膜の膜厚が薄くなる。つまり、上記形状のマスク102を用いることにより、基板ホルダー100の回転半径方向の外側に向かって膜厚が増大するような膜厚勾配を有する膜が、基板101上に成膜される。
また、特許文献2では、基板と蒸発源との間に、スリット型のマスク板を配置し、このマスク板のスリット幅や、基板とマスク板との距離を調整することにより、基板上に成膜される膜に任意の膜厚勾配を与えるようにしている。
特開2006−37151号公報(請求項1、段落〔0028〕、図1、図2等参照) 特開2005−345744号公報(請求項5、6、段落〔0015〕〜〔0019〕、図2〜図5等参照)
ところで、複数の成膜材料(例えば屈折率の異なる材料)を用い、真空成膜によって基板上に膜厚傾斜膜を成膜する場合、各成膜材料による膜の成膜条件(例えば基板温度)が同じであっても、基板上に成膜される膜の膜厚勾配が、成膜材料によって異なる。これは、成膜条件が同じであっても、成膜材料の蒸発源からの蒸発後の分布(蒸着材料の飛び方)が、成膜材料ごとに異なるからである。したがって、基板上で、ある成膜材料からなる膜では、設計勾配に近い膜厚勾配が得られたとしても、他の成膜材料からなる膜では、設計勾配に近い膜厚勾配が得られない。
この点、特許文献1および2では、成膜材料ごとに膜厚勾配を調整することについては全く検討されていない。したがって、異なる成膜材料からなる膜の膜厚勾配を両方とも設計勾配に近づけて、膜全体として所望の分光特性を得ることができない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、成膜材料ごとに膜厚勾配を調整して、異なる成膜材料からなる膜の膜厚勾配を両方とも設計勾配に近づけることができ、これによって所望の分光特性を得ることができる膜厚傾斜膜の製造装置および製造方法を提供することにある。
本発明の一側面に係る膜厚傾斜膜の製造装置は、基板に対して複数の蒸発源の配置側に、前記基板の一部との間に間隙が形成された状態で前記基板とともに公転するように配置され、前記各蒸発源から蒸発して前記基板上に付着する各成膜材料からなる膜に、前記間隙に応じた膜厚勾配を付与するマスク板と、前記膜厚勾配を、前記各成膜材料ごとに調整するための複数の補正板とを備え、前記複数の補正板は、前記各蒸発源に対応して配置されるとともに、前記各蒸発源から前記基板への前記各成膜材料の進行を、前記基板の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置に、前記各成膜材料の成膜ごとに切り替えて配置され、かつ、互いに異なる形状で形成されている。
本発明の他の側面に係る膜厚傾斜膜の製造方法は、基板に対して複数の蒸発源の配置側に、前記基板の一部との間に間隙が形成されるようにマスク板を配置して、前記基板および前記マスク板を一体的に公転させながら、前記各蒸発源から各成膜材料を順に蒸発させて前記基板上に付着させることにより、前記基板上に、前記間隙に応じた膜厚勾配を有する、前記各成膜材料からなる膜を順に成膜する成膜工程を有し、前記成膜工程では、前記各蒸発源から前記基板への各成膜材料の進行を、前記基板の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置に、前記各成膜材料に対応する、互いに形状の異なる複数の補正板を、前記各成膜材料の成膜ごとに切り替えて配置する。
上記の製造装置および製造方法において、前記複数の補正板は、前記基板上に成膜される前記各成膜材料からなる膜の膜厚勾配の差が小さくなる形状で、それぞれ形成されていてもよい。
上記の製造装置および製造方法において、前記複数の補正板は、前記基板の公転半径方向に同じ位置での公転方向の幅が互いに異なっていることが望ましい。
上記の製造装置は、前記複数の補正板を、前記各成膜材料の成膜ごとに前記遮断位置に切り替えて配置する駆動機構をさらに備え、前記駆動機構は、前記複数の補正板の各々を、対応する蒸発源の成膜材料による成膜時には、前記遮断位置に配置する一方、他の成膜材料による成膜時には、前記他の成膜材料の前記基板に向かう進路から外れる退避位置に配置することが望ましい。
上記の製造方法において、前記成膜工程では、前記複数の補正板の各々を、対応する蒸発源の成膜材料による成膜時には、前記遮断位置に配置する一方、他の成膜材料による成膜時には、前記他の成膜材料の前記基板に向かう進路から外れる退避位置に配置することが望ましい。
上記の製造装置および製造方法において、前記複数の補正板の前記遮断位置は、前記マスク板に対して前記複数の蒸発源の配置側の位置であることが望ましい。
上記の製造装置および製造方法において、前記複数の補正板の前記遮断位置は、対応する前記蒸発源の直上の位置であることが望ましい。
上記の製造装置および製造方法において、前記マスク板の公転方向の幅は、公転半径方向において一定であってもよい。
上記の製造装置および製造方法において、前記基板と前記マスク板との前記間隙は、前記各成膜材料による成膜中において一定であることが望ましい。
上記の製造装置は、前記基板および前記マスク板を保持する保持部材と、前記保持部材を保持する回転対称形状のドームとを備え、前記基板および前記マスク板は、前記ドームが回転対称軸を中心として回転することによって、前記回転対称軸の周りに公転してもよい。
上記の製造方法において、前記成膜工程では、前記基板および前記マスク板を保持する保持部材を、回転対称形状のドームに設置し、前記ドームを、回転対称軸を中心に回転させることにより、前記基板および前記マスク板を前記回転対称軸の周りに公転させてもよい。
上記の製造方法において、前記成膜工程では、前記各成膜材料からなる膜を、イオンビームアシスト蒸着によって前記基板上に成膜してもよい。
上記の製造装置および製造方法によれば、成膜材料ごとに膜厚勾配を調整して、異なる成膜材料からなる膜の膜厚勾配を両方とも設計勾配に近づけることができ、これによって膜全体として所望の分光特性を得ることができる。
本発明の実施の一形態に係る膜厚傾斜膜の製造装置の概略の構成を示す断面図である。 図1のA部を拡大して示す断面図である。 上記製造装置内での各基板と、任意の基板に対応するマスク板とを示す平面図である。 上記マスク板によって、上記基板上に成膜される膜に膜厚勾配が付与される原理を示す説明図である。 異なる成膜材料による成膜時の補正板の位置を模式的に示す説明図である。 複数の上記基板と、蒸発源と、遮断位置での上記補正板との位置関係を模式的に示す平面図である。 第1の成膜材料の蒸着区間と非蒸着区間とを示す説明図である。 第2の成膜材料の蒸着区間と非蒸着区間とを示す説明図である。 上記マスク板の他の配置例を模式的に示す断面図である。 上記マスク板の平面図である。 各蒸発源および各補正板の位置関係を模式的に示す平面図である。 各蒸発源および各補正板の上記位置関係を模式的に示す断面図である。 考察1で成膜した高屈折率材料の膜について、勾配の基準位置からの距離と膜厚比との関係を示すグラフである。 考察1で成膜した低屈折率材料の膜について、勾配の基準位置からの距離と膜厚比との関係を示すグラフである。 考察2で成膜した高屈折率材料の膜について、勾配の基準位置からの距離と膜厚比との関係を示すグラフである。 考察2で成膜した低屈折率材料の膜について、勾配の基準位置からの距離と膜厚比との関係を示すグラフである。 考察3で成膜したBPFについて、勾配の基準位置からの距離と膜厚比との関係を示すグラフである。 上記BPFの膜厚傾斜部分の分光反射率の設計値を示すグラフである。 上記分光反射率の実測値を示すグラフである。 LVFの概略の構成を分解して示す断面図である。 考察4で成膜したBPFについて、勾配の基準位置からの距離と膜厚比との関係を示すグラフである。 上記BPFの膜厚傾斜部分の分光反射率の実測値を示すグラフである。 従来の製造装置に配置される基板およびマスク板を模式的に示すとともに、異なる基板長さの範囲を示す説明図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をa〜bと表記した場合、その数値範囲に下限aおよび上限bの値は含まれるものとする。また、本発明は、以下の内容に限定されるものではない。
(製造装置の構成)
図1は、本実施形態の膜厚傾斜膜の製造装置1の概略の構成を示す断面図である。製造装置1は、膜厚勾配を有する多層膜(膜厚傾斜膜)を真空成膜によって基板上に成膜する装置である。真空成膜の方式としては、ここでは、真空蒸着法とイオン注入法とを組み合わせたIAD(イオンビームアシスト蒸着)を用いている。この製造装置1は、チャンバー2と、ドーム3と、イオン銃4と、モニターシステム5とを備えている。
チャンバー2の底部には、複数の蒸発源6が配置されている。ここでは、蒸発源6として、2個の蒸発源6a・6bを示しているが、蒸発源6の個数は3つ以上であってもよい。蒸発源6a・6bの各成膜材料(蒸着材料)を加熱して蒸発させ、チャンバー2内に設置される基板11(例えばガラス板)に各成膜材料を順に付着させることにより、各成膜材料からなる膜が多層膜7(図2参照)として基板11上に成膜される。各蒸発源6において成膜材料を蒸発させるときの加熱方式としては、抵抗加熱、電子ビーム加熱、高周波誘導加熱、レーザビーム加熱などがあるが、いずれの方式であっても構わない。また、チャンバー2には、図示しない真空排気系が設けられており、これによってチャンバー2内が真空引きされる。
なお、チャンバー2内には、マスク板12と、各蒸発源6に対応する複数の補正板13とが設けられているが、これらの詳細については後述する。
ドーム3は、基板11およびマスク板12を保持するホルダー21(図2参照)を、少なくとも1個保持するものであり、蒸着傘とも呼ばれる。このドーム3は、断面円弧状であり、円弧の両端を結ぶ弦の中心を通り、その弦に垂直な軸AXを回転対称軸として回転する回転対称形状となっている。ドーム3が軸AXを中心に例えば一定速度で回転することにより、ホルダー21を介してドーム3に保持された基板11およびマスク板12は、軸AXの周りに一定速度で公転する。
このドーム3は、複数のホルダー21を回転半径方向(公転半径方向)および回転方向(公転方向)に並べて保持することが可能である。これにより、複数のホルダー21によって保持された複数の基板11上に、多層膜7を同時に成膜することが可能となり、基板11上に多層膜7を有する光学素子の製造効率を向上させることができる。
イオン銃4は、本体内部にアルゴンや酸素ガスを導入してこれらをイオン化させ、イオン化されたガス分子を基板11に向けて照射する機器である。イオン銃4から上記のガス分子を基板11に照射することにより、複数の蒸発源6から蒸発する各成膜材料の分子を基板11に押し付けることができ、密着性および緻密性の高い膜を基板11上に成膜することができる。イオン銃4は、チャンバー2の底部においてドーム3の軸AX上に設置されているが、軸AXからずれた位置に設置されていても構わない。また、イオン銃4が軸AXからずれた位置に設置されている場合、上述した複数の蒸発源6のいずれかが軸AX上に位置していても構わない。
モニターシステム5は、真空成膜中に各蒸発源6から蒸発して自身(モニターシステム5)に付着する膜を監視することにより、基板11上に成膜される膜の特性を監視するシステムである。このモニターシステム5により、基板11上に成膜される膜の光学特性(例えば透過率、反射率、光学膜厚など)を把握することができる。また、モニターシステム5は、水晶膜厚モニターも含んでおり、基板11上に成膜される膜の物理膜厚を監視することもできる。このモニターシステム5は、膜の監視結果に応じて、複数の蒸発源6のON/OFFや、後述する駆動機構9による複数の補正板13の切り替え等を制御する制御部としても機能する。
図2は、図1のA部を拡大して示す断面図である。上記のホルダー21は、基板11およびマスク板12を保持する保持部材である。ホルダー21は、基板11を保持する保持板22と、シャフト23とを有している。シャフト23は、保持板22に設けられた穴(図示せず)と、マスク板12に設けられた穴(図示せず)とを貫通している。保持板22は、ナット24・24によって挟まれてシャフト23に固定されている。マスク板12は、ナット25・25によって挟まれてシャフト23に固定されている。
ナット24・24またはナット25・25を回すことにより、基板11に対してマスク板12を、シャフト23の軸方向に相対的に移動させることが可能である。これにより、基板11とマスク板12との距離(間隙T)を調整することが可能となる。なお、ホルダー21によって基板11に対するマスク板12の位置が一旦固定されると(間隙Tが所定の値に設定されると)、多層膜7の成膜中(成膜工程)においては、マスク板12の位置(すなわち間隙T)が変更されることはない。
次に、上述したマスク板12および補正板13の詳細について説明する。
(マスク板)
マスク板12は、基板11に対して複数の蒸発源6側に位置し、かつ、基板11の一部との間に間隙Tが形成された状態で基板11とともに公転するように、上述したホルダー21によってチャンバー2内で保持されている。図3は、基板11およびマスク板12を保持したホルダー21を、公転半径方向および公転方向に並べてドーム3に保持したときの各基板11と、任意の基板11に対応するマスク板12とを示す平面図である。なお、マスク板12の形状を明確にするため、図3では、マスク板12にハッチングを便宜的に付している(他の図面でも同様)。同図に示すように、マスク板12の公転方向の幅は、公転半径方向において一定であり、マスク板12の平面形状は長方形となっている。
上記のようにマスク板12がチャンバー2内で保持されていることにより、各蒸発源6から蒸発して基板11上に付着する各成膜材料からなる膜に、間隙Tに応じた膜厚勾配を付与することができる。この点についてより詳しく説明すると、以下の通りである。
図4は、マスク板12によって、基板11上に成膜される単層の膜8に膜厚勾配が付与される原理を模式的に示している。基板11に対して複数の蒸発源6側にマスク板12が位置していると、基板11およびマスク板12の公転方向の各位置において、各蒸発源6から基板11に向かう成膜材料の一部がマスク板12にてけられる。このとき、基板11とマスク板12との間隙Tが狭い場合(このときの間隙TをTaとする)、基板11に向かう成膜材料が、基板11とマスク板12との間で奥まで(基板11の端部まで)に入り込みにくくなる。このため、基板11上に成膜される膜8の膜厚勾配は急となる。
一方、基板11とマスク板12との間隙Tが広い場合(このときの間隙TをTbとすると、Tb>Ta)、マスク12でけられずに基板11に向かう成膜材料が、基板11とマスク板12との間で奥まで入り込みやすくなる。このため、基板11上に成膜される膜8の膜厚勾配は緩やかとなる。
したがって、基板11の一部と間隙Tを介してマスク板12を配置することにより、基板11上に成膜される膜8に対して、上記間隙Tに応じた膜厚勾配を付与することができる。
ただし、前述したように、基板11上に成膜される膜8の膜厚勾配は、成膜材料によって異なるため、マスク板12のみでは、基板11上の膜8に膜厚勾配(主勾配)を付与することはできても、成膜材料によって異なる膜厚勾配を調整することはできない。そこで、本実施形態では、補正板13によって、成膜材料によって異なる膜厚勾配を調整するようにしている。
(補正板)
図1に示すように、補正板13は、マスク板12によって付与される上記の膜厚勾配を、各成膜材料ごとに調整するために、各蒸発源6に対応してチャンバー2内に複数配置されている。この補正板13は、蒸発源6aに対応する補正板13aと、蒸発源6bに対応する補正板13bとで構成されている。補正板13a・13bは、マスク板12に対して蒸発源6a・6b側に配置されている。しかも、補正板13aは、蒸発源6aの上方(直上)に位置しており、基板11の公転方向においては、補正板13aの位置と蒸発源6aの位置とは一致している。同様に、補正板13bは、蒸発源6bの上方(直上)に位置しており、基板11の公転方向においては、補正板13bの位置と蒸発源6bの位置とは一致している。
各補正板13は、各蒸発源6から基板11に向かって直進する各成膜材料の進行を、基板11の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置に、各成膜材料の成膜ごとに切り替えて配置される。このような複数の補正板13の切り替えは、駆動機構9によって制御される。
例えば、図5に示すように、蒸発源6aの成膜材料(第1の成膜材料)による成膜時には、駆動機構9は、補正板13aを上記の遮断位置P1に配置し、補正板13bを第1の成膜材料が基板11に向かう進路から外れる退避位置P2に配置する。一方、蒸発源6bの成膜材料(第2の成膜材料)による成膜時には、駆動機構9は、補正板13bを上記の遮断位置P1に配置し、補正板13aを第2の成膜材料が基板11に向かう進路から外れる退避位置P2に配置する。なお、遮断位置P1と退避位置P2との位置の切り替えは、図5のように、補正板13を上下方向に平行移動させることで行ってもよいし、補正板13を回動させることで行ってもよい。
また、図6は、ホルダー21を介してドーム3に保持された複数の基板11と、蒸発源6(蒸発源6a・6b)と、遮断位置での補正板13(補正板13a・13b)との位置関係を模式的に示す平面図である。同図に示すように、各蒸発源6a・6bに対応する補正板13a・13bは、互いに異なる形状で形成されている。より具体的には、補正板13a・13bは、基板11の公転半径方向に同じ位置での公転方向の幅が、それぞれW1、W2であり、互いに異なっている。なお、公転半径が増大する位置ほど、公転方向の幅が減少する点では、補正板13a・13bは共通している。
蒸発源6から蒸発する成膜材料は直進して基板11に向かうため、蒸発源6aから第1の成膜材料を蒸発させて成膜を行う場合、補正板13aを遮断位置P1(図5参照)に位置させることにより、図7に示すように、基板11の公転方向では、蒸発源6aから蒸発した第1の成膜材料が補正板13aで遮断されずに基板11に到着する蒸着区間L1と、第1の成膜材料が補正板13aで遮断されて基板11に到着しない非蒸着区間L2とが生じる。なお、第1の成膜材料による成膜時は、補正板13bは退避位置P2(図5参照)に位置しているため、その補正板13bによって第1の成膜材料による成膜が阻害されることはない。
同様に、蒸発源6bから第2の成膜材料を蒸発させて成膜を行う場合、補正板13bを遮断位置P1(図5参照)に位置させることにより、図8に示すように、基板11の公転方向では、蒸発源6bから蒸発した第2の成膜材料が補正板13bで遮断されずに基板11に到着する蒸着区間L1と、第2の成膜材料が補正板13bで遮断されて基板11に到着しない非蒸着区間L2とが生じる。なお、第2の成膜材料による成膜時は、補正板13aは退避位置P2(図5参照)に位置しているため、その補正板13aによって第2の成膜材料による成膜が阻害されることはない。
このとき、複数の補正板13a・13bの形状(特に公転方向の幅W1・W2)が異なっているため、蒸着区間L1と非蒸着区間L2との公転方向の比率(L1/L2)を、各成膜材料ごとに調整することができる。なお、上記比率としては、基板11の公転方向の移動軌跡の長さの比率を考えてもよいし、基板11の公転速度(ドーム3の回転速度)が一定の場合は、基板11の公転方向の移動時間の比率を考えてもよい。上記のように比率(L1/L2)を調整することにより、各成膜材料からなる膜の膜厚勾配をそれぞれ微調整することが可能となる。
例えば、補正板13aの幅W1を大きくすると、非蒸着区間L2が増大し、L1/L2の値が小さくなる。このため、基板11上に成膜される第1の成膜材料からなる膜の膜厚が増大しにくくなり、その結果、上記膜の膜厚勾配は緩やかになる。逆に、補正板13aの幅W1を小さくすると、非蒸着区間L2が減少し、L1/L2の値が大きくなる。このため、上記膜の膜厚が増大しやすくなり、その結果、膜厚勾配は急となる。いずれにしても、補正板13aの幅W1を調整することにより、第1の成膜材料からなる膜の膜厚勾配を、上記比率(L1/L2)に応じた勾配に調整することができる。補正板13bの幅W2を調整した場合も上記と同様であり、幅W2を調整することにより、第2の成膜材料からなる膜の膜厚勾配を、上記比率(L1/L2)に応じた勾配に調整することができる。
このように、補正板13a・13bの形状(幅W1・W2)を異ならせることにより、上記の比率(L1/L2)を調整して、各成膜材料からなる膜の膜厚勾配を両方とも設計勾配に近づくように調整することができ、ひいては両方の膜厚勾配を設計勾配に揃えることが可能となる。その結果、膜全体として所望の分光特性(例えば傾斜位置によって分光反射率が異なる特性)を得ることが可能となる。
また、補正板13a・13bの形状を異ならせることによって、基板11上に成膜される第1の成膜材料からなる膜の膜厚勾配と、第2の成膜材料からなる膜の膜厚勾配とが両方とも設計勾配に近づくと、両者の膜の膜厚勾配の差が小さくなる。このことから、上記の補正板13a・13bは、基板11上に成膜される各成膜材料からなる膜の膜厚勾配の差が小さくなる形状で、それぞれ形成されていると言うこともできる。
また、補正板13a・13bは、基板11の公転半径方向に同じ位置での公転方向の幅が、幅W1と幅W2とで互いに異なっているので、上述した補正板13a・13bの各成膜材料に応じた切り替え配置によって、公転方向における上記比率(L1/L2)を各成膜材料の成膜ごとに確実に調整できる。これにより、各成膜材料からなる膜の膜厚勾配を、上記比率(L1/L2)に応じた勾配に調整して、設計勾配に近づけたり、設計勾配に揃えることが確実に可能となる。
また、駆動機構9は、補正板13a・13bの各々を、対応する蒸発源6の成膜材料による成膜時には、上記成膜材料の進行を基板11の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置P1に配置する一方、他の成膜材料による成膜時には、他の成膜材料の蒸発源6から基板11に向かう進路から外れる退避位置P2に配置する。このように、成膜する成膜材料に応じて、補正板13a・13bの位置を遮断位置P1と退避位置P2とで切り替えることにより、他の成膜材料(例えば第2の成膜材料)による成膜を補正板13a・13bによって阻害することなく、所望の成膜材料(例えば第1の成膜材料)による成膜時の膜厚勾配を調整することができる。
ところで、上述した補正板13a・13bの遮断位置P1は、基板11とマスク板12との間であってもよい。つまり、基板11とマスク板12との間に補正板13a・13bを配置することで、蒸発源6から基板11への成膜材料の進行を遮断するようにしてもよい。ただし、基板11上に成膜される膜に急な膜厚勾配を付与するためには、基板11とマスク板12との距離を小さくする必要がある(図4参照)。上記距離が小さい場合には、基板11とマスク板12との間に補正板13a・13bを位置させること自体が困難となって、その補正板13a・13bによって成膜材料の基板11への進行を遮断することが困難となる可能性がある。
これに対して、マスク板12に対して複数の蒸発源6側は、マスク板12に対して基板11側よりも広い空間を確保しやすく、補正板13a・13bの配置スペースを確保しやすい。このため、補正板13a・13bの遮断位置P1は、本実施形態のように、マスク板12に対して複数の蒸発源6側の位置であることが望ましい。
また、本実施形態では、図5で示したように、補正板13a・13bは、対応する蒸発源6の直上に位置しており、補正板13a・13bの上記遮断位置P1も、対応する蒸発源6の直上に位置している。各蒸発源6の直上では、各蒸発源6からの成膜材料が直進して基板11に付着しやすく、マスク板12によって基板11上の膜に膜厚勾配が生成されやすい。一方、例えば各蒸発源6の直上から180°公転した位置では、基板11上の膜8において膜厚勾配が生成される部分への成膜材料の進行がマスク板12によって遮断されるため、この位置では、マスク板12によって膜厚勾配が元々生成されない。したがって、各蒸発源6の直上の遮断位置P1に補正板13a・13bを位置させて、成膜材料が付着しやすく膜厚勾配が生成されやすい位置の基板11に対して成膜材料の付着を阻止することにより、膜厚勾配の調整が容易となり、そのような勾配の調整を確実に行うことができる。
また、各成膜材料による成膜ごとに、基板11とマスク板12との間隙Tが変化すると、各成膜材料からなる膜の膜厚勾配が変化する(後述の考察1参照)。しかし、本実施形態では、成膜中において上記間隙Tは一定であり、各成膜材料の成膜ごとに間隙Tを変化させて膜厚勾配を調整することはできない。したがって、複数の補正板13a・13bを用いて各成膜材料ごとに膜厚勾配を調整する本実施形態の構成は、成膜中に基板11とマスク板12との間隙Tを一定として各成膜材料からなる膜を成膜する場合において非常に有効となる。
また、本実施形態では、基板11上に複数の成膜材料からなる多層膜7を成膜する工程において、基板11およびマスク板12がホルダー21で保持され、そのホルダー21がドーム3に保持され、そのドーム3が回転対称軸としての軸AXを中心として回転することによって、基板11およびマスク板12が軸AXの周りに公転する。このように基板11およびマスク板12が公転する構成では、補正板13a・13bを用いることで(補正板13a・13bを成膜材料ごとに切り替えて配置することで)、公転方向における蒸着区間L1と非蒸着区間L2との比率を調整することができ、これによって、マスク板12では補正しきれない、各成膜材料ごとの膜厚勾配の違いを補正することができる。したがって、形状の異なる補正板13a・13bを用いて各成膜材料ごとの膜厚勾配の違いを補正する本実施形態の構成は、そのように基板11およびマスク板12が公転する構成(基板11およびマスク板12を公転させて多層膜7を成膜する構成)において非常に有効となる。
また、本実施形態では、多層膜7の成膜工程において、各成膜材料からなる膜を、IAD(イオンビームアシスト蒸着)によって基板11上に成膜している。この場合、IADによって複数の成膜材料を基板11に成膜して、膜厚勾配を有する多層膜7を成膜する場合において、上述した本実施形態の効果を得ることができる。
(マスク形状について)
特許文献1の構成、すなわち、図23で示したように、マスク板102の回転方向の幅を回転半径方向に変化させて膜厚勾配を調整する構成では、基板101の大きさを変化させると、それに合わせてマスク板102の大きさも変化させる必要がある。例えば、基板101の回転半径方向の長さSが50mmから5mmに短くなると、それに対応してマスク板102の形状も小さくする必要がある。つまり、図23の下段の図の斜線部分で示した狭いエリア内で、マスク板102の形状を変化させる必要がある。このように小さいマスク板102を得ることは非常に困難であり、その結果、上記マスク板102を用いて基板101上の膜に膜厚勾配(主勾配)を付与することが困難になることが考えられる。
これに対して、本実施形態では、マスク板12の面積変化ではなく、基板11とマスク板12との距離(間隙T)を設定することによって、基板11上の膜に膜厚勾配(主勾配)を付与するため、基板11の公転半径方向の長さの大小に関係なく、一定形状のマスク板12、つまり、図3で示したように、公転方向(回転方向)の幅が公転半径方向において一定のマスク板12を使用することができる。したがって、基板11の公転半径方向の長さが小さい場合でも、上記マスク板12を用いて、基板11上の膜に膜厚勾配を容易に付与することができ、この点で本実施形態の構成は特許文献1よりも有利と言える。
(マスクおよび補正板の他の位置について)
以上では、マスク板12が基板11の公転半径方向の中心側の領域と対向して配置される例について説明したが、マスク板12の位置はこれに限定されるわけではない。図9および図10は、マスク板12の他の配置例を模式的に示す断面図および平面図である。これらの図に示すように、マスク板12は、基板11の公転半径方向の外側の領域と対向して配置されてもよい。この場合でも、基板11およびマスク板12を公転させて、基板11上に膜厚勾配を有する膜8を成膜することは可能である。
ただし、マスク板12の上記配置では、基板11が蒸発源6aの直上から180°公転した位置にあるときに、蒸発源6aから基板11に向かう第1の成膜材料の一部がマスク板12でけられ、これによって、基板11上の膜8に膜厚勾配が付与される。一方、基板11が蒸発源6aの直上に位置していると、蒸発源6aからの第1の成膜材料は、マスク板12で遮断されて、基板11上の膜8の膜厚勾配が生成された部分に到達しない。つまり、蒸発源6aの直上に基板11が位置している場合には、膜厚勾配が生成されない。
このことを考慮すると、マスク板12の上記配置において、補正板13aによって基板11上の膜8の膜厚勾配を確実に微調整するためには、補正板13aは、第1の成膜材料による成膜時に、対応する蒸発源6aの直上から180°公転した位置(遮断位置P1)に配置されることが望ましい。同様に、補正板13bは、第2の成膜材料による成膜時に、対応する蒸発源6bの直上から180°公転した位置(遮断位置P1)に配置されることが望ましい。
(考察1.基板−マスク板距離が膜厚勾配に及ぼす影響について)
次に、本実施形態の製造装置1において、基板11とマスク板12との距離(以下、基板−マスク板距離とも称する)が、基板11上に成膜される膜の膜厚勾配に及ぼす影響について、基板−マスク板距離を具体的に変化させて調べた。以下、この考察について説明する。
まず、異なる成膜材料(蒸着材料)として、高屈折率材料(substance H4、メルク社製)と、低屈折率材料(SiO2リング、USTRON社製)とを用意した。なお、substance H4は、酸化チタン(TiO2)と酸化ランタン(La23)との混合物であり、屈折率はn=1.90である。SiO2リングの屈折率は、n=1.46である。そして、高屈折率材料を蒸発源6aにセットし、低屈折率材料を蒸発源6bにセットした。
ここで、図11および図12は、各蒸発源6a・6bおよび各補正板13a・13bの位置関係を模式的に示す平面図および断面図である。本考察では、各蒸発源6a・6bは、基板11の公転中心(軸AX)に対して点対称となる位置に配置した。また、各蒸発源6a・6bに対応する補正板13a・13bについては、各材料の成膜ごとに遮断位置P1と退避位置P2とで位置を切り替えるとともに、遮断位置P1では、基板11の公転中心(軸AX)に対して点対称となる位置に配置されるようにした。
次に、高屈折率材料による成膜時の基板−マスク板距離T1、低屈折率材料による成膜時の基板−マスク板距離T2、補正板13a・13bの公転方向の幅W1・W2を、下記の表1に示すように設定し、上記高屈折率材料をIADによって基板11上に蒸着し、基板11上に高屈折率材料からなる、膜厚勾配を有する膜を成膜した。また、上記低屈折率材料をIADによって別の基板11上に蒸着し、別の基板11上に低屈折率材料からなる、膜厚勾配を有する膜を成膜した。このとき、高屈折率材料による成膜時には、補正板13aを遮断位置P1に位置させ、補正板13bを退避位置P2に位置させて成膜を行った。また、低屈折率材料による成膜時には、補正板13bを遮断位置P1に位置させ、補正板13aを退避位置P2に位置させて成膜を行った。
Figure 2016169424
なお、各膜の成膜時の基板温度は300℃とした。また、その他の成膜条件は、表2に示す通りである。
Figure 2016169424
次に、各材料による成膜後、各膜の膜厚勾配中の1点を基準位置(位置0mm)とし、この基準位置から膜厚が薄くなる方向に0.25mmピッチの各位置における分光反射率を、顕微分光計(USPM-Ru III、オリンパス社製)を用いて測定した。そして、測定結果に基づいて各測定位置における膜厚を算出するとともに、基準位置の膜厚を1としたときの各測定位置における膜厚比を算出した。そして、基準位置からの距離と膜厚比との関係を、高屈折率材料および低屈折率材料のそれぞれの膜について求めた。
図13および図14は、高屈折率材料の膜および低屈折率材料の膜のそれぞれについて、基準位置からの距離と膜厚比との関係をそれぞれ示している。なお、設計勾配については、膜厚比=1+(傾斜係数)×(基板−マスク板距離)と定義し、傾斜係数=−0.1062として、図13および図14に示した。
図13および図14より、基板−マスク板距離T1・T2のどちらが変化しても、膜厚勾配が変化していることがわかる。つまり、高屈折率材料の膜および低屈折率材料の膜のいずれについても、基板−マスク板距離が変化すると、膜厚勾配が変化することがわかる。しかも、基板−マスク板距離T1・T2が両方とも16.7mmで、W1=200mm、W2=180mmの場合に、両方の膜がともに設計勾配に近くなることがわかった。なお、補正板13a・13bはそのままで(これらの位置を入れ替えずに)、高屈折率材料と低屈折率材料とを入れ替えて成膜を行っても、結果は同じであった。
以上の考察より、基板−マスク板距離T1・T2が一定(例えば16.7mm)の条件で成膜を行う場合、高屈折率材料からなる膜および低屈折率材料からなる膜の膜厚勾配を設計勾配に近づけるためには、補正板13a・13bの幅を異ならせる必要があると言える。
(考察2.補正板幅が膜厚勾配に及ぼす影響について)
次に、補正板13a・13bの幅W1・W2が、基板11上に成膜される膜の膜厚勾配に及ぼす影響について、幅W1・W2を具体的に変化させて調べた。以下、この考察について説明する。
高屈折率材料の成膜時の基板−マスク板距離T1、低屈折率材料の成膜時の基板−マスク板距離T2、補正板13a・13bの公転方向の幅W1・W2を、下記の表3に示すように設定し、考察1と同様にして、基板11上に高屈折率材料からなる、膜厚勾配を有する膜を成膜し、別の基板11上に低屈折率材料からなる、膜厚勾配を有する膜を成膜した。なお、各膜の成膜時の基板温度やその他の成膜条件は、表2で示した考察1の場合と同様である。
Figure 2016169424
そして、考察1と同様にして、各膜の基準位置から0.25mmピッチの位置で分光反射率を測定し、その結果に基づいて各測定位置における膜厚を算出するとともに、基準位置の膜厚を1としたときの各測定位置における膜厚比を算出した。そして、基準位置からの距離と膜厚比との関係を、高屈折率材料および低屈折率材料のそれぞれの膜について求めた。
図15および図16は、高屈折率材料の膜および低屈折率材料の膜について、基準位置からの距離と膜厚比との関係をそれぞれ示している。なお、設計勾配については、膜厚比=1+(傾斜係数)×(基板−マスク板距離)と定義し、傾斜係数=−0.1062として、図15および図16に示した。
図15および図16より、基板−マスク板距離T1・T2が一定(どちらも16.7mm)の条件では、補正板13a・13bの幅W1・W2が変化すると、膜厚勾配が変化することがわかる。しかも、W1=200mm、W2=180mmでは、高屈折率材料からなる膜および低屈折率材料からなる膜の膜厚勾配が、両方とも設計勾配にほとんど一致しており、両方の膜厚勾配を設計勾配に近づけることができると言える。また、補正板13a・13bの幅W1・W2が例えば200mmで同じであっても、膜厚勾配は異なっており、成膜材料によって膜厚勾配が異なることがわかる。なお、補正板13a・13bはそのままで、高屈折率材料と低屈折率材料とを入れ替えて成膜を行っても、結果は同じであった。
以上の考察からも、基板−マスク板距離T1・T2が一定(例えば16.7mm)の条件で成膜を行う場合、高屈折率材料からなる膜および低屈折率材料からなる膜の膜厚勾配を設計勾配に近づけるためには、補正板13a・13bの幅を異ならせる必要があると言える。
(考察3.バンドパスフィルタの分光特性(実施例))
次に、考察1および2で用いたものと同様の高屈折率材料および低屈折率材料を用い、高屈折率材料による成膜時の基板−マスク板距離T1、補正板13aの幅W1、低屈折率材料による成膜時の基板−マスク板距離T2、補正板13bの幅W2を、下記の表4に示すように設定した。そして、基板11およびマスク板12を一体的に公転させながら、上記高屈折率材料と上記低屈折率材料とをIADによって基板11上に交互に蒸着し、基板11上に、高屈折率材料からなる、膜厚勾配を有する膜と、低屈折率材料からなる、膜厚勾配を有する膜とを交互に積層した多層膜(膜厚傾斜膜)を成膜した。なお、以上の工程は、基板11に対して複数の蒸発源6の配置側に、基板11の一部との間に間隙Tが形成されるようにマスク板12を配置して、基板11およびマスク板12を一体的に公転させながら、各蒸発源6から各成膜材料(高屈折率材料、低屈折率材料)を順に蒸発させて基板11上に付着させることにより、基板11上に、間隙Tに応じた膜厚勾配を有する、各成膜材料からなる膜を順に成膜する成膜工程に対応する。
ここで、上記の成膜工程では、高屈折率材料による成膜時には、補正板13aを遮断位置P1に位置させ、補正板13bを退避位置P2に位置させて成膜を行った。また、低屈折率材料による成膜時には、補正板13bを遮断位置P1に位置させ、補正板13aを退避位置P2に位置させて成膜を行った。このようにして膜厚勾配を有する多層膜を成膜することにより、ある波長域の光を透過させるとともに、透過する波長域が勾配の位置(基準位置からの距離)によって変化するBPF(バンドパスフィルタ)を得ることができる。
Figure 2016169424
BPFの層構成は、下記の表5に示す通りである。なお、表5において、層番号は、基板11側から順に数えたときの層の番号とし、Highは高屈折率材料(蒸発源6aに対応)を示し、Lowは低屈折率材料(蒸発源6bに対応)を示す。また、膜厚は物理膜厚を示す。
Figure 2016169424
図17は、表4の条件で成膜したBPFの基準位置からの距離と膜厚比との関係を示している。表4の条件では、考察1および2より、高屈折率材料からなる膜および低屈折率材料からなる膜のいずれについても、膜厚勾配が設計勾配とほぼ一致するため、BPF全体としても、BPFの膜厚勾配(実勾配)が設計勾配とほぼ一致していることがわかる。
また、図18および図19は、BPFの膜厚傾斜部分における基準位置(位置0mm)から0.25mmピッチの位置での分光反射率の設計値(設計した反射率)および実測値(実際に測定した反射率)をそれぞれ示している。BPFの分光反射率の実測値は、波長380nm〜780nmの波長域で設計値とほとんど一致しており、ほぼ設計通りの(所望の分光特性を有する)BPFが成膜されていることがわかる。
上記のBPFを、ある波長よりも長波長側の光を透過させるLPF(ロングパスフィルタ)、および、ある波長よりも短波長側の光を透過させるSPF(ショートパスフィルタ)と組み合わせて用いることにより、膜厚が変化する方向に分光特性がリニアに変化するLVF(リニアバリアブルフィルタ)を構成することができる。
図20は、LVF30の概略の構成を分解して示す断面図である。LVF30は、BPF41とSPF42とが表裏に成膜された基板31と、一方の表面にLPF43が成膜された基板32とを、接着層33を介して接合した構成となっている。このとき、BPF41とLPF43がそれぞれ最外層となるように、基板31・32が接着層33で接合される。本考察で述べたBPFは、LVF30のBPF41として用いることができる。
(考察4.バンドパスフィルタの分光特性(比較例))
補正板13bの幅W2を、下記の表6に示すように変更した以外は、考察3の場合と同様にして基板11上にBPFを成膜した。すなわち、考察3のBPFとの比較のため、補正板13a・13bの幅W1・W2を両方とも同じ200mmにしてBPFを成膜した。なお、考察4におけるBPFの層構成(層数、各層の膜厚)についても、考察3と同様である。
Figure 2016169424
図21は、表6の条件で成膜したBPFの基準位置からの距離と膜厚比との関係を示している。同図では、BPFの膜厚勾配(実勾配)が設計勾配とずれていることがわかる。これは、表6の条件では、図14および図16で示したように、低屈折率材料からなる膜の膜厚勾配が設計勾配から離れており、これがBPF全体の膜厚勾配に影響しているためと考えられる。
また、図22は、BPFの膜厚傾斜部分における基準位置(位置0mm)から0.25mmピッチの位置での分光反射率の実測値を示している。上記実測値は、図18で示した設計値と、波長450nm以下の波長域で乖離しており、所望の分光特性が実現できているとは言えない。
(まとめ)
以上のように、本実施形態の膜厚傾斜膜の製造装置1は、基板11に対して複数の蒸発源6の配置側に、基板11の一部との間に間隙Tが形成された状態で基板11とともに公転するように配置され、各蒸発源6から蒸発して基板11上に付着する各成膜材料からなる膜に、間隙Tに応じた膜厚勾配を付与するマスク板12と、上記膜厚勾配を、各成膜材料ごとに調整するための複数の補正板13とを備えている。そして、複数の補正板13は、各蒸発源6に対応して配置されるとともに、各蒸発源6から基板11への各成膜材料の進行を、基板11の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置P1に、各成膜材料の成膜ごとに切り替えて配置され、かつ、互いに異なる形状で形成されている。
また、本実施形態の膜厚傾斜膜の製造方法は、基板11上に、間隙Tに応じた膜厚勾配を有する、各成膜材料からなる膜を順に成膜する成膜工程において、各蒸発源6から基板11への各成膜材料の進行を、基板11の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置P1に、各蒸発源6に対応する、互いに形状の異なる複数の補正板13を、各成膜材料の成膜ごとに切り替えて配置している。
基板11に対して各蒸発源6の配置側に、上記のようにマスク板12を配置することにより、公転方向の各位置において、各蒸発源6から基板11に向かう成膜材料の一部がマスク板12にてけられる。このため、上記成膜材料からなる膜に上記間隙Tに応じた膜厚勾配が付与され、膜厚傾斜膜(多層膜7)が得られる。
また、複数の補正板13は、各成膜材料の成膜ごとに上記の遮断位置P1に切り替えて配置されるとともに、形状が互いに異なるため、公転方向において、成膜材料が補正板13で遮断されずに基板11に到着する蒸着区間L1と、成膜材料が補正板13で遮断されて基板に到着しない非蒸着区間L2との比率を、各成膜材料ごとに調整することができる。これにより、各成膜材料ごとに、上記膜厚勾配を上記比率に応じた勾配に調整して、各成膜材料からなる膜の膜厚勾配を設計勾配に近づけることが可能となり、所望の分光特性を有する膜厚傾斜膜を得ることができる。
(その他)
本実施形態では、成膜時の基板11の公転速度を一定としたが、公転中に公転速度を変化させてもよい。ただし、複数の基板11を公転方向に並べて成膜を行う場合は、各基板11間で成膜条件を揃えるために、公転方向の同一位置(同一区間)で、公転速度が各基板11で同じになるようにする必要がある。
本実施形態では、補正板13の個数を、2つの蒸発源6a・6bに対応して2つとしたが、蒸発源6の個数に対応していれば、3つ以上であってもよい。例えば、成膜材料として、低屈折率材料、中屈折率材料、高屈折率材料の3種類の成膜材料を用いる場合、3つの蒸発源6に対応して補正板13を3つ用い、3つの補正板13の形状(幅)を互いに異ならせるとともに、各成膜材料(屈折率材料)の成膜に応じて3つの補正板13を切り替えるようにすればよい。
本実施形態では、マスク板12の形状を、公転半径方向に幅が一定の長方形としたが、基板−マスク板距離に応じて基板11上の膜に主勾配を付与するため、特許文献1とは異なり、基板11の大きさとは無関係にマスク板12の形状を設定できる。したがって、マスク板12は、上記した長方形以外にも、公転半径方向に幅が変化する形状であってもよい。
本実施形態では、基板11とマスク板12とを平行に配置して成膜を行っているが、膜厚勾配の調整のため、基板11およびマスク板12の一方を他方に対して相対的に傾けてもよい。
本発明は、膜厚勾配の位置に応じて分光特性が変化するBPFなどの光学フィルタの製造に利用可能である。
1 製造装置
3 ドーム
6 蒸発源
6a 蒸発源
6b 蒸発源
7 多層膜(膜厚傾斜膜)
9 駆動機構
11 基板
12 マスク板
13 補正板
13a 補正板
13b 補正板
21 ホルダー(保持部材)
AX 軸(回転対称軸)
P1 遮断位置
P2 退避位置
T 間隙

Claims (19)

  1. 基板に対して複数の蒸発源の配置側に、前記基板の一部との間に間隙が形成された状態で前記基板とともに公転するように配置され、前記各蒸発源から蒸発して前記基板上に付着する各成膜材料からなる膜に、前記間隙に応じた膜厚勾配を付与するマスク板と、
    前記膜厚勾配を、前記各成膜材料ごとに調整するための複数の補正板とを備え、
    前記複数の補正板は、前記各蒸発源に対応して配置されるとともに、前記各蒸発源から前記基板への前記各成膜材料の進行を、前記基板の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置に、前記各成膜材料の成膜ごとに切り替えて配置され、かつ、互いに異なる形状で形成されていることを特徴とする膜厚傾斜膜の製造装置。
  2. 前記複数の補正板は、前記基板上に成膜される前記各成膜材料からなる膜の膜厚勾配の差が小さくなる形状で、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の膜厚傾斜膜の製造装置。
  3. 前記複数の補正板は、前記基板の公転半径方向に同じ位置での公転方向の幅が互いに異なっていることを特徴とする請求項1または2に記載の膜厚傾斜膜の製造装置。
  4. 前記複数の補正板を、前記各成膜材料の成膜ごとに前記遮断位置に切り替えて配置する駆動機構をさらに備え、
    前記駆動機構は、前記複数の補正板の各々を、対応する蒸発源の成膜材料による成膜時には、前記遮断位置に配置する一方、他の成膜材料による成膜時には、前記他の成膜材料の前記基板に向かう進路から外れる退避位置に配置することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造装置。
  5. 前記複数の補正板の前記遮断位置は、前記マスク板に対して前記複数の蒸発源の配置側の位置であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造装置。
  6. 前記複数の補正板の前記遮断位置は、対応する前記蒸発源の直上の位置であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造装置。
  7. 前記マスク板の公転方向の幅は、公転半径方向において一定であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造装置。
  8. 前記基板と前記マスク板との前記間隙は、前記各成膜材料による成膜中において一定であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造装置。
  9. 前記基板および前記マスク板を保持する保持部材と、
    前記保持部材を保持する回転対称形状のドームとを備え、
    前記基板および前記マスク板は、前記ドームが回転対称軸を中心として回転することによって、前記回転対称軸の周りに公転することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造装置。
  10. 基板に対して複数の蒸発源の配置側に、前記基板の一部との間に間隙が形成されるようにマスク板を配置して、前記基板および前記マスク板を一体的に公転させながら、前記各蒸発源から各成膜材料を順に蒸発させて前記基板上に付着させることにより、前記基板上に、前記間隙に応じた膜厚勾配を有する、前記各成膜材料からなる膜を順に成膜する成膜工程を有し、
    前記成膜工程では、前記各蒸発源から前記基板への各成膜材料の進行を、前記基板の公転方向の一部の区間においてのみ阻止する遮断位置に、前記各成膜材料に対応する、互いに形状の異なる複数の補正板を、前記各成膜材料の成膜ごとに切り替えて配置することを特徴とする膜厚傾斜膜の製造方法。
  11. 前記複数の補正板は、前記基板上に成膜される前記各成膜材料からなる膜の膜厚勾配の差が小さくなる形状で、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項10に記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
  12. 前記複数の補正板は、前記基板の公転半径方向に同じ位置での公転方向の幅が互いに異なっていることを特徴とする請求項10または11に記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
  13. 前記成膜工程では、前記複数の補正板の各々を、対応する蒸発源の成膜材料による成膜時には、前記遮断位置に配置する一方、他の成膜材料による成膜時には、前記他の成膜材料の前記基板に向かう進路から外れる退避位置に配置することを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
  14. 前記複数の補正板の前記遮断位置は、前記マスク板に対して前記複数の蒸発源の配置側の位置であることを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
  15. 前記複数の補正板の前記遮断位置は、対応する前記蒸発源の直上の位置であることを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
  16. 前記マスク板の公転方向の幅は、公転半径方向において一定であることを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
  17. 前記基板と前記マスク板との前記間隙は、前記各成膜材料による成膜中において一定であることを特徴とする請求項10から16のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
  18. 前記成膜工程では、前記基板および前記マスク板を保持する保持部材を、回転対称形状のドームに設置し、前記ドームを、回転対称軸を中心に回転させることにより、前記基板および前記マスク板を前記回転対称軸の周りに公転させることを特徴とする請求項10から17のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
  19. 前記成膜工程では、前記各成膜材料からなる膜を、イオンビームアシスト蒸着によって前記基板上に成膜することを特徴とする請求項10から18のいずれかに記載の膜厚傾斜膜の製造方法。
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