以下、本発明の一形態に係るゲーム機について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム機の外観を概略的に示す図である。ゲーム機1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。
ゲーム機1は、センターユニットCNと、複数のステーションユニットSTとを含んでいる。この図に示すように、センターユニットCNは、ゲーム機1の中央に配置される。複数のステーションユニットSTは、センターユニットCNの周囲に配置される。ステーションユニットSTは、例えば8台設けられる。センターユニットCN及び各ステーションユニットSTの一部は、カバー2の内側に配置される。カバー2は、透明アクリル板などの透明な部材からなる側面3と、上部を覆う屋根4とを備えている。屋根4は、御輿の屋根を模した形状をしており、種々の装飾品5が設けられている。
各ステーションユニットSTは、音楽ゲーム及びメダルゲームを実行する。各ステーションユニットSTには、入力装置10と、モニタ11と、ゲーム機1にメダルMを投入するメダル投入口12と、ユーザにメダルMを払い出すメダル払出口13と、メダルゲームが進行するゲームフィールドGFと、ゲームフィールドGFにメダルを供給するメダル発射装置14(図1では不図示)とが設けられている。また、各ステーションユニットSTにはスピーカ15(図1では不図示)も設けられている。これらのうちゲームフィールドGF及びメダル発射装置14はカバー2の内側に配置され、それ以外はカバー2の外側に配置される。
入力装置10は、太鼓を模した形状のコントローラ16を有している。コントローラ16は、打面16aと、衝撃センサ16bとを備えている。図2に示すように、ユーザは、ゲーム機1に設けられている一対のバチ17で打面16aを叩くことによって音楽ゲームをプレイする。衝撃センサ16bは、コントローラ16の内部に設けられ、打面16aに加えられた力(以下、打撃力と称することがある。)に対応する信号を出力する。入力装置10には、この他にも音楽ゲームで再生する楽曲を選択したり音楽ゲームの難易度を選択したりするとき等に使用する複数の操作ボタン、及びユーザがゲーム機1からメダルMを払い出すときに操作する払出ボタン等が設けられているが、それらの図示は省略した。
モニタ11は、液晶ディスプレイ装置であり、音楽ゲーム及びメダルゲームの表示、演出、及びこれらのゲームに関する種々の情報等を表示する。メダル投入口12に投入されたメダルMは、不図示のメダル検出センサにて検出され、クレジットとして記憶部41(図5参照)に記憶される。そして、投入されたメダルMは、ゲーム機1の内部に設けられている不図示のメダル貯留部に送られる。ゲーム機1には、不図示のメダル払出機構が設けられている。メダル払出機構は、ユーザが払出ボタンを操作した場合に、クレジットの数値と同じ枚数のメダルMをメダル貯留部からメダル払出口13に払い出す。
図3は、ゲームフィールドGFを概略的に示す上面図である。なお、この図では便宜上一部の部品の図示を省略している。ゲームフィールドGFには、メダルMが載置されるテーブル20と、テーブル20の上面に沿って前後に往復運動するプッシャーテーブル21と、プッシャーテーブル21上にメダルMを供給するメダル供給機構22とが設けられている。テーブル20は、ゲームフィールドGFに固定され、プッシャーテーブル21が往復運動することによりプッシャーテーブル21上のメダルMやテーブル20上のメダルMが押し出されて移動する。プッシャーテーブル21は、不図示の駆動機構の動作に応じて往復運動する。テーブル20の前端には、メダルMが落下する落下部23が設けられている。落下部23に落下したメダルMは、不図示のメダル検出センサにて検出され、記憶部41に記憶されているプレイデータ44のクレジットに加算される。そして、落下したメダルMは、メダル貯留部に送られる。また、テーブル20の両側には、メダルMを回収する回収部24が設けられている。回収部24に落下したメダルMは、メダル貯留部に送られる。メダル供給機構22は、音楽ゲーム又はメダルゲームにおいて所定の供給条件が成立するとメダル貯留部のメダルMをプッシャーテーブル21上に供給する。このようにゲームフィールドGFではメダルゲームが実行される。なお、ゲームフィールドGFは、メダルMによるゲームが進行する空間を意味し、テーブル20及びプッシャーテーブル21が含まれる。
また、ゲームフィールドGFには、賽銭箱を模したメダル受け部25と、メダル受け部25を移動可能に支持するレール部材26と、メダル受け部25を駆動するための目標駆動機構27と、が設けられている。メダル受け部25は、テーブル20及びプッシャーテーブル21の上方に、テーブル20及びプッシャーテーブル21と干渉しないように設けられる。レール部材26は、テーブル20の両側に、メダル受け部25がゲームフィールドGFの前端から後端まで移動できるように設けられる。また、レール部材26は、回収部24に落下するメダルMと干渉しない高さに設けられている。目標駆動機構27は、電動モータ27aと、電動モータ27aの動力をメダル受け部25に伝達するベルト機構27bとを含む。目標駆動機構27は、メダル受け部25をテーブル20に沿って前後に動かして任意の位置で止めることができるように構成されている。
メダル受け部25は、上部に開口部25aが設けられ、メダルMを上から入れることができる。メダル受け部25の底面25bは開閉可能に構成されている。底面25bが閉じた状態では、メダル受け部25内にメダルMが貯留される。一方、底面25bが開くと、図4に示すようにメダル受け部25の底からメダルMが放出される。メダル受け部25には、底面25bを開閉するための開閉機構28が設けられている。また、メダル受け部25には、開口部25aから入ったメダルMを検出するメダル検出センサ(不図示)が設けられている。
メダル発射装置14は、モニタ11の下方に設けられている。メダル発射装置14は、メダルMが飛び出す発射口14aと、発射口14aまでメダルMを案内するガイドレール14bとを備えている。発射口14a及びガイドレール14bは、メダル受け部25よりも上方にメダルMを発射できるように設けられている。メダル発射装置14は、メダルMの発射速度を調整可能に構成されている。なお、メダル発射装置14の発射機構としては、例えばメダルMをバネで弾いて発射する機構や、電動モータの回転力でメダルMを弾いて発射する機構等の周知の機構を用いればよい。メダル発射装置14には、メダル貯留部からメダル供給通路14cを介してメダルMが供給される。
図1に戻ってセンターユニットCNを説明する。センターユニットCNは、演出装置30を備えている。演出装置30は、御輿を担ぐ人々を模した模型31と、その模型31を駆動する模型駆動機構32(図1では不図示)とを備えている。模型駆動機構32は、あたかも人々が御輿を担いでいるかのように模型31を上下に動かしたり模型31を左右に回転させたりすることができるように構成されている。模型駆動機構32としては、例えば電動モータ及び電動モータの回転運動を往復運動に変換する機構が用いられる。
図5は、ゲーム機1の制御系の概略構成を示す機能ブロック図である。この図に示すようにゲーム機1には、ステーション制御ユニット40と、センター制御ユニット50とが設けられている。ステーション制御ユニット40は、ステーションユニットSTを制御するコンピュータユニットとして構成されている。具体的には、ステーション制御ユニット40は、マイクロプロセッサとその動作に必要な主記憶装置その他の周辺装置とを含んだコンピュータユニットとして構成されている。ステーション制御ユニット40は、ステーションユニットST毎に設けられている。センター制御ユニット50は、センターユニットCNを制御する。センター制御ユニット50もステーション制御ユニット40と同様にコンピュータユニットとして構成されている。各ステーション制御ユニット40とセンター制御ユニット50は、互いに情報の送受信が可能なように接続されている。
ステーション制御ユニット40には、入力装置10、モニタ11、スピーカ15、メダル発射装置14、目標駆動機構27、開閉機構28、及びメダル供給機構22が接続されている。また、図示は省略したが、ステーションユニットSTに設けられているメダル検出センサもステーション制御ユニット40に接続されている。さらに、ステーション制御ユニット40には、記憶部41が接続されている。記憶部41は、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を含む装置である。記憶部41には、ゲーム機1で音楽ゲーム及びメダルゲームを実行するためのゲームプログラム42と、ゲームデータ43と、プレイデータ44とが記憶されている。ゲームデータ43は、音楽ゲーム及びメダルゲームで使用する楽曲データ45、シーケンスデータ46、及び画像データ47を含んでいる。
楽曲データ45は、音楽ゲームの対象となる楽曲をスピーカ15から再生出力させるために必要なデータである。この図では一種類の楽曲データ45が示されているが、実際には、ユーザが複数の楽曲からプレイする楽曲を選択可能である。ゲームデータ43には、それらの複数の楽曲データ45がそれぞれの曲を識別するための情報を付して記録されている。シーケンスデータ46は、音楽ゲームにおいてユーザに対して要求すべき操作等を定義したデータである。一曲の楽曲データに対して最低一個のシーケンスデータ46が用意される。一曲に対して難易度を変更する等して複数種類のシーケンスデータ46が用意されてもよい。なお、シーケンスデータ46については後で詳しく説明する。画像データ47は、モニタ11に表示するゲーム画面内の背景画像、各種オブジェクトO、アイコン等の画像を定義するデータである。プレイデータ44には、音楽ゲーム及びメダルゲームに関するユーザのデータが記録されている。上述したクレジットは、このプレイデータ44に含まれる。なお、ゲームデータ43は、この他にも音楽ゲーム及びメダルゲームで使用する効果音データ等の種々のデータを含んでいるが、それらの図示は省略した。
プレイデータ
ステーション制御ユニット40が記憶部41に記憶されているゲームプログラム42を読み取って実行することにより、ステーション制御ユニット40の内部に論理的装置としての音楽ゲーム実行部48及びメダルゲーム実行部49が設けられる。音楽ゲーム実行部48は、音楽ゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。メダルゲーム実行部49は、メダルゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。
センター制御ユニット50には、模型駆動機構32が接続されている。また、センター制御ユニット50には、記憶部51が接続されている。記憶部51は、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を含む装置である。記憶部51には、ゲームプログラム52及びゲームデータ53が記憶されている。ゲームプログラム52は、ゲーム機1で音楽ゲーム及びメダルゲームを実行するためのプログラムである。ゲームデータ53は、ステーションユニットSTの記憶部41に記憶されているゲームデータ43と同じものである。
センター制御ユニット50が記憶部51に記憶されているゲームプログラム52を読み取って実行することにより、センター制御ユニット50の内部に論理的装置としてのゲーム管理部54が設けられる。ゲーム管理部54は、各ステーションユニットSTの音楽ゲーム及びメダルゲームの進行を管理するために必要な各種の処理を実行する。例えば、ゲーム機1で複数のユーザがゲームをプレイする場合、各ステーションユニットSTにおいて同じタイミングで楽曲が再生されるように各ステーションユニットSTの音楽ゲームの進行を管理する。また、例えば、一のステーションユニットSTで音楽ゲームが進行しているときに、他のステーションユニットSTでその音楽ゲームに途中参加を要求する操作が行われた場合、他のステーションユニットSTで音楽ゲームが途中からスタートするように、各ステーションユニットSTの音楽ゲームの進行を管理する。また、例えば、一のステーションユニットSTの音楽ゲームにおいて他のステーションユニットSTの音楽ゲームに影響を与える機会、例えばボーナスチャンス等が発生した場合に、各ステーションユニットSTの音楽ゲームでその機会に対応する処理、例えばボーナスゲームが実行されるように各ステーションユニットSTの音楽ゲームの進行を管理する。この他、ゲーム管理部54は、いずれかのステーションユニットSTでプレイされている音楽ゲームの楽曲に合わせて模型31が動くように模型駆動機構32を制御する。
次に、ゲーム機1で提供する音楽ゲームの概要を説明する。ゲーム機1では、楽曲に合わせた一連の操作をユーザに要求し、ユーザの操作時期を評価する音楽ゲームが提供される。上述したように音楽ゲームに関する制御や処理は、音楽ゲーム実行部48が行う。なお、ゲーム機1において複数のユーザが音楽ゲームをプレイする場合、各ステーションユニットSTでは共通の楽曲が再生され、複数のユーザはその共通の楽曲で音楽ゲームをプレイする。そのため、複数のユーザは、あたかも合奏しているように音楽ゲームをプレイする。この場合、各ユーザは、互いに異なる難易度で音楽ゲームをプレイしてもよい。
図6は音楽ゲームの進行中にモニタ11に表示されるゲーム画面GSの一例を示している。ゲーム画面GSの下端部には、操作基準標識60が表示される。そして、音楽ゲームの実行中、ゲーム画面GSには操作指示標識としてのオブジェクトOがシーケンスデータ46に従って表示される。オブジェクトOは、曲中の適当な時期にゲーム画面GSの上端部に出現し、矢印で示したように楽曲の進行に従って下方にスクロールされる。ユーザは、オブジェクトOの操作基準標識60への到達に合わせてコントローラ16をバチ17で叩く操作を要求される。この図に示すように、オブジェクトOには、強オブジェクトO1及び弱オブジェクトO2がある。また、操作基準標識60としては、強オブジェクトO1に対応した第1操作基準標識60a、及び弱オブジェクトO2に対応した第2操作基準標識60bが表示される。そして、強オブジェクトO1が第1操作基準標識60aに到達した場合は、ユーザは強い力でコントローラ16を叩く操作を要求され、弱オブジェクトO2が第2操作基準標識60bに到達した場合は、ユーザは弱い力でコントローラ16を叩く操作を要求される。
ユーザがコントローラ16を叩くと、オブジェクトOが操作基準標識60に一致した時刻と、ユーザの操作の時刻との間のずれ時間が検出される。また、ユーザがコントローラ16に加えた打撃力の大きさが検出される。なお、ずれ時間及び打撃力は、衝撃センサ16bの出力信号に基づいて検出すればよい。この音楽ゲームでは、ずれ時間が小さいほどユーザの操作が高く評価される。また、ユーザに強い力でコントローラ16を叩くよう要求したときに、コントローラ16に所定の閾値以上の打撃力が加えられた場合には、ユーザの操作がさらに高く評価される。評価結果は数値として算出され、操作毎に累計されてゲーム画面GSの得点表示部61に表示される。
また、この音楽ゲームでは、楽曲の進行に従ってメダル受け部25の位置が変更される。具体的には、次に操作基準標識60に到達するオブジェクトOが強オブジェクトO1の場合には、メダル受け部25をゲームフィールドGFの後端近くに設定された第1位置P1(図3参照)に動かす。一方、次に操作基準標識60に到達するオブジェクトOが弱オブジェクトO2の場合には、メダル受け部25をゲームフィールドGFの中央付近に設定された第2位置P2(図3参照)に動かす。なお、楽曲の再生中は、底面25bが閉じた状態に維持される。
そして、ユーザがコントローラ16を叩くと、ユーザの打撃力に基づいてメダルMの発射速度を設定し、設定した発射速度でメダル発射装置14からメダルMを発射する。発射速度は、打撃力が強いほど速くなるように設定する。
メダルMが発射されると、ゲーム画面GSの残り枚数表示部62に表示されている数値が1つ小さくなる。この残り枚数表示部62に表示される数値は、プレイデータ44のクレジットの数値である。なお、音楽ゲームの途中でもクレジットが0になるとメダルMの発射は中止されるが、音楽ゲームは楽曲の最後までプレイできる。発射したメダルMがメダル受け部25に入ると、ゲーム画面GSの成功枚数表示部63に表示されている数値が1つ大きくなる。
また、楽曲が最後まで再生されて音楽ゲームが終了すると、メダル受け部25が所定の位置、例えば第2位置P2に移動する。そして、図4に示したように底面25bが開き、テーブル20及びプッシャーテーブル21上にメダルMを供給する。また、この際には、音楽ゲームの評価結果に基づいてメダルMの枚数を算出し、算出した枚数のメダルMをメダル供給機構22から供給する。
次に、図7を参照してシーケンスデータ46について説明する。上述したように、シーケンスデータ46は、ユーザに適切な操作を要求すべき時期、つまりユーザが適切な操作を実行すべき操作時期を定義するためのデータである。図7はシーケンスデータ46の内容の一例を示す図である。この図に示すように、シーケンスデータ46は条件定義部46a及び操作シーケンス部46bを含んでいる。条件定義部46aには、音楽のテンポ、ビート、トラック、また、ユーザがコントローラ16を叩いたときに発生させるべき効果音を指定する情報等、楽曲毎に異なるゲームの実行条件を指定する情報が記述される。なお、図7では、条件定義部46aがシーケンスデータ46の先頭のみに設けられているが、操作シーケンス部46bの途中の適宜の位置にも条件定義部46aが追加されてよい。それにより、曲中のテンポの変更や、効果音の割り当ての変更といった処理を実現することができる。
操作シーケンス部46bには、コントローラ16の操作時期がユーザに要求する打撃力の強さと対応付けて記述される。すなわち、この図に示すように、操作シーケンス部46bは、楽曲中において操作が行われるべき時期(操作時期)と要求する打撃力の強さとを対応付けた複数のレコードの集合として構成されている。操作時期は、楽曲中の小節番号、拍数、及び拍中の時刻を示す値をカンマで区切って記述されている。拍中の時刻は、一拍の先頭からの経過時間であり、例えば一拍の時間長をn個の単位時間に等分したときのその拍の先頭からの単位数で表現される。例えば、n=100で、楽曲の一小節目の二拍目で、かつその拍の先頭から1/4だけ経過した時刻を操作時期として指定する場合には、“01,2,025”と記述される。打撃力の強さは、強い打撃を要求する場合に”1”と記述され、弱い打撃を要求する場合に”2”と記述される。図7の例では、一小節目の一拍目の開始時点(000)に強い力でコントローラ16を叩き、一小節目の四拍目の開始時点から”010”相当だけ経過した時期に弱い力でコントローラ16を叩くといった具合に操作時期及び打撃力の強さが指定されている。
なお、同一の楽曲に対して難易度が異なる複数のシーケンスデータ46を用意してもよい。この場合、例えば図7の操作シーケンス部46bから一部の操作を間引いて難易度を変更すればよい。具体的には、図7の操作シーケンス部46bにおける上から2番目及び4番目といった偶数番目の操作を削除する。これにより、ユーザに要求される操作の回数が減少するので、ゲームの難易度が低下する。
次に、ゲーム機1で提供するメダルゲームの概要を説明する。なお、上述したように、メダルゲームに関する制御や処理はメダルゲーム実行部49が行う。図3に示したようにテーブル20及びプッシャーテーブル21上には複数のメダルMが載置される。そして、ゲームフィールドGFには、メダル受け部25に入らなかったメダルMが供給される。また、音楽ゲームが終了すると、メダル受け部25に入ったメダルMもテーブル20上やプッシャーテーブル21上に供給される。さらに、音楽ゲームやメダルゲームで所定の供給条件が成立すると、メダル供給機構22からもメダルMが供給される。そして、このようにメダルMが供給されると、プッシャーテーブル21の往復運動によりメダルMがテーブル20から押し出されて落下部23又は回収部24に落下する。上述したように落下部23に落下したメダルMは、メダル検出センサに検出され、クレジットに加算される。このように各ステーションユニットSTでは、いわゆるプッシャーゲームが実行される。なお、ユーザが入力装置10の払出ボタンを操作した場合は、クレジットと同じ枚数のメダルMを払い出す。
次に、ゲーム機1にて音楽ゲームが実行される際の音楽ゲーム実行部48の処理を説明する。音楽ゲーム実行部48は、ゲームプログラム42を読み込んで音楽ゲームを実行するために必要な初期設定を終えると、ユーザからのゲーム開始の指示に備えて待機する。ゲーム開始の指示は、例えば所定枚数以上のメダルMの投入操作や、音楽ゲームでプレイする楽曲あるいは難易度の選択といった音楽ゲームで使用するデータを特定する操作を含む。なお、それらの指示を受け付ける手順は、適宜に設定してよい。
ゲーム開始が指示されると、音楽ゲーム実行部48は、ユーザが選択した曲に対応する楽曲データ45を読み取ってスピーカ15に出力することにより、スピーカ15から楽曲の再生を開始させる。また、音楽ゲーム実行部48は、楽曲の再生に同期して、ユーザの選択に対応したシーケンスデータ46を読み取って画像データ47を参照しつつゲーム画面GSの描画に必要な画像データを生成してモニタ11に出力する。さらに、音楽ゲームの実行中において、音楽ゲーム実行部48は、ゲーム画面GSの表示等に必要な処理として、図8、図9、及び図11〜図13に示す各ルーチンを所定の周期で繰り返し実行する。
図8は、音楽ゲーム実行部48が実行するシーケンス処理ルーチンのフローチャートの一例を示している。図8のルーチンが開始されると、音楽ゲーム実行部48は、まずステップS11で楽曲上の現在時刻を取得する。例えば、楽曲の再生開始時点を基準として、音楽ゲーム実行部48の内部クロックにて計時が開始され、その内部クロックの値から現在時刻が取得される。続くステップS12において、音楽ゲーム実行部48は、シーケンスデータ46から、ゲーム画面GSの表示範囲に相当する時間長に存在する操作時期のデータを取得する。表示範囲は、一例として現在時刻から将来に向かって楽曲の2小節相当の時間範囲に設定される。
次のステップS13において、音楽ゲーム実行部48は、ゲーム画面GSに表示すべき全てのオブジェクトOのゲーム画面GS内における座標を演算する。その演算は、例えば取得したデータの各操作時期と現在時刻との時間差に応じて、操作基準標識60からの時間軸方向(すなわち、オブジェクトOの移動方向)における各オブジェクトOの位置を判別する。これにより操作基準標識60から時間軸に沿って配置するために必要な各オブジェクトOの座標を取得することができる。
オブジェクトOの座標演算が完了すると、音楽ゲーム実行部48はステップS14に進み、シーケンスデータ46から取得したデータに基づき、ゲーム画面GSに表示すべき全てのオブジェクトOに関してユーザに要求する打撃力の強さを判別する。
次のステップS15において音楽ゲーム実行部48は、ステップS13で演算されたオブジェクトOの座標及びステップS14で判別されたオブジェクトOがユーザに要求する打撃力に基づいて、ゲーム画面GSに描画するために必要な画像データを生成する。具体的には、強オブジェクトO1又は弱オブジェクトO2が演算された座標に表示されるように画像データを生成する。なお、強オブジェクトO1及び弱オブジェクトO2の画像は、画像データ27から取得すればよい。
続くステップS16にて、音楽ゲーム実行部48はモニタ11に画像データを出力する。それにより、モニタ11にゲーム画面GSが表示される。その後、音楽ゲーム実行部48は、今回のシーケンス処理ルーチンを終了する。以上の処理が繰り返し実行されることにより、シーケンスデータ46にて記述された操作時期にオブジェクトOが操作基準標識60へ到達するようにゲーム画面GS内にてオブジェクトOがスクロール表示される。
次に、図9の操作評価ルーチンを説明する。このルーチンは、コントローラ16に対するユーザの操作を評価するためのルーチンである。図9の操作評価ルーチンが開始されると、音楽ゲーム実行部48は、まずステップS21で、衝撃センサ16bの出力信号を参照してコントローラ16に対する操作の有無を判別する。音楽ゲーム実行部48は、操作が無ければ今回のルーチンを終了し、操作があればステップS22へ進む。ステップS22において、音楽ゲーム実行部48は、衝撃センサ16bから出力された信号に基づいて操作が行われたタイミング(楽曲上の時刻)及びコントローラ16に加えられた打撃力を判別する。続くステップS23において、音楽ゲーム実行部48は、シーケンスデータ46に記述された直近の操作時期、つまりはシーケンスデータ46上で時間的に最も接近した操作時期を特定し、その操作時期と操作が行われた時刻との間のずれ時間を取得する。
次のステップS24において、音楽ゲーム実行部48は、ずれ時間が評価範囲内か否かを判別することにより、ユーザの操作が適切か否か判断する。評価範囲は、比較対象の操作時期を中心として前後に所定の時間範囲で設定される。一例として、図10に示したように、操作時期を中心として複数段のレベル(図ではレベルA〜C)が設定され、それらのレベルが設定されている時間範囲が評価範囲として扱われる。ステップS24にてずれ時間が評価範囲外の場合、音楽ゲーム実行部48は今回のルーチンを終了し、評価範囲内の場合にはステップS25に進む。
次のステップS25において、音楽ゲーム実行部48は、シーケンスデータ46上で時間的に最も接近した操作時期においてユーザに「強」、「弱」のいずれの打撃操作を要求したか判別する。続くステップS26において、音楽ゲーム実行部48は評価処理を行う。この評価処理では、まずステップS23で取得したずれ時間が図10のレベルA〜Cのいずれに属するかを判別することにより、ユーザの操作に対する評価を決定する。レベルAが最高評価であり、レベルB、Cの順に評価が下がる。各レベルにはそれぞれ得点が設定されており、レベルに応じてユーザの操作に対する得点が算出される。次に、ステップS25で判別した要求打撃操作に対して、ユーザが適切な打撃力でコントローラ16を叩いたか否か判断する。例えば、強い打撃操作の要求に対してユーザが所定の閾値以上の打撃力をコントローラ16に加えた場合に、適切な打撃力でコントローラ16を叩いたと判断する。適切な打撃力でコントローラ16を叩いたと判断した場合には、ずれ時間に基づいて算出した得点にさらに得点を加える。なお、得点を加える代わりに算出した得点を2倍や3倍にするなど算出した得点に適宜の数値を掛けてもよい。これによりユーザの操作に対する評価結果が算出される。
次のステップS27において、音楽ゲーム実行部48は、評価結果をモニタ11に表示する。また、音楽ゲーム実行部48は、評価結果に応じた効果音をスピーカ15から出力したり、評価結果に応じた演出をゲーム画面GSに生じさせる。その後、今回のルーチンを終了する。
次に、図11の目標移動制御ルーチンを説明する。このルーチンは、楽曲に合わせてメダル受け部25を動かすために実行するルーチンである。図11のルーチンが開始されると、音楽ゲーム実行部48は、まずステップS31で楽曲の再生中か否か判別する。楽曲が再生されていない場合は今回のルーチンを終了し、楽曲再生中である場合はステップS32に進む。ステップS32において、音楽ゲーム実行部48は楽曲上の現在時刻を取得する。なお、現在時刻は上述したステップS11と同様の方法で取得すればよい。次のステップS33において、音楽ゲーム実行部48は、シーケンスデータ46から、次に操作基準標識60に到達するオブジェクトOを判別する。この判別は、現在時刻と、シーケンスデータ46の各操作時期とに基づいて行えばよい。
次のステップS34において、音楽ゲーム実行部48は、メダル受け部25を移動させるべき位置を算出する。上述したように、この音楽ゲームでは、次に操作基準標識60に到達するオブジェクトOが強オブジェクトO1の場合には、メダル受け部25を第1位置P1に動かし、次に操作基準標識60に到達するオブジェクトOが弱オブジェクトO2の場合には、メダル受け部25を第2位置P2に動かす。そのため、移動させるべき位置は、ステップS33で判別した次に操作基準標識60に到達するオブジェクトOに基づいて算出すればよい。
次のステップS35において、音楽ゲーム実行部48は、ステップS34で算出した位置にメダル受け部25が移動するように目標駆動機構27を制御する。その後、今回のルーチンを終了する。
次に、図12のメダル発射制御ルーチンを説明する。このルーチンは、ユーザの操作に応じてメダル発射装置14からメダルMを発射するために実行するルーチンである。このルーチンにおいて、音楽ゲーム実行部48はまずステップS41でクレジット、すなわちゲーム機1に投入されているメダルMの枚数が0より大きいか否か判定する。クレジットが0以下と判定した場合は今回のルーチンを終了する。一方、クレジットが0より大きいと判定した場合はステップS42に進み、音楽ゲーム実行部48は、衝撃センサ16bの出力信号を参照してコントローラ16に対する操作の有無を判別する。操作が無い場合は、今回のルーチンを終了する。
一方、操作があった場合にはステップS43に進み、音楽ゲーム実行部48はコントローラ16に加えられた打撃力を取得する。打撃力は、衝撃センサ16bの出力信号に基づいて取得すればよい。次のステップS44において、音楽ゲーム実行部48はメダルMの発射速度を算出する。発射速度は、例えば打撃力が強いほど発射速度が速くなるように打撃力に基づいて算出すればよい。この場合、打撃力が強いほどメダルMの飛距離が大きくなる。また、例えば標準的な飛距離(例えば、メダル発射装置14からゲームフィールドGFの中央までの距離)が出る基準発射速度を予め設定し、打撃の強さ又は弱さに応じてその基準発射速度に係数を掛けて、発射速度を算出してもよい。続くステップS45において、音楽ゲーム実行部48は、算出した発射速度でメダルMが発射されるようにメダル発射装置14を制御する。また、音楽ゲーム実行部48は、クレジットを1減算する。その後、今回のルーチンを終了する。
次に、図13のメダル放出ルーチンを説明する。このルーチンは、音楽ゲームの終了時にメダル受け部25のメダルMをゲームフィールドGFに供給するために実行するルーチンである。このルーチンにおいて、音楽ゲーム実行部48は、まずステップS51で楽曲の再生が終了したか否か判定する。楽曲再生中の場合は今回のルーチンを終了する。
一方、楽曲の再生が終了している場合はステップS52に進み、音楽ゲーム実行部48は、音楽ゲームの評価結果に基づいてゲーム終了時にメダル供給機構22からゲームフィールドGFに供給するメダルMの枚数(以下、ボーナス枚数と称することがある。)を算出する。ボーナス枚数は、音楽ゲームの評価結果が高いほど多くなるように適宜に設定すればよい。例えば、音楽ゲーム終了時の得点が1000未満の場合はボーナス枚数を0枚とし、得点が1000〜2999の間の場合はボーナス枚数を100枚とし、得点が3000以上の場合はボーナス枚数を200枚とする。
次のステップS53において、音楽ゲーム実行部48は、メダル受け部25が第2位置P2に移動するように目標駆動機構27を制御する。続くステップS54において、音楽ゲーム実行部48は、開閉機構28を制御してメダル受け部25の底面25bを開けるとともに、ボーナス枚数のメダルMが供給されるようにメダル供給機構22を制御する。その後、今回のルーチンを終了する。
以上に説明したように、本形態のゲーム機1においては、楽曲に合わせた一連の操作をユーザに要求し、その要求に応じてユーザがコントローラ16を叩くとゲームフィールドGFにメダルMが発射される。この際、ユーザの操作に応じた発射速度でメダルMを発射するので、ユーザはメダルMの飛距離を制御できる。このようにゲーム機1ではユーザの操作に応じて実際に物が動くので、ユーザの操作に対する演出の幅を拡大できる。また、ゲーム機1ではメダル受け部25がユーザに要求する操作に合わせて移動するので、ユーザが適切にコントローラ16を操作するとメダルMがメダル受け部25に入る。そのため、ゲームの興趣を高めることができる。
さらに、ゲーム機1では、音楽ゲームが終了するとメダル受け部25の底面25bが開いてメダルMがゲームフィールドGFに放出される。また、音楽ゲームの評価結果に応じてボーナス枚数のメダルMがゲームフィールドGFに供給される。そのため、これらのメダルMによってテーブル20やプッシャーテーブル21上のメダルMを押し出して落下部23に落とすことができる。そして、このようにメダルMを獲得することにより、ユーザはクレジットを増やして音楽ゲームを再度プレイすることができる。
なお、ゲーム機1においてゲームフィールドGFに設けるメダル受け部25の数は1つに限定されない。例えば、メダル受け部25の他にも、メダルMを溜めることが可能な受け部を設けてもよい。そして、例えば、この受け部に、所定の枚数(例えば、10枚)のメダルMが溜まると、ユーザにボーナスゲームを行わせてもよい。ボーナスゲームとしては、例えばユーザにコントローラ16を連打するように指示する。そして、連打した数に応じたクレジットをユーザに付与する。なお、このボーナスゲームは、成立時にゲーム機1でゲームをプレイしている全ユーザに付与してもよい。
複数のユーザがゲーム機1で音楽ゲームをプレイしていた場合は、その音楽ゲームの終了時に最も得点が高かったユーザに、次の音楽ゲームで再生する楽曲を決める権利を付与してもよい。
上述した形態では、シーケンスデータ46に「ユーザに要求する打撃力の強さ」を記述したが、これに代えて「メダル受け部25の位置」をコントローラ16の操作時期と対応付けて記述してもよい。具体的には、打撃力の強さ”1”の代わりにメダル受け部25の位置”P1”を記述し、打撃力の強さ”2”の代わりにメダル受け部25の位置”P2”を記述する。この場合、音楽ゲームでは、メダル受け部25の位置が”P1”の場合には、強オブジェクトO1をゲーム画面GSに表示し、メダル受け部25の位置が”P2”の場合には、弱オブジェクトO2をゲーム画面GSに表示すればよい。
なお、上述した形態では、メダルMが本発明の遊技媒体に相当する。コントローラ16が本発明の操作部に相当する。メダル受け部25が本発明の目標に相当する。メダル発射装置14が本発明の発射手段に相当する。衝撃センサ16bが本発明の操作検出手段に相当する。目標駆動機構27が本発明の駆動機構に相当する。記憶部41が本発明の記憶手段に相当する。図12のステップS44を実行することによりステーション制御ユニット40が本発明の設定手段として機能する。また、図12のステップS45を実行することによりステーション制御ユニット40が本発明の制御手段として機能する。そのため、メダル発射装置14、衝撃センサ16b、及びステーション制御ユニット40が本発明の遊技媒体発射手段に対応する。図11のルーチンを実行することによりステーション制御ユニット40が本発明の目標位置制御手段として機能する。そのため、目標駆動機構27及びステーション制御ユニット40が本発明の目標位置変更手段に対応する。また、図13のステップS54を実行することによりステーション制御ユニット40が本発明の状態制御手段として機能する。メダル受け部25の底面25bが閉じている状態が本発明の貯留状態に相当し、底面25bが開いている状態が本発明の供給状態に相当する。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、上述した形態では、ユーザの操作に応じて発射する遊技媒体としてメダルMで説明したがこれに限られない。例えば、ボールや立方体等を遊技媒体として用いてもよい。
ゲーム機1に設けられるコントローラは、太鼓を模したコントローラに限定されない。例えば、ドラム等の他の打楽器を模した打楽器型コントローラを設けてもよい。また、打撃操作で操作する押ボタンスイッチを打撃操作部として入力装置に設けてもよい。この場合は、スイッチの内部に衝撃センサを設けて、スイッチに加えられた打撃力を検出すればよい。打撃力を検出するセンサは、衝撃センサに限定されない。加速度センサや振動センサで打撃力を検出してもよい。この他、打撃力を検出可能な適宜のセンサを用いてよい。また、ボールやホイール等を回転させることによって入力操作を行うコントローラを設けてもよい。この場合、ユーザがボールやホイールを回転操作したときのボールやホイールの回転量に基づいてユーザがボールやホイールに加えた操作力の大きさを検出する。そして、検出した操作力の大きさに基づいてメダルMの発射速度を算出すればよい。
また、各ステーションユニットに設けられるコントローラの数は1つに限定されず、各ステーションユニットに2つ以上のコントローラを設けてもよい。
上述した形態では、音楽ゲームにおいて、コントローラを強く叩く操作と、コントローラを弱く叩く操作をユーザに要求したが、ユーザに要求する操作の種類は2つに限定されず、3種類以上の操作を要求してよい。例えば、強く叩く操作、弱く叩く操作に加えてそれらの間の中程度の強さで叩く操作をユーザに要求してもよい。また、複数のコントローラが設けられている場合には、各コントローラへの操作を要求してよい。この場合、例えば、ユーザが正しいコントローラ(操作を要求したコントローラ)を操作するとメダルがメダル受け部に到達する適切な発射速度を設定し、ユーザが間違ったコントローラ(操作を要求していないコントローラ)を操作した場合は、適切な発射速度よりも速かったり遅かったりする発射速度を設定すればよい。
また、発射速度を設定する方法として、要求した操作に対してユーザが正しい操作を行ったというある程度の目安を得た場合には、メダルがメダル受け部に確実に入るように発射速度を設定してもよい。上述した形態を用いて具体的に説明すると、例えば、コントローラを強く叩く操作を要求したときに、ユーザが所定の閾値以上の打撃力でコントローラを叩いた場合には、メダルMが第1位置P1にあるメダル受け部25に確実に入る発射速度が設定される。一方、コントローラを弱く叩く操作を要求したときに、ユーザが所定の閾値未満の打撃力でコントローラを叩いた場合には、メダルMが第2位置P2にあるメダル受け部25に確実に入る発射速度が設定される。
上述した形態では、ユーザの打撃力(操作力)に応じてメダルMの発射速度を設定したが、ユーザの操作力に応じて設定する発射条件はこれに限定されない。メダルMの飛距離は、発射速度に代えて発射角度を変化させても変更できる。そこで、例えば、発射角度を変更可能なメダル発射装置を設け、ユーザの操作力に応じて発射角度を変更してもよい。この場合、例えばユーザの操作力が大きいほどメダルMの飛距離が大きくなるように発射角度を変更する。
また、左右に発射方向を変更可能なメダル発射装置を設け、ユーザの操作力に応じて発射方向を変更してもよい。この場合、例えば、ユーザに要求した操作力とユーザの操作力とがほぼ同じ場合にはメダルMが真っ直ぐに発射され、ユーザに要求した操作力とユーザの操作力との差が大きい場合にはメダルMが左方向又は右方向に発射されるように発射方向を変更すればよい。さらに、ユーザの操作力に応じて発射速度、発射角度、及び発射方向をそれぞれ変更してもよい。
メダルMの発射方向は、ずれ時間に応じて変更してもよい。例えば、ずれ時間が図10のレベルAに属する場合は、メダルMが真っ直ぐに発射するように発射方向を変更する。一方、ずれ時間がレベルBに属する場合には、メダルMが右又は左に少し曲がって発射し、ずれ時間がレベルCに属する場合には、メダルMが右又は左に大きく曲がって発射するように、発射方向を変更する。
音楽ゲームにおけるユーザの操作に関して、上述した形態ではずれ時間及び打撃力に基づいて判定を行ったが、判定方法はこれに限定されない。例えば、ユーザの操作によって発射されたメダルがメダル受け部に入ったか否かで、音楽ゲームにおけるユーザの操作を判定してもよい。この場合、音楽ゲームの要素、すなわちユーザに要求する打撃力や操作時期等は、目標を示す指標としてのみ機能してもよい。また、上述した形態では、衝撃センサの出力信号に基づいて、ユーザの操作のずれ時間及び打撃力を判定したが、これらを判定する方法はこれに限定されない。例えば、ユーザの操作のタイミングに関しては、上述した形態と同様にずれ時間で判定し、打撃力に関しては、メダルがメダル受け部に入ったか否かで判定してもよい。このようにユーザの操作を判定する方法については、適宜の方法を組み合わせて用いてよい。
上述した形態では、メダル受け部25を移動させることによってメダルが到達すべき目標の位置を変更したが、目標の位置を変更する方法はこれに限定されない。例えば、図14に示すようにゲームフィールドGFに複数の到達対象部70a〜70dを設け、ユーザに要求する操作に応じてそれら複数の到達対象部70a〜70dのうちの一つをユーザに目標として指示することによって、目標の位置を変更してもよい。なお、図14において図3と共通の部分には、同一の符号を付して説明を省略する。複数の到達対象部70a〜70dは、互いに異なる位置に設けられる。また、複数の到達対象部70a〜70dは、テーブル20及びプッシャーテーブル21と干渉しない高さに設けられる。ユーザへの指示は、適宜の方法で行えばよい。例えば、到達対象部にランプやLEDを設け、目標として指示する到達対象部を光らせることによって指示してもよいし、目標として指示する到達対象部にスポットライトを当てて指示してもよい。
また、メダルMが到達すべき目標は、賽銭箱を模したメダル受け部25に限定されない。例えば、遊技媒体としてボールを用いる場合には、バスケットボールのゴールを模したものを目標として設けてもよい。また、この場合には、ゴールの位置を適宜に動かし、その位置にボールが到達するようにユーザに操作を要求してもよい。なお、この場合には、音楽ゲームである必要はない。その他、目標には、遊技媒体を溜めることが可能な適宜の形状のものを用いてよい。
上述した形態では音楽ゲームを示したが、操作部に対する所定の操作をユーザに要求するゲームは音楽ゲームに限定されない。例えば、音楽を流さずに、所定のデータに従って目標の位置を変更し、その目標に遊技媒体が到達する操作をユーザに要求するゲームでもよい。また、この場合におけるデータの再生は、時刻によらずにユーザの行動単位で行ってもよい。すなわち、目標の位置は、時刻によらずに、ユーザが操作を行う毎に変更してよい。さらに、目標の位置の変更は、予め定められたデータによらず、ランダムに行ってもよい。この他、本発明のゲーム機の一形態においては、目標の位置を変更しなくてもよい。例えば、ゲームフィールドに目標を一つ設け、その目標は動かないように固定されていてもよい。この場合、ユーザには、所定の操作として、遊技媒体がその目標に到達するような大きさの操作力で操作部を操作することが要求される。
上述した形態では、ゲームフィールドにてメダルゲームを実行しているが、このメダルゲームは無くてもよい。例えば、メダルやボール等の遊技媒体が目標に到達すると、音楽ゲームで得点が獲得できるようにしてもよい。この場合、目標は、遊技媒体を溜めることができないものでもよい。
以下に、上述の内容から得られる本発明の一例を記載する。なお、以下の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係るゲーム機(1)は、操作部(16)を有する入力装置(10)を備え、前記操作部に対する所定の操作をユーザに要求するゲームを提供するゲーム機であって、前記操作部に対する前記所定の操作に応じてゲームフィールド(GF)に遊技媒体(M)を発射する遊技媒体発射手段を備え、前記ゲームフィールドには、前記遊技媒体を到達させるべき目標(25)が設けられ、前記遊技媒体発射手段は、前記遊技媒体を発射する発射手段(14)と、前記操作部に対する操作力の大きさを検出する操作検出手段(16b)と、前記操作検出手段の検出結果に基づいて前記遊技媒体の飛距離及び発射方向の少なくともいずれか一方の発射条件を設定する設定手段(40)と、前記設定手段が設定した発射条件で前記遊技媒体が発射されるように前記発射手段を制御する制御手段(40)と、を含むものである。
本発明のゲーム機では、ユーザが操作部に対して操作を行うと、操作力の大きさに基づいて設定された発射条件で遊技媒体が発射される。このように本発明のゲーム機では、ユーザが操作部に加えた操作力に応じて実際に物が動くので、ユーザの操作に対する演出の幅を拡大できる。
本発明のゲーム機の一態様においては、前記目標の位置を所定の条件に基づいて変更する目標位置変更手段(27、40)をさらに備えていてもよい。このように、目標を設けてその目標の位置を変更することにより、ゲームの興趣を高めることができる。
目標の位置を変更する方法には適宜の方法を採用してよい。例えば、前記目標は、前記ゲームフィールド内を移動可能に設けられ、前記目標位置変更手段は、前記目標を駆動する駆動機構(27)と、前記所定の条件に基づいて前記駆動機構を制御する目標位置制御手段(40)と、を含んでいてもよい。また、前記ゲームフィールドには、複数の到達対象部(70a〜70d)が、互いの位置が異なるように設けられ、前記目標位置変更手段は、前記所定の条件に基づいて、前記複数の到達対象部のうちの少なくとも一つを前記目標として前記ユーザに指示してもよい。
本発明のゲーム機の一態様においては、予め定められたデータ(46)を記憶する記憶手段(41)をさらに備え、前記所定の条件は、前記データに基づいて設定されてもよい。この態様によれば、ゲーム中における目標の位置を予め設定することができる。
この態様においては、前記ゲームとして、楽曲を再生しつつ前記楽曲に合わせた一連の操作を前記ユーザに要求する音楽ゲームが提供され、前記データは、前記楽曲の再生中において前記操作部を操作すべき操作時期が記述されたシーケンスデータ(46)であってもよい。この態様によれば、楽曲に合わせてユーザに操作を要求したり目標の位置を変更したりするので、ユーザの飽きを抑制することができる。
本発明のゲーム機の一態様においては、前記操作部として、前記ユーザによる打撃操作を受ける打撃操作部(16)が設けられ、前記所定の操作は、前記打撃操作部を叩く操作であり、前記操作検出手段は、前記打撃操作部に加えられた打撃力の大きさを検出し、前記設定手段は、前記操作検出手段が検出した打撃力の大きさに基づいて前記遊技媒体の飛距離を設定してもよい。また、この態様においては、前記打撃操作部として、打楽器を模した打楽器型コントローラ(16)が設けられていてもよい。これらの態様によれば、打撃操作部を叩く操作で遊技媒体が発射し、そのときの打撃力の大きさで遊技媒体の飛距離が決まるので、遊技媒体の飛距離の調整方法をユーザに容易に分からせることができる。
本発明のゲーム機の一態様において、前記発射手段は、前記遊技媒体としてメダル(M)を前記ゲームフィールドに発射し、前記ゲームフィールドでは、前記ゲームフィールドに供給された複数の前記メダルの移動に応じて進行するメダルゲームが実行され、前記目標として、前記メダルを貯留する貯留状態と、貯留している前記メダルを前記ゲームフィールドに供給する供給状態とに切り替え可能なメダル受け部(25)が設けられ、前記ゲーム中は前記メダル受け部を前記貯留状態に切り替え、前記ゲームの終了時に前記メダル受け部を前記供給状態に切り替える状態制御手段(40)をさらに備えていてもよい。この態様によれば、ユーザはゲームをプレイすることにより、メダルゲームもプレイすることができる。また、この態様では、ゲームの終了時にメダル受け部からメダルがゲームフィールドに供給されるので、メダル受け部にメダルを到達させる動機付けをユーザに付与できる。
本発明の一態様に係る制御方法は、操作部(16)を有する入力装置(10)を備え、前記操作部に対する所定の操作をユーザに要求するゲームを提供するゲーム機(1)の制御方法であって、前記ゲーム機は、前記操作部に対する前記所定の操作に応じてゲームフィールド(GF)に遊技媒体(M)を発射する遊技媒体発射手段を備え、前記ゲームフィールドには、前記遊技媒体を到達させるべき目標(25)が設けられ、前記遊技媒体発射手段は、前記遊技媒体を発射する発射手段(14)と、前記操作部に対する操作力の大きさを検出する操作検出手段(16b)と、を備え、前記ゲーム機に組み込まれるコンピュータ(40)に、前記操作検出手段の検出結果に基づいて前記遊技媒体の飛距離及び発射方向の少なくともいずれか一方の発射条件を設定する設定ステップ(S44)と、前記設定ステップにて設定した発射条件で前記遊技媒体が発射されるように前記発射手段を制御する制御ステップ(S45)と、を実行させるものである。
また、本発明の一態様に係るゲーム機用のコンピュータプログラムは、操作部(16)を有する入力装置(10)を備え、前記操作部に対する所定の操作をユーザに要求するゲームを提供するゲーム機(1)用のコンピュータプログラムであって、前記ゲーム機は、前記操作部に対する前記所定の操作に応じてゲームフィールド(GF)に遊技媒体(M)を発射する遊技媒体発射手段を備え、前記ゲームフィールドには、前記遊技媒体を到達させるべき目標(25)が設けられ、前記遊技媒体発射手段は、前記遊技媒体を発射する発射手段(14)と、前記操作部に対する操作力の大きさを検出する操作検出手段(16b)と、を備え、前記ゲーム機に組み込まれるコンピュータ(40)を、前記操作検出手段の検出結果に基づいて前記遊技媒体の飛距離及び発射方向の少なくともいずれか一方の発射条件を設定する設定手段、及び前記設定手段が設定した発射条件で前記遊技媒体が発射されるように前記発射手段を制御する制御手段、として機能させるように構成されているものである。本発明の制御方法若しくはコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲーム機を実現することができる。
なお、本発明に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のゲーム機を実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一時的な記憶媒体であってもよい。