JP2016166834A - 放射性物質の分析方法および装置 - Google Patents

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文昌 長谷
中谷 達也
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達也 中谷
哲徳 井上
Tetsunori Inoue
哲徳 井上
優一 遠矢
Yuichi Toya
優一 遠矢
逸生 赤澤
Itsuo Akazawa
逸生 赤澤
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Abstract

【課題】放射性物質を簡便かつ正確に分析すること。【解決手段】溶融物を破砕して微粉末を生成する工程と、微粉末を回収してフィルタに担持させる工程と、フィルタごと微粉末を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、フィルタの発光スペクトルを除いた発光スペクトルから微粉末に含有する元素成分を計測する工程と、を含む。【選択図】図8

Description

本発明は、原子炉格納容器や原子炉圧力容器の内部にある放射性物質を分析するための放射性物質の分析方法および装置に関する。
原子力発電プラントとして、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)や沸騰水型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)などがある。加圧水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材および中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する。一方、沸騰水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材および中性子減速材として使用し、この軽水を炉心で沸騰させて蒸気を発生させ、この蒸気を直接タービン発電機に送って発電する。
原子炉にて、原子炉格納容器は、岩盤などの堅固な地盤上に立設され、鉄筋コンクリートなどにより内部に複数のコンパートメントが区画されている。そして、このコンパートメントを画成する筒形状をなすコンクリート構造物により、中心部に原子炉容器が垂下して支持され、その下方にキャビティが画成されている。この原子炉は、原子炉容器内に複数の燃料棒と所定数の制御棒が格子状に配列されて格納されている。
原子力発電プラントにて、過酷事故(シビアアクシデント)が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉容器の内部の炉心を冷却することで発生する熱を十分に除去する。ところが、この緊急炉心冷却装置が故障すると、炉心を冷却することができず、原子炉容器の内部の炉心が溶融し、溶融した燃料などの溶融物がキャビティへ落下する。そして、この溶融物は、キャビティで受け止められ、冷却水により冷却されて安全性が確保される。その後、冷却されて固化した溶融物は、所定温度まで低下した後に、専用の収納容器などに収納されて外部に搬出される。
原子炉で過酷事故が発生することで炉心が溶融したとき、炉心溶融物がキャビティで冷却水により冷却されるが、冷却後の処理においては、溶融物を分析して原子炉の破損状態を把握したり、炉心溶融物の処理方法を把握したりする必要がある。
従来、例えば、特許文献1に記載された放射性廃棄物の選別装置およびその選別方法は、高速中性子を放射性廃棄物容器に収納した放射性廃棄物に照射し、熱中性子用検出器および高速中性子用検出器により放射性廃棄物容器内で減速された熱中性子線束および散乱を受けることなく透過した高速中性子をそれぞれ測定し、両者の比率を測定することにより放射性廃棄物中に含まれる元素の成分量を測定する。
また、従来、例えば、特許文献2に記載された放射性ガラスの発光分光分析方法は、放射性ガラスの粉末試料を分散媒体中に均一に分散させ、懸濁した分散媒体の一部を黒鉛カップに秤取り、加熱して分散媒体を蒸発させて黒鉛カップ中に微少量のガラス試料を残留させ、その黒鉛カップを誘導結合プラズマ中に直接導入して励起発光させ、検出した発光スペクトルからガラス中の成分を定量する。
特開平7−209493号公報 特開平5−34287号公報
ところで、炉心溶融物は、燃料集合体が溶融した後に固化して生成されたものである。そのため、炉心溶融物は、燃料を構成するウランやプルトニウムだけでなく、鉄など他の金属を含有している。炉心溶融物の分析装置としては、非破壊検査が一般的であり、例えば、特許文献2に示すようにプラズマ発光分光分析法がある。特許文献2では、μgオーダーの放射性ガラス試料を精度よくサンプリングするために黒鉛カップ中に微少量のガラス試料を残留させ、黒鉛カップごとプラズマ中に直接導入させている。また、特許文献2において、黒鉛カップの使用の理由として、プラズマは、高周波電場によって励起された電離気体であり、高周波電場中に高周波誘導を引き起こす物質の存在はプラズマの持続、安定に影響を与えることから試料導入部の材料として金属は使用できないこと、高温強度を有する高純度物質が必要であること、が挙げられている。
しかし、特許文献2において、試料を所定の重さで正確に採取し、分散媒体である1%エチルアルコール溶液50mlを正確に添加し、攪拌分散し、マイクロピペットで20μlを分取して黒鉛カップへ注入し、蒸発乾燥後に分析を行っている。従って、分析するまでに工程数が多く、かつ正確さが要求されるため、作業が容易でなく迅速性に欠ける。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、原子炉内部の放射性物質を簡便かつ正確に分析することのできる放射性物質の分析方法および装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の放射性物質の分析方法は、放射性物質を破砕して粒状物を生成する工程と、前記粒状物を回収して受容体に担持させる工程と、前記受容体ごと前記粒状物を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、前記受容体の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから前記粒状物に含有する元素成分を計測する工程と、を含むことを特徴とする。
この放射性物質の分析方法によれば、粒状物を回収して受容体に担持させ、この受容体ごと誘導結合プラズマ中に導入することから、従来のように溶液に添加し、攪拌分散し、分取してから黒鉛カップへ注入するような分析方法と比較して工程数を減らすことができ、簡便に分析を行うことができる。しかも、受容体ごと粒状物を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、受容体の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから粒状物に含有する元素成分を計測することから、受容体を除いた正確な分析を行うことができる。
また、本発明の放射性物質の分析方法では、前記受容体の元素成分として前記粒状物に含有し得る元素成分を定量化し、検出した発光スペクトルから前記受容体の発光スペクトルを除くことを特徴とする。
この放射性物質の分析方法によれば、検出した発光スペクトルから受容体の元素成分の発光スペクトルを容易かつ正確に除くことができる。
また、本発明の放射性物質の分析方法では、前記受容体の元素成分として前記粒状物に含有し得ない元素成分を定量化し、検出した発光スペクトルから前記受容体の発光スペクトルを除くことを特徴とする。
この放射性物質の分析方法によれば、検出した発光スペクトルから受容体の元素成分の発光スペクトルを容易かつ正確に除くことができる。
また、本発明の放射性物質の分析方法では、前記受容体を誘導結合プラズマ中に導入する以前に、前記粒状物が担持された前記受容体の重量を計測する工程を含み、元素成分を計測する工程において、前記受容体の単体の重量を除いた重量に基づき前記粒状物の元素成分を計測することを特徴とする。
この放射性物質の分析方法によれば、粒状物の重量を容易に得ることができ、粒状物の元素成分を正確に計測することができる。
また、本発明の放射性物質の分析方法では、前記粒状物が担持された前記受容体の重量を計測する以前に、前記受容体と共に当該受容体に担持された前記粒状物を乾燥させる工程を含むことを特徴とする。
この放射性物質の分析方法によれば、乾燥により水分を飛ばすことで粒状物の重量を正確に得ることができる。
上述の目的を達成するために、本発明の放射性物質の分析装置は、放射性物質を破砕して粒状物を生成する破砕部と、前記破砕部により生成された前記粒状物を回収して受容体に担持させる回収部と、前記受容体と共に前記粒状物を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、検出された発光スペクトルについて前記受容体の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから前記粒状物に含有する元素成分を計測する分析部と、を備えることを特徴とする。
この放射性物質の分析装置によれば、粒状物を回収して受容体に担持させ、この受容体ごと誘導結合プラズマ中に導入することから、従来のように溶液に添加し、攪拌分散し、分取してから黒鉛カップへ注入するような分析方法と比較して工程数を減らすことができ、簡便に分析を行うことができる。しかも、受容体ごと粒状物を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、受容体の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから粒状物に含有する元素成分を計測することから、受容体を除いた正確な分析を行うことができる。
また、本発明の放射性物質の分析装置では、前記回収部は、前記破砕部により生成された粒状物を吸引し前記受容体に送ることを特徴とする。
この放射性物質の分析装置によれば、粒状物を吸引し受容体に送ることで、破砕部により生成された粒状物の搬送を容易に行うことができる。
また、本発明の放射性物質の分析装置では、前記粒状物が担持された前記受容体の重量を計測する重量計測部を備えることを特徴とする。
この放射性物質の分析装置によれば、粒状物の重量を容易に得ることができ、粒状物の元素成分を正確に計測することができる。
また、本発明の放射性物質の分析装置では、前記重量計測部により重量を計測する以前に、前記受容体と共に当該受容体に担持された前記粒状物を乾燥させる乾燥部を備えることを特徴とする。
この放射性物質の分析装置によれば、乾燥により水分を飛ばすことで粒状物の重量を正確に得ることができる。
また、本発明の放射性物質の分析装置では、前記回収部から前記分析部に至り前記受容体を移送する移送部を備えることを特徴とする。
この放射性物質の分析装置によれば、回収部から分析部への受容体の移送を容易に行うことができる。
また、本発明の放射性物質の分析装置では、前記分析部が放射線を遮蔽するセル内に配置されることを特徴とする。
この放射性物質の分析装置によれば、放射線に曝される環境下にて分析作業を安全に行うことができる。
本発明によれば、放射性物質を簡便かつ正確に分析することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る放射性物質の分析装置が適用される沸騰水型原子炉の概略縦断面図である。 図2は、図1に示す沸騰水型原子炉の概略水平断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る放射性物質の分析装置の概略構成図である。 図4は、本発明の実施形態に係る放射性物質の分析装置における破砕部の概略図である。 図5は、本発明の実施形態に係る放射性物質の分析装置における回収部の概略図である。 図6は、本発明の実施形態に係る放射性物質の分析装置における受容体の概略図である。 図7は、本発明の実施形態に係る放射性物質の分析装置の概略図である。 図8は、放射性物質の計測方法のフローチャートである。 図9は、検出した発光スペクトルの一例の説明図である。 図10は、本発明の実施形態に係る放射性物質の分析装置の他の例が適用される沸騰水型原子炉の概略縦断面図である。 図11は、図10に示す沸騰水型原子炉の概略水平断面図である。 図12は、本発明の実施形態に係る放射性物質の分析装置の他の例における破砕部および回収部の概略図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る放射性物質の分析装置が適用される沸騰水型原子炉の概略縦断面図である。図2は、図1に示す沸騰水型原子炉の概略水平断面図である。
本実施形態の原子炉は、軽水を原子炉冷却材および中性子減速材として使用し、この軽水を炉心で沸騰させて蒸気を発生させ、この蒸気を直接タービン発電機に送って発電する沸騰水型原子炉である。
この沸騰水型原子炉は、図1および図2に示すように、原子炉格納容器11内に原子炉12が格納されている。原子炉格納容器11は、原子炉建屋13内に設置されている。原子炉格納容器11は、原子炉12を覆う鋼鉄製のもので、上端部に上蓋14が取り付けられることで密封されている。原子炉格納容器11は、内部に形成されたドライウェル15と、冷却水を充填された圧力抑制プールが内部に形成される複数の圧力抑制室16とを有している。ドライウェル15および圧力抑制室16は、ベント通路17を介して連結され、このベント通路17の先端部が圧力抑制室16における圧力抑制プールの冷却水中に浸漬されている。
原子炉建屋13は、原子炉格納容器11を支持している。原子炉建屋13は、鉄筋コンクリート製の障壁により原子炉格納容器11の周囲を覆っており、原子炉格納容器11における上蓋14の上方に、放射線遮へい体として機能するシールドプラグ18が配置され、これらのシールドプラグ18により原子炉格納容器11が密閉状体で保持される。
原子炉12は、上蓋19が取り付けられて構成される原子炉容器20、核燃料物質を含む複数の燃料集合体が装荷された炉心21、気水分離器22、蒸気乾燥器23などにより構成されている。炉心21、気水分離器22、蒸気乾燥器23は、原子炉容器20の内部に配置されている。また、原子炉容器20は、その内部に、炉心21を取り囲むように炉心シュラウド24が配置されている。
炉心21は、内部に複数の燃料集合体が装荷され、各燃料集合体の下端部を炉心支持板25により支持し、各燃料集合体の上端部を上部格子板26により保持する。気水分離器22は、上部格子板26よりも上方に配置されている。蒸気乾燥器23は、気水分離器22の上方に配置されている。
炉心21の下方から複数の制御棒27が挿入されるように配置されている。各制御棒27は、制御棒案内管(図示略)内に配置されており、上下方向に移動自在となり、炉心21の内部に配置されている複数の燃料集合体の間に対して出し入れされ、これにより原子炉出力が制御される。原子炉容器20における下側の半球状の下鏡に、制御棒駆動機構28が取り付けられ、この制御棒駆動機構28は、制御棒27を出し入れ可能に連結されている。
また、原子炉容器20は、原子炉格納容器11内の底部に設けられたコンクリートマット29上に立設された筒状のペデスタル30上に据付けられている。ペデスタル30は、その上端に筒状のγ線遮蔽体31が設置され、このγ線遮蔽体31により原子炉容器20の外側を取り囲んでいる。
そして、原子炉12は、原子炉容器20の内部に水が供給され、燃料集合体をなす燃料棒から発生する熱で蒸気が生成される。生成された蒸気は、気水分離器22および蒸気乾燥器23を経て、図示しないが、蒸気配管を通して原子炉建屋13外の蒸気タービンに送られ、この蒸気により蒸気タービンを駆動して発電機により発電を行う。蒸気タービンを駆動した蒸気は、図示しないが、復水器で海水を用いて冷却されて復水となり、復水配管を通して原子炉12に戻される。
このような原子力発電プラントにて、過酷事故が発生した場合、緊急炉心冷却装置が作動し、原子炉容器20の内部の炉心21を冷却することで発生する熱を十分に除去する。ところが、緊急炉心冷却装置が故障すると、炉心21を冷却することができず、原子炉容器20の内部の炉心21などが溶融し、溶融した燃料などの溶融物(放射性物質、デブリ)Mが原子炉容器20の底部に堆積したり、原子炉容器20をも溶融してコンクリートマット29に落下したりする。この場合、原子炉格納容器11は、内部に冷却水が噴射されることで冷却され、また、ペデスタル30内に冷却水(図3における符号W)が貯留されることで溶融物Mが冷却されて固化する。
炉心21が溶融するような過酷事故が発生したとき、コンクリートマット29上に固化して堆積した溶融物Mを取り出して処理する必要がある。原子炉格納容器11内の溶融物Mを取り出して処理する場合、コンクリートマット29上の溶融物Mを分析して原子炉12の破損状態を把握し、その後に、溶融物Mを取り出して定量的に分析して処理方法を把握する。
本実施形態は、原子炉12の破損状態を把握するため、炉心21などが溶融してコンクリートマット29に堆積した放射性物質としての溶融物Mを分析するための分析方法および装置に関する。そして、本実施形態の放射性物質の分析方法では、原子炉格納容器11内に固化した溶融物Mがあるとき、原子炉建屋13内に放射線を遮へいすることができ、かつ放射性物質が飛散しないように密封できる処理用セル61を設置して各種の作業を行う。
原子炉建屋13は、図1および図2に示すように、中央部に原子炉12(原子炉容器20)を支持する原子炉格納容器11が配置され、その外側に外部の地面G(グランドレベル)とほぼ同じ高さで部屋51が設けられている。この部屋51は、原子炉12の正常運転時には、作業者が被爆することなく安全に立ち入ることができる空間である。部屋51は、機材などを搬入可能な開口部52が形成され、搬出入路53が設置されている。部屋51は、コンクリート構造壁を貫通して原子炉格納容器11内に連通する連通路(開口部)54が設けられ、この連通路54は、機器ハッチ55により開閉可能に構成されている。
処理用セル61は、原子炉建屋13におけるグランドレベルの部屋51に設置される。処理用セル61は、周囲が放射線遮へい壁により気密に形成されている。この場合、処理用セル61は、鉄筋コンクリートにより製造することが望ましく、その他、タングステン、ステンレス、鉛、劣化ウランなどを材料として使用してもよい。この処理用セル61は、原子炉格納容器11に対し、機器ハッチ55により開閉される連通路54に連結される。
また、処理用セル61は、複数(本実施形態では5個)のモジュール62,63,64,65,66が連結されて構成されていてもよく、単一のモジュール(例えば、モジュール64)で構成されていてもよい。処理用セル61が複数のモジュール62,63,64,65,66で構成される場合は、各モジュールは、分析モジュールのほか、例えば、搬入用モジュール、メンテナンス用モジュール、放射性物質収納用モジュール、除染および検査用モジュール、搬出用モジュールなどとして構成される。各モジュール62,63,64,65,66は、直列で連結され、かつ原子炉格納容器11の周囲に沿って配置されている。また、処理用セル61が単一のモジュール64で構成される場合は、分析モジュールとして構成される。
処理用セル61の各モジュール62,63,64,65,66のうち、モジュール64は、原子炉格納容器11の連通路54に対して、機器ハッチ55を開放することで連通されるように構成されている。また、原子炉格納容器11の内部では、コンクリートマット29上に溶融物Mが冷却水Wに浸水した状態にあるペデスタル30に対し、機器ハッチ55と対向する同等の高さ位置に開口部56が形成されている。即ち、モジュール64は、原子炉格納容器11の連通路54に連通するとともに、連通路54およびペデスタル30の開口部56を介してペデスタル30内の溶融物Mにアクセスすることが可能に設けられている。
本実施形態の放射性物質の分析装置60は、処理用セル61であってモジュール64内に設置されている。図3は、本実施形態に係る放射性物質の分析装置の概略構成図である。図4は、本実施形態に係る放射性物質の分析装置における破砕部の概略図である。図5は、本実施形態に係る放射性物質の分析装置における回収部の概略図である。図6は、本実施形態に係る放射性物質の分析装置における受容体の概略図である。図7は、本実施形態に係る放射性物質の分析装置の概略図である。図8は、放射性物質の計測方法のフローチャートである。図9は、検出した発光スペクトルの一例の説明図である。
本実施形態の放射性物質の分析装置60は、図3に示すように、破砕部71と、回収部72と、乾燥部73と、重量計測部74と、分析部75と、移送部76と、を備えている。
破砕部71は、溶融物Mを破砕して粒状物を生成するものである。破砕部71は、図3および図4に示すように、ハンマードリル81と、ハンマードリル81を駆動する駆動装置82とを有する。破砕部71は、駆動装置82を駆動することでハンマードリル81が溶融物Mを叩きながら回転する。これにより、溶融物Mが破砕され、微粉末状の粒状物が生成される。なお、破砕部71は、回転のみのドリルや、研磨をする研磨機などであってもよい。また、破砕部71は、マニプレータ83により、処理用セル61のモジュール64から連通路54およびペデスタル30の開口部56を介してペデスタル30内の溶融物Mに至り搬送される。
回収部72は、破砕部71により生成された溶融物Mの微粉末M1を回収してフィルタ(受容体)84に担持させるものである。回収部72は、図3および図4に示すように、カバー(回収容器)85と、給水装置86と、吸引装置87とを有する。
カバー85は、図4に示すように、下方が開口した箱形状をなし、開口を溶融物Mの一部に押し付けることで冷却水W中にて溶融物Mの一部の表面を被覆することができる。このカバー85は、例えば、破砕部71と一体にマニプレータ83により搬送される。従って、破砕部71は、カバー85が被覆した溶融物Mの一部の表面に対してハンマードリル81を作用させることができる。
給水装置86は、図3および図4に示すように、カバー85内に水を供給するものである。給水装置86は、給水設備88と、給水管89と、給水ポンプ90とを有する。給水設備88は、水を貯留するもので、モジュール64内に設置されている。給水管89は、基端部が給水設備88に連結され、先端部がカバー85内に貫通している。給水ポンプ90は、給水管89に設けられている。
従って、給水装置86は、給水ポンプ90を駆動することで給水設備88に貯留された水が給水管89を経てカバー85内に供給される。なお、給水設備88に、水と共にホウ酸水を貯留し、給水装置86によりホウ酸水をカバー85内に供給するようにしてもよい。ホウ酸水をカバー85内に供給する場合、溶融物Mの臨界を防止することができる。
吸引装置87は、カバー85内の溶融物Mの微粉末M1を水と共に吸引してフィルタ84に担持させるものである。吸引装置87は、図3〜図6に示すように、給排水管91と、給水ポンプ92と、回収装置93と、開閉弁94,94とを有する。給排水管91は、図3および図4に示すように、基端部が破砕部71におけるハンマードリル81内に連通してハンマードリル81の先端に開口することでカバー85内に挿通され、ここからモジュール64まで延出されて迂回して先端部が原子炉格納容器11にまで延出されている。給水ポンプ92は、給排水管91に設けられている。回収装置93は、図3に示すように、モジュール64内で給排水管91の迂回した部分に設けられている。回収装置93は、密閉されたケーシング95内に給排水管91の迂回した部分が配置され、この給排水管91の迂回した部分にフィルタ84が介在されている。具体的に、回収装置93は、図5に示すように、回転式装填機構96にフィルタ84が複数装填されており、回転式装填機構96の回転に伴って各フィルタ84が移動することで、給排水管91の迂回した部分に配置されるフィルタ84が交換されるように構成されている。フィルタ84は、例えば、図6に示すように、筒状のケース84Aに、ケース84Aを塞ぐようにフィルタ部84Bが設けられている。開閉弁94,94は、回収装置93を間において給排水管91にそれぞれ設けられている。
従って、吸引装置87は、開閉弁94,94を開けた状態で給水ポンプ92を駆動することでハンマードリル81の先端から給排水管91を経てカバー85内の水と共にハンマードリル81により破砕された溶融物Mの微粉末M1が吸引される。吸引された水および微粉末M1は、図6に示すように、回収装置93において給排水管91の迂回した部分に配置されたフィルタ84のケース84Aに入り、フィルタ部84Bに微粉末M1が担持され水が通過して原子炉格納容器11に排出される。そして、給水ポンプ92を止めて開閉弁94,94を閉じた状態とし、回収装置93の回転式装填機構96を回転して給排水管91の迂回した部分に配置されるフィルタ84を交換したり、微粉末M1が担持されたフィルタ84を回収装置93の回転式装填機構96から取り出したりする。なお、給水装置86および吸引装置87において、カバー85内で供給された水と共に破砕された溶融物Mの微粉末M1を吸引するのは、カバー85および給水装置86により供給された水により冷却水W中の不純物を避け、破砕された溶融物Mの微粉末M1の多くを吸引するためである。
乾燥部73は、フィルタ84と共に、フィルタ部84Bに担持された微粉末M1を乾燥する。
重量計測部74は、乾燥部73により乾燥された後の微粉末M1を、フィルタ84を含み重量を計測する。
分析部75は、誘導結合プラズマ(IPC:Inductively Coupled Plasma)によって試料である微粉末M1を原子化・熱励起し、その際の発光スペクトルから元素の同定・定量を行う。分析部75は、図7に示すように、プラズマ発生装置101と、導入装置102と、検出装置103と、処理装置104とを有する。
プラズマ発生装置101は、誘導結合プラズマを発生させる。プラズマ発生装置101は、ガラス管からなるトーチ101Aの上部に、コイル101Bが設けられている。コイル101Bは、高周波電源101Cが接続されて高周波が供給される。また、コイル101Bと高周波電源101Cとの間にマッチングボックス101Dが設けられ、高周波が供給されたコイル101Bにより発生する誘導結合プラズマが最適化される。また、プラズマ発生装置101は、誘導結合プラズマを発生させるため、トーチ101Aの下部からアルゴンガスが供給される。アルゴンガスは、ガスコントローラ101Eにより供給量が最適に調整される。
導入装置102は、上述したフィルタ84を支持し、誘導結合プラズマ中に導入する。導入装置102は、フィルタ84を支持する支持棒102Aと、支持棒102Aを昇降移動させる移動機構102Bとを有する。支持棒102Aは、プラズマ発生装置101のトーチ101Aの内部に挿入される径をなし、誘導結合プラズマの影響を受けない材料(例えば、石英製の絶縁材)にて形成され、先端にフィルタ84が固定されるように構成されている。移動機構102Bは、支持棒102Aの下端が接続されたアクチュエータなどからなる。そして、移動機構102Bは、支持棒102Aを上昇させて先端に固定されたフィルタ84をプラズマ発生装置101のトーチ101Aの下端から挿入し、コイル101Bの直下の誘導結合プラズマが発生する位置に移動させる(図7に一点鎖線で示す)。また、移動機構102Bは、支持棒102Aを下降させて支持棒102Aの先端をトーチ101Aの下端から外部に移動させる。
検出装置103は、発光スペクトルを受光し、発光スペクトルのうちの多数の原子スペクトル線を分離する分光器103Aと、得られた各スペクトル線の強度を、電気的な信号に変換する測光器103Bとを有する。
処理装置104は、検出装置103の測光器103Bから各スペクトル線に対応する各信号を取得し、各信号の強度を検量線試料の強度と比較して、取得した各信号における元素成分を特定する。このため、処理装置104は、各種の検量線試料の強度のデータが予め記憶されている。また、処理装置104は、特定した元素成分の含有率を算出する。このため、処理装置104は、重量計測部74により計測された微粉末M1およびフィルタ84の重量を取得する。また、本実施形態においては、フィルタ84の元素成分および重量が予め設定されており、その検量線試料の強度のデータが処理装置104に予め記憶されている。従って、処理装置104において、フィルタ84の元素成分およびその含有率は予め記憶されている。
なお、上述した分析部75において、プラズマ発生装置101および導入装置102は、発光装置75Aとして構成され、検出装置103および処理装置104は、測光装置75Bとして構成されている。そして、分析部75の発光装置75Aは、乾燥部73や重量計測部74と共に処理用セル61のモジュール64内に区画された第一区画領域61A内に配置される一方、分析部75の測光装置75Bは、電子機器を含むため、分析部75の発光装置75Aや乾燥部73や重量計測部74とは別に、処理用セル61のモジュール64内にて周囲が放射線遮へい壁により気密に形成された第二区画領域61B内に配置される。
移送部76は、マニピュレータなどからなり、回収部72における吸引装置87の回収装置93からフィルタ84を取り出したり、回収装置93にフィルタ84を装填したりする。また、移送部76は、回収装置93から取り出したフィルタ84を、乾燥部73や分析部75における導入装置102の支持棒102Aの先端に送る。
本実施形態の放射性物質の分析装置60は、上述のごとく構成されている。そして、本実施形態の放射性物質の分析方法は、この分析装置60により実施される。即ち、分析装置60では、図8に示すように、まず、破砕部71において、放射性物質としての溶融物Mを破砕して粒状物である微粉末M1を生成する(ステップS1)。次に、回収部72において、微粉末M1を回収して受容体であるフィルタ84に担持させる(ステップS2)。次に、乾燥部73において、フィルタ84と共に、フィルタ84に担持された微粉末M1を乾燥する(ステップS3)。次に、重量計測部74において、乾燥部73により乾燥された後に、微粉末M1が担持されたフィルタ84の重量を計測する(ステップS4)。次に、分析部75において、重量が計測された後に、微粉末M1が担持されたフィルタ84を、プラズマ発生装置101が発生する誘導結合プラズマ中に導入する(ステップS5)。次に、分析部75において、プラズマ発生装置101の誘導結合プラズマにより励起された発光スペクトルを検出装置103により検出する(ステップS6)。次に、分析部75において、処理装置104において、検出装置103により検出した発光スペクトルから、フィルタ84の発光スペクトルを除いた発光スペクトルを取得し、この取得した発光スペクトルから微粉末M1に含有する元素成分を計測する(ステップS7)。
なお、フィルタ84の元素成分は、微粉末M1に含有し得る元素成分として定量化しておき、これを処理装置104において予め記憶しておく。そして、検出装置103により検出した発光スペクトルから、フィルタ84の発光スペクトルを除いた発光スペクトルを取得し、この取得した発光スペクトルから微粉末M1に含有する元素成分を計測する。
例えば、フィルタ84の元素成分を微粉末M1に含有し得る元素成分とした場合、図9に破線で示すように、発光スペクトルの強度がフィルタ84の元素成分の分だけ増加することになるが、この増加分の発光スペクトルの強度を差し引くことで、図9に実線で示すように分析対象の元素成分の発光スペクトルの強度を得ることができる。
また、フィルタ84の元素成分は、微粉末M1に含有し得ない元素成分として定量化しておき、これを処理装置104において予め記憶しておいてもよい。この場合でも、検出装置103により検出した発光スペクトルから、フィルタ84の発光スペクトルを除いた発光スペクトルを取得し、この取得した発光スペクトルから微粉末M1に含有する元素成分を計測する。
ところで、図10は、本実施形態に係る放射性物質の分析装置の他の例が適用される沸騰水型原子炉の概略縦断面図である。図11は、図10に示す沸騰水型原子炉の概略水平断面図である。図12は、本実施形態に係る放射性物質の分析装置の他の例における破砕部および回収部の概略図である。
本実施形態の他の例の分析装置130は、図10および図11に示すように、原子炉格納容器11内にある溶融物Mを取り出す取出部と、取出部により取り出された溶融物M2を原子炉建屋13内に周囲が放射線遮へい壁により気密に形成される処理用セル61に搬送する搬送部とを有する。本実施形態にて、取出部および搬送部は、作業用ロボット131により構成される。作業用ロボット131は、モジュール64内に配置され、支持アーム132が原子炉格納容器11の連通路54およびペデスタル30の開口部56を通して溶融物Mにアクセス可能である。作業用ロボット131は、支持アーム132の先端部に工具(切断工具およびハンド)133が装着されており、溶融物Mを切断して小さい溶融物M2を取り出し、処理用セル61まで搬送する。
また、分析装置130は、図12に示すように、破砕部141および回収部142を有する。分析装置130は、処理用セル61内にて、破砕部141が溶融物M2を破砕して微粉末M3を生成し、回収部142が微粉末M3を回収してフィルタ143に担持させる。
破砕部141は、溶融物M2を破砕して微粉末M3を生成するものであり、駆動回転が可能であると共に昇降が可能なドリル151を有する。回収部142は、破砕部141により生成された溶融物M2の微粉末M3を回収してフィルタ143に担持させるものである。回収部142は、溶融物M2を支持する支持台152と、支持台152の下方で微粉末M3と共に水を回収してフィルタ143に導く回収容器153と、水を排出する排出通路154とを有する。
従って、破砕部141は、支持台152に支持された溶融物M2を破砕して微粉末M3を生成し、回収部142は、落下した溶融物M2の微粉末M3を水と共に回収し、フィルタ143に担持させ、回収することができる。
図10〜図12に示す作業用ロボット131(取出部および搬送部)、破砕部141および回収部142の構成は、図3に示す破砕部71および回収部72の構成に相当する。即ち、まず、破砕部141において、放射性物質としての溶融物M2を破砕して粒状物である溶融物M2の微粉末M3を生成する(図8のステップS1に相当)。次に、回収部142において、微粉末M3を回収して受容体であるフィルタ143に担持させる(図8のステップS2に相当)。この回収部142において微粉末M3が担持されるフィルタ143は、図3に示すフィルタ84に相当する。従って、フィルタ143は、図3に示す移送部76により乾燥部73に送られる。そして、乾燥部73において、フィルタ143と共に、フィルタ143に担持された微粉末M3を乾燥する(図8のステップS3に相当)。次に、重量計測部74において、乾燥部73により乾燥された後に、微粉末M3が担持されたフィルタ143の重量を計測する(図8のステップS4に相当)。次に、分析部75において、重量が計測された後に、微粉末M3が担持されたフィルタ143を、プラズマ発生装置101が発生する誘導結合プラズマ中に導入する(図8のステップS5に相当)。次に、分析部75において、プラズマ発生装置101の誘導結合プラズマにより励起された発光スペクトルを検出装置103により検出する(図8のステップS6に相当)。次に、分析部75において、処理装置104において、検出装置103により検出した発光スペクトルから、フィルタ143の発光スペクトルを除いた発光スペクトルを取得し、この取得した発光スペクトルから微粉末M3に含有する元素成分を計測する(図8のステップS7に相当)。
このように、本実施形態の放射性物質の分析方法は、溶融物(放射性物質)M,M2を破砕して微粉末(粒状物)M1,M3を生成する工程と、微粉末M1,M3を回収してフィルタ(受容体)84,143に担持させる工程と、フィルタ84,143ごと微粉末M1,M3を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、フィルタ84,143の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから微粉末M1,M3に含有する元素成分を計測する工程と、を含む。
この放射性物質の分析方法によれば、微粉末M1,M3を回収してフィルタ84,143に担持させ、このフィルタ84,143ごと誘導結合プラズマ中に導入することから、従来のように溶液に添加し、攪拌分散し、分取してから黒鉛カップへ注入するような分析方法と比較して工程数を減らすことができ、簡便に分析を行うことができる。しかも、フィルタ84,143ごと微粉末M1,M3を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、フィルタ84,143の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから微粉末M1,M3に含有する元素成分を計測することから、フィルタ84,143を除いた正確な分析を行うことができる。なお、フィルタ84,143は誘導結合プラズマ中で燃焼するため、分析後にフィルタ84,143を回収する手間を省くことができる。なお、微粉末M1,M3を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出することは、溶融した燃料などの溶融物Mの場合に含有すると想定されるウラン、プルトニウム、鉄。ホウ素、ガドリニウムなどの成分分析が可能であるため、溶融物Mの解析に最適である。
また、本実施形態の放射性物質の分析方法では、フィルタ84,143の元素成分として微粉末M1,M3に含有し得る元素成分を定量化し、検出した発光スペクトルからフィルタ84,143の元素成分の発光スペクトルを除く。
この放射性物質の分析方法によれば、検出した発光スペクトルからフィルタ84,143の元素成分の発光スペクトルを容易かつ正確に除くことができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析方法では、フィルタ84,143の元素成分として微粉末M1,M3に含有し得ない元素成分を定量化し、検出した発光スペクトルからフィルタ84,143の元素成分の発光スペクトルを除くようにしてもよい。
この放射性物質の分析方法によれば、検出した発光スペクトルからフィルタ84,143の元素成分の発光スペクトルを容易かつ正確に除くことができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析方法では、フィルタ84,143を誘導結合プラズマ中に導入する以前に、微粉末M1,M3が担持されたフィルタ84,143の重量を計測する工程を含み、元素成分を計測する工程において、フィルタ84,143の単体の重量を除いた重量に基づき微粉末M1,M3の元素成分を計測する。
この放射性物質の分析方法によれば、微粉末M1,M3の重量を容易に得ることができ、微粉末M1,M3の元素成分を正確に計測することができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析方法では、微粉末M1,M3が担持されたフィルタ84,143の重量を計測する以前に、フィルタ84,143と共に当該フィルタ84,143に担持された微粉末M1,M3を乾燥させる工程を含む。
この放射性物質の分析方法によれば、乾燥により水分を飛ばすことで微粉末M1,M3の重量を正確に得ることができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析装置60,130は、溶融物(放射性物質)M,M2を破砕して微粉末(粒状物)M1,M3粒状物を生成する破砕部71,141と、破砕部71,141により生成された微粉末M1,M3を回収してフィルタ84,143に担持させる回収部72,142と、フィルタ84,143と共に微粉末M1,M3を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、検出された発光スペクトルについてフィルタ84,143の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから微粉末M1,M3に含有する元素成分を計測する分析部75と、を備える。
この放射性物質の分析装置60,130によれば、微粉末M1,M3を回収してフィルタ84,143に担持させ、このフィルタ84,143ごと誘導結合プラズマ中に導入することから、従来のように溶液に添加し、攪拌分散し、分取してから黒鉛カップへ注入するような分析方法と比較して工程数を減らすことができ、簡便に分析を行うことができる。しかも、フィルタ84,143ごと微粉末M1,M3を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、フィルタ84,143の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから微粉末M1,M3に含有する元素成分を計測することから、フィルタ84,143を除いた正確な分析を行うことができる。なお、フィルタ84,143は誘導結合プラズマ中で燃焼するため、分析後にフィルタ84,143を回収する手間を省くことができる。なお、分析部75において、微粉末M1,M3を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出することは、溶融した燃料などの溶融物Mの場合に含有すると想定されるウラン、プルトニウム、鉄。ホウ素、ガドリニウムなどの成分分析が可能であるため、溶融物Mの解析に最適である。
また、本実施形態の放射性物質の分析装置60では、回収部72は、破砕部71により生成された微粉末M1を吸引しフィルタ84に送る。
この放射性物質の分析装置60によれば、微粉末M1を吸引しフィルタ84に送ることで、破砕部71により生成された微粉末M1の搬送を容易に行うことができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析装置60,130では、微粉末M1,M3が担持されたフィルタ84,143の重量を計測する重量計測部74を備える。
この放射性物質の分析装置60,130によれば、微粉末M1,M3の重量を容易に得ることができ、微粉末M1,M3の元素成分を正確に計測することができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析装置60,130では、重量計測部74により重量を計測する以前に、フィルタ84,143と共に当該フィルタ84,143に担持された微粉末M1,M3を乾燥させる乾燥部73を備える。
この放射性物質の分析装置60,130によれば、乾燥により水分を飛ばすことで微粉末M1,M3の重量を正確に得ることができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析装置60,130では、回収部72,142から分析部75に至りフィルタ84,143を移送する移送部76を備える。
この放射性物質の分析装置60,130によれば、回収部72,142から分析部75へのフィルタ84,143の移送を容易に行うことができる。
また、本実施形態の放射性物質の分析装置60,130では、分析部75が放射線を遮蔽する処理用セル61内に配置される。
この放射性物質の分析装置60,130によれば、放射線に曝される環境下にて分析作業を安全に行うことができる。
60,130 分析装置
61 処理用セル
71,141 破砕部
72,142 回収部
73 乾燥部
74 重量計測部
75 分析部
76 移送部
84,143 フィルタ(受容体)
87 吸引装置
101 プラズマ発生装置
102 導入装置
103 検出装置
104 処理装置
M1,M3 微粉末(粒状物)

Claims (11)

  1. 放射性物質を破砕して粒状物を生成する工程と、
    前記粒状物を回収して受容体に担持させる工程と、
    前記受容体ごと前記粒状物を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、前記受容体の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから前記粒状物に含有する元素成分を計測する工程と、
    を含むことを特徴とする放射性物質の分析方法。
  2. 前記受容体の元素成分として前記粒状物に含有し得る元素成分を定量化し、検出した発光スペクトルから前記受容体の発光スペクトルを除くことを特徴とする請求項1に記載の放射性物質の分析方法。
  3. 前記受容体の元素成分として前記粒状物に含有し得ない元素成分を定量化し、検出した発光スペクトルから前記受容体の発光スペクトルを除くことを特徴とする請求項1に記載の放射性物質の分析方法。
  4. 前記受容体を誘導結合プラズマ中に導入する以前に、前記粒状物が担持された前記受容体の重量を計測する工程を含み、元素成分を計測する工程において、前記受容体の単体の重量を除いた重量に基づき前記粒状物の元素成分を計測することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射性物質の分析方法。
  5. 前記粒状物が担持された前記受容体の重量を計測する以前に、前記受容体と共に当該受容体に担持された前記粒状物を乾燥させる工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の放射性物質の分析方法。
  6. 放射性物質を破砕して粒状物を生成する破砕部と、
    前記破砕部により生成された前記粒状物を回収して受容体に担持させる回収部と、
    前記受容体と共に前記粒状物を誘導結合プラズマ中に導入して励起させた発光スペクトルを検出し、検出された発光スペクトルについて前記受容体の発光スペクトルを除いた発光スペクトルから前記粒状物に含有する元素成分を計測する分析部と、
    を備えることを特徴とする放射性物質の分析装置。
  7. 前記回収部は、前記破砕部により生成された粒状物を吸引し前記受容体に送ることを特徴とする請求項6に記載の放射性物質の分析装置。
  8. 前記粒状物が担持された前記受容体の重量を計測する重量計測部を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の放射性物質の分析装置。
  9. 前記重量計測部により重量を計測する以前に、前記受容体と共に当該受容体に担持された前記粒状物を乾燥させる乾燥部を備えることを特徴とする請求項8に記載の放射性物質の分析装置。
  10. 前記回収部から前記分析部に至り前記受容体を移送する移送部を備えることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の放射性物質の分析装置。
  11. 前記分析部が放射線を遮蔽するセル内に配置されることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1つに記載の放射性物質の分析装置。
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