JP2016166190A - 新規液晶性化合物、液晶組成物、光素子および光表示装置 - Google Patents

新規液晶性化合物、液晶組成物、光素子および光表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電率異方性が小さく、応答性を有し、かつ電圧をかけることにより、複屈折が変化する新規な液晶性化合物を提供すること。
【解決手段】式(1)で表される化合物。

(式(1)において、R1、R2およびR3は独立して、水素原子ないし炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH22−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。nは0〜4の整数である。mは1または2の整数である。Z1およびZ2は、−CH=CH−である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規は光素子用の材料として有用な液晶性化合物、液晶組成物、光素子および光表示装置に関する。詳しくは、誘電率異方性が小さく、かつ電圧をかけることによって複屈折が変化する、新規液晶性化合物および液晶組成物に関する。加えて、この液晶組成物を用いた光素子および光表示装置に関する。
液晶表示パネル、液晶表示モジュール等に代表される液晶表示素子は、液晶性化合物(本発明では、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称を意味する。)が有する光学異方性、誘電率異方性などを利用したものであるが、この液晶表示素子の動作モードとしては、PC(phase change)モード、TN(twisted nematic)モード、STN(super twisted nematic)モード、BTN(bistable twisted nematic)モード、ECB(electrically controlled birefringence)モード、OCB(optically compensated bend)モード、IPS(in−plane switching)モード、VA(vertical alignment)モード、PSA(Polymer sustained alignment)などの様々なモードが知られている。
また現在、通常低Δnの組成物中の化合物にはシクロヘキサン環が多く用いられており、実際に液晶表示素子へ用いた場合、スメクチック相や結晶が析出しやすい。これらのことからΔεが小さく透明点の高い液晶性化合物、またはΔεが小さくネマチック相を広く発現する液晶性化合物の開発が求められている。
例えば下記の化合物(A)が報告されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、この化合物(A)は他の化合物の副生成物として確認されたのみであり、液晶性を初めとする液晶性化合物としての有用性は全く確認されてはいなかった。
特開平11−255679号公報
上述した各モードで動作する光表示素子は液晶性化合物や液晶組成物から構成されているが、これらの特性をさらに向上させるためには、単独または液晶組成物として光表示素子へ使用する液晶性化合物が、以下(1)〜(7)で示す特性を有することが必要である。すなわち、
(1)化学的に安定であること、および物理的に安定であること
(2)高い透明点(液晶相−等方相の転移温度)を有すること
(3)液晶相(ネマチック相、スメクチック相等)の下限温度、特にネマチック相の下限温度が低いこと
(4)粘度が小さいこと
(5)適切な光学異方性を有すること
(6)適切な弾性定数を有すること
(7)他の液晶性化合物との相溶性に優れること
である。
(1)のように化学的、物理的に安定な液晶性化合物単独もしくはそれを含む組成物を光表示素子へ用いると、電圧保持率を大きくすることができる。
また、(2)および(3)のように、高い透明点、あるいは液晶相の低い下限温度を有する液晶性化合物では、単独もしくは組成物としての使用において、ネマチック相の温度範囲を広げることが可能となり、幅広い温度領域で光表示素子として使用することが可能となる。
さらに、(4)のように粘度の小さい化合物、および(7)のように適切な弾性定数を有する化合物を含む組成物を光表示素子として用いると応答速度を向上することができ、(5)のように適切な光学異方性を有する化合物単独もしくはそれを含む組成物を用いた光表示素子の場合は、表示素子のコントラストの向上を図ることができる。
さらに(6)のように適切な弾性定数を有する化合物単独もしくはそれを含む組成物を光表示素子として用いることで表示素子の駆動電圧を小さくすることができ、消費電力も小さくすることができる。
液晶性化合物は、単一の化合物では発揮することが困難な場合、他の多くの液晶性化合物と混合して調製した組成物としても用いることが出来る。したがって、表示素子に用いる液晶性化合物は、(7)のように、他の液晶性化合物等との相溶性が良好であることも好ましい。また、光表示素子は、氷点下を含め幅広い温度領域で使用することもあるので、低い温度領域から良好な相溶性を有す化合物であることが好ましい場合もある。
本発明の第一の目的は、熱、光などに対する安定性を有し、粘度が小さく、他の液晶性化合物との優れた相溶性を有し、広い温度範囲でネマチック相となり、適度な光学異方性を有する液晶性化合物を提供することである。
本発明の第二の目的は、熱、光などに対する安定性を有し、粘度が低く、適切な光学異方性、誘電率異方性、弾性定数を有し、しきい値電圧が低く、さらに、この化合物を含有して、ネマチック相の上限温度(ネマチック相−等方相の相転移温度)が高く、ネマチック相の下限温度が低い液晶組成物を提供することである。
本発明の第三の目的は、応答時間が短く、消費電力および駆動電圧が小さく、大きなコントラストを有し、広い温度範囲で使用可能である、上記化合物または組成物を含有する光素子を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、式(1)で表される液晶性化合物および該化合物を含む液晶組成物が優れた特性を有し、その結果、これらを用いることで優れた光素子並びに光表示素子が得られることを見出した。
本発明は、下記の項などである。
項1.
式(1)で表される化合物。
(式(1)において、R1、R2およびR3は独立して、水素原子ないし炭素数1〜10のアルキルであり、これらの基において少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH22−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。nは0〜4の整数である。mは1または2の整数である。Z1およびZ2は、−CH=CH−である。)
項2.
ネマチック相を示す項1に記載の化合物。
項3.
項1または2に記載の化合物を含有する液晶組成物。
項4.
ネマチック相を示す項3に記載の液晶組成物。
項5.
少なくとも一つの光学活性化合物および/または重合可能な化合物を含有する、項3または4に記載の液晶組成物。
項6.
更に、少なくとも一つの酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を含有する、項3〜5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項7.
項1〜6のいずれか1項に記載の液晶性化合物または液晶組成物を用いる光素子。
項8.
項7に記載の光素子を用いる光表示装置。
本発明によれば、誘電率異方性が小さいにも関わらず、応答性を有し、しかも、電圧をかけることにより、複屈折が変化する新規な液晶性化合物および液晶組成物が提供される。このような液晶性化合物および液晶媒体は、電圧の大きさに応じて、複屈折の変化により、色調が変化する。このため、電圧を変化させることによって、直接液晶の色を変化させることが可能となる。このような液晶性化合物は、縦電界、横電界モードのいずれの液晶表示装置にも適用可能である。
実施例で評価した電気セルの概略図を示す。 化合物4について縦電界における干渉色図表と電圧の強さに応じた干渉色変化の図を示す。 電圧による複屈折変化を考察する説明図を示す。 化合物5について縦電界における干渉色図表と電圧の強さに応じた干渉色変化の図を示す。 化合物4について横電界における干渉色図表と電圧の強さに応じた干渉色変化の図を示す。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。本発明の化合物は、ネマチック相を有するとともに、化合物単独での使用、もしくはネマチック相の温度範囲、粘度、誘電率異方性のような特性を調節する目的で組成物に混合される化合物の総称である。
本発明において、液晶組成物とは、液晶組成物および高分子/液晶複合体の総称である。複数の液晶性化合物を混合するものも液晶組成物に包含される。液晶性化合物の割合(含有量)は、この液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)で表される。この組成物に、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤のような添加物が必要に応じて添加される。添加物の割合(添加量)は、液晶性化合物の割合と同様に、液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)で表される。重量百万分率(ppm)が用いられることもある。重合開始剤および重合禁止剤の割合は、例外的に重合性化合物の重量に基づいて表される。
また、光素子とは、電気光学効果を利用して、光変調や光スイッチングなどの機能を奏する各種の素子を指し、たとえば、表示素子(液晶表示素子)、光通信システム、光情報処理や種々のセンサーシステムに用いられる光変調素子が挙げられる。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。「液晶組成物」および「光表示素子」の用語をそれぞれ「組成物」および「素子」と略すことがある。
「少なくとも1つの'A'は、'B'で置き換えられてもよい」の表現は、'A'の数は任意であることを意味する。'A'の数が1つのとき、'A'の位置は任意であり、'A'の数が2つ以上のときも、それらの位置は制限なく選択できる。このルールは、「少なくとも1つの'A'が、'B'で置き換えられた」の表現にも適用される。
[化合物]
本発明の式(1)の化合物(1)に関してさらに説明する。
式(1)において、ベンゼン環を横切る線は、R3基がベンゼン環上の結合位置を任意に選択できることを意味する。式(1)で表される化合物を化合物(1)と略すことがある。この略記は、式(5)などで表される化合物にも適用される。化合物(1)は、式(1)で表される1つの化合物または2つ以上の化合物を意味する。化合物の場合、末端基R1、R2は同一であってもよく、または異なってもよい。さらに、2種以上の化合物の場合、末端基R1、R2は一方が同一であってもよく、または双方が異なってもよい。さらに、R3が結合している場合、R1、R2と同一であっても異なっていてもよい。また、R3が複数存在する場合、同一であってもよく、または異なっていてもよい。(式(1)において、R1、R2およびR3は独立して、水素原子ないし炭素数1〜10のアルキルであり、これらの基において少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH22−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。nは0〜4の整数である。mは1または2の整数である。Z1およびZ2は、−CH=CH−である。)
本発明の化合物(1)の化合物で以下の好ましい態様のものは、ネマチック相を有し、誘電率異方性が小さく、かつ電圧をかけることによって複屈折が変化するという特性を有するので好ましい。このようなネマチック相を有する化合物(1)は、素子が通常使用される条件下において物理的および化学的に安定であり、化合物単独もしくは、液晶組成物の構成成分として使用できる。そして、化合物(1)は、他の液晶性化合物との相溶性がよい。また、この化合物(1)を含有する液晶組成物は素子が通常使用される条件下で安定である。この液晶組成物を低い温度で保管する場合、化合物(1)は多く添加しても結晶として析出することがない。
次に化合物(1)の好ましい形態を説明する。式(1)において、R1およびR2は、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH22−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。
好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘプチルである。
3は、炭素数1〜10のアルキルであり、このアルキルにおいて少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH22−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。好ましいアルキルは、相転移温度を下げるためにメチル、エチルである。R3の結合部位は特に制限されない。なお、nは0〜4の整数であり、好ましくは、0である。R3にアルキルが結合していると、液晶性を示さない場合があるので、nは0が好ましい。mは1である。
1およびZ2を構成する−CH=CH−の好ましい立体配置は、シス、トランスのいずれでもいいが、好ましくは、トランス体である。
好ましい化合物(1)は、以下に示す化合物(1−1)および化合物(1−2)である。
化合物(1)の合成法を説明する。化合物(1)は有機合成化学における手法を適切に組み合わせることにより合成する。出発物に目的の末端基、環および結合基を導入する方法は、オーガニックシンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。
本発明の化合物(1)を合成する方法の一例を、下記スキームに示す。ただし、これら化合物の合成方法は、下記のスキームに限定される訳ではない。
例えば、まず、1,4−ジ(ブロムメチル)ベンゼン化合物(2-1)と亜リン酸トリエチルとを反応させる。別に、対応するシクロヘキサンカルボン酸化合物(3-1)をエタノールと反応させたのち、ナトリウムジイソブチルtert−ブトキシアルミニウムハイドライド(SDBBA)存在下でシクロヘキサンカルバルデヒド化合物(3-3)を合成し、化合物(2-2)と化合物(3-3)とを反応させることで化合物(1)を合成することができる。
また、本発明の化合物(1)は、化合物自体がネマチック相を有さなくともよい。該化合物と他の成分を含む組成物がネマチック相を有していればよい。このような化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
[液晶組成物]
本発明に係る液晶組成物を説明する。本発明の液晶組成物は、化合物(1)を含有する。液晶組成物は、化合物(1)単独からなるものであっても他の成分を含むものであってもよい。他の成分を含む場合、化合物(1)を0.1〜99重量%の割合で含有することが、優良な特性を発現せしめるために好ましい。
本発明にかかる液晶組成物の好ましい態様は、広い温度範囲でネマチック相となり、適度な光学異方性を有する液晶組成物である。
本発明の液晶組成物の調製は、公知の方法、例えば必要な成分を高温度下で溶解させる方法などにより一般に調製される。
本発明の液晶組成物の調製は、用途に応じて当業者によく知られている添加物が添加される。例えば液晶組成物は、光学活性化合物および/または重合可能な化合物を含有することが望ましい。さらに本発明の液晶組成物は、少なくとも一つの酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を含有することも望ましい。
光学活性化合物として、公知のキラルド−プ剤が挙げられる。このキラルド−プ剤は液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を調整し、逆ねじれを防ぐといった効果を有する。キラルド−プ剤の例として以下の光学活性化合物(Op−1)〜(Op−14)を挙げることができる。これらの式中、*は不斉炭素を示す。
本発明の液晶組成物は、これらの光学活性化合物を添加して、ねじれのピッチを調整することができる。ねじれのピッチはTFT用およびTN用の液晶組成物であれば40〜200μmの範囲に調整するのが好ましい。STN用の液晶組成物であれば6〜20μmの範囲に調整するのが好ましい。また、双安定TN(Bistable TN)モ−ド用の場合は、1.5〜4μmの範囲に調整するのが好ましい。また、ピッチの温度依存性を調整する目的で2つ以上の光学活性化合物を添加してもよい。
また、本発明の液晶組成物は重合可能な化合物を添加してPSA(Polymer sustained alignment)型用の液晶組成物として使用することもできる。
重合可能な化合物の例として、式(5)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの重合性化合物が挙げられる。
式(5)において、環Kおよび環Mは独立して、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;環Lは、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、ハロゲン、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく、環Lが複数存在する場合は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。;Z4およびZ5は独立して、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2−CH2−は、−CH=CH−、−C(CH3)=CH−、−CH=C(CH3)−、または−C(CH3)=C(CH3)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく、Z5が複数存在する場合は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。;P1、P2、およびP3はそれぞれ独立して、重合性基であり、P1、P2、およびP3がそれぞれ複数存在する場合は、同一であってもよく、または異なっていてもよく;Sp2、Sp3、およびSp4はそれぞれ独立して、単結合、または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2−CH2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよく;gは、0、1、または2であり;h、j、およびkは独立して、0、1、2、3、または4であり;そしてh、j、およびkの和は1以上であり、Sp2、Sp3、およびSp4がそれぞれ複数存在する場合は、同一であってもよく、または異なっていてもよい。
前記式(5)において、P1、P2、およびP3が独立して、式(P−1)から式(P−6)で表される基の群から選択された重合性基であることが好ましい。
式(P−1)から式(P−6)において、M1、M2、およびM3は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;h個のP1およびk個のP3のすべてが、式(P−4)で表される基であるとき、式(5)において、h個のSp1およびk個のSp3のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの−CH2−が、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられた基である。
重合性化合物としては、式(5−1)から式(5−27)で表される化合物が好ましい。
式(5−1)から式(5−27)において、P4、P5、およびP6は独立して、式(P−1)から式(P−3)で表される基の群から選択された重合性基であり;
式(P−1)から式(P−3)において、M1、M2、およびM3は独立して、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がハロゲンで置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;式(5−1)から式(5−27)において、Sp2、Sp3、およびSp4は独立して、単結合、または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CH2−CH2−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素または塩素で置き換えられてもよい。
重合可能な化合物の使用量は、液晶組成物の重量に基づいて、約0.03重量%以上であり、素子の表示不良を防ぐために約10重量%以下である。さらに好ましい添加割合は、約0.1重量%から約2重量%の範囲である。特に好ましい添加割合は、約0.2重量%から約1.0重量%の範囲である。
高分子支持配向(PSA)型の素子に適合させるため、重合可能な化合物(5)とともに化合物(5)とは異なる重合性化合物を組成物に添加してもよい。このような重合性化合物の好ましい例は、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、ビニルケトンなどの化合物である。さらに好ましい例は、アクリレートまたはメタクリレートの誘導体である。化合物(5)の好ましい割合は、重合性化合物の全重量に基づいて10重量%以上である。さらに好ましい割合は50重量%以上である。特に好ましい割合は、80重量%以上である。最も好ましい割合は、100重量%である。
化合物(5)のような重合性化合物は紫外線照射により重合する。光重合開始剤などの適切な開始剤存在下で重合させてもよい。重合のための適切な条件、開始剤の適切なタイプ、および適切な量は、当業者には既知であり、文献に記載されている。例えば光開始剤であるIrgacure651(登録商標;BASF)、Irgacure184(登録商標;BASF)、またはDarocure1173(登録商標;BASF)がラジカル重合に対して適切である。光重合開始剤の好ましい割合は、重合性化合物の全重量に基づいて約0.1重量%から約5重量%の範囲である。さらに好ましい割合は約1重量%から約3重量%の範囲である。
大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するために、または素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するために、酸化防止剤が組成物に添加される。酸化防止剤の好ましい例は、nが1から9の整数である化合物(7)などである。
化合物(7)において、好ましいnは、1、3、5、7、または9である。さらに好ましいnは7である。nが7である化合物(7)は、揮発性が小さいので、素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するのに有効である。酸化防止剤の好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないように約600ppm以下である。さらに好ましい割合は、約100ppmから約300ppmの範囲である。
紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などである。立体障害のあるアミンのような光安定剤もまた好ましい。これらの吸収剤や安定剤における好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないために約10000ppm以下である。さらに好ましい割合は約100ppmから約10000ppmの範囲である。
本発明の液晶組成物は、メロシアニン系、スチリル系、アゾ系、アゾメチン系、アゾキシ系、キノフタロン系、アントラキノン系、テトラジン系などの二色性色素を添加すれば、GH型用の液晶組成物として使用することもできる。
本発明の液晶組成物は、ネマチック液晶をマイクロカプセル化して作製したNCAPや、液晶中に三次元網目状高分子を形成して作製したポリマ−分散型液晶表示素子(PDLCD)例えばポリマーネットワーク液晶表示素子(PNLCD)用をはじめ、複屈折制御(ECB)型やDS型用の液晶組成物としても使用できる。
本発明に係る液晶組成物は、例えば、各成分を構成する化合物が液体の場合には、それぞれの化合物を混合することにより、また固体を含む場合には、それぞれの化合物を混合し、加熱溶解によってお互い液体にしてから混合させることにより調製することができる。また、本発明に係る液晶組成物はその他の公知の方法により調製することも可能である。
[光素子]
本発明にかかる光素子は、前記の液晶性化合物または液晶組成物を用いることを特徴とする。
具体的には、一方または両方の面に電極が配置され、基板間に配置された液晶性化合物または液晶組成物、および電極を介して液晶性化合物または液晶組成物に電界を印加する電界印加手段を備えた光素子である。
電界無印加時には液晶性化合物または液晶組成物は光学的に等方性であるが、電場を印加すると、液晶性化合物または液晶組成物は光学的異方性を生じ、電界による光変調が可能となる。
電極がマトリックス状に配置されて、画素電極を構成し、各画素がアクティブ素子を備え、このアクティブ素子が薄膜トランジスター(TFT)であることも本発明の光素子の一態様である。
このような光素子は、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDPなどの光表示装置に利用することができる。
本発明での評価は以下の通りに行った。
1H−NMR、13C−NMR分析]
1H-NMRスペクトル(1H-NMRと略記)および13C-NMRスペクトル(13C-NMRと略記)は、
ブルカーDPX300NMRを用いて測定した。溶媒としてCDCl3を用いた場合には、 内部標準物質としてTetramethylsilane (TMS) を用いた。化学シフトはδ値(ppm単位)で表記し、 ピークの分裂には次の省略形を用いた。s (一重線)、 d (二重線)、 t (三重線)、 q (四重線)、 quin (五重線)、 sext (六重線)、 hept (七重線)、 m (多重線)、 br (ブロード)と記述した。
[IR測定]
IR スペクトルは PerkinElmer製Spectrum Twoのフーリエ変換赤外吸収スペクトル装置により、KBr ペレットまたはKBr板を用いて測定した。
[MSスペクトル測定]
マス(MS)スペクトルは、サーモフィッシャーサイエンティフィックのExactiveマススペクトル装置で測定した。
[相構造および転移温度(℃)]
相構造および転位温度は、下記(1)および(2)の方法で測定した。
(1)偏光顕微鏡(Nikon ECLIPSE E400 POL)による相の特定は、ホットクールステージ(インステック社製ホットクールステージHCS400)に試料を置き、加熱しながらその状態の変化を観察して行った。
(2)(株)マックサイエンス社製示差走査熱量分析装置はDSC 3100 Sを用い、試料を昇降温させ試料の相変化に伴う吸熱ピークまたは発熱ピークから転移温度を決定した。
[電圧印加による光学応答挙動の観察]
素子はITO電極付きガラス基板上にアンチパラレルの水平配向になる様にポリイミドの配向膜を塗布後ラビング後、2枚のガラス基板の間隔が15μmもしくは5μmになるように組み立てたセル(イーエッチシー製)を用い、液晶性化合物を加熱し、ネマチックもしくは液体状態にした後毛細管現象により、電極間へ導入した。
その素子を偏光子と検光子を直交させた偏光顕微鏡へラビング方向と偏光子もしくは検光子とが20〜45°の角度になる様に融点測定装置のホットクールステージ(インステック社製ホットクールステージHCS400)上に設置した。
電圧印可は横河電機(株)社製ファンクションジェネレーター FG110、 (株)キーエンスオシログラフNR-2000、 およびFLCエレクトロニクス高速アンプ F10Aを用い、先ほどの素子へネマチック液晶状態にて直流電圧または交流電圧(0.15Hz、三角波)を印可し、電圧印可に伴う色調変化を偏光顕微鏡にて観察した。
[合成例]
以下の合成方法により、化合物1〜6を合成した。
化合物1の合成
オーブン乾燥しジムロート及び塩化カルシウム管を装備した50mLの三口フラスコに、N2雰囲気下でNaH(0.12グラム、3.2ミリモル、鉱油中60%分散液)および乾燥THF(7 mL)を入れた。引き続き、化合物7(0.30グラム、0.79ミリモル)を加え、約50℃で穏やかに加熱すると、溶液は徐々に淡黄色に変化した。シクロヘキサンカルバルデヒド(0.23 mL、1.9ミリモル)をTHF(5mL)に溶解した溶液を、25mL滴下漏斗を介して1時間かけて滴加した。
滴下終了後、さらに3時間攪拌しながら約50℃で加熱保持し、反応を完結させた。室温に冷却し、少量の未反応NaHに対して、注意深く、1N−HClを加えて分解中和させた後に、反応溶液をCHCl3で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水MgSO4
乾燥させた。溶液を濾過し、その溶媒を減圧蒸留により除去した。粗生成物を、ヘキサンを溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、精製した。化合物2、3,4,5および6の合成については、それぞれ該当するアルデヒドとホスホニウム塩を使用して、同様の合成方法によりおこなわれた。
化合物1の合成スキーム
化合物1: 収率 57%; 白色固体; Rf = 0.31 (n-hexane only);
IR (KBr) 2925, 2853, 1705, 1512, 1449, 967, 803 cm-1;
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ ; 1.15 − 1.34 (m, 10H), 1.66 - 1.81 (m, 10H), 2.10 −2.13 (m, 2H), 6.15 (dd, J = 15.9, 3.4 Hz, 2H), 6.31 (dd, J = 15.9, 0.8 Hz, 2H),7.26 (s, 4H);
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz) δ ; 25.96, 26.08, 32.87, 41.09, 125.93, 126.87, 136.18,136.46;
HRMS (APPI) calcd for C22H30 [M+] 294.2342, found 294.2337.
化合物2の合成スキーム
化合物2 : 収率 27%; 白色固体; Rf = 0.31 (n-hexane only);
IR (KBr) 2961, 2874, 1496, 1449, 969, 804 cm-1;
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ ; 0.93 (t, J = 7.3 Hz, 6H), 1.44 (sext, J = 7.4 Hz, 4H), 2.11 (q, J = 7.1 Hz, 4H), 5.80 − 5.87 (m, 2H), 6.16 − 6.25 (m, 2H), 6.43 (d, J = 15.8 Hz, 2H), 6.75 (dd, J = 15.6, 10.5 Hz, 2H), 7.31 (s, 4H);
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz) δ ; 13.64, 22.40, 34.88, 126.21, 129.03, 129.56, 130.64, 135.64, 136.42;
HRMS (APPI) calcd for C20H27 [M+] 267.2107, found 267.2104.
化合物3の合成スキーム
化合物3 : 収率35%; 白色固体; Rf = 0.29 (n-hexane only);
IR (KBr) 2924, 2851, 1705, 1512, 1496, 1449, 969, 804 cm-1;
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ ; 1.12 − 1.31 (m, 10H), 1.75 - 1.80 (m, 10H), 2.16 (m, 2H), 6.21 (dd, J = 16.1, 6.9 Hz, 2H), 6.31 (d, J = 15.9 Hz, 2H), 7.40 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 4H);
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz) δ ; 25.96, 26.07, 32.86, 41.14, 126.22, 126.66, 126.76,136.89, 139.02;(136.89ppmの2つのピークは分離出来ず)
HRMS (APPI) calcd for C28H34 [M+] 370.2655, found 370.2647.
化合物4の合成スキーム

化合物4 : 収率 8.5%; 白色固体; Rf = 0.40 (n-hexane only);
IR (KBr) 2923, 2846, 1651, 1511, 1448, 963, 803 cm-1;
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ ; 0.88 (t, J = 7.2 Hz, 6H), 0.92 - 1.00 (m, 4H), 1.21 − 1.36 (m, 14H), 1.80 (m, 8H), 2.04 (m, 2H), 6.14 (dd, J = 16.0, 6.9 Hz, 2H), 6.31 (dd, J =16.9, 0.96 Hz, 2H), 7.26 (s, 4H);
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz) δ ; 14.34, 19.93, 29.64, 32.84, 36.92, 39.67, 41.40, 125.80, 125.94, 126.93, 136.11, 136.46;
HRMS (APPI) calcd for C28H42 [M+] 378.3281, found 378.3270.
化合物5の合成スキーム
化合物5 : 収率14%; 白色固体; Rf = 0.34 (n-hexane only);
IR (KBr) 2953, 2921, 2844, 1488, 960, 799 cm-1;
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ ; 0.89 (t, J = 6.9 Hz, 6H), 0.96 (br, 2H), 1.12 − 1.27 (m, 24H), 1.79 − 1.82 (m, 8H), 2.04- 2.06 (m, 2H), 6.14 (dd, J = 15.8, 6.81 Hz, 2H), 6.31 (d, J = 16.5 Hz, 2H), 7.26 (s, 4H);
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz) δ ; 14.05, 22.63, 32.12, 32.82, 32.86, 37.19, 37.32, 41.40, 125.92, 126.88, 136.14,136.43;
HRMS (APPI) calcd for C32H50 [M+] 434.3907, found 434.3894.
化合物6の合成スキーム
化合物6 : 収率 29%; 白色固体; Rf = 0.34 (n-hexane only);
IR (KBr) cm-1; 2914, 2848, 1645, 1446, 973, 890 cm-1;
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ ; 0.89 (t, J = 7.2 Hz, 6H), 0.93 − 1.01 (m, 4H), 1.13- 1.39 (m, 14H), 1.78 − 1.84 (m, 8H), 2.06 − 2.08 (m, 2H), 2.28 (s, 6H), 6.01 (dd, J = 15.8, 7.1 Hz, 2H), 6.48 (d, J = 15.8 Hz, 2H), 7.18 (s, 2H);
13C-NMR (CDCl3, 75 MHz) δ ; 14.33, 19.29, 19.92, 32.84, 32.99, 36.90, 39.67, 41.75, 124.63, 126.80, 132.32, 135.26, 137.26;
HRMS (APPI) calcd for C30H46 [M+] 406.3594, found 406.3584.
[評価例]
合成した化合物1〜6の相転移挙動を表1に示した。合成した化合物1〜6のうち、化合物2、4および5については液晶を発現し、化合物4、5についてはネマチック相を発現した。Crは結晶相、Smはスメクチック相、Nはネマチック相、Isoは等方性液体、Gはガラス状態、Xは未同定相(液晶相ではあるが、種別が特定出来ていない相)を示す。
化合物2においてスメクチック相のみを発現したのは、二重結合の数が増えたことにより分子運動性が低下し、層秩序構造を安定化したものと考えられる。
化合物1,3および化合物4の比較から, 液晶性の発現にはコア部の影響のみならずアルキル鎖R1、R2の有無にも十分影響していることがわかった。
また、化合物5では、アルキル鎖を伸ばすことにより新たにスメクチック相が発現した。これは、安定性の向上したスメクチック相が発現するものと考えられる。さらに化合物4および5においてはネマチック相が発現した。これは、R1、R2にアルキル鎖を設けるとともに コア部(芳香環および二重結合)の相互作用、シクロヘキサン部における立体障害、分子運動性のバランスによるものと考えられる。
化合物6は化合物4にメチル基を導入したものであり、相互作用を低下させ、相転移温度をより室温に近づけることをねらいとして合成したが、結果として液晶性を示さないものとなった。芳香環の単軸方向それぞれにメチル基を導入したことで相互作用を低下させすぎてしまい、液晶性を示さなくなったものと考えられる。
[実施例1]
ネマチック相を発現した化合物4について、以下に示す電圧印加実験を行った。
図1に示したcell gapの異なる電気セル(ITO area : 1 cm× 1 cm, cell gapはそれぞれ5、15 μm)にそれぞれ化合物4を充填し、直流電圧(セル間隔:15μm)もしくは交流電圧(セル間隔5μm)を印加して、干渉色の変化を評価した。結果を図2に示す。
液晶分子の長軸方向と垂直に電圧印加を行ったところ、電圧の強さに応じて干渉色変化を示すことが確認された。
また、この変化は図2の左に示した干渉色図表に沿うような変化をしており、印加電圧を高くすると下方向へ色がシフトしていることから、電圧を強くするごとに液晶の複屈折(Δn)が小さくなっていることが考えられる。複屈折変化について考察すると、図3に示したように、分子の長軸方向に対して、電子の偏りによる分子の傾きが生じ、電圧の強さに応じて複屈折の変化が起きたのではないかと考えられる。
[実施例2]
ネマチック相を発現した化合物5について、以下に示す電圧印加実験を行った。
電気セル(ITO area : 1 cm ×1 cm, cell gapはそれぞれ5μm)にそれぞれ化合物5を充填し、ネマチック相を発現する180℃にて交流電圧を印加して、干渉色の変化を評価した。結果を図4に示す。
液晶分子の長軸方向と垂直に電圧印加を行ったところ、電圧の強さに応じて干渉色変化を示すことが確認された。
[実施例3]
ネマチック相を発現した化合物4について、以下に示す様に横電界における光学応答を調べる為に電圧印加実験を行った。
横電界を印可可能なFringe Field Switchingセル(配向処理:アンチパラレル、電極面積 : 1 cm2、cell gap:3.5 μm、画素電極幅:3.5μm、画素電極間隔:7.0μm、ライン&スペース:10.5μm)に化合物4を充填し、ネマチック相を発現する160℃にて交流電圧を印加して、干渉色の変化を評価した。結果を図5に示す。
実施例1や2での縦電界での挙動と同様、横電界に対しても電圧の強さに応じて干渉色変化を示すことが確認された。

Claims (8)

  1. 式(1)で表される化合物。
    (式(1)において、R1、R2およびR3は独立して、水素原子ないし炭素数1〜10のアルキルであり、これらの基において少なくとも一つの−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、または−SiH2−で置き換えられてもよく、少なくとも一つの−(CH22−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。nは0〜4の整数である。mは1または2の整数である。Z1およびZ2は、−CH=CH−である。)
  2. ネマチック相を示す請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1または2に記載の化合物を含有する液晶組成物。
  4. ネマチック相を示す請求項3に記載の液晶組成物。
  5. 少なくとも一つの光学活性化合物および/または重合可能な化合物を含有する、請求項3または4に記載の液晶組成物。
  6. 更に、少なくとも一つの酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を含有する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶性化合物または液晶組成物を用いる光素子。
  8. 請求項7に記載の光素子を用いる光表示装置。
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