本発明は、遊技盤の後面を開閉する開閉部材の移動を規制するロック部材を備える遊技機に関する。
パチンコ機等の遊技機においては、弾球された遊技球が遊技領域(遊技盤面上又はその近傍に形成された領域であって、遊技球の流下による遊技や演出を実現するための領域。)を流下して、その流下の過程で遊技球が遊技領域内の遊技釘や風車に衝突しつつ転回して流下方向が変化する。その結果、遊技球は、遊技領域上に配置された各種入賞口(入球口)に入賞したり、入賞せずにアウト口に導かれたりする。
各種入賞口には、遊技球の通過を検出する球通過検出手段が設けられており、この球通過検出手段による遊技球の検出を契機として所定の賞球払出しがなされる。また、球通過検出手段によって検出された遊技球は、遊技盤の背面に設けられた球通路に導かれ、球通路を通過した後に遊技機の下方に集められて、遊技済球として遊技機外に排出される。
球通路は、遊技機の下方に遊技球を排出するため、その球出口は開放されており、近年、球出口から球通路内に不正具が挿入される不正行為が行われている。この不正行為は、球出口から球通路内に不正具等を挿入し、球通路内の遊技球を逆流させて球通過検出手段を通過した遊技球を再度球通過検出手段によって検出させたり、不正具によって球通過検出手段を誤作動させたりして、不正に賞球の払出しをさせることにより行われる。このような不正行為がなされると、公平な遊技を実現できなくなる。
このような問題に鑑みて特許文献1には、入賞球を検出する検出孔を有する入賞球検出スイッチを誤作動させて賞球を不正に獲得するという不正行為を抑制するパチンコ機が記載されている。このパチンコ機は、入賞球検出スイッチの検出孔の下側に、検出孔への外部からの異物(不正具)の侵入を防止するための蓋部材を備えている。蓋部材は、定常時は付勢手段によって閉状態に保たれ、入賞時は落下してくる入賞球の重さによって開いて入賞球を通過させ、入賞球の通過後は付勢手段によって閉状態に戻るように構成されている。
このパチンコ機は、パチンコ機前面の下受け皿から針金等の異物が差し込まれ入賞球検出スイッチを誤作動させようとしても、閉状態にある蓋部材が検出孔への異物の侵入を邪魔するように構成されている。
また、遊技球が入球する入球装置は、遊技盤を前後方向に貫通して装着されており、遊技盤の前面に設けられた遊技領域を流下する遊技球を流入させ、流入した遊技球を遊技盤の後方に導くように構成されている。遊技盤の後方から入球装置にアクセスされることにより、入賞球検出スイッチを誤作動させて賞球を不正に獲得するという不正行為が行われる可能性がある。したがって、不正行為を防ぐために遊技盤の後方を開放し難くする必要がある。
遊技盤の後方には、遊技を制御する各種制御手段を収容する制御基板ケースや各種遊技部品が装着されている。制御基板ケースは、遊技盤を内包する遊技機枠に固定されており、通常の遊技中は遊技盤の後方を覆うように配置されている。しかし、制御基板の検査等メンテナンスを実施する際は、制御基板ケース等を外して遊技盤の後方を開放する必要がある。したがって、遊技盤の後方に装着された制御基板ケース等の遊技部品は、取り外し可能に構成されていたり、開閉可能に構成されていたりする。
このとき、遊技盤の後方に装着された遊技部品が容易に取り外されたり、開放されたりするように構成されていると、不正具によって遊技盤の後方を覆う遊技部品を外されてしまい、遊技盤の後面に容易にアクセスされてしまうおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、遊技盤の後方を開閉可能に構成された開閉部材を有する遊技機において、開閉部材の開閉移動を規制し、遊技盤の後方への不正アクセスを防止することができる遊技機を提供することを例示的課題とする。
本発明の例示的な側面としての遊技機は、遊技盤を保持する遊技機枠と、遊技機枠に対して揺動開閉され、遊技機枠に保持された遊技盤の後面の少なくとも一部を覆う閉鎖位置と、後面を開放する開放位置と、の間を移動する開閉部材と、閉鎖位置の開閉部材の移動を規制するロック位置と、規制を解除した非ロック位置と、の間を移動するロック部材と、ロック位置のロック部材の移動を規制する規制部材と、を備える遊技機であって、規制部材は、外力が加えられることにより非規制状態に変形し、かつ外力が除去されることにより非規制状態から規制状態に戻るように構成されている。
開閉部材は、遊技機枠に対して揺動開閉するように構成されており、遊技機枠に装着された遊技盤の後面の少なくとも一部を覆う閉鎖位置と、遊技盤の後方を開放した開放位置と、の間を移動する。ロック部材は、開閉部材が遊技盤の後面を覆う閉鎖位置において開閉部材の移動を規制するロック位置と、移動を規制しない(規制を解除した)非ロック位置と、の間を移動する。したがって、ロック部材によって開閉部材が閉鎖位置から開放位置へ移動することを規制して、不正に遊技盤の後方が開放されることを防止することができる。
また、規制部材は、外力が加えられることによりロック位置のロック部材の移動を規制しない非規制状態に変形し、かつ外力を除去されることにより非規制状態から規制状態に戻るように構成されており、ロック位置のロック部材の移動を規制する規制状態と、移動を規制しない非規制状態と、を実現する。したがって、規制部材によってロック位置から非ロック位置へのロック部材の移動を規制して、ロック部材による開閉部材の移動規制を維持することができる。
このようにロック部材と規制部材とが設けられているため、開閉部材を開放位置とするためには、まず、規制部材に対して外力を付加して、規制部材によるロック部材に対する移動規制を解除する。次いで、規制部材による移動規制を解除した状態で、ロック部材をロック位置から非ロック位置に移動して、ロック部材による開閉部材の移動規制を解除する。そして、開閉部材を閉鎖位置から開放位置に移動することができる。
すなわち、規制部材によるロック部材の移動規制と、ロック部材による開閉部材の移動規制と、を解除しなければ開閉部材を閉鎖位置から開放位置に移動することができないため、遊技盤の後面に対する不正アクセスをし難くすることができる。また、規制部材を一旦非規制状態に変形させても、外力を除去すると元の規制状態に戻るように構成されているため、規制部材に対して外力を加えた状態でロック部材を操作しなければ開閉部材を開放位置に移動することができない。
規制部材の外力の付加とは、例えば、手指等による押圧である。手指等で押圧することにより規制部材を変形させると、開閉部材の移動操作を片手で操作することは困難であり、両手で開閉部材の移動操作を行う必要がある。すなわち、単なるスライド移動等、単純な操作のみでは開閉部材の移動規制を解除できず、不正なアクセスを効果的に防止することができる。具体的には、遊技機枠に対して不正具が挿入され、規制部材の規制が解除された場合であっても、規制部材の規制を解除した状態でロック部材を移動することができないため、不正具による遊技盤の後面への不正アクセスを防止することができる。
このように、不正具等による開閉部材の開閉操作を難しくすることにより、遊技盤の後面へのアクセスを防止して、入賞球検出スイッチを誤作動させて賞球を不正に獲得するという不正行為を防止することができる。
なお、規制部材の変形方向と、ロック部材の移動方向と、を異ならせることにより、不正具等による操作を更にし難くすることができ、効果的に不正行為を防止して、セキュリティー性を高めることができる。
また、ロック部材は、開閉部材と別個に設けられ、開閉部材と係合するように構成されていてもよいし、開閉部材と一体化して設けられ、遊技機枠と係合することによって開閉部材の移動を規制するように構成されていてもよい。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、ロック部材と規制部材とが設けられているため、規制部材によるロック部材の移動規制と、ロック部材による開閉部材の移動規制と、を解除しなければ開閉部材を閉鎖位置から開放位置に移動することができないため、遊技盤の後面に対するアクセスをし難くすることができる。
また、規制部材を一旦非規制状態に変形させても、外力を除去すると元の規制状態に戻るように構成されているため、規制部材に対して外力を付加した状態でロック部材を操作しなければ開閉部材を開放位置に移動することができない。すなわち、単なるスライド移動等単純な操作のみでは開閉部材の移動規制を解除できず、不正なアクセスを効果的に防止することができる。したがって、遊技盤の後面への不正アクセスを防止して、入賞球検出スイッチを誤作動させて賞球を獲得するという不正行為を防止することができる。
また、規制状態においてロック部材がロック位置から非ロック位置に向かって移動することによって、規制部材が規制状態から非規制状態に向かう方向と反対方向に移動するよう構成することにより、規制状態においてロック部材が非ロック位置に向かって移動した場合において、規制部材を更に非規制状態から遠ざけることができ、不正行為を起因として規制部材によるロック部材の移動規制が解除されることを防ぐことができる。
本発明の実施の形態に係るパチンコ機の前面斜視図である。
本発明の実施の形態に係るパチンコ機の後面斜視図である。
このパチンコ機の分解斜視図である。
ヒンジ近傍の拡大図であって、ヒンジと保持軸とが係合した状態を示す図である。
ヒンジ近傍の拡大図であって、ヒンジと保持軸とが離脱した状態を示す図である。
パチンコ機の幕板近傍の部分拡大図である。
前枠の右下部近傍を後方から見た部分拡大斜視図である。
パチンコ機の前枠における右下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。
パチンコ機のガラス枠における右下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
パチンコ機の外枠及び裏セット盤における右下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。
パチンコ機の前枠における右下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
パチンコ機の前枠における前面側下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図であって、ファール球回収カバーを装着した状態を示す図である。
パチンコ機の前枠における前面側下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図であって、ファール球回収カバーを前方に取り外した状態を示す図である。
ファール球回収カバーの外観斜視図であって、(a)は斜め右下前方から矢視した斜視図であり、(b)は斜め右上後方から矢視した斜視図である。
パチンコ機の発射ユニット近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。
発射ユニット近傍の正面図である。
発射ユニットカバーを右上前方から見た外観斜視図である。
パチンコ機のオーバーフロー通路近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。
オーバーフロー通路カバーの外観斜視図であって、(a)はその前面側を右上前方から矢視した図であり、(b)はその裏面側を右上後方から矢視した図である。
前枠を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
前枠を斜め右上後方から矢視した斜視図であって、右側遊技盤フックを後方に分解して示した図である。
右側遊技盤フック近傍の拡大斜視図である。
左側遊技盤フック近傍の拡大斜視図である。
前枠を右上後方から矢視した斜視図であって、外レールを後方に分解して示した図である。
外レール及びレール取付具の取付け部分を拡大した拡大図であって、前枠を斜め右下後方から矢視した図である。
外レール及びレール取付具の取付け部分を拡大した拡大図であって、前枠を斜め右上後方から矢視した図である。
外レール取付具の外観斜視図であって、(a)は斜め右上前方から矢視した図であり、(b)は斜め右下前方から矢視した図である。
パチンコ機の裏セット盤を右上前方から矢視した斜視図である。
パチンコ機のガラス枠を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
ガラス枠のヒンジピン近傍における背面図であって(a)は、ヒンジピンロック機構のロック状態を示し、(b)をヒンジピンロック機構の解除状態を示している。
パチンコ機のガラス枠の背面を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
球抜きプレート近傍を拡大して示す拡大図である。
パチンコ機のガラス枠の背面を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
整流器の前カバーと後カバーとを分離した分解図である。
パチンコ機の発射装置ハンドルの分解図である。
回転ハンドル部の一部を分解して示す分解斜視図である。
パチンコ機の背面側を斜め左上後方から矢視した斜視図である。
パチンコ機における球タンク及び球タンクに接続されたタンクレールの外観斜視図である。
賞球払出ユニット近傍を拡大して示す拡大斜視図である。
賞球払出ユニットを斜め左上後方から矢視した外観斜視図である。
賞球払出ユニットの内部構造の概略を示す内部構造図である。
タンクレール及び賞球待機通路の外観斜視図である。
裏セット盤の左下方部分を斜め右上後方から見た斜視図である。
裏セット盤及び前枠の左下方部分を斜め左上後方から矢視した斜視図である。
裏セット盤の前面における右側面及び上側面部分を斜め左下前方から矢視した斜視図である。
裏セット盤の前面における左側面及び下側面部分を斜め右上前方から矢視した斜視図である。
パチンコ機を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
パチンコ機における左下部近傍を斜め左上後方から矢視した斜視図である。
右上ロック構造及び左上ロック構造の部分を拡大して斜め右上後方から矢視した斜視図である。
右上ロック構造を構成するロックスライダの外観斜視図であり、(a)は後面側を示し、(b)は前面側を示している。
外枠、前枠、ガラス枠の図示を省略して、裏セット盤のみを図示し、斜め右上前方から矢視した図である。
前枠における左下部近傍を斜め左上後方から矢視した斜視図である。
裏セット盤の前面側を斜め右上前方から矢視した斜視図である。
パチンコ機を斜め右下後方から矢視した斜視図である。
メイン制御基板ユニットの外観斜視図である。
電源基板ユニットの外観斜視図であって、(a)は、スイッチカバーを閉鎖した状態を示し、(b)はスイッチカバーを開放した状態を示す。
電源基板ユニットの外観斜視図である。
裏セット盤を斜め右下後方から矢視した斜視図である。
払出制御基板ユニットの外観斜視図であって、(a)は、パチンコ機の取付け状態における斜め右下後方から矢視した斜視図であり、(b)は、パチンコ機の取付け状態における斜め左上前方から矢視した斜視図である。
裏セット盤に対して、各基板ユニットを取り付ける様子を示す分解説明図である。
図55に示したカシメ部材の分解斜視図である。
メイン制御基板ケースにカシメ部材を取り付けた状態を説明するための側方断面図である。
カシメ部材の他の例の分解斜視図である。
カシメ部材の更に他の例の分解斜視図である。
パチンコ機に用いる遊技盤ユニットの正面図である。
アウト口ユニットのアウト口部近傍を拡大して示す拡大分解図である。
パチンコ機における前枠を斜め右上前方から矢視して、施錠装置を後方に分解した分解斜視図である。
このパチンコ機を斜め右上前方から見た斜視図である。
このパチンコ機のガラス枠を斜め右下後方から見た斜視図である。
このパチンコ機のガラス枠を略90°の角度で前方開放した状態における下側ヒンジ近傍の拡大図である。
このパチンコ機のガラス枠を略90°の角度で前方開放した状態におけるヒンジピン及びロックアーム近傍の拡大図である。
ヒンジピン及びロックアーム近傍におけるガラス枠の拡大背面図であって、(a)は、ロックアームの解除状態を示し、(b)は、ロックアームのロック状態を示している。
パチンコ機を斜め右上前方から矢視した外観斜視図であって装飾部材の一部としてのトップ装飾ユニットを前方に分解した図である。
トップ装飾ユニットの分解斜視図である。
ガラス枠の右側方近傍を斜め左上後方から矢視した斜視図であって、装飾部材の後方に補強部材とガラス枠シャーシとを分解した図である。
パチンコ機を斜め右上前方から矢視した外観斜視図であって演出ボタンユニットを上方に分解して示した図である。
演出ボタンユニットの内部構造の概略を示すための分解図である。
演出ボタンユニットを上下逆転してその下面を示す斜視図である。
パチンコ機の上球皿近傍の拡大図であって、演出ボタンユニット及びCRボタンユニットを上方に分解して示した図である。
パチンコ機の左側辺近傍における中央やや下方位置であって、上球皿の左側近傍を拡大して示す図である。
十字キーユニット近傍を斜め左上前方から矢視してその内部構造の概略を示す分解斜視図である。
ガラス枠の右側方近傍を斜め右下後方から矢視した斜視図であって、アース端子及びその近傍の拡大斜視図である。
パチンコ機のガラス枠背面における中央下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
パチンコ機のガラス枠背面における右上部近傍を斜め左後方から矢視した斜視図である。
ガラス枠の背面における右側下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図であって、ガイド凸部及びその近傍の拡大斜視図である。
前枠の前面における右側下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図であって、ガイド筒部及びその近傍の拡大斜視図である。
ガラス枠の左側上部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
前枠の左側上部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。
パチンコ機における左側辺近傍の部分断面図である。
ガラス枠の下部を斜め右上後方から矢視した斜視図であって、後方にカバーを分解した図である。
変形例に係る払出制御基板ユニットの外観斜視図である。(a)は、パチンコ機の取付け状態における斜め左上後方から矢視した斜視図であり、(b)は、パチンコ機の取付け状態における斜め左下後方から矢視した斜視図である。
前枠の背面側における左側下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
前枠の背面側における左側上部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。
裏セット盤の右側上部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。
実施するための形態
以下、本発明の実施の形態に係るパチンコ機2について、図面を参照しつつ説明する。
<ヒンジ部>
図1、図2は、本発明の実施の形態に係るパチンコ機(遊技機)2の斜視図である。図1においては、右上前方から斜めに矢視しており、図2においては、右上後方から斜めに矢視している。図3は、このパチンコ機2の分解斜視図である。図3においては、遊技盤は図示省略している。
パチンコ機2は、大略ガラス枠12、前枠9、外枠4、裏セット盤70を有している。ガラス枠12は、パチンコ機2の最前方に位置し、遊技者に対向する枠である。ガラス枠12は装飾部材32、球皿14、発射装置ハンドル15、ガラス10等を有している。ガラス枠12がパチンコ機2の前面側を覆っているので、遊技者による前面側からのパチンコ機2内部(例えば、遊技盤、発射ユニットC1等)への不正アクセスが防止されている。
前枠9は、ガラス枠12の後方に位置し、発射ユニットC1、ファール球回収通路の一部、オーバーフロー通路の一部、施錠装置60等を有している。前枠9の後面側には、前枠9に対して後方へ揺動開閉可能に裏セット盤70が取り付けられている。前枠9は、左上隅近傍にヒンジ22を有しており、このヒンジ22によって左側部近傍を回転中心として前方へ揺動開閉可能にガラス枠12を保持している。
外枠4は、前枠9の後方に位置し、その下部近傍に幕板50を有している。外枠4は、パチンコ機2全体の上下左右側面を構成する枠体であって、遊技機ホールにおける遊技機島に取り付けられるものである。外枠4の左上隅近傍には、保持プレート4a及び保持軸4bが配置され、前枠9のヒンジ22を回転可能に軸支している。そのため、前枠9は、外枠4に対しその左側部近傍を回転中心として前方へ揺動開閉可能となっている。
裏セット盤70は、遊技球排出用の集合通路、賞球払出用の賞球払出通路、賞球払出ユニット、球タンク101等を有している。裏セット盤70は、前枠9の後方に位置し、前枠9に対してその左側部近傍を回転中心として後方へ揺動開閉可能となっている。
これら、外枠4、前枠9、ガラス枠12を有して遊技機枠3が構成されている。通常使用時(遊技時)には、各枠は閉鎖されて施錠装置によって施錠される。メンテナンス等の際には、施錠装置60が解錠されて、各枠が他の枠に対して開放可能となる。
図4は、ヒンジ22近傍の拡大図であって、ヒンジ22と保持軸4bとが係合した状態を示した図である。図5は、ヒンジ22近傍の拡大図であって、ヒンジ22と保持軸4bとが離脱した状態を示した図である。ヒンジ22と保持軸4bとの係合及び離脱によって、外枠4と前枠9とはヒンジ22において着脱可能となっている。
より具体的には、図4に示す状態においては、ヒンジ22の穴部22a内に保持軸4bの先端部が係合しており、穴部22aが保持軸4b周りに回転可能となっている。外枠4と前枠9とは、その左下部近傍においても軸部と穴部とによって回転可能となっており(不図示)、結果的に、外枠4に対して前枠9が左側部近傍を回転中心として揺動可能となる。
ヒンジ22は、解除レバー22bを有している。解除レバー22bは、外枠4と前枠9との閉鎖状態においては、保持プレート4aの下方に隠れる位置となって、外部から視認もアクセスもできなくなっている。外枠4に対し前枠9を前方に開放すると、解除レバー22bが現れる。解除レバー22bを図5中の矢印A方向に解除操作すると、穴部22aの一側面を覆っていた壁部22cが解除レバー22bの移動に連動して退避移動し、穴部22aの一部が欠損状態となる。そして、この欠損部22dから保持軸4bを取り外すことにより、外枠4から前枠9を離脱させることが可能となる。
なお、欠損部22dは、外枠4に対し前枠9をある程度(例えば、60°〜90°程度)開放した状態で、おおよそ前方を向く位置に設定されている。したがって、解除レバー22bを解除操作した状態で、前枠9を外枠4に向けて押し込む(すなわち、後方に移動させる)操作だけで、保持軸4bとヒンジ22との離脱が簡単に行えるようになっている。
<幕板>
図6は、このパチンコ機2の幕板50近傍の部分拡大図である。図6においては、幕板50及び外枠4のみを示し、他の構成については図示を省略している。幕板50は、外枠4の下部において、外枠4の左側面から右側面にかけて配置された略直方体状の構成物である。幕板50は、図1にも示すように、球皿14の下方に位置するように配置されている。
幕板50は、大略中空構造を有しており、その中空内部に下部スピーカ52が左右に2つ配置されている。下部スピーカ52は、スピーカコーンによって構成されるその放音部を前方に向けて左右に配置されている。幕板50の前面側には、放音部に対応する位置にスピーカグリッド50aが配置されている。スピーカグリッド50aは、下部スピーカ52からの音声を幕板50の外部に効率的に放音するためのもので、幕板50に形成された多数の放音孔や金属線材を網目状に形成した網目板等によって構成される。
図7は、前枠9の右下部近傍を後方から見た部分拡大斜視図である。図6に示すように、幕板50の右側上部にはドロワコネクタ(オス側)50bが配置されている。そのドロワコネクタ50bに対応するように、図7に示すように、前枠9の右下部近傍にはドロワコネクタ(メス側)50cが配置されている。
外枠4に対し前枠9を閉鎖すると、ドロワコネクタ(オス側)50bとドロワコネクタ(メス側)50cとが接続される。ドロワコネクタ(オス側)50bは、幕板50の下部スピーカ52へと接続されている。ドロワコネクタ(メス側)50cは、前枠9側(より詳細には、前枠9と共に前方開閉される裏セット盤70側)に配置された電源基板ユニットへと接続されている。
外枠4に対し前枠9を閉鎖するのみで、わざわざコネクタの接続作業をすることなくドロワコネクタ50b,50c同士が接続され、下部スピーカ52への電源供給が行われる。逆に、外枠4に対し前枠9を前方開放すると、ドロワコネクタ(メス側)50cがドロワコネクタ(オス側)50bから離脱する。わざわざコネクタの取外し作業を行うことなく、ドロワコネクタの離脱が完了する。また、コネクタの取外しを忘れたまま前枠9を前方に開放してしまい、コネクタ及び配線に無理な外力がかかって破損してしまう、という不具合を予防している。
ドロワコネクタ(オス側)50bには、左右の下部スピーカ52の配線用の接続ピンが前後に延びるように複数立設している。この複数のピンのうち、ヒンジ22に近い側に配置される内側ピン50dが、ヒンジ22から遠い側に配置される外側ピン50eよりも長くされている。そのため、前枠9の閉鎖時に、外側ピン50eよりも内側ピン50dの方が先にドロワコネクタ(メス側)50cと接続されるようになっている。
ドロワコネクタ(メス側)50cは、2本のネジ53によって前枠9に取り付けられているが、固定的に取り付けられているのでなく、一定のガタを持たせて取り付けられている。つまり、ドロワコネクタ(メス側)50cは、一定範囲で上下左右に自由に移動可能となっている。したがって、前枠9の閉鎖時に、ドロワコネクタ50b,50c同士に多少の位置ずれがあったとしても、問題なく両コネクタ50b,50cの接続が可能となっている。
なお、ドロワコネクタ(メス側)50cの近傍に前枠9の開閉を検出する開閉センサ54が配置され、それに対応するドロワコネクタ(オス側)50bの近傍位置に、開閉センサ54用の検出片55が配置されている。前枠9の開放が検出されているにも拘らずドロワコネクタ50b,50c同士が接続されているという不具合や、前枠9の閉鎖が検出されているにも拘らずドロワコネクタ50b,50c同士が離脱しているという不具合が防止されている。
<開閉センサ>
図8は、パチンコ機2の前枠9における右下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。図8においては、ガラス枠12の図示を省略している。図9は、パチンコ機2のガラス枠12における右下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図9においては、外枠4、前枠9及び裏セット盤70の図示を省略している。
図10は、パチンコ機2の外枠4及び裏セット盤70における右下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。図10においては、ガラス枠12及び前枠9の図示を省略している。図11は、パチンコ機2の前枠9における右下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図11においては、ガラス枠12及び裏セット盤70の図示を省略している。
図8に示すように、前枠9における右下部近傍位置及び中央やや下方位置の2箇所に、前枠9に対するガラス枠12の開閉を検出する開閉センサ56が配置されている。そして、図9に示すように、ガラス枠12の裏面側には、2つの開閉センサ56に対応する位置に2つの検出片57が配置されている。
開閉センサ56は、オンオフスイッチである。ガラス枠12が前枠9に閉鎖されて検出片57が開閉センサ56に当接すると、開閉センサ56がガラス枠12の閉鎖を検出する。ガラス枠12が前方に開放されて検出片57が開閉センサ56から離間すると、開閉センサ56がガラス枠12の開放を検出する。検出片57は、樹脂又は金属等により形成されて、前後方向に弾性を有する構造とされている。前枠9やガラス枠12のいずれかに多少の部品バラツキや取付バラツキがあっても、弾性によりそのバラツキを吸収しつつ、検出片57はガラス枠12の閉鎖時に確実かつ適正に開閉センサ56に当接するようになっている。ガラス枠12の閉鎖時に、当接不足により閉鎖検出がされない、当接過剰により開閉センサ56が破損する、等の事態が発生しないようになっている。
図10に示すように、外枠4における右下部近傍位置であってドロワコネクタ(オス側)50bの近くに、外枠4に対する前枠9の開閉を検出する開閉センサ54用の検出片55が配置されている。そして、前枠9の裏面側には、検出片55に対応する位置に開閉センサ54が配置されている(図7参照)。
開閉センサ54は、オンオフスイッチである。前枠9が外枠4に閉鎖されて検出片55が開閉センサ54に当接すると、開閉センサ54が前枠9の閉鎖を検出する。前枠9が前方に開放されて検出片55が開閉センサ54から離間すると、開閉センサ54が前枠9の開放を検出する。検出片55は、樹脂又は金属等により形成されて、前後方向に弾性を有する構造とされており、実質的に、検出片57と同様の構造とされている。
図11に示すように、前枠9の裏面側には、裏セット盤70の開閉を検出する開閉センサ58が配置されている。そして、裏セット盤70の前面側には、開閉センサ58に対応する位置に検出片59が配置されている。
裏セット盤70は、その左側辺において前枠9に揺動支持され、前枠9に対して後方に開閉可能とされている。開閉センサ58はオンオフスイッチである。前枠9に対して裏セット盤70が前方に閉鎖されて検出片59が開閉センサ58に当接すると、開閉センサ58が裏セット盤70の閉鎖を検出する。裏セット盤70が後方に開放されて検出片59が開閉センサ58から離間すると、開閉センサ58が裏セット盤70の開放を検出する。なお、検出片59は、検出片55や検出片57と同様の構成とされていてもよいが、本実施形態においては、検出片59は裏セット盤70の前面から突出した突出部である。
開閉センサ58及び検出片59は、パチンコ機2の左右方向における中央であって上下方向における中央よりやや下方位置に配置されている。換言すると、球皿14の後方であって、球皿14への賞球払出通路61の上方、かつ、アウト球用集合通路62の前方に位置している。この位置に裏セット盤70用の開閉センサ58を配置することにより、不正行為の防止効果を向上させることができる。
すなわち、不正行為者は、球皿14の賞球払出通路61からピアノ線や金属板等の不正工具を侵入させ、前枠9と裏セット盤70との間をこじ開けて隙間を作り、その隙間から不正工具を更にパチンコ機2内部に侵入させる不正行為を行う場合がある。本実施形態で説明する位置に開閉センサ58及び検出片59を配置することにより、前枠9と裏セット盤70とのこじ開けを確実に「裏セット盤70の開放」として検出することができ、このような不正行為を有効に防止し得る。
<ファール球回収構造>
図12及び図13は、パチンコ機2の前枠9における前面側下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。図12においてはファール球回収カバー63を装着した状態を示し、図13においてはファール球回収カバー63を前方に取り外した状態を示している。
前枠9の左側やや下方位置には、ファール球回収口64が位置している。ファール球は、発射ユニットC1によって発射されたものの遊技領域にまで到達せずにレールを逆戻りしてきた遊技球である。ファール球回収口64は、そのファール球を回収するための回収口であって、発射ユニットC1の近傍に位置している。
ファール球回収カバー63は、その上部開口63aと前枠9の前面とでファール球回収口64を構成する。前枠9には、ファール球回収口64から回収したファール球を流入させる流入口64bが開口形成されており、流入口64bは、その後方に位置する裏セット盤70内のファール球回収通路(不図示)に繋がっている。ファール球として回収された遊技球は、ファール球回収口64、流入口64b、ファール球回収通路を通り、払出口65を介して下球皿(球皿14の一部)14bに排出されるようになっている。
図14は、ファール球回収カバー63の外観斜視図であって、(a)は斜め右下前方から矢視した斜視図であって主としてその正面側を示し、(b)は斜め右上後方から矢視した斜視図であって主としてその背面側を示している。ファール球回収カバー63は、上部開口63aがファール球回収口64の一部を構成するように前枠9に取付けられたカバー部材である。具体的には、ファール球回収カバー63の2つの突片63bが前枠9の2つの係止孔9cに挿入され、ファール球回収カバー63のフック63cが前枠9のフック孔9dに係合されることにより前枠9に取付けられる。
ファール球回収カバー63の下部近傍には、切断部材66が装着されている。切断部材66は、例えばステンレス等の金属部材により形成された刃部66aを有している。刃部66aは、人間の指等が殆ど触れないように安全を配慮して内向きに傾斜しているが、接触した糸等を切断することができるように構成されている。
切断部材66は、発射ユニットC1から発射された遊技球の通過軌跡上に位置している(図16参照)。そのため、いわゆる糸吊りゴト(遊技球に糸等を接着又は固定して作成した不正球を発射ユニットC1から遊技領域へと発射させ、糸を操作することにより不正球を入賞口に出し入れする等の不正な操作を行う行為)を目的として発射された不正球の糸等をこの切断部材66により切断することができるようになっている。なお、図14(b)に示すように、切断部材66の背面側には、発射された遊技球が通過する発射通路63dが、ファール球流入通路63eに隣接するように仕切り壁63fによって仕切られて形成されている。
ファール球流入通路63eは、仕切り壁63gによって2つの通路63h,63jに分離され、各々の通路63h,63jは複数の補強リブ63kによって補強されている。ファール球回収口64から回収されたファール球は、左右2つの通路63h,63jのいずれかに振り分けられて流入口64bへと向かうようになっている。いずれの通路にも、ファール球を前枠9側(すなわち、後方)へと送り出す傾斜面が形成されているが、一方の通路(本実施形態では左側の通路63h)における傾斜面63mは、他方の通路(本実施形態では右側の通路63j)における傾斜面63nよりも高い位置に形成されており、落下してくるファール球を後方へと送り出すタイミングをずらすようになっている。
たとえ同じタイミングで2つのファール球がファール球回収口64を落下してきて、各々が通路63hと通路63jとに振り分けられても、高さの異なる各々の傾斜面63m,63nにより後方へ送り出されるタイミングがずらされるので、2つのファール球が噛み合って球詰まり状態(いわゆる、ぶどう状態)を生じてしまうことが防止されている。
<発射ユニット>
図15は、パチンコ機2の発射ユニットC1近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図であり、図16は、発射ユニットC1近傍の正面図である。図15においては、発射ユニットカバー67を分解して示しており、図16においては、発射ユニットカバー67を取り外して示している。発射ユニットC1は、上球皿(球皿14の一部)14aから整流器を介して送られてきた遊技球を遊技領域に向けて弾球発射するためのものである。発射ユニットC1は、大略発射レール68、ハンマー69、引張型ソレノイド71を有して構成され、前枠9の左側下方位置近傍に取り付けられている。
発射レール68は、弾球発射された遊技球を遊技領域に向けて案内する案内レールである。このパチンコ機2においては、いわゆる垂直発射方式が採用されているので、発射レール68は遊技盤の左側下方に位置しており、鉛直方向からやや上方を左に傾斜させた方向に向けて延びている。整流器から送られてきた遊技球が発射レール68の発射位置にセットされ、ハンマー69によって弾球されると、その弾球された遊技球が発射レール68に沿って上昇して更に外レールによって遊技盤の上部位置に案内され、遊技領域を流下するように構成されている。発射レール68は、ファール球回収カバー63の発射通路63dに繋がっている。
ハンマー69は、発射位置にセットされた遊技球を弾球するための部材であり、支軸部69a、吸着部69b、打球部69c、当接部69dを有して構成される。ハンマー69は、支軸部69aを中心として回転可能とされており、引張型ソレノイド71の通電/断電によって吸着部69bが引張型ソレノイド71に吸着/離間できるようになっている。そのため、ハンマー69は、吸着部69bにおいて少なくとも磁化可能な金属等の材料で形成されている。
引張型ソレノイド71の通電により吸着部69bが吸着されると、ハンマー69が右回り(図16中矢印B方向)に回転し、打球部69cが発射位置にある遊技球を弾球するようになっている。このとき、当接部69dがストッパ72aに当接してハンマー69のそれ以上の右回り回転を規制する。引張型ソレノイド71の断電により吸着部69bへの吸引力が遮断されると、吸着部69bが落下するようにハンマー69が左回り(図16中矢印Bと逆方向)に回転する。このとき、ハンマー69は、その自重により左回りに回転しつつ落下するが、ハンマー69の下面側がストッパ72bに当接してハンマー69のそれ以上の落下(左回り回転)を規制する。
引張型ソレノイド71は、通電により吸着部69bを吸着するソレノイドである。内部にコイルと固定子とを有し、吸着部69bが可動子として機能することにより、磁力により可動子を吸着している。この発射ユニットC1においては、引張型ソレノイド71を採用することにより、ロータリーソレノイド等を用いた発射ユニットに比較して、短いストロークでの吸着部69bの吸着を実現している。ハンマー69の回転移動距離の短縮により、1回の弾球動作における通電時間の短縮、ソレノイドによる吸着力の増大を実現し、省電力に寄与している。更に、ストロークの短縮化によりハンマー69の動作安定性も向上し、発射強度の安定性も向上している。
発射ユニットC1の前方には、発射ユニットカバー67が取付けられている。発射ユニットカバー67は、前方から発射レール68、ハンマー69、引張型ソレノイド71を覆うように発射ユニットC1に取付けられている。図17は、発射ユニットカバー67を右上前方から見た外観斜視図である。発射ユニットカバー67の下部には軸穴67aが形成され、この軸穴67aが発射ユニットC1側の左右方向に延びる軸67dに挿入されて、発射ユニットカバー67は前枠9に対して前方に揺動開閉可能となっている。
発射ユニットカバー67の上部には2つの弾性変形可能なフック67bが形成され、このフック67bが発射ユニットC1側の2つの突起部67eに係止可能となっている。発射ユニットカバー67を開けるときは、フック67bを弾性変形させて突起部67eから解除する。そうすると、発射ユニットカバー67は、軸穴67aを中心に前方に開放可能となる。発射ユニットカバー67を閉じるときは、その上部を後方に向けて押し込む。そうすると、フック67bが突起部67eに係止されて発射ユニットカバー67が閉鎖状態となる。
発射ユニットカバー67を発射ユニットC1に対して閉鎖することにより、発射ユニットC1内へのゴミやホコリの侵入を防止し、汚れ付着も防止することができる。ゴミ、ホコリ、汚れを防止することにより、遊技球の発射強度の安定性向上が図られる。また、ハンマー69や引張型ソレノイド71への不正アクセスが防止され、発射ユニットカバー67は、発射ユニットC1に対する不正行為の防止効果も発揮している。
なお、発射ユニットカバー67は、その取付孔67cを介して発射ユニットC1側のネジ孔67fに特殊ネジ(不図示)で締結されるようになっている。特殊ネジは、一般的なドライバー等の工具で回すことができず、ネジを取り外すのに特殊な工具が必要なネジである。それにより、発射ユニットカバー67は、遊技者等によって容易に開放することができないようになっている。
図18は、パチンコ機2のオーバーフロー通路近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図であり、オーバーフロー通路カバー73を分解して示している。図19は、オーバーフロー通路カバー73の外観斜視図であって、(a)はその前面側を右上前方から矢視した図であり、(b)はその裏面側を右上後方から矢視した図である。
オーバーフロー通路は、上球皿14aに貯留しきれずオーバーフローした遊技球を下球皿14bに向けて案内するための球通路である。オーバーフロー通路の一部は、裏セット盤70側に形成されているが、このオーバーフロー通路カバー73と前枠9の前面側とによってもオーバーフロー通路の一部が構成される。オーバーフロー通路カバー73のガイド面73a,73bを前枠9側の案内ガイド9f,9gに挿入しつつオーバーフロー通路カバー73を左方向へとスライド移動させる。すると、オーバーフロー通路カバー73のガイド面73cが前枠9側の挿入孔9hに挿入されつつオーバーフロー通路カバー73のフック73dが前枠9側の突起部9jに係止されて、オーバーフロー通路カバー73の前枠9への取付けが完了する。
前枠9には、裏セット盤70からの賞球を払い出す払出口9eが開口形成されている。オーバーフロー通路カバー73の前面側には開口部73eが開口形成され、その開口部73eを開閉可能にシャッター73fが取り付けられている。ガラス枠12を前枠9に閉鎖した状態では、上球皿14aの排出口から後方に延設されるガイド通路12a(図9参照)がシャッター73fを開放して開口部73eを介して払出口9eと接続され、払出口9eからの遊技球(賞球)がガイド通路12aを通って上球皿14aへと払い出されるようになっている。
メンテナンス等においてガラス枠12を前方開放すると、ガイド通路12aの前方移動と共にシャッター73fが開口部73eを閉鎖する。開口部73eが閉鎖されているので、その後に払出口9eから払い出された遊技球は、開口部73eから溢れ落ちることなくオーバーフロー通路カバー73内を流下して、再び前枠9に形成された開口部9kから裏セット盤70側のオーバーフロー通路へと案内される。そして、再び前枠9に形成された開口部9mから排出されてオーバーフロー通路カバー73内へと至るようになっている。
開口部9mのすぐ下方にはシャッター9nが配置されている。ガラス枠12の開放状態では、このシャッター9nとオーバーフロー通路カバー73とによって払出口65が閉鎖されており、払出口65から遊技球が溢れ落ちないようになっている。ガラス枠12を前枠9に対し閉鎖すると、下球皿14bの排出口から後方に延設されるガイド通路12b(図9参照)がシャッター9nを開放して払出口65と接続され、オーバーフロー通路カバー73内の遊技球が下球皿14bへと払い出されるようになっている。
<遊技盤フック>
図20及び図21は、前枠9を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図21においては、右側遊技盤フック74を後方に分解して示している。
前枠9には、遊技盤が後方から取付可能となっている。遊技盤は、図示しないが、その表面に各種入賞口、遊技釘、図柄表示装置、演出用役物等が配置された所定厚さ(例えば、厚さ10mm〜20mm程度)の盤状部材であり、表面側に遊技球が流下する遊技領域が形成されている。前枠9には、その中央に中央開口9pが開口形成されており、前枠9の後面側に取り付けられた遊技盤の表面がその中央開口9pを通して前方から視認可能とされている。
遊技盤は、4つの遊技盤フックによって前枠9に取り付けられるようになっている。前枠9の後面側には、遊技盤の右側上下を取り付けるための2箇所の右側遊技盤フック74が設けられ、遊技盤の左側上下を取り付けるための2箇所の左側遊技盤フック75が設けられている。右側遊技盤フック74は、全体がユニット化されており、ユニット全体で前枠9に対して容易に着脱可能となっている。左側遊技盤フック75は、ネジにより前枠9に固定的に締結されている。
図22は、右側遊技盤フック74近傍の拡大斜視図である。図22においては、前枠9の後面側を斜め左上後方から矢視して、上側の右側遊技盤フック74を示している。右側遊技盤フック74は、フック部材74a、軸部材74b、バネ74c、ナット74dを有してユニットとされている。フック部材74aは、遊技盤の裏面側に当接し、遊技盤の後方移動を規制するための部材で、例えば樹脂により形成されている。フック部材74aは、軸部材を貫通させる貫通孔が形成された円筒部74eとその円筒部74eから直角方向に延びた当接部74fとを有し、大略L字形状とされている。軸部材74bは、先端に突起74gを有しており、後端にはネジ切りがされている。フック部材74aの貫通孔に軸部材74bを通し、その後方のネジ部分にバネを介してナットを締結することにより、右側遊技盤フック74がユニット化される。
前枠9の後面には、軸部材74bを通すための穴(不図示)が形成されている。その穴には、一部に突起74gを通過させるための切欠きが形成されており、突起74gをその切欠きに通した後に軸部材74bを回転させることにより、右側遊技盤フック74が前枠9に取り付けられる。この状態で、フック部材74aは、バネ74cによって前方、すなわち前枠9側へと付勢されており、かつ図22中の矢印C方向に回転可能である。フック部材74aは、図22に示すロック状態(すなわち、当接部74fが下方に延びる状態)から矢印C方向に90°回転した解除状態(すなわち、当接部74fが図22の二点鎖線D方向に延びる状態)まで回転可能である。
フック部材74aを解除状態として遊技盤を前枠9の後面側の所定位置にセットし、その後にフック部材74aをロック状態に回転させると、当接部74fが遊技盤の右側裏面に当接しつつバネ74cの作用で前方へ付勢し、遊技盤の後方移動を確実に規制する。簡便な操作で遊技盤の右側部分の前枠9への固定が完了する。
なお、フック部材74aを解除状態からロック状態へと回転させる際に、円筒部74eに形成された突部74hが前枠9側に形成された突部9qに当接しつつ突部9qを乗り越えるようになっている。この突部74hが突部9qを乗り越えることにより、操作者はフック部材74aがロック状態となったことを確実に把握することができる。それにより、中途半端な半ロック状態(フック部材74aを矢印C方向に回転させたが、突部74hが突部9qを乗り越えていない又は乗り越え途中の状態)を防止し、遊技盤の確実な取り付けに寄与している。
図23は、左側遊技盤フック75近傍の拡大斜視図である。図23においては、前枠9の前面側を斜め右上前方から矢視して、下側の左側遊技盤フック75を示している。左側遊技盤フック75は、テーパ面75aと保持面75bとを有している。テーパ面75aは、遊技盤の左側部近傍を右側から差し込む際に、その差込みを容易とするための傾斜面である。左側遊技盤フック75の右側が所定角度(例えば45°)で後方に傾斜するようにテーパ面75aが形成されている。
保持面75bは、差し込まれた遊技盤の裏面を保持し、その後方移動を規制するための面である。保持面75bは、テーパ面75aよりも左側に配置されている。前枠9側に形成された当接リブ9r(図20及び図21参照)は、遊技盤の左側部に当接し、その左右方向の位置基準となるリブ面である。前枠9には、当接リブ9r近傍において段状に形成された前方規制面9sも形成されている。前方規制面9sは所定位置にセットされた遊技盤の前方移動を規制するための前方位置基準となる面である。
遊技盤の取り付け手順としては以下の通りである。まず、右側遊技盤フック74を解除状態とする。遊技盤の左側部が前方に右側部が後方になるように左右方向に傾斜させ、遊技盤の左側部近傍をテーパ面75aに沿わせつつ左側遊技盤フック75と前方規制面9sとの間に差し込む。この際、遊技盤の左側部が当接リブ9rに、遊技盤の表面が前方規制面9sに当接するように差し込む。その後、遊技盤の右側部も前枠9の後面に押し付けつつ、右側遊技盤フック74を解除状態からロック状態へと回転させる。それにより、遊技盤の裏面が保持面75bと当接部74fとによって保持される。
<外レール取付構造>
図24は、前枠9を右上後方から矢視した斜視図である。図24においては、外レール76を後方に分解して示している。
外レール76は、発射ユニットC1によって弾球発射された遊技球を遊技領域の上部に案内するための案内路を構成する。外レール76は、前枠9に取付けられた状態での遊技盤の左下方位置から左上方位置を介して右上方位置までを曲線上に囲み、発射ユニットC1からの遊技球を受け入れて滑らかに遊技領域に案内する。このパチンコ機2においては、外レール76は例えば前後方向に所定幅とされた金属板金で構成され、前枠9に対して後方から取り付けられている。外レール76の前枠9への取付けは、複数のレール取付具77を用いて実現されている。具体的には、このパチンコ機2においては、4つのレール取付具77によって外レール76が前枠9に取り付けられている。
なお、外レール76の一端部近傍には、アース板金78がネジにより固定されている。アース板金78は前枠9における取付け部分の形状に合わせて屈曲形成された金属板金部材であって、遊技球の静電気を除電するためのものである。アース板金78には、一端が例えば外枠4や前枠9の金属部等の接地電位部分に接続されたアース用ケーブル(不図示)の他端が接続され、外レール76及びアース板金78を接地電位としている。すなわち、弾球発射された遊技球が外レール76と接触することにより、遊技球に蓄積された静電気が外レール76からアース板金78、アース用ケーブル、外枠4等の接地電位部分へと逃がされ、遊技球の静電気を除電している。
図25は、外レール76及びレール取付具77の取付け部分を拡大した拡大図であって、前枠9を斜め右下後方から矢視した図である。図26は、外レール76及びレール取付具77の取付け部分を拡大した拡大図であって、前枠9を斜め右上後方から矢視した図である。
前枠9には、中央開口9pを囲むようにレール壁9tが形成されており、そのレール壁9tに沿って外レール76が取り付けられる。レール壁9tには、周溝79が形成されており、その周溝79に外レール76の前方端辺76aが挿入されるようになっている。
外レール76の後方端辺76bには、所定間隔で4箇所の切欠き76cが形成されており、その切欠き76c部分にレール取付具77が取り付けられるようになっている。レール取付具77の取付け位置に対応して、前枠9には取付凹部80が形成されている。外レール76の前方端辺76aをレール壁9tの周溝79に挿入し、外レール76の切欠き76cの後方からレール取付具77を前方に押込み、その後レール取付具77をレール壁9tに向けて、すなわち外レール76のレール面に向けて押し込むことで、レール取付具77の取付凹部80への取付けが完了する。なお、より詳細な取付け手順については、以下に説明する。また、レール取付具77の取付方向は、図25に矢印E,Fで示している。
図27は、外レール取付具77の外観斜視図であって、(a)は斜め右上前方から矢視した図であり、(b)は斜め右下前方から矢視した図である。外レール取付具77は、前面77a、側方突部77b、ガイド孔77c、摺動面77d、後面77e、フック部77f、左右挿入片77g、上部挿入片77hを有している。
外レール76の前方端辺76aを周溝79に挿入した状態で、レール取付具77の摺動面77dを外レール76の外周面に沿わせつつ前方(図25中の矢印E方向)にスライドさせ、取付凹部80の取付面80aに前面77aを当接させる。そのとき、取付凹部80側の突部80bがレール取付具77のガイド孔77cに挿入される。それと共に、レール取付具77の後面77eが外レール76の後方端辺76bに略当接するかそれに近い状態(後面77eと後方端辺76bとの間に僅かな隙間が空いた状態)となる。この状態において、レール取付具77の左右方向の移動は、取付凹部80の側壁80fによって規制される。
前面77aを取付面80aに当接させつつ、外レール76をレール壁9tに押し付ける方向(図25中の矢印F方向)にレール取付具77を移動させる。すると、突部80bがガイド孔77cに挿入された状態のまま、レール取付具77の左右挿入片77gが取付凹部80の左右ガイド80cの前方に滑り込み、上部挿入片77hが取付凹部80の上部ガイド80dの前方に滑り込み、レール取付具77の後方移動が規制される。
更にレール取付具77を矢印F方向に移動させると、レール取付具77の側方突部77bがその弾性により取付凹部80のフック部80eを乗り越えて係止される。この状態で、レール取付具77は、矢印F方向の移動もその逆方向の移動も規制され、レール取付具77の取付凹部80への取付けが完了する。このとき、レール取付具77のフック部77fは、外レール76の切欠き76cに食い込んだ状態となり、外レール76の内周面に当接してレール壁9t方向へと若干付勢する状態となる。
このレール取付具77による取付けが、外レール76に沿った4箇所で行われ、外レール76が前枠9に確実に取付けられることとなる。レール取付具77は、外レール76を後方から前方に付勢せず、レール壁9tに押し付ける方向に付勢して外レール76を保持するので、外レール76の撓みや歪みが発生せず、ひいては発射された遊技球の飛距離の安定性に寄与する。
<集合通路>
図28は、パチンコ機2の裏セット盤70を右上前方から矢視した斜視図である。図28においては、ガラス枠12及び前枠9の図示を省略して、裏セット盤70の集合通路81近傍を示し、かつ、集合通路カバー82を前方へと分解して示している。
集合通路81は、遊技領域を流下した遊技球を集合して通過させ、パチンコ機2の外部へと排出するための通路である。集合通路81は、裏セット盤70内における下部近傍位置であって、前枠9に遊技盤がセットされた状態で、その遊技盤の下方かつ後方位置に配置される。集合通路81は、遊技領域内に配置された普通入賞口、始動入賞口、大入賞口等の各種入賞口に入賞した遊技球や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を流入させるアウト口からの遊技球を受け入れて、排出口83に向けて案内する。排出口83を通過した遊技球は、パチンコ機2の後方に排出され、遊技機島の遊技球回収設備(遊技球循環設備)によって回収されるようになっている。
集合通路81は、裏セット盤70の前面70aの前方に集合通路カバー82が取り付けられることにより構成され、上方に向けて大きな集合開口81aを形成する。この集合開口81aに、各種入賞口やアウト口からの遊技球が落下し、流入する。
集合通路81内には、上段傾斜路81b、下段傾斜路81cが設けられており、両者が入れ子状に配置されてジグザグ状の通路を形成している。集合開口81aから流入した遊技球が、まず上段傾斜路81bを右下方に転がって下段傾斜路81c上に落下し、その後、下段傾斜路81cを左下方に転がって、ジグザグ状のルートを通って排出口83に至るようになっている。集合通路81が上段傾斜路81b及び下段傾斜路81cによってジグザグ状とされているので、仮に排出口83側から不正工具等を集合通路81内に侵入させても、集合開口81aから遊技領域へと到達するのは非常に困難なものとなっている。
上段傾斜路81b及び下段傾斜路81cの各々の下面側には、下方に突出する補強リブ81dが、前後に延びるように配置されている。補強リブ81dが配置されることにより、上段傾斜路81bや下段傾斜路81cの強度が向上しているので、集合通路81内を多数の遊技球が通過しても、それによる傾斜路81b,81cの変形や破損が防止されている。また、排出口83側からの不正工具の侵入に対しても強く、不正工具等による破損が防止されている。
<ガラスユニット>
図29は、パチンコ機2のガラス枠12を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図29においては、ガラスユニット11をガラス枠12の後方に分解して示している。
ガラス枠12には、その後方からガラスユニット11が取り付けられている。ガラスユニット11は、ガラス枠12の前方からの遊技領域の視認性を確保しつつ、ガラス枠12の前方からのパチンコ機2内部、特に遊技領域へのアクセスを遮断するためのものである。ガラス枠12には、中央開口12cが開口形成され、ガラスユニット11のガラス10がその中央開口12cを閉鎖するように位置している。
ガラスユニット11は、全体形状として、大略、長方形の下方部分と半円形又は半楕円形の上方部分とが合体した形状であって、左右側部と下部が直線形状で上部が曲線形状を呈しており、前後方向に薄い平板状のユニットである。ガラスユニット11は、全体形状の外郭を構成するガラスフレーム11aと、そのガラスフレーム11a内に嵌め込まれたガラス10とを有している。ガラス10としては、透明又は半透明の樹脂部材が使用されることもあり、また、前後に2枚のガラスが一定の隙間を空けて積層された状態で使用されることもある。このパチンコ機2においては、前後に隙間を空けて配置された2枚のガラス10がガラスフレーム11a内に嵌め込まれ、ガラス10とガラスフレーム11aとが接着固定されている。
ガラスフレーム11aの最上部近傍には、ガラスフレーム11aを持ち運ぶ際に使用される把持部11bが形成され、下部における左右位置には、2つの突起部11cが突出している。また、ガラスフレーム11aの左右側部において曲線が開始する部分の近傍には、左右2つの取付部11dが突出形成されている。
ガラス枠12の後面側には、突起部11cに対応する位置に左右2つの取付孔12dが開口形成され、取付部11dに対応する位置に左右2つの回転フック12eが配置されている。突起部11cを取付孔12dに挿入し、ガラスユニット11をガラス枠12の後面にセットした後に回転フック12eを回転させて取付部11dに係止させることにより、ガラスユニット11のガラス枠12への取付けが完了する。
ガラス10の下部における左右両端は、R形状とされている。ガラスフレーム11aの下部における左右両端はR形状とされていないか又はガラス10のR形状よりもRが小さくされ、この部分が、ガラスフレーム11aが幅広とされた下部領域11eとなっている。この下部領域11eは、ガラス枠12に隠れて遊技者からは見えない位置となっている。
このパチンコ機2では、この下部領域11eの左右各々に電波センサ84を配置している。電波センサ84が配置されているので、電波発信装置等を用いた不正な電波発信により、遊技領域内の各入賞口や役物等に設けられた入賞センサを誤作動させる不正行為を早期発見することができる。特に、ガラスフレーム11aの下部近傍位置である下部領域11eに電波センサ84を配置することで、大入賞口や始動入賞口等の遊技領域内の比較的下方位置に配置される入賞口に対する不正行為を有効に防止し得る。
なお、ガラスフレーム11a上の電波センサ84は、上記の2つでも有効であるが、このパチンコ機2においては、更に左右の取付部11dにも電波センサ84を配置し、ガラスフレーム11aに合計4つの電波センサ84を配置している。これにより、遊技領域の比較的上方位置に配置される入賞口や役物等に対する不正行為も有効に防止することができる。
<ガラス枠のヒンジピンロック機構>
図30は、ガラス枠12のヒンジピン86近傍における背面図であって(a)は、ヒンジピンロック機構のロック状態を示し、(b)をヒンジピンロック機構の解除状態を示している。
ガラス枠12の上面における左端部近傍にはヒンジピン86が上方に突出配置されている。このヒンジピン86が前枠9のヒンジ22に形成された軸孔(不図示)に挿入され、ヒンジピン86を中心軸として、ガラス枠12が前枠9に対して前方開閉可能となっている。
ガラス枠12を前枠9から容易に取外すために、ヒンジピン86は上下方向に移動可能である。ヒンジピン86が下方向に移動した際には、ガラス枠12の上面内に退避するようになっている(図30(b)参照)。ガラス枠12の不正な取外しの防止や、不用意なガラス枠12の脱落防止の観点から、ヒンジピン86は、上方に突出して下方移動不可能な状態で保持されるようになっている。ヒンジピン86の下方移動不可能な状態(いわゆるロック状態)と上下移動可能な状態(いわゆる解除状態)とを実現するために、ガラス枠12はヒンジピンロック機構を有している。
ヒンジピンロック機構は、ガラス枠12の後面に大略逆L字形状に開口形成されたL字開口88と、ガラス枠12後面側に回転可能に取り付けられたロックアーム87とを主要構成として有している。L字開口88は、ガラス枠12の後面における左上端部近傍に形成され、上下方向の上下溝88aと上下溝の上部から右に延びる左右溝88bとを有する。ロックアーム87は、L字開口88の近傍において軸87aを中心に矢印G方向に回転可能な樹脂部材である。ロックアーム87は、その先端にヒンジピン86の腕部86b(後述)の左方向移動を規制するフック部87bを有し、軸87aとフック部87bとをアーム部87cが接続している。
ヒンジピン86は、略直角に屈曲部されて大略L字形状を呈する。ヒンジピン86のうち、ガラス枠12の上面から上方に突出する部分が軸部86aであり、軸部86aに対して略直角に屈曲した部分が腕部86bである。腕部86bは、ガラス枠12の内部からL字開口88を介してガラス枠12の後方に突き出している。
図30(b)は、ロック機構の解除状態である。解除状態は、ロックアーム87が図中反時計回り(矢印G方向)に回転した状態である。このとき、ロックアーム87は、ヒンジピン86の移動を規制しないので、腕部86bがL字開口88の上下溝88aを下方に移動可能となっている。腕部86bが下方に移動すると、軸部86aが下方に移動してガラス枠12内部に退避し、前枠9からのガラス枠12の取外しが可能となる。
一方、前枠9に対しガラス枠12を取り付けた状態では、図30(a)に示すロック機構のロック状態とする。ロック状態は、ロックアーム87が図中時計回り(−G方向)に回転し、フック部87bが腕部86bの左方向移動を規制した状態である。ガラス枠12の取付けの際に、ヒンジピン86を上方移動させ、軸部86aをヒンジ22の軸孔に挿入する。そのとき、腕部86bは、上下溝88aの最上部、すなわち左右溝88bの左端に位置している。腕部86bを左右溝88bに沿って右方向に移動して、ロックアーム87を時計回り(−G方向)に回転させると、フック部87bとアーム部87cとが腕部86bを囲むように位置し、フック部87bが腕部86bの左方向移動を規制する。腕部86bが左方向に移動できないので、腕部86bが上下溝88aに到達することができず、その結果、ヒンジピン86は、下方移動が規制された状態に保持される。
なお、ロックアーム87の前面側(ガラス枠12と対向する側)には突起(不図示)が形成され、ガラス枠12の背面側には図30(a)に示すロック状態及び図30(b)に示す解除状態にそれぞれ対応する位置に凹部(不図示)が形成され、ロックアーム87はロック状態及び解除状態でキャッチ保持(カチッという感触と共に、その状態に保持されること)されるようになっている。それにより、操作者がロックアーム87のロック状態及び解除状態を容易に把握することができる。
<ガラス枠と球皿との一体構造>
図1及び図3に示すように、パチンコ機2は、球皿14として上球皿14a及び下球皿14bを有している。上球皿14aは、パチンコ機2の前面であってガラス10の下方位置に前方に突出配置され、賞球払出ユニットから排出口12fを介して払い出された賞球を受け入れて貯留する機能と、遊技球を整列させて、整流器及び発射ユニットC1へ向けて案内する機能とを有する。上球皿14aに貯留された遊技球は、球抜き部材14cの操作により、下球皿14bへと排出することが可能である。
下球皿14bは、パチンコ機2の前面であって上球皿14aの下方位置に前方に突出配置され、上球皿14aから排出された遊技球や、ファール球回収口64で回収されたファール球を貯留する機能を有する。下球皿14bに貯留された遊技球は、球抜き部材14dの操作により、下方に落下させることが可能である。
このパチンコ機2においては、ガラス枠12と上球皿14aと下球皿14bとが一体的に形成されている。すなわち、上球皿14a及び下球皿14bとが皿枠を構成し、ガラス枠と別体として前方開放可能となっているのでなく、ガラス枠12自体が上球皿14aと下球皿14bとを有している。したがって、ガラス枠と皿枠とが別体として構成されている場合に、ガラス枠と皿枠との間に生じてしまう隙間が、このパチンコ機2においては存在しない。上球皿14aや下球皿14bの周囲にガラス枠12との間の隙間がないので、この隙間を利用してパチンコ機2内部に不正具等を侵入させる不正行為が有効に防止されている。その結果、不正防止効果の高いパチンコ機2となっている。
<球抜き機構>
図31は、パチンコ機2のガラス枠12の背面を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図31においては、ガラス枠12の左下部近傍を拡大しており、上球皿14aからの遊技球の流れを説明するために一部の構成部品を省略している。
上球皿14aに貯留された遊技球23は、図中破線矢印で示す経路に沿って球送り通路89へと案内され、整流器92(図33参照)を経由して発射ユニットC1へと至るようになっている。球送り通路89は、遊技球23を1列に整列させる通路であり、整流器92に向けてなだらかに下向き傾斜している。なお、図31においては、整流器92の一部を省略し、整流器92の前カバー92a、内部の球送り部材93及びソレノイド94を図示して遊技球23の流れを説明容易としている。
球送り通路89で整列された遊技球23は、前カバー92aに開口形成された流入口92bから整流器92内部に流入する。整流器92内部に流入した遊技球23は、ソレノイド94によって往復揺動駆動される球送り部材93によって、1個ずつ発射ユニットC1へと送り出され、ハンマー69によって弾球発射される。
遊技者が発射装置ハンドル15を操作することによって、ソレノイド94が通電され、球送り部材93が往復揺動駆動される。球送り部材93は、球送り通路89からの遊技球23の流入を阻止しつつ球受け面93aにある遊技球23を発射ユニットC1へ送り出す送出状態と、次の遊技球23を球送り通路89から受け入れる受入れ状態とを繰り返す。発射装置ハンドル15が操作されない場合は、球送り部材93は送出状態で停止し、球送り通路89からのそれ以上の遊技球23の流入が阻止されるようになっている。
球送り通路89の終端89aと整流器92の流入口92bとの間には、球抜きプレート14eが配置されている。球抜きプレート14eは、球抜き部材14dの操作に応じて前後に進退可能なプレート部材であって、球送り通路89よりも一段低い位置に配置されている。図32は、球抜きプレート14e近傍を拡大して示す拡大図である。図32においては、ガラス枠12を背面方向から矢視している。
球抜きプレート14eは後方に進出した状態では、球送り通路89からの遊技球23を受けて流入口92bへと導く案内通路として機能している。球抜きプレート14eは、その上面が球送り通路89と同様に、右から左にかけて下がり傾斜しており遊技球23をスムーズに流入口92bへと導くようになっている。
また、球抜きプレート14eが左に下がり傾斜していること、球抜きプレート14eが球送り通路89よりも一段低く配置されていること、球送り通路89の終端89aが急角度のテーパ状となっていること等の要因から、この球抜きプレート14e近傍において整列した遊技球23は、相互に寄り掛かった状態となっている。更に、遊技球23同士に高低差が生じているので、遊技球23の中心位置が水平面内になく、相互にアンバランスな状態となっている。この寄り掛かった状態やアンバランスな状態によって、球抜きプレート14e近傍における球詰まりが防止され、1個の球送りが行われるごとに、次の遊技球23が円滑に送られる。
なお、球抜き部材14dを操作すると、球抜きプレート14eが前方へ退避した状態となり、球送り通路89の終端89aと流入口92bとの間に存在しなくなる。すると、球送り通路89内に整列していた遊技球23が、終端89aから落下して、球抜き通路14fを通って排出口12gから下球皿14bへと排出される。
<整流器>
図33は、パチンコ機2のガラス枠12の背面を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図33においては、ガラス枠12の左下部近傍であって、整流器92の取付け位置近傍を示している。図34は、整流器92の前カバー92aと後カバー92cとを分離した分解図である。
整流器92は、球送り通路89からの遊技球23を受け入れて、1個ずつ発射ユニットC1に向けて送り出すためのものである。図33に示すように、整流器92は、ガラス枠12に対して着脱可能である。具体的には、整流器92は、前カバー92aと後カバー92cとが全体を覆って略直方体形状を呈しており、その左側面側に配置された上下2つの突起92dがガラス枠12の背面に開口形成された挿入孔12hに挿入され、右側面側に配置された取付けフック92eの肩部分がガラス枠12側に配置された係止爪12jに係止されて、整流器92がガラス枠12に取り付けられる。なお、取付けフック92eは弾性を有しており、そのツマミ部96を押し込むことにより、取付けフック92eが弾性変形して肩部分が係止爪12jから解除可能となっている。
ガラス枠12の背面には、球送り通路89からの遊技球23が後方へと排出される排出口12kが開口形成されている。その排出口12kの位置に前カバー92aの流入口92bが対応して、流入口92bが遊技球23を受け入れることができるように、整流器92が取り付けられる。
図34に示すように、整流器92は、前カバー92aと後カバー92cとが合わさって構成される内部空間に、内部構造としての球送り部材93、ソレノイド94、待機路95を格納している。前カバー92aの周囲には、複数の係止孔92fが形成されている。後カバー92cの周囲には、係止孔92fの位置に対応して複数の係止フック92gが突出形成されている。前カバー92aに後カバー92cを嵌め込んで、係止孔92fに係止フック92gを係合させると、前カバー92aと後カバー92cとは開放困難となる。整流器92の内部清掃等の場合には、すべての係止孔92fと係止フック92gとの係合を解除すれば、前カバー92aと後カバー92cとは分離する。
流入口92bから整流器92の内部に流入した遊技球23は、球送り部材93が送出状態のときは、待機路95にて待機する。球送り部材93は略L字形状を呈する部材であって、中心軸93cから上方に立設する球止め部93bと略水平方向に延びる球受け面93aとを有している。ソレノイド94の通電オンオフによって、中心軸93cを中心に矢印α方向に往復揺動し、送出状態と受け入れ状態とを繰り返し実現するようになっている。
ソレノイド94の駆動に基づき球送り部材93が送出状態となったとき、球送り部材93の球止め部93bが待機路95上の遊技球23を待機させ、かつ、球受け面93a上の遊技球23が後カバー92cに開口形成された送出口92hを介して発射ユニットC1に向けて送出される。ソレノイド94の駆動に基づき球送り部材93が受け入れ状態となったとき、球止め部93bが待機路95よりも下方に移動し、待機路95上に待機していた遊技球23が流下して球受け面93aに受け入れられる。
送出状態においては、球送り部材93が図34に示す状態となっており、球受け面93aが矢印H方向に傾斜すると共に、矢印J方向にも傾斜している。したがって、球受け面93a上にある遊技球23がスムーズに送出口92hへと送出される。一方、受け入れ状態においては、球送り部材93が図34中矢印α方向に回転して球受け面93aの傾斜方向が矢印K方向となる。また、球受け面93aの一部が送出口92hを狭めて遊技球23が送出口92hを通過できない状態となる。したがって、この状態では、球受け面93aに受け入れた遊技球23は、発射ユニットC1に向けて送出されず、球受け面93a上に保持されたままとなる。
<発射装置ハンドル>
図35は、パチンコ機2の発射装置ハンドル15の分解図である。図35においては、発射装置ハンドル15を分解して、斜め後方から矢視している。発射装置ハンドル15は、ホルダ部15a、回転ハンドル部15b、レンズ部15cを有して大略構成される。
ホルダ部15aは、略中空円筒形状を呈しており、発射装置ハンドル15全体をガラス枠12の前面側に取り付けるための部分である。ホルダ部15aの後面側には、位置決めのための突部15d及び締結のための取付穴15eが形成されている。突部15dによってガラス枠12前面側との位置決めを行い、ガラス枠の後面からネジ、ボルト等の締結具を取付穴15eに挿入して発射装置ハンドル15が取り付けられる。ホルダ部15aの前面側は、漏斗状に拡張しており、その拡張部分には回転ハンドル部15bが矢印β方向に回転可能な状態で保持される。
図36は、回転ハンドル部15bの一部を分解して示す分解斜視図である。回転ハンドル部15bは、遊技者が発射強度調整のために回転操作を行うための部分である。回転ハンドル部15bの外周には、把持部15f,15gが突出形成されている。遊技者がこの把持部15f,15gに親指や人差し指等を掛けて容易に回転操作ができるようになっている。
回転ハンドル部15bは、ストップボタン15jを有している。ストップボタン15jは、発射ユニットC1による遊技球の弾球発射を停止するためのボタンである。遊技者がストップボタン15jを押すと、回転ハンドル部15bの回転量に拘らず、球発射が停止するようになっている。ストップボタン15jは、軸部15kにおいて揺動可能な状態で、回転ハンドル部15bの内部に保持されている。ストップボタン15jのボタン部15mは回転ハンドル部15bの外周から突出するように配置されており、遊技者が容易に親指で押せるようになっている。
回転ハンドル部15bには、オンオフスイッチとしての球止めスイッチ15pも配置されている。球止めスイッチ15pは、例えば、スイッチ片15qが押し込まれてオン状態になると、発射ユニットC1による球発射を停止させる発射停止信号を送出する。ストップボタン15jのボタン部15mが遊技者によって押されると、ストップボタン15jが揺動してその作動部15nが球止めスイッチ15pのスイッチ片15qを押し込み、球発射が停止されるようになっている。
回転ハンドル部15bの前方には、レンズ部15cが取り付けられている。レンズ部15cは、回転ハンドル部15bと一体的に回転するように取り付けられ、発射装置ハンドル15の前方を覆うカバー部材としての機能と装飾部材としての機能とを発揮している。このパチンコ機2においては、レンズ部15cは、透明又は半透明で無色又は着色の複数のレンズ部材を有して構成され、発射装置ハンドル15内に配置された発光素子(LED等)からの光を装飾的に遊技者に提供するようになっている。
<球タンク>
図37は、パチンコ機2の背面側を斜め左上後方から矢視した斜視図である。図37においては、賞球払出ユニット98を後方に取り外した状態を示している。図38は、パチンコ機2における球タンク101及び球タンク101に接続されたタンクレール102の外観斜視図である。図38においては、斜め左上後方から矢視している。
球タンク101は、裏セット盤70に取り付けられており、パチンコ機2の背面側上部近傍に配置されている。球タンク101は、遊技機島における遊技球循環設備から補給される遊技球を貯留するためのもので、パチンコ機2の上方から補給ホース等によって落下した遊技球を受け入れて貯留する。球タンク101からの遊技球は、タンクレール102及び賞球待機通路103を介して賞球払出ユニット98へと流下する。
このパチンコ機2においては、球タンク101全体が導電性樹脂等の導電性材料で形成されている。遊技球循環設備内や球タンク101内で遊技球同士又は遊技球と他の部品とが擦れ合うことにより、遊技球に静電気が滞留する。球タンク101全体が導電性材料で形成されているので、その静電気は、遊技球が球タンク101のタンク内壁に接触することにより、容易に除電することができる。従来のように、球タンク101のタンク内壁に除電用の板金部材等を配置する必要がない。
球タンク101には、球タンク101を裏セット盤70にネジで取り付けるための取付穴101aが形成されている。この取付穴101aにアース線104の一端部がネジで共締めされ、そのアース線104の他端部は、例えば、外枠4の金属部等に接地接続される。球タンク101が導電性材料で形成されているので、取付穴101aに直接アース線104を共締めするだけで、容易に球タンク101を接地接続することができる。遊技球の静電気は、球タンク101からアース線104を介して接地電位とされた外枠4の金属部等に放出される。
<賞球払出ユニットの着脱構造>
図39は、賞球払出ユニット98近傍を拡大して示す拡大斜視図である。図39においては、賞球払出ユニット98を後方に取り外した状態を、斜め左上後方から矢視している。図40は、賞球払出ユニット98を斜め左上後方から矢視した外観斜視図である。
賞球払出ユニット98は、遊技領域内に配置された各種入賞口に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球(賞球)を払い出す機能を有する。より具体的には、遊技球の入賞が検出されたことを示す検出信号が入賞口側からパチンコ機2のメイン制御基板側へ送られると、メイン制御基板から所定個数の賞球払出を指示する払出制御信号が賞球払出ユニット98へと送られる。賞球払出ユニット98は、その払出制御信号に基づき払出数をカウントしつつ所定個数の賞球払出を行う。
賞球払出ユニット98は、賞球待機通路103と賞球排出通路105との間に位置するように、裏セット盤70に対して着脱可能に取り付けられる。球タンク101で貯留され、タンクレール102、賞球待機通路103を通った遊技球を、賞球として賞球排出通路105へと払い出す。賞球排出通路105は、前後に2つの流入口105b,105cを有しており、前方の流入口105bが、払い出された賞球を球皿14へと導くためのものである。一方、後方の流入口105cは、球皿14でなくパチンコ機2の外部(パチンコ機2の後方)へと遊技球を排出するための球抜き通路(不図示)へと繋がっている。賞球払出ユニット98の球抜きレバー98aを操作することにより、賞球待機通路103内の遊技球が流入口105cから球抜き通路へと流下するようになっている。
賞球待機通路103の下端には、操作により上下移動可能な取付けフック103aが配置されている。賞球排出通路105の上端には、操作により矢印γ方向に回転可能なロック部材105aが配置されている。取付け状態では起立(ロック状態)したロック部材105aをγ方向に回転させて傾倒(解除状態)させ、取付けフック103aを上方(解除方向)に移動させることで、賞球払出ユニット98が後方に取外し可能となる。
賞球払出ユニット98の着脱の際には、その上縁部98b及び下縁部98cが案内ガイドとして機能する。例えば、取外しの際には、ロック部材105a及び取付けフック103aを解除状態とし、賞球払出ユニット98を少し上に持ち上げつつパチンコ機2の後方へと移動させる。上縁部98bが賞球待機通路103の下端部に沿いつつ、かつ、下縁部98cが賞球排出通路105の上端部に沿いつつ、円滑に後方へと移動させることができる。
なお、賞球払出ユニット98の取付けの際は、上記した取外しと逆の手順で行う。すなわち、ロック部材105a及び取付けフック103aを解除状態とした上で、賞球払出ユニット98をパチンコ機2の後方からその上縁部98bを賞球待機通路103の下端部に沿わせつつ、かつ、その下縁部98cを賞球排出通路105の上端部に沿わせつつ、前方へと移動させる。
賞球払出ユニット98を奥まで押し込んで所定位置へのセットが完了したら、取付けフック103aを下方(係止方向)へ移動させ、ロック部材105aを−γ方向(ロック方向)へと回転させて起立させると、賞球払出ユニット98の裏セット盤70への取付けが完了する。
<賞球払出ユニットの内部構造>
図41は、賞球払出ユニット98の内部構造の概略を示す内部構造図である。賞球払出ユニット98は、第1ケース98dと第2ケース98eとを有している。図41においては、第1ケース98dと第2ケース98eとを分離してその内部を示し、理解容易のため、両ケースの賞球通路98g内に遊技球23を二点鎖線で示している。使用状態においては、第1ケース98dと第2ケース98eとが左右に重ね合わされ、第2ケース98e側の3箇所の取付孔98fから第1ケース98d側の3箇所のネジ穴にネジ99を締結することにより、両ケースが締結される。なお、図中では、便宜的に第1ケース98d側にネジ99を示している。
賞球払出ユニット98内には、賞球通路98g、排出通路98hが形成されている。排出通路98hは、球抜きの際に遊技球23をパチンコ機2の外部へ排出するための通路で、その排出口98jから賞球排出通路105の流入口105cへと遊技球23を案内する。排出通路98hの流入口98kは、賞球通路98gの途中に開口形成されており、通常時はストッパ106によって閉鎖されている。
球抜きレバー98aは、賞球払出ユニット98の側面に配置されて操作により上下移動可能なレバーである。球抜きレバー98aを下方移動した状態(閉鎖状態)とすると、ストッパ106が流入口98kを閉鎖した状態に位置規制される。それにより、流入口98kが閉鎖され、賞球通路98g内の遊技球23は排出通路98h内へと流入できない状態となる。
球抜きの際は、球抜きレバー98aを上方移動させる(開放状態)。そうすると、ストッパ106の位置規制状態が解除され、賞球通路98g内の遊技球23の自重によりストッパ106が流入口98kを開放する方向に回転移動する。それにより、遊技球23が流入口98kから排出通路98h内へと流れ込む。
賞球通路98gは、通路内の遊技球23を賞球として球皿14に向けて払い出すための通路で、その排出口98mから賞球排出通路105の流入口105bへと遊技球23を案内する。賞球通路98gの流入口98nは、賞球払出ユニット98の上部付近に位置し、賞球待機通路103からの遊技球23を受け入れる。
賞球通路98gの途中にはスプロケット98pが配置され、その下流には通過センサ98qが配置されている。スプロケット98pは図示しない駆動モータの軸に接続されており、メイン制御基板からの払出制御信号に基づき駆動モータが回転駆動されると、スプロケット98pが1個ずつ遊技球23を賞球として払い出すようになっている。払い出された賞球は、通過センサ98qによって個数カウントがされるようになっている。
スプロケット98pは第1ケース98d側に配置されており、その軸98rを覆うように、第2ケース98e側には軸保持部98sが配置されている。軸保持部98sは、例えば第2ケース98eと一体成型された円筒形状突設部であってその中空内部に軸98rを保持する。スプロケット98pの軸98rが、軸保持部98sに保持されて補強されることにより、軸98rの傾きや歪みが防止され、スプロケット98pの回転の安定性向上、破損防止等の効果を得ることができる。
第2ケース98eには、軸保持部98sから賞球通路98gに沿って斜め下方に向けて滑らかに湾曲する湾曲突部98tが突出形成されている。湾曲突部98tは、スプロケット98pによって払い出された遊技球23の周面を支持しつつ滑らかに斜め下方に案内して、排出口98mへと導く機能を発揮している。湾曲突部98tが形成されていることにより、スプロケット98pから払い出された遊技球23が、球詰まり等を生じることなく円滑に払い出されるようになっている。
なお、通過センサ98qの近傍位置に、電波センサ98uが配置されている。電波センサ98uは電波を検出して、不正電波による通過センサ98qの誤検出を防止するためのものである。賞球払出ユニット98の通過センサ98q近傍に電波センサ98uが配置されているので、不正電波による払出個数の誤検出を防止することができる。
<賞球待機通路>
図42は、タンクレール102及び賞球待機通路103の外観斜視図である。図42においては、要部のみを示して他の構成を省略しているが、パチンコ機2への取付け状態における斜め左上後方から矢視した状態を示している。また、賞球待機通路103を分解して示している。タンクレール102及び賞球待機通路103は、裏セット盤70に配置されている。
球タンク101からの遊技球23は、タンクレール102を通って賞球待機通路103へと至り、賞球待機通路103内を落下して賞球払出ユニット98内へと流入するようになっている。タンクレール102は、球タンク101と賞球待機通路103とを繋ぐレールであり、球タンク101からの遊技球23を1列に整列させて斜め左下方へと案内し、賞球待機通路103へと流下させる。
タンクレール102は、全体として側面及び底面を有する断面略コ字状の通路形状を呈しているが、部分的にその上面を覆うように第1カバー部材102a、第2カバー部材102b、第3カバー部材102cが取り付けられている。第1カバー部材102a及び第3カバー部材102cは、図示しない取付けフック及び取付け孔によってタンクレール102に係止されてタンクレール102の上面の一部を塞いでおり、タンクレール102内に多量の遊技球23が滞留した場合でも、タンクレール102の上面側から遊技球23が溢れ出すのを防止している。
第2カバー部材102bも同様に、タンクレール102の上面の一部を塞ぐように、タンクレール102に取り付けられているが、第2カバー部材102bは、軸102dを中心にその先端部102eが上下に揺動可能に取り付けられている。タンクレール102内の遊技球23が多量となった場合には、積み重なった遊技球23に押されるように先端部102eが上方に揺動し、遊技球23の溢れ出しをある程度防止しつつその数量増加をある程度許容する。そして、遊技球23が少量となった場合には、自重により先端部102eが下方に揺動するようになっている。
タンクレール102の排出口102fは、賞球待機通路103の流入口103bと接続されている。賞球待機通路103は、その通路が略上下方向に沿って延びており、その下端部103cの下方に賞球払出ユニット98の流入口98nが位置する。タンクレール102からの遊技球23は、賞球待機通路103内を落下して賞球払出ユニット98へと至る。
賞球待機通路103は、図42に示すように、第1通路部材103dと第2通路部材103eとが左右に重ね合わされてネジにより締結されて構成される。第1通路部材103d及び第2通路部材103eは共に断面略コ字状とされており、左右に重ね合わされた結果、賞球待機通路103の内壁は、略正方形又は長方形断面を呈する。
図42に示すように、第1通路部材103dの内壁には、上下に所定間隔をあけて、かつ内壁面ごとに互いに段違いとなるように、複数の突設リブ103fが形成されている。図に現れないが、第2通路部材103eの内壁にも、同様に上下に所定間隔をあけて、かつ内壁面ごとに互いに段違いとなるように、複数の突設リブ103fが形成されている。
これらの突設リブ103fは、賞球待機通路103内を落下する遊技球23に衝突させて遊技球23の落下速度を低減するためのものである。突設リブ103fの上面側には対向内壁に向けて下がり傾斜するテーパ部103gが形成されており、テーパ部103gに衝突した遊技球23を対向内壁側へと送り出す機能と、遊技球23が衝突した際の突設リブ103fの破損防止機能とを発揮している。
突設リブ103fは、各内壁ごとに順次段違いとなるように配置されている。すなわち、落下してきた遊技球23が、順次「・・→右方内壁→前方内壁→左方内壁→左方内壁→右方内壁→・・」のように突設リブ103fに衝突しつつ落下するように構成されている。その結果、遊技球23は、賞球待機通路103内を螺旋状に回転しながら落下するようになっている。
また、突設リブ103fがない場合には、賞球待機通路103内の遊技球23は、互いに真上に積み重なるように待機する状態となる。すると、遊技球23は直下の遊技球23に対して真上から真下に向けて荷重をかけることとなり、遊技球23同士の負荷が大きくなる。
しかし、賞球待機通路103内に突設リブ103fが配置されているので、賞球待機通路103内の遊技球23が螺旋を描くように待機する状態となる。上側の遊技球23が下側の遊技球23に対し斜めに荷重することとなり、遊技球23の荷重が下側の遊技球23と突設リブ103fとに分散され、結果として下側の遊技球23への荷重が軽減されることとなる。この荷重の軽減は、球詰まり防止に寄与する。
<ハーネス用開口>
図43は、裏セット盤70の左下方部分を斜め右上後方から見た斜視図である。図44は、裏セット盤70及び前枠9の左下方部分を斜め左上後方から矢視した斜視図である。図43においては、裏セット盤70のみを図示して扉用ガイド部材107を後方に分解しており、その他の構成の図示を省略している。図44においては、裏セット盤70及び前枠9のみを図示してその他の構成の図示を省略している。
裏セット盤70の左下部近傍には、ハーネスを通過させるためのハーネス用開口が形成されている。このパチンコ機2においては、枠用ガイド開口108と扉用ガイド開口109とが、ハーネス用開口として裏セット盤70の主要本体を構成する裏セットフレーム部材70bと一体成形されている。
枠用ガイド開口108は、大略ロ字状とされてその中央が中空開口とされ、その右側部における一部が切り欠かれており、この切欠き部108aから枠用ハーネス108bを中空開口に挿入可能となっている。枠用ハーネス108bは、メイン制御基板と前枠9の各種基板又は電気部品とを接続するハーネスである。
扉用ガイド開口109は、枠用ガイド開口108の左側に配置され、その左側部109aが開放された大略コ字状とされてその中央が中空開口とされている。扉用ガイド開口109には、扉用ガイド部材107が取付け可能とされている。扉用ガイド部材107は、例えば樹脂材料を用いて可撓性を有して構成された、いわゆるハーネスクランプ部材である。扉用ガイド開口109の左側部109aに対応する位置に、扉用ガイド部材107の開閉蓋107aが配置され、この開閉蓋107aを開放することによって、左側部109aから扉用ハーネス109bを中央開口に挿入可能となっている。扉用ハーネス109bの挿入後に開閉蓋107aを閉鎖すると、開閉蓋107aが扉用ガイド部材107の本体部側に係止されるようになっている。扉用ハーネス109bは、メイン制御基板とガラス枠12の各種基板又は電気部品とを接続するハーネスである。
枠用ガイド開口108と扉用ガイド開口109とを隣接して別々に形成し、各々に枠用ハーネス108bと扉用ハーネス109bとを通過させているので、ガラス枠12の開閉時又は前枠9の開閉時に、枠用ハーネス108bと扉用ハーネス109bとが絡み合うのを防止することができる。また、枠用ガイド開口108と扉用ガイド開口109とは、その開口面が図43及び図44に示すように傾斜しており、ハーネス108b,109bの通過方向が後ろから前に向けて下がり傾斜している。
枠用ガイド開口108と扉用ガイド開口109の前方には、前枠9の左下部近傍に前枠ハーネス開口110が開口形成されている。前枠ハーネス開口110は、枠用ハーネス108bと扉用ハーネス109bとを共に通過させることができる程度の大開口で、ガイド開口108,109の、ハーネス108b,109b通過方向における前方位置に形成されている。前枠ハーネス開口110は、枠用ハーネス108b及び扉用ハーネス109bを裏セット盤70側から各々前枠9側及びガラス枠12側へと通過させるための開口であり、その底面110aが前方に向けて下がり傾斜している。
枠用ハーネス108b及び扉用ハーネス109bは、裏セット盤70側から前枠9及びガラス枠12の下側ヒンジに向けて配線されるので、ハーネス108b,109bの通過方向は、前方に向けて下がり傾斜することとなる。枠用ハーネス108b及び扉用ハーネス109bの通過方向に沿って、枠用ガイド開口108、扉用ガイド開口109、前枠ハーネス開口110の底面110aが、前方に向けて下がり傾斜しているので、ガラス枠12や前枠9の開閉に伴うハーネス108b,109bの引き出しや押し戻しが円滑となる。
<遊技盤支持構造>
図45は、裏セット盤70の前面における右側面及び上側面部分を斜め左下前方から矢視した斜視図である。図46は、裏セット盤70の前面における左側面及び下側面部分を斜め右上前方から矢視した斜視図である。図45及び図46においては、裏セット盤70の主要部としての裏セットフレーム部材70bを示しており、裏セットカバー70c(図43,24−2参照)の図示を省略している。裏セットフレーム部材70bは、その中央に正面視略四角形状の中央開口70eが開口形成され、その中央開口70eの周囲を正面視略四角形状に上側面、右側面、下側面、左側面が囲んでフレームを形成している。下側面には、前面に集合通路カバー82を有して集合通路81が構成されている。
裏セットフレーム部材70bの右側面には、前後方向に延びる支持リブ111が形成されている。この支持リブ111の前端面111aは、裏セットフレーム部材70bの右側面における前端面70dよりも一段低く後方に切り欠かれた切欠き部と面一の前後位置とされている。この支持リブ111の前端面111aは、遊技盤の後方を支持する支持構造を構成している。遊技盤は、前枠9の後面側に遊技盤フック74,75によって取り付けられる。その遊技盤の裏面に当接して、又は遊技盤の裏面から後方に若干の隙間を空けて前端面111aが配置される。
例えば、遊技盤が樹脂材料等で形成されている場合や前後厚さが薄い場合は、外力、温湿度の変化等により前後方向に若干の反りや撓みが発生する可能性がある。しかしながら、支持リブ111の前端面111aが遊技盤の裏面に当接して、又は遊技盤の裏面から後方に若干の隙間を空けて配置されているので、遊技盤の後方への変位が支持されて規制される。そのため、外力や温湿度変化を受けても、遊技盤の平面度を良好な状態に維持することができる。
支持リブ111は、裏セットフレーム部材70bの左側面に形成されているので、遊技盤の左側面近傍における後方への反りや撓みを防止する。支持リブ111は、遊技盤の上下方向における略中央位置に形成されているので、左側面近傍において一般的に最も後方への変位が大きくなる部位の近傍を支持する。
一方、裏セットフレーム部材70bの上側面には、ボス111cが前方に突出配置されている。ボス111cは、遊技盤の左右方向における略中央近傍に配置されている。ボス111cの前端面111dの前後方向位置は、支持リブ111の前端面111aの前後方向位置と面一となっており、前端面111dは遊技盤の後方を支持する支持構造を構成している。
遊技盤の裏面は平板状である。ボス111cの前端面111dは、前枠9に取り付けられた遊技盤の裏面に当接して、又は遊技盤の裏面から後方に若干の隙間を空けて配置される。ボス111cは、遊技盤の上側面近傍で、一般的に最も後方への変位が大きくなる左右方向略中央近傍において支持している。したがって、遊技盤の上側面近傍における後方への反りや撓みが防止されている。
裏セットフレーム部材70bの左側面には、突出体111eが前方に突出配置されている。突出体111eは、遊技盤の上下方向における略中央近傍に配置されており、このパチンコ機2においては、裏セットフレーム部材70bの左側面から略直方体形状に突出している。もちろん、突出形状は、設計上、配置上の都合に応じて適宜変更が可能である。
突出体111eの前端面111fの前後方向位置は、支持リブ111の前端面111aの前後方向位置と面一となっており、前端面111fは遊技盤の後方を支持する支持構造を構成している。突出体111eの前端面111fは、前端面111a,111dと同様に、前枠9に取り付けられた遊技盤の裏面に当接して、又は遊技盤の裏面から後方に若干の隙間を空けて配置される。突出体111eは、遊技盤の左側面近傍で、一般的に最も後方への変位が大きくなる左右方向略中央近傍において支持している。したがって、遊技盤の左側面近傍における後方への反りや撓みが防止されている。
裏セットフレーム部材70bの下側面の前面側には、集合通路カバー82が取り付けられている。その集合通路カバー82の上部近傍に、左右方向に延びて立設された支持面111gが形成されている。支持面111gは、遊技盤の下端部近傍における後方であって、左右方向における少なくとも略中央位置に配置されている。
支持面111gの前後方向位置は、支持リブ111の前端面111aの前後方向位置と面一となっており、支持面111gは遊技盤の後方を支持する支持構造を構成している。支持面111gは、前端面111a,111d,111fと同様に、前枠9に取り付けられた遊技盤の裏面に当接して、又は遊技盤の裏面から後方に若干の隙間を空けて配置される。支持面111gは、遊技盤の下側面近傍で、一般的に最も後方への変位が大きくなる左右方向略中央近傍を少なくとも支持し、望ましくは、下側面近傍における左右方向の大部分にわたって遊技盤を支持している。したがって、遊技盤の下側面近傍における後方への反りや撓みが防止されている。
上記に説明したように、遊技盤の後方を支持する支持構造としての、前端面111a,111d,111f及び支持面111gによって、遊技盤の上下左右における後方への反りや撓みが有効に防止され、遊技盤の平面性確保に寄与している。
<裏セット盤のロック構造>
図47は、パチンコ機2を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図48は、パチンコ機2における左下部近傍を斜め左上後方から矢視した斜視図である。図48においては、説明容易のために前枠9と裏セット盤70とガラス枠12とを外枠4の後方に分解して示している。
裏セット盤70は、その左端部近傍における上下位置に配置される軸部70pにおいて、前枠9に対して軸支されている。そして、軸部70pを回転中心として、裏セット盤70は前枠9に対して後方に開閉可能とされている。裏セット盤70が前枠9に対して閉鎖状態となったとき、すなわち、裏セット盤70が前方に揺動移動したとき、裏セット盤70及び前枠9に配置される4箇所のロック構造によって、裏セット盤70の不用意な後方開放が防止されている。4箇所のロック構造は、裏セット盤70における右上部近傍に配置された右上ロック構造121、右下部近傍に配置された右下ロック構造122、左上部近傍に配置された左上ロック構造123、及び前枠9の左下部近傍に配置された左下ロック構造124を有している。右上ロック構造121、左上ロック構造123及び左下ロック構造124は左右方向移動により裏セット盤70のロック/解除、右下ロック構造122は上下方向移動により裏セット盤70のロック/解除が可能である。
図49は、右上ロック構造121及び左上ロック構造123の部分を拡大して斜め右上後方から矢視した斜視図である。図49においては、説明容易のために裏セット盤70を前枠9の後方に分解して示している。図50は、右上ロック構造121を構成するロックスライダ125の外観斜視図であり、(a)は後面側を示し、(b)は前面側を示している。図51は、外枠4、前枠9、ガラス枠12の図示を省略して、裏セット盤70のみを図示し、斜め右上前方から矢視した図である。なお、右上ロック構造121と左上ロック構造123とは、配置位置が裏セット盤70の右上部近傍か左上部近傍かである点で異なるに過ぎず、構造自体は略同様であるので、右上ロック構造121について説明し、左上ロック構造123についての説明を省略する。
右上ロック構造121は、裏セット盤70の右上部近傍であって後面側に配置され、左右方向にスライド可能とされたロックスライダ125と、前枠9の右上部近傍であって後面側に配置された係合孔121aとを有して構成されている。図49に示すように、前枠9の右上部近傍における後面側の一部が後方に突出してフック形状を呈しており、そのフック形状に基づき、左右方向に開口する係合孔121aが形成されている。
ロックスライダ125は、例えば樹脂で形成されて弾性を有し、手で操作することにより左右にスライド移動する操作片である。図50に示すように、ロックスライダ125は、左右に延びる楕円形状のスライド孔125a、下方に突出した案内ガイド部125b、案内ガイド部125bの上方に対応配置されたガイドフック部125c、前面125d側に配置され、前方へ突出すると共に左方へL字状に屈曲する係止フック部125eを有している。ガイドフック部125cは、その先端に左方向へ下がり傾斜するテーパ面125hを有している。
ネジ125gがスライド孔125aを貫通して裏セット盤70の後面側に取り付けられ、案内ガイド部125b及びガイドフック部125cが裏セット盤70後面に左右方向に延びて形成されたガイド溝125f内に挿入され、ロックスライダ125は、裏セット盤70に対し所定の可動域で左右にスライド可能に取り付けられる。
ロックスライダ125の係止フック部125eは、裏セット盤70のフック用開口70qを介して前面側に露出している。ロックスライダ125の左右スライド移動に伴い、係止フック部125eも左右移動する。ロックスライダ125及び係止フック部125eが左方向移動した状態で、係止フック部125eの先端部が係合孔121a内部に進入し、係止フック部125eと係合孔121aとが係合される。この係合状態では、裏セット盤70の前枠9に対する後方開放が阻止され、裏セット盤70がロック状態となる。一方、ロックスライダ125及び係止フック部125eが右方向移動すると、係止フック部125eと係合孔121aとの係合状態が解除される。それにより、裏セット盤70は前枠9に対して後方開放可能な状態(解除状態)となる。
なお、ガイドフック部125cが挿入される上側のガイド溝125fの溝内部には、部分的に下方に延びた段差部125j(図50(a)の破線部を参照)が形成されている。ロックスライダ125の係合状態では、ガイドフック部125cが段差部125jの左側に位置し(図50(a)の状態)、解除状態では、ガイドフック部125cが段差部125jの下方又は右側に位置するようになっている。
ロックスライダ125を解除状態からロック状態に左方向移動させると、ガイドフック部125cが弾性により撓み、段差部125jを乗り越えて段差部125jの左側へと移動する。この状態で、ガイドフック部125cの右方向移動は段差部125jによって規制されるので、ロックスライダ125は係合状態に維持される。ロックスライダ125の不用意な解除方向への移動が防止されている。
ガイドフック部125cを指で上下につまむ等して、ガイドフック部125cを下方に撓ませると、ガイドフック部125cと段差部125jとの係合が解除され、ロックスライダ125の右方向移動が可能となる。したがって、ガイドフック部125cを指でつまんだまま、容易にロックスライダ125を解除方向へと移動させることができる。
上述したように、左上ロック構造123も右上ロック構造121と略同様の構造を有している。また、右下ロック構造122は、裏セット盤70の右下部近傍に配置されており、スライド方向が上下方向であって、上方向移動すると解除状態となり、下方向移動するとロック状態となる点において異なるが、構造自体は右上ロック構造121と略同様であるので、これについても説明を省略する。
図52は、前枠9における左下部近傍を斜め左上後方から矢視した斜視図である。図52は図48と略同一の矢視方向であり、要部説明容易のため、前枠9のみを図示し、その他の図示を省略している。
前枠9の左下部近傍における後面側には、左下ロック構造124を構成するスライダ部材124aが配置されている。スライダ部材124aは、例えば、後方から見て略長方形を呈する樹脂部材であり、左右方向に延びる2つの楕円形状のスライド孔124bと、左端部近傍に位置する押さえ部124cとを有している。
2つのスライド孔124bにはネジ124dが貫通して前枠9の後面側に取り付けられ、スライダ部材124aは、所定の可動域で左右方向にスライド移動可能とされている。その右方向移動した状態で、押さえ部124cは前枠9の左側面9uと左右方向において略同じ位置か、又は更に右方向(内側)に位置する。スライダ部材124aを左方向移動した状態では、押さえ部124cは、前枠9の左側面9uから右方向へ突出した状態となる。
スライダ部材124aの上面には、2つの突起124eが突出形成されている。前枠9側には、スライダ部材124aを左右移動した場合に突起124eに干渉する位置に、ストッパ部材9vが設けられている。スライダ部材124aを右方向へ移動すると、左側の突起124eが左から右にストッパ部材9vを乗り越える。このとき、クリック感が発生し、スライダ部材124aが可動域における右方向位置の状態(ロック状態)であることがわかるようになっている。そして、スライダ部材124aはロック状態で軽保持状態(所定の力未満の小さい力では左方向に移動しないが、所定の力以上の大きい力をかけると左方向に移動可能な状態。)となる。
一方、スライダ部材124aを左方向へ移動すると、右側の突起124eが右から左にストッパ部材9vを乗り越える。このとき、クリック感が発生し、スライダ部材124aが可動域における左方向位置の状態(解除状態)であることがわかるようになっている。そして、スライダ部材124aは解除状態で軽保持状態となる。
図53は、裏セット盤70の前面側を斜め右上前方から矢視した斜視図である。裏セット盤70の前面側であって左下部近傍位置には、橋桁状部材124fが取り付けられている。橋桁状部材124fは、裏セット盤70の前面側に前方に突出して上下方向に延びるように配置されており、裏セット盤70の前面との間に左右方向に開口する係合孔124gが形成されている。この係合孔124gとスライダ部材124aとが左下ロック構造124を構成する。
スライダ部材124aを可動域における右方向に移動したとき(ロック状態)、スライダ部材124aの右端部124hが係合孔124g内に進入して係合し、それによって裏セット盤70の後方移動が規制され、裏セット盤70の前枠9に対する後方開放が阻止される。一方、スライダ部材124aを可動域における左方向に移動したとき(解除状態)、スライダ部材124aの右端部124hが係合孔124gから離脱して両者の係合状態が解除され、それによって裏セット盤70の後方移動の規制が解除され、裏セット盤70の前枠9に対する後方開放が可能となる。
なお、図48に示すように、前枠9に対して裏セット盤70を閉鎖した状態で、スライダ部材124aの大部分は裏セット盤70によって隠れてしまう。また、前枠9及び裏セット盤70を外枠4に取り付けて閉鎖した状態では、スライダ部材124aは殆ど隠れてしまう。そのとき、スライダ部材124aの押さえ部124cの外側(左側)に外枠4の左側面における内面4cが位置する。そのため、通常使用状態ではスライダ部材124aに外部からアクセス、すなわち、指等で解除/ロック操作することができない。また、仮にアクセスできたとしても、内面4cによってスライダ部材124aの解除方向(左方向)移動が阻止されているので、裏セット盤70の後方開放はできない。
外枠4に対して前枠9を前方開放すると、スライダ部材124aの押さえ部124c付近が外部に露出し、外部からのアクセスが可能となる。外枠4の内面4cも押さえ部124cの外側に存在しないので、スライダ部材124aを解除方向(左方向)へと移動させることができ、左下ロック構造124を解除状態とすることができる。他のロック構造121〜123も解除状態とすれば、裏セット盤70を前枠9に対して後方開放することができる。
裏セット盤70を前枠9に対して後方開放した後に閉鎖し、前枠9を外枠4に対して閉鎖する際に、スライダ部材124aのロック方向(右方向)への移動を忘れて解除状態(左方向移動状態)のまま前枠9を閉鎖しても、左下ロック構造124のロックは自動的に行われる。前枠9の閉鎖に伴い前枠9の左側面9uが外枠4の内面4cに近づき、その内面4cがスライダ部材124aの押さえ部124cを右方向へ押すこととなる。その結果、内面4cによってスライダ部材124aのロック方向(右方向)移動が完了し、操作者が特段操作しなくてもスライダ部材124aがロック状態となる。
<メイン制御基板ケースの形状>
図54は、パチンコ機2を斜め右下後方から矢視した斜視図である。裏セット盤70の後面側であって、裏セットカバー70cの下方に、各種基板ユニットが配置されている。
電源基板ユニット120は、このパチンコ機2内の各種電気部品、電子部品に電源を供給するためのものであり、裏セット盤70の後面に取り付けられ、裏セットカバー70cの下方やや右側に配置されている。
電源基板ユニットの左側には、裏セット盤70の後面に払出制御基板ユニット150が取り付けられている。払出制御基板ユニット150は、賞球払出ユニット98に所定個数の賞球払出動作を実行させるためのものであり、払出制御基板ケース内に払出制御基板が収納されて構成される。後述するメイン制御基板ユニット100からの賞球払出制御コマンドに基づき、払出制御基板ユニット150は、賞球払出ユニット98に向けて賞球払出動作実行のための払出動作信号を送出する。
電源基板ユニット120及び払出制御基板ユニット150の後方には、両ユニット120,150に跨るようにメイン制御基板ユニット100が取り付けられている。図55は、メイン制御基板ユニット100の外観斜視図である。メイン制御基板ユニット100は、メイン制御基板100aがメイン制御基板ケース100b内に収納されて構成される。メイン制御基板100aは、パチンコ機2の各種動作を制御するための制御基板である。例えば、遊技球の入賞に基づいて払出制御基板に向けて賞球払出のための賞球払出制御コマンドを送出したり、遊技球の入賞に基づいて内部抽選を行い、その抽選結果に基づく演出コマンドを演出実行用のサブ基板に向けて送出したりする。
メイン制御基板ケース100bは、メイン制御基板100aを内部空間に収納し、外部からメイン制御基板100aにアクセス不可能となるように全体を覆っている。メイン制御基板ケース100bは、2つのケース部材が開閉可能に重ね合わされることにより内部空間を構成し、その内部空間にメイン制御基板100aを収納する。
メイン制御基板100aに対する不正行為を防止するため、メイン制御基板100aを収納した後に、メイン制御基板ケース100bの2つのケース部材はカシメ部材113によって締結される。カシメ部材113によって締結された後は、カシメ部材113を破壊しない限りメイン制御基板ケース100bの開放及びメイン制御基板100aへのアクセスが不可能とされる。
メイン制御基板ケース100bの表面には、シリアルナンバー等の所定情報が付与された情報シールを貼付するための貼付面100cが形成されている。貼付面100cに情報シールを貼付することにより、メイン制御基板ユニット100の識別や管理が可能又は容易となる。その貼付面100cの少なくとも一部を囲み、情報シールの外形形状の少なくとも一部に沿うように、突起100dが形成されている。
突起100dは、メイン制御基板ケース100bの表面に、貼付面100cから突出するように形成されている。これにより、情報シールの周囲が突起100dによって囲まれることとなり、情報シールの周縁が外部からの意図的な又は意図しないアクセスから保護される。情報シールを無理に剥がすことが困難となり、また、他の部品との接触によって情報シールが剥がれてしまうことも防止される。
<電源基板ユニット>
図56は、電源基板ユニット120の外観斜視図である。図56においては、パチンコ機2に取り付けた状態における斜め右上後方から矢視している。電源基板ユニット120は、前述したように、パチンコ機2内部に電源を供給するユニットであって、内部に商用交流電源を直流電源に変換するための整流器や変圧器を備えた電源基板120aを備え、その電源基板120aの後面側における主要部分を、樹脂又は金属製で略直方体形状の電源基板ケース120bで囲んでいる。
電源基板120aの一部にはコネクタ120cが実装されており、そのコネクタ120cは電源基板ケース120bの外部に露出している。コネクタ120cにはハーネスが接続されるようになっており、そのハーネスを介して電源基板ユニット120とメイン制御基板ユニット100や払出制御基板ユニット150とが接続され、メイン制御基板ユニット100や払出制御基板ユニット150に電源供給がされるようになっている。
電源基板120aの他の一部には、オンオフスイッチ120dが実装されている。オンオフスイッチ120dの操作により、電源基板ユニット120による電源供給が開始/停止されるようになっている。オンオフスイッチ120dは、図56(a),(b)に示すように、スイッチカバー120e内に収納されている。スイッチ操作時には、図56(b)に示すように、スイッチカバー120eを開けて、内部のオンオフスイッチ120dを操作する。スイッチカバー120eには開閉操作を容易とするための把持部120fが形成されており、把持部120fを持って揺動開閉することができるようになっている。
一方、通常時(非操作時)には、図56(a)に示すように、スイッチカバー120eを閉鎖すると、スイッチカバー120eの係止孔120gにフック120hが係止される。それにより、スイッチカバー120eが不用意に開放しないようになっている。通常時にスイッチカバー120eによってオンオフスイッチ120dをカバーし、そのスイッチカバー120eが不用意に開放しないようにフック120hにより係止することで、ピアノ線等の不正な工具を用いたオンオフスイッチ120dの電源オフ操作(いわゆる、瞬断ゴト)を防止することができる。もちろん、メンテナンス時等において、操作者がフック120hを手で持って係止を解除することで、スイッチカバー120eを容易に開放することができる。したがって、このスイッチカバー120eは、不正防止とメンテナンス性の向上とを両立している。
<各基板ユニットの取付け方法>
図57は、電源基板ユニット120の外観斜視図である。図57においては、電源基板ユニット120をパチンコ機2へ取り付けた状態における斜め右上前方から矢視している。電源基板ユニット120の前面側(すなわち、裏セット盤70への取付面側)には、板金部材120jが取り付けられている。電源基板ユニット120がパチンコ機2に取り付けられた状態において、板金部材120jは電源基板120aの前方に位置するようになっており、ノイズによる電源基板120a及びパチンコ機2内の他の電子部品や基板への悪影響を防止する効果を発揮している。
板金部材120jの上下両端には、上下方向に突出する突出ガイド120kが各々2個ずつ計4個配置されている。この突出ガイド120kは、電源基板ユニット120を裏セット盤70に取り付ける際の案内ガイドとして機能する。また、板金部材120jの一部には、後述する裏セット盤70の係止フック70hと係合する係止孔120mが形成されている。
図58は、裏セット盤70を斜め右下後方から矢視した斜視図である。図58は、図54と矢視方向が同じであるが、裏セット盤70のみを図示し、パチンコ機2における他の構成部品の図示を省略している。また、裏セット盤70の後面側に取り付けられる電源基板ユニット120、払出制御基板ユニット150、メイン制御基板ユニット100の図示も省略している。
裏セット盤70の中央開口70eの下方右側部分は、電源基板ユニット120の取付けスペース70fとなっている。この取付けスペース70fの上下4箇所には、板金部材120jの突出ガイド120kに対応する位置に、案内溝70gが形成されている。更に、板金部材120jに開口形成された係止孔120mに対応する位置に、係止フック70hが配置されている。
裏セット盤70の取付けスペース70fに電源基板ユニット120の板金部材120jを沿わせるようにし、右から左方向に電源基板ユニット120をスライド移動させると、突出ガイド120kが案内ガイドとして案内溝70g内に挿入される(図60の矢印(1)参照)。そして、所定位置までスライド移動が完了すると、係止フック70hが係止孔120mに係合し、電源基板ユニット120の取付けが完了する。係止フック70hと係止孔120mとが係合しているので、電源基板ユニット120を右方向へ移動することができず、取付け完了状態では、電源基板ユニット120の裏セット盤70からの取外しができない。
電源基板ユニット120の取外しの際は、ツマミ70jを前方に押し込むようにすると、係止フック70hと係止孔120mとの係合が解除される。その状態で、電源基板ユニット120を右方向にスライド移動すると、突出ガイド120kが案内溝70gから外れ、電源基板ユニット120の取外しが可能となる。
図59は、払出制御基板ユニット150の外観斜視図である。(a)は、パチンコ機2の取付け状態における斜め右下後方(図58の矢視方向と同方向)から矢視した斜視図であり、(b)は、パチンコ機2の取付け状態における斜め左上前方から矢視した斜視図である。図59(b)に示すように、払出制御基板ユニット150の前面側には、上下2箇所ずつ計4箇所の案内溝150aが形成されている。そして、払出制御基板ユニット150の左側面には、係止爪部150bが側方に突出形成されている。
裏セット盤70の中央開口70eの下方左側部分は、払出制御基板ユニット150の取付けスペース70kとなっている(図58参照)。この取付けスペース70kの上下4箇所には、払出制御基板ユニット150の案内溝150aに対応する位置に、案内ガイド70mが形成されている。更に、取付けスペース70kの左端部近傍であって係止爪部150bに対応する位置に、係止フック70nが配置されている。
裏セット盤70の取付けスペース70kに払出制御基板ユニット150の前面を沿わせるようにし、右から左方向に払出制御基板ユニット150をスライド移動させると、案内溝150a内部に案内ガイド70mが挿入される(図60の矢印(2)参照)。そして、所定位置までスライド移動が完了すると、係止フック70nと係止爪部150bとが係合し、払出制御基板ユニット150の取り付けが完了する。係止フック70nと係止爪部150bとが係合しているので、払出制御基板ユニット150を右方向へ移動することができず、取付け完了状態では、払出制御基板ユニット150の裏セット盤70からの取外しができない。
払出制御基板ユニット150の取外しの際は、係止フック70nを左方向へ押し込むようにすると、係止フック70nの弾性変形によって係止フック70nと係止爪部150bとの係合が解除される。その状態で、払出制御基板ユニット150を右方向にスライド移動すると、案内ガイド70mが案内溝150aから外れ、払出制御基板ユニット150の取外しが可能となる。
次に、メイン制御基板ユニット100の取付け方法について説明する。裏セット盤70に電源基板ユニット120及び払出制御基板ユニット150を取り付けた状態において、電源基板ユニット120の後面120n(図56(b)参照)と払出制御基板ユニット150の後面150c(図59(a)参照)とは前後方向に等高(いわゆる、面一状態)となる。この面一状態の後面120n及び150cに跨るように、メイン制御基板ユニット100が取り付けられる。
図56に示すように、電源基板ユニット120の後面120nにおける右端部近傍には、後方に突出するように2つの嵌合部120pが配置されている。この嵌合部120pは、左側が開口して嵌合凹部120qとされており、後述するメイン制御基板ユニット100の突設部100gを嵌合凹部120qに嵌合可能とされている。
図59に示すように、払出制御基板ユニット150の後面150cにおける左端部近傍には、後方に突出するように係止フック150dが配置されている。この係止フック150dは、後述するメイン制御基板ユニット100の係止面100hと係合し、係止面100hの後方移動を規制する。
図55に示すように、メイン制御基板ユニット100は、その右端部近傍に側方に突出する2つの突設部100gを有している。また、メイン制御基板ユニット100の後面側における左端部近傍には、係止面100hが形成されており、左側面から側方に2つの突部100jが突出している。
図60は、裏セット盤70に対して、各基板ユニット100,120,150を取り付ける様子を示す分解説明図である。図60に示すように、電源基板ユニット120及び払出制御基板ユニット150を裏セット盤70に取り付けた後、メイン制御基板ユニット100の突設部100gを電源基板ユニット120の嵌合凹部120qに嵌合させる(図中矢印(3)参照)。そして、その後にメイン制御基板ユニット100の右端部近傍を前方に押し込むと、メイン制御基板ユニット100の係止面100hが払出制御基板ユニット150の係止フック150dに係合する。このとき、係止フック150dが2つの突部100jの間に位置するので、メイン制御基板ユニット100の左端部近傍は後方移動と共に上下移動も規制されることとなる。
メイン制御基板ユニット100の右端部近傍が、嵌合凹部120qと突設部100gとによって上下前後右方向の移動が規制され、左端部近傍が、係止フック150dと係止面100hと突部100jとによって上下前後左方向の移動が規制されて、その結果、メイン制御基板ユニット100の取付けが完了する。
メイン制御基板ユニット100の取外しの際は、係止フック150dを左方向へ押し込むようにすると、係止フック150dの弾性変形によって係止フック150dと係止面100hとの係合が解除される。その状態で、メイン制御基板ユニット100の左端部近傍を後方移動させると、メイン制御基板ユニット100の左方向移動が可能となり、嵌合凹部120qと突設部100gとの嵌合も解除されて、メイン制御基板ユニット100の取外しが可能となる。
<メイン制御基板ユニットのカシメ構造>
図61は、図55に示したカシメ部材113の分解斜視図である。カシメ部材113は、メイン制御基板ケース100bを構成する2つのケース部材に跨るように取り付けられ、メイン制御基板ケース100bを開放不可能とすることによりケース内部に収容するメイン制御基板100aを封印する。
カシメ部材113は、本体部113aとフランジ部113bとを有しており、その113aに対して別体とされた拡張部114が取り付けられて構成されている。本体部113aとフランジ部113bとは、例えば金属部材により一体で形成されており、各々大略円柱形状を呈している。本体部113aの上部に本体部よりも大径とされたフランジ部113bが位置している。
本体部113aには、小径部113cと大径部113dとが形成されており、本体部113aが例えば、バネ鋼材又は樹脂材料等で形成された拡張部114の中空内部に挿入されて、この小径部113cの周囲に巻き付けられるように拡張部114が取り付けられる。
拡張部114は、略円筒形状を呈しており、その円筒側面の一部に長手方向に切断された切断部114aを有し、その切断部114aの存在により拡張部114の内径が拡縮可能とされている。そのため、若干切断部114aを押し広げながら本体部113aを挿入し、挿入後は、拡張部114のバネ性によって内径が縮小して、拡張部114は小径部113cに密着する。そのとき、大径部113dの一部に形成された突出部113eと拡張部114の一部に形成された切欠き部114bとが噛み合うことにより、本体部113aに対する拡張部114の回転が規制されている。本体部113aに対して拡張部114が不用意に回転してしまうことがない。
拡張部114は、本体部113aへの取付け状態においてフランジ部113b側に向けて開く(拡張する)拡張片114cを有している。拡張片114cは、拡張部114の円筒側面に長手方向(高さ方向)に沿って形成された複数のスリット114dによって各々独立して弾性変形するように形成される。スリット114dは、拡張部114の円筒側面における長手方向の途中位置(略中央)まで形成され、その部分から複数の拡張片114cが各々放射方向に切り起こされている。この拡張片114cが複数の放射方向において実質的に封止機能を発揮する。
図62は、メイン制御基板ケース100bにカシメ部材113を取り付けた状態を説明するための側方断面図である。図62に示す前後方向は、パチンコ機2にメイン制御基板ユニット100を取り付けた状態における前後方向である。メイン制御基板ケース100bは、本体ケース115と蓋ケース116との2つのケース部材を有している。図62において、本体ケース115が後方側のケース部材であり、蓋ケース116が前方側のケース部材である。
本体ケース115には円形断面の貫通孔115aが形成され、蓋ケース116には円形断面の挿入穴116aが形成されている。貫通孔115aの直径は、フランジ部113bの直径よりも小さく、本体部113aにおける大径部113dと略同径か若干大径とされている。挿入穴116aは、その入口部分(本体ケース115に対向する部分)116bの直径が小径とされて貫通孔115aの直径と略一致している。入口部分116bよりも前方には係合溝部116cが形成されている。係合溝部116cは、入口部分116bよりも大径とされている。
カシメ部材113をその端部113fから貫通孔115aに挿入すると、拡張片114cがその弾性により収縮しつつ(閉じつつ)本体部113aが貫通孔115aから挿入穴116aへと至る。拡張部114の厚さは、大径部113dと小径部113cとの半径差以下とされているので、拡張部114がカシメ部材113の挿入の障害となることはない。
挿入が進行し、拡張片114cの先端部分が係合溝部116cに到達すると、拡張片114cの先端部分が放射状に拡張する。そうすると、その後にカシメ部材113を貫通孔115aから引き抜こうとしても、拡張片114cが係合溝部116cの壁面に当接して引き抜きを阻止する。カシメ部材113のフランジ部113bと拡張片114cとで貫通孔115aと挿入穴116aの入口部分116bとを挟み込む状態となり、その状態のままカシメ部材113の貫通孔115aからの引き抜きは不可能となる。その結果、本体ケース115と蓋ケース116との分離が不可能となり、メイン制御基板100aはメイン制御基板ケース100b内に封印されることとなる。
なお、図63は、カシメ部材113の他の例の分解斜視図である。この例においては、図61の例と同様に、カシメ部材113が本体部113a、フランジ部113b、拡張部114を有しているが、本体部113aは、フランジ部113b側の大径部113gとフランジ部113bから遠い側の小径部113hとを有し、小径部113hには更に溝部113jが形成されている。
拡張部114は、底部114eと底部114eからフランジ部113bに向けて放射状に斜めに広がる複数の拡張片114fとを有し、拡張片114fのうちの一部は内側に屈曲する屈曲部114gを有する。
拡張部114を本体部113aに取り付ける際には、拡張片114fがフランジ部113bに向けて広がり、底部114eがフランジ部113bから遠くなるように、小径部113hに拡張部114を取り付ける。小径部113hの先端に形成されたテーパ部113kによって屈曲部114gが押し広げられ、屈曲部114gはその弾性によって溝部113jに係合する。拡張部114は本体部113aに対して回転可能に取り付けられ、拡張片114fが拡張片114cと同様に、メイン制御基板ケース100bの封印機能を発揮する。なお、拡張部114の厚さが大径部113gと小径部113hとの半径差以下である点は、上記図61の例と同様である。
図64は、カシメ部材113の更に他の例の分解斜視図である。この例においては、図63の例と同様に、カシメ部材113が本体部113a、フランジ部113b、拡張部114を有しているが、本体部113aは、フランジ部113bから遠い側の先端部近傍に長手方向に延びる複数の縦溝部113mを有している。本体部113aの先端部には、カシメ用突出部113pが突出形成されている。更に、本体部113aは、円筒側面から側方に進退可能に突出する突出ピン113nを有し、この突出ピンによってもメイン制御基板ケース100bの封印機能を発揮するものとなっている。
拡張部114は、底部114hと底部114hからフランジ部113bに向けて放射状に斜めに広がる複数の拡張片114jとを有している。そして、底部114hには、カシメ用突出部113pを貫通可能なカシメ用孔部114kが開口形成されている。
拡張部114を本体部113aに取り付ける際には、拡張片114jがフランジ部113bに向けて広がり、底部114hがフランジ部113bから遠くなるように、本体部113aの先端部に拡張部114を取り付ける。カシメ用突出部113pをカシメ用孔部114kに貫通させた状態で、カシメ用突出部113pを潰して(塑性変形させて)本体部113aに拡張部114をカシメ固定する。
このとき、カシメ用突出部113pとカシメ用孔部114kとに各々対応する位置決め部117が形成されていれば、本体部113aと拡張部114とは回転方向における位置決めがされて固定される。この位置決めによって、拡張片114jの位置と縦溝部113mの位置とが一致するようになっている。そのため、カシメ部材113をメイン制御基板ケース100bの貫通孔115aに挿入する際に、拡張片114jが縦溝部113m内に折り畳まれるように収納される。縦溝部113m内に収納された拡張片114jは、本体部113aの直径寸法以内となり、カシメ部材113の貫通孔115aの挿入の障害とならない。
この図64の例におけるカシメ部材113は、本体部113aと拡張部114とのカシメ固定を行うので、拡張部114は本体部113aに対して回転不可能とされる。このカシメ部材113は、突出ピン113nによる封印機能と、拡張片114jによる封印機能との、二重の封印機能を発揮する。
<アウト口ユニットの構造>
図65は、このパチンコ機2に用いる遊技盤ユニット5の正面図である。遊技盤ユニット5は、発射ユニットC1によって弾球発射された遊技球23が遊技盤面6a上を流下することによる遊技を実現するためのものであり、遊技盤6とアウト口ユニットUと内レール24とを有して大略構成される。
遊技盤6は、例えば、木材又は樹脂材料で形成された正面視大略長方形の板状部材であって、前枠9に対して遊技盤フック74,75により後面側から取り付けられている。遊技盤6の前面側表面、すなわち遊技盤面6aには、流下する遊技球23の方向を変更させるための多数の遊技釘や風車、遊技球23の流入又は通過により遊技者に所定の利益を付与するための入賞口やゲート等が配置されるが、ここでは図示及び説明を省略する。なお、図65中の符号31aは、大入賞口を取り付けるために遊技盤6に開口形成された大入賞口取付孔である。
遊技盤面6aには、アウト口ユニットUが取り付けられている。アウト口ユニットUは、レール飾り部26とアウト口部30とを有して大略構成される。また、遊技盤面6aには、内レール24も取り付けられている。図65に示すように、内レール24とレール飾り部26とは、内側が大略円弧形状とされており、アウト口部30を挟んで左右に対向配置されている。この内レール24とレール飾り部26とで囲まれた遊技盤面6a上の大略円形領域が遊技領域16であり、この遊技領域16を遊技球23が流下する。
発射ユニットC1によって発射され、外レール76(図24参照)に沿って内レール24の外側(図65中左側)から遊技領域16内に流入した遊技球23が、いずれの入賞口にも入賞しない場合に、内レール24又はレール飾り部26によって誘導されてアウト口部30へと流入するようになっている。
図66は、アウト口ユニットUのアウト口部30近傍を拡大して示す拡大分解図である。レール飾り部26の下方部分には、遊技球23をアウト口部30へと案内する案内斜面26bが形成されている。その案内斜面26bの後方に隣接してアウト口部30が配置されている。
アウト口部30は、2つのアウト口(左側アウト口30a,右側アウト口30b)を有している。各アウト口30a,30bは、共に遊技球23の直径以上の径を有する円形開口とされ、遊技球23を円滑に流入可能とされている。2つのアウト口30a,30bの後方には、各々計数センサ(不図示)が配置され、それぞれのアウト口30a,30bから流入した遊技球23の個数をカウントするようになっている。各アウト口30a,30bに流入した遊技球23の個数の合計がアウト球数である。
例えば、発射ユニットC1又は整流器92の近傍に計数センサを配置して遊技球23の発射数(発射球数)をカウントし、ファール球流入通路63eの近傍に計数センサを配置してファール球の個数(ファール球数)をカウントし、遊技領域16内の各入賞口に計数センサを配置して入賞個数(入賞球数)をカウントすれば、発射球数、ファール球数、入賞球数、アウト球数の情報に基づき、不正行為の発見、不正行為の防止を行うことができる。例えば、本来「発射球数−ファール球数=入賞球数+アウト球数」の計算式を満足すべきところ、この計算式から大きく逸脱する程度に入賞球数が多い場合には、入賞口の計数センサに対する不正行為やいわゆる糸吊りゴト等の不正行為が行われている可能性を判断することができる。
案内斜面26bは、アウト口部30に遊技球23を案内すべく、アウト口部30の前方部分が最下方位置となるように両側部分から下がり傾斜している。そのアウト口部30の前方部分において、案内斜面26bは、後方に向けて、すなわちアウト口部30に向けて下がり傾斜する傾斜面26c,26dを有している。前方傾斜面26cは傾斜角度が緩く、後方傾斜面26dは傾斜角度が急とされている。遊技球23が連続してアウト口30a,30bに流入する場合に、よりアウト口30a,30bに近い側の遊技球23の流入速度が速くなり、球詰り防止効果を発揮している。
案内斜面26bと傾斜面26c,26dとは、左肩部26eと右肩部26fとによって滑らかに接続されている。左肩部26e及び右肩部26fは、案内斜面26bよりも急角度で遊技球23を傾斜面26c,26dへと案内し、かつ後方すなわちアウト口部30方向へと誘導する作用も有する。
左肩部26eは、左側アウト口30aの前方左側に位置しており、右肩部26fは、右側アウト口30bの前方右側に位置している。左側アウト口30aに左右方向から2つの遊技球23が同時に流入しようとした場合に、左肩部26eが左側アウト口30aの前方左側だけにあることにより、2つの遊技球23に加わる外力がアンバランスとなる。そのアンバランスな外力によって、左側アウト口30aに流入する複数の遊技球23による球詰まりが防止される。なお、右肩部26f及び右側アウト口30bにおいても、同様のアンバランスな外力の作用により、右側アウト口30bに流入する複数の遊技球23による球詰まりが防止されている。
アウト口30a,30bの各々の入口部分には、遊技球23を円滑に流入させるための誘導面が形成されている。誘導面は、前方に向けて広がるような形状のテーパ面又はR面(曲面)とされており、肩部26e,26f又は後方傾斜面26dからの遊技球23を受けつつ滑らかにアウト口30a,30b内に誘導する。誘導面のうち、左側アウト口30aの左側(外側、すなわち左肩部26e側)に位置する部分を左外面30c、右側(内側)に位置する部分を左内面30d、右側アウト口30bの左側(内側)に位置する部分を右内面30e、右側(外側、すなわち右肩部26f側)に位置する部分を右外面30fとする。
左外面30cと左内面30dとは、非対称に形成されている。すなわち、これらがテーパ面である場合は、左外面30cと左内面30dのテーパ角度が異なっており、これらが曲面である場合は、左外面30cと左内面30dの曲率が異なっている。同様に、右外面30fと右内面30eとは、非対称に形成されている。すなわち、これらがテーパ面である場合は、右外面30fと右内面30eのテーパ角度が異なっており、これらが曲面である場合は、右外面30fと右内面30eの曲率が異なっている。また、左内面30dと右内面30eとは、非対称に形成されている。すなわち、これらがテーパ面である場合は、左内面30dと右内面30eのテーパ角度が異なっており、これらが曲面である場合は、左内面30dと右内面30eの曲率が異なっている。
このように、各アウト口30a,30bにおける誘導面の形状を左右非対称とすることで、左右方向から流入する2つの遊技球23に加わる外力をアンバランスとすることができ、球詰まり防止に寄与する。このアウト口ユニットUにおいては、傾斜面26c,26dが相互に異なる傾斜角度を有することによる球詰まり防止効果、肩部26e,26fが配置されることによる球詰まり防止効果、誘導面(左外面30c、左内面30d、右内面30e、右外面30f)が左右非対称であることによる球詰まり防止効果を発揮している。
<施錠装置>
図67は、このパチンコ機2における前枠9を斜め右上前方から矢視して、施錠装置60を後方に分解した分解斜視図である。前枠9の右側面9w近傍に施錠装置60が取り付けられている。施錠装置60は、前枠9と外枠4との閉鎖時の施錠、前枠9とガラス枠12との閉鎖時の施錠を行うためのもので、施錠構造本体部60aとキーシリンダ部60bとを有して大略構成されている。
キーシリンダ部60bは、大略円柱形状を呈しており、前面に鍵穴60cを有して解錠鍵が挿脱可能とされている。キーシリンダ部60b内部には、複数のピンタンブラ又はディスクタンブラが配列されており、挿入された解錠鍵の形状パターンに沿ってタンブラが移動するようになっている。解錠鍵の形状パターンが適正なパターンの場合に、複数のタンブラがすべて所定位置に移動して鍵穴60cの回転を可能とする。
キーシリンダ部60bは、施錠構造本体部60aとリンク機構又はカム機構等によって連結されており、鍵穴60cの回転に伴って施錠構造本体部60aの内部構造が上下移動するようになっている。例えば、鍵穴60cを初期位置(解錠鍵の挿入位置)から右回り回転させることによって、施錠構造本体部60aの前面側に上下方向に配列された3つの前方フック60dが下方移動するようになっている。この前方フック60dは、ガラス枠12の後面側に形成されたガラス枠係合部(不図示)と係合することにより、前枠9とガラス枠12とを施錠している。前方フック60dの下方移動によって、ガラス枠係合部との係合が解除されてガラス枠12が解錠状態となり、前枠9に対して前方開放可能となる。
例えば、鍵穴60cを初期位置から左回り回転させることによって、施錠構造本体部60aの後面側に配置された上下2つの後方フック60eが上方移動するようになっている。この後方フック60eは、外枠4の前面側に形成された外枠係合部(不図示)と係合することにより、前枠9と外枠4とを施錠している。後方フック60eの上方移動によって、外枠係合部との係合が解除されて外枠4が解錠状態となり、外枠4に対して前枠9が前方開放可能となる。
<ガラス枠の構造>
図68は、このパチンコ機2を斜め右上前方から見た斜視図である。図68においては、ガラス枠12をヒンジ22を回転中心として前方に揺動開放した状態を示している。
このパチンコ機2は、最前面にガラス枠12を有している。ガラス枠12は、略その中央に中央開口12cが形成され、その中央開口12cの上方及び左右側方に装飾部材32が配置されている(図1及び図3も参照。)。中央開口12cには、後方からガラス10を有するガラスユニット11が取り付けられ、中央開口12cを介しての遊技者による前方からの視認性確保と内部へのアクセス防止とが実現されている。
中央開口12cの下方には、図1及び図3に示すように、球皿14(上球皿14a、下球皿14b)が前方に向けて突出するように配置されている。また、遊技者が右手で把持し易い位置に、発射装置ハンドル15も前方に突出している。このパチンコ機2においては、ガラス枠12自体に球皿14及び発射装置ハンドル15が取り付けられている。すなわち、ガラス枠12を前方に開放した際に、図68に示すように、球皿14及び発射装置ハンドル15も一体的に前方開放するように構成されている。
例えば、ガラス枠12と別体に構成された皿枠が球皿14を備え、ガラス枠12と別々に前方開放可能とされた構成が提案されている。このような構成においては、皿枠がガラス枠12の下方に位置し、ガラス枠12と同様に皿枠がその左側方において前枠9に軸支され、ガラス枠12と別に前方に揺動開閉可能とされたものがある。また、皿枠がガラス枠12の下方に位置し、その下側(すなわち、幕板50の上辺近傍)で左右方向に延びる軸によって軸支され、皿枠が前方に倒伏するように開放可能とされたものもある。これらのように、ガラス枠12と皿枠とを別体として構成すると、ガラス枠12とその下方に位置する皿枠との間に、左右方向に延びる隙間を生じる。
しかしながら、このパチンコ機2においては、ガラス枠12と皿枠とが別体として構成されておらず、ガラス枠12自体に球皿14と発射装置ハンドル15とが取り付けられているので、ガラス枠12と皿枠との間に隙間を生じることがない。すなわち、図68に示す位置Lの部分には、ガラス枠12の前面側から裏面側に連通する隙間が形成されていない。したがって、そのような隙間から無理に不正工具をパチンコ機2内部に挿入する不正行為が行われる可能性がなく、高い不正防止効果を発揮している。
<球皿背面側の構造>
図69は、このパチンコ機2のガラス枠12を斜め右下後方から見た斜視図である。図69においては、ガラス枠12背面側における構造の説明容易のため、球皿14の背面側における一部の構成部品を省略し、かつ補強板金12mを後方に分解して示している。また、図69では、前枠9、外枠4及び裏セット盤70の図示を省略している。
ガラス枠12の前面側における中央開口12cの下方位置に、球皿14(上球皿14a、下球皿14b)及び発射装置ハンドル15が取り付けられている。そして、その球皿14及び発射装置ハンドル15の後方位置、すなわち、ガラス枠12の背面側であってガラスユニット11の下方位置には、補強板金12mがガラス枠12の背面に固定取付けされている。
この補強板金12mは、図69に示すように、大略長方形状の板金部材である。補強板金12mの4辺周囲には、曲げ部12nが形成されて補強されており、撓みや曲げ等の外力に対し変形し難くなっている。また、補強板金12mには、複数の孔部12pが開口されており、例えば、ハーネスやネジ等の各種部品の補強板金12mを介しての前後の連通を可能としている。
補強板金12mは、ガラス枠12における中央開口12cの下方部分の殆どを全体的に覆うように配置されている。それにより、ガラス枠12の下方部分における補強を実現しているので、遊技者が不用意に外力を加えても、ガラス枠12が変形し難いようになっている。また、ガラス枠12の下方部分を金属製の補強板金12mで覆うことで、ガラス枠12の前方から、例えば球皿14近傍や発射装置ハンドル15近傍を介してのパチンコ機2内部への不正な侵入をより確実に防止している。
なお、補強板金12mはガラス枠12の背面側に直接取り付けられている。また、補強板金12mの背面側には、球皿14の光演出を実現するための皿電飾基板や中継基板等の各種基板、それらの基板を収容する基板ケース等が取り付けられているが、図69においては説明容易のために図示を省略している。
<ガラス枠中継基板構造>
図70は、このパチンコ機2のガラス枠12を略90°の角度で前方開放した状態における下側ヒンジ21近傍の拡大図である。すなわち、図70は、ガラス枠12の左側辺側において上下に延びた、前枠9に対する揺動支持軸の下方部分近傍位置であって、ガイド通路12aやファール球回収カバー63の周囲近傍を図示している。
ガラス枠12の背面側には、ベース部材としての基板ベース33が取り付けられており、その基板ベース33の後方にガラス枠中継基板34が取り付けられている。基板ベース33は、例えば樹脂製のプレート部材であって、ガラス枠中継基板34の取付部やハーネスクランプ36a用の取付部等を有する。ガラス枠中継基板34は、遊技盤6の後方に配置されてパチンコ機2の演出表示を制御するためのサブ制御基板(不図示)と、ガラス枠12側に搭載される各種制御基板(球皿14の電飾に関する基板、演出ボタンに関する基板、発射装置ハンドル15に関する基板等)とを中継するための基板である。このパチンコ機2においては、ガラス枠中継基板34として、上側中継基板34aと下側中継基板34bとの2つが取り付けられている。その上側中継基板34aと下側中継基板34bの後方に位置するように、開口35aを有してコネクタの挿脱容易性を確保しつつ中継基板34a,34bの一部を覆う基板カバー35が配置される。このパチンコ機2においては、基板カバー35は基板ベース33に取り付けられている。
図70に示すように、上側中継基板34a上に実装された1つのコネクタから1束のハーネス37aが延びている。下側中継基板34b上に実装された2つのコネクタから2束のハーネス37b,37cが延びている。これら合計3束のハーネス37a〜37cは、基板カバー35上に取り付けられたハーネスクランプ36bを介して前枠9側の前枠ハーネス開口110を通り、前枠9の後方へと至るようになっている。このハーネス37a〜37cがまとまって前述の扉用ハーネス109bとなる(図43及び図44参照)。
ガラス枠中継基板34もハーネスクランプ36bも前枠ハーネス開口110も前枠9に対するガラス枠12の揺動支持軸近傍に位置している。したがって、ハーネス37a〜37cは、その揺動支持軸近傍を通過する。そのため、前枠9に対してガラス枠12を開閉した場合でも、ハーネス37a〜37cの経路長に大きな変化がなく、開放時にハーネスが無理に引っ張られたり閉鎖時にハーネスが不必要に余剰してしまうことがない。
<ヒンジピンの自動ロック構造>
図71は、このパチンコ機2のガラス枠12を略90°の角度で前方開放した状態におけるヒンジピン86及びロックアーム87近傍の拡大図である。図71では、ガラス枠12の背面側と前枠9の前面側の、各々の左上方部分近傍を図示している。図72は、ヒンジピン86及びロックアーム87近傍におけるガラス枠12の拡大背面図である。図72(a)は、ロックアーム87の解除状態を示し、図72(b)は、ロックアーム87のロック状態を示している。
ガラス枠12は、ヒンジピン86が前枠9側のヒンジ22の軸孔に挿入されることにより、前枠9に揺動支持される。通常使用状態では、ヒンジピン86が上方に突出してヒンジ22の軸孔に挿入され、ロックアーム87がロック状態とされている(図72(b))。しかし、メンテナンス時等、ガラス枠12を前枠9から取り外す際には、ロックアーム87を解除状態(図72(a))とし、ヒンジピン86を下方に押し下げて軸孔から脱離させる。なお、ヒンジピン86は、バネ(不図示)等の付勢手段によって、常に上方に突出するように付勢されている。したがって、ヒンジピン86から手を離すと、ヒンジピン86は再び上方に向けて突出し、図72(a)に示す状態となる。
ガラス枠12を前枠9に取り付ける際には、ガラス枠12における左下方位置に形成された軸孔(不図示)に前枠9における左下方位置に配置された軸(不図示)を挿入し、左下方位置における両者の係合を行う。その上で、ガラス枠12の左上方位置において、ヒンジピン86を下方に押し下げる。そして、ヒンジピン86と前枠9側のヒンジ22の軸孔との位置合わせをした状態で、ヒンジピン86から手を離す。そうすると、ヒンジピン86が付勢手段によって上方に付勢されて軸孔内に挿入され、ガラス枠12と前枠9との左上方位置における係合も行われ、両者の揺動支持が完了する。
この状態では、ガラス枠12背面側では、図72(a)に示すように、ヒンジピン86が上方に突出した状態であり、ロックアーム87は解除状態である。ここで、ロックアーム87のロック状態への移動操作を行うことを忘れたままガラス枠12を前枠9に対して閉鎖しようとすると、前枠9に設けられたガイド面38がロックアーム87のアーム部87cの上側に当接する。
ガイド面38は、前枠9の前面側に前方の突出形成された樹脂リブの一部の面であり、図71に示すように、右側から左側にかけて前方から後方へと斜めに傾斜している。ガイド面38は、曲線状であり、かつその上側稜線よりも下側稜線の方が後方に位置するように端面が斜め傾斜している。このガイド面38がアーム部87cの上側に当接することにより、ガラス枠12を閉鎖するに従い、ガイド面38がアーム部87cを徐々に強く下方に付勢するようになっており、閉鎖が完了した時点では、図72(b)に示すようにロックアーム87がロック状態となる。
したがって、ガラス枠12を前枠9に取り付けた後に、ロックアーム87をロック状態とする操作を忘れたままガラス枠12を閉鎖しても、ロックアーム87はガイド面38の作用によって自動的にロック状態となる。これにより、不正防止効果が更に高いパチンコ機2を得ることができる。
<装飾部材のユニット構造>
図73は、パチンコ機2を斜め右上前方から矢視した外観斜視図であって装飾部材32の一部としてのトップ装飾ユニット39を前方に分解した図である。図74は、トップ装飾ユニット39の分解斜視図である。
ガラス枠12の前面側には中央開口12cの上方及び左右側方を囲むように装飾部材32が配置されている。その装飾部材32の一部として、パチンコ機2の左右方向における略中央であって、中央開口12cの上方には、トップ装飾ユニット39が配置されている。
トップ装飾ユニット39は、内部にレンズ部、発光部等を有して全体としてユニットとされており、ガラス枠12に対して前方から取り付けられている。トップ装飾ユニット39はユニットとされているので、ガラス枠12に対してユニット全体として容易に着脱することができる。また、トップ装飾ユニット39においては、リーチ状態や大当り状態等の所定の遊技状況に応じて発光部が演出光を発光し、その演出光がレンズ部によって集光又は拡散されて遊技者に向けて照射されるようになっている。それにより、遊技状況に応じた光演出が提供され、遊技者の興趣を向上させている。
図74に示すように、トップ装飾ユニット39は、その最前面側からカバー部39a、レンズ部39b、発光部39c、保持部39dを有している。カバー部39aは、トップ装飾ユニット39全体をカバーして遊技者に視覚的に呈示される部分である。カバー部39aは、樹脂で形成された各種部品の組合せによって構成され、各種模様、造形、色彩が付されて演出効果が高められており、その前面中央部分には、レンズ部を前方に露出するための開口が形成されている。
レンズ部39bは、発光部39cからの演出光を集光又は拡散して遊技者に照射するための部分である。レンズ部39bは少なくとも部分的に透明又は透光性を有するガラス又は樹脂により形成され、その後方からの演出光を前方、すなわち遊技者に向けて導く。レンズ部39bの前面は、カバー部39aの開口から前方に露出するようになっている。
発光部39cは、光演出のための演出光を発光するためのLED基板を主要構成とする。発光部39cは、基板39e表面(前方側)に複数のLED39fが実装されて構成され、光演出用の制御基板(サブ制御基板)に接続されている。サブ制御基板からの制御信号に基づき、発光タイミング、発光色を変化させることが可能とされている。
保持部39dは、カバー部39a、レンズ部39b、発光部39cを保持してガラス枠12に取り付けるための取付部としての機能を有する。発光部39cの後方に配置される部分は、例えば白色とされて光反射率が高められており、LED39fからの演出光がより高効率で前方に照射されるようになっている。
<装飾部材の補強構造>
図75は、ガラス枠12の右側方近傍を斜め左上後方から矢視した斜視図であって、装飾部材32の後方に補強部材13とガラス枠シャーシ12sとを分解した図である。
装飾部材32の一部としての右側方装飾部材32aが、ガラス枠12の上下方向における略中央であって中央開口12cの右側において前方に突出するように配置されており、ガラス枠12を構成するガラス枠シャーシ12sに対して前方から装飾部材32が取り付けられている。右側方装飾部材32aの後方には補強部材13を構成する基部13aを挿入するために上下にスリット状に延びる挿入溝32bが形成されている。
補強部材13は一枚の板金プレートをL字に屈曲することによって形成された部材であって、挿入溝32bに挿入される基部13aと、基部13aと直交する部分であって、挿入溝32bに基部13aを挿入した状態で補強部材13を右側方装飾部材32aに取り付けるための屈曲部13bとを有する。基部13aは実質的に台形形状を呈している。屈曲部13bには貫通孔13cが形成されており、右側方装飾部材32aの背面には挿入溝32bの左側位置に貫通孔13cに対応するネジ穴32cが形成されている。
台形形状の基部13aの上底に対応する先端部分から基部13aを挿入溝32bに挿入し、貫通孔13cとネジ穴32cとにネジを挿入して締結することにより、補強部材13を右側方装飾部材32aの後方に取り付ける。補強部材13を右側方装飾部材32aに取り付けることにより、基部13aが右側方装飾部材32aをその内部で支持することになり、そのため、右側方装飾部材32aは変形し難くなる。その結果、たとえ右側方装飾部材32aに対して外部から無理な力が加えられても、基部13aが外力の一部を負担するので、右側方装飾部材32aひいてはパチンコ機2を変形し難くすることができる。
右側方装飾部材32aが変形し難いので、装飾部材32を構成する各部材間や右側方装飾部材32aとガラス枠シャーシ12sとの間に無理やり隙間を形成したり、広げたりすることが予防され、ピアノ線等の不正工具をパチンコ機2の内部に挿入する等の不正行為を防止することができる。
なお、基部13aの形状は台形形状に限定されない。基部13a及び挿入溝32bのそれぞれの形状は、基部13aが挿入溝32bに挿入可能であれば、どのような形状であってもよい。
<演出ボタンユニット>
図76は、パチンコ機2を斜め右上前方から矢視した外観斜視図であって演出ボタンユニット18を上方に分解して示した図である。図77は、演出ボタンユニット18の内部構造の概略を示すための分解図である。図78は、演出ボタンユニット18を上下逆転してその下面を示す斜視図である。
演出ボタンユニット18は、上球皿14aに組み込まれて配置され、上球皿14aの周囲壁14gにおける上面部分に、遊技者がボタンを上から押下容易となる位置に設けられている。演出ボタンユニット18は、全体としてユニットとされており、ネジにより上球皿14aの周囲壁14g部分に容易に着脱可能とされている。演出ボタンユニット18のメンテナンス時やデザイン変更時等に簡単に着脱することができるので便利である。
図77に示すように、演出ボタンユニット18は、上方から装飾部18a、操作ボタン部18b、取付部18cを有して概略構成されている。装飾部18aは、演出ボタンユニット18が周囲壁14gに取り付けられた際に、演出ボタンユニット18全体の上面周囲を覆う部分であって、上面側に造形及び/又は彩色が付されて演出性を有するデザイン部18dを有している。装飾部18aには中央に開口18eが形成されており、下方に位置する操作ボタン部18bが開口18eから臨み、上方に突出するようになっている。
操作ボタン部18bは、遊技者がボタン操作をする場合に押下される部分であって、開口18eから上方に突出するように配置され、押下操作によって上下に移動可能となっている。操作ボタン部18bは、その最上部にレンズ部材18fを有している。このレンズ部材18fは、透明又は半透明の樹脂で形成され、操作ボタン部18b内部、すなわちレンズ部材18fの下方に配置されたLED基板(不図示)からの演出光を透光させて遊技者に提供することができるようになっている。
レンズ部材18fは、上面視略楕円形状とされており、その上面18gが遊技者によって押下操作される部分である。上面18gの周囲には、上面を囲むように側面18hが形成され、その側面18hから側方に突出してフランジ部18jが形成されている。上面18gは開口18eと略同じか小さいサイズとされており、フランジ部18jは、上面視において開口18eよりも大きいサイズとなっている。すなわち、操作ボタン部18bがバネ18kによって上方に付勢されても、フランジ部18jが装飾部18aに当接して操作ボタン部18bが開口18eから抜けてしまわないようになっている。また、フランジ部18jが開口18eと上面18gとの隙間を塞ぐので、開口18eからの演出ボタンユニット18内部への異物(例えば、ネジ等の小部品やジュース等の液体)の侵入が防止されるようになっている。
取付部18cは、操作ボタン部18b及び装飾部18aを保持して演出ボタンユニット18全体を上球皿14aの周囲壁14gに取り付けるためのものである。図78に示す下面18mには、2つのネジ穴18nが配置されている。周囲壁14gに演出ボタンユニット18をセットした後に、下方からネジ穴18nにネジを締結することにより、演出ボタンユニット18が上球皿14aに取り付けられるようになっている。
取付部18cの上面18pには、バネ18kが配置されている。このバネ18kは、操作ボタン部18bを上方に向けて付勢するためのものである。バネ18kの作用により、遊技者が操作ボタン部18bを押下しても、操作ボタン部18bはすぐに上方移動して元の位置に復帰するようになっている。バネ18kの周囲を囲むように円筒壁18tが配置されている。この円筒壁18tに操作ボタン部18bの下端部分が係合されるようになっている。円筒壁18tは、後述する台座18rの一部であり、取付部18cの上面18pから下面18mへと貫通している。
下面18mには、3つの緩衝部材18qを介して台座18rが取り付けられており、その台座18rに偏心モータ18sが固定されている。緩衝部材18qは、例えばゴムやウレタン等の材料で形成されており、台座18rが偏心モータ18sによって振動した場合に、その振動が下面18mに伝達するのを防止又は減衰している。
所定の遊技状態になると、制御基板からの指令に基づき偏心モータ18sが回転する。その回転により振動が発生し、振動は台座18rを介して操作ボタン部18bへと伝達する。操作ボタン部18bを押下している遊技者の指に振動が伝達し、遊技者に対して振動による演出が提供されるようになっている。一方、台座18rは緩衝部材18qを介して下面18mに取り付けられているので、台座18rの振動は下面18m、ひいては取付部18cに伝達し難いようになっている。
<CRボタンユニット>
図79は、パチンコ機2の上球皿14a近傍の拡大図であって、演出ボタンユニット18及びCRボタンユニット19を上方に分解して示した図である。
CRボタンユニット19の上面19cには、球貸しボタン19a及び返却ボタン19bが配置されている。球貸しボタン19aは、押下により所定個数の球貸しが行われるボタンである。遊技者が球貸しボタン19aを押下するとパチンコ機2の左側方に設置される図示しないCRユニット又はパチンコ機2の賞球払出ユニット98によって、所定個数の球貸しが行われる。球貸しは、上球皿14aへの遊技球の払出し又はCRユニットに設けられた球貸し口(不図示)からの遊技球の排出によって行われる。
返却ボタン19bは、押下によりCRカード等の精算用媒体の返却が行われるボタンである。遊技者が、遊技開始時にCRユニットに所定金額を投入すると、その金額分がパチンコ機2にクレジットされる。遊技者が球貸しボタン19aを押下するごとに、所定個数の遊技球の球貸しが行われ、それに伴い所定のクレジット数が減算される。
クレジットに残額がある状態で遊技を終了する場合、遊技者は返却ボタン19bを押下する。すると、CRユニットの返却口(不図示)からその残額情報を保持した精算用媒体が遊技者に返却され、パチンコ機2におけるクレジットは0となる。遊技者は、他のパチンコ機に移動し、その精算用媒体を用いて遊技を再開することができる。精算用媒体としては、情報記録機能を有するカードやコイン等の態様が用いられる。
返却ボタン19bの上面高さは、球貸しボタン19aの上面高さよりも低くされている。より好ましくは、返却ボタン19bの上面高さは、CRボタンユニット19の上面19cよりも低くされ、球貸しボタン19aの上面高さは、上面19cよりも低くされる。それにより、意図せず返却ボタン19bを押下してしまうような誤操作を防止することができる。
CRボタンユニット19は、図79に示すように、演出ボタンユニット18に隣接するように、上球皿14aの周囲壁14gに組み付けられている。球貸しボタン19a及び返却ボタン19bが周囲壁14gの上側に露出するように配置され、遊技者が両ボタン19a,19bを容易に押下できるようになっている。CRボタンユニット19は、全体としてユニットとされており、ネジにより周囲壁14g部分に容易に着脱可能とされているので、メンテナンス時やデザイン変更時等に簡単に着脱することができて便利である。
上面視において、CRボタンユニット19の上面19cの一部が演出ボタンユニット18とオーバーラップするように両者が配置されている。すなわち、上面19cの左端部近傍に形成された溝部19dの上に演出ボタンユニット18の装飾部18aが重なるようになっている。そのため、周囲壁14gからの取外しの際には、演出ボタンユニット18を取り外した後に、CRボタンユニット19の取外しが可能となるようになっている。
<十字キーユニット>
図80は、パチンコ機2の左側辺近傍における中央やや下方位置であって、上球皿14aの左側近傍を拡大して示す図である。図80においては、十字キーユニット20を左方向に分解した状態を示している。図81は、十字キーユニット20近傍を斜め左上前方から矢視してその内部構造の概略を示す分解斜視図である。図81においては、十字キーユニット20以外の構成については、部分的に省略し、破線で示している。
十字キーユニット20は、ガラス枠12における上球皿14aの左側に略隣接するように配置され、球抜き部材14cのすぐ上方に位置している。十字キーユニット20は、その上面20aに十字キー20b(図81参照)を備え、全体として1つのユニットとされている。十字キー20bは、遊技者が遊技に関して押下操作を行うためのキーボタンであって、略十字形を呈したボタンである。例えば、前後左右位置の4箇所又はそれに中央位置を加えた5箇所にて押下可能であり、押下位置に応じて異なる操作信号をサブ制御基板に向けて送出可能となっている。したがって、十字キーユニット20とパチンコ機2の制御基板とはハーネス(不図示)によって直接的又は間接的に接続されている。
例えば、遊技盤6上に配置された演出表示画面内において、上下左右位置の4箇所に選択可能な演出画面が表示されているときに、十字キー20bの前後左右位置の押下により、各々の押下位置に対応付けられた上下左右位置の演出画面が選択されるようになっている。そして、演出画面を選択した後に、十字キー20bの中央位置の押下又は演出ボタンユニット18における操作ボタン部18bの押下することにより、選択した演出画面が決定され、決定された演出画面に対応する遊技演出が実行されるようになっている。
十字キーユニット20の後面20cには、3つの凸部20dが突設されており、各々の凸部20dがネジ穴20eを有している。ガラス枠12の対応位置には、十字キーユニット20の取付部20fが形成されており、この取付部20fに十字キーユニット20が取付け可能となっている。取付部20fには、十字キーユニット20のハーネス通過用の開口20gが形成され、凸部20dに対応する3箇所に凹部20hが形成されている。凹部20hに凸部20dを挿入することにより、十字キーユニット20の取付けの際に、簡単に位置決めができるようになっている。
各凹部20hには、ネジ用の貫通孔20jが形成されている。ガラス枠12の背面側から貫通孔20jを介してネジ穴20eにネジを締結することにより、十字キーユニット20がガラス枠12に取り付けられる。3箇所のネジの着脱により、十字キーユニット20はユニット全体として容易にガラス枠12に対して着脱可能とされている。
十字キーユニット20は、最上面側から順に、上カバー部20m、レンズ部20n、十字キー20b、支持部20p、緩衝部20q、基板部20r、下カバー部20sを有しており、これらが一体にユニット化されている。上カバー部20mは、透明又は半透明の樹脂部材であり、基板部20r表面に実装されたLEDからの照明光を透過させて遊技者に提供する。レンズ部20nは、透明又は半透明の樹脂部材であって、異なる面方向を有する多数のカット面を有して構成され、基板部20r表面に実装されたLEDからの照明光を透過させつつ散乱させ、上カバー部20mへと至らせる。上カバー部20mとレンズ部20nとには、中央開口が開口形成され、その中央開口から十字キー20bが上方に露出するようになっている。
支持部20pは、平板状の樹脂プレートとバネを有して構成され、遊技者による十字キー20bの押下操作を緩衝部20qを介して基板部20r上のスイッチ20uに伝達する機能と、押下された十字キー20bをバネによる付勢力で元の位置に復帰させる機能とを有する。
緩衝部20qは、シリコンゴム等の弾性部材又は緩衝部材により構成された略平板状部材である。この緩衝部20qは、支持部20pから伝達された十字キー20bの押下操作を、基板部20r上のスイッチ20uに伝達する機能を有している。緩衝部20qは、十字キー20bの5箇所の押下位置(前後左右及び中央)に対応して5箇所の凸部20tを有している。各凸部20tは、上面が閉鎖され、下面が開口してコップを伏せたような形状を呈しており、内部が中空とされている。その中空内部には、導電性を有する小径のコマ部材(不図示)が配置されている。
この緩衝部20qは、十字キー20bを押下したときのクリック感(押下操作をハッキリと感じ取れるようなカチッとした感触)を実現する機能を有している。つまり、十字キー20bのいずれかの押下位置が押下されると、その位置に対応する凸部20tが弾性によって押下力にある程度抵抗しつつ、押下力が一定の強さを超えた場合に一気に潰れるようになっている。そのため、遊技者は、十字キー20bを押下したときに、操作が確実に行われたことを指先の感触によってハッキリ感じ取れるようになっている。
凸部20tが潰れると、コマ部材が基板部20rに当接する。基板部20rの表面(上面)には、各押下位置に対応してスイッチ20uが配置されている。スイッチ20uは、導電性を有するコマ部材が当接することにより、検出信号(操作信号)を送出するようになっており、それによって、十字キー20bのどの押下位置が押下されたかが検出できるようになっている。
下カバー部20sは、十字キーユニット20全体の下部を覆うための樹脂カバーである。遊技者が十字キー20bを左手の親指で操作する場合に、左手の人差し指を引っ掛けて操作の安定感を増大させるために、下カバー部20sの左側下面部分には、凹状に形成された指掛部20wが配置されている。指掛部20wに人差し指を引っ掛けると左手の位置が安定するので、十字キー20bの操作ミスを予防することができる。
<アース端子のガラス枠への取付構造>
図82は、ガラス枠12の右側方近傍を斜め右下後方から矢視した斜視図であって、アース端子44及びその近傍の拡大斜視図である。
ガラス枠12の背面に取り付けられた補強板金12mの右側下部には、基板ベース48が取り付けられており、基板ベース48の後方には、球皿電飾基板41が設けられている。球皿電飾基板41は、ガラス枠12の前方に設けられている球皿14に配置されるLED等の発光素子を点消灯させるための基板である。球皿電飾基板41は、樹脂製のカバー42によって覆われて保護されている。
球皿電飾基板41からは複数のアース線43が基板ベース48の右側外部に延びており、各アース線43の先端には、中央に貫通孔が形成されたアース端子44が取り付けられている。補強板金12mの右側後方下部には、各アース端子44の貫通孔に対応する取付孔12tが形成されている。各アース端子44は、アース端子44の貫通孔と、補強板金12mの取付孔12tとを介してネジによりガラス枠12の背面における右側下部に取り付けられる。これにより、補強板金12mを介して各アース線43のガラス枠シャーシ12sへの接地が実現される。
基板ベース48には、各アース線43の基板ベース48外部への出口近傍において複数の壁部45が設けられている。隣り合う2つの壁部45の間隔は一本のアース線43の太さよりやや広く、複数のアース線43のそれぞれは複数の壁部45のそれぞれによって区分された各空間に配置される。
各アース線43が隣り合う2つの壁部45によって形成される空間に配置されるので、各アース端子44をネジによりガラス枠12に対して着脱する場合、各アース線43のネジを中心とする回転方向の動きが隣り合う2つの壁部45によって規制される。これにより、各アース端子44の向きがおおよそ同じ向きに揃う。
<振動センサ>
図83は、パチンコ機2のガラス枠12背面における中央下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図83においては、説明容易のために外枠4、前枠9及び裏セット盤70の図示を省略している。
このパチンコ機2においては、ガラス枠12の背面側に、振動センサ27が配置されている。振動センサ27は、ガラス枠12の振動が一定強度以上になると検出信号を出力するものであり、圧電素子タイプ、静電容量タイプ、渦電流タイプなどの種々の方式のセンサを適用することができる。振動センサ27をガラス枠12の背面側に取り付けることにより、例えば、遊技者がガラス枠12を殴打する不正行為(いわゆる、ドツキ行為。)を迅速に検出することができ、そのような不正行為の早期発見及び報知を実現することができる。ひいては、そのようなドツキ行為等の不正行為の予防に寄与することができる。
振動センサ27は、補強板金12mに直接取り付けられることが好ましい。例えば、図83に示すように、ガイド通路12bの右側近傍位置であって補強板金12mが後方に露出している部分に振動センサ27を取り付けることが可能である。ただし、補強板金12mに直接取り付けなくとも、ガラス枠12に加えられた振動を検出することができる位置であればどの位置でもよく、振動センサ27をカバー42上に取り付けてもよいし、基板ベース33上や基板カバー35上に取り付けてもよい。
<ガラス枠開閉アシストバネ>
図84は、パチンコ機2のガラス枠12背面における右上部近傍を斜め左後方から矢視した斜視図である。
ガラス枠12の右上部近傍においては、背面側にガラス枠シャーシ12sが露出している。このガラス枠シャーシ12sの背面にアシストバネ28が取り付けられている。アシストバネ28は、バネ鋼材で形成された板バネ部材であって、取付部28aの下方に後方に向けて鈍角に屈曲した屈曲部28bを有し、屈曲部の下端側に前枠9に当接するために丸く折り曲げられた当接部28cを有している。
取付部28aは、ガラス枠シャーシ12sの背面に取り付けるための平板状部分であって、2つの取付孔28dと2つの位置決め孔28eとが開口形成されている。2つの取付孔28dと2つの位置決め孔28eに各々対応して、ガラス枠シャーシ12sにも2つの取付用開口と2つの位置決め用開口がそれぞれ開口している。ガラス枠シャーシ12sの前方には、図84に表れていない装飾部材32が配置されており、その装飾部材の背面側に2つの取付孔28dに対応する2つの取付ネジ穴が形成され、2つの位置決め孔28eに挿入される2つの位置決め凸部32dが後方突設されている。
ガラス枠シャーシ12sに対して装飾部材32を前方から取り付けると、装飾部材32の位置決め凸部32dがガラス枠シャーシ12sの位置決め用開口を後方に貫通し、装飾部材32の取付ネジ穴がガラス枠シャーシ12sの取り付け用開口に臨むようになっている。位置決め凸部32dを位置決め孔28eに貫通させ、取付孔28dから取付ネジ穴にネジを締結することにより、アシストバネ28がガラス枠シャーシ12sに取り付けられる。
屈曲部28bは、当接部28cに一定の弾性、すなわち付勢力を付与するための部分である。ガラス枠12を前枠9に対して閉鎖すると、当接部28cが前枠9側の接触部分に当接し、屈曲部28bが延ばされた状態(すなわち、屈曲角度をより鈍角とする方向に付勢された状態)となる。屈曲部28bは元の屈曲角度に復元しようとするので、ガラス枠12を前枠9から開放方向に付勢した状態で両枠9,12は閉鎖されることとなる。
施錠装置60によりガラス枠12と前枠9との施錠状態を解除し、ガラス枠12を前方に開放可能な状態とすると、屈曲部28bが元の屈曲角度に復元しようとする付勢力によって、ガラス枠12が自然に前方に押し出され、自動的に所定量前方開放するようになっている。
当接部28cは前枠9の前面側の接触部分に当接して前枠9を付勢するための部分である。当接部28cは後方に丸く折り曲げられており、前枠9への接触抵抗の低減やメンテナンス時等の作業者への安全が図られている。
なお、アシストバネ28もガラス枠シャーシ12sも導電性を有する金属であるので、当接部28cと当接する前枠9側の接触部分を導電体としていれば、アシストバネ28を介して前枠9側とガラス枠12側との導通が可能である。したがって、前枠9側の接触部分がヒンジ22等の他の金属部分及び外枠4を介して接地電位とされていれば、アシストバネ28を介してガラス枠シャーシ12sを接地電位とすることが可能である。
<ガラス枠と前枠とのガイド構造>
図85は、ガラス枠12の背面における右側下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図であって、ガイド凸部12u及びその近傍の拡大斜視図である。図86は、前枠9の前面における右側下部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図であって、ガイド筒部9x及びその近傍の拡大斜視図である。
ガラス枠12の背面側の右側には、後方に突出し、樹脂によって形成されている円柱状のガイド凸部12uが設けられている。ガイド凸部12uの後方側の端部には、後方側の断面の面積の方が前方側の断面の面積より小さくなるように傾斜するテーパ面12vが形成されている。前枠9の前面側の右側には、前方に突出し、樹脂によって形成されており、中空でかつ断面が左右に長い楕円形状のガイド筒部9xが設けられている。ガイド筒部9xの内部空間には、ガラス枠12を前枠9に対して閉鎖した場合にガイド凸部12uが挿入される。上述の通り、ガイド凸部12uの後方側の端部にはテーパ面12vが形成されているので、例えばガラス枠12の重量に起因してガラス枠12と前枠9とに位置ずれが発生しても、ガラス枠12を前枠9に対して容易に閉鎖することができる。すなわち、ガラス枠12を前枠9に対して閉鎖しようとする際、ガイド筒部9xの先端がガイド凸部12uのテーパ面12vを受け入れて、ガイド凸部12uがガイド筒部9xの内部空間にスムーズに挿入されるようになっている。
ガラス枠12を前枠9に対して閉鎖した場合、パチンコ機2の右側であってヒンジ22から遠い位置に設けられているガイド凸部12uがガイド筒部9xの内部空間に挿入されるので、パチンコ機2に上下方向又は左右方向に無理な外力が加えられても、ガイド凸部12uとガイド筒部9xとが外力の一部を負担することになり、パチンコ機2が変形し難くなっている。
なお、ヒンジ22を中心として前枠9に対してガラス枠12を揺動開閉する際、ガイド凸部12uが円弧状の軌跡に沿って移動するが、ガイド筒部9xの断面が左右に長い楕円形状であるので、ガイド凸部12uがガイド筒部9xに干渉することが防止される。
<枠の左側辺における侵入防止構造>
図87は、ガラス枠12の左側上部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図88は、前枠9の左側上部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。図87に示すヒンジピン86が、図88におけるヒンジ22の軸孔に挿入されて、ガラス枠12が前枠9に対して前方揺動開閉可能に軸支されるようになっている。図89は、パチンコ機2における左側辺近傍の部分断面図である。図89においては、パチンコ機2を上下方向における略中央位置で水平に切断した状態を示しているが、説明容易のために、ガラス枠ブラケット46及び前枠ブラケット47のみにハッチングを施している。
ガラス枠12の左側辺近傍には、上下に延びるガラス枠ブラケット46が取り付けられている。ガラス枠ブラケット46は、ガラス枠12と前枠9との左側辺における隙間を塞いで、両枠9,12の隙間からの不正工具等の内部への侵入を防止するためのものである。ガラス枠ブラケット46は、ガラス枠12の左側辺近傍における背面側に固定された金属部材であり、左側辺の上端近傍から下端近傍にかけて延びている。
図87及び図89に示すように、ガラス枠ブラケット46は、水平断面形状を維持したまま上下に延びる棒状材であるが、その断面形状がおおよそ矩形を呈している。ガラス枠ブラケット46においては、水平断面における両端部が左向きに屈曲する前側屈曲端46aと後側屈曲端46bとされており、両屈曲端46a,46bの間に上下に延びるスリット開口46cが形成されている。なお、ガラス枠ブラケット46は複雑な屈曲断面を有するので、部品製造上の都合に応じて、図89に示すように、2つの棒状金属部材を溶接結合することによりガラス枠ブラケット46を構成してもよい。もちろん1つの金属部材を屈曲させてガラス枠ブラケット46を構成してもよい。
前枠9の左側辺近傍には、上下に延びる前枠ブラケット47が取り付けられている。前枠ブラケット47は、ガラス枠ブラケット46と協働してガラス枠12と前枠9との左側辺における隙間を塞ぎ、両枠9,12の隙間からの不正工具等の内部への侵入を防止するためのものである。前枠ブラケット47は、前枠9の左側辺近傍における前面側に固定された金属部材であり、ガラス枠ブラケット46と同様に左側辺の上端近傍から下端近傍にかけて延びている。
図88及び図89に示すように、前枠ブラケット47は、水平断面形状を維持したまま上下に延びる棒状材であるが、その断面形状が右方向に開口する略コ字状とされている。前枠ブラケット47の水平断面における両端部が右向きに延びる前側延出端47aと後側延出端47bとされており、両延出端47a,47bの間に上下に延びるコの字開口47cが形成されている。
図89に示すように、前枠9とガラス枠12との閉鎖状態において、ガラス枠ブラケット46のスリット開口46c内に前枠ブラケット47の前側延出端47aが進入する。同時に、前枠ブラケット47のコの字開口47c内にガラス枠ブラケット46の後側屈曲端46bが進入し、ガラス枠ブラケット46と前枠ブラケット47とがいわゆる入れ子構造を呈する。さらに、ガラス枠ブラケット46の前側屈曲端46aが外枠4の左側辺における前方屈曲部4d後方に入り込み、前側屈曲端46aと前方屈曲部4dもいわゆる入れ子構造を呈する。
ガラス枠12と前枠9との左側辺における隙間がガラス枠ブラケット46と前枠ブラケット47とによって閉鎖される。しかも、スリット開口46cに前側延出端47aが進入することにより入れ子構造を呈しているので、両枠9,12の左側辺からのパチンコ機2内部への不正工具等の侵入は有効に防止されている。たとえ、スリット開口46c内に不正工具等が侵入したとしても、後側屈曲端46bと前側延出端47aとが殆ど隙間なくオーバーラップしており、その不正工具は袋小路となったガラス枠ブラケット46内部の遮蔽壁46dに突き当たり、それ以上先に進むことができない。
前枠9に対してガラス枠12を前方に揺動開放する際には、ヒンジピン86を中心にガラス枠ブラケット46の後側屈曲端46b及び前枠ブラケット47の前側延出端47aが相対的に回転する。このとき、ヒンジピン86、後側屈曲端46b、前側延出端47aの位置関係及び寸法は、後側屈曲端46bと前側延出端47aとが離間しつつ回転し、互いに干渉せずにスムーズに揺動開放ができるよう設計配置されている。前側屈曲端46aと前方屈曲部4dも、相互に回転しつつ離間し、お互いに干渉しないようになっている。
なお、ガラス枠ブラケット46には、図87及び図89に示すように、上下に延びる絞り加工部46eが形成されている。絞り加工部46eは、遮蔽壁46dにおいてその壁面が部分的に左方向に突出するように加工された部分である。絞り加工部46eが形成されることにより、上下方向に細長いガラス枠ブラケット46の曲げ強度や捩り強度が向上する。したがって、ガラス枠ブラケット46の強度アップ、ひいてはガラス枠12の左側辺近傍における強度アップが図られ、不正工具の侵入のみならず、枠9,12の隙間を広げようとする不正行為をも有効に防止している。
<球皿電飾基板>
図90は、ガラス枠12の下部を斜め右上後方から矢視した斜視図であって、後方にカバー42を分解した図である。
ガラス枠12の背面に取り付けられた補強板金12mの右側下部には、球皿電飾基板41が設けられている。球皿電飾基板41は、ガラス枠12の前方に設けられている球皿14に配置されるLED等の発光素子を点消灯させるための基板である。球皿電飾基板41は、樹脂製のカバー42によって覆われて保護されている。
球皿14の周囲壁14gの一部は透光性部分を有しており、その透光性部分の内側にはLED等の発光素子が搭載されている。発光素子が発する光は、透光性部分を介して球皿14の外部に照射される。発光素子の発光タイミングは、サブ制御基板(不図示)からの制御信号に基づき球皿電飾基板41を介して制御される。発光のタイミングを制御することにより、球皿14における光による演出が実行される。
なお、球皿電飾基板41には、ガラス枠12に取り付けられるスピーカが出力する音の量を制御するための音量制御素子が取り付けられてもよい。
<サブ制御基板用の金属製カバー>
パチンコ機2は、液晶表示装置と画像制御基板とを含む液晶表示ユニットを有している。液晶表示装置は直方体の構造を有しており、前面以外の5面(上下側面、左右側面及び後面)が電磁波ノイズによる悪影響(耐ノイズ性)を考慮して金属板で覆われていて、前方に画像を表示するための液晶表示面が形成されている。画像制御基板は、液晶表示装置の後面上に配置されており、液晶表示装置が行う画像形成処理を制御する。画像制御基板も、耐ノイズ性の観点から周囲全体が金属製の外郭体によって覆われており、その外郭体の更に後方にサブ制御基板が配置されている。
サブ制御基板は、メイン制御基板100aと電気的に接続されており、メイン制御基板100aからの制御信号をもとにパチンコ機2の演出を制御する。サブ制御基板は、基板上に実装された各種素子を保護するために、樹脂製のサブ基板カバー内に収容されている。更に、サブ基板カバー内には、金属製カバーが配置されている。この金属製カバーはサブ制御基板に対する外来ノイズの影響を低減するためのものであり、サブ制御基板の上下左右側方及び後方又はそれに加えて前方も覆っている。したがって、サブ制御基板は、金属製カバーに覆われてその外側をサブ基板カバーに覆われており、いわゆる二重カバーの状態となっている。
なお、金属製カバーは、例えば金属板の表面に金属めっきが施されたものであってもよい。サブ制御基板は、サブ基板カバー内の金属製カバーによって覆われて電磁的にシールドされている。そのため、サブ制御基板は、上下、左右及び前後からの電磁波による影響を受け難くなっている。
<払出制御基板ユニット>
図91は、変形例に係る払出制御基板ユニット151の外観斜視図である。(a)は、パチンコ機2の取付け状態における斜め左上後方から矢視した斜視図であり、(b)は、パチンコ機2の取付け状態における斜め左下後方から矢視した斜視図である。この払出制御基板ユニット151は、一部の構成を除き、前述の払出制御基板ユニット150と同様の構成を有しているので、その相違点を主として説明し、その他の説明については省略する。
払出制御基板ユニット151は、賞球払出ユニット98に向けて賞球払出動作実行のための払出動作信号を送出するもので、払出制御基板ケース152内に払出制御基板が収納されて構成される。払出制御基板ケース152には、その右上角部分に補強部152gが形成されている。補強部152gは、払出制御基板ケース152の右面152aから若干奥まって上方に突出する上面152b側と、上面152bから若干奥まって右方に突出する右面152a側とを右上角において接続するリブ状部分である。この補強部152gの存在によって、払出制御基板ケース152の右面152a近傍と上面152b近傍との接続部分近傍、すなわち右上角近傍における機械的強度が補強されている。
図91(a)に示すように、払出制御基板ケース152の背面における左方位置には、ハーネスクランプ153aが後方から取り付けられる。また、図91(b)に示すように、払出制御基板ケース152の下面にもハーネスクランプ153bが下方から取り付けられる。これらのハーネスクランプ153a,153bは、払出制御基板のコネクタに接続されるハーネスを保持してその通過経路を規制するためのものである。
払出制御基板ケース152におけるハーネスクランプ153aの取付位置には、ハーネスクランプ153a取付用の取付孔152cが開口形成され、その上下に2本のガイドリブ152dが左右方向に突設されている。略長方形状を呈するハーネスクランプ153aの取付座面153cを、2本のガイドリブ152dの間に沿わせるように配置し、ハーネスクランプ153aの先端突起153dを取付孔152cに挿入することにより、ハーネスクランプ153aを払出制御基板ケース152に取り付ける。2本のガイドリブ152dに取付座面153cが挟まれているので、ハーネスクランプ153aが先端突起153dを中心に回転してしまうことがなく、取付姿勢を安定させることができる。
払出制御基板ケース152におけるハーネスクランプ153bの取付位置には、ハーネスクランプ153b取付用の取付孔152eが開口形成され、その上下に2本のガイドリブ152fが左右方向に突設されている。ハーネスクランプ153bにおいても、略長方形状を呈する取付座面153eを、2本のガイドリブ152fの間に沿わせるように配置し、ハーネスクランプ153bの先端突起153fを取付孔152eに挿入して、払出制御基板ケース152に取り付ける。ハーネスクランプ153bにおいてもハーネスクランプ153aと同様に、先端突起153fを中心に回転してしまうことがなく、取付姿勢が安定する。
<遊技盤の保持構造>
図92は、前枠9の背面側における左側下部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図92においては、遊技盤の左側下部における取付位置近傍を後方から示している。前枠9側に形成された前側当接部25と遊技盤フック75とで遊技盤の前面側と背面側とを挟むように保持している。より具体的には、前側当接部25の背面側にある当接面25aと遊技盤フック75の前面側にある保持面75bとによって、遊技盤の左側下部を保持している。
当接面25aは、遊技盤の前面(表面)と略平行に形成され、実質的に前後方向に直交する面である。したがって、遊技盤を安定的に保持することができる。
図93は、前枠9の背面側における左側上部近傍を斜め右上後方から矢視した斜視図である。図93においては、遊技盤の左側上部における取付位置近傍を後方から示している。前枠9側に形成された前側当接リブ29と遊技盤フック75とで遊技盤の前面側と背面側とを挟むように保持している。より具体的には、前側当接リブ29の背面側にあるリブ面29aと遊技盤フック75の前面側にある保持面75bとによって、遊技盤の左側下部を保持している。
リブ面29aは、遊技盤の前面(表面)と略平行に形成され、実質的に前後方向に直交する面である。したがって、遊技盤を安定的に保持することができる。前側当接リブ29は、第1リブ29b、第2リブ29c、第3リブ29dの他に第4リブ29eも有しており、全体としてのリブ面29aの面積を大きく確保している。したがって、遊技盤の保持安定性を一層向上させている。
<裏セット盤の前方当接面>
図94は、裏セット盤70の右側上部近傍を斜め右上前方から矢視した斜視図である。図94においては、右上ロック構造121近傍における前面側を示している。右上ロック構造121のロックスライダ125の近傍位置には、前方当接部70rが形成されている。前方当接部70rは、ロックスライダ125の左側方近傍において、裏セット盤70の前面から前方に突出するように形成されており、好ましくは、裏セット盤70の本体主要部を構成する樹脂製の裏セット上部フレーム70sと一体成形されている。
図94に示すように、前方当接部70rは、鉛直断面が略四角形状であってその略中央に上下に延びるリブ70uを有し、全体として「日」の字を横倒ししたような中空形状を呈して前後に延びて形成されている。前枠9に対して裏セット盤70が閉鎖された際に、この前方当接部70rの前面が前方当接面70tとして前枠9の背面側に当接するようになっている。
前方当接面70tが中央に上下方向のリブ70uを有しており、全体としてその断面積が大きく確保されている。したがって、前枠9と裏セット盤70との閉鎖が繰り返し行われた場合の前方当接部70rの破損や摩耗が低減されている。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
パチンコ機:2 遊技機枠:3
外枠:4 保持プレート:4a
保持軸:4b 内面:4c
前方屈曲部:4d 遊技盤ユニット:5
遊技盤:6 遊技盤面:6a
前枠:9 係止孔:9c
フック孔:9d 払出口:9e
案内ガイド:9f,9g 挿入孔:9h
突起部:9j 開口部:9k,9m
シャッター:9n 中央開口:9p
突部:9q 当接リブ:9r
前方規制面:9s レール壁:9t
左側面:9u ストッパ部材:9v
右側面:9w ガイド筒部:9x
矢印:A,B,C,E,F,G,H,J,K
発射ユニット:C1 二点鎖線:D
アウト口ユニット:U 位置L
矢印α,β,γ ガラス:10
ガラスユニット:11 ガラスフレーム:11a
把持部:11b 突起部:11c
取付部:11d 下部領域:11e
ガラス枠:12 ガイド通路:12a
ガイド通路:12b 中央開口:12c
取付孔:12d 回転フック:12e
排出口:12f 排出口:12g
挿入孔:12h 係止爪:12j
排出口:12k 補強板金:12m
曲げ部:12n 孔部:12p
ガラス枠シャーシ:12s 取付孔:12t
ガイド凸部:12u テーパ面:12v
補強部材:13 基部:13a
屈曲部:13b 貫通孔:13c
球皿:14 上球皿:14a
下球皿:14b 球抜き部材:14c,14d
球抜きプレート:14e 球抜き通路:14f
周囲壁:14g 発射装置ハンドル:15
ホルダ部:15a 回転ハンドル部:15b
レンズ部:15c 突部:15d
取付穴:15e 把持部:15f,15g
ストップボタン:15j 軸部:15k
ボタン部:15m 作動部:15n
球止めスイッチ:15p スイッチ片:15q
遊技領域:16 演出ボタンユニット:18
装飾部:18a 操作ボタン部:18b
取付部:18c デザイン部:18d
開口:18e レンズ部材:18f
上面:18g 側面:18h
フランジ部:18j バネ:18k
下面:18m ネジ穴:18n
上面:18p 緩衝部材:18q
台座:18r 偏心モータ:18s
円筒壁:18t CRボタンユニット:19
球貸しボタン:19a 返却ボタン:19b
上面:19c 溝部:19d
十字キーユニット:20 上面:20a
十字キー:20b 後面:20c
凸部:20d ネジ穴:20e
取付部:20f 開口:20g
凹部:20h 貫通孔:20j
上カバー部:20m レンズ部:20n
支持部:20p 緩衝部:20q
基板部:20r 下カバー部:20s
凸部:20t スイッチ:20u
指掛部:20w 下側ヒンジ:21
ヒンジ:22 穴部:22a
解除レバー:22b 壁部:22c
欠損部:22d 遊技球:23
内レール:24 前側当接部:25
当接面:25a レール飾り部:26
案内斜面:26b 前方傾斜面:26c
後方傾斜面:26d 左肩部:26e
右肩部:26f 振動センサ:27
アシストバネ:28 取付部:28a
屈曲部:28b 当接部:28c
取付孔:28d 位置決め孔:28e
前側当接リブ:29 リブ面:29a
第1リブ:29b 第2リブ:29c
第3リブ:29d 第4リブ:29e
アウト口部:30 左側アウト口:30a
右側アウト口:30b 左外面:30c
左内面:30d 右内面:30e
右外面:30f 大入賞口取付孔:31a
装飾部材:32 右側方装飾部材:32a
挿入溝:32b ネジ穴:32c
位置決め凸部:32d 基板ベース:33
ガラス枠中継基板:34 上側中継基板:34a
下側中継基板:34b 基板カバー:35
開口:35a ハーネスクランプ:36a,36b
ハーネス:37a,37b,37c ガイド面:38
トップ装飾ユニット:39 カバー部:39a
レンズ部:39b 発光部:39c
保持部:39d 基板:39e
LED:39f 流入口:40
球皿電飾基板:41 カバー:42
アース線:43 アース端子:44
壁部:45 ガラス枠ブラケット:46
前側屈曲端:46a 後側屈曲端:46b
スリット開口:46c 遮蔽壁:46d
絞り加工部:46e 前枠ブラケット:47
前側延出端:47a 後側延出端:47b
コの字開口:47c 基板ベース:48
幕板:50 スピーカグリッド:50a
ドロワコネクタ(オス側):50b ドロワコネクタ(メス側):50c
内側ピン:50d 外側ピン:50e
下部スピーカ:52
ネジ:53 開閉センサ:54,56,58
検出片:55,57,59 施錠装置:60
施錠構造本体部:60a キーシリンダ部:60b
鍵穴:60c 前方フック:60d
後方フック:60e 賞球払出通路:61
アウト球用集合通路:62 ファール球回収カバー:63
上部開口:63a 突片:63b
フック:63c 発射通路:63d
ファール球流入通路:63e 仕切り壁:63f,63g
通路:63h,63j 補強リブ:63k
傾斜面:63m,63n ファール球回収口:64
流入口:64b 払出口:65
切断部材:66 刃部:66a
発射ユニットカバー:67 軸穴:67a
フック:67b 取付孔:67c
軸:67d 突起部:67e
ネジ孔:67f 発射レール:68
ハンマー:69 支軸部:69a
吸着部:69b 打球部:69c
当接部:69d 裏セット盤:70
前面:70a 裏セットフレーム部材:70b
裏セットカバー:70c 前端面:70d
中央開口:70e 取付けスペース:70f,70k
案内溝:70g 係止フック:70h,70n
ツマミ:70j 案内ガイド:70m
軸部:70p フック用開口:70q
前方当接部:70r 裏セット上部フレーム:70s
前方当接面:70t リブ:70u
引張型ソレノイド:71 ストッパ:72a,72b
オーバーフロー通路カバー:73 ガイド面:73a,73b,73c
フック:73d 開口部:73e
シャッター:73f 右側遊技盤フック:74
フック部材:74a 軸部材:74b
バネ:74c ナット:74d
円筒部:74e 当接部:74f
突起:74g 突部:74h
左側遊技盤フック:75 テーパ面:75a
保持面:75b 外レール:76
前方端辺:76a 後方端辺:76b
切欠き:76c レール取付具:77
前面:77a 側方突部:77b
ガイド孔:77c 摺動面:77d
後面:77e フック部:77f
左右挿入片:77g 上部挿入片:77h
アース板金:78 周溝:79
取付凹部:80 取付面:80a
突部:80b 左右ガイド:80c
ガイド:80d フック部:80e
側壁:80f 集合通路:81
集合開口:81a 上段傾斜路:81b
下段傾斜路:81c 補強リブ:81d
集合通路カバー:82 排出口:83
電波センサ:84 ヒンジピン:86
軸部:86a 腕部:86b
ロックアーム:87 軸:87a
フック部:87b アーム部:87c
L字開口:88 上下溝:88a
左右溝:88b 球送り通路:89
終端:89a 整流器:92
前カバー:92a 流入口:92b
後カバー:92c 突起:92d
取付けフック:92e 係止孔:92f
係止フック:92g 送出口:92h
球送り部材:93 球受け面:93a
球止め部:93b 中心軸:93c
ソレノイド:94 待機路:95
ツマミ部:96 賞球払出ユニット:98
球抜きレバー:98a 上縁部:98b
下縁部:98c 第1ケース:98d
第2ケース:98e 取付孔:98f
賞球通路:98g 排出通路:98h
排出口:98j,98m 流入口:98k,98n
スプロケット:98p 通過センサ:98q
軸:98r 軸保持部:98s
湾曲突部:98t 電波センサ:98u
ネジ:99 メイン制御基板ユニット:100
メイン制御基板:100a メイン制御基板ケース:100b
貼付面:100c 突起:100d
突設部:100g 係止面:100h
突部:100j 球タンク:101
取付穴:101a タンクレール:102
第1カバー部材:102a 第2カバー部材:102b
第3カバー部材:102c 軸:102d
先端部:102e 排出口:102f
賞球待機通路:103 取付けフック:103a
流入口:103b 下端部:103c
第1通路部材:103d 第2通路部材:103e
突設リブ:103f テーパ部:103g
アース線:104 賞球排出通路:105
ロック部材:105a 流入口:105b,105c
ストッパ:106 扉用ガイド部材:107
開閉蓋:107a 枠用ガイド開口:108
切欠き部:108a 枠用ハーネス:108b
扉用ガイド開口:109 左側部:109a
扉用ハーネス:109b 前枠ハーネス開口:110
底面:110a 支持リブ:111
前端面:111a,111d,111f ボス:111c
突出体:111e 支持面:111g
カシメ部材:113 本体部:113a
フランジ部:113b 小径部:113c,113h
大径部:113d,113g 突出部:113e
端部:113f 溝部:113j
テーパ部:113k 縦溝部:113m
突出ピン:113n カシメ用突出部:113p
拡張部:114 切断部:114a
切欠き部:114b 拡張片:114c,114f,114j
スリット:114d 底部:114e,114h
屈曲部:114g カシメ用孔部:114k
本体ケース:115 貫通孔:115a
蓋ケース:116 挿入穴:116a
入口部分:116b 係合溝部:116c
位置決め部:117 電源基板ユニット:120
電源基板:120a 電源基板ケース:120b
コネクタ:120c オンオフスイッチ:120d
スイッチカバー:120e 把持部:120f
係止孔:120g フック:120h
板金部材:120j 突出ガイド:120k
係止孔:120m 後面:120n
嵌合部:120p 嵌合凹部:120q
右上ロック構造:121 係合孔:121a
右下ロック構造:122 左上ロック構造:123
左下ロック構造:124 スライダ部材:124a
スライド孔:124b 押さえ部:124c
ネジ:124d 突起:124e
橋桁状部材:124f 係合孔:124g
右端部:124h ロックスライダ:125
スライド孔:125a 案内ガイド部:125b
ガイドフック部:125c 前面:125d
係止フック部:125e ガイド溝:125f
ネジ:125g テーパ面:125h
段差部:125j 払出制御基板ユニット:150
案内溝:150a 係止爪部:150b
後面:150c 係止フック:150d
払出制御基板ユニット:151 払出制御基板ケース:152
右面:152a 上面:152b
取付孔:152c,152e ガイドリブ:152d,152f
補強部:152g
ハーネスクランプ:153a,153b 取付座面:153c,153e
先端突起:153d,153f