JP2016164227A - 発光粒子 - Google Patents
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Abstract
Description
発光粒子としては、CdSに代表される無機粒子が一般的である。とりわけ、粒径が1〜100nm程度である無機ナノ粒子は、粒径が数百nm以上の粒子に比べて活性度及び反応性が極めて高い。しかしながら、これらの無機系の発光粒子は、毒性が高いという問題があった(特許文献1)。また、無機系の発光粒子は比重が大きいことから、例えば、樹脂微粒子中に分散させようとしても、均一に微分散させることが難しいという問題もあった。
以下に本発明を詳述する。
なお、上記発光性アレンモノマーは、例えば、図1に示した合成経路により合成することができる。
上記他のモノマーは特に限定されず、上記発光性アレンモノマーと共重合可能なモノマーを用いることができ、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、スチレン及びその誘導体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル系モノマーや、アクリルアミド等のアミド系モノマー、ビニルエーテルモノマー、アリルモノマー等が挙げられる。
なかでも、樹脂コア粒子の表面に、上記発光ポリマーを含有する被覆層を有する被覆樹脂粒子は、粒子径の制御が容易であり、かつ、高い発光強度を発揮できる発光粒子を低コストで製造できることから好適である。
以下、上記被覆樹脂粒子について、更に詳しく説明する。
なお、本明細書において「樹脂コア粒子の存在下」とは、上記発光性アレンモノマーと樹脂コア粒子を同時に添加する方法のほか、樹脂コア粒子が予め添加された系中に発光性アレンモノマーを追添加し重合する方法、樹脂コア粒子に発光性アレンモノマーを吸収させた後、重合を行う方法を含むものである。更に、樹脂コア粒子が合成されると共に発光性アレンモノマーの重合を行う方法等を用いてもよい。
なかでも、リビング配位重合が好ましい。
上記リビング配位重合を用いることで、水系媒体中での重合反応が可能となり、種々の置換基を有するポリマーを得ることが可能となる。
上記π−アリルニッケル触媒は、ハロゲン化アリル、アリルアセテート等のアリル化合物に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(以下Ni(COD)2とする)等の有機ニッケル、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリエチルホスファイト等のホスフィンを添加して得られる。
これらの中では、塩化メチレン、クロロホルムや、水にメタノール、エタノール、テトラヒドロフランを適宜混合して使用するのが好ましい。また、重合温度は、反応速度の観点から0〜90℃が好ましい。
上記貧溶媒としては、使用する発光性アレンモノマーによって異なるが、例えば、塩化メチレン、クロロホルムや、水にメタノール、エタノール、テトラヒドロフランを適宜混合して使用するのが好ましい。
これらの樹脂コア粒子を調製する方法としては、例えば、ラジカル重合性のモノマーを水系溶媒中で重合させる方法を用いることが好ましい。具体的には例えば、スチレンやメチルメタクリレート等のような水に難溶性のモノマーを水中で重合する、ソープフリー重合法や乳化重合法等が挙げられる。また、メタノールやエタノール及び、それらの水との混合物のような溶媒中で、スチレンやメチルメタクリレート等のような、モノマーとしては溶媒に溶解するがポリマーとしては溶解しないようなモノマーを重合する、分散重合法等も挙げられる。これらの方法を用いることにより、非常に簡便かつ低コストで、しかも、粒径分布の均一な樹脂コア粒子を作製することが可能である。
また、この際に1,4−ジアレノキシベンゼン、1,4−ジアレニルベンゼン、ビスフェノールAジアレニルエーテル(各種ビスフェノール系の化合物のジアレニルエーテルを含む)、1,4−ブタンジオールジアレニルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジアレニルエーテル、1−アレノキシ−4−アレニルベンゼン、その他にもジオール類および多官能アルコール(例えばポリウレタンやポリカーボナートの合成用の原料など)のアレニルエーテル類等の1分子あたり2個以上のアレニル基を有する架橋性アレンモノマーを配合することにより、架橋された樹脂コア粒子を得ることもできる。
SPseed<SPsol、かつ、SPm<SPsol
また、下記式の関係を有することがより好ましい。
SPm−SPseed<3.0、かつ、SPsol−SPm>2.0
このような関係を有することで、樹脂コア粒子と発光性アレンモノマーとは比較的SP値が類似しており、発光性アレンモノマーと重合溶媒とは比較的SP値がかい離しているといえる。
これにより、析出した凝集発光性ポリマーが選択的に樹脂コア粒子表面に堆積しやすくなり、得られる被覆層の表面がより平滑になる。
なお、発光粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ100個の樹脂コア粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
上記被覆層の厚みの上限は特に限定されないが、均一な厚みの被覆層とする場合には、100μm以下とすることが好ましい。
本発明の発光粒子は、印刷材料、電子材料、化粧品材料、食品材料、医薬品材料等の分野へ用いることができる。なかでも、診断薬担体、細菌又は細胞分離担体、核酸又は蛋白分離・精製担体、ドラッグデリバリー担体、酵素反応担体、細胞培養担体、X線造影剤、細胞イメージング等の用途に好適である。
本発明の発光粒子は、更に、磁性体を含有することにより、発光性の磁性粒子としても用いることができ、更に応用分野が広がる。
図1に示した合成経路により、下記式(3)で表されるアレンモノマーを合成した。また、同様の方法により、下記式(4)で表されるアレンモノマーを合成した。
即ち、開始剤として[(π−allyl)NiOCOCF3]2/PPh3を、分散安定剤としてポリビニルピロリドン(PVP、5重量%)を用い、MeOH溶媒中、窒素雰囲気下でフェノキシアレンを重合した。原料フェノキシアレンの消失をガスクロマトグラフィーで確認した後、一部をサンプリングしてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量を評価した。次いで、1,4−ジアレノキシベンゼンのメタノール溶液を加えて後重合して架橋を行い、樹脂コア粒子を得た。この際、仕込み比を[Ni]:フェノキシアレン:1,4−ジアレノキシベンゼン=1:100:20とした。
次いで、上記式(3)で表されるアレンモノマー及び/又は上記式(4)で表されるアレンモノマーのテトラヒドロキシフラン(THF)溶液を加え、ブロック共重合を行った。この際、実施例1では、[Ni]:式(3)で表されるアレンモノマー=20:1の仕込み比で用い、実施例2では、[Ni]:式(3)で表されるアレンモノマー=10:1かつ[Ni]:式(4)で表されるアレンモノマー=10:1の仕込み比で用い、実施例3では[Ni]:式(4)で表されるアレンモノマー=20:1の仕込み比で用いた。
実施例2で得られた被覆樹脂粒子は、数平均粒子径Dnが0.86μm、粒子径分布Dw/Dnが1.01であった。また、樹脂コア粒子の平均分子量は12000、分子量分布(Mw/Mn)は1.12であった。
実施例3で得られた被覆樹脂粒子は、数平均粒子径Dnが1.02μm、粒子径分布Dw/Dnが1.03であった。また、樹脂コア粒子の平均分子量は16000、分子量分布(Mw/Mn)は1.15であった。
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