JP2016163975A - 記録装置及び設定方法 - Google Patents

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重泰 名越
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均 錦織
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豊 狩野
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Abstract

【課題】記録ヘッド傾きを補正するため時分割駆動タイミングを変更しても同時駆動の記録素子数が自動的に均一分配となり電源容量の削減と高品位な画像記録とを両立することである。
【解決手段】記録ヘッドの記録解像度に対応する時間を複数に分割し、該分割された時間を駆動タイミングとして複数の記録素子を時分割駆動する際に、複数の記録素子を近接する予め定められた数の記録素子からなる複数のグループを形成する。そして、複数のグループごとに駆動タイミングを前記分割された時間の単位で変更する場合には、その変更により同時駆動する記録素子の数が時分割駆動ブロックで均等になるように次の関係を設定する。即ち、駆動の1周期を形成する数の記録素子を含むグループの数(G)と、時分割駆動の1周期の駆動タイミングの数(N)と、前記変更を行う際の駆動タイミングの変更の単位(S)との関係を設定する。
【選択図】 図28

Description

本発明は、画像データに基づき記録ヘッドに設けられた各インク吐出口からインク滴を吐出し、記録媒体に画像を記録する記録装置及びその制御方法に関する。詳しくは、記録ヘッドの傾き等によって生じるドットの形成位置のずれについて、そのずれを補正して良好な画像を得ることが可能な記録装置及びその記録ヘッドの駆動タイミングの設定方法に関する。
一般のインクジェット記録装置(以下、記録装置)は、インク吐出口とヒータやピエゾ素子などインク滴を吐出するためのエネルギー発生手段である記録素子とを対応させて配列して成る記録ヘッドを備えている。その記録装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを所定の方向(主走査方向)へ移動させながら記録媒体にインク滴を吐出し、1走査分の記録(記録走査)が終了すると、主走査方向と交差する方向(副走査方向:記録素子の配列方向)へ記録媒体を搬送する。このような動作を繰り返して、その記録媒体への画像記録を完了する。このような記録をシリアル記録と呼ぶ。
あるいは、記録ヘッドに実装する複数の記録素子の配列方向(主走査方向)と交差する方向(副走査方向)に記録媒体とその記録ヘッドを相対的に移動しながら画像記録を行う方式がある。
記録ヘッドの各インク吐出口列(記録素子列)において、全てのインク吐出口から同時にインク滴を吐出するに必要な電源を記録装置が備えることは、装置のコストアップや、大電流が流れることによるノイズ発生するので好ましくない。そこで、従来よりこの問題を解決するため複数の記録素子を時分割駆動している。
時分割駆動は以下のように要約される。各インク吐出口列を構成する複数の記録素子を近傍の複数の記録素子からなる複数のグループに分割し、各グループに含まれる複数の記録素子を異なるブロックに割り当てる。そして、各ブロックの複数の記録素子を時間を置いて順次駆動し全記録素子を駆動する。これを駆動の1サイクルという。実際の記録ではこのサイクルを繰り返して記録領域に記録を行う。
また、記録ヘッドを記録装置に装着する際に生じる装着誤差や記録ヘッドの組み込み誤差によって、記録ヘッドが記録装置のキャリッジに対して傾いて装着されることがある。そのため、この傾きに応じて記録ドットの形成位置がずれる、いわゆる傾きずれが生じる場合がある。以下、これを記録ヘッド傾きという。
特許文献1は記録データを転送して駆動する記録素子を記録走査毎にずらすことにより記録ヘッド傾きを補正して画像を記録する構成を提案している。また、特許文献2は、複数のノズル(記録素子)を複数のグループに分割し、駆動タイミングの調整を行うことにより記録ヘッド傾きを補正しつつ画像を形成する例を開示している。
一方、文字や細線の画像品位を向上させるため、前述の駆動タイミングに合わせてインク吐出位置を調整することにより記録媒体上でのインク滴の並びを一列に並ばせる手段がある。
図34は16個のインク吐出口を持つ記録ヘッドの駆動タイミングと記録媒体上のドット配置との関係を示す図である。
図34の左側の図が示しているように、インク吐出口(吐出口)はその配列方向に縦1列に並んでいるのではなく、記録媒体搬送方向にもずれて配置されている。このずれは図34の中央の図からも分かるように、前述の時分割駆動のタイミングに対応している。このため、インク滴の吐出と記録媒体と記録ヘッド11との相対的な移動により、図34の右側の図に黒丸で表わされた記録媒体上におけるドット位置で示されるように、真直ぐな線が記録可能になる。
特開2009−6676号公報 特開平9−104113号公報
さて、図34の左側の図に点線で示された記録ヘッド11は、記録装置本体への取り付け誤差や製造ばらつき等で傾いた状態を表している。このような状態での記録は前述のように線を真直ぐに記録できず、図34の右側の図で点線の白丸のように傾いたドット配置になってしまう。
この状態から特許文献1で提案された方法により、例えば、吐出口群200に含まれる記録素子200−0から200−7の駆動タイミングを調整する。しかしながら、このような調整を行っても、図34の右側の図に示されるように、記録されたドット群2001が斜めのままキャリッジ移動方向に平行移動するだけで、平行移動するドットと平行移動しないドットの境界にインク液滴の着弾位置のずれが発生する。従って、真直ぐな線が記録されない。さらに記録ヘッド傾きが、異なる色のインクを吐出する他の記録ヘッドにより記録されたドット群と記録媒体上で重なった時、上記のようにドット配置に局所的なずれの発生によるドット被覆のずれが生じ、バンドムラが発生する場合がある。
また特許文献2で提案の構成に従って記録ヘッド傾きの補正を行っても同一タイミングで駆動される記録素子の数が変化してしまう場合が生じうる。同一タイミングで駆動される記録素子の数は「最大同時駆動数」として規定され、この値を超えると記録ヘッドの駆動電圧降下による吐出不良や画像不良が生じる可能性があり、超えないように管理すべき値である。また、最大同時駆動数を変動可能にするためには記録装置の電源容量を非常に大きくする必要があり、これは装置のコスト増大の要因になる。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、記録ヘッド傾きを補正するため時分割駆動タイミングを変更しても同時駆動の記録素子数が自動的に均一分配となり電源容量の削減と高品位な画像記録とを両立する記録装置と設定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、次のような構成を含む。
即ち、予め定められた方向に配列された複数の記録素子を備えた記録ヘッドを搭載し、記録媒体と前記記録ヘッドを相対的に移動し、該記録媒体に前記記録ヘッドからインクを吐出することにより画像を記録する記録装置であって、前記記録ヘッドの記録解像度に対応する時間を複数に分割し、該分割された時間を駆動タイミングとして前記複数の記録素子を時分割駆動する時分割駆動手段と、前記時分割駆動においては前記複数の記録素子を近接する予め定められた数の記録素子からなる複数のグループを形成し、該複数のグループごとに前記駆動タイミングを前記分割された時間の単位で変更する変更手段と、前記変更手段による変更により同時駆動する記録素子の数が時分割駆動の各ブロックで同じになるように前記時分割駆動の1周期を形成する数の記録素子を含むグループの数(G)と、前記時分割駆動の1周期の前記駆動タイミングの数(N)と、前記変更手段により変更を行う際の前記駆動タイミングの変更の単位(S)との関係を設定する設定手段とを有することを特徴とする。
また本発明の他の側面からすれば、予め定められた方向に配列された複数の記録素子を備えた記録ヘッドを搭載し、記録媒体と前記記録ヘッドを相対的に移動し、該記録媒体に前記記録ヘッドからインクを吐出することにより画像を記録する記録装置における前記記録ヘッドの駆動タイミングの設定方法であって、前記記録ヘッドの記録解像度に対応する時間を複数に分割し、該分割された時間を駆動タイミングとして前記複数の記録素子を時分割駆動する際に、前記複数の記録素子を近接する予め定められた数の記録素子からなる複数のグループを形成し、該複数のグループごとに前記駆動タイミングを前記分割された時間の単位で変更する場合、該変更により同時駆動する記録素子の数が時分割駆動の各ブロックで同じになるように前記時分割駆動の1周期を形成する数の記録素子を含むグループの数(G)と、前記時分割駆動の1周期の前記駆動タイミングの数(N)と、前記変更を行う際の前記駆動タイミングの変更の単位(S)との関係を設定することを特徴とする設定方法を備える。
従って本発明によれば、記録ヘッド傾きを補正するため時分割駆動タイミングを変更しても同時駆動の記録素子数が自動的に均一分配となるので、電源容量の削減と高品位な画像記録とを実現することができるという効果がある。
本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の概略構成を示す外観斜視図である。 図1に示した記録装置に搭載する記録ヘッドの構成を示す分解斜視図である。 記録ヘッドをインク吐出口面から見た複数のインク吐出口の配列を示す図である。 記録ヘッドのインク吐出口列の上部16個のインク吐出口を16のブロックに分割して時分割駆動する様子を示す図である。 傾いた記録ヘッドにより記録媒体に記録されるドットの位置を示す図である。 図4で説明した条件から記録ヘッドが傾いているが記録ヘッド傾きの補正を行わずに記録を行った状況を示した図である。 図4で説明した条件から記録ヘッドが傾いているので記録ヘッド傾きの補正を行って記録を行った状況を示した図である。 図1に示した記録装置100における制御回路の構成を示すブロック図である。 記録バッファ204における画像データの配置を模式的に示す図である。 HV変換の動作を示す図である。 ノズルバッファ211の内部構成を示す図である。 ノズルバッファ211に保持されている記録データを示す図である。 ASIC206の内部構成を示すブロック図である。 転送バッファ213の構成を示す図である。 ブロック駆動順データメモリ214のアドレス0〜アドレス15に書き込まれたブロック駆動順データの一例を示す図である。 タイミングシフトデータメモリ220に格納されたノズルグループ0から15の記録タイミングをシフトするデータが格納されている例を示す図である。 ノズルグループとノズル番号と記録ヘッド傾き量測定後の補正値との関係を示す図である。 記録ヘッド11に設けられた駆動回路の構成を示す回路図である。 記録ヘッド傾きの補正を行っていない場合のブロックイネーブル信号(BLK_ENB)の駆動タイミングの例と、記録ヘッド傾きの補正を行った場合のブロックイネーブル信号(BLK_ENB)の駆動タイミングの例を示す図である。 ドットの傾きずれ値検出の概略を示すフローチャートである。 ステップS11で記録媒体12に形成されたテストパターンの一例と記録されたテストパッチに含まれるドット配列とを示す図である。 傾きずれがある場合のテストパッチの画像とそのときのドット配列、主走査方向のずれ、黒スジと白スジが発生しない一様な記録濃度の画像を示す図である。 記録ヘッドの傾きが−1の場合のノズルグループ0〜15の記録素子に割り当てられるノズル番号、ブロック、ノズルグループ毎のタイミングシフト量、記録データ、ドット配置を示す図である。 ノズルグループ0〜15の記録素子を備える記録ヘッドにおいてヘッド傾き+3から−3に対しノズルグループ毎の駆動タイミングのシフト量とデータの読み出し位置変更を示す図である。 記録ヘッド11のインク吐出口の配置と記録素子の駆動タイミングを表すタイミングチャートと記録媒体上に着弾したインク滴のドット配置を示す図である。 実施例1に従った記録ヘッドの傾き補正に用いるノズルグループの設定を説明する図である。 ノズルグループG20とノズルグループG21を8個ずつ合計16個合わせた状態を示す図である。 図23に示したヘッド傾き−1の場合の記録ヘッド傾き補正をした時の駆動タイミングを説明する図である。 実施例1に従った記録ヘッドの傾き補正に用いるには不適切なノズルグループの設定を説明する図である。 シフト量の大きい記録ヘッド傾き補正をした時の駆動タイミングを説明する図である。 実施例3に従った記録ヘッドの傾き補正に用いるノズルグループの設定を説明する図である。 記録ヘッド傾き補正をした時の駆動タイミングを説明する図である。 基本ノズルグループ数Gと基本シフト数Sを変化させた場合の他のパラメータとの関係を一覧として示す図である。 16個のインク吐出口を持つ記録ヘッドの駆動タイミングと記録媒体上のドット配置との関係を示す図である。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。さらに人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
またさらに、「記録要素(記録素子又はノズル)」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
以下に用いる記録ヘッド用基板(ヘッド基板)とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を差し示すものである。
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(built-in)」とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
<記録装置の構成(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概略構成を示す外観斜視図である。
記録装置100は、紙などの記録媒体を装置本体内へと自動的に給送する自動給送部101と自動給送部101から1枚ずつ送出される記録媒体を所定の記録位置へと導くとともにそれを記録位置から排出部102へと導く搬送部103を備える。また、記録位置に搬送された記録媒体に所望の記録を行う記録部と、記録部に対して回復処理を行う回復部108とを備える。後述するが、記録部は予め定められた方向に配列された複数の記録素子を備えた記録ヘッドを搭載し、記録媒体とその記録ヘッドを相対的に移動し、記録媒体に記録ヘッドからインクを吐出することにより画像を記録する。
記録部は、キャリッジ軸104によって矢印Xの方向(主走査方向)に移動可能に支持されたキャリッジ105と、キャリッジ105に着脱可能に搭載される記録ヘッド(不図示)とから構成される。従って、主走査方向とはキャリッジ移動方向に相当する。なお、記録ヘッドは、複数の記録素子が配列された記録素子列を有し、矢印Xの主走査方向は、この記録素子の配列方向と交差する方向に相当する。なお、記録媒体は自動給送部101によりキャリッジ移動方向(主走査方向)とは直角方向に給送され、搬送機構により搬送される。記録媒体の給送・搬送方向は副走査方向と呼ばれる。記録ヘッドがキャリッジ105に搭載された場合、記録素子の配列方向は副走査方向に対して所定の角度になるが、種々の要因により、通常の取付角度に対して傾く場合がある。
本発明では、矢印Xの主走査方向と記録素子の配列方向とが斜めに交差するように記録ヘッドが装着されている場合の記録装置における傾き誤差を補正する。
キャリッジ105には、キャリッジ105と係合して、記録ヘッドをキャリッジ105上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバー106が設けられている。また、記録ヘッドのタンクホルダーと係合して記録ヘッドを所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバー107が設けられる。
キャリッジ105の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられるとともに、記録ヘッドとの係合部には、ばねにより付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられている。そのばね力によって、ヘッドセットレバー107は、記録ヘッドを押圧しながら、それをキャリッジ105に装着する構成となっている。
<記録ヘッドの構成(図2〜図3)>
図2は図1に記録ヘッド11の構成を示す分解斜視図である。図2において、(A)は記録ヘッド11の詳細な分解斜視図であり、(B)は記録ヘッド11の概略分解斜視図である。記録ヘッド11はインクジェット記録ヘッドであり、記録素子ユニット111とインク供給ユニット112とタンクホルダー113とから構成される。また、記録素子ユニット111は、第1の素子基板114、第2の素子基板115、第1のプレート116、電気配線テープ119、第2のプレート117で構成されている。
また、インク供給ユニット112は、インク供給部材120、流路形成部材121、ジョイントゴム122、フィルター123、シールゴム124から構成されている。
次に、記録素子ユニット111について説明する。
記録素子ユニット111は、図2(B)に示されるように、第1のプレート116と第2のプレート117の接合によるプレート接合体125の形成、第1の素子基板114と第2の素子基板115のプレート接合体125へのマウントの順に実装される。そして、さらに電気配線テープ119の積層、第1の素子基板114と第2の素子基板115との電気接合、その電気接続部等の封止の順に実装される。
液滴の吐出方向に影響するため平面精度を要求される第1のプレート116は、厚さ0.5〜10mmのアルミナ(Al23)材料で構成されている。第1のプレート116には、第1の素子基板114と第2の素子基板115にインクを供給するためのインク供給口126が形成されている。
第2のプレート117は、厚さ0.5〜1mmの1枚の板状部材であり、第1のプレート116に接着固定される第1の素子基板114と第2の素子基板115の外形寸法よりも大きな窓状の開口部127を有する。第2プレート117は第1プレート116に接着剤を介して積層固定され、プレート接合体125を形成する。
第1の素子基板114と第2の素子基板115とは、第1のプレート116の表面に接着固定されるが、このマウントする際の精度や、接着剤の動きなどにより精度良く実装することが極めて難しい。このため、本発明の課題となる記録ヘッドを組み立てる際の誤差の要因の一つとして挙げられる。
複数のインク吐出口から成るインク吐出口列を有する第1の素子基板114と第2の素子基板115は、サイドシュータ型バブルジェット(登録商標)基板として公知の構造である。第1の素子基板114と第2の素子基板115は、厚さ0.5〜1mmのSi基板にインク流路として長溝状の貫通口から成るインク供給口と、インク供給口を挟んだ両側にそれぞれ1列ずつ千鳥状に配列されたエネルギー発生手段であるヒータ列を有している。さらに、このヒータ列に直交する第1の素子基板114と第2の素子基板115の辺には、ヒータに接続され基板の両外側に接続パッドが配列された電極部を有する。
電気配線テープ119として、TABテープが採用される。TABテープは、テープ基材(ベースフィルム)、銅箔配線、カバー層の積層体である。
第1の素子基板114と第2の素子基板115の電極部に対応するデバイスホールの2つの接続辺には、接続端子としてインナーリード129が延出する。電気配線テープ119は、カバー層の側を第2プレート117の表面に熱硬化型エポキシ樹脂接着層を介して接着固定され、電気配線テープ119のベースフィルムは、記録素子ユニット111のキャッピング部材が当接する平滑なキャッピング面となる。
電気配線テープ119と2つの素子基板114及び115は、それぞれ熱超音波圧着法や異方性導電テープを介して電気的に接続される。TABテープの場合は、熱超音波圧着法によるインナーリードボンディング(ILB)が好適である。記録素子ユニット111では、電気配線テープ119のリードと第1の素子基板114と第2の素子基板115上のスタッドバンプとがILB接合される。
電気配線テープ119と2つの素子基板114及び115の電気接合の後、電気接続部分をインクによる腐食や外的衝撃から保護するため、第1の封止剤130及び第2の封止剤H1303により封止される。第1の封止剤130は、主にマウントされた素子基板の外周部を封止し、第2の封止剤H1303は、電気配線テープ119と素子基板114及び115の電気接続部の表側を封止している。
図3は記録ヘッド11をインク吐出口面から見た複数のインク吐出口の配列を示す図である。図3に示されるように、インク吐出口13が128個ずつ配列され、4つのインク吐出口列141、142、143、144を形成する。それぞれのインク吐出口列からは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロのインク滴が吐出される。
なお、本発明では、記録ヘッド11の構成に特徴を有するものでなく、例えば、各色のインク吐出口列141、142、143、144が、副走査方向にインク吐出口13を交互に配置した2列から成る構成であってもよい。また、ブラックのインク吐出口列141におけるインク吐出口13の数が、他色のインク吐出口列142、143、144におけるインク吐出口13の数よりも多い構成であってもよい。
これ以降、1つのインク吐出口列(黒のインク吐出口列141)に注目して説明を行うが、他のインク吐出口列142、143、144についても、同様に、傾きずれ補正を行うことが可能である。
また、図3から分かるように、4つのインク吐出口列それぞれは、複数のインク吐出口が直線状に配列されてインク吐出口列が形成されているのではなく、3個又は4個のインク吐出口を単位としてジグザグ状に配置してインク吐出口列を形成している。このようにしてインク吐出口は後述の時分割駆動の駆動タイミングに従ってインクを吐出すれば記録媒体上におけるインク液滴の着弾位置が記録媒体の搬送方向に沿って揃うように配置される。
この配置について図面を参照して説明する。
図4は記録ヘッド11のインク吐出口列141の上部16個のインク吐出口を16のブロックに分割して時分割駆動する様子を示す図である。
図4(A)は16個のインク吐出口の配置を示しており、隣接するインク吐出口が1つのノズルグループとして定義される。この例では、隣接する8個のインク吐出口が1つのノズルグループを構成し、上側がノズルグループ0、下側がノズルグループ1と定義される。なお、記録ヘッド11では各インク吐出口列は128個のインク吐出口から構成されるので、その一端から他端に向かって、ノズルグループ0、ノズルグループ1、……、ノズルグループ7が定義される。
図4(B)は時分割駆動の駆動タイミングの一例を示している。この例では16個のインク吐出口(0〜15)それぞれに異なる駆動タイミング(0〜15)を割り当てる。このように16個のブロックの時分割駆動を行う場合、16個のブロックの時分割駆動に必要な時間、もしくは、その時間に相当する長さがキャリッジ移動方向の記録解像度(1カラム)に相当する。そして、駆動タイミングごとの割り当てに従い、インク吐出口および記録素子を選択し、選択された記録素子を駆動することによりインクを吐出して画像の記録を行う。図4(B)から分かるように、駆動タイミング0〜15それぞれにおいて、吐出口番号0〜15のいずれか1つの記録要素が駆動され、インク液滴が吐出される。従って、各駆動タイミングでの同時駆動される記録要素の数(同時吐出数)は1である。
ここで、時分割駆動のタイミングが異なっても記録媒体上ではインク液滴の着弾位置がキャリッジ移動方向に関して揃うように、図4(A)に示されるように駆動タイミングに対応した位置にインク吐出口を配置する。これにより、図4(C)に示されるように記録媒体上においてインク液滴の着弾位置を揃えることができる。
<記録ヘッド傾き補正のための時分割駆動タイミングの変更>
図5は傾いた記録ヘッドにより記録媒体に記録されるドットの位置を示す図である。
図5(A)〜図5(C)において、縦軸は副走査方向を示し、横軸は主走査方向を示している。また、説明を簡単にするために、主走査方向の記録解像度(1カラム)を8つに時分割したタイミングで記録を行う例を示している。
図5(A)は特許文献1に従う補正方法に従って時分割駆動を実行して記録されたドットの配置を示している。図5(A)おいて、実線の格子は傾いて取り付けられた記録ヘッドを時分割駆動して記録されたドットの記録媒体上の位置を示している。また、縦の実線は記録解像度(1カラム)の幅の目標印刷エリアを示している。
特許文献1に従う補正方法に従えば、図5(A)に示されるようにインク吐出口ごとに対応する記録データを主走査方向に記録解像度単位でずらすことにより記録位置の補正を行う。図5(A)において、白丸は補正前のドット記録位置、黒丸は補正後のドット記録位置を示す。
図5(B)は図4に示したように時分割駆動のタイミングが異なっても記録媒体上のドット記録位置が揃うようにインク吐出口を配置した記録ヘッドを用い、特許文献1に従う補正方法に適用してヘッド傾きを補正して記録した場合のドット配置を示している。図5(B)において、白丸は補正前のドット記録位置を、黒丸は補正後のドット記録位置を示している。この場合、記録ヘッドのインク吐出口が駆動タイミングに対応した配置になっているため、補正前のドット記録位置が一列に揃うため、ヘッド傾きの補正により図5(B)に示すように記録されるドット配置にずれが発生する。このため、記録ヘッドの時分割駆動によるインク液滴の着弾位置をインク吐出口の配置で補正しても、真直ぐな線の記録はできない。またさらに、記録ヘッド傾きが異なる色のインクを吐出する記録ヘッドにより記録されたドット群と記録媒体上で重なった時、上記のようにドット配置に局所的なずれが発生すると、互いのドット被覆にずれが発生しバンドムラが発生する場合がある。
図5(C)は本発明の実施例に従って時分割駆動を行い、記録ヘッド傾きを補正した場合の記録ドットの配置を示している。この例では、記録ヘッドの傾きに対して、複数の吐出口を複数のノズルグループに分割し、1カラム分のドットを記録するのに要するより短い時間間隔でインク吐出タイミングを変更している。これにより、1カラムに相当する長さより細かい長さで記録媒体上のドット配置の補正を行う。
ここで、図5(C)の例に適用される吐出タイミングの変更について、図6〜図7を参照して説明する。なお、図6〜図7を図4と比較すると分かるように、記録ヘッドのインク吐出口の配置や時分割駆動の分割数やタイミングも同じであるので、図4で既に説明した構成についての説明は省略し、ここでは図6〜図7に特徴的な構成についてのみ説明する。
図6は図4で説明した条件から、記録ヘッドが傾いているが記録ヘッド傾きの補正を行わずに記録を行った状況を示した図である。従って、図6(A)に示すノズル吐出口の位置も図4(A)に示されるものと比べて傾き、その結果、図6(C)に示される記録媒体上におけるインク液滴の着弾位置も異なり、記録されるドットの配置も傾く。
これに対して、図7は図4で説明した条件から、記録ヘッドが傾いているので記録ヘッド傾きの補正を行って記録を行った状況を示している。
図7(B)と図4(B)とを比較すると分かるように、ノズルグループ1の駆動タイミングを時分割駆動の駆動タイミング単位でずらすことによりインク液滴の記録媒体上の着弾位置を補正する。これにより、図7(C)で示されるように記録されるドット位置が変化し、先に図5(C)を参照して概説した記録ヘッド傾きの補正を行うことができる。
なお、以下の説明では時分割駆動1周期で用いるノズルグループをセットと呼ぶ。図3に示した構成の記録ヘッド11の場合、インク吐出口(ノズル)0〜15がセット0、インク吐出口(ノズル)16〜31がセット1、インク吐出口(ノズル)112〜127がセット7となる。
<記録装置の制御回路(図8〜図10)>
図8は図1に示した記録装置100における制御回路の構成を示すブロック図である。
記録装置100において、201はCPU、202はCPU201が実行する制御プログラムを格納するROMである。ホスト200などの外部装置から受信したラスタ単位の画像データは、まず受信バッファ203に格納される。受信バッファ203に格納された画像データはホスト200からの送信データ量を削減するために圧縮されている。このため、CPU201或いは圧縮データ展開用回路(不図示)により画像データの展開が行われ記録バッファ204に格納される。記録バッファ204は、例えば、DRAMで構成される。記録バッファ204に格納されるデータの形式は、ラスタ形式のデータである。記録バッファ204の容量は、1回の走査記録の幅に対応したラスタ数のデータを格納できる容量を備えている。
記録バッファ204に格納された画像データは、HV変換回路205によってHV変換処理が行われ、ASIC206に備えられたノズルバッファ211に格納される。なお、ASIC206の詳細な構成については後述する。即ち、ノズルバッファ(カラムバッファ)211にはカラム形式のデータが格納される。このデータの形式は、ノズルの配置に対応している。なお、このノズルバッファ(カラムバッファ)211は、例えばSRAMである。
図9は記録バッファ204における画像データの配置を模式的に示す図である。
記録バッファ204における格納位置は、縦方向は128個の記録素子に対応したアドレス000〜0fe、横方向は解像度と記録媒体のサイズとの積に対応した数のアドレスのメモリ領域となる。なお、このアドレスは、図中のh(ヘキサデシマル)が示すとおり16進法表示である。ここでは、記録解像度を1200dpi、記録媒体のサイズを8inch(インチ)とした場合9600dot分のデータを格納することが可能なメモリ領域となる。
図9において、アドレス000のb0には、インク吐出口(ノズル)番号0の記録素子に対応する記録データが保持されている。アドレス000におけるb0の横のb1にはノズル番号0の次のカラムに記録する記録データが保持されており、同様に横方向に移動するに従い、次のカラムに記録する記録データが保持されている構成となっている。同様に、アドレス0feには、インク吐出口(ノズル)番号127の記録素子の記録データが保持されている。
この様に、記録バッファ204の各アドレスには同一のノズル番号の記録素子に対応する記録データが保持されている。しかし、実際にはアドレス000から0feまでのb0の記録データに基づいて第1カラムが記録され、次にアドレス000から0feまでのb1の記録データに基づいて第2カラムが記録される。
そこで、HV変換回路205は、記録バッファ204にラスタ方向に格納されていた記録データをHV変換し、ノズルバッファ211にカラム方向に格納する。
図10はHV変換の動作を示す図である。
HV変換は16ビット×16ビットのデータ単位で行われる。記録バッファ204からアドレスN+0からN+1Eの各b0のデータを読み出し、ノズルバッファ211のアドレスM+0に書き込む。次に、記録バッファ204からアドレスN+0からN+1Eの各b1のデータを読み出し、ノズルバッファ211のアドレスM+2に書き込む。以下同様の読み出し動作と書き込み動作の処理を16回繰り返し行う。これにより、1回のHV変換(16ビット×16ビットのHV変換)が完成する。なお、HV変換は時分割駆動のノズルグループ単位で行われ、グループ0からグループ7まで順に行われる。
図11はノズルバッファ211の内部構成を示す図である。
図11において、セットとは記録解像度分もしくは1カラム分の記録を行う記録素子のことを指し、この実施例では16個の記録素子を1つのセットとしている。
HV変換は記録動作中に行われる為、ノズルバッファ211への書き込み動作とノズルバッファ211からの読み出し動作が排他動作となる様に、図11に示すように2つのバンクを備えている。1つのバンクには16カラム分の記録データを格納できる領域を備えている。この書き込みがバンク0に行われる時、読み出しはバンク1から行われ、書き込みがバンク1に行われる時、読み出しはバンク0から行われる。
また、図12はノズルバッファ211に保持されている記録データを示す図である。図12に示されるように、ノズルバッファ211に保持される記録データは、128個の記録素子(即ち、インク吐出口(ノズル)0〜127)に対応付けられるように保持されている。
次に、図13に示すASIC206の内部ブロック図を参照して、時分割された記録素子を順次駆動するための構成について説明する。
データ並び替え回路212は記録データを並び替えるための回路である。この回路は、128個の記録素子に対応付けられてノズルバッファ211に保持されている記録データを、同時に記録されるブロック(駆動タイミング)毎の8ビットの記録データにまとめて転送バッファ213に書き込みを行う。転送バッファ213に格納されるデータは同じブロック番号のノズルに対応するデータが同じアドレスに格納されている。なお、転送バッファ213は、例えば、SRAMである。
図14は転送バッファ213の構成を示す図である。
図14を参照し、例えば、バンク0について説明すると、アドレスAd0hからAdfhまでにはブロック0から15までの記録データが順番に保持されている。ブロック0にはセット0からセット7までのb0の記録データが保持されており、同様にブロック1には、セット0からセット7までのb1の記録データが保持されている。同様に、バンク1を構成するアドレスAd10hからアドレスAd1fh、バンク2を構成するアドレスAd20hからアドレスAd2fhにも、それぞれ記録データが保持されている。図14に示すように、転送バッファ213はブロックに対応して複数の領域が割当られ、記録データがブロックに対応して保持されている。
転送バッファ213は書き込み動作と読み出し動作とが排他動作となるように、図14に示すように16ブロック分の記録データを1個のバンクとした3個のバンクからなる構成となっている。
書き込みがバンク0に行われる時、読み出しはバンク1とバンク2から行われる。書き込みがバンク1に行われる時、読み出しはバンク2とバンク0から行われる。書き込みがバンク2に行われる時、読み出しはバンク0とバンク1から行われる。
なお、各バンクは、記録素子列の1列分に相当する記録データを保持し、転送バッファ213は、記録素子列の3列分の記録データが保持していることになる。このように、転送バッファは複数列分(複数カラム分)の記録データを格納する構成となっている。そして、読み出し時に2個のバンクを使用し、記録素子列の2列分の記録データを読み出す。つまり、記録素子列の1列分に相当する記録データを保持する列データ領域(バンク)を複数有する転送バッファからこの列データ領域の数より小さい複数の領域(バンク)を選択し、選択したバンクから各列データの読出しを行う。
図13の説明に戻ると、転送回数カウンタ216は記録タイミング信号の回数を計数するカウンタ回路であり、記録タイミング信号毎にインクリメントされる。転送回数カウンタ216は0から15までカウントして0に戻る。また、転送回数カウンタ216は転送バッファ213のバンク値をカウントしており、転送回数カウンタ216が16回カウントされるとバンク値を+1インクリメントする。
ブロック駆動順データメモリ214は、16分割されたブロック番号0から15の記録素子を順次駆動する場合の順番がアドレス0から15に記録されている。また、タイミングシフトデータメモリ220はノズルグループ0から15の記録タイミングをシフトする量が格納されている。
記録データ転送回路219は、例えば、光学式リニアエンコーダに基づいて生成される記録タイミング信号をトリガに、転送回数カウンタ216のインクリメントを行う。データ選択回路215は、記録タイミング信号を起点にブロック駆動順データメモリ214の値と転送回数カウンタ216のカウントしたバンク値に応じた記録データとを転送バッファ213より読み出す。そして、補正値メモリ217に保持されている補正量に応じて補正された記録データを、データ転送CLK生成器218によって生成されたデータ転送CLK信号(HD_CLK)に同期して、記録ヘッド11に転送する。
図15はブロック駆動順データメモリ214のアドレス0〜アドレス15に書き込まれたブロック駆動順データの一例を示す図である。
図15において、ブロック駆動順データメモリ214のアドレス0とアドレス1にはそれぞれ、ブロック0とブロック5を示すブロックデータが記憶されている。同様にして、アドレス2〜アドレス15には、それぞれ対応するブロックを示すブロックデータが順次記憶されている。
図16はタイミングシフトデータメモリ220に格納されたノズルグループ0から15の記録タイミングをシフトするデータが格納されている例を示す図である。なお、図16ではメモリ内のデータを示すので2進数表記されている。このデータは記録ヘッドの傾きにより異なる数値が設定される。図16はノズルグループ0は0、ノズルグループ1は−1、ノズルグループ15は−15の数値が設定された例を2進数表示している。
図17はノズルグループとノズル番号と記録ヘッド傾き量測定後の補正値との関係を示す図である。なお、図17では記録ヘッド傾き量測定後の補正値を表すために−符号を付けた10進数で補正値を表示している。
データ選択回路215は、記録タイミング信号をトリガに、ブロック駆動順データメモリ214のアドレス0からブロックイネーブル信号としてブロックデータ0000(ここでは、ブロック0を示す数値)を読み出す。ただし、タイミングシフトデータメモリ220に格納されたノズルグループ毎のタイミングシフト値が0でない場合にはその分ブロック駆動順データメモリ214の読み出しアドレスをシフトする。例えば、ノズルグループ1の場合にはタイミングシフト値(補正値)は−1であり、ブロック駆動順データメモリ214の読み出しアドレスをシフトしてアドレス15のブロックデータ0111を読み出す。続いてこれに対応した記録データを転送バッファ213から読み出し記録ヘッド11に転送する。
同様にして、次の記録タイミング信号で、ブロック駆動順データメモリ214のアドレス1からブロックイネーブル信号としてブロックデータ0101(ここでは、ブロック5を示す数値)を読み出す。そして、ブロックデータ0011に対応した記録データを転送バッファ213から読み出し記録ヘッド11に転送する。
同様にして、次の記録タイミング信号をトリガに、ブロック駆動順データメモリ214のアドレス2からアドレス15まで順にブロックデータを読み出す。そして、各ブロックデータに対応した記録データを転送バッファ213から読み出し、記録ヘッド11に転送する。
このようにして、記録データ転送回路219は、ブロック駆動順データメモリ214のアドレス0から15までに設定されたブロックデータを読み出す。そして、それぞれのブロックデータに対応した記録データを転送バッファ213から読み出して記録ヘッド11に転送することで1カラム分の記録を行う。つまり、16回の記録タイミング信号が出力されると、1カラム分のブロックデータが転送バッファ213から読み出される。
図18は、記録ヘッド11に設けられた駆動回路の構成を示す回路図である。
この駆動回路により128個の記録素子15を近傍に存在する16個のノズルグループに分割し、各ノズルグループに割り当てられた8個の記録素子を時分割駆動する。従って、時分割駆動の同じブロックに割当てられた16個の記録素子が同じタイミングで駆動される。この駆動回路へのデータ信号や駆動信号などは、図13に示した記録データ転送回路219から送られる。
記録データ信号(DATA)はクロック信号(HD_CLK)に従って記録ヘッド11へシリアル転送される。記録データ信号(DATA)は16ビットシフトレジスタ301で受信後、16ビットラッチ302にてラッチ信号(LATCH)の立ち上がりでラッチされる。
ノズルグループごとに記録タイミングを分割ヒートタイミング単位で変更する量は記録データ信号(DATA)に含まれTSデコーダ330でデコードされ、TSラッチ331で保持される。なお、TSラッチ331によるラッチタイミングはTSリセット信号(RESET)の入力に従う。
時分割駆動の基本となるブロック信号は記録データ信号(DATA)に含まれデコーダ303でデコードされる。さらに、TSラッチ331に保持されている数値に応じて駆動タイミングをずらしてブロックイネーブル信号(BLK_ENB)を生成し、駆動すべき記録素子15を選択する。
ブロックイネーブル信号(BLK_ENB)と記録データ信号(DATA)の両方で指定された記録素子15のみが、ヒータ駆動パルス信号(HENB)によって駆動され、インク滴を吐出して記録が行われる。
図19は記録ヘッド傾きの補正を行っていない場合のブロックイネーブル信号(BLK_ENB)の駆動タイミングの例と、記録ヘッド傾きの補正を行った場合のブロックイネーブル信号(BLK_ENB)の駆動タイミングの例を示す図である。
図19において、(A)は記録ヘッド傾きの補正を行っていない場合、(B)は記録ヘッド傾きの補正を行った場合のブロックイネーブル信号(BLK_ENB)の駆動タイミングの例を示す。
図19(A)ではノズルグループごとにデコーダ303で展開されるブロックイネーブル信号(BLK_ENB)で選択される数値の例を示している。ノズルグループ0ではブロックイネーブル信号(BLK_ENB)が“0”の場合、記録素子15のSEG0が、ブロックイネーブル信号が“1”場合、記録素子15のSEG1が選択される。また、ノズルグループ1ではブロックイネーブル信号が“0”の場合、記録素子15のSEG8が、ブロックイネーブル信号が“1”の場合、記録素子15のSEG9が選択される。なお、図19(A)において、黒く塗りつぶしている枠は画像の記録に使用しないタイミングである。
図19(A)に示した記録ヘッド傾きの補正を行っていない記録素子の駆動タイミングは、図6に示された状態に対応している。この状態では図6に示されるようにノズルグループ0とノズルグループ1のブロック選択は補間的であるため、図19(A)に示したブロックイネーブル信号(BLK_ENB)も補間的となっている。
図19(B)は、図7に示した駆動タイミングに対応する記録ヘッド傾きの補正を行った場合のブロックイネーブル信号(BLK_ENB)の駆動タイミングの例を示す図である。
図19(B)に示した例では、ノズルグループ1の記録素子に対する駆動タイミングは分割タイミング1つ分だけ図19(A)に示した駆動タイミングの状態から前に進める。この設定はノズルグループ1のTSラッチ331の設定値である。これにより、デコーダ303はブロック駆動順データメモリ214に格納されているブロック駆動順データから前記設定値分だけ分割タイミングがずれるよう動作する。このようにして記録素子の駆動タイミングを分割タイミング単位でノズルグループ毎に設定することができる。
また、片方向記録及び双方向記録の際の往走査記録では、駆動タイミングを示すブロックイネーブル信号(BLK_ENB)は、記録ヘッド11に対して、ブロック0→1→2→……→15の駆動順序の値となる。
<傾きずれ補正の概要>
次に、上述した構成のインクジェット記録装置において実行する傾きずれ補正の概略について説明する。このインクジェット記録装置は、ドットの傾きずれを補正する点に特徴を有する。従って、傾きずれに関する情報(傾き情報)の検出についてはどのような方法によって行っても構わないが、ここでは光学式センサを用いて傾きずれに関する情報を取得する例について説明する。
図20はドットの傾きずれ値検出の概略を示すフローチャートである。
まず、ステップS11では、テストパターン記録を行う。テストパターンは吐出タイミングを異ならせて複数のテストパッチを記録媒体上に記録することにより作成される。ここでは、光学式センサを用いてテストパターンを読取るので、各テストパッチの光学特性の差を利用することで、傾きずれに関する情報を取得することができる。
次に、ステップS120では、光学式センサを用いてそれぞれのテストパッチの光学特性を測定し、傾きずれに関する情報を検出する。ここでは、光学特性の測定としてテストパッチの反射光学濃度を測定し、傾きずれに関する情報を検出する。そして、ステップS13では、検出した傾きずれに関する情報から補正情報を決定し、補正値メモリ217にその情報を設定する。
さらに、ステップS14では、補正値メモリ217に設定された補正情報に基づいて記録データの読み出し位置を変更し、ステップS15により記録媒体に画像を記録する。
次に、ステップS11におけるテストパターンの作成と、ステップS120における光学特性測定による傾きずれに関する情報の検出について説明する。ここでは、傾きずれに関する情報としてインク吐出口列141の両端部である副走査方向に関して上流側と下流側のそれぞれ3個のインク吐出口13により形成されるドットの主走査方向に対するずれ量を検出する。
図21はステップS11で記録媒体12に形成されたテストパターンの一例と記録されたテストパッチに含まれるドット配列とを示す図である。図21において、(a)はステップS11で記録媒体12に形成されたテストパターンの一例を示した図である。(b)は記録されたテストパッチに含まれるドット配列を示す図である。
図21(a)に示されるように、テストパターンは7つのテストパッチ401〜407から成る。各テストパッチは、以下のように形成される。
まず、記録ヘッド11による1回目の記録走査で副走査方向に関し、上流側3個のインク吐出口13を用いて、副走査方向3ドット×主走査方向4ドットからなる画像411を主走査方向に4ドット分の間隔を空けて2個記録する(図21(b)の(A))。
次に、記録媒体12を搬送して、2回目の記録走査で、1回目の記録走査で間隔を空けた副走査方向3ドット×主走査方向4ドット分の領域に下流側3個のインク吐出口を用いて画像412を記録する。なお、テストパッチの作成の際、1回目と2回目の走査を異なる走査方向で記録すると、この走査方向の違いによってドットの形成位置にずれが生じることがあるため、1回目と2回目を同一方向の走査で記録することが望ましい。ここでは、1回目と2回目の走査をともに図面の左から右へと記録ヘッドを走査させて記録している(片方向記録)。
図21(a)に示した7つのテストパッチのうち基準のテストパッチ404は、1回目の記録走査で間隔を空けた領域をちょうど埋めるように2回目の記録走査で記録する。一方、テストパッチ405、406、407については、2回目の記録走査で下流側のインク吐出口13の駆動タイミングを遅らせて画像を記録する。下流側のインク吐出口13の記録素子の駆動タイミングを早めて記録する。つまり、下流側のインク吐出口により記録される画像が1回目の記録走査で間隔を空けた領域から図中の主走査方向の右側方向に、夫々1/2画素、1画素、3/2画素ずれるように作成する。また、テストパッチ403、402、401については、2回目の記録走査で下流側インク吐出口13の駆動タイミングを早めて画像を記録する。つまり、下流側のインク吐出口13により記録される画像が1回目の記録走査で間隔を空けた領域から図中で主走査方向の左方向に、夫々1/2画素、1画素、3/2画素ずれるように作成する。
図22は傾きずれがある場合のテストパッチの画像とそのときのドット配列、主走査方向のずれ、黒スジと白スジが発生しない一様な記録濃度の画像を示す図である。
図22において、(a)は傾きずれがある場合のテストパッチの画像と、そのときのドット配列を示しており、図22(a)の(A)が記録されたテストパッチの画像を示し、(B)はそのドット配列を示している。
図22(a)の(A)から分かるように、傾きずれがあるとテストパッチ404には黒スジ409と白スジ410が発生する。そして、図22(a)の(B)に示すように、黒スジ409と白スジ410に対応して、ドットの重なった部分413とドットのない部分414が生じる。傾きずれがある場合、図22(b)で示すように、副走査方向の上流側のドット415と副走査方向の下流側のドット408で主走査方向に関しずれLが生じる。
テストパッチ404では、1回目の記録走査で間隔を空けた領域隔をちょうど埋めるように、2回目の記録走査で下流側インク吐出口13を用いて画像を記録している。そのため、図22(a)の(B)に示すように、1回目の記録走査による画像411と2回目の記録走査による画像412との間に重複部413や空白部414が発生する。その結果、そのテストパッチは、図22(a)の(A)に示すような黒スジ409と白スジ410のあるテストパッチとなってしまう。このように、傾きずれが発生すると基準のテストパッチ404には黒スジ及び白スジが発生してしまう。
次に、傾き量(上流側ドットと下流側ドットに関する主走査方向のずれ量)の検出について説明する。この説明では、図22(c)に示すように、7つのテストパッチのうちテストパッチ402が、黒スジと白スジが発生しない一様な記録濃度の画像であるとする。なお、図22(c)の(A)が一様な記録濃度の画像を示すテストパッチ402を示し、図22(c)の(B)がそのテストパッチのドット配置の詳細を示している。
テストパッチ402の記録では、下流側のインク吐出口13の記録素子の駆動タイミングを早めて、1回目の記録走査で間隔を空けた領域から図中の主走査方向の左側に1画素ずれるように2回目の記録走査により画像412を記録する。
そのため、傾きずれがなければ、間隔を空けた領域の左側では上流側ドット415と下流側ドット408が重なって黒スジが表れ、また右側では上流側ドット415と下流側ドット408が存在しない白スジが表れるはずである。しかし、傾きずれが発生しているために、図22(b)で示したように、上流側ドット415と下流側ドット408との間に主走査方向のずれLが発生している。そして、このずれLが下流側のインク吐出口13の駆動タイミングを早めた際にできるはずのドットの位置ずれを相殺して、一様な記録濃度のテストパッチとなる。このようにして、上流側ドット415と下流側ドット408の主走査方向のずれLがL=1画素であり、このような主走査方向のずれを有する反時計回り方向の傾きずれが発生していることが検出できる。
以上のようにして、下流側のインク吐出口の駆動タイミングを遅らせて、または早めて形成したテストパッチの中から、一様な記録濃度の画像を選択することにより、傾きずれに関する情報としての主走査方向のドットずれ量を検出することができる。
なお、ステップS12では、これら7つのテストパッチについて、光学式センサを用いて反射光学濃度を測定している。そして、光学式センサを用いた光学測定で、反射光学濃度の高い出力値を得ることのできたテストパッチを選択することにより、黒スジ、白スジがなく、ドット配置が一様なテストパッチを検出することができる。
また、ここでは、説明の簡略化のために、上述したようなテストパターンの作成と傾きずれに関する情報の検出の構成を示した。つまり、上述の説明では、単純にドット配置が最も一様なテストパッチを光学センサにより選択し、そのテストパッチを形成した際の上流側のドットと下流側のドットの主走査方向のずれ量に基づいて傾きずれに関する情報を検出している。
しかしながら、この構成に限らず、例えば、次のようにしても良い。即ち、各パッチの光学特性を測定し、反射光学濃度の最も高いテストパッチと2番目に高いテストパッチを選択し、この2つのテストパッチの反射光学濃度差を算出する。そして、この反射光学濃度差が所定値以上であれば反射光学濃度の最も高いテストパッチのずれ量をそのまま傾きずれに関する情報として採用し、所定値以下であれば最も高いテストパッチと2番目のテストパッチのずれ量の平均を採用するのである。またさらには、反射光学濃度の最も高いテストパッチの左右それぞれで、各テストパッチの光学特性のデータから直線近似や多項式近似によって近似直線または近似曲線を求め、これら左右2つの直線または曲線の交点から傾きずれに関する情報を検出しても良い。
なお、以降の説明では、吐出タイミングを基準テストパッチから“−2”としたテストパッチ402が最も一様な画像として検出されたものとして、そのときの補正方法を説明する。
ステップS13では、ステップS12の光学特性の測定によって検出した主走査方向に対するドット配置のずれ量に応じて、傾きずれを補正するための補正情報を補正値メモリ217に設定する。ここでは、セット0からセット7の各セットに対して、記録データの読み出し位置を変更する記録素子数(補正値)を対応づけた情報を補正情報としている。
この補正情報は、図17に示すように補正値メモリ217にテーブル形式で設定される。上述の構成で“−2”、即ち、L=1の傾きずれが生じた場合の補正情報によれば、基準となるノズルグループ0に対して0、ノズルグループ1に対して−1というような補正値が設定される。同様にして、ノズルグループ2に―2、ノズルグループ3に−3、同様にノズルグループ15に−15が補正値として設定される。
なお、補正情報の決定方法、つまり各ノズルグループに対する補正値の決定方法としては、傾きずれに関する情報に応じた複数のテーブル情報を予め保持しておく方法がある。また、基準のノズルグループ0の補正値を0とし、傾きずれに関する情報からノズルグループ15における補正値を決定し、簡易計算によって中間に位置するセットの補正値を決定するようにしてもよい。
図15に示す例は、ノズル番号が0から127まである、即ち、128個のノズル(インク吐出口)を備えた記録ヘッドの例であり、この例はノズル(インク吐出口)数が128個の記録ヘッドにおいてL=1画素の傾きが生じた場合の補正例となっている。
ステップS14では、以上のようにして補正値メモリ217に設定された補正情報に基づいて記録データの読み出し位置が変更される。そして、ステップS15では、読出し位置の変更された記録データに基づいて記録媒体に画像が記録される。
図23は記録ヘッドの傾きが−1の場合のノズルグループ0〜15の記録素子に割り当てられるノズル番号、ブロック、ノズルグループ毎のタイミングシフト量、記録データ、ドット配置を示す図である。
図23において、記録データは各記録素子に割り当てられた1〜3カラム目の記録データを読み出すタイミングを示すものであり、ドット配置は傾きずれがない場合にこのタイミングで記録を行った場合に記録媒体に形成されるドット配置を模式的に示している。記録データの読み出し位置を変更した場合、傾きずれがなければ図23に示すようなドット配置となるが、後述するように、傾きずれによってそれぞれのドットが本来配置されるべきカラムに収まるようになる。
図24はノズルグループ0〜15の記録素子を備える記録ヘッドにおいてヘッド傾き+3から−3に対しノズルグループ毎の駆動タイミングのシフト量(タイミングシフト)とデータの読み出し位置変更(データシフト)を示す図である。
ノズルグループ毎のタイミングシフト値は図13に示したタイミングシフトデータメモリ220に格納される。また、そのタイミングシフト値は図18〜図19で示した記録データ信号(DATA)で記録ヘッド11に転送され、TSデコーダ330でデコードされ、TSラッチ331で保持される。
次に以上の構成の記録装置において記録ヘッドを時分割駆動して記録を行う際に、ノズルグループ毎に含まれる記録素子の駆動タイミングをシフトしてもブロック毎の同時吐出数を一定にする制御について、いくつかの実施例を説明する。
図25は記録ヘッド11のインク吐出口の配置と記録素子の駆動タイミングを表すタイミングチャートと記録媒体上に着弾したインク滴のドット配置を示す図である。なお、図25は、記録ヘッドの傾きが全く無く、前述したヘッド傾き補正を適用していない時の状態を示している。
記録ヘッド11は128個のインク吐出口を有しているが、図25ではその一部であるセット0(近接する16個のインク吐出口)だけ抜き出して図示してある。記録ヘッド11は128個の記録素子を16分割して時分割駆動するので、図25にも示されているように、1カラム分を1セット(16個)の記録素子で記録する。そのため、1セットに含まれるインク吐出口も0〜15番まで16個有している。
図25において、横方向の0〜15は1カラムを16分割した駆動タイミングであり、縦方向の0〜15は時分割駆動される記録素子を含むインク吐出口番号である。図25(A)によれば、駆動タイミング0ではインク吐出口番号0の記録素子が駆動され、駆動タイミング1ではインク吐出口番号13の記録素子が駆動される。同様にして駆動タイミング15まで順に記録素子が駆動されると、図25(A)の右側の黒丸で示されるように記録媒体上にドットが配置される。
図25(B)は、図25(A)の中央で示されたインク吐出口番号と駆動タイミングとの関係を簡略化した図である。図25(B)において、縦方向はインク吐出口番号0から15を表し、横方向は1カラム分の16個の駆動タイミングを表す。図25(B)において、“1”は記録素子を駆動するタイミングを表し、図25(A)の時分割駆動の駆動タイミングがハイレベル(High)に相当する部分が「1」となっている。
次に、前述のヘッド傾き補正で用いられるノズルグループの設定について説明する。
図26は実施例1に従った記録ヘッドの傾き補正に用いるノズルグループの設定を説明する図である。
図26(A)に示した例では、図25(A)に示したセット0が2つのノズルグループ(G20、G21)で構成される。即ち、16個のインク吐出口を8個ずつの2つのノズルグループ、つまり、インク吐出口番号0から7のノズルグループG20と、インク吐出口番号8から15のノズルグループG21とに分ける。ここで、説明の簡略化のため、図26(A)の縦方向の連続する8個のインク吐出口の記録素子の駆動タイミングを1つの関数で表わす。即ち、図26(B)に示されるように、ノズルグループG20、G21を横方向に16個、縦方向2個のセルで表わし、各セル内にそのセルの座標と記録素子の駆動有無を記載し、関数H(x,y):記録素子の駆動数1で“駆動あり”、0で“駆動なし”とする。
即ち、H(0,0)=1は、駆動タイミング0でノズルグループG20では記録素子を駆動することを表し、H(0,1)=0は、駆動タイミング0でノズルグループG21では記録素子を駆動しないことを表す。
同様に、H(0,0)〜H(f,1)までの32通りで、図26(A)に示した駆動タイミングと駆動の有無とノズルグループとの関係を表す。なお、図26(C)は、関数H()内の値を表にして示す。
図27はノズルグループG20とノズルグループG21を8個ずつ合計16個合わせた状態を示す図である。図27において、最上位のノズルグループG20をノズルグループ1000とし、最下段のノズルグループG21をノズルグループ1015とする。即ち、図27は8×16=128個のインク吐出口の状態を表わしていることになる。なお、図27は記録ヘッド傾き補正は未適用の状態を示している。この時、ある駆動タイミングでの最大同時駆動数を数えるには、図27の縦方向に駆動の有無を合計すればよい。
一例として駆動タイミング0では、8×{H(0,0)+H(0,1)}=8と計算できる。
以上の説明に基づいて、図27に示された記号の定義と値を以下に表す。
G:基本ノズルグループ数、単位は個数
1カラム分駆動するのに必要なノズルグループの数=2
N:駆動タイミング数、単位は個数
1カラム分駆動するのに必要な時分割駆動タイミングの数=16
S:基本シフト数、単位は個数
記録ヘッド傾き補正のための基本シフト数=0(記録ヘッド傾き補正未適用のため)
なお、簡略化のため、Sは正の整数のみで表わす。
C:ノズルグループ周期、単位は個数
最大同時駆動数が全駆動タイミングで同じになるノズルグループの数=2
M:式の数、単位は個数
ノズルグループ周期を成立させるのに必要な駆動タイミングと
関数H()の関係式の数=16個
W:最大同時駆動数、単位は個数 C÷G
ノズルグループ周期内で各駆動タイミングの最大同時駆動する記録素子の数=1
となる。
図27に示した例では記録ヘッド傾き補正を実行していないので、S=0でG=C=2である。
次に、記録ヘッド傾き補正をした時の最大同時駆動数について説明する。
図28は図23に示したヘッド傾き−1の場合の記録ヘッド傾き補正をした時の駆動タイミングを説明する図である。
図28において、G(基本ノズルグループ数)=2、N(駆動タイミング数)=16、S(基本シフト数)=1としている。さらに、図26に示したノズルグループG20とG21で基本ノズルグループを構成し、ノズルグループ合計は16個になる。また、N=16なので、記録解像度1カラム分の記録に相当する時間を16分割したタイミングで記録素子を駆動する。
図28に示した記録素子の駆動有無は(0,0)や(1,0)などと記載している。例えば、ノズルグループ1000の駆動タイミング0は(0,0)と記載されているが、これは図26(B)で示したH(0,0)と同じ意味である。ここでは、記載の都合上、関数を示すH()は省略してあり、その引数のみ記載している。
次に、基本シフト数(ここではS=1)について説明する。
基本シフト数Sは隣接するノズルグループとの駆動タイミングの差である。そのため、ノズルグループ1000、1001とノズルグループが変わるに従って駆動タイミングのシフト量は積算されていく。
図28には各ノズルグループに対応した積算シフト量(AS)が示されている。ノズルグループ1000ではAS=0、ノズルグループ1001ではAS=1、ノズルグループ1015ではAS=15である。図28において、実際に駆動されるのは点線で囲われた駆動タイミングの部分である。左側の階段状の部分は駆動タイミングがシフトした場合の駆動有無のH()を分かり易く示すための記載である。
この時、各駆動タイミング毎の最大同時駆動数を同じになる条件として、同一駆動タイミングで各ノズルグループの駆動有無H()が周期的に切り替わる最短周期を求める。
駆動タイミング数Nと基本シフト数Sの最小公倍数(LCM(N,S)と記載)分のノズルグループであれば必ず周期的にH()が繰り返される(NとSが互いに素の関係にあるならC=N)。更に、基本シフト数Sで割ることによりノズルグループ周期Cが計算できる。即ち、ノズルグループ周期Cは、
C=LCM(N,S)÷S ……(1)
となる。
図28に示す例では、N=16,S=1なのでC=16となり、ノズルグループ1000からノズルグループ1015までの16個がノズルグループ周期Cになる。
次に、上記のノズルグループ周期内で、各駆動タイミングでの最大同時駆動数が同じ値になる条件を求める。そのために各駆動タイミング毎に図28において縦方向にH()の値を合計する。
駆動タイミング0では、
H(0,0)+H(1,1)+H(2,0)+……+H(f,1)
となる。
同様に駆動タイミング1では、
H(1,0)+H(2,1)+H(3,0)+……+H(0,1)
駆動タイミングf(15)では、
H(f,0)+H(0,1)+H(1,0)+……+H(e,1)
となり、合計16個の式ができる。
ところがこれらの式は実際は重複しており、駆動タイミング数Nと基本ノズルグループ数Gの積であるN×G個のH()の組み合わせをノズルグループ周期Cで割った個数しかない。即ち、式の数Mは、
M=G×N÷C ……(2)
となる。
言いかえれば、G×N個のH(X,Y)はノズルグループ周期Cと式の数Mの積の数と同じである。ここで、図28に示した例の場合、M=2×16÷16=2になる。さらに各駆動タイミングでの吐出数を同じにするということは、全体の駆動数を駆動タイミング数Nで割った値になる。
即ち、全体の駆動数は、駆動タイミング数Nを基本ノズルグループGで割った各ノズルグループの同時駆動数にノズルグループ周期Cをかけた値(N÷G×C)である。更に、各駆動タイミング毎の最大同時駆動数を同じにするには上記の全体の駆動数をNで割った値を最大同時駆動数Wとして求めればよい。即ち、
W=C÷G ……(3)
となる。
各駆動タイミングで最大同時駆動数を同じにするには、図28に示した各駆動タイミングでの最大同時駆動数を計算すればよく、図28の縦方向にCの数だけH()を加算することを繰り返し、さらにそれらの式をM通り満足させるH()を求めることになる。
即ち、前述の定義G、N、Sと定義式C、M、Wとを用いて、式(4)が成立するH()である駆動パターンにすればよい。即ち、
Σi=0 C-1H{MOD(i×S+j,N),MOD(i,G)}=W ……(4)
である。ただし、i=0,1,……,C−1(=LCM(N,S)/S)−1)であり、j=0,1,……,M−1(==G×N×S/LCM(N,S)−1)であり、MOD(X,Y)はXをYで割った余りである。W=LCM(N,S)/S/Gである。
即ち、i=0〜15とj=0〜1になり、下記の2式の左辺は15項あり、
H(0,0)+H(1,1)+……+H(f,1)=8
H(1,0)+H(2,1)+……+H(0,1)=8
を満たすH(0,0)からH(f,1)となる駆動パターンとなる。
式(4)において、H{MOD(i×S+j,N}の部分は、図28における列方向の配置を示し、MOD(i,G)は基本ノズルグループの番号を表し、jは列番号を表している。なお、図26で表わされる駆動有無H()は上記式を全て満足している。
よって、式(1)〜(3)で算出される係数を用いた式(4)を満足させる駆動有無情報H()を定義する。これにより、ノズルグループ周期Cの範囲では記録ヘッド傾き補正のための駆動タイミングシフトを行っても駆動タイミング毎の最大同時駆動数Wを同じ値にすることができる。この実施例では、C=16で、1ノズルグループ当たりのインク吐出口数は8個なので16×8=128個のインク吐出口の単位であれば最大同時駆動数が同じになる。そのため、128個の自然数倍のインク吐出口を有する記録ヘッドであれば最大同時駆動数を駆動タイミング毎に同じにすることが可能である。
ここで、全駆動タイミングで最大同時駆動数が同じにならない例について説明する。
図29は実施例1に従った記録ヘッドの傾き補正に用いるには不適切なノズルグループの設定を説明する図である。
図29において、比較のために、前述と同じ条件、即ち、G=2、N=16、S=1とする。この場合、上述した式(1)〜(3)を用いるとC、M、Wの値は以下のようになる。即ち、
C=LCM(N,S)÷S=16 ……(1)
M=G×N÷C=2 ……(2)
W=C÷G=8 ……(3)
となる。この場合、各基本ノズルグループに関して関数Hを合計すると、
H(0,0)+H(1,1)+……+H(f,1)=16≠W
H(1,0)+H(2,1)+……+H(0,1)=0≠W
となる。
従って、式(4)が成立せず図29に示した駆動パターンでは記録ヘッド傾き補正のために駆動タイミングを1つシフトさせる場合は、最大同時駆動数を同じにすることができない。
図29(C)から示唆されるように、基本シフト数Sが奇数の場合(S=1,3……)上記のように式(4)が成立しないが、偶数の場合(S=2,4……)は式(4)が成立する。従って、適切な基本シフト数Sとして自由度が少ない駆動パターンは選択すべきではないことが分かる。
ここでは実施例1よりもシフト量が多い場合における記録ヘッド傾き補正をした時の駆動タイミングの例について説明する。
図30はシフト量の大きい記録ヘッド傾き補正をした時の駆動タイミングを説明する図である。図30に示す例では、G(基本ノズルグループ数)=2、N(駆動タイミング数)=16、S(基本シフト数)=2である。また、N=16なので、記録解像度1カラム分の記録に相当する時間を16分割したタイミングで記録素子を駆動する。この点は実施例1と同様である。
さて、この実施例では、S=2とするので、隣接ノズルグループよりも2つ駆動タイミングをシフトする。従って、ノズルグループ1001では積算シフト量(AS)が2であるが、ノズルグループ1015では積算シフト量(AS)が30になる。図30においても点線で囲まれた部分が実際に記録素子を駆動する駆動タイミングであり、左側の階段状の部分は駆動有無H()がどのようにシフトしたか判り易くするための記載であり、この部分が駆動されるわけではない。
この実施例において前述した式(1)〜(3)を計算すると以下のようになる。即ち、
C=LCM(N,S)÷S=8 ……(1)
M=G×N÷C=4 ……(2)
W=C÷G=4 ……(3)
である。式(4)に関しては、
Σi=0 C-1H{MOD(i×S+j,N),MOD(i,G)}=W ……(4)
であり、j=0,1,…,M−1であるので、i=0〜7(ノズルグループ分合計8個の和)とj=0〜3(必要な式の数4個)になる。従って、考慮している条件では、下記の4個の式が得られる。なお、下記の4個の式の左辺はいずれも8項である。即ち、
H(0,0)+H(2,1)+……+H(e,1)=4
H(1,0)+H(3,1)+……+H(f,1)=4
H(2,0)+H(4,1)+……+H(0,1)=4
H(3,0)+H(5,1)+……+H(1,1)=4
を満足するH(0,0)からH(f,1)の駆動パターンとなる。
なお、実施例1で説明した図27で表わされた駆動有無H()は上記式を全て満足している。ここで、C=8、ノズルグループ周期当たりのインク吐出口数は8なので8×8=64個のインク吐出口で最大同時駆動数が同じになり、64個の自然数倍のインク吐出口がある記録ヘッドであれば最大同時駆動数が同じになる。
図31は実施例3に従った記録ヘッドの傾き補正に用いるノズルグループの設定を説明する図である。この実施例では、基本ノズルグループ数Gが4つの場合の例を考慮する。
図31(A)に示されるように、基本ノズルグループとしてノズルグループG40,G41,G42,G43の4つを定義し、図31(B)に示すように、これら4つの基本ノズルグループとH()との関係を定義する。また、H()の値は図31(C)に示す通りである。
図32は記録ヘッド傾き補正をした時の駆動タイミングを説明する図である。
図32において、G(基本ノズルグループ数)=4、N(駆動タイミング数)=16、S(基本シフト数)=1としている。また、N=16なので、記録解像度1カラム分の記録に相当する時間を16分割したタイミングで記録素子を駆動する。
この実施例では、S=1とするので、隣接ノズルグループよりも1つ駆動タイミングをシフトする。従って、ノズルグループ1001では積算シフト量(AS)が1、ノズルグループ1015では積算シフト量(AS)が15になる。また、図32において点線で囲まれた部分が実際に記録素子を駆動する駆動タイミングであり、左側の階段状の部分は駆動有無H()がどのようにシフトしたか判り易くするための記載であり、この部分が駆動されるわけではない。
この実施例において前述した式(1)〜(3)を計算すると以下のようになる。即ち、
C=LCM(N,S)÷S=16 ……(1)
M=G×N÷C=4 ……(2)
W=C÷G=4 ……(3)
である。式(4)に関しては、
Σi=0 C-1H{MOD(i×S+j,N),MOD(i,G)}=W
……(4)
であり、j=0,1,…,M−1であるので、i=0〜15(ノズルグループ分合計16個の和)とj=0〜3(必要な式の数4個)になる。従って、考慮している条件では、下記の4個の式が得られる。なお、下記の4個の式の左辺はいずれも16項である。即ち、ΣHを書き下すと
H(0,0)+H(1,1)+……+H(f,3)=4
H(1,0)+H(2,1)+……+H(0,3)=4
H(2,0)+H(3,1)+……+H(1,3)=4
H(3,0)+H(4,1)+……+H(2,3)=4
を満足するH(0,0)からH(f,3)の駆動パターンとなる。
なお、図31で表わされた駆動有無H()は上記式を全て満足している。ここで、C=16、ノズルグループ周期当たりのインク吐出口数は4なので、16×4=64個のインク吐出口で最大同時駆動数が同じになり、64個の自然数倍のインク吐出口がある記録ヘッドに設定すれば最大同時駆動数が同じになる。
なお、この実施例でS=8とすると、C=LCM(N,S)÷S=2≦Gとなる。しかしながら、ノズルグループ周期Cが基本ノズルグループ数Gより少ないことは無いので、このような場合はC=Gとなり、M=Nになる。
図33は基本ノズルグループ数Gと基本シフト数Sを変化させた場合の他のパラメータとの関係を一覧として示す図である。図33では、G=2又は4、S=1〜3の場合の結果を示している。
なお、シフト方向を逆にすると、S=1ならS=15の場合、S=2ならS=14の場合、S=3ならS=13の場合と同じになり、基本シフト数Sは正逆であっても、最大同時駆動数Wは同じになる。従って、G=2で、S=1〜3、−1〜−3の場合、128の自然数倍のインク吐出口(記録素子)を有する記録ヘッドの記録制御に求められた駆動タイミングを設定することができる。また、G=4で、S=1〜3、−1〜−3の場合、64個の自然数倍のインク吐出口(記録素子)を有する記録ヘッドの記録制御に求められた駆動タイミングを設定することができる。
以上説明した実施例1〜3によれば、まず駆動パターンの候補を決め、式(1)〜(3)から得られた条件で式(4)が満足するかどうかを判定し、満足するのであればその駆動タイミングに合わせたインク吐出口(記録素子)の配置を決定する。そして、ノズルグループ周期分のインク吐出口(記録素子)数の自然数倍の総インク吐出口(記録素子)数を備える記録ヘッドに求められた駆動タイミングを設定する。これにより、時分割駆動における全駆動タイミングで最大同時駆動数を均一にできる。
このようにして、たとえ記録ヘッドが傾いていても、これを補正して高品位な画像記録を実現することができる。
なお、以上の説明では、時分割駆動の駆動タイミングは主走査方向の記録解像度(カラム)の記録時間に記録媒体や記録ヘッドの搬送誤差を吸収するマージンを含んでいる場合もある。この場合は、その搬送誤差を吸収するマージンを記録解像度分(1カラム分)の時間から差し引いた時間を分割し、時分割駆動のタイミングとして扱うことができる。
11 記録ヘッド、100 インクジェット記録装置、114 第1の素子基板、
115 第2の素子基板、141、142、143、144 インク吐出口列、
201 CPU、204 記録バッファ、213 転送バッファ、
215 データ選択回路、217 補正値メモリ、219 記録データ転送回路

Claims (10)

  1. 予め定められた方向に配列された複数の記録素子を備えた記録ヘッドを搭載し、記録媒体と前記記録ヘッドを相対的に移動し、該記録媒体に前記記録ヘッドからインクを吐出することにより画像を記録する記録装置であって、
    前記記録ヘッドの記録解像度に対応する時間を複数に分割し、該分割された時間を駆動タイミングとして前記複数の記録素子を時分割駆動する時分割駆動手段と、
    前記時分割駆動においては前記複数の記録素子を近接する予め定められた数の記録素子からなる複数のグループを形成し、該複数のグループごとに前記駆動タイミングを前記分割された時間の単位で変更する変更手段と、
    前記変更手段による変更により同時駆動する記録素子の数が時分割駆動の各ブロックで同じになるように前記時分割駆動の1周期を形成する数の記録素子を含むグループの数(G)と、前記時分割駆動の1周期の前記駆動タイミングの数(N)と、前記変更手段により変更を行う際の前記駆動タイミングの変更の単位(S)との関係を設定する設定手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記設定手段は、前記Gと前記Nと前記Sとの関係が、
    ΣH{MOD(i×S+j,N),MOD(i,G)}=LCM(N,S)/S/G
    を満たすように設定し、
    H(x,y)はx,yによって定められる駆動タイミング(x)とグループ(y)において、記録素子を駆動する場合には1の値をとり、記録素子を駆動しない場合には0の値をとる関数であり、
    MOD(X,Y)はXをYで割った余りであり、
    LCM(N,S)はNとSの最小公倍数であり、
    ΣHの合計は、
    i=0,1,……,C−1(=LCM(N,S)/S)−1)、
    j=0,1,……,M−1(=G×N×S/LCM(N,S)−1)で行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記Sは、前記記録ヘッドが前記記録装置に傾いて取り付けられた場合に生じる記録ドットのずれを補正するために用いられる量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ヘッドの前記複数の記録素子の数は前記グループの周期となる記録素子の数の自然数倍とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の記録装置。
  5. 前記記録ヘッドにより予め定められたテストパターンを記録媒体に記録するテストパターン記録手段と、
    前記テストパターン記録手段により記録されたテストパターンを読取る読取手段と、
    前記読取手段によって読取られた情報に基づいて、前記記録ヘッドを搭載する際の傾きずれを検出する検出手段とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記変更手段による変更は、前記検出手段によって検出された傾きずれを補正するためになされることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記検出された傾きずれに従った前記補正を行うための補正量を格納する記憶手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記記録ヘッドの前記複数の記録素子は予め定められた数の記録素子を単位として前記予め定められた方向にジグザグ状に配置されて記録素子列を形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記複数の記録素子のジグザグ状の配置に従って、前記駆動タイミングは定められることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 予め定められた方向に配列された複数の記録素子を備えた記録ヘッドを搭載し、記録媒体と前記記録ヘッドを相対的に移動し、該記録媒体に前記記録ヘッドからインクを吐出することにより画像を記録する記録装置における前記記録ヘッドの駆動タイミングの設定方法であって、
    前記記録ヘッドの記録解像度に対応する時間を複数に分割し、該分割された時間を駆動タイミングとして前記複数の記録素子を時分割駆動する際に、前記複数の記録素子を近接する予め定められた数の記録素子からなる複数のグループを形成し、該複数のグループごとに前記駆動タイミングを前記分割された時間の単位で変更する場合、該変更により同時駆動する記録素子の数が時分割駆動の各ブロックで同じになるように前記時分割駆動の1周期を形成する数の記録素子を含むグループの数(G)と、前記時分割駆動の1周期の前記駆動タイミングの数(N)と、前記変更を行う際の前記駆動タイミングの変更の単位(S)との関係を設定することを特徴とする設定方法。
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