JP2016163958A - 化粧シート、及び化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐候性に優れるとともに、太陽光による反りの発生を抑制可能な化粧シートを提供することを目的とする。
【解決手段】化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂層1の一方の面側に、印刷により形成された絵柄印刷層2、透明接着剤層3、アンカー層4、及び透明アクリル系樹脂層5がこの順に積層されて構成される。そして、透明接着剤層3は、ポリエステル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤からなり、アンカー層4は、アクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系アンカー剤からなり、透明アクリル系樹脂層5は、トリアジン系紫外線吸収剤を紫外線吸収剤として含み、着色熱可塑性樹脂層1は、酸化チタンを顔料とし、絵柄印刷層2は、赤外光の透過率が40%以上であるインキを印刷インキとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート、及び化粧板に関する。
従来、玄関ドア、同枠材、窓枠等の外装部材には、耐候性に優れたオレフィン系樹脂を基材層に使用した化粧シートが使用されている(特許文献1参照)。
特開2013−78847号公報
しかしながら、オレフィン系樹脂は、耐候性に優れているが、太陽光に含まれる赤外光の熱を蓄熱する蓄熱作用を有する。それゆえ、オレフィン系樹脂を基材層に使用した化粧シートは、太陽光があたる表面と裏面とに温度差が発生し、この温度差によって表面の熱膨張量が裏面の熱膨張量よりも大きくなり、反りが発生する可能性がある。
本発明は、上記のような点に着目したもので、耐候性に優れるとともに、太陽光による反りの発生を抑制可能な化粧シート、及び化粧板を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である化粧シートは、着色熱可塑性樹脂層の一方の面側に、印刷により形成された絵柄印刷層、透明接着剤層、アンカー層、及び透明アクリル系樹脂層がこの順に積層されてなり、透明接着剤層は、ポリエステル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤からなり、アンカー層は、アクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系アンカー剤からなり、透明アクリル系樹脂層は、トリアジン系紫外線吸収剤を紫外線吸収剤として含み、着色熱可塑性樹脂層は、酸化チタンを顔料とし、絵柄印刷層は、赤外光の透過率が40%以上であるインキを印刷インキとすることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、アンカー層がアクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤からなるため、耐候性に優れたものとすることができる。また、絵柄印刷層が赤外光を透過し、透過した赤外光を着色熱可塑性樹脂層が反射するため、赤外光の熱の蓄熱作用を低減でき、赤外光(太陽光)があたる表面と裏面との温度差を低減でき、太陽光による反りの発生を抑制できる。これにより、本発明の一態様によれば、耐候性に優れるとともに、太陽光による反りの発生を抑制可能な化粧シートを提供できる。
本発明に基づく実施形態に係る化粧板を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(化粧板10)
本実施形態の化粧板10は、図1に示すように、着色熱可塑性樹脂層1の一方の面側に、絵柄印刷層2、透明接着剤層3、アンカー層4、及び透明アクリル系樹脂層5がこの順に積層されて化粧シート20が形成され、着色熱可塑性樹脂層1の他方の面側に、プライマー層6を介して基材7を貼り合わせて構成される。本実施形態の化粧板10は、特に、玄関ドア、屋根、外壁、ルーバー等の外装用途に好適なものである。
(着色熱可塑性樹脂層1)
着色熱可塑性樹脂層1は、熱可塑性樹脂からなるシート状の層である。熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、既知の熱可塑性樹脂を使用できる。例えば、ホモポリプロピレン系樹脂、ランダムポリプロピレン系樹脂等のポリプロピレン系樹脂、またはポリエチレン樹脂が好ましい。また、着色熱可塑性樹脂層1の熱可塑性樹脂には、ヒンダートフェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤及びヒンダートアミン系光安定剤等を添加してもよい。
また、着色熱可塑性樹脂層1を構成する樹脂は、酸化チタンを顔料として含んでいる。これにより、着色熱可塑性樹脂層1は、赤外光が絵柄印刷層2を透過すると、透過した赤外光を反射する。また、熱可塑性樹脂100質量部に対し、酸化チタンを23質量部以上50質量部以下の範囲内で含む。これにより、絵柄印刷層2が透過した赤外光をより適切に反射でき、また着色熱可塑性樹脂層1をより適切に形成(成膜)できる。
なお、本実施形態では、顔料である酸化チタンを着色熱可塑性樹脂層1の樹脂内に含ませる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、着色熱可塑性樹脂層1の絵柄印刷層2側の面に酸化チタンを顔料とする塗料を塗工する構成としてもよい。
(絵柄印刷層2)
絵柄印刷層2は、意匠性を付与するための絵柄の印刷により形成された層である。絵柄としては、例えば、木目、石目、抽象柄等、化粧シート20を用いる箇所に適した絵柄を選択できる。また、印刷インキは、例えば、イソインドリノン、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケトピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、及び酸化チタンのいずれか、或いはこれらの混合物を顔料として含んでいる。これにより、印刷インキは、赤外光の透過率が40%以上となっている。それゆえ、絵柄印刷層2が赤外光を透過し、透過した赤外光を着色熱可塑性樹脂層1が反射するため、赤外光の熱による蓄熱作用が低減される。
ここで、印刷インキの透過率の測定方法としては、例えば、厚み25μmの2軸延伸PETフィルム(東レ株式会社製ルミラーS50)に対し、重量1g/m2となるよう顔料を分散したインキで印刷し、株式会社島津製作所製分光光度計UV3600によって波長782nm以上2500nm以下の領域を2nm毎に測定点数860点の透過率を測定し、各波長の透過率(%T)の合計値を測定点数で除算した除算結果を、赤外光の透過率とする方法がある。即ち、式「赤外光の透過率=赤外線各波長(782nm以上2500nm以下)の測定透過率(%T)合計値÷測定点数(860)」で算出する。
また、絵柄印刷層2の厚みは5μm以上10μm以下が好ましい。さらに、絵柄印刷層2を構成する樹脂内における酸化チタンの比率は、50%以下とすることが好ましい。
(透明接着剤層3)
透明接着剤層3は、ポリエステル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤からなる透明なシート状の層である。ポリエステル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール系等と、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートまたはこれらの混合物とからなる2液ウレタン樹脂系接着剤を使用することができる。これにより、着色熱可塑性樹脂層1と絵柄印刷層2との積層体と、アンカー層4と透明アクリル系樹脂層5との積層体とをドライラミネート法により強固に接着できる。
また、透明接着剤層3を構成するウレタン系接着剤には、化粧シート20の用途に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤等の添加剤を添加してもよい。
(アンカー層4)
アンカー層4は、アクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系アンカー剤からなる透明なシート状の層である。アクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系アンカー剤としては、例えば、アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートとからなる2液硬化型ウレタン樹脂を使用することができる。これにより、ラミネート後に2液硬化型ウレタン樹脂を架橋硬化させることで、高温の使用条件下でも接着強度を失わず、十分な耐剥離性を維持できる。それゆえ、透明接着剤層3と透明アクリル系樹脂層5との接着強度を向上できる。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、アクリルポリオール系樹脂を主成分とする主剤10質量部に対し、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート化合物を3質量部以上10質量部以下添加したものが好適である。このように、アクリル系樹脂を主成分(主鎖)とする主剤を使用することにより、透明アクリル系樹脂層5との密着性と耐候性とをともに良好にすることができる。また、2液硬化型ウレタン樹脂を架橋硬化させることにより、透明接着剤層3との密着性と耐熱性とをともに良好にすることができる。
アクリルポリオール系樹脂は、密着性及び耐熱性を考慮すれば、ガラス転移温度が95℃以上105℃以下とすることが好ましい。ガラス転移温度が95℃よりも低い場合には、耐熱性が低下し、昇温された雨水等に浸漬されることで、アンカー層4が軟化して空隙を発生し、着色熱可塑性樹脂層1と透明アクリル系樹脂層5との密着力が低下する。
また、アンカー層4を構成する樹脂には、化粧シート20の用途に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤等の添加剤を添加してもよい。
(透明アクリル系樹脂層5)
透明アクリル系樹脂層5は、透明アクリル系樹脂からなる透明なシート状の層である。透明アクリル系樹脂としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステル等のアクリル酸誘導体を主成分として単独または共重合して得られるものを使用することができる。特に、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂であって、例えば、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の長鎖アルキルエステル、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸またはアクリル酸等から選ばれる単量体を共重合成分として添加したり、スチレン−ブタジエンゴムまたはメタクリル酸メチル−ブタジエンゴム等のゴム成分をグラフト共重合、ブロック共重合若しくはブレンドしたりすることで、柔軟性や熱成形性を改善してなる樹脂等を好適に使用することができる。
また、透明アクリル系樹脂層5を構成する樹脂には、紫外線吸収剤が添加されている。紫外線吸収剤としては、トリアジン系紫外線吸収剤のみを用いる。さらに、透明アクリル系樹脂層5を構成する樹脂には、化粧シート20の用途に応じて、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤等の添加剤を添加してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系等がある。また、光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系、ニッケル錯体系等がある。さらに、熱安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、硫黄系、ヒドラジン系等がある。また、可塑剤としては、樹脂の種類にもよるが、例えば、フタル酸エステル系、リン酸エステル系、脂肪酸エステル系、脂肪族二塩基酸エステル系、オキシ安息香酸エステル系、エポキシ系、ポリエステル系等がある。さらに、滑剤としては、例えば、脂肪酸エステル系、脂肪酸系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、高級アルコール系、パラフィン系等がある。また、帯電防止剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両イオン系等がある。さらに、難燃剤としては、例えば、臭素系、リン系、塩素系、窒素系、アルミニウム系、アンチモン系、マグネシウム系、硼素系、ジルコニウム系等がある。また、充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、滑石、蝋石、カオリン等がある。
透明アクリル系樹脂層5は、絵柄印刷層2を透視可能な程度の透明性を有している必要があり、無色透明であることが最も望ましいが、着色透明や半透明であってもよい。その限りにおいて、透明アクリル系樹脂層5は、着色剤や充填剤を含有していてもよい。
透明アクリル系樹脂層5の表面には、必要に応じて所望の適宜の凹凸模様(エンボス)を設けてもよい。凹凸模様としては、例えば、木目(特に導管模様状)、コルク、石目、抽象柄等の各種模様状、単なる艶消状、砂目状、ヘアライン状、スウェード調等、化粧シート20を用いる箇所に適した凹凸模様を選ぶことができる。また、凹凸模様は、絵柄印刷層2の絵柄と同調させることによって更なる意匠性の向上を図ることもできるが、その必要がなければ絵柄印刷層2の絵柄と非同調としてもよく、また絵柄印刷層2の絵柄と同調した凹凸模様と絵柄と同調しない凹凸模様との両者を含む凹凸模様としてもよい。
凹凸模様の形成方法としては、特に限定されず、既知の形成方法を用いることができる。例えば、金属製のエンボス版を使用した機械エンボス法を使用してもよい。また、凹凸模様の形成時期も、特に限定されず、透明アクリル系樹脂層5の積層前、積層と同時、または積層後のうちの任意の時期を用いることができる。なお、複数の時期に同一または異なる凹凸パターンを形成することで、凹凸模様を複数回に亘って完成させてもよい。
さらに、透明アクリル系樹脂層5の形成方法としては、特に限定されず、既知の形成方法を使用できる。例えば、押出成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、キャスト成形法を使用してもよい。
(プライマー層6)
プライマー層6は、プライマー剤からなるシート状の層である。プライマー剤としては、特に限定されず、既知のプライマー剤を用いることができる。例えば、ウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー剤を使用することができる。また、プライマー層6を構成するプライマー剤には、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の粉末を添加してもよい。これにより、プライマー層6の表面を粗面化でき、化粧シート20の巻取保存時のブロッキングを防止でき、投錨効果によりラミネート用接着剤との接着性を向上できる。
(基材7)
基材7は、金属系または木質系からなる板状の部材である。金属系としては、例えば、アルミ、鋼、ステンレス、複合パネルを使用することができる。複合パネルとしては、例えば、芯材となる樹脂層と、樹脂層の両面それぞれに貼り付けられた金属板(アルミニウム、ガルバリウム、ステンレス等)とを備えたものがある。また、木質系としては、MDF(medium density fiberboard)、合板、パーチクルボードを使用することができる。
(本実施形態の効果)
本実施形態に係る発明は、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態に係る化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂層1の一方の面側に、印刷により形成された絵柄印刷層2、透明接着剤層3、アンカー層4、及び透明アクリル系樹脂層5がこの順に積層されて構成される。そして、透明接着剤層3は、ポリエステル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤からなり、アンカー層4は、アクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系アンカー剤からなり、透明アクリル系樹脂層5は、トリアジン系紫外線吸収剤を紫外線吸収剤として含み、着色熱可塑性樹脂層1は、酸化チタンを顔料とし、絵柄印刷層2は、赤外光の透過率が40%以上であるインキを印刷インキとする。
このような構成によれば、アンカー層4がアクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤からなるため、耐候性に優れたものとすることができる。また、絵柄印刷層2が赤外光を透過し、透過した赤外光を着色熱可塑性樹脂層1が反射するため、赤外光の熱の蓄熱作用を低減でき、赤外光(太陽光)があたる表面と裏面との温度差を低減でき、太陽光による反りの発生を抑制できる。これにより、耐候性に優れるとともに、太陽光による反りの発生を抑制可能な化粧シート20を提供できる。
(2)本実施形態に係る化粧シート20では、絵柄印刷層2の印刷インキは、イソインドリノン、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケトピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、及び酸化チタンのいずれか、或いはこれらの混合物を顔料として含む。
このような構成によれば、着色熱可塑性樹脂層1、絵柄印刷層2を適切に形成できる。
(3)本実施形態に係る化粧シート20では、着色熱可塑性樹脂層1は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、酸化チタンを23質量部以上50質量部以下の範囲内で含む。
このような構成によれば、絵柄印刷層2が透過した赤外光をより適切に反射でき、また着色熱可塑性樹脂層1を適切に形成(成膜)できる。
(4)本実施形態に係る化粧板10は、化粧シート20を基材7に貼りあわせてなる。
このような構成によれば、化粧シート20の赤外光による反りの発生を抑制できる。
次に、本発明に基づく実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を3質量部、紫外線吸収剤を1質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部、酸化チタンを23質量部添加した混合物を使用して着色熱可塑性樹脂層1を設けた。着色熱可塑性樹脂層1の厚みは70μmとした。続いて、着色熱可塑性樹脂層1の表面に、ウレタン樹脂と塩化ビニル=酢酸ビニル共重合樹脂とを7:3で混合した混合物100質量部に対し、ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートとを2:8で混合した硬化剤を3質量部、イソインドリノン、ポリアゾ、及びフタロシアニンからなる顔料を3質量部添加したインキを使用しグラビア印刷により絵柄(木目柄)を印刷して、絵柄印刷層2を設けた。絵柄印刷層2の印刷インキの赤外光の透過率は40%とした。
続いて、トリアジン系紫外線吸収剤を含有する透明アクリル樹脂フィルム(三菱レイヨン株式会社製「HBX−777」)を使用して透明アクリル系樹脂層5を設けた。透明アクリル系樹脂層5の表面に、ガラス転移温度が100℃のアクリル系樹脂を主鎖とするアンカー剤(DIC株式会社製「UCクリヤー」)をグラビアコート法により塗工してアンカー層4を形成した。アンカー層4の塗工量(乾燥後の塗工量)は1g/m2とした。これにより、透明アクリル系樹脂層5とアンカー層4とからなる積層体を設けた。
続いて、絵柄印刷層2上に、ポリエステル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製「TM−593」)を塗工して透明接着剤層3を形成した。透明接着剤層3の塗工量(乾燥後の塗工量)は6g/m2とした。そして、透明接着剤層3上に、上記形成した積層体をドライラミネート法により接着させて、化粧シート20を設けた。
(実施例2)
実施例2では、ポリプロピレン系樹脂に代えて、ポリエチレン樹脂を使用して着色熱可塑性樹脂層1を設けた。それ以外は、実施例1と同様の手順により、実施例2の化粧シート20を作製した。
(比較例)
比較例では、絵柄印刷層2に用いる顔料をカーボンブラックとした。それ以外は、実施例1と同様の手順により、比較例の化粧シート20を作製した。
(評価判定)
以上の各実施例及び各比較例の化粧シート20について、次の評価を実施した。
(耐候性)
メタルハライドランプ方式の超促進耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス株式会社製)を用い、照度650W/m2、ブラックパネル温度53℃として試験を実施した後、目視確認にて外観のクラックや剥離の有無を確認した。その際、外観にクラックや剥離がない場合を合格「○」、外観にクラックや剥離がある場合を不合格「×」とした。
(遮熱性)
JISK5602に準拠し、塗膜の日照反射率を測定した。測定は、株式会社島津製作所製分光光度計UV3600を用いて行った。その際、塗膜の日射反射率が40%以上である場合を合格「〇」、40%以下である場合を不合格「×」とした。
(蓄熱性)
縦21cm、横29.7cm、厚みが0.5mmの無塗装鋼板に対し、接着剤を用いて片面のみ化粧シート20を貼り合わせた。そして、化粧シート20から真上に15cm離した位置にハロゲン球を設置し、ハロゲン球から化粧シート20に120分間連続して光を照射し、鋼板の表面及び裏面の温度を1分毎に記録して最大値を測定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2016163958
表1から、アンカー層4がアクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系アンカー剤から構成され、着色熱可塑性樹脂層1が酸化チタンを顔料とし、絵柄印刷層2が赤外光の透過率が40%以上であるインキを印刷インキとして、本発明の範囲を満足する実施例1、実施例2では、耐候性、遮熱性、蓄熱性ともに良好であることが分かった。すなわち、耐候性に優れるとともに、太陽光による反りの発生を抑制できることが分かった。
これに対し、比較例は、耐候性が合格「○」であるが、遮熱性が不合格「×」であり、蓄熱性が表す鋼板の温度が実施例1、実施例2よりも10℃程度高くなってしまった。
なお、実施例1において、アンカー層4がアクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系アンカー剤から構成され、着色熱可塑性樹脂層1が酸化チタンを顔料とし、絵柄印刷層2が赤外光の透過率が40%以上であるインキを印刷インキとして、本発明の範囲で調整して実施してみたところ、実施例1、実施例2と同様な効果を得た。
1 着色熱可塑性樹脂層
2 絵柄印刷層
3 透明接着剤層
4 アンカー層
5 透明アクリル系樹脂層
6 プライマー層
7 基材
10 化粧板
20 化粧シート

Claims (4)

  1. 着色熱可塑性樹脂層の一方の面側に、印刷により形成された絵柄印刷層、透明接着剤層、アンカー層、及び透明アクリル系樹脂層がこの順に積層されてなり、
    前記透明接着剤層は、ポリエステル系樹脂を主鎖とするウレタン系接着剤からなり、
    前記アンカー層は、アクリル系樹脂を主鎖とするウレタン系アンカー剤からなり、
    前記透明アクリル系樹脂層は、トリアジン系紫外線吸収剤を紫外線吸収剤として含み、
    前記着色熱可塑性樹脂層は、酸化チタンを顔料とし、
    前記絵柄印刷層は、赤外光の透過率が40%以上であるインキを印刷インキとすることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記印刷インキは、イソインドリノン、ジスアゾ、ポリアゾ、ジケトピロロピロール、キイナクリドン、フタロシアニン、及び酸化チタンのいずれか、或いはこれらの混合物を顔料として含むことを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記着色熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、酸化チタンを23質量部以上50質量部以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項1または2に記載の化粧シート。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の化粧シートを基材に貼りあわせてなることを特徴とする化粧板。
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