JP2016163641A - 耐震テーブル - Google Patents

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淳 川口
Atsushi Kawaguchi
淳 川口
博之 山中
Hiroyuki Yamanaka
博之 山中
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Abstract

【課題】天板下の避難スペースを十分に確保することが可能な構造を備える耐震テーブルを提供する。【解決手段】この耐震テーブル100は、鋼材を用いて作成された矩形形状のフレーム枠20と、フレーム枠20の対向する一対の辺にそれぞれ取り付けられ、鋼材を用いて作成された一対の脚部30と、フレーム枠20の脚部30が取り付けられていない他の一対の辺において、下方に向けて湾曲するように棒鋼材を用いて作成され、引張力が印加された状態でフレーム枠20に固定された一対の張弦梁26と、を備える。【選択図】図1

Description

この発明は、地震発生時に避難するシェルターを兼ねた耐震テーブルに関する。
耐震テーブルとしては、テーブルの脚本数を増加させる構造、アーチ形骨組みを採用する構造、テーブルの脚を建物の基礎に直結して支える構造、などの構造を採用することで、テーブルの耐荷重を高める構造が考えられる。
さらに、テーブルの中心に補強を兼ねて5本目の脚を追加し、これをつかまり取手にする構造、または、つかまりを目的として専用取手を設け揺れに対して身の安全を確保することが可能な構造が考えられる。さらに、テーブルの下部に防災備品を収納させる構造、テーブル脚の周囲に飛散物防止カバーを設け、身の安全を図る等の構造を採用することも考えられる。
たとえば、実用新案登録第3122584号公報(特許文献1)には、テーブルの天板内の下部の側部寄りに、避難、退避した人が掴むことができる補強兼掴持部材を設ける構造を採用したシェルター兼用のテーブルが開示されている。また、実用新案登録第3017578号公報(特許文献2)には、アーチ橋原理とKトラスとの剛性を利用した高い強度を有する地震用避難テーブルが開示されている。
実用新案登録第3122584号公報 実用新案登録第3017578号公報
しかし、脚の本数を増やして耐荷重強度の強化を図る方法、つかまり取手を設ける方法、防災備品を備える方法は、いずれも、天板下の避難スペースを狭くし、スムースな避難の障害になることが懸念される。また、飛散物に対するカバー類も咄嗟に行なうテーブル下の状況判断には障害になるおそれもある。
したがって、この発明に基づいた耐震テーブルにおいては、天板下の避難スペースを十分に確保することが可能な構造を備える耐震テーブルを提供することにある。
この発明に基づいた耐震テーブルにおいては、鋼材を用いて作成された矩形形状のフレーム枠と、上記フレーム枠の対向する一対の辺にそれぞれ取り付けられ、鋼材を用いて作成された一対の脚部と、上記フレーム枠の上記脚部が取り付けられていない他の一対の辺において、下方に向けて湾曲するように棒鋼材を用いて作成され、引張力が印加された状態で上記フレーム枠に固定された一対の張弦梁と、を備える。
他の形態においては、上記フレーム枠は、長辺と短辺とを含む長方形形状であり、上記フレーム枠は、長辺方向に沿って延び、H型鋼が所定の間隔を隔て配置された一対の長辺鋼材と、短辺方向に沿って延び、H型鋼が用いられ、2本の上記長辺鋼材の端部を連結するように配置された一対の短辺鋼材と、一対の上記長辺鋼材のそれぞれの外側に配置されるとともに、両端部が一対の上記短辺鋼材に連結され、一対の上記張弦梁を支持する複数の支持部材が固定された一対の支持鋼材と、上記長辺鋼材とそれぞれの上記支持部材とを連結する複数の連結プレートとを含み、上記張弦梁の端部には雄ねじが設けられ、上記張弦梁の端部を上記短辺鋼材のウエブに設けられた貫通孔を通過させて、外側からナットを上記雄ねじに螺合させることにより、上記張弦梁に所定の引張力を印加させている。
他の形態においては、上記張弦梁の長さ方向中央部がつかまり取手である。
他の形態においては、一対の上記脚部には、H型鋼が用いられている。
他の形態においては、上記H型鋼のウエブには、複数の孔が設けられている。
他の形態においては、上記フレーム枠の上面には、透明の樹脂製天板が固定されている。
この発明に基づいた耐震テーブルによれば、天板下の避難スペースを十分に確保することが可能な構造を備える耐震テーブルを提供することを可能とする。
実施の形態における耐震テーブルの斜視図である。 実施の形態における耐震テーブルの平面図である。 実施の形態における耐震テーブルの正面図である。 実施の形態における耐震テーブルの側面図である。 実施の形態における張弦梁、支持部材、および、支持鋼材の構成を示す断面図である。 図3中のVI線矢視断面図である。 図3中のVII線矢視断面図である。 実施の形態におけるフレーム枠と脚部との取付構造を示す部分拡大図である。 実施の形態における耐震テーブルの使用状態を示す斜視図である。 他の実施の形態における耐震テーブルの斜視図である。 耐震テーブルに作用する想定荷重を示す図である。 2階建て家屋の1階非構造体のみ崩落した場合に、耐震テーブルに作用する想定荷重を示すモデル図である。 2階建て家屋が全崩壊した場合に、耐震テーブルに作用する負担荷重を示すモデル図である。 耐震テーブルの強度実験方法における、耐震テーブルの実験変数を示すモデル図である。 耐震テーブルの強度実験方法に用いられる、実験装置を示す図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM24)に用いられる、トーナメント式載荷治具の一例を示す正面図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM24)に用いられる、トーナメント式載荷治具の一例を示す側面図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM24)における、耐震テーブルの変位計設置位置を示すモデル図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM24)における、変位測定位置(i)〜(iv)を示すモデル図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM24)における、変位測定結果を示す図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM8C)における、変位測定位置(i)〜(iv)を示すモデル図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM8C)における、変位測定結果を示す図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM8E)における、変位測定位置(i)〜(iv)を示すモデル図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM8E)における、変位測定結果を示す図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM12E)における、変位測定位置(i)〜(iv)を示すモデル図である。 耐震テーブルの強度実験方法(YM12E)における、変位測定結果を示す図である。
本発明に基づいた実施の形態における耐震テーブルについて、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、鋼材、個数、量などに言及する場合、あくまでも一例であって、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその鋼材、個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
(耐震テーブル100の構造)
図1から図8を参照して、本実施の形態における耐震テーブル100の構造について説明する。図1は、耐震テーブル100の斜視図、図2は、耐震テーブル100の平面図、図3は、耐震テーブル100の正面図、図4は、耐震テーブル100の側面図、図5は、張弦梁、支持部材、および、支持鋼材の構成を示す断面図、図6は、図3中のVI線矢視断面図、図7は、図3中のVII線矢視断面図、図8は、フレーム枠と脚部との取付構造を示す部分拡大図である。
まず、図1を参照して、この耐震テーブル100は、鋼材を用いて作成された矩形形状のフレーム枠20と、フレーム枠20の対向する一対の辺にそれぞれ取り付けられ、鋼材を用いて作成された一対の脚部30と、フレーム枠20の脚部30が取り付けられていない他の一対の辺において、下方に向けて湾曲するように棒鋼材を用いて作成され、引張力が印加された状態でフレーム枠20に固定された一対の張弦梁26とを備えている。
本実施の形態では、フレーム枠20は、長辺と短辺とを含む長方形形状であり、短辺側に脚部30が取り付けられ、長辺側に張弦梁26が取り付けられている。さらに、本実施の形態では、フレーム枠20の上面には、透明の樹脂製天板10が固定されている。樹脂製天板10には、厚さ約10mm〜20mm程度のポリカーボネート板が用いられている。
図2から図8を参照して、耐震テーブル100の詳細構造について説明する。図2から図4を参照して、本実施の形態における耐震テーブル100は、長さ約1480mm、幅約810mm、高さ約710mmの大きさを有している。フレーム枠20は、長辺方向に沿って延び、H型鋼が所定の間隔を隔て配置された一対の長辺鋼材22と、短辺方向に沿って延び、H型鋼が用いられ、2本の長辺鋼材22の端部を連結するように配置された一対の短辺鋼材21と、を含んでいる。2本の長辺鋼材22の中心間距離は、約400mm程度である(図2において上下対称)。
本実施の形態において、上述のH型鋼には、H100×50×6×8(SS400)が用いられている。また、H型鋼のウエブには、耐震テーブル100の軽量化を図る観点から、強度に影響を与えない範囲で、直径60mm程度の孔R1が複数設けられている。
さらに、一対の長辺鋼材22のそれぞれの外側には、両端部が一対の短辺鋼材21に連結され、張弦梁26を支持する複数の支持部材24,25が固定された支持鋼材23が配置されている。支持鋼材23は、フレーム枠20のそれぞれの長辺側の端部に設けられている。
図5を参照して、支持鋼材23としては、2本の等辺山形鋼23aが用いられている。2本の等辺山形鋼23aは、支持部材24,25の上端部を挟み込むように配置されている。等辺山形鋼23aには、L30×30×5(SS400)が用いられている。支持部材24,25には、厚さ約6mm程度の鋼板が用いられている。支持部材24,25の下端には、ガイドリング23cがそれぞれ設けられており、張弦梁26は、このガイドリング23cを通過するようにして支持されている。
図6および図7を参照して、支持部材24,25と長辺鋼材22との間には、それぞれの支持部材24,25と長辺鋼材22とを連結する連結プレート28,29が設けられている。連結プレート28,29と長辺鋼材22との連結には、長辺鋼材22のH型鋼に設けられたリブにボルト/ナットB1を用いて締結により固定されている。また、連結プレート28,29と支持部材24,25との連結には溶接が用いられている。連結プレート28,29の取付ピッチは、耐震テーブル100の長手方向長さ約1480mmを5等分した約292mmである。
再び、図3を参照して、張弦梁26は、脚部30が取り付けられていない長辺鋼材22に沿って下方に向けて湾曲するように棒鋼材を用いて作成され、引張力が印加された状態でフレーム枠20に固定されている。
具体的には、張弦梁26には、直径11mm程度のPC鋼棒が用いられており、両端部には雄ねじが設けられ、張弦梁26の端部を短辺鋼材21のH型鋼のウエブに設けられた貫通孔を通過させて、外側からナット27を雄ねじに螺合させることにより、長辺鋼材22が荷重を受けて撓みを発生させたとき、この負荷応力の一部を負担させている。負荷応力の負担割合は張弦梁26と鋼材22間のギャップ寸法を決める支持部材24、25のサイズに基づく、本実施の形態では張弦梁26の傾斜角度を約12.7度程度としている。
再び、図3および図4を参照して、フレーム枠20の一対の短辺鋼材21の下面のそれぞれには、脚部30が設けられている。この脚部30は、H型鋼31,32が側面視においてX字状になるように組み合わされている。H型鋼には、H100×50×6×8(SS400)が用いられている。H型鋼のウエブには、耐震テーブル100の軽量化を図る観点から、強度に影響を与えない範囲で、直径60mm程度の孔R1が複数設けられている。
図8を参照して、脚部30の上部においては、H型鋼31,32のそれぞれに厚さ6mm程度の鋼板プレート35が溶接により接合され、この鋼板プレート35と短辺鋼材21のH型鋼のフランジとが、ボルト(M8六角ボルト)/ナットB2により締結固定されている。一つの脚部30の締結固定に用いたボルト(M8六角ボルト)/ナットB2の本数は、1か所につき8本、両側で合計16本である。なお、本ボルトは高力ボルトではないので、鋼板プレート35と短辺鋼材21のH型鋼のフランジとの重ね面と並行に力が作用すると、あそび寸法の滑りが発生するが、耐震テーブルの強度には影響しない設計仕様としている。
フレーム枠20に対して脚部30をボルト/ナットB2を用いた締結固定としたのは、搬送の容易性、現場での組み立て容易性を考慮したものである。よって、搬送の容易性、および、現場での組み立て容易性を考慮する必要がない場合には、脚部30をフレーム枠20に溶接固定してもよい。脚部30の下端部には、H型鋼31,32を連結する連結プレート33が溶接により固定されている(図4参照)。なお、脚部30の下端部に設けられるプレート33は、ボルト等を用いて床に固定されていてもよい。
耐震テーブル100は、全体として使用者の嗜好に応じて表面処理を行なうことができる。使用者の好みの色に塗装することや、クロムメッキ等を施すことができる。
上記構成からなる耐震テーブル100によれば、フレーム枠20に上方側から荷重が加わった場合に下方への撓みを抑制する張弦梁26が設けられている。これにより、脚の本数を増やすなど、耐震テーブル100としての強度を大がかりな構成を採用することなく増加させることができ、耐震テーブル100の下の空間を大きく利用することを可能としている。また、張弦梁26にPC鋼棒を用いることで、耐震テーブル100にすっきりした印象を与えることができ、デザイン性の魅力を高めることを可能としている。
さらに、図9に示すように、耐震テーブル100の下が大きく開放されていることから、地震発生時に使用者は、素早くフレーム枠20の下に避難することができるとともに、張弦梁26は下方に向けて湾曲していることから、使用者にとって張弦梁26の長さ方向中央部がつかまり取手としての機能を有することになる。これにより、使用者の地震の揺れによる不安を和らげることを可能とする。また、使用者による把持力を高めるため、張弦梁26にグリップ用のテープ、皮等を巻き付けるようにしても良い。
また、フレーム枠20の上面には、透明の樹脂製天板10が配置されていることから、耐震テーブル100の下の状況を容易に視認することができ、耐震テーブル100の下に荷物などが放置されるのを防止することができる。また、樹脂製天板10上に物が落下した場合でも、樹脂製天板10にはポリカーボネート板を用いていることから、ガラスのように飛散することはないため、使用者の安全性を確保することができる。
なお、図10を参照して、上記耐震テーブル100においては、脚部30には、H型鋼31,32が側面視においてX字状になるように組み合わされた構造を採用しているが、この構成には限定されない。一般的な机の脚と同様に、フレーム枠20の四隅から下方に真っ直ぐに伸びる脚部30Aを採用して耐震テーブル100Aを構成するようにしてもよい。
(耐震実験)
次に、上記構成を有する耐震テーブル100に対して行なった耐震実験の結果について、図11から図26を参照しながら説明する。
(耐震テーブル100に作用する想定荷重)
まず、図11から図13を参照して、耐震テーブル100に作用する想定荷重について説明する。図11は、耐震テーブルに作用する想定荷重を示す図、図12は、2階建て家屋の1階非構造体のみ崩落した場合に、耐震テーブルに作用する想定荷重を示すモデル図、図13は、2階建て家屋が全崩壊した場合に、耐震テーブルに作用する負担荷重を示すモデル図である。
図11に示すモデル家屋に基づき、屋根部分における単位面積あたりの荷重は、1080N/mmとなる。床部分における単位面積あたりの荷重は、340N/mmとなる。壁部分における単位面積あたりの荷重は、830N/mmとなる。天井部分における単位面積あたりの荷重は、590N/mmとなる。
図12に示すように、2階建て家屋の1階非構造体のみ崩落した場合に、耐震テーブル100に作用する想定荷重は、約18.7kNとなる。図13に示すように、2階建て家屋が全崩壊した場合に、耐震テーブル100に作用する負担荷重は、211.3kNとなる。
(強度実験方法)
次に、図14から図17を参照して、耐震テーブル100の強度実験方法について説明する。図14は、耐震テーブル100の強度実験方法における、耐震テーブル100の実験変数を示すモデル図、図15は、耐震テーブル100の強度実験方法に用いられる、実験装置を示す図、図16および図17は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM24)に用いられる、トーナメント式載荷治具の一例を示す正面図および側面図である。
図14に示すように、耐震テーブル100の強度実験方法においては、フレーム枠20の上に、合計24か所の荷重負荷ポイントを設定した。具体的には、1本の長辺鋼材22の上面に6箇所(支持部材24、25の取付位置に一致させた合計12箇所、ピッチは、耐震テーブル100の長手方向長さ約1480mmを5等分した約292mm)、支持鋼材23の上面に6箇所(支持鋼材23の中心に一致させた合計12箇所、ピッチは、耐震テーブル100の長手方向長さ約1480mmを5等分した約292mm)、よって合計24か所の荷重負荷ポイントとなる。
ここで、強度実験方法として、YM24、YM12E、YM8C、および、YM8Eの4種類の荷重負荷方法を設定した。YM24は、24か所の全ての荷重負荷ポイントに対して荷重を付加する試験を意味し、YM12Eは、長手方向の一方の側部側の12ポイントに対して荷重を付加する試験を意味し、YM8Cは、短手方向の中央の8ポイントに対して荷重を付加する試験を意味し、YM8Eは、短手方向の側部側の8ポイントに対して荷重を付加する試験を意味する。
図15から図17を参照して、荷重負荷ポイントに付加する荷重は均等に荷重を加える観点から、トーナメント式載荷治具510を用いる。トーナメント式載荷治具510は、門型フレーム530に固定された500kNジャッキ520に固定されている。
トーナメント式載荷治具510は、荷重Fを受ける球座540、球座540からの荷重を受ける第1H型鋼550、第1H型鋼550からの荷重を受ける第2H型鋼560、第2H型鋼560からの荷重を分散する第3H型鋼570、第3H型鋼570からの荷重を分散する第4H型鋼580、第4H型鋼580からの荷重を分散する第5H型鋼590、および、第5H型鋼590からの荷重を荷重負荷ポイントに付加する載荷板600を有している。
(耐震テーブル100の変位計設置位置)
図18を参照して、耐震テーブル100の変位計設置位置について説明する。「B」で示す位置が鉛直方向の変位を測定する変位計設置位置を示し、「R」で示す位置が水平方向の変位を測定する変位計設置位置を示している。
(YM24の実験結果)
図19および図20を参照して、YM24の実験結果について説明する。図19は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM24)における、変位測定位置(i)〜(iv)を示すモデル図、図20は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM24)における、変位測定結果を示す図である。図20には、荷重の変位による各変位測定位置(i)〜(iv)での変位(mm)を示している。下向きのたわみを正としている。
YM24の実験では、目立った損傷は見られなかった。領域Aは、初期たわみがあると考えられ、領域Aを過ぎると耐震テーブル100の剛性が高まった。
領域Bでは、ボルトB2が滑ったことによる荷重の急激な低下と変位の増大が確認された。領域Cでは、500kNジャッキ520の最大容量である500kNに達したところで、実験を終了した。
(YM8Cの実験結果)
図21および図22を参照して、YM8Cの実験結果について説明する。図21は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM8C)における、変位測定位置(i)〜(iv)を示すモデル図、図22は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM8C)における、変位測定結果を示す図である。図22には、荷重の変位による各変位測定位置(i)〜(iv)での変位(mm)を示している。下向きのたわみを正としている。
YM8Cの実験では、155kN付近で長辺方向梁の局部座屈を確認したが、領域Dでグラフの傾きが変化していることから、120kN付近から局部座屈が進行し始めたのではないかと考えられる。領域Eの180kN付近から、変位のみが増大し始めたことが確認されたため、実験を終了した。
(YM8Eの実験結果)
図23および図24を参照して、YM8Eの実験結果について説明する。図23は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM8E)における、変位測定位置(i)〜(iv)を示すモデル図、図24は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM8E)における、変位測定結果を示す図である。図24には、荷重の変位による各変位測定位置(i)〜(iv)での変位(mm)を示している。下向きのたわみを正としている。
YM8Eの実験では、領域Fの180kN付近で、長辺方向梁と張弦梁の局部座屈を確認した。領域Gでは、ボルトB2が滑ったことによる荷重の急激な低下が確認された。領域Hの350kN付近で荷重が上がらなくなったため、実験を終了した。
(YM12Eの実験結果)
図25および図26を参照して、YM12Eの実験結果について説明する。図25は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM12E)における、変位測定位置(i)〜(iv)を示すモデル図、図26は、耐震テーブル100の強度実験方法(YM12E)における、変位測定結果を示す図である。図26には、荷重の変位による各変位測定位置(i)〜(iv)での変位(mm)を示している。下向きのたわみを正としている。
YM12Eの実験では、変位測定位置(iii)、(iv)側に載荷した。載荷されていない変位測定位置(i)、(ii)側は、上向きに変位していることがわかる。領域Iの75kN付近で荷重が上がらなくなったため、実験を終了した。
以上の実験結果から、耐震テーブル100の想定荷重を超える最大耐力が確認された。また、最大耐力が発揮されるまでの間に、ボルトや溶接の破断といった、耐震テーブル100全体が崩壊するような損傷は確認されなかった。よって、耐震テーブル100の安全性は、十分に確保されているといえる。
上記実施の形態では、鋼材の一例として、H型鋼、等辺山形鋼を用いた場合について説明しているが、この鋼材に限定されない。同等の強度を有する鋼材であれば、他の鋼材を用いてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 樹脂製天板、20 フレーム枠、21 短辺鋼材、22 長辺鋼材、23 支持鋼材、23a 等辺山形鋼、23c ガイドリング、24,25 支持部材、26 張弦梁、28,29 連結プレート、30,30A 脚部、31,32 H型鋼、33 連結プレート、35 鋼板プレート、100 耐震テーブル、510 トーナメント式載荷治具、520 500kNジャッキ、530 門型フレーム、540 球座、550 第1H型鋼、560 第2H型鋼、570 第3H型鋼、580 第4H型鋼、590 第5H型鋼、600 載荷板、B1 ボルト/ナット、B2 ボルト(M8六角ボルト)/ナット。

Claims (6)

  1. 鋼材を用いて作成された矩形形状のフレーム枠と、
    前記フレーム枠の対向する一対の辺にそれぞれ取り付けられ、鋼材を用いて作成された一対の脚部と、
    前記フレーム枠の前記脚部が取り付けられていない他の一対の辺において、下方に向けて湾曲するように棒鋼材を用いて作成され、引張力が印加された状態で前記フレーム枠に固定された一対の張弦梁と、
    を備える、耐震テーブル。
  2. 前記フレーム枠は、長辺と短辺とを含む長方形形状であり、
    前記フレーム枠は、
    長辺方向に沿って延び、H型鋼が所定の間隔を隔て配置された一対の長辺鋼材と、
    短辺方向に沿って延び、H型鋼が用いられ、2本の前記長辺鋼材の端部を連結するように配置された一対の短辺鋼材と、
    一対の前記長辺鋼材のそれぞれの外側に配置されるとともに、両端部が一対の前記短辺鋼材に連結され、一対の前記張弦梁を支持する複数の支持部材が固定された一対の支持鋼材と、
    前記長辺鋼材とそれぞれの前記支持部材とを連結する複数の連結プレートと、を含み、
    前記張弦梁の端部には雄ねじが設けられ、前記張弦梁の端部を前記短辺鋼材のウエブに設けられた貫通孔を通過させて、外側からナットを前記雄ねじに螺合させることにより、前記張弦梁に所定の引張力を印加させている、請求項1に記載の耐震テーブル。
  3. 前記張弦梁の長さ方向中央部がつかまり取手である、請求項1または請求項2に記載の耐震テーブル。
  4. 一対の前記脚部には、H型鋼が用いられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐震テーブル。
  5. 前記H型鋼のウエブには、複数の孔が設けられている、請求項4に記載の耐震テーブル。
  6. 前記フレーム枠の上面には、透明の樹脂製天板が固定されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の耐震テーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023089664A1 (ja) * 2021-11-16 2023-05-25 克巳 篠▲崎▼ 家具およびその製造方法

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WO2023089664A1 (ja) * 2021-11-16 2023-05-25 克巳 篠▲崎▼ 家具およびその製造方法

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