JP2016161434A - 温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 測定対象物への取り付けが容易で、応答時間や取り付けた後の熱放散定数のばらつきが少ない温度センサを提供すること。【解決手段】 感熱素子部2と、感熱素子部に接続されたリード線3と、基端側にリード線の一端側を固定するかしめ部4aを有すると共に先端側に測定対象物にネジで固定可能なネジ取り付け部4bを有した圧着端子4とを備え、感熱素子部が、絶縁性フィルム5と、絶縁性フィルムに形成された薄膜サーミスタ部6と、薄膜サーミスタ部の上に櫛部7aを有して形成された櫛型電極7と、櫛型電極に接続されていると共に絶縁性フィルムに形成されたパターン電極8とを備え、リード線が、パターン電極の他端に接続され、感熱素子部が、圧着端子上のかしめ部より先端側に設置され、薄膜サーミスタ部が、ネジ取り付け部を避けて配されていると共に、絶縁性フィルムが、ネジ取り付け部まで延在している。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象物への取り付けが容易で、応答時間や取り付けた後の熱放散定数のばらつきが少ない温度センサに関する。
従来、温度センサとして、チップ状やフレーク状のサーミスタ素子にリード線を取り付けて、リード線の接続部と共にサーミスタ素子を樹脂モールドし、この部分を圧着や接着等で圧着端子に取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この温度センサでは、いわゆるR端子である圧着端子にネジ止め取り付けが可能な円環部が設けられているので、この部分にネジを挿通させた状態で測定対象物の雌ネジ部等に螺着させることで、温度センサを測定対象物に容易にネジ止めすることができる。また、この温度センサは、集熱面が金属のため、熱応答が速くなる特徴を有している。
特開2012−141164号公報(図10)
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
樹脂モールドしたサーミスタ素子を圧着端子に取り付けた上記従来の温度センサは、測定対象物に強固に取り付けることができるメリットがあり、実用上十分な応答性等のサーミスタ特性が得られているが、近年、より高精度の温度センサが要望されてきている。例えば、上記従来の温度センサでは、樹脂モールドしたサーミスタ素子を圧着端子に取り付けた際にサーミスタ素子の位置にずれが生じる場合がある。この場合、応答時間や取り付けた後の熱放散定数に多少のばらつきが生じるため、高い精度で位置決めができ、よりばらつきの少ない特性を有したものが要求されている。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、測定対象物への取り付けが容易で、応答時間や取り付けた後の熱放散定数のばらつきが少ない温度センサを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る温度センサは、感熱素子部と、前記感熱素子部に一端が接続された一対のリード線と、基端側に一対の前記リード線の一端側を固定するかしめ部を有すると共に先端側に測定対象物にネジで固定可能なネジ取り付け部を有した圧着端子とを備え、前記感熱素子部が、絶縁性フィルムと、前記絶縁性フィルムの表面にサーミスタ材料でパターン形成された薄膜サーミスタ部と、前記薄膜サーミスタ部の上及び下の少なくとも一方に複数の櫛部を有して互いに対向してパターン形成された一対の櫛型電極と、一端が前記一対の櫛型電極に接続されていると共に前記絶縁性フィルムの表面にパターン形成された一対のパターン電極とを備え、前記一対のリード線が、前記一対のパターン電極の他端に接続され、前記感熱素子部が、前記圧着端子上の前記かしめ部より先端側に設置され、前記薄膜サーミスタ部が、前記ネジ取り付け部を避けて配されていると共に、前記絶縁性フィルムが、前記ネジ取り付け部まで延在していることを特徴とする。
この温度センサでは、感熱素子部が、圧着端子上のかしめ部より先端側に設置され、薄膜サーミスタ部が、ネジ取り付け部を避けて配されていると共に、絶縁性フィルムが、ネジ取り付け部まで延在しているので、測定対象物にネジ取り付け部をネジ止めして取り付けた際に、絶縁性フィルムも同時に共締めされることで、測定対象物からの熱をネジ取り付け部と絶縁性フィルムとの両方で薄膜サーミスタ部へ伝えることができる。したがって、高い応答性が得られると共に、ネジ止めによって感熱素子部も位置決めされるため、位置ずれが生じ難く、応答時間や取り付け後の熱放散定数のばらつきを低減することができる。
第2の発明に係る温度センサは、第1の発明において、前記絶縁性フィルムの少なくとも前記ネジ取り付け部上の部分に金属膜が形成されていることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、絶縁性フィルムの少なくともネジ取り付け部上の部分に金属膜が形成されているので、熱伝導性の高い金属膜により測定対象物及びネジ取り付け部からの熱をより効果的に絶縁性フィルムへ伝えることが可能になる。
第3の発明に係る温度センサは、第1又は第2の発明において、前記ネジ取り付け部が、ネジ取付孔を有し、前記絶縁性フィルムが、前記ネジ取付孔上に前記ネジ取付孔と略同じ径の貫通孔を有していることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、ネジ取り付け部が、ネジ取付孔を有し(いわゆる丸形のR端子形状)、絶縁性フィルムが、ネジ取付孔上にネジ取付孔と略同じ径の貫通孔を有しているので、互いに重なって連通したネジ取付孔と貫通孔とにネジを挿通させて測定対象物にネジ止めすることで、感熱素子部と圧着端子との両方を容易に固定することができる。
第4の発明に係る温度センサは、第1又は第2の発明において、前記ネジ取り付け部が、二股形状を有し、前記絶縁性フィルムが、前記ネジ取り付け部と同じ二股形状とされていることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、ネジ取り付け部が、二股形状を有し(いわゆる先開形のY端子形状)、絶縁性フィルムが、ネジ取り付け部と同じ二股形状とされているので、互いに同じ二股形状とされたネジ取り付け部と絶縁性フィルムとを重ねた状態で、二股形状の間にネジを挿通させて測定対象物にネジ止めすることで、感熱素子部と圧着端子との両方を容易に固定することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る温度センサによれば、感熱素子部が、圧着端子上のかしめ部より先端側に設置され、薄膜サーミスタ部が、ネジ取り付け部を避けて配されていると共に、絶縁性フィルムが、ネジ取り付け部まで延在しているので、測定対象物にネジ取り付け部をネジ止めして取り付けることで、高い応答性が得られると共に、位置ずれが生じ難く、応答時間や取り付け後の熱放散定数のばらつきを低減することができる。
したがって、本発明の温度センサは、測定対象物に強固に取り付ける必要がある装置等において、正確な応答時間が必要とされる制御系に用いる温度センサとして好適である。例えば、コイル温度をモニタし、過電流制御を行っているモータや、インバータリアクトルに使用する温度センサとして適している。
本発明に係る温度センサの第1実施形態を示す下面図である。 第1実施形態において、絶縁性フィルム側を測定対象物に向けて温度センサを取り付ける際の正面から見た説明図である。 第1実施形態において、ネジ取り付け部側を測定対象物に向けて温度センサを取り付ける際の正面から見た説明図である。 本発明に係る温度センサの第2実施形態を示す下面図である。 本発明に係る温度センサの第3実施形態において、ネジ取り付け部側を測定対象物に向けて温度センサを取り付ける際の正面から見た説明図である。 本発明に係る温度センサの第4実施形態において、感熱素子部を示す平面図である。 第4実施形態において、温度センサを示す下面図である。 第4実施形態において、絶縁性フィルム側を測定対象物に向けて温度センサを取り付ける際の正面から見た説明図である。
以下、本発明に係る温度センサの第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態の温度センサ1は、図1から図3に示すように、感熱素子部2と、感熱素子部2に一端が接続された一対のリード線3と、基端側に一対のリード線3の一端側を固定するかしめ部4aを有すると共に先端側に測定対象物9にネジSで固定可能なネジ取り付け部4bを有した圧着端子4とを備えている。
上記感熱素子部2は、絶縁性フィルム5と、絶縁性フィルム5の表面にサーミスタ材料でパターン形成された薄膜サーミスタ部6と、薄膜サーミスタ部6の上に複数の櫛部7aを有して互いに対向してパターン形成された一対の櫛型電極7と、一端が一対の櫛型電極7に接続されていると共に絶縁性フィルム5の表面にパターン形成された一対のパターン電極8とを備えている。
上記一対のリード線3は、一対のパターン電極8の他端に接続されている。すなわち、一対のリード線3は、芯線3aを有する絶縁被覆電線であり、先端の芯線3aが一対のパターン電極8の他端に半田材、溶接又は導電性接着剤で接合され接続されている。
上記感熱素子部2は、圧着端子4上のかしめ部4aより先端側に設置され、薄膜サーミスタ部6は、ネジ取り付け部4bを避けて配されていると共に、絶縁性フィルム5が、ネジ取り付け部4bまで延在している。
上記ネジ取り付け部4bは、ネジ取付孔4cを有し、絶縁性フィルム5は、ネジ取付孔4c上にネジ取付孔4cと略同じ径の貫通孔5aを有している。すなわち、圧着端子4は、いわゆる丸形端子(R端子、リングターミナル)であり、絶縁性フィルム5は、ネジ取り付け部4bと同じ形状とされている。
また、絶縁性フィルム5の少なくともネジ取り付け部4b上の部分には、Au膜等の金属膜5bが形成されている。この金属膜5bは、薄膜サーミスタ部6やパターン電極8の部分を避けて少なくとも貫通孔5aの周囲にパターン形成されている。
上記絶縁性フィルム5は、例えば厚さ7.5〜125μmのポリイミド樹脂シートで形成されている。
また、一対のパターン電極8の他端は、薄膜サーミスタ部6の両側にそれぞれ配されている。さらに、薄膜サーミスタ部6は、絶縁性フィルム5の基端側に配されている。
上記一対のパターン電極8及び櫛型電極7は、例えばNiCr膜とPt膜との積層金属膜でパターン形成されている。
上記薄膜サーミスタ部6は、例えば膜厚100〜1000nmのTiAlN等の窒化物からなる薄膜サーミスタ材料で、矩形状にパターン形成されている。
特に、本実施形態の薄膜サーミスタ部6は、一般式:TiAl(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。
また、本実施形態の温度センサ1は、絶縁性フィルム5の上面に薄膜サーミスタ部6を覆う保護膜10を備えている。この保護膜10は、絶縁性樹脂膜等であり、例えば厚さ20μmのポリイミド膜が採用される。この保護膜10は、薄膜サーミスタ部6と共に櫛部7aを覆って矩形状にパターン形成されている。
なお、絶縁性フィルム5の表面に絶縁性の保護シート(図示略)を接着しても構わない。この保護シートは、ポリイミドフィルムやテフロン(登録商標)フィルム等であり、リード線3の接続部分を除いて絶縁性フィルム5表面に接着剤で接着される。
さらに、絶縁性フィルム5上には、封止樹脂部11が、薄膜サーミスタ部6、櫛型電極7、パターン電極8、保護膜10及び芯線3aを覆って部分的に形成され、この封止樹脂部11が、圧着端子4まで回り込んで圧着端子4と絶縁性フィルム5とを固定している。
本実施形態の温度センサ1を作製する場合、まず感熱素子部2を圧着端子4の所定位置(かしめ部4aより先端側)に仮置きした後、一対のリード線3の絶縁被覆部分をかしめ部4aでかしめて固定する。なお、上記仮置きの方法として、スポット溶接、接着剤及び両面テープ等による接着、粘着等を用いても構わない。次に、仮置きした感熱素子部2の薄膜サーミスタ部6、櫛型電極7及びパターン電極8を覆うように適切な樹脂(エポキシ、シリコーンゴム等)をポッティングすることで封止樹脂部11を形成し、感熱素子部2と圧着端子4とを密着状態に固定する。
なお、上記保護シートを貼り付けることで、上記封止樹脂部11を省いても構わない。また、仮置きでは無く、絶縁性フィルム5と圧着端子4とを接着剤や両面テープ等で接着することで、感熱素子部2と圧着端子4とを固定しても構わない。
この温度センサ1は、絶縁性フィルム5側を測定対象物9に向けて取り付ける場合、図2に示すように、ネジ取付孔4c及び貫通孔5aにネジSを挿通させると共に測定対象物9に形成された雌ネジ部9aに螺着させることで、圧着端子4と感熱素子部2とを共締めして温度センサ1を測定対象物9に取り付けることができる。この取り付け方法では、測定対象物9に直接、感熱素子部2の絶縁性フィルム5が接触するため、より応答性に優れている。
また、温度センサ1は、ネジ取り付け部4b側を測定対象物9に向けて取り付ける場合、図3に示すように、絶縁性フィルム5とネジSとの間に滑りの良いワッシャWを配することで、ネジ締結時に絶縁性フィルム5に直接トルクが加わらず、絶縁性フィルム5の破損を防止することができる。
なお、封止樹脂部11がない温度センサ1のネジ取り付け部4b側を測定対象物9に向けて温度センサ1を取り付ける場合、絶縁体の測定対象物9であれば、そのまま取り付けることができるが、導体の測定対象物9である場合、芯線3aと測定対象物9との間に絶縁シートを挟んで取り付ける必要がある。
このように本実施形態の温度センサ1では、感熱素子部2が、圧着端子4上のかしめ部4aより先端側に設置され、薄膜サーミスタ部6が、ネジ取り付け部4bを避けて配されていると共に、絶縁性フィルム5が、ネジ取り付け部4bまで延在しているので、測定対象物9にネジ取り付け部4bをネジ止めして取り付けた際に、絶縁性フィルム5も同時に共締めされることで、測定対象物9からの熱をネジ取り付け部4bと絶縁性フィルム5との両方で薄膜サーミスタ部6へ伝えることができる。したがって、高い応答性が得られると共に、ネジ止めによって感熱素子部2も位置決めされるため、位置ずれが生じ難く、応答時間や取り付け後の熱放散定数のばらつきを低減することができる。
また、絶縁性フィルム5の少なくともネジ取り付け部4b上の部分に金属膜5bが形成されているので、熱伝導性の高い金属膜5bにより測定対象物9及びネジ取り付け部4bからの熱をより効果的に絶縁性フィルム5へ伝えることが可能になる。
さらに、ネジ取り付け部4bが、ネジ取付孔4cを有し、絶縁性フィルム5が、ネジ取付孔4c上にネジ取付孔4cと略同じ径の貫通孔5aを有しているので、互いに重なって連通したネジ取付孔4cと貫通孔5aとにネジSを挿通させて測定対象物9にネジ止めすることで、感熱素子部2と圧着端子4との両方を容易に固定することができる。
次に、本発明に係る温度センサの第2から第4実施形態について、図4から図8を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、ネジ取付孔4cを有した丸形のR端子である圧着端子4であり、絶縁性フィルム5に貫通孔5aが形成されているのに対し、第2実施形態の温度センサ21では、図4に示すように、ネジ取り付け部24bが、二股形状を有し、絶縁性フィルム25が、ネジ取り付け部24bと同じ二股形状とされている点である。
すなわち、第2実施形態では、圧着端子24が、いわゆる先開形のY端子形状であり、ネジ取り付け部24bがかしめ部4aから先端側に向けて2つに分岐して延在した形状を有していると共に、絶縁性フィルム25も同様に2つに延在した形状とされている。
第2実施形態では、二股のネジ取り付け部24bとネジ取り付け部24b上に重なって配されている絶縁性フィルム25の部分とを挟んでネジによって測定対象物に共締めすることで、温度センサ21を測定対象物に固定することができる。
このように第2実施形態の温度センサ21では、ネジ取り付け部24bが、二股形状を有し、絶縁性フィルム25が、ネジ取り付け部24bと同じ二股形状とされているので、互いに同じ二股形状とされたネジ取り付け部24bと絶縁性フィルム25とを重ねた状態で、二股形状の間にネジを挿通させて測定対象物にネジ止めすることで、感熱素子部22と圧着端子24との両方を容易に固定することができる。
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、封止樹脂部11で感熱素子部2が覆われ、リード線3の芯線3aが側面から回り込んで接続されているのに対し、第3実施形態の温度センサ31では、図5に示すように、封止樹脂部11を用いないと共に、かしめ部4aを感熱素子部2側(絶縁性フィルム5側)に設けてリード線3の芯線3aを側面からの回り込み無しで接続している点である。
したがって、第3実施形態では、測定対象物9側にかしめ部4aや封止樹脂部11が無いため、測定対象物9に圧着端子4の下面全体を密着させて固定させることが可能になる。したがって、第3実施形態の温度センサ31では、測定対象物9との接触面積が大きくなり、さらに高精度な測定が可能になる。
次に、第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、リード線3の芯線3aが側面から回り込んで接続されているのに対し、第4実施形態の温度センサ41では、図6から図8に示すように、絶縁性フィルム45の基端部に両側に突出した一対の矩形状突部45bが設けられ、これら矩形状突部45bが圧電端子4の上面側に折り返されることで、パターン電極48と芯線3aとが圧電端子4の上面側で接続されている点である。
すなわち、第4実施形態の感熱素子部42は、耳状に両側部に形成された一対の矩形状突部45bを有する絶縁性フィルム45と、これら矩形状突部45bまで延在した一対のパターン電極48とを備えている。一対のパターン電極48は、一対の矩形状突部45b上に形成された一対の電極パッド部48aを有しており、一対の矩形状突部45bが折り返された状態で、これら電極パッド部48aに芯線3aが接続されている。
したがって、第4実施形態の温度センサ41では、測定対象物9の反対側(圧電端子4の上面側)で芯線3aをパターン電極48に接続しているので、測定対象物9上に設置する際に芯線3aが邪魔にならず、薄膜サーミスタ部6をより測定対象物9に近づけることができる。なお、本実施形態では、樹脂封止部11を設けているが、薄膜サーミスタ部6を測定対象物9にさらに近接させるために、樹脂封止部11を削除しても構わない。
上記第1実施形態に基づいて作製した本発明の実施例(絶縁性フィルム側を測定対象物に向けて固定した場合)について、応答性を測定した結果、樹脂封止されたサーミスタ素子に単に圧着端子を取り付けた従来品が22〜32秒であったのに対し、本発明の実施例では、26〜28秒とばらつきが1/5に減少した。また、取り付けた後の熱放散定数は、比較的熱容量の大きな測定対象物に取り付けた場合、ばらつきは従来品と本発明の実施例とで同程度であったが、熱容量の小さな測定対象物に取り付けた場合は、従来品が1mW/℃のばらつきであったのに対し、本発明の実施例では0.3mW/℃のばらつきとなり、ばらつきが低減された。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、R端子又はY端子の圧着端子及びこれらに対応した形状の絶縁性フィルムとしたが、ネジ止め可能なネジ取り付け部であれば他の形状のネジ取り付け部及び絶縁性フィルムの形状としても構わない。
1,21,31,41…温度センサ、2,22,42…感熱素子部、3…リード線、4,24…圧着端子、4a…かしめ部、4b,24b…ネジ取り付け部、4c…ネジ取付孔、5,25,45…絶縁性フィルム、5a…貫通孔、5b…金属膜、6…薄膜サーミスタ部、7…櫛型電極、7a…櫛部、8,48…パターン電極

Claims (4)

  1. 感熱素子部と、
    前記感熱素子部に一端が接続された一対のリード線と、
    基端側に一対の前記リード線の一端側を固定するかしめ部を有すると共に先端側に測定対象物にネジで固定可能なネジ取り付け部を有した圧着端子とを備え、
    前記感熱素子部が、絶縁性フィルムと、前記絶縁性フィルムの表面にサーミスタ材料でパターン形成された薄膜サーミスタ部と、前記薄膜サーミスタ部の上及び下の少なくとも一方に複数の櫛部を有して互いに対向してパターン形成された一対の櫛型電極と、一端が前記一対の櫛型電極に接続されていると共に前記絶縁性フィルムの表面にパターン形成された一対のパターン電極とを備え、
    前記一対のリード線が、前記一対のパターン電極の他端に接続され、
    前記感熱素子部が、前記圧着端子上の前記かしめ部より先端側に設置され、
    前記薄膜サーミスタ部が、前記ネジ取り付け部を避けて配されていると共に、前記絶縁性フィルムが、前記ネジ取り付け部まで延在していることを特徴とする温度センサ。
  2. 請求項1に記載の温度センサにおいて、
    前記絶縁性フィルムの少なくとも前記ネジ取り付け部上の部分に金属膜が形成されていることを特徴とする温度センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の温度センサにおいて、
    前記ネジ取り付け部が、ネジ取付孔を有し、
    前記絶縁性フィルムが、前記ネジ取付孔上に前記ネジ取付孔と略同じ径の貫通孔を有していることを特徴とする温度センサ。
  4. 請求項1又は2に記載の温度センサにおいて、
    前記ネジ取り付け部が、二股形状を有し、
    前記絶縁性フィルムが、前記ネジ取り付け部と同じ二股形状とされていることを特徴とする温度センサ。
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