JP2016161414A - ガスセンサ素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護膜の厚さを均一化することにより耐被水性を確保すると共に、検出感度を向上することができるガスセンサ素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】ガスセンサ素子20の製造方法は、素子本体部21と、保護膜23とを有するガスセンサ素子20を製造する方法である。ガスセンサ素子20の製造方法は、本体作製工程と、膜成形工程と、焼成工程とを有している。膜成形工程においては、成形型内においてセラミックス材料、無機バインダー及び凝固剤を有するスラリー状の保護膜形成材料に、素子本体部21の先端側の一部を浸漬し、成形型内において、素子本体部21に付着した保護膜形成材料を仮硬化させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子の製造方法に関する。
車両用の内燃機関等の排気系には、排ガス等の被測定ガス中における特定ガス濃度(例えば、酸素濃度)を検出するガスセンサ素子が配設されている。
このようなガスセンサ素子には、例えば、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、その固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、被測定ガス側電極を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層とを有するガスセンサ素子が内蔵されている。ガスセンサ素子は、固体電解質体が活性となる高温(例えば、500℃以上)に加熱された状態で使用される。そのため、排ガスに含まれる凝縮水がガスセンサ素子内に浸入し、高温の固体電解質体に付着すると、固体電解質体に大きな熱衝撃が加わり、被水割れが生じるおそれがある。
そこで、特許文献1には、耐被水性を向上するために、素子本体部の外周全体が多孔質の保護膜によって覆われたガスセンサ素子が示されている。特許文献1のガスセンサ素子において、保護膜は、スラリー状の保護膜形成材料に素子本体部を浸漬することで、素子本体部の外周を覆うように塗布される。そして、塗布した保護膜形成材料を乾燥、焼成することにより保護膜が形成される。また、素子本体部の角部に、ディスペンサー等を用いて部分的に保護膜形成材料を塗布した後、浸漬する方法も知られている。
特開2007−33374号公報
しかしながら、特許文献1に示されたガスセンサ素子には以下の課題がある。
素子本体部は、軸方向と直交する断面が略矩形状の四角柱状をなしている。この素子本体部に、浸漬によって保護膜形成材料を塗布した際に、平面部における保護膜形成材料の付着量に比べて、角部における保護膜形成材料の付着量が減少する。そのため、角部における保護膜の厚さが薄くなりやすい。また、保護膜形成材料は、粘度の低いスレート状をなしているため、素子本体部に塗布された保護膜形成材料が下方に向かって垂れやすい。そのため、ガスセンサ素子において、保護膜の厚さ不均一となり、厚さの薄い部位において耐被水性能が低下する。
また、素子本体部を複数回浸漬することにより、保護膜の厚さを厚くすることもできるが、この場合には、平面部や先端部側における保護膜の厚さが過大となる。保護膜の厚さが大きくなるほどガスセンサ素子における熱容量が大きくなるため、ガスセンサ素子が活性温度に到達するまでに時間がかかり、ガスセンサ素子の検出感度が低下する。
また、素子本体部の角部に、ディスペンサー等を用いて部分的に保護膜形成材料を塗布した後、浸漬することで角部における保護膜の厚さを確保することはできるが、保護膜形成材料の垂れは解消できない。また、角部に保護膜形成材料を塗布する工程が追加されるため生産性が低下する。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、保護膜の厚さを均一化することにより耐被水性を確保すると共に、検出感度を向上することができるガスセンサ素子の製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、固体電解質体を含む複数のセラミックス層を積層してなる素子本体部と、素子本体部の先端側の一部を被覆する多孔質のセラミックスからなる保護膜とを有するガスセンサ素子を製造する方法であって、
上記素子本体部を作製する本体作製工程と、
上記素子本体部に上記保護膜を形成する保護膜形成材料を付着させると共に成形する膜成形工程と、
上記素子本体部に付着した上記保護膜形成材料を焼成して上記保護膜とする焼成工程とを有し、
上記膜成形工程においては、成形型内においてセラミックス材料、無機バインダー及び凝固剤を有するスラリー状の保護膜形成材料に、上記素子本体部の先端側の一部を浸漬し、上記成形型内において、上記素子本体部に付着した上記保護膜形成材料を仮硬化させることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法にある。
上記ガスセンサ素子の製造方法は、上記膜成形工程を有しており、該膜成形工程においては、凝固剤を含む上記保護膜形成材料を上記成形型内で仮硬化させることができる。そのため、上記成形型内において、上記保護膜形成材料は上記成形型の形状に合わせて仮硬化させ、上記保護膜形成材料を任意の形状に成形することができる。そして、この仮硬化した上記保護膜形成材料を上記焼成工程において焼成することにより、所望の形状の上記保護膜を形成することができる。これにより、均一な厚さの上記保護膜を備え、優れた耐被水性及び検出感度を兼ね備えた上記ガスセンサ素子を得ることができる。
以上のごとく、本発明によれば、保護膜の厚さを均一化することにより耐被水性を確保すると共に、検出感度を向上することができるガスセンサ素子の製造方法を提供することができる。
実施例1における、ガスセンサを示す説明図。 図1における、II−II矢視断面図。 実施例1における、ガスセンサ素子の製造工程を示すフロー図。 実施例1における、本体作製工程において作成された素子本体部を示す説明図。 実施例1における、膜成形工程において、成形型に保護膜形成材料を注入した状態を示す説明図。 実施例1における、膜成形工程において、成形型に素子本体部を挿入した状態を示す説明図。 実施例1における、膜成形工程において、成形型内で保護膜形成材料が仮硬化した状態を示す説明図。 実施例1における、膜成形工程において、成形型から素子本体部を抜き出した状態を示す説明図。 実施例1における、膜成形工程において、成形型から素子本体部を抜き出した状態を示す説明図。 確認試験における、a)外周側面の膜厚計測位置を示す断面図(図1のII−II矢視断面相当)、b)外周側面の膜厚計測位置を示す断面図(図1のX−X矢視断面相当)。 確認試験における、膜厚を示すグラフ。
上記ガスセンサ素子の製造方法において、上記凝固剤は、ゼラチン又は吸水性ポリマーを含んでいることが好ましい。ゼラチン及び吸水性ポリマーは取り扱いが容易な材料であることから、上記膜成形工程における作業を容易かつ安全に行うことができる。
また、上記凝固剤には、ゼラチンと、ゼラチンの硬化を早める架橋剤とが含まれていることが好ましい。この場合には、ゼラチンの硬化時間を短縮し、上記膜成形工程における生産性を向上することができる。尚、上記架橋剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、多官応エポキシ架橋剤、多官応イソシアネート架橋剤、アシルアジゾ化合物、カルボジイミド等を用いることができる。
また、ゲル状の上記保護膜形成材料を、撹拌することでせん断力を発生させて低粘度化させたスラリー状の上記保護膜形成材料を上記成形型内に注入した後、静置して上記保護膜形成材料を仮硬化させることが好ましい。ゲル化した上記保護膜形成材料を撹拌しせん断力を付与すると、ゼラチンの三次元網目構造崩壊と水の遊離による見かけの粒子濃度減少により、低粘度化したスラリー状になる。このスラリー状の上記保護膜形成材料を、上記成形型内に注入し、静置することでゼラチンの三次元網目構造の再形成と水和することで、見かけの粒子濃度が上昇することにより、上記保護膜形成材料が仮硬化する。このように、ゼラチンの三次元網目構造の崩壊、再形成と、水和反応を利用することにより、速やかかつ容易に上記保護膜形成材料を仮硬化させることができる。また、上記保護膜形成材料を撹拌、載置することで、仮硬化することができるため、設備費用を抑えることができる。
また、上記膜成形工程において、上記保護膜形成材料及び上記成形型をゼラチンのゲル−ゾル変態温度以上に加熱した状態で、上記保護膜形成材料を上記成形型に注入した後、上記保護膜形成材料及び上記成形型をゼラチンのゲル−ゾル変態温度未満に冷却することが好ましい。この場合には、ゼラチンの加熱、冷却に伴うゲル−ゾル変態を利用することによって、より速やかに上記保護膜形成材料を仮硬化させることができる。
また、上記保護膜形成材料は、加熱又は紫外線照射により仮硬化することが好ましい。この場合には、加熱又は紫外線照射をすることで上記保護膜形成材料を速やかに仮硬化させることができる。
また、上記凝固剤は、上記焼成工程において蒸散することが好ましい。この場合には、焼成後に、上記凝固剤が上記保護膜内に不純物として残ることを防止できる。これにより、品質の高い上記保護膜を得ることができる。
(実施例1)
上記ガスセンサ素子の製造方法にかかる実施例について、図1〜図9を参照して説明する。
本例のガスセンサ素子20の製造方法は、図1及び図2に示すごとく、固体電解質体211を含む複数のセラミックス層を積層してなる素子本体部21と、素子本体部21の先端側の一部を被覆する多孔質のセラミックスからなる保護膜23とを有するガスセンサ素子20を製造する方法である。
図3〜図9に示すごとく、ガスセンサ素子20の製造方法は、素子本体部21を作製する本体作製工程101と、素子本体部21に保護膜23を形成する保護膜形成材料231を付着させると共に成形する膜成形工程102と、素子本体部21に付着した保護膜形成材料231を焼成して保護膜23とする焼成工程103とを有している。
膜成形工程102においては、成形型11内においてセラミックス材料、無機バインダー及び凝固剤を有するスラリー状の保護膜形成材料231に、素子本体部21の先端側の一部を浸漬し、成形型11内において、保護膜形成材料231を仮硬化させる。
以下、さらに詳細に説明する。
図1及び図2に示すごとく、本例のガスセンサ素子20を内蔵したガスセンサ2は、被測定ガス(排ガス)中の特定ガス濃度(酸素濃度)に依存して電極間を流れる限界電流を基にエンジンに供給される混合気の空燃比(A/F)を検出するA/Fセンサとして用いられる。
ガスセンサ2は、素子本体部21と保護膜23とを有するガスセンサ素子20と、ガスセンサ素子20を内側に挿通保持する絶縁碍子311、312と、絶縁碍子311、312を内側に挿通保持するハウジング32と、ハウジング32の基端側に配設された大気側カバー33と、ハウジング32の先端側に配設されると共にガスセンサ素子20を保護する素子カバー34とを有する。
素子カバー34は、外側カバー341と内側カバー342とからなる二重構造のカバーにより構成されている。この外側カバー341及び内側カバー342の側面部や底面部には、被測定ガスを導通させるための導通孔343が設けられている。
図2に示すごとく、ガスセンサ素子20は、固体電解質体211を内蔵した素子本体部21と、素子本体部21の外周面を覆う保護膜23とを有している。
素子本体部21は、ジルコニアを略板状に成型してなる酸素イオン伝導性を備えた固体電解質体211を備えている。固体電解質体211の一方の面には、白金からなる被測定ガス側電極212が設けられており、固体電解質体211の他方の面には、白金からなる基準ガス側電極213が設けられている。
固体電解質体211の基準ガス側電極213側には、電気的絶縁性を有し、緻密でガスを透過させないアルミナからなる基準ガス室形成層214が積層されている。基準ガス室形成層214には、溝部215が設けられており、この溝部215によって基準ガス室216が形成されている。基準ガス室216は、基準ガス(大気)を導入することができるよう構成されている。
基準ガス室形成層214における固体電解質体211とは反対側の面には、ヒータ基板217が積層されている。ヒータ基板217には、通電により発熱する発熱体(ヒータ)が基準ガス室形成層214と対面するよう設けられている。そして、発熱体を通電により発熱させることで、素子本体部21を活性温度まで急速加熱することができる。
固体電解質体211の被測定ガス側電極212側には、被測定ガス側電極212を覆うように形成された多孔質拡散抵抗層218が積層されている。多孔質拡散抵抗層218は、ガス透過性のアルミナ多孔体からなる。
多孔質拡散抵抗層218における固体電解質体211とは反対側の面には、電気的絶縁性を有し、緻密でガスを透過させないアルミナからなる遮蔽層219が積層されている。つまり、固体電解質体211と遮蔽層219との間に、多孔質拡散抵抗層218が配置されており、被測定ガスを流通可能なガス導入路220が形成されている。ガス導入路220は、素子本体部21の内部に形成された被測定ガス室222との間を連通している。
遮蔽層219と多孔質拡散抵抗層218と固体電解質体211とにより覆われた空間には、被測定ガス室222が形成されている。被測定ガス室222は、ガス導入路220と連通しており、ガス導入路220を被測定ガスが流通することで、多孔質拡散抵抗層218を介して、被測定ガス(排ガス)を導入することができる。
保護膜23は、多孔質のセラミックス材料からなり、素子本体部21の先端側の一部を覆っている。保護膜23は、ほぼ均一な厚さで形成されており、その外径は、素子本体部21の外径を保護膜23の厚さ分、大きくした略相似形状をなしている。セラミックス材料としては、例えば、α−アルミナを主成分とするセラミックス粒子を用いることができる。
次に、ガスセンサ素子20の製造方法について説明する。
まず、図3及び図4に示すごとく、本体作製工程101において、固体電解質体211を含む複数のセラミックス層を積層してなる角柱状の素子本体部21を形成する。このとき、素子本体部21を先端側の絶縁碍子311の内側に挿通配置し、素子本体部21と絶縁碍子311とを固定する。
次いで、膜成形工程102に移行する。
図3、図5〜図8に示すごとく、膜成形工程102においては、成形型11を用いて、素子本体部21の表面に保護膜形成材料231を付着させる。本例の保護膜形成材料231は、セラミックス材料、無機バインダー及び凝固剤を含有している。また、凝固剤は、ゼラチンと、ゼラチンの硬化を促進する架橋剤とからなる。また、保護膜形成材料231は、ゲル化したものを撹拌することによってスラリー状にしてあり、この保護膜形成材料231及び成形型11は、ゼラチンのゲル−ゾル変態温度以上に加熱されている。
成形型11には、完成時の素子本体部21の外形と対応した成形凹部111が形成されている。
図5〜図8に示すごとく、成形型11の成形凹部111に保護膜23を形成するためのスラリー状の保護膜形成材料231を所定量注入する。そして、保護膜形成材料231を注入した成形凹部111内に、素子本体部21を挿入し、所定時間静置すると共に、ゼラチンのゲル−ゾル変態温度未満に冷却することで保護膜形成材料231が仮硬化する。保護膜形成材料231が仮硬化した後、素子本体部21を成形型11から引き抜く。
本例の保護膜形成材料231は、セラミックス材料、無機バインダー及び凝固剤を含有している。凝固剤は、ゼラチンと、ゼラチンの硬化を促進する架橋剤とからなる。保護膜形成材料231は、ゲル化したものを撹拌することによってスラリー状にしてある。つまり、ゲル化した保護膜形成材料231を撹拌し、せん断力を付与することにより、ゼラチンの三次元網目構造崩壊と水の遊離による見かけの粒子濃度の減少が生じ、保護膜形成材料231が低粘度化してスラリー状になる。このスラリー状の保護膜形成材料231を、成形型11内に注入し、静置することでゼラチンの三次元網目構造の再形成と水和することで、見かけの粒子濃度が上昇することにより、保護膜形成材料231が仮硬化する。尚、本例においては、凝固剤として架橋剤を含むゼラチンを用いたが、高分子ポリマーを用いてもよい。この場合にも、上述した内容と同様の作用が生じる。
次いで、焼成工程103へと移行する。
図3及び図9に示すごとく、凝固剤の作用により仮硬化した保護膜形成材料231が付着した素子本体部21は、焼成炉内に投入される。焼成炉内は、800℃〜1000℃に昇温されており、保護膜形成材料231が焼成されることで、多孔質の保護膜23が形成される。このとき、ゼラチン及び架橋剤は、蒸散し除去される。
保護膜23が形成された素子本体部21は、他の構成部品と共に組み立てられガスセンサ2が形成される。
次に、本例の作用効果について説明する。
ガスセンサ素子20の製造方法は、膜成形工程102を有しており、膜成形工程102においては、凝固剤を含む保護膜形成材料231を成形型11内で仮硬化させることができる。そのため、成形型11内において、保護膜形成材料231は、成形型11の形状に合わせて仮硬化し、保護膜形成材料231を任意の形状に成形することができる。この仮硬化した保護膜形成材料231を焼成工程103において焼成することにより、所望の形状の保護膜23を形成することができる。これにより、均一な厚さの保護膜23を備え、優れた耐被水性及び検出感度を兼ね備えたガスセンサ素子20を得ることができる。
また、凝固剤は、ゼラチンを含んでいる。ゼラチンは取り扱いが容易な材料であることから、膜成形工程102における作業を容易かつ安全に行うことができる。
また、凝固剤には、ゼラチンの硬化を早める架橋剤が含まれている。そのため、ゼラチンの硬化時間を短縮し、膜成形工程における生産性を向上することができる。
また、膜成形工程においては、ゲル状の保護膜形成材料231を、撹拌することでせん断力を発生させて低粘度化させたスラリー状の保護膜形成材料231を成形型11内に注入した後、静置して保護膜形成材料231を仮硬化させる。保護膜形成材料231を撹拌、載置することで、仮硬化させることができるため、設備費用を抑えることができる。
また、膜成形工程102において、保護膜形成材料231及び成形型11をゼラチンのゲル−ゾル変態温度以上に加熱した状態で、保護膜形成材料231を成形型11に注入した後、保護膜形成材料231及び成形型11をゼラチンのゲル−ゾル変態温度未満に冷却する。そのため、ゼラチンの加熱、冷却に伴うゲル−ゾル変態を利用することによって、より速やかに保護膜形成材料231を仮硬化させることができる。
また、凝固剤は、焼成工程103において蒸散する。そのため、焼成後に、凝固剤が保護膜23内に不純物として残ることを防止できる。これにより、品質の高い保護膜23を得ることができる。
以上のごとく、本例によれば、保護膜23の厚さを均一化することにより耐被水性を確保すると共に、検出感度を向上することができるガスセンサ素子20の製造方法を提供することができる。
(確認試験)
本確認試験においては、図10及び図11に示すごとく、ガスセンサ素子20の保護膜23の厚さについて確認を行った。
本確認試験においては、実施例1のガスセンサ素子20と、成形型11を用いず浸漬により保護膜形成材料231を付着させた従来のガスセンサ素子とにおける保護膜の厚さをそれぞれ確認した。尚、保護膜の厚さは、いずれのガスセンサ素子においても、340±170μmを目標厚さとして設定している。
図10に示すごとく、保護膜23の測定位置は、ガスセンサ素子20の軸方向と直交する断面における位置P1〜位置P11と、先端部における軸方向の位置P12とを計測した。尚、各ガスセンサ素子は、3つずつ用意し、その平均値を図11に示す。
図11は、縦軸が保護膜23の膜厚を示し、横軸が位置P1〜位置P12を示している。また、図11における線L1によって結んだプロットは、実施例1のガスセンサ素子20における保護膜23の膜厚を示し、線L2によって結んだプロットは、従来のガスセンサ素子における保護膜の膜厚を示している。
図11に示すごとく、従来のガスセンサ素子における保護膜の厚さは、最小厚さが400μm、最大厚さが1600μmであり最大約1200μmのばらつきがある。また、計測を行った3つの従来のガスセンサ素子において、各ガスセンサ素子における同位置での保護膜の厚さのばらつきは、最大約400μmである。
一方、実施例1のガスセンサ素子20における保護膜23の厚さは、最小厚さが300μm、最大厚さが500μmであり最大約200μmのばらつきがある。また、計測を行った3つの実施例1のガスセンサ素子20において、各ガスセンサ素子20における同位置での保護膜23の厚さのばらつきは、最大約50μmである。このように、実施例1のガスセンサ素子20においては、従来のガスセンサ素子に比べて、保護膜23の厚さを均一化することができる。
(実施例2)
本例は、実施例1の素子本体部21の製造方法における膜成形工程102を一部変更した例を示すものである。
本例において、保護膜形成材料231に含まれる凝固剤は、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化樹脂からなる。膜成形工程102においては、紫外線照射前のスラリー状の保護膜形成材料231を、成形型11の成形凹部111内に注入し、素子本体部21を挿入した後、紫外線を照射することで保護膜形成材料231が仮硬化する。このとき、成形型11は、紫外線を透過する材料によって形成することが好ましく、例えば、石英ガラス、ポリメチルペンテン等を用いることができる。この場合には、成形型11を透過した紫外線によって保護膜形成材料231の全体を速やかに仮硬化させることができる。
本例においては、凝固剤として紫外線硬化樹脂を用いたが、加熱により硬化する熱硬化樹脂を用いてもよい。この場合には、例えば、金属製の成形型11を加熱して、保護膜形成材料231を仮硬化させることができる。
その他の構成は実施例1と同様である。尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
保護膜形成材料231は、紫外線照射により速やかに硬化することから保護膜形成材料231を速やかに仮硬化させることができる。
また、本例においても実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
101 本体作製工程
102 膜成形工程
103 焼成工程
11 成形型
20 ガスセンサ素子
21 素子本体部
211 固体電解質体
23 保護膜
231 保護膜形成材料

Claims (7)

  1. 固体電解質体(211)を含む複数のセラミックス層を積層してなる素子本体部(21)と、素子本体部(21)の先端側の一部を被覆する多孔質のセラミックスからなる保護膜(23)とを有するガスセンサ素子(20)を製造する方法であって、
    上記素子本体部(21)を作製する本体作製工程(101)と、
    上記素子本体部(21)に上記保護膜(23)を形成する保護膜形成材料(231)を付着させると共に成形する膜成形工程(102)と、
    上記素子本体部(21)に付着した上記保護膜形成材料(231)を焼成して上記保護膜(23)とする焼成工程(103)とを有し、
    上記膜成形工程102においては、成形型(11)内においてセラミックス材料、無機バインダー及び凝固剤を有するスラリー状の保護膜形成材料(231)に、上記素子本体部(21)の先端側の一部を浸漬し、上記成形型(11)内において、上記素子本体部(21)に付着した上記保護膜形成材料(231)を仮硬化させることを特徴とするガスセンサ素子(20)の製造方法。
  2. 上記凝固剤は、ゼラチン又は吸水性ポリマーを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ素子(20)の製造方法。
  3. 上記凝固剤には、ゼラチンと、ゼラチンの硬化を早める架橋剤とが含まれていることを特徴とする請求項2に記載のガスセンサ素子(20)の製造方法。
  4. ゲル状の上記保護膜形成材料(231)を、撹拌することでせん断力を発生させて低粘度化させたスラリー状の上記保護膜形成材料(231)を上記成形型(11)内に注入した後、静置して上記保護膜形成材料(231)を仮硬化させることを特徴とする請求項2又は3に記載のガスセンサ素子(20)の製造方法。
  5. 上記膜成形工程(102)において、上記保護膜形成材料(231)及び上記成形型(11)をゼラチンのゲル−ゾル変態温度以上に加熱した状態で、上記保護膜形成材料(231)を上記成形型(11)に注入した後、上記保護膜形成材料(231)及び上記成形型(11)をゼラチンのゲル−ゾル変態温度未満に冷却することを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ素子(20)の製造方法。
  6. 上記保護膜形成材料(231)は、加熱又は紫外線照射により仮硬化することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ素子(20)の製造方法。
  7. 上記凝固剤は、上記焼成工程(103)において蒸散することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスセンサ素子(20)の製造方法。
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