JP2016161385A - 撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置 - Google Patents

撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検溶液を貯留する測定セルにおいて測定対象成分の注入と撹拌とを同時に実施可能である撹拌注入機構を提供する。また、測定対象成分を迅速に検出可能な検出ユニット、および測定対象成分を迅速に定量可能な測定装置を提供する。【解決手段】基準液に測定対象成分を含む試料を注入して撹拌し、被検溶液Sを調整する撹拌注入機構10であって、一方向に延在した筒形状を呈し、一方向における両端が開口した注入管11と、注入管11を注入管11の中心軸の周りで回転させる回転部12と、を含み、注入管11の少なくとも一端側の端部は、被検溶液を撹拌可能とする撹拌部111とされている撹拌注入機構10。【選択図】図1

Description

本発明は、撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置に関するものである。
従来、水中に溶解した物質を定量する装置として、種々の測定装置が知られている。例えば、化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand、COD)や、全有機炭素(Total Organic Carbon、TOC)を測定する装置として、作用極に導電性ダイヤモンド電極を採用し、電気化学的手法を用いて定量する測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の測定装置では、有機物等の測定対象成分が含まれた被検溶液を測定セルに貯留した上で、被検溶液を撹拌しながら被検溶液中の測定対象成分を作用極に接触させる。これにより、特許文献1に記載の測定装置においては、作用極の表面で測定対象成分が酸化分解され、分解時に必要な電荷量(電気量)に基づいて測定対象成分の定量を行う。
国際公開第2013/100101号
上記特許文献1に記載の測定装置では、被検溶液中の測定対象成分の定量のために、測定対象成分が全て作用極表面で分解される必要がある。しかし、被検溶液に含まれる全ての測定対象成分が分解されるまでには長時間を要するため、迅速に測定可能とする技術が求められていた。
上述のように被検溶液に含まれる測定対象成分の量を迅速に定量したいという課題は、CODやTOCの測定に限るものではなく、電量滴定(電量分析)により被検溶液中の測定対象成分を定量する装置において共通している。そのため、例えば、水中オゾンや二酸化塩素を測定する測定装置においても同様に、新規な技術が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、被検溶液を貯留する測定セルにおいて測定対象成分を含む試料の注入と撹拌とを同時に実施可能である撹拌注入機構を提供することを目的とする。また、測定対象成分を迅速に検出可能な検出ユニット、および測定対象成分を迅速に定量可能な測定装置を提供することをあわせて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、基準液に測定対象成分を含む試料を注入して撹拌し、被検溶液を調整する撹拌注入機構であって、一方向に延在した筒形状を呈し、前記一方向における両端が開口した注入管と、前記注入管を前記注入管の中心軸の周りで回転させる回転部と、を含み、前記注入管の少なくとも一端側の端部は、前記被検溶液を撹拌可能とする撹拌部とされている撹拌注入機構を提供する。
また、上記の課題を解決するため、本発明の別の一態様は、被検溶液を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された基準液に測定対象成分を含む試料を注入して撹拌し、前記被検溶液を調整する撹拌注入機構と、前記貯留部の内部空間に面して設けられた作用極と、を含み、前記撹拌注入機構は、一方向に延在した筒形状を呈し、前記一方向における両端が開口した注入管と、前記注入管を前記注入管の中心軸の周りで回転させる回転部と、を有し、前記注入管は、一端側の端部が前記内部空間に挿入され、前記作用極は、前記注入管の前記一端側の端部と対向して設けられている検出ユニットを提供する。
本発明の一態様においては、前記作用極と離間し、前記内部空間に貯留される前記被検溶液と接する対極をさらに有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記貯留部の壁部には、前記壁部を前記壁部の厚み方向に貫通する導電部が設けられ、前記対極は、前記導電部と電気的に接続している構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記内部空間に貯留される前記被検溶液と電気的に導通する基準電極をさらに有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記貯留部の壁部には、前記壁部を前記壁部の厚み方向に貫通する液絡部が設けられ、前記基準電極は、前記液絡部を介して前記内部空間に貯留される前記被検溶液と電気的に導通する構成としてもよい。
また、上記の課題を解決するため、本発明の別の一態様は、上記の検出ユニットと、前記作用極と前記対極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧の印加中に流れる電流量を検出する検出手段と、検出された前記電流量に基づいて演算し、前記試料に含まれる前記測定対象成分の量を求める演算部と、を有する測定装置を提供する。
また、上記の課題を解決するため、本発明の別の一態様は、被検溶液を貯留する貯留部と、前記貯留部に貯留された基準液に測定対象成分を含む試料を注入して撹拌し、前記被検溶液を調整する撹拌注入機構と、前記貯留部の内部空間に面して設けられ、導電性ダイヤモンドを形成材料とする作用極と、前記作用極と離間し、前記内部空間に貯留される前記被検溶液と接する対極と、前記作用極と前記対極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧の印加中に流れる電流量を検出する検出手段と、検出された前記電流量を積算し、前記試料に含まれる前記測定対象成分の量を求める演算部と、を含み、前記測定対象成分は有機物であり、前記撹拌注入機構は、一方向に延在した筒形状を呈し、前記一方向における両端が開口した注入管と、前記注入管を前記注入管の中心軸の周りで回転させる回転部と、を有し、前記注入管は、一端側の端部が前記内部空間に挿入され、前記作用極は、前記注入管の前記一端側の端部と対向して設けられている有機物測定装置を提供する。
本発明によれば、被検溶液を貯留する測定セルにおいて測定対象成分を含む試料の注入と撹拌とを同時に実施可能である撹拌注入機構を提供することができる。また、測定対象成分を迅速に検出可能な検出ユニット、および測定対象成分を迅速に定量可能な測定装置を提供することができる。
本実施形態に係る撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置について説明する概略斜視図である。 本実施形態に係る撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置について説明する概略断面図である。 注入管の端部の撹拌部を示す部分拡大図である。 貯留部の分解斜視図である。 測定装置を用い測定対象成分を定量する様子を示す部分拡大図である。 実施形態の変形例に係る測定装置の概略断面図である。 実施例1において作成したグラフである。 実施例2において作成したグラフである。 実施例3において作成したグラフである。 実施例4において作成したグラフである。 比較例1において作成したグラフである。 比較例4において作成したグラフである。
以下、図1〜図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態に係る撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置について説明する概略斜視図である。図2は、本実施形態に係る撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置について説明する概略断面図である。
本実施形態の撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置は、測定対象成分を含む試料を基準液に注入して被検溶液を調整し、試料に含まれる測定対象成分の量を定量するために用いられる。測定装置における定量には、電量滴定(電量分析)を用いる。
ここで、本明細書において、「試料」とは、水質検査対象となる河川の水や工場排水など、測定対象成分を含む液状物を指す。
また、本明細書において、「測定対象成分」とは、試料中に含まれた物質であり、定量する対象となる成分である。測定対象成分としては、例えば、有機物、オゾン、二酸化塩素を挙げることができる。
また、本明細書において、「被検溶液」とは、基準液に測定対象成分を含む試料を加えて調整される溶液である。
また、本明細書において、「基準液」とは、電量滴定においてバックグラウンド測定に用いられる溶液であり、支持電解質を含んでいる。基準液に含まれる支持電解質は、測定対象成分に応じて定まる。例えば、COD測定においては、精製水に硫酸ナトリウム等の所定の溶質を溶解させた電解液を調製し、この電解液に接触させた作用極と対極との間に、検出される電流値が安定するまで電圧を印加したものが基準液に該当する。
以下、各装置構成について順に説明する。なお、本実施形態においては、測定対象成分が有機物である測定装置について説明する。このような測定装置は、本発明における「有機物測定装置」に該当する。
(撹拌注入機構)
図1,2に示すように、本実施形態の撹拌注入機構10は、注入管11と、注入管11を回転させる回転部12とを含んでいる。
注入管11は、一方向に延在した筒形状を呈し、一方向の両端が開口している。注入管11の内部は、貫通孔11bとなっている。また、注入管11の少なくとも一端側の端部11aは、被検溶液を撹拌可能とする撹拌部111とされている。
図3(a)は、端部11aの撹拌部111を示す部分拡大図であり、側面図と平面図とを併記している。
図3(a)に示す撹拌部111は、注入管11の端部11aの少なくとも一部を加工して設けた部分である。図3(a)では、撹拌部111が角筒状(図では六角筒状)であることとして示している。撹拌部111は、回転部12の機能により注入管11が回転することで、被検溶液に旋回流を形成する。
なお、図では、撹拌部111は、注入管11の一端側の端部11aの一部にのみ設けられていることとして示しているが、注入管11の全体が角筒状であることとしてもよい。
撹拌部の態様は、図1〜図3(a)に示す撹拌部111に限られない。例えば、図3(b)に示す撹拌部112のような態様であってもよい。
図3(b)に示す撹拌部112は、注入管11の端部11aに設けられた撹拌翼である。以下の説明では、撹拌翼について撹拌部112と同じく符号112を用いることがある。
図に示すように、撹拌翼112は、撹拌翼112の面112aが注入管11の延在方向に対して傾斜するように設けられているとよい。このような撹拌部112は、回転部12の機能により注入管11が回転することで、被検溶液に旋回流と軸流(注入管11の延在方向の対流)を形成する。
また、撹拌翼112は、注入管11の回転時に、注入管11の他端側の端部112xが、注入管11の一端側の端部112yよりも先行するように傾斜しているとよい。このような撹拌部112は、注入管11が回転することで、被検溶液を図中の矢印(符号Dで示す)の方向に押し出しつつ、軸流を形成する。
その他、撹拌部として、注入管の端部11aにおいて、注入管11の延在方向に延びる溝を設けることとしても構わない。断面が多角形の中空シャフト、例えば六角中空シャフトを用いてもよい。注入管11の端部11aの平面視形状が、注入管11の中心軸Lから外周までの距離が一定ではない形状、すなわち円形とは異なる形状であれば、容易に被検溶液を撹拌する撹拌部として機能する。
図1,2に戻って、回転部12は、注入管11を注入管11の中心軸Lの周りで回転させる。回転部12による注入管11の回転速度は、定速であってもよく可変であってもよい。例えば、回転部12は、注入管11を42rpmの速度で回転させる。
(検出ユニット)
本実施形態の検出ユニット20は、撹拌注入機構10と、貯留部21と、作用極22と、対極23とを含んでいる。
(貯留部、作用極)
貯留部21は、被検溶液Sを貯留する内部空間21xを有する容器である。本実施形態の貯留部21は、上端が開口した円筒状を呈している。
図4は、貯留部21の分解斜視図である。
図1,2,4に示すように、貯留部21は、筒状部211、基台212、シール部213、係止部214を有している。筒状部211、シール部213、基台212は、この順で配列することで、筒状部211の一端側の端面を基台212およびシール部213で塞いでいる。また、筒状部211、シール部213、基台212は、係止部214で係止され、一体的に貯留部21を構成している。
筒状部211は、一方向に延在した筒形状を呈し、一方向の両端が開口している。筒状部211の外形状は、円筒状の他、角筒状など種々の形状を採用することができる。
筒状部211は、筒状の本体211aと、本体211aの一端側の側面に設けられ、本体211aの外壁から筒状部211の延在方向と交差する方向に張り出した裾部211bとを有している。
筒状部211の内部は、貫通孔211cとなっている。貫通孔211cは、本発明の機能を損なわない限り種々の内径および内形状を採用することができるが、貫通孔211cの洗浄が容易であり、撹拌注入機構10による被検溶液Sの撹拌が容易であることから、内径が一定した断面視円形の空間であることが好ましい。
筒状部211は、本発明の検出ユニットおよび測定装置の機能を損なわない限り、高分子材料や無機材料など種々の形成材料を用いて形成することができる。光透過性の形成材料を用いて筒状部211を形成すると、内容物の視認が可能となり作業しやすくなるため好ましい。
本実施形態の検出ユニット20において、筒状部211はガラスを形成材料としており、本体211aの貫通孔211cが直径6mm、裾部211bが直径20mmである。
基台212は、第1部材215、第2部材216、シール部217、作用極22を有している。
第1部材215は、平面視円形の略円筒状の部材である。第1部材215には、筒状部211側とは反対側に凹部215aが設けられている。凹部215aの側壁には雌ねじ215xが形成されている。
また、第1部材215の外側の側壁には、雄ねじ215yが形成されている。さらに、平面視における第1部材215の中央部には、貫通孔215bが形成されている。
第2部材216は、平面視で第1部材215と同程度の大きさの円形を呈する部材である。第2部材216において、第1部材215側の面には、凸部216aが設けられている。凸部216aの側壁には、雄ねじ216xが形成されている。
また、平面視における凸部216aの中央部には、平面視円形の溝216bと、平面視円形の貫通孔216cと、が設けられている。貫通孔216cは、溝216bよりも平面視で小さい。
第1部材215および第2部材216は、本発明の検出ユニットおよび測定装置の機能を損なわない限り、高分子材料や無機材料など種々の形成材料を用いて形成することができる。
作用極22は、平面視円形の円盤状の部材である。作用極22の平面視の大きさは、第2部材216の溝216bよりも小さく貫通孔216cよりも大きいものとなっている。
作用極22は、導電性を有する材料であれば種々の形成材料を用いることができる。作用極22の形成材料としては、各種の金属材料や、導電性ダイヤモンドのような無機材料を例示することができる。測定装置が有機物を測定対象成分として電量滴定により定量する場合、作用極22の形成材料として導電性ダイヤモンドを採用すると、有機物の分解を促進し、測定が容易になるため好ましい。
作用極22の形成材料として採用できる「導電性ダイヤモンド」とは、絶縁体であるダイヤモンドに、13族または15族の不純物を添加し、半導体〜金属様の導電性を付与したものである。ダイヤモンドに添加する不純物としては、ホウ素、窒素、リンが好ましい。また、化学的耐性、耐久性、電気伝導度、耐腐食性に優れるため、不純物としてはホウ素がより好ましい。
このような作用極22は、少なくとも作用極22の表面が導電性ダイヤモンドで形成されていればよい。作用極22全体が導電性ダイヤモンドであってもよく、導電性ダイヤモンド以外の材料で形成された基材上に、導電性ダイヤモンドの薄膜を形成したものであってもよい。
作用極22は、作用極22に接続されている配線を介して、後述の制御部に接続されている。
シール部217は、作用極22を抑えて固定するとともに、貯留部21からの被検溶液Sの漏洩を防止する。シール部217としては、例えばOリングを用いることができる。
基台212を構成するにあたり、作用極22は、第2部材216の溝216bに嵌合している。また、第1部材215は、雌ねじ215xにより第2部材216の雄ねじ216xにねじ止めされている。その際、第1部材215は、シール部217を介して作用極22を第2部材216に押し付け固定している。
係止部214は、平面視で第1部材215よりも大きく設けられた平面視円形の略円筒状の部材である。係止部214には、第1部材215側に凹部214aが設けられている。凹部214aの側壁には雌ねじ214xが形成されている。
また、平面視における係止部214の中央部には、貫通孔214bが形成されている。貫通孔214bは、平面視で筒状部211の本体211aよりも大きく、裾部211bよりも小さい。
本実施形態の検出ユニット20において、係止部214は直径26mmであり、貫通孔214bは直径18mmである。
シール部213は、貯留部21からの被検溶液Sの漏洩を防止する。シール部213としては、例えばOリングを用いることができる。
貯留部21を構成するにあたり、筒状部211の本体211aは、係止部214の貫通孔214bに凹部214a側から挿入されている。この状態で、係止部214は、雌ねじ214xにより基台212の第1部材215の雄ねじ215yにねじ止めされている。その際、筒状部211の裾部211bと基台212との間には、シール部213が挟持されている。
このような貯留部21では、筒状部211の貫通孔211cと、第1部材215の貫通孔215bとが連通し、連通した貫通孔を作用極22が塞いでいる。貫通孔211c、貫通孔215b、作用極22、シール部213,217で囲まれた空間は、貯留部21の内部空間21xである。すなわち、本実施形態の検出ユニット20においては、作用極22は、貯留部21の一部を構成し、貯留部21の内部空間21xに面して設けられている。
(対極)
対極23は、貯留部21の内部空間21x内に、作用極22と離間して設けられている。また、対極23は、内部空間21xに貯留される被検溶液Sと接する位置に設けられている。
対極23は、導電性を有する材料を形成材料としている。対極23の形成材料としては、例えば白金、ステンレス、金などの金属材料、SnOなどの金属酸化物、炭素、導電性ダイヤモンドなどの無機物を挙げることができる。
本実施形態の対極23は、直径0.3mmの白金線を形成材料とし、筒状部211の貫通孔211cの内壁に沿って円環状に形成されている。
また、対極23は、筒状部211の本体211aに設けられた導電部231と接続している。ここで、筒状部211の本体211aは、本発明における「貯留部21の壁部」に該当する。
導電部231は、本体211aを本体211aの厚み方向に貫通して設けられている。ここで「厚み方向」とは、内部空間21xに面する本体211aの内壁面211xから、貯留部21の外部に露出する本体211aの外壁面211yに達する方向である。導電部231の一端は、内部空間21xに面する本体211aの内壁面211xにまで延在し、対極23と接続している。導電部231の他端は、貯留部21の外部に露出する本体211aの外壁面211yにまで延在し、配線239と接続している。これにより、対極23は、導電部231および配線239を介して、後述の制御部に電気的に接続されている。
貯留部21がこのような導電部231を備えることにより、導電部231を内部空間21xに配置する際、導電部231と接続する配線239を貯留部21の開口部21aを介して引き回す必要がなくなる。そのため、貯留部21の筒状部211の内径(貫通孔211cの径)を設定する際に、導電部231と接続する配線239の太さを考慮する必要がなく、当該配線が不要である分だけ筒状部211の内径を小さくすることができる。
貯留部21は、内部空間21xに貯留される被検溶液Sと電気的に導通する基準電極25を更に有している。基準電極25は、作用極22と対極23との間に印加する電圧について、基準となる電位を与える。
(基準電極)
基準電極25は、内部電極251と、有底筒状に設けられ基準電極25の内部液RSを貯留する貯留部252と、を有している。内部電極251は、貯留部252の内部に挿入され、内部液RSに接している。
基準電極25としては、公知のものを利用することができ、標準水素電極、銀−塩化銀電極、水銀−塩化水銀電極、水素−パラジウム電極等を用いることができる。基準電極25を用いることにより、作用極22と対極23との間に印加する電圧の絶対値を制御することができる。本実施形態の検出ユニット20では、基準電極25として、内部電極251が銀−塩化銀である銀−塩化銀電極を用いる。
内部電極251および内部液RSは、用いる基準電極25の種類に応じて適宜選択することができる。内部電極251の一端は内部液RSに浸漬され、他端は内部電極251に接続されている配線259を介して、後述の制御部に接続されている。
また、基準電極25は、筒状部211の本体211aに設けられた液絡部253と接続している。液絡部253は、例えば多孔質のセラミックスを形成材料としている。
液絡部253は、本体211aを本体211aの厚み方向に貫通して設けられている。液絡部253の一端は、内部空間21xに面する本体211aの内壁面211xにまで延在している。液絡部253の他端は、貯留部21の外部に露出する本体211aの外壁面211yにまで達し、さらに、貯留部252の壁を貫通して、貯留部252において内部液RSが貯留されている内部空間に達している。これにより、貯留部21に貯留されている被検溶液Sと、基準電極25の貯留部252において貯留されている内部液RSとが、液絡部253を介して繋がる。したがって、基準電極25と貯留部21に貯留されている被検溶液Sとが、電気的に導通する。
貯留部21がこのような液絡部253を備えることにより、基準電極25を被検溶液Sと接触させる際、基準電極25を貯留部21の開口部21aから挿入する必要がなくなる。そのため、筒状部211の内径を小さくすることができる。
本実施形態の検出ユニット20においては、上述の撹拌注入機構10が有する注入管11が、一端側の端部11aから貯留部21の内部空間21xに挿入されている。貯留部21において、注入管11は、端部11aが作用極22と近接する位置にまで挿入されている。すなわち、作用極22は、端部11aと対向する位置に設けられている。また、平面視において、端部11aは、貯留部21の底部に円形に露出する作用極22の中心と重なる位置に配置していると好ましい。
このような検出ユニット20では、当初、貯留部21に基準液S1を貯留しておき、撹拌注入機構10の注入管11を介して試料を基準液S1に注入することができる。さらに、注入管11が回転することで、基準液S1と試料とを混合し、容易に被検溶液Sを調整することができる。
(注入部)
本実施形態の検出ユニット20は、さらに、貯留部21の内部空間21xに試料を注入する注入部30を有している。
注入部30は、試料を保持する保持部31と、撹拌注入機構10の注入管11の貫通孔11bに挿入された注入小管32と、保持部31と注入小管32とを接続する配管33と、配管33の経路内に設けられ保持部31から試料を排出する排出部34と、を有している。
保持部31は、例えば、測定対象成分が溶解した液状の試料を保持するタンクである。
注入小管32は、注入管11と同じく一方向に延在した筒形状を呈し、一方向の両端が開口している。注入小管32は、注入管11の貫通孔11b内に挿入されている。注入小管32の端面32aは、例えば、注入管11の延在方向において、注入管11の端面11cと揃う位置に配置されている。
注入小管32の内部は貫通孔32bとなっており、保持部31から供給される試料が流動する配管として機能する。注入小管32の他端側の端部32cは、貫通孔32bの内径が拡大し漏斗状となっていてもよい。
注入小管32は、回転部12による回転する注入管11とは独立している。そのため、注入管11が回転していても、注入管11に挿入された注入小管32は回転することなく停止している。
配管33は、注入小管32の他端側の端部32cと保持部31とを接続しており、内部を試料が流動する。
排出部34は、例えば、保持部31から試料を排出する微量ポンプである。排出部34は、後述の制御部に接続され、試料の排出量が制御されていてもよい。
このような注入部30は、保持部31に保持した試料を、少量ずつ貯留部21に貯留した基準液S1に注入することができる。
なお、注入部30としては、上記構成の他に、通常のシリンジを用いることもできる。その場合、保持部31はシリンジのピストンが対応し、排出部34はシリンジのプランジャーが対応する。このような構成の場合、シリンジポンプを用いて試料の注入量を制御してもよい。
(測定装置)
本実施形態の測定装置1は、検出ユニット20と、制御装置40とを含んでいる。
(制御装置)
制御装置40は、作用極22と対極23との間に電圧を印加する電源(電圧印加手段)41と、電圧印加中に作用極22と対極23との間に流れる電流値を検出する検出手段42と、検出された電流値の積分値である電気量を求め、この電気量に基づいて試料に含まれる測定対象成分の量を求める演算部43と、を有している。
電源41としては、例えば公知のポテンショスタットを用いることができる。電源41は、作用極22の電位を基準電極25に対して一定にした状態で、作用極22と対極23との間に電圧を印加する。
検出手段42としては、例えば公知の電流計を用いることができる。検出手段42は、作用極22と対極23との間に流れる電流値を検出する。
演算部43は、検出手段42で検出した電流値に基づいて測定対象成分の量を算出する。演算部43における演算は、検出された電流値を積分して電気量を求め、得られた電気量に基づいて試料に含まれる測定対象成分を定量するものである。
電気量は、具体的には次のようにして求められる値である。
演算部43においては、まず、検出手段42において検出される電流値と測定時間との関係について、縦軸を電流値、横軸を時間とするグラフを作成する。次いで、作成したグラフにおいて、試料滴下直前の電流値と、試料滴下後に電流値が安定した時点での電流値とを直線で結ぶ。当該直線をベースラインとする。次いで、「試料滴下直前」から「試料滴下後に電流値が安定した時点」までの測定時間の範囲において、ベースラインとグラフとで囲まれた領域の面積を積分して求めることにより、電気量が求められる。
例えば、本実施形態の測定装置を用いて試料のCODを測定する場合について、以下説明する。試料には、測定対象成分として有機物が含まれる。
測定対象成分である有機物をCと表した場合、有機物の酸化分解に必要な酸素分子のモル数は、下記式(1)に従い、下記式(2)で表すことができる。
+xO → aCO+b/2HO+cNO …(1)
x=a+b/4+c−d/2 …(2)
一方、試料に含まれる有機物は、作用極22の表面に発生するOHラジカルの高い酸化力により、下記式(3)に示すような酸化分解を起こす。
+yOH→aCO+(b+y)/2HO+cNO+ye
…(3)
このとき、酸化分解には、下記式(4)に示すyモルの電子が必要になる。
y=4a+b+4c−2d …(4)
式(2)(4)から、y=4xという比例関係であることが分かり、有機物を特定するa〜dの値によらず、全酸化分解に必要な電気量から正確なCODを求めることができる。
さらに、1モルの電子が持つ電荷は、ファラデー定数より96485クーロンであるため、Zリットルの被検溶液の実測電気量YクーロンからCOD値X(mg/L)を下記式(5)として求めることができる。
X=(Y/96485)×(1/Z)×1/4×32×10
=0.083×Y/Z …(5)
CODの他、同様の考え方により、BOD,TOCを求めることができる。さらに、酸化分解される対象物(測定対象成分)を水中オゾンや二酸化塩素に置き換えて、同様の考え方により、水中オゾン量や二酸化塩素量を測定することもできる。
ここで、本実施形態の測定装置1においては、上述した本実施形態の撹拌注入機構10や、検出ユニット20を含んでいる。そのため、測定装置1を用いた測定においては、以下に示すような効果を奏する。
図5は、測定装置を用い試料に含まれる測定対象成分を定量する様子を示す部分拡大図である。図5(a)は、撹拌注入機構10を有さない測定装置100を想定した場合に、基準液S1に試料Saを追加する様子を示す。図5(b)は、本実施形態の測定装置1において、基準液S1に試料Saを注入する様子を示す。ここでは、測定装置を用い、試料のCODを測定することとして説明する。
まず、図5(a)に示すように、本実施形態の撹拌注入機構10を有さない測定装置100においては、貯留部21に貯留された基準液S1に試料Saを滴下することで、基準液S1に試料Saを追加する。追加された試料Saは、基準液S1の液面から拡散しながら基準液S1の全体に広がることで、被検溶液Sが調整される。
上述したように、試料Saに含まれる測定対象成分を電量滴定にて定量するためには、全ての測定対象成分が酸化分解され、測定対象成分の量に対応する電流を検出する必要がある。しかし、図5(a)に示す測定装置100では、測定対象成分が基準液S1の全体に拡散してしまうため、測定対象成分の全量が作用極22の表面に達し、全て酸化分解されるまでに長時間を要することとなる。
一方、図5(b)に示す測定装置1では、試料Saを、注入小管32を介して作用極22の表面近傍に注入することができる。注入小管32の端面32aは、作用極22の中心と重なる位置に配置しているため、試料Saは等方的に広がりながら、効率的に作用極22の表面に接する。さらに、注入管11が回転することで、基準液S1に旋回流を形成する。これにより、試料Saは作用極22の表面に沿って容易に拡散する。
すなわち、本実施形態の測定装置1においては、基準液S1に試料Saを注入して撹拌して被検溶液Sを調製する際、端面32aの近傍で調整される高濃度な被検溶液Sを作用極22に接触させ、効率的に測定対象成分を酸化分解することができる。そのため、基準液S1の全体に試料Saが拡散する前に、測定対象成分を酸化分解することが可能となり、短時間のうちに測定を終えることができる。
本実施形態の撹拌注入機構、検出ユニットおよび測定装置は、以上のような構成となっている。
以上のような構成の撹拌注入機構によれば、被検溶液を貯留する貯留部(測定セル)において測定対象成分を含む試料の注入と撹拌とを同時に実施可能である撹拌注入機構を提供することができる。
また、以上のような構成の検出ユニットおよび測定装置によれば、測定対象成分を迅速に定量可能となる。
なお、本実施形態においては、作用極22が取り外し可能であることとしたが、これに限らず、貯留部21に固定されていることとしてもよい。また、作用極22が貯留部21の一部を構成することなく、貯留部21とは別体であることとしてもよい。
また、本実施形態においては、作用極22は貯留部21の底部に設けられていることとしたが、これに限らない。例えば、作用極22を貯留部21の内部空間21xに面する側壁に設けることとしてもよい。この場合、内部空間21xに挿入する注入管11の端部11aが作用極22と対向する位置に配置されるように、例えば、貯留部21の側壁に貫通孔を設け、当該貫通孔から注入管11を挿入することとしてもよい。
また、本実施形態においては、基準電極25は液絡部253を介して貯留部21内の被検溶液Sと電気的に導通することとしたが、これに限らない。貯留部21において注入管11を挿入する開口部21aから内部空間21xに基準電極25を挿入することとしてもよい。
また、本実施形態においては、注入管11の貫通孔11bに注入小管32が挿入されている構成としたが、これに限らない。注入小管32を用いることなく、試料Saが注入管11内を流動する構成としてもよい。
その場合、配管33と注入管11とを直接接続することとなるため、接続箇所には、注入管11の回転を阻害することなく試料Saの漏洩を防ぐ、シール性の高いベアリングを採用することが好ましい。
(変形例)
また、本実施形態において、貯留部21は、上端が開口した筒状を呈していることとしたが、これに限らない。
図6は、本実施形態の変形例に係る測定装置2の概略断面図である。図に示すように測定装置2は、撹拌注入機構10と、貯留部50と、作用極52と、対極53と、不図示の制御部とを有している。
貯留部50は、2つの開口部51a,51bを有する中空容器である本体51と、開口部51aと連通する配管54と、開口部51bと連通する配管55と、を有している。配管54には配管54の開閉を制御する弁541が設けられている。配管55には配管55の開閉を制御する弁551が設けられている。
このような貯留部50においては、弁541,551を閉じることで、内部空間51xが形成される。貯留部50は、内部空間51xに被検溶液Sを貯留する。
本体51の内壁には、内部空間51xに面して作用極52が設けられている。また、本体51の内壁には、作用極52と離間し、内部空間51xに貯留される被検溶液Sと接する対極53が設けられている。作用極52および対極53の形成材料については、上述したものと同様のものを採用することができる。
本体51の壁部には、貫通孔51yが設けられている。撹拌注入機構10の注入管11の端部11aは、貫通孔51yを介して内部空間51xに挿入されている。
また、貫通孔51yには、注入管11の回転を阻害することなく、被検溶液Sの漏洩を抑制するシール部56が設けられている。シール部56には、注入管11の回転を阻害することなく被検溶液Sの漏洩を防ぐ、シール性の高いベアリングを採用することが好ましい。
さらに、測定装置2は、上述した基準電極を有していてもよい。
このような測定装置2においては、例えば、配管54から基準液S1を内部空間51xに供給し、試料の電量滴定を行った後、配管55を介して測定後の被検溶液Sを内部空間51xから排出する。これにより、容易に連続して試料中の測定対象成分を定量することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状、寸法、組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
上述の図1,2に示した測定装置を用いた。作用極として、マイクロ波プラズマCVD装置を用いて作製したドープホウ素濃度10000ppmの導電性ダイヤモンドを用いた。また、対極として白金電極、基準電極として銀−塩化銀電極を用いた。注入管は、端部が六角筒状となっているものを用いた。
貯留部に0.1mol/L濃度の硫酸ナトリウム水溶液250μLを入れ、注入管を貯留部の内部空間に挿入した。このとき、注入管の端部が、硫酸ナトリウム水溶液に浸漬し、作用極に対向する位置となるように調節した。
次いで、注入管を回転させることで撹拌しながら、作用極に2.45V(vs.Ag/AgCl)の電位を印加した。電流値の変化が±10μA以内となる状態(安定状態)が30秒以上維持されたことを確認した。この時点の硫酸ナトリウム水溶液を基準液とした。
作用極への2.45V(vs.Ag/AgCl)の電位の印加と、注入管の回転による撹拌とを続けた基準液に、試料として、フタル酸水素カリウム10nmolを含む0.1mol/L硫酸ナトリウム水溶液100μLを添加した。試料中のフタル酸水素カリウムは、本発明における測定対象成分に該当する。
次いで、作用極への2.45V(vs.Ag/AgCl)の電位の印加と、注入管の回転による撹拌とを続けた状態を、検出される電流値の変化が±10μA以内となる安定状態が30秒以上維持されるまで保持した。
制御部により、横軸が測定時間(単位:秒)、縦軸が検出された電流値(単位:mA)となるグラフを作成し、検出された電流値の積分値である電気量を求めた。電気量は、安定状態が30秒以上維持され、試料を添加する直前の電流値(図7において符号Aで示す)と、試料添加後に安定状態が開始した時点(図7において符号Bで示す)から30秒後の電流値(図7において符号Cで示す)とを結ぶ直線をベースライン(図7において符号Dで示す)とし、符号Aの測定時間から符号Cの測定時間までの範囲において、ベースラインとグラフとで囲まれた領域の面積から求めた。図7は、実施例1において作成したグラフである。
(実施例2)
試料に含まれるフタル酸水素カリウムの量を5nmolとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の測定を行った。図8は、実施例2において作成したグラフである。
(実施例3)
試料に含まれるフタル酸水素カリウムの量を1nmolとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の測定を行った。図9は、実施例3において作成したグラフである。
(実施例4)
試料に含まれるフタル酸水素カリウムの量を0.5nmolとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の測定を行った。図10は、実施例4において作成したグラフである。
(比較例1)
注入管を回転させず撹拌しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の測定を行った。図11は、比較例1において作成したグラフである。
(比較例2)
注入管を回転させず撹拌しなかったこと以外は実施例2と同様にして、比較例2の測定を行った。
(比較例3)
注入管を回転させず撹拌しなかったこと以外は実施例3と同様にして、比較例3の測定を行った。
(比較例4)
注入管の代わりに貫通孔を有さない3mm径の六角柱を用い、試料を貯留部に貯留した基準液の液面に滴下したこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の測定を行った。図12は、比較例4において作成したグラフである。
結果を表1,2に示す。表には、用いたフタル酸水素カリウムを分解するのに要する電気量の理論値を併記する。
Figure 2016161385
(表中、KHPはフタル酸水素カリウムを示す)
Figure 2016161385
(表中、KHPはフタル酸水素カリウムを示す)
測定の結果、実施例1〜4においては、電気量の測定が可能であった。また、得られた結果は、理論値に近い値であった。
一方、撹拌を行わない比較例1〜3においては、電気量は測定されたが、得られた結果は理論値からの乖離が大きく、信頼できる値は得られなかった。
また、試料を基準液の液面に滴下する比較例4においては、電気量を検出することはできなかった。
以上の結果から、本発明が有用であることが分かった。
1,2,100…測定装置、10…撹拌注入機構、11…注入管、11a…端部、12…回転部、20…検出ユニット、21,50…貯留部、21x,51x…内部空間、22,52…作用極、23,53…対極、25…基準電極、41…電源(電圧印加手段)、42…検出手段、43…演算部、S1…基準液、Sa…試料、111,112…撹拌部、112a…面、211x…内壁面、211y…外壁面、215b…貫通、231…導電部、251…内部電極、253…液絡部、L…中心軸、S…被検溶液

Claims (8)

  1. 基準液に測定対象成分を含む試料を注入して撹拌し、被検溶液を調整する撹拌注入機構であって、
    一方向に延在した筒形状を呈し、前記一方向における両端が開口した注入管と、
    前記注入管を前記注入管の中心軸の周りで回転させる回転部と、を含み、
    前記注入管の少なくとも一端側の端部は、前記被検溶液を撹拌可能とする撹拌部とされている撹拌注入機構。
  2. 被検溶液を貯留する貯留部と、
    前記貯留部に貯留された基準液に測定対象成分を含む試料を注入して撹拌し、前記被検溶液を調整する撹拌注入機構と、
    前記貯留部の内部空間に面して設けられた作用極と、を含み、
    前記撹拌注入機構は、一方向に延在した筒形状を呈し、前記一方向における両端が開口した注入管と、
    前記注入管を前記注入管の中心軸の周りで回転させる回転部と、を有し、
    前記注入管は、一端側の端部が前記内部空間に挿入され、
    前記作用極は、前記注入管の前記一端側の端部と対向して設けられている検出ユニット。
  3. 前記作用極と離間し、前記内部空間に貯留される前記被検溶液と接する対極をさらに有する請求項2に記載の検出ユニット。
  4. 前記貯留部の壁部には、前記壁部を前記壁部の厚み方向に貫通する導電部が設けられ、
    前記対極は、前記導電部と電気的に接続している請求項3に記載の検出ユニット。
  5. 前記内部空間に貯留される前記被検溶液と電気的に導通する基準電極をさらに有する請求項2から4のいずれか1項に記載の検出ユニット。
  6. 前記貯留部の壁部には、前記壁部を前記壁部の厚み方向に貫通する液絡部が設けられ、
    前記基準電極は、前記液絡部を介して前記内部空間に貯留される前記被検溶液と電気的に導通する請求項5に記載の検出ユニット。
  7. 請求項3または4に記載の検出ユニットと、
    前記作用極と前記対極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記電圧の印加中に流れる電流量を検出する検出手段と、
    検出された前記電流量に基づいて演算し、前記試料に含まれる前記測定対象成分の量を求める演算部と、を有する測定装置。
  8. 被検溶液を貯留する貯留部と、
    前記貯留部に貯留された基準液に測定対象成分を含む試料を注入して撹拌し、前記被検溶液を調整する撹拌注入機構と、
    前記貯留部の内部空間に面して設けられ、導電性ダイヤモンドを形成材料とする作用極と、
    前記作用極と離間し、前記内部空間に貯留される前記被検溶液と接する対極と、
    前記作用極と前記対極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記電圧の印加中に流れる電流量を検出する検出手段と、
    検出された前記電流量を積算し、前記試料に含まれる前記測定対象成分の量を求める演算部と、を含み、
    前記測定対象成分は有機物であり、
    前記撹拌注入機構は、一方向に延在した筒形状を呈し、前記一方向における両端が開口した注入管と、
    前記注入管を前記注入管の中心軸の周りで回転させる回転部と、を有し、
    前記注入管は、一端側の端部が前記内部空間に挿入され、
    前記作用極は、前記注入管の前記一端側の端部と対向して設けられている有機物測定装置。
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