JP6518937B2 - 固体型残留塩素センサーおよびこれを備えた水道メーター - Google Patents

固体型残留塩素センサーおよびこれを備えた水道メーター Download PDF

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Description

本発明は、水道メーターに適用可能な固体型残留塩素センサーおよびこれを備えた水道メーターに関する。
水道水の消毒は水道法第22条に基づく水道法施行規則(厚生労働省令)第17条3号により「給水栓(蛇口)における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L以上(結合残留塩素の場合は0.4mg/L)以上保持するように塩素消毒をすること。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染される恐れがある場合、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物もしくは物質を多量に含む恐れのある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は0.2mg/L(結合残留塩素の場合は、1.5mg/L)以上とする」と規定されている。
現在、給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の濃度が上記の範囲となるように、浄水場において、塩素濃度を管理しており、給水栓に近いところでは、水道水に含まれる遊離残留塩素の濃度を管理していない。
従来、水道水中の遊離残留塩素の濃度を測定する方法としては、定電位電解法が用いられている。定電位電解法は、固有の電解電位を印加して、目的の物質を酸化/還元することにより生ずる電流の変化を測定する方法である。
また、給水末端等で主流となっている吸光光度法は、水道水に発色試薬を添加し、発色試薬と塩素との反応による発色の度合いを見ることにより、遊離残留塩素の濃度を測定するものである。例えば、遊離残留塩素の濃度が分かっている標準液(水道水)に発色試薬を添加して、標準液中の遊離残留塩素を発色させ、吸光光度法により、その色の吸光度を測定して、遊離残留塩素の濃度と吸光度の関係を調べる。この遊離残留塩素の濃度と吸光度の関係を、標準液中の遊離残留塩素の濃度を変化させて、繰り返し調べて、得られた結果に基づいて、遊離残留塩素の濃度と吸光度の関係を示す検量線を作成する。その後、遊離残留塩素の濃度が分からない水道水(試料)に発色試薬を添加して、試料中の遊離残留塩素を発色させ、吸光光度法により、その色の吸光度を測定し、得られた吸光度を検量線に当てはめて、試料中の遊離残留塩素の濃度を得る。このように、吸光光度法では、水道水中の遊離残留塩素の濃度を常時観察することが難しかった。
また、定電位電解法は、水道水に電流を流すために大きな電力が必要であるため、電力消費量が大きい。そのため、所定の期間(例えば、8年以上)、容量に限りがある電池で、水道管の途中に設けられた、定電位電解法を応用した残留塩素センサーを稼働させることは難しい。
そこで、電力等のエネルギーを必要とすることなく稼働する電極型センサーが提案されている。具体的には、銀−塩化銀電極からなり、陽極となる第一の電極と、白金電極からなり、陰極となる第二の電極とを有し、これら2つの電極を、水道水に電極を浸漬させることにより、2つの電極間に生じる起電力を利用して、水道水中の遊離残留塩素を測定する電極型センサーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−72879号公報
特許文献1の電極型センサーは、さらに、第二の電極よりも標準電極電位が低く、金電極からなる第三の電極を備えており、構造が複雑であるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、構造が簡易な無給電式の固体型残留塩素センサーおよびこれを備えた水道メーターを提供することを目的とする。
本発明の固体型残留塩素センサーは、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極に接続された電圧計と、を備え、前記第1電極を構成する金属は、前記第2電極を構成する金属よりも、水道水中の遊離残留塩素に対する反応性が高く、前記第1電極を構成する金属と、前記第2電極を構成する金属とは、前記水道水の水質因子および環境因子の変化量に対する電極電位の変化量が近似しており、前記第1電極を構成する金属は白金であり、前記第2電極を構成する金属はSUS316またはSUS316Lであり、前記水質因子は、前記水道水のpH、溶存酸素濃度、塩化物イオン濃度、硬度成分であり、前記環境因子は、前記水道水の温度であり、前記一対の電極は、前記水道水が流れる配管の長手方向に沿って配置されていることを特徴とする。
ここで、水質因子とは、pH、溶存酸素濃度、塩化物イオン濃度、硬度成分(Ca、Mg)等の電位に変化を及ぼす水質管理項目のことである。また、環境因子とは、水温等の電位に変化を及ぼす組立量のことである。
本発明の固体型残留塩素センサーにおいて、前記一対の電極における前記水道水と接する部分は、連続気孔を有する多孔質体で包囲されたことが好ましい。
本発明の固体型残留塩素センサー第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極に接続された電圧計と、を備え、前記第1電極を構成する金属は、前記第2電極を構成する金属よりも、水道水中の遊離残留塩素に対する反応性が高く、前記第1電極を構成する金属と、前記第2電極を構成する金属とは、前記水道水の水質因子および環境因子の変化量に対する電極電位の変化量が近似しており、前記第1電極を構成する金属は白金であり、前記第2電極を構成する金属はSUS316またはSUS316Lであり、前記水質因子は、前記水道水のpH、溶存酸素濃度、塩化物イオン濃度、硬度成分であり、前記環境因子は、前記水道水の温度であり、前記第1電極および前記第2電極は、前記水道水が流れる配管の内面に露出するように設けられ、前記第1電極および前記第2電極は、前記配管の一部をなすように、前記配管と相似な形状をなし、前記第1電極と前記第2電極の間には、前記第1電極および前記第2電極と相似の形状をなす絶縁部材が設けられ、前記第1電極の内面、前記第2電極の内面および前記絶縁部材の内面は、前記配管の内面と同一面を形成していることを特徴とする
本発明の固体型残留塩素センサーにおいて、前記配管は円筒形であり、前記第1電極、前記第2電極および前記絶縁部材は円環状をなしていることが好ましい。
本発明の水道メーターは本発明の固体型残留塩素センサーを備えたことを特徴とする
本発明によれば、構造が簡易な無給電式の固体型残留塩素センサーおよびこれを備えた水道メーターを提供することができる。
本発明の固体型残留塩素センサーの第1の実施形態を示す模式図である。 本発明の固体型残留塩素センサーの第1の実施形態の使用方法示す概略図であり、(a)は固体型残留塩素センサーを設置した配管の長手方向に沿う断面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。 本発明の固体型残留塩素センサーの第2の実施形態を示す概略斜視図である。 実験例1において、白金(Pt)からなる電極の電位を測定した結果を示すグラフである。 実験例2において、SUS316からなる電極の電位を測定した結果を示すグラフである。 実験例3において、SUS316Lからなる電極の電位を測定した結果を示すグラフである。 実験例4において、作用極の電位と溶液のpHとの関係を示すグラフである。 実験例5において、白金(Pt)からなる電極とSUS316Lからなる電極の電位差を測定した結果を示すグラフである。
本発明の固体型残留塩素センサーおよびこれを備えた水道メーターの実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[固体型残留塩素センサー]
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の固体型残留塩素センサーの第1の実施形態を示す模式図である。図2は、本発明の固体型残留塩素センサーの第1の実施形態の使用方法示す概略図であり、(a)は固体型残留塩素センサーを設置した配管の長手方向に沿う断面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
本実施形態の固体型残留塩素センサー10は、水道水20中の遊離残留塩素の濃度を測定するために用いられ、陰極となる第1電極11と、陽極となる第2電極12と、第1電極11および第2電極12の電位差を測定するために接続された電圧計13と、を備えてなる。
第1電極11は、その長手方向の一端(水道水20に浸漬されたときに下方に配置される側とは反対側の端)に、電圧計13と接続するためのリード14が接続されている。また、リード14は、その長手方向の一端(第1電極11と接続されている側とは反対側の端)に、電圧計13に接続される端子(図示略)が設けられている。
同様に、第2電極12は、その長手方向の一端(水道水20に浸漬されたときに下方に配置される側とは反対側の端)に、電圧計13と接続するためのリード15が接続されている。また、リード15は、その長手方向の一端(第2電極12と接続されている側とは反対側の端)に、電圧計13に接続される端子(図示略)が設けられている。
第1電極11を構成する金属は、第2電極12を構成する金属よりも、水道水20中の遊離残留塩素に対する反応性が高い。本実施形態において、第1電極11を構成する金属が、水道水20中の遊離残留塩素に対する反応性が高いとは、第1電極11を構成する金属が、水道水20に含まれる微量(例えば、1ppm〜10ppm)の遊離残留塩素と反応して、電極電位が変化することを言う。
水道水を造るために、水を塩素化合物で消毒するとき、例えば、水に塩素ガスを溶かすと、水(HO)と塩素ガス(Cl)が反応して、次亜塩素酸(HOCl)と、塩酸(HCl)とが発生し、さらに、次亜塩素酸(HOCl)の一部は、次亜塩素酸イオン(OCl)と、水素イオン(H)とに解離する。第1電極11では、下記式(1)に示すような遊離残留塩素(例えば、次亜塩素酸イオン(OCl))の還元反応が生じる。
OCl+HO+2e→Cl+2OH (1)
第1電極11の表面では、上記式(1)に示すような、遊離残留塩素の還元反応と、それと対をなす酸化反応(第1電極11が腐食性金属の場合は、下記式(2)に示すような金属(M)の溶解(金属イオン(Mn)の分離)反応)が生じ、還元反応と酸化反応が釣り合うことで定常状態の電位になる。
一方、第2電極12を構成する金属は、第1電極11を構成する金属よりも、水道水20中の遊離残留塩素に対する反応性が低い。本実施形態において、第2電極12を構成する金属が、水道水20中の遊離残留塩素に対する反応性が低いとは、第2電極12を構成する金属が、水道水20に含まれる微量(例えば、1ppm〜10ppm)の遊離残留塩素と反応して、電極電位が変化しないことを言う。また、第2電極12が腐食性金属の場合には、下記式(2)に示すような金属(M)の溶解(金属イオン(Mn+)の分離)反応と溶液中に含まれる溶存酸素の還元反応あるいは水からの水素発生反応と釣り合った状態で電位が定常状態となる。
M→Mn++ne (2)
(但し、nは1または2である。)
また、第1電極11を構成する金属と、第2電極12を構成する金属とは、水道水20の水質因子および環境因子の変化量に対する電極電位の変化量が近似している。ここで、水質因子とは、水道水20のpH、溶存酸素濃度、塩化物イオン濃度、硬度成分(Ca、Mg)等の電位に変化を及ぼす水質管理項目のことである。また、環境因子とは、水道水20の温度等の電位に変化を及ぼす組立量のことである。これは、第1電極11を構成する金属と第2電極12を構成する金属との間に、以下のような関係があることを示している。なお、ここでは、水道水20のpHに着目して、第1電極11を構成する金属と第2電極12を構成する金属との関係を説明する。
水道水20中の遊離残留塩素の濃度を一定にした状態で、水道水20のpHのみを変化させて、第1電極11を構成する金属の電極電位と、第2電極12を構成する金属の電極電位とを測定して、それぞれの電極を構成する金属について、pHと電極電位の関係を示すグラフを作成する。例えば、pHをX軸(横軸)、電極電位をY軸(縦軸)として、第1電極11を構成する金属と第2電極12を構成する金属のそれぞれについて、pHと電極電位の関係を示すグラフを作成する。そのグラフから、第1電極11を構成する金属と第2電極12を構成する金属のそれぞれについて、pHと電極電位の関係を表わす直線(一次関数)を得る。本実施形態では、得られた第1電極11を構成する金属に関する直線の傾きと、第2電極12を構成する金属に関する直線の傾きとが近似している。言い換えれば、第1電極11を構成する金属に関する直線と、第2電極12を構成する金属に関する直線とが、ほぼ平行になっている。
このような第1電極11と第2電極12の関係を満たす金属としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
第1電極11を構成する金属としては、電極電位の経時変化が小さく、水道水20に含まれる微量の遊離残留塩素との反応性が高いことから、白金またはチタンが好ましい。
第2電極12を構成する金属としては、中性付近の溶液中で強固な不動態皮膜を形成し得る金属が好ましい。このような金属としては、SUS316、SUS316L、タングステン(W)、タンタル(Ta)等が挙げられ、これらの中でも、電極電位の経時変化が小さいことから、SUS316またはSUS316Lが好ましい。
本実施形態の固体型残留塩素センサー10は、例えば、図2に示すように、配管(水道管)30に設けられて、用いられる。すなわち、配管30を厚さ方向に貫通する貫通孔31に第1電極11を挿通し、第1電極11が配管30の内面30aに露出するように、配管30に対して第1電極11が設けられる。なお、第1電極11が配管30の内面30aに露出するとは、第1電極11の先端11aが、配管30の内面30aとほぼ同一面上に配置されることであり、言い換えれば、第1電極11の先端11aが、配管30の内面30aから配管30内に突出しないように配置されることである。同様に、配管30を厚さ方向に貫通する貫通孔32に第2電極12を挿通し、第2電極12が配管30の内面30aに露出するように、配管30に対して第2電極12が設けられる。なお、第2電極12が配管30の内面30aに露出するとは、第2電極12の先端12aが、配管30の内面30aとほぼ同一面上に配置されることであり、言い換えれば、第2電極12の先端12aが、配管30の内面30aから配管30内に突出しないように配置されることである。
このように、第1電極11および第2電極12が、配管30の内面30aから配管30内に突出することなく、配管30の内面30aに露出するように設けられることにより、第1電極11および第2電極12が、配管30内を流れる水道水20の流速の影響を受け難くなるとともに、圧力損失の発生を抑制する。
第1電極11および第2電極12における水道水20と接する部分、すなわち、第1電極11の先端11aおよび第2電極12の先端12aは、多孔質体40で包囲されていることが好ましい。
多孔質体40の形状は、特に限定されないが、例えば、第1電極11の先端11aおよび第2電極12の先端12aの形状に沿った形状であることが好ましい。
多孔質体40としては、特に限定されないが、連続気孔(空孔)を有する多孔質セラミックス等が挙げられる。
多孔質体40の空孔率は、特に限定されないが、少なくとも、第1電極11および第2電極12が常に水道水20に接し、かつ、配管30内を流れる水道水20の流れを大きく妨げない程度である必要がある。
このように、第1電極11および第2電極12における水道水20と接する部分が多孔質体40で包囲されることにより、配管30内を流れる水道水20の流速の影響を低減して、第1電極11および第2電極12によって、より正確に水道水20中の遊離残留塩素の濃度を測定することができる。
固体型残留塩素センサー10は、水道水20に、第1電極11および第2電極12を接触させることにより、水道水20に含まれる微量の遊離残留塩素によって、第1電極11において、上述のような遊離残留塩素の還元反応と金属(M)上で酸化反応が生じて釣り合い、その釣り合いの条件が遊離残留塩素の濃度に応じて変化することで、第1電極11と第2電極12の電位差が変化する。また、第1電極11と第2電極12の電位差は、水道水20に含まれる遊離残留塩素の濃度と比例関係にあるため、その電位差によって、遊離残留塩素の濃度を測定することができる。
本実施形態の固体型残留塩素センサー10によれば、第1電極11、第2電極12および電圧計13という簡易な構造によって、メンテナンスフリーで長期間、配管30の途中で水道水20中の遊離残留塩素の濃度を常時測定することができる。すなわち、吸光光度法のように、発色試薬を用いる必要がないため、低コストで、水道水中の遊離残留塩素の濃度を測定することができる。
(2)第2の実施形態
図3は、本発明の固体型残留塩素センサーの第2の実施形態を示す概略斜視図である。
本実施形態の固体型残留塩素センサー50は、水道水中の遊離残留塩素の濃度を測定するために用いられ、陰極となる第1電極51と、陽極となる第2電極52と、第1電極51および第2電極52に接続された電圧計53と、を備えてなる。
第1電極51および第2電極52は、固体型残留塩素センサー50が設けられる配管(水道管)60の一部をなすように、配管60と相似の形状をなしている。図3に示すように、例えば、配管60が円筒形である場合、第1電極51および第2電極52は円環状をなし、その内径および外径が、配管60の内径および外径と等しくなっている。また、第1電極51と第2電極52の間には、これら2つの電極が短絡するのを防ぐための絶縁部材56が設けられている。絶縁部材56は、第1電極51および第2電極52と相似の形状をなし、本実施形態では、円環状をなしている。
第1電極51の内面51a、第2電極52の内面52aおよび絶縁部材56の内面56aは、配管60の内面60aと同一面を形成している。また、第1電極51の外面51b、第2電極52の外面52bおよび絶縁部材56の外面56bは、配管60の外面60bと同一面を形成している。
第1電極51は、その外面51bに、電圧計53と接続するためのリード54が接続されている。また、リード54は、その長手方向の一端(第1電極51と接続されている側とは反対側の端)に、電圧計53に接続される端子(図示略)が設けられている。
同様に、第2電極52は、その外面52bに、電圧計53と接続するためのリード55が接続されている。また、リード55は、その長手方向の一端(第2電極52と接続されている側とは反対側の端)に、電圧計53に接続される端子(図示略)が設けられている。
第1電極51は、上述の第1の実施形態の第1電極11と同様に構成されている。また、第2電極52は、上述の第1の実施形態の第2電極12と同様に構成されている。
本実施形態の固体型残留塩素センサー50は、第1電極51および第2電極52が配管60の一部をなしているので、第1電極51および第2電極52が、配管60の内面60aから配管60内に突出することなく、配管60の内面60a側に露出するように設けられ、第1電極51および第2電極52が、配管60内を流れる水道水の流速の影響を低減して、第1電極51および第2電極52によって、より正確に水道水中の遊離残留塩素の濃度を測定することができる。
[水道メーター]
本実施形態の水道メーターは、上述の実施形態の固体型残留塩素センサーを備えてなる。
本実施形態の水道メーターの形態は、特に限定されないが、指示部回転式水道メーター、乾式水道メーター、たて型軸流羽根車式水道メーター、タービン式水道メーター、電子式水道メーター、接点パルス出力式水道メーター、電磁式水道メーター等が挙げられる。
本実施形態の水道メーターは、例えば、上記の水道メーターの計測管に、上述の実施形態の固体型残留塩素センサーが設けられたものである。すなわち、水道メーターにおける水道水が流れる部分(水道水の流速を測定する部分)に、上述の実施形態の固体型残留塩素センサーが設けられている。
本実施形態の水道メーターによれば、水道水の流量のみならず、給水栓(蛇口)により近い位置で、水道水中の遊離残留塩素の濃度を常時測定することができるとともに、水道メーターの指針値の経時変化を基に流速の影響を補正することができる。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
「実験例1」
リン酸1水素ナトリウムとリン酸2水素ナトリウムを、モル比で1:1の割合で含む0.02Mリン酸緩衝溶液を調製し、ベース溶液とした。
このベース溶液に、遊離残留塩素を含む水溶液を注入し、次亜塩素酸の濃度が0.1ppmの次亜塩素酸溶液を調製した。
参照電極として、Ag/AgCl電極を用意した。
作用極として、白金からなる電極を用意し、炭化ケイ素(SiC)2400番研磨紙で表面を研磨した後、エタノールで脱脂した。
これらの参照電極と作用極を電圧計に接続した。
次いで、フローセル中に注入されたベース溶液に、参照電極と作用極を浸漬し、室温で60分間、ベース溶液を流通させ、作用極の電位を安定させた。
次いで、フローセル中に流通させる溶液として、ベース溶液と次亜塩素酸溶液を交互に切り替えて、作用極の電位を測定した。結果を図4に示す。
図4の結果から、次亜塩素酸溶液の流通を開始(on)してから終了(off)するまで、作用極の電位が繰り返し変化することが確認された。すなわち、白金(Pt)からなる電極の電位は、溶液中に含まれる次亜塩素酸溶液によって大きく変化し、再現性の良い応答を得ることができた。
「実験例2」
実験例1と同様にして、ベース溶液と次亜塩素酸溶液を調製し、参照電極を用意した。
作用極として、SUS316からなる電極を用意し、炭化ケイ素(SiC)2400番研磨紙で表面を研磨した後、エタノールで脱脂した。
これらの参照電極と作用極を電圧計に接続した。
次いで、実験例1と同様にして、作用極の電位を測定した。結果を図5に示す。
図5の結果から、次亜塩素酸溶液の流通を開始(on)してから終了(off)するまで、作用極の電位が繰り返し変化することが確認された。すなわち、SUS316からなる電極の電位は、白金が残留塩素濃度に応じて変化する電位の変化量よりは少ないものの、溶液中に含まれる次亜塩素酸溶液によって変化する。
「実験例3」
実験例1と同様にして、ベース溶液と次亜塩素酸溶液を調製し、参照電極を用意した。
作用極として、SUS316Lからなる電極を用意し、炭化ケイ素(SiC)2400番研磨紙で表面を研磨した後、エタノールで脱脂した。
これらの参照電極と作用極を電圧計に接続した。
次いで、実験例1と同様にして、作用極の電位を測定した。結果を図6に示す。
図6の結果から、次亜塩素酸溶液の流通を開始(on)してから終了(off)するまで、作用極の電位が繰り返し変化することが確認された。すなわち、SUS316Lからなる電極の電位は、白金が残留塩素濃度に応じて変化する電位の変化量よりは少ないものの、溶液中に含まれる次亜塩素酸溶液によって変化する。
「実験例4」
pH緩衝溶液を使用して、pHが4の試験溶液(A−3)、pHが7の試験溶液(B−3)、pHが8.4の試験溶液(C−3)、pHが9.3の試験溶液(D−3)を調製した。
実験例1と同様にして、参照電極を用意した。
実験例1と同様に、作用極として、白金(Pt)からなる電極を用意した。また、実験例2と同様に、作用極として、SUS316からなる電極を用意した。また、実験例3と同様に、作用極として、SUS316Lからなる電極を用意した。
それぞれの作用極と参照電極を電圧計に接続した。
次いで、フローセル中に注入されたベース溶液に、参照電極と作用極を浸漬し、室温で60分間、ベース溶液を流通させ、作用極の電位を安定させた。
次いで、フローセル中に、試験溶液(A−3)、(B−3)、(C−3)、(D−3)の順に5分間ずつ流通させ、それぞれの試験溶液が流通しているときの作用極の電位を測定した。結果を図7に示す。
図7の結果から、いずれの作用極の電位も、試験溶液のpHと比例関係にあることが確認された。また、試験溶液のpHの変化量に対する白金(Pt)からなる電極の電位の変化量と、試験溶液のpHの変化量に対するSUS316からなる電極の電位の変化量と、試験溶液のpHの変化量に対するSUS316Lからなる電極の電位の変化量とは互いに近似している。
「実験例5」
実験例1と同様にして、ベース溶液を調製した。
実験例1と同様にして、遊離残留塩素溶液を調製した。
白金(Pt)からなる電極を用意し、エタノールで脱脂した。
SUS316Lからなる電極を用意し、エタノールで脱脂した。
これらの2つの電極を電圧計に接続した。
次いで、フローセル中に注入されたベース溶液に、2つの電極を浸漬し、室温で60分間、ベース溶液を流通させ、2つの電極の電位を安定させた。
次いで、フローセル中に流通させる溶液として、ベース溶液と遊離残留塩素溶液を交互に切り替えて、電位差を測定した。結果を図8に示す。
図8の結果から、遊離残留塩素溶液の流通を開始(on)してから終了(off)するまで、電位差が繰り返し変化することが確認された。すなわち、白金(Pt)からなる電極とSUS316Lからなる電極の電位差は、溶液中に含まれる微量(1ppm)の遊離残留塩素によって変化する。
10,50・・・固体型残留塩素センサー、11,51・・・第1電極、12,52・・・第2電極、13,53・・・電圧計、14,15,54,55・・・リード、20・・・水道水、30,60・・・配管、31,32・・・貫通孔、40・・・多孔質体、56・・・絶縁部材。

Claims (5)

  1. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極に接続された電圧計と、を備え、
    前記第1電極を構成する金属は、前記第2電極を構成する金属よりも、水道水中の遊離残留塩素に対する反応性が高く、
    前記第1電極を構成する金属と、前記第2電極を構成する金属とは、前記水道水の水質因子および環境因子の変化量に対する電極電位の変化量が近似しており、
    前記第1電極を構成する金属は白金であり、前記第2電極を構成する金属はSUS316またはSUS316Lであり、
    前記水質因子は、前記水道水のpH、溶存酸素濃度、塩化物イオン濃度、硬度成分であり、
    前記環境因子は、前記水道水の温度であり、
    前記一対の電極は、前記水道水が流れる配管の長手方向に沿って配置されていることを特徴とする固体型残留塩素センサー。
  2. 前記一対の電極における前記水道水と接する部分は、連続気孔を有する多孔質体で包囲されたことを特徴とする請求項1に記載の固体型残留塩素センサー。
  3. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極および前記第2電極に接続された電圧計と、を備え、
    前記第1電極を構成する金属は、前記第2電極を構成する金属よりも、水道水中の遊離残留塩素に対する反応性が高く、
    前記第1電極を構成する金属と、前記第2電極を構成する金属とは、前記水道水の水質因子および環境因子の変化量に対する電極電位の変化量が近似しており、
    前記第1電極を構成する金属は白金であり、前記第2電極を構成する金属はSUS316またはSUS316Lであり、
    前記水質因子は、前記水道水のpH、溶存酸素濃度、塩化物イオン濃度、硬度成分であり、
    前記環境因子は、前記水道水の温度であり、
    前記第1電極および前記第2電極は、前記水道水が流れる配管の内面に露出するように設けられ、
    前記第1電極および前記第2電極は、前記配管の一部をなすように、前記配管と相似な形状をなし、
    前記第1電極と前記第2電極の間には、前記第1電極および前記第2電極と相似の形状をなす絶縁部材が設けられ、
    前記第1電極の内面、前記第2電極の内面および前記絶縁部材の内面は、前記配管の内面と同一面を形成していることを特徴とする固体型残留塩素センサー。
  4. 前記配管は円筒形であり、前記第1電極、前記第2電極および前記絶縁部材は円環状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の固体型残留塩素センサー。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の固体型残留塩素センサーを備えたことを特徴とする水道メーター。
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