JP2016161344A - トルク検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電気放電による検出器の破損を抑制でき、静電気耐圧を向上できるトルク検出装置を提供する。【解決手段】トルク検出装置18は、入力軸に固定された永久磁石30と、出力軸に固定された磁気ヨーク31,32と、磁気ヨーク31,32を取り囲むように配置された集磁ホルダ33と、集磁ホルダ33を収容するセンサハウジング34と、磁気ヨーク31,32からの磁束を誘導する集磁リング56,57と、集磁リング56,57とセンサハウジング34の内壁面38との間に配置された磁気シールド板58と、集磁リング56,57によって誘導された磁束を検出する磁気センサ59,60と、磁気シールド板58とセンサハウジング34の内壁面38との間に配置され、磁気シールド板58とセンサハウジング34との間で静電気放電が生じるのを抑制する放電抑制部材70とを含む。【選択図】図4
Description
この発明は、トルク検出装置に関する。
特許文献1は、連結軸により同軸に連結された入力軸および出力軸と、入力軸に固定された永久磁石と、永久磁石の磁界内に配置され、出力軸に固定された複数の磁気ヨーク(軟磁性体)と、磁気ヨークに磁気結合した集磁リング(補助磁性体)と、集磁リングに誘導された磁束を検出する検出器と、集磁リングおよび検出器をモールドして成る集磁ホルダ(合成樹脂体)と、集磁ホルダを囲む磁気シールド部材と、集磁ホルダを収容するハウジングとを含むトルク検出装置を開示している。
ハウジング内において、磁気シールド部材の表面のうち、ハウジングの内壁面に対向している部分は露出している。
一般的に、トルク検出装置では、静電気による故障が発生しないように、予めトルク検出装置が耐え得る静電気電圧、すなわち静電気耐圧が定められている。静電気の電圧値が静電気耐圧の範囲内であれば、静電気による弊害を最小限に留め、トルク検出装置を通常動作させることができる。
しかし、前述の特許文献1のように、磁気シールド部材の表面のうち、ハウジングの内壁面に対向している部分が露出している構成では、ハウジングに帯電した静電気により、磁気シールド部材とハウジングの内壁面との間で静電気放電が発生するおそれがある。この場合、ハウジングに帯電した静電気は、磁気シールド部材を介して集磁リングに伝搬され、当該集磁リングにより検出器まで誘導される結果、検出器が破壊されてトルク検出装置が故障するおそれがある。このような静電気放電による検出器の破損は、トルク検出装置の静電気耐圧の低下を招いている。
しかし、前述の特許文献1のように、磁気シールド部材の表面のうち、ハウジングの内壁面に対向している部分が露出している構成では、ハウジングに帯電した静電気により、磁気シールド部材とハウジングの内壁面との間で静電気放電が発生するおそれがある。この場合、ハウジングに帯電した静電気は、磁気シールド部材を介して集磁リングに伝搬され、当該集磁リングにより検出器まで誘導される結果、検出器が破壊されてトルク検出装置が故障するおそれがある。このような静電気放電による検出器の破損は、トルク検出装置の静電気耐圧の低下を招いている。
そこで、この発明は、静電気放電による検出器の破損を抑制でき、静電気耐圧を向上できるトルク検出装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、連結軸(24)により同軸に連結された第1軸(25)および第2軸(26)と、前記第1軸に固定された永久磁石(30)と、前記第2軸に固定され、前記永久磁石の磁界内に配置された一対の磁気ヨーク(31,32)と、前記一対の磁気ヨークを取り囲むように配置された樹脂製の集磁ホルダ(33)と、前記集磁ホルダを収容するハウジング(34)と、前記集磁ホルダに保持され、前記一対の磁気ヨークからの磁束を誘導する一対の集磁リング(56,57)と、前記一対の集磁リングと前記ハウジングの内壁面(38)との間に配置されるように、前記集磁ホルダに保持された磁気シールド部材(58)と、前記一対の集磁リングによって誘導された磁束を検出する検出器(59,60)と、前記磁気シールド部材と前記ハウジングの内壁面との間に配置され、前記磁気シールド部材と前記ハウジングとの間で静電気放電が生じるのを抑制する放電抑制部材(70,71)とを含む、トルク検出装置(18)である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
この構成によれば、磁気シールド部材とハウジングの内壁面との間に配置され、磁気シールド部材とハウジングとの間で静電気放電が生じるのを抑制する放電抑制部材を含んでいるので、ハウジングに静電気が帯電していても、磁気シールド部材とハウジングの内壁面との間で静電気放電が生じるのを抑制できる。これにより、ハウジングに帯電した静電気が磁気シールド部材を介して一対の集磁リングに伝搬することを回避できる。その結果、静電気放電による検出器の破壊を抑制できるから、トルク検出装置が耐え得る静電気電圧、すなわち静電気耐圧を向上できる。
また、放電抑制部材による静電気放電の抑制効果により、磁気シールド部材とハウジングの内壁面との間の静電気耐圧を高めることができるので、このような観点からも、トルク検出装置の静電気耐圧を向上できる。
請求項2に記載の発明は、前記放電抑制部材は、前記磁気シールド部材の表面のうち、少なくとも前記ハウジングの内壁面に対向している部分を被覆するように設けられている、請求項1に記載のトルク検出装置である。
請求項2に記載の発明は、前記放電抑制部材は、前記磁気シールド部材の表面のうち、少なくとも前記ハウジングの内壁面に対向している部分を被覆するように設けられている、請求項1に記載のトルク検出装置である。
この構成によれば、放電抑制部材は、磁気シールド部材の表面のうち、少なくともハウジングの内壁面に対向している部分を被覆するように設けられているので、磁気シールド部材とハウジングとの間で静電気放電が生じるのを効果的に抑制できる。これにより、静電気放電による検出器の破損を効果的に抑制できるから、トルク検出装置の静電気耐圧を一層向上できる。
請求項3に記載の発明は、前記放電抑制部材は、前記ハウジングの内壁面のうち、少なくとも、前記磁気シールド部材の露出面に対向する対向面を被覆するように、前記ハウジングの内壁面上に設けられている、請求項1に記載のトルク検出装置である。
この構成によれば、ハウジングの内壁面のうち、少なくとも、磁気シールド部材の露出面と対向する対向面が、放電抑制部材によって被覆されているので、磁気シールド部材とハウジングとの間で静電気放電が生じるのを効果的に抑制できる。これにより、静電気放電による検出器の破損を効果的に抑制できるから、トルク検出装置の静電気耐圧を一層向上できる。
この構成によれば、ハウジングの内壁面のうち、少なくとも、磁気シールド部材の露出面と対向する対向面が、放電抑制部材によって被覆されているので、磁気シールド部材とハウジングとの間で静電気放電が生じるのを効果的に抑制できる。これにより、静電気放電による検出器の破損を効果的に抑制できるから、トルク検出装置の静電気耐圧を一層向上できる。
請求項4に記載の発明は、前記放電抑制部材は、樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトルク検出装置である。
この構成によれば、放電抑制部材が、比較的に絶縁性の高い樹脂を含むので、磁気シールド部材とハウジングの内壁面との間における静電気耐圧を効果的に向上できる。これにより、トルク検出装置の静電気耐圧を向上でき、併せて静電気放電による検出器の破損を抑制できる。
この構成によれば、放電抑制部材が、比較的に絶縁性の高い樹脂を含むので、磁気シールド部材とハウジングの内壁面との間における静電気耐圧を効果的に向上できる。これにより、トルク検出装置の静電気耐圧を向上でき、併せて静電気放電による検出器の破損を抑制できる。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。この実施形態では、トルク検出装置が自動車の電動パワーステアリング装置に適用された場合に則して説明するが、トルク検出装置は、電動パワーステアリング装置以外の装置や機器に適用することもできる。
図1は、この発明の一実施形態に係るトルク検出装置18が適用された電動パワーステアリング装置1の概略構成図である。
図1は、この発明の一実施形態に係るトルク検出装置18が適用された電動パワーステアリング装置1の概略構成図である。
電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール3に連結されるステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4に自在継手11を介して連結される中間軸6と、この中間軸6に自在継手12を介して連結されているピニオン軸13と、ピニオン軸13の先端部に設けられたピニオン16に噛み合うラック17を形成して車両の左右方向に延びるラック軸14とを有している。ステアリングシャフト4は、ブラケット8を介して車体9に支持されたコラムジャケット7に、回転自在に支持されている。
ラック軸14は、筒状のラックハウジング15に軸方向移動可能に支持されている。ラック軸14の両端部にはそれぞれタイロッド10が連結されており、各タイロッド10は、対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪2に連結されている。
ステアリングホイール3が操作されてステアリングシャフト4が回転されると、この回転は中間軸6等を介してピニオン16に伝達され、ピニオン16およびラック17によって、車両の左右方向に沿うラック軸14の直線運動に変換される。これにより、転舵輪2の転舵が達成される。
ステアリングホイール3が操作されてステアリングシャフト4が回転されると、この回転は中間軸6等を介してピニオン16に伝達され、ピニオン16およびラック17によって、車両の左右方向に沿うラック軸14の直線運動に変換される。これにより、転舵輪2の転舵が達成される。
ステアリングシャフト4は、ステアリングホイール3に連なる第1軸としての入力軸25と、自在継手11に連なる第2軸としての出力軸26とを有している。入力軸25および出力軸26は、連結部材としてのトーションバー24を介して同軸上に互いに連結されている。ステアリングホイール3の操舵によって、ステアリングホイール3の操舵トルクに応じた捩じれトルクが入力軸25および出力軸26間に入力されると、トーションバー24が捩じれ、その際、入力軸25および出力軸26が相対回転するようになっている。
電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール3に加えられる操舵トルクを検出するトルク検出装置18と、車速を検出する車速センサ(図示略)と、操舵補助用の電動モータ20と、減速機21と、トルク検出装置18および車速センサの検出結果(車速や操舵トルク)に応じて、電動モータ20を駆動制御するECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)19とを備えている。
電動パワーステアリング装置1は、さらに、コラムジャケット7に連結され、トルク検出装置18の一部および減速機21の一部を構成し、電動モータ20を支持するハウジング本体23を有している。ハウジング本体23は、たとえば、アルミニウム等からなる金属製ハウジングであってもよいし、樹脂等からなる樹脂製ハウジングであってもよい。
トルク検出装置18は、トーションバー24の捩じれに起因する、入力軸25および出力軸26の相対回転に基づく磁束密度の変化から、入力軸25および出力軸26に付与される操舵トルクを検出する。
トルク検出装置18は、トーションバー24の捩じれに起因する、入力軸25および出力軸26の相対回転に基づく磁束密度の変化から、入力軸25および出力軸26に付与される操舵トルクを検出する。
減速機21は、電動モータ20により駆動されるウォーム軸27と、出力軸26に固定され、ウォーム軸27に噛み合うウォームホイール28とを有している。ECU19が操舵補助用の電動モータ20を駆動すると、その出力回転(駆動力)が、減速機21で減速されて出力軸26へ伝達される。出力軸26に伝えられた動力は、さらに中間軸6等を介して、ピニオン軸13、ラック軸14、タイロッド10およびナックルアーム等を含む転舵機構5に伝えられ、運転者の操舵力が電動モータ20の駆動力によって補助される。
図2は、図1に示すトルク検出装置18の分解斜視図である。図3は、トルク検出装置18の要部を示す一部切欠斜視図である。図4は、トルク検出装置18の断面図である。図5は、図4に示すV-V線に沿う断面図である。
図2〜図5に示すように、トルク検出装置18は、入力軸25に固定された永久磁石30と、出力軸26に固定され、永久磁石30の磁界内に配置された一対の磁気ヨーク31,32と、一対の磁気ヨーク31,32を取り囲む樹脂製の集磁ホルダ33と、永久磁石30、一対の磁気ヨーク31,32および集磁ホルダ33を収容するセンサハウジング34とを含む。
図2〜図5に示すように、トルク検出装置18は、入力軸25に固定された永久磁石30と、出力軸26に固定され、永久磁石30の磁界内に配置された一対の磁気ヨーク31,32と、一対の磁気ヨーク31,32を取り囲む樹脂製の集磁ホルダ33と、永久磁石30、一対の磁気ヨーク31,32および集磁ホルダ33を収容するセンサハウジング34とを含む。
以下の説明では、ステアリングシャフト4の軸方向S、径方向Rおよび周方向Tを、それぞれ単に軸方向S、径方向Rおよび周方向Tともいう。これらの軸方向S、径方向Rおよび周方向Tは、それぞれ、入力軸25、出力軸26、永久磁石30、一対の磁気ヨーク31,32等の対応する軸方向S、径方向Rおよび周方向Tでもある。
図2に示すように、センサハウジング34は、ハウジング本体23の一部として構成されている。センサハウジング34は、アルミニウム等からなる金属製ハウジング、または樹脂等からなる樹脂製ハウジングである。この実施形態では、センサハウジング34は、アルミニウム製のハウジングである。センサハウジング34は、筒状を成し、その内部に空洞35を有している。より具体的に、センサハウジング34は、空洞35を区画する筒部36と、集磁ホルダ33を取り付けるための取付部37とを含む。筒部36の内周面は、センサハウジング34の内壁面38を形成している。取付部37は、空洞35に連通する取付開口39を取り囲む略長方形環状の平坦面を有している。取付部37には、2つのねじ孔40が形成されている。
図2に示すように、センサハウジング34は、ハウジング本体23の一部として構成されている。センサハウジング34は、アルミニウム等からなる金属製ハウジング、または樹脂等からなる樹脂製ハウジングである。この実施形態では、センサハウジング34は、アルミニウム製のハウジングである。センサハウジング34は、筒状を成し、その内部に空洞35を有している。より具体的に、センサハウジング34は、空洞35を区画する筒部36と、集磁ホルダ33を取り付けるための取付部37とを含む。筒部36の内周面は、センサハウジング34の内壁面38を形成している。取付部37は、空洞35に連通する取付開口39を取り囲む略長方形環状の平坦面を有している。取付部37には、2つのねじ孔40が形成されている。
図2〜図5に示すように、永久磁石30は、円筒形状であり、入力軸25の一端(図1の下端)に一体回転可能に固定されている。永久磁石30の外周には、周方向Tに関して、複数の磁極(この実施形態では12対のN極およびS極)が等間隔にかつ交互に配置されるように着磁されている。
一対の磁気ヨーク31,32は、永久磁石30の周りに回転可能に出力軸26の一端(図1の上端)に固定されている。以下において、軸方向Sに関して、入力軸25側に配置された一方の磁気ヨーク31を「第1磁気ヨーク31」といい、出力軸26側に配置された他方側の磁気ヨーク32を「第2磁気ヨーク32」という。
一対の磁気ヨーク31,32は、永久磁石30の周りに回転可能に出力軸26の一端(図1の上端)に固定されている。以下において、軸方向Sに関して、入力軸25側に配置された一方の磁気ヨーク31を「第1磁気ヨーク31」といい、出力軸26側に配置された他方側の磁気ヨーク32を「第2磁気ヨーク32」という。
図3に示すように、第1および第2磁気ヨーク31,32は、互いに離隔して向き合う第1および第2ヨークリング43,45と、第1および第2ヨークリング43,45の複数の周方向位置に形成された複数の第1および第2ヨーク歯44,46とを有している。第1および第2磁気ヨーク31,32は、それぞれの第1および第2ヨーク歯44,46が周方向に適当な間隔でずれるように対向する状態で、合成樹脂部材47にモールドされている。第1および第2磁気ヨーク31,32を保持した合成樹脂部材47が、出力軸26に取り付けられている。永久磁石30および第1および第2磁気ヨーク31,32が相対回転することにより第1および第2磁気ヨーク31,32間の磁束密度が変化する。第1および第2磁気ヨーク31,32は、入力軸25および出力軸26にトルクが加えられていない操舵中立状態(図3に示す状態)において、第1および第2ヨーク歯44,46の先端が、永久磁石30のN極およびS極の境界を指すように配置される。
図2に示すように、集磁ホルダ33は、センサハウジング34に取り付けられる矩形板部50と、矩形板部50の一方の表面側に形成され、センサハウジング34内に配置される環状部51とを有している。矩形板部50は、軸方向Sおよび周方向Tに関して、センサハウジング34の取付開口39の寸法よりも大きい。矩形板部50には、センサハウジング34の2つのねじ孔40にそれぞれ連通する2つのねじ孔53が形成されている。集磁ホルダ33の環状部51がセンサハウジング34に収容された状態で、ねじ孔53,40にねじ(図示せず)がねじ込まれることにより、集磁ホルダ33の矩形板部50がセンサハウジング34に取り付けられている。
図4および図5に示すように、集磁ホルダ33の環状部51は、第1および第2磁気ヨーク31,32の各外周を取り囲むように配置されている。環状部51は、第1および第2磁気ヨーク31,32と対向する内周面54と、当該内周面54の反対側に位置し、センサハウジング34の内壁面38に対向する外周面55とを有している。以下では、環状部51の内周面54を「集磁ホルダ33の内周面54」といい、環状部51の外周面55を「集磁ホルダ33の外周面55」という。
集磁ホルダ33を構成する樹脂は、比較的に絶縁性の高いPBT(Polybutylene terephthalate:ポリブチレンテレフタレート)樹脂であってもよい。
図2〜図5に示すように、集磁ホルダ33には、第1および第2磁気ヨーク31,32からの磁束をそれぞれ誘導する第1および第2集磁リング56,57と、外部、特にセンサハウジング34からの磁気による第1および第2集磁リング56,57への悪影響を抑制するための磁気シールド板58(磁気シールド部材)とが保持されている。トルク検出装置18は、さらに、第1および第2集磁リング56,57によって誘導された磁束を検出する一対の磁気センサ59,60(検出器)を含む。
図2〜図5に示すように、集磁ホルダ33には、第1および第2磁気ヨーク31,32からの磁束をそれぞれ誘導する第1および第2集磁リング56,57と、外部、特にセンサハウジング34からの磁気による第1および第2集磁リング56,57への悪影響を抑制するための磁気シールド板58(磁気シールド部材)とが保持されている。トルク検出装置18は、さらに、第1および第2集磁リング56,57によって誘導された磁束を検出する一対の磁気センサ59,60(検出器)を含む。
第1および第2集磁リング56,57は、集磁ホルダ33の内周面54に、その内周面が露出するように、埋め込まれている。第1および第2集磁リング56,57は、対応する第1および第2磁気ヨーク31,32の外周を同心にかつ非接触で径方向Rの外方から取り囲むように配置されている。
図3に示すように、第1集磁リング56は、環状の第1リング部61と、第1リング部61から径方向Rの外方に延びる一対の第1および第2爪片62,63とを有している。第1および第2爪片62,63は、互いに同じ形状に形成され、周方向Tに互いに離間して配置されている。同様に、第2集磁リング57は、環状の第2リング部64と、第2リング部64から径方向Rの外方に延びる一対の第1および第2爪片65,66とを有している。第1および第2爪片65,66は、互いに同じ形状に形成され、周方向Tに互いに離間して配置されている。
図3に示すように、第1集磁リング56は、環状の第1リング部61と、第1リング部61から径方向Rの外方に延びる一対の第1および第2爪片62,63とを有している。第1および第2爪片62,63は、互いに同じ形状に形成され、周方向Tに互いに離間して配置されている。同様に、第2集磁リング57は、環状の第2リング部64と、第2リング部64から径方向Rの外方に延びる一対の第1および第2爪片65,66とを有している。第1および第2爪片65,66は、互いに同じ形状に形成され、周方向Tに互いに離間して配置されている。
第1集磁リング56の第1爪片62と、第2集磁リング57の第1爪片65とは、互いに対を成し、軸方向Sに関して、隙間部67を挟んで対向している。同様に、第1集磁リング56の第2爪片63と、第2集磁リング57の第2爪片66とは、互いに対を成し、軸方向Sに関して、隙間部68を挟んで対向している。図4および図5に示すように、この実施形態では、第1および第2集磁リング56,57のそれぞれが、集磁ホルダ33と一体を成すように、集磁ホルダ33を構成する樹脂によりモールドされている。
図4および図5に示すように、磁気シールド板58は、第1および第2集磁リング56,57の大部分を取り囲むような帯状であり、集磁ホルダ33内に埋め込まれている。したがって、磁気シールド板58の表面全体が、集磁ホルダ33を構成する樹脂によって被覆されている。つまり、磁気シールド板58の表面のうち、集磁リング56,57に対向する内周面と、それ以外の部分(センサハウジング34の内壁面38に対向する部分58A)とが、集磁ホルダ33を構成する樹脂によって被覆されている。
磁気シールド板58の表面のうちのセンサハウジング34の内壁面38に対向する部分58Aを覆っている樹脂は、磁気シールド板58とセンサハウジング34との間で静電気放電が生じるのを抑制する放電抑制部材70を構成している。放電抑制部材70の外周面は、径方向Rに関して、所定間隔を隔ててセンサハウジング34の内壁面38と対向している。図5に示すように、放電抑制部材70は、軸方向Sに関して、磁気シールド板58の幅W1よりも大きい幅W2を有している。この実施形態では、放電抑制部材70は、集磁ホルダ33と一体的に成形されているが、集磁ホルダ33に別体として取り付けられてもよい。磁気シールド板58は、純鉄板、鉄鋼板、パーマロイ板、アモルファス板、ケイ素鋼板等の高透磁率金属を含む磁性板であってもよい。
図3に示すように、一方の磁気センサ59は、隙間部67に挿入され、他方の磁気センサ60は隙間部68に挿入されている。これらの磁気センサ59,60は、たとえばホールICである。これらの磁気センサ59,60は、回路基板(図示せず)および配線(図示せず)を介してECU19に電気的に接続されている。したがって、各磁気センサ59,60の出力信号は、回路基板(図示せず)および配線(図示せず)を介して、ECU19にそれぞれ入力される。
以下、図3を参照して、トルク検出装置18のトルク検出例について説明する。入力軸25および出力軸26の間にトルクが作用していない操舵中立状態(図3に示す状態)では、第1および第2磁気ヨーク31,32の第1および第2ヨーク歯44,46の先端が、永久磁石30のN極およびS極の境界を指す位置に配置される。このとき、第1および第2磁気ヨーク31,32の第1および第2ヨーク歯44,46において、永久磁石30のN極に対向する面積とS極に対向する面積とは等しい。そのため、N極から入る磁束とS極へ出る磁束とが等しくなる結果、第1および第2磁気ヨーク31,32間に、磁束は生じない。したがって、磁気センサ59,60は磁束を検出しない。
入力軸25および出力軸26の間にトルクが作用すると、トーションバー24に捩れが生じて、第1および第2磁気ヨーク31,32の第1および第2ヨーク歯44,46と、永久磁石30との相対位置が変化する。
第1磁気ヨーク31の第1ヨーク歯44において、永久磁石30のN極に対向する面積が、S極に対向する面積よりも大きくなる方向にトルクが作用すると、第1磁気ヨーク31では、N極から入る磁束がS極へ出る磁束よりも大きくなる。つまり、第2磁気ヨーク32では、S極から入る磁束がN極へ出る磁束よりも大きくなる。その結果、第1集磁リング56の第1および第2爪片62,63から、第2集磁リング57の第1および第2爪片65,66への磁束が生じる。この磁束が、磁気センサ59,60により検出される。
第1磁気ヨーク31の第1ヨーク歯44において、永久磁石30のN極に対向する面積が、S極に対向する面積よりも大きくなる方向にトルクが作用すると、第1磁気ヨーク31では、N極から入る磁束がS極へ出る磁束よりも大きくなる。つまり、第2磁気ヨーク32では、S極から入る磁束がN極へ出る磁束よりも大きくなる。その結果、第1集磁リング56の第1および第2爪片62,63から、第2集磁リング57の第1および第2爪片65,66への磁束が生じる。この磁束が、磁気センサ59,60により検出される。
一方、第1磁気ヨーク31の第1ヨーク歯44において、永久磁石30のN極に対向する面積が、S極に対向する面積よりも小さくなる方向にトルクが作用すると、第1磁気ヨーク31では、S極から入る磁束がN極へ出る磁束よりも大きくなる。つまり、第2磁気ヨーク32では、N極から入る磁束がS極へ出る磁束よりも大きくなる。その結果、第2集磁リング57の第1および第2爪片65,66から、第1集磁リング56の第1および第2爪片62,63への磁束が生じる。この磁束が、磁気センサ59,60により検出される。
以上のように、この実施形態によれば、磁気シールド板58とセンサハウジング34の内壁面38との間に、磁気シールド板58とセンサハウジング34との間で静電気放電が生じるのを抑制する放電抑制部材70が配置されている。これにより、センサハウジング34に静電気が帯電していても、磁気シールド板58とセンサハウジング34の内壁面38との間で静電気放電が生じるのを抑制できる。これにより、センサハウジング34に帯電した静電気が、磁気シールド板58を介して第1および第2集磁リング56,57に伝搬することを回避できる。その結果、静電気放電による磁気センサ59,60の破損を抑制できるから、トルク検出装置18が耐え得る静電気電圧、すなわち静電気耐圧を向上できる。
また、放電抑制部材70による静電気放電の抑制効果により、磁気シールド板58とセンサハウジング34の内壁面38との間の静電気耐圧を高めることができるので、このような観点からも、トルク検出装置18の静電気耐圧を向上できる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、放電抑制部材70は集磁ホルダ33に設けられているが、これに代えてまたはこれに加えて、センサハウジング34の内壁面38に放電抑制部材が設けられていてもよい。図6は、前述した集磁ホルダ33に設けられている放電抑制部材70に加えて、センサハウジング34の内壁面38に放電抑制部材71が設けられている場合の例を示している。放電抑制部材71は、センサハウジング34の内壁面38のうち、少なくとも磁気シールド板58と対向する対向面を被覆するように、センサハウジング34の内壁面38上に設けられている。放電抑制部材71は、センサハウジング34の内壁面38全体を被覆していてもよい。放電抑制部材71は、放電抑制部材70と同様に、比較的に絶縁性の高い材料、より具体的には樹脂(たとえば、PBT樹脂)を含む樹脂膜である。
放電抑制部材71によれば、磁気シールド板58とセンサハウジング34との間で静電気放電が生じるのを効果的に抑制できる。これにより、静電気放電による磁気センサ59,60の破損を効果的に抑制できるから、トルク検出装置18の静電気耐圧を一層向上できる。 その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
18…トルク検出装置、24…トーションバー、25…入力軸、26…出力軸、30…永久磁石、31,32…磁気ヨーク、33…集磁ホルダ、34…センサハウジング、38…内壁面、56,57…集磁リング、58…磁気シールド板、59,60…磁気センサ、70,71…放電抑制部材
Claims (4)
- 連結軸により同軸に連結された第1軸および第2軸と、
前記第1軸に固定された永久磁石と、
前記第2軸に固定され、前記永久磁石の磁界内に配置された一対の磁気ヨークと、
前記一対の磁気ヨークを取り囲むように配置された樹脂製の集磁ホルダと、
前記集磁ホルダを収容するハウジングと、
前記集磁ホルダに保持され、前記一対の磁気ヨークからの磁束を誘導する一対の集磁リングと、
前記一対の集磁リングと前記ハウジングの内壁面との間に配置されるように、前記集磁ホルダに保持された磁気シールド部材と、
前記一対の集磁リングによって誘導された磁束を検出する検出器と、
前記磁気シールド部材と前記ハウジングの内壁面との間に配置され、前記磁気シールド部材と前記ハウジングとの間で静電気放電が生じるのを抑制する放電抑制部材とを含む、トルク検出装置。 - 前記放電抑制部材は、前記磁気シールド部材の表面のうち、少なくとも前記ハウジングの内壁面に対向している部分を被覆するように設けられている、請求項1に記載のトルク検出装置。
- 前記放電抑制部材は、前記ハウジングの内壁面のうち、少なくとも、前記磁気シールド部材の露出面に対向する対向面を被覆するように、前記ハウジングの内壁面上に設けられている、請求項1に記載のトルク検出装置。
- 前記放電抑制部材は、樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトルク検出装置。
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-
2015
- 2015-02-27 JP JP2015038973A patent/JP2016161344A/ja active Pending
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