JP2016161191A - ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置 - Google Patents

ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016161191A
JP2016161191A JP2015039246A JP2015039246A JP2016161191A JP 2016161191 A JP2016161191 A JP 2016161191A JP 2015039246 A JP2015039246 A JP 2015039246A JP 2015039246 A JP2015039246 A JP 2015039246A JP 2016161191 A JP2016161191 A JP 2016161191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
container
valve
pump mechanism
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015039246A
Other languages
English (en)
Inventor
紀考 亀井
Noritaka Kamei
紀考 亀井
直宏 田中
Naohiro Tanaka
直宏 田中
淳 尾里
Atsushi Ozato
淳 尾里
渉 平田
Wataru Hirata
渉 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2015039246A priority Critical patent/JP2016161191A/ja
Publication of JP2016161191A publication Critical patent/JP2016161191A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)

Abstract

【課題】コンテナの庫内空気の圧力が外気の圧力よりも高い場合であっても、庫内への外気導入が可能なガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置を提供する。
【解決手段】第1ポンプ機構31aと、第2ポンプ機構31bと、第1吸着部34及び第2吸着部35とが接続されて空気が流通する空気回路3は、該空気回路3における空気の流通状態を、第2ポンプ機構31bによって窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給する第1の流通状態と、第2ポンプ機構31bによって空気回路3内の外気と組成の等しい空気をコンテナの庫内に供給する第2の流通状態とに切り換える流通切換機構65を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、コンテナの庫内に窒素濃縮空気を供給するガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置に関するものである。
従来より、海上輸送等に用いられるコンテナ内の空気を冷却するために、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えたコンテナ用冷凍装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。コンテナの庫内には、例えば、バナナやアボカド等の植物が積み込まれる。植物は、収穫後であっても、空気中の酸素を取り込んで二酸化炭素を放出する呼吸を行う。この植物の呼吸により、植物に蓄えられた養分と水分とが減少するため、呼吸量が多くなると、植物の鮮度が著しく低下する。そのため、コンテナの庫内の酸素濃度は、呼吸障害が起きない程度に低い方が好ましい。
そこで、特許文献1には、エアポンプによって加圧した空気中の窒素をメンブレンセパレータによって分離することで大気よりも窒素濃度の高い窒素濃縮空気を生成してコンテナの庫内に供給するガス供給装置を設け、窒素濃縮空気を庫内に供給して庫内空気の酸素濃度を低下させることによって、植物の呼吸量を低減して植物の鮮度を維持し易くすることが開示されている。
特許第2635535号公報
ところで、庫内空気の酸素濃度は、植物の呼吸によっても低下する。そのため、庫内空気の酸素濃度が、植物が呼吸障害を起こす程低下するおそれのある場合には、外気を導入して庫内空気の酸素濃度を上げる必要がある。そこで、従来のコンテナ用冷凍装置では、庫内ファンの吸込側と庫外とを繋ぐ吸気通路と、該吸気通路を開閉する吸気弁とを設け、庫内ファンの回転中に吸気弁を開くことで、庫内ファンの回転によって庫内ファンの吸込側と庫外との間に生じる圧力差を利用して外気を庫内に導入していた。
しかしながら、コンテナの庫内空気の酸素濃度を低下させるために、窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給すると、庫内の圧力が外気の圧力よりも高くなる場合がある。このような場合に、吸気弁を開いても、外気を導入するどころか、吸気通路を介して庫内空気が庫外へ排出されるおそれがあった。つまり、従来の吸気部では、庫内空気の圧力が外気の圧力よりも高い場合には、コンテナの庫内に外気を導入することができなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンテナの庫内に窒素濃縮空気だけでなく外気と組成の等しい空気も供給可能なガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置を提供することにある。
第1の発明は、呼吸を行う植物(15)が収納されるコンテナ(11)に設けられ、外気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(31a)と、吸引した空気を加圧して吐出する第2ポンプ機構(31b)と、空気中の窒素を吸着する吸着剤をそれぞれ有し、上記第1ポンプ機構(31a)の吐出口と上記第2ポンプ機構(31b)の吸込口とに交互に接続され、上記第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続されて加圧された外気が供給されると、該外気中の窒素を上記吸着剤に吸着させて酸素濃縮空気を生成し、上記第2ポンプ機構(31b)の吸入口に接続されて内部の空気が吸引されると、上記吸着剤に吸着した窒素を脱着させて窒素濃縮空気を生成する第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)とが接続されて空気が流通する空気回路(3)とを備え、上記窒素濃縮空気を上記コンテナ(11)の庫内に供給するガス供給装置であって、上記空気回路(3)は、該空気回路(3)における空気の流通状態を、上記第2ポンプ機構(31b)によって上記窒素濃縮空気を上記コンテナ(11)の庫内に供給する第1の流通状態と、上記第2ポンプ機構(31b)によって上記空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気を上記コンテナ(11)の庫内に供給する第2の流通状態とに切り換える流通切換機構(65)を備えているものである。
第1の発明では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)に交互に供給され、該外気中の窒素が吸着剤に吸着して酸素濃縮空気が生成される。一方、第2ポンプ機構(31b)によって第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)の内部の空気が交互に吸引され、吸着剤に吸着した窒素が脱着して窒素濃縮空気が生成される。また、第1ポンプ機構(31a)と第2ポンプ機構(31b)と第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)とが接続された空気回路(3)が、流通切換機構(65)によって第1の流通状態と、第2の流通状態とに切り換えられる。第1の流通状態では、従来のガス供給装置と同様に、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された窒素濃縮空気が、第2ポンプ機構(31b)の加圧力によってコンテナ(11)の庫内に押し込まれる。一方、第2の流通状態では、空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気が、第2ポンプ機構(31b)の加圧力によってコンテナ(11)の庫内に押し込まれる。
第2の発明は、第1の発明において、上記空気回路(3)は、上記第2ポンプ機構(31b)の吐出口と上記コンテナ(11)の庫内とを接続し、上記第2ポンプ機構(31b)から吐出された空気を上記コンテナ(11)の庫内に導く供給通路(44)と、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)と外部とを接続し、該第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)で生成された上記酸素濃縮空気を外部へ導く酸素排出通路(45)とを備え、上記流通切換機構(65)は、上記酸素排出通路(45)と上記供給通路(44)とを接続する接続通路(66)と、上記接続通路(66)に設けられた第1開閉弁(67)と、上記酸素排出通路(45)における上記接続通路(66)の接続部よりも上記外部側に設けられた第2開閉弁(68)とを有し、上記第1開閉弁(67)を閉じ、上記第2開閉弁(68)を開くことで上記第1の流通状態となり、上記第1開閉弁(67)を開き、上記第2開閉弁(68)を閉じることで上記第2の流通状態となるものである。
第2の発明では、酸素排出通路(45)における接続通路(66)の接続部よりも外部側に設けられた第1開閉弁(67)を閉じ、接続通路(66)に設けられた第2開閉弁(68)を開くと、従来のガス供給装置(30)と同様に、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された酸素濃縮空気が、第1ポンプ機構(31a)の加圧力によって酸素排出通路(45)を介してコンテナ(11)の庫外へ排出され、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)の加圧力によって供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内へ供給される。つまり、第1開閉弁(67)を閉じ、第2開閉弁(68)を開くと、第1の流通状態となり、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された窒素濃縮空気が、第2ポンプ機構(31b)によってコンテナ(11)の庫内に供給される。
一方、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じると、酸素排出通路(45)と供給通路(44)とが接続通路(66)によって接続され、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)とガス供給装置(30)の外部とが遮断される。これにより、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された酸素濃縮空気は、第1ポンプ機構(31a)の加圧力によって酸素排出通路(45)から接続通路(66)を介して供給通路(44)内に押し込まれる。供給通路(44)内には、第2ポンプ機構(31b)の加圧力によって第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内に向かって流れている。そのため、供給通路(44)の接続通路(66)の接続部では、窒素濃縮空気の流れに酸素濃縮空気が合流し、外気と組成の等しい空気が生成される。このようにして供給通路(44)において生成された外気と組成の等しい空気は、第2ポンプ機構(31b)の加圧力により、供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内へ供給される。つまり、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じると、第2の流通状態となり、空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気が、第2ポンプ機構(31b)によってコンテナ(11)の庫内に供給される。
第3の発明は、第2の発明において、上記酸素排出通路(45)における上記接続通路(66)の接続部よりも上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)側には、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)から上記酸素排出通路(45)に流出した空気の圧力を測定するための圧力センサ(49)が接続され、上記第1ポンプ機構(31a)及び上記第2ポンプ機構(31b)の動作を停止し、上記第1開閉弁(67)を開き、上記第2開閉弁(68)を閉じた状態で、上記圧力センサ(49)によって上記コンテナ(11)の庫内の圧力を測定する庫内圧力測定動作を行うものである。
第3の発明では、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じると、供給通路(44)と接続通路(66)と酸素排出通路(45)を介して圧力センサ(49)とコンテナ(11)の庫内とが連通し、酸素排出通路(45)において圧力センサ(49)と外部との間が遮断される。そのため、第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)の切換後、しばらくすると、圧力センサ(49)とコンテナ(11)の庫内とを連通する通路(供給通路(44)、接続通路(66)及び酸素排出通路(45))内の圧力が、コンテナ(11)の庫内の圧力と等しくなる。よって、均圧後に測定された該圧力センサ(49)の値は、コンテナ(11)の庫内の圧力とほぼ等しくなる。
第4の発明は、第3の発明において、上記第1ポンプ機構(31a)及び上記第2ポンプ機構(31b)の動作を停止し、上記第1開閉弁(67)を閉じ、上記第2開閉弁(68)を開いた状態で、上記圧力センサ(49)によって外気の圧力を測定する外気圧力測定動作を行うものである。
第4の発明では、第1開閉弁(67)を閉じ、第2開閉弁(68)を開くと、圧力センサ(49)が接続された酸素排出通路(45)とコンテナ(11)の庫内に連通する供給通路(44)との間が遮断され、酸素排出通路(45)において圧力センサ(49)とガス供給装置(30)の外部との間が連通する。そのため、第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)の切換後、しばらくすると、酸素排出通路(45)内の圧力が、ガス供給装置(30)の外部の圧力(外気の圧力)と等しくなる。よって、均圧後に測定された該圧力センサ(49)の値は、外気の圧力とほぼ等しくなる。
第5の発明は、第4の発明において、上記第1ポンプ機構(31a)及び上記第2ポンプ機構(31b)の動作を停止し、上記第1開閉弁(67)及び上記第2開閉弁(68)を開くことによって、上記コンテナ(11)の庫内の圧力を外気の圧力と等しくさせる均圧動作を行うものである。
第5の発明では、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を開くと、ガス供給装置(30)の外部と連通する酸素排出通路(45)とコンテナ(11)の庫内と連通する供給通路(44)とが、接続通路(66)を介して接続される。つまり、ガス供給装置(30)の外部とコンテナ(11)の庫内とが連通する。これにより、コンテナ(11)の庫内の圧力がガス供給装置(30)の外部の圧力(外気の圧力)と等しくなる。
第6の発明は、第2の発明において、上記吸着剤は、空気中の窒素と共に該空気中の水分を吸着するものであり、上記空気回路(3)は、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)の両方が上記第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)の両方に加圧された外気が供給される両方加圧状態に切り換える接続切換機構(32,33)を備え、運転停止前に、上記両方加圧状態に切り換え、上記第1開閉弁(67)を開き、上記第2開閉弁(68)を閉じることによって、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)の両方で生成された上記酸素濃縮空気を上記コンテナ(11)の庫内に供給する停止前動作を行うものである。
第6の発明では、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)の両方に加圧された外気が供給される両方加圧状態に切り換えると、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)の両方において外気中の窒素が吸着剤に吸着し、酸素濃縮空気が生成される。このとき、外気中の窒素と共に水分も吸着剤に吸着される。そのため、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された酸素濃縮空気は、外気よりも湿度が低くなる。このような両方加圧状態において、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じると、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)の両方において生成された低湿度の酸素濃縮空気が、酸素排出通路(45)と接続通路(66)と供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内に供給される。つまり、第6の発明では、運転停止前に、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)の両方において外気よりも湿度の低い酸素濃縮空気を生成し、酸素排出通路(45)と接続通路(66)と供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内に供給する停止前動作を行うこととしている。このような停止前動作により、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気が低湿度の酸素濃縮空気でコンテナ(11)の庫内に押し出され、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気が低湿度の酸素濃縮空気に置き換えられる。よって、運転停止後には、供給通路(44)内に低湿度の酸素濃縮空気が残留することとなり、供給通路(44)内において結露が発生し難くなる。
第7の発明は、第1の発明において、上記空気回路(3)は、上記第2ポンプ機構(31b)の吐出口と上記コンテナ(11)の庫内とを接続し、上記第2ポンプ機構(31b)から吐出された空気を上記コンテナ(11)の庫内に導く供給通路(44)を備え、上記流通切換機構(65)は、上記第1ポンプ機構(31a)から吐出された外気を、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)をバイパスさせて上記第2ポンプ機構(31b)へ導くバイパス通路(71)と、上記バイパス通路(71)を開閉するバイパス開閉弁(72)とを有し、上記バイパス開閉弁(72)を閉じることで上記第1の流通状態となり、上記バイパス開閉弁(72)を開くことで上記第2の流通状態となるものである。
第7の発明では、バイパス開閉弁(72)を閉じると、従来のガス供給装置(30)と同様に、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された酸素濃縮空気が、第1ポンプ機構(31a)の加圧力によって酸素排出通路(45)を介してコンテナ(11)の庫外へ排出され、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)の加圧力によって供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内へ供給される。つまり、バイパス開閉弁(72)を閉じると、第1の流通状態となり、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された窒素濃縮空気が、第2ポンプ機構(31b)によってコンテナ(11)の庫内に供給される。
一方、バイパス開閉弁(72)を開くと、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気がバイパス通路(71)に流入し、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)をバイパスして第2ポンプ機構(31b)に吸引される。第2ポンプ機構(31b)に吸引された外気は加圧され、供給通路(44)を介してコンテナの庫内に供給される。つまり、バイパス開閉弁(72)を開くと、第2の流通状態となり、空気回路(3)内に取り込まれた外気が、第2ポンプ機構(31b)によってコンテナ(11)の庫内に供給される。
第8の発明は、呼吸を行う植物(15)が収納されるコンテナ(11)に取り付けられ、冷凍サイクルを行って上記コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷媒回路(20)と、上記コンテナ(11)の庫内にガスを供給するガス供給装置(30)と、上記コンテナ(11)の庫内空気を庫外へ排出する排気部(46)とを有し、上記コンテナ(11)の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置(60)とを備えたコンテナ用冷凍装置であって、上記ガス供給装置(30)は、第1乃至第7のいずれか1つの発明に係るガス供給装置によって構成されているものである。
第8の発明では、冷媒回路(20)において冷凍サイクルが行われることにより、コンテナ(11)の庫内空気が冷却される。また、庫内空気調節装置(60)のガス供給装置(30)において生成した窒素濃縮空気又は外気と組成の等しい空気をコンテナ(11)へ供給し、庫内空気調節装置(60)の排気部(46)によってコンテナ(11)の庫内空気を庫外へ排出することにより、コンテナ(11)の庫内空気の組成が調節される。
第1の発明によれば、流通切換機構(65)によって、空気回路(3)における空気の流通状態を切り換えることにより、空気回路(3)で生成された窒素濃縮空気だけでなく、空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気を、第2ポンプ機構(31b)の加圧力によってコンテナ(11)の庫内に押し込むことができるようにガス供給装置を構成することとした。そのため、コンテナ(11)の庫内の圧力が外気の圧力よりも高い場合であっても、外気と組成の等しい空気を円滑にコンテナ(11)の庫内に供給することができる。よって、庫内空気の組成(酸素濃度、二酸化炭素濃度)を、迅速に且つ精度良く所望の組成に調整することができる。
また、第2の発明によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、酸素排出通路(45)と供給通路(44)とを接続する接続通路(66)と、接続通路(66)を開閉する第1開閉弁(67)と、酸素排出通路(45)における接続通路(66)の接続部よりも外部側を開閉する第2開閉弁(68)とを加えるだけの容易な設計変更により、第1の流通状態と第2の流通状態との切り換えが可能なガス供給装置を提供することができる。
また、第3の発明によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、流通切換機構(65)を構成する接続通路(66)と第1開閉弁(67)と第2開閉弁(68)とを設けることにより、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)に供給された加圧された空気の圧力を測定するための圧力センサ(49)を用いて、コンテナ(11)の庫内の圧力を測定することができる。つまり、流通切換機構(65)を設けることにより、コンテナ(11)の庫内に別途圧力センサを設けることなく、空気回路(3)に設けた圧力センサ(49)を用いてコンテナ(11)の庫内の圧力を測定することが可能となる。
また、第4の発明によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、流通切換機構(65)を構成する接続通路(66)と第1開閉弁(67)と第2開閉弁(68)とを設けることにより、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)に供給された加圧された空気の圧力を測定するための圧力センサ(49)を用いて、ガス供給装置(30)の外部の圧力(外気の圧力)を測定することができる。つまり、流通切換機構(65)を設けることにより、コンテナ(11)の庫内に別途圧力センサを設けることなく、空気回路(3)に設けた圧力センサ(49)を用いて外気の圧力を測定することが可能となる。
また、第5の発明によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、流通切換機構(65)を構成する接続通路(66)と第1開閉弁(67)と第2開閉弁(68)とを設けることにより、第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)を共に開き、第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)の動作を停止するだけで、容易に、コンテナ(11)の庫内の圧力とガス供給装置(30)の外部の圧力(外気の圧力)とを等しくすることができる。つまり、流通切換機構(65)を設けることにより、コンテナ(11)の庫内とガス供給装置(30)の外部とを連通させて圧力を等しくする均圧機構を別途設けることなく、コンテナ(11)の庫内の圧力を外気の圧力と等しくすることができる。
第6の発明では、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)の吸着剤が、空気中の窒素だけでなく、空気中の水分を吸着するものである。そのため、第1ポンプ機構(31a)によって、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)に加圧された外気が供給されると、該外気中の窒素と共に水分が吸着剤に吸着されて外気よりも湿度が低い酸素濃縮空気が生成される。一方、第2ポンプ機構(31b)によって、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)の内部の空気が吸引されると、吸着剤に吸着された窒素と水分とが脱着されて外気よりも湿度が高い窒素濃縮空気が生成される。そして、ガス供給装置の運転中には、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)において生成された高湿度の窒素濃縮空気が、酸素排出通路(45)と接続通路(66)と供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内に導かれる。そのため、ガス供給装置の運転を停止すると、供給通路(44)に残留した高湿度の窒素濃縮空気が冷却され、該空気中の水分が結露し、その結露水が第2ポンプ機構(31b)に流入するおそれがある。
そこで、第6の発明では、運転停止前に、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)の両方において外気よりも湿度の低い酸素濃縮空気を生成し、酸素排出通路(45)と接続通路(66)と供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内に供給する停止前動作を行うこととした。このような停止前動作によって、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気を低湿度の酸素濃縮空気でコンテナ(11)の庫内に押し出すことにより、運転停止時までに、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気を低湿度の酸素濃縮空気に置き換えることができる。よって、ガス供給装置の運転を停止しても、供給通路(44)内には、低湿度の酸素濃縮空気が残留しているので、該酸素濃縮空気が冷却されても、該空気中の水分が結露しにくくなる。従って、ガス供給装置の運転停止後の供給通路(44)内における結露の発生を抑制し、結露水が第2ポンプ機構(31b)に流入することを防止することができる。
また、第6の発明によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、流通切換機構(65)を構成する接続通路(66)と第1開閉弁(67)と第2開閉弁(68)とを設け、空気回路(3)を両方加圧状態に切り換え可能に構成することにより、運転停止前に、空気回路(3)を両方加圧状態に切り換え、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じるだけで、容易に、運転停止時までに、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気を低湿度の酸素濃縮空気に置き換えることができる。つまり、流通切換機構(65)を設け、空気回路(3)を両方加圧状態に切り換え可能に構成することにより、供給通路(44)内における結露の発生を抑制する結露抑制機構を別途設けることなく、ガス供給装置の運転停止後の供給通路(44)内における結露の発生を抑制し、結露水が第2ポンプ機構(31b)に流入することを防止することができる。
また、第7の発明によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、第1ポンプ機構(31a)から吐出された外気を、第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)をバイパスさせて第2ポンプ機構(31b)へ導くバイパス通路(71)と、該バイパス通路(71)を開閉するバイパス開閉弁(72)とを加えるだけの容易な設計変更により、第1の流通状態と第2の流通状態との切り換えが可能なガス供給装置を提供することができる。
また、第8の発明によれば、コンテナ(11)の庫内の圧力が外気の圧力よりも高い場合であっても、外気と組成の等しい空気を円滑にコンテナ(11)の庫内に供給することができるガス供給装置(30)をコンテナ用冷凍装置において用いることとした。そのため、庫内空気の組成(酸素濃度、二酸化炭素濃度)を、迅速に且つ精度良く所望の組成に調整可能なコンテナ用冷凍装置を提供することができる。
図1は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置を庫外側から見た斜視図である。 図2は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置の概略構成を示す側面断面図である。 図3は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置の冷媒回路の構成を示す配管系統図である。 図4は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置のCA装置の構成を示す配管系統図であり、第1の流通状態における空気の流れを示すものである。 図5は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置のCA装置の構成を示す配管系統図であり、第2の流通状態における空気の流れを示すものである。 図6は、実施形態1の通常制御におけるモードの遷移の様子を示す図である。 図7は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置において、濃度調節運転におけるコンテナの庫内空気の組成の変化を示すグラフである。 図8は、実施形態2のコンテナ用冷凍装置のCA装置の構成を示す配管系統図であり、第1の流通状態における空気の流れを示すものである。 図9は、実施形態2のコンテナ用冷凍装置のCA装置の構成を示す配管系統図であり、第2の流通状態における空気の流れを示すものである。 図10は、実施形態3のコンテナ用冷凍装置のCA装置の構成を示す配管系統図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《本発明の実施形態1》
図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O)を取り込んで二酸化炭素(CO)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
コンテナ(11)は、一方の端面が開口する細長い箱状に形成されている。コンテナ用冷凍装置(10)は、ケーシング(12)と、冷媒回路(20)と、CA装置(Controlled Atmosphere System)(60)とを備え、コンテナ(11)の開口端を塞ぐように取り付けられている。
〈ケーシング〉
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
庫外壁(12a)は、コンテナ(11)の開口端を塞ぐようにコンテナ(11)の開口の周縁部に取り付けられている。庫外壁(12a)は、下部がコンテナ(11)の庫内側へ膨出するように形成されている。
庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)と対向して配置されている。庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)の下部に対応して庫内側へ膨出している。庫内壁(12b)と庫外壁(12a)との間の空間には、断熱材(12c)が設けられている。
このように、ケーシング(12)の下部は、コンテナ(11)の庫内側に向かって膨出するように形成されている。これにより、ケーシング(12)の下部におけるコンテナ(11)の庫外側には庫外収納空間(S1)が形成され、ケーシング(12)の上部におけるコンテナ(11)の庫内側には庫内収納空間(S2)が形成されている。
図1に示すように、ケーシング(12)には、メンテナンス用の2つのサービス用開口(14)が幅方向に並んで形成されている。2つのサービス用開口(14)は、それぞれ開閉自在な第1及び第2サービス扉(16A,16B)によって閉塞されている。第1及び第2サービス扉(16A,16B)は、いずれもケーシング(12)と同様に、庫外壁と庫内壁と断熱材とによって構成されている。
図2に示すように、コンテナ(11)の庫内には、仕切板(18)が配置されている。この仕切板(18)は、略矩形状の板部材に構成され、ケーシング(12)のコンテナ(11)の庫内側の面と対向する姿勢で立設されている。この仕切板(18)によって、コンテナ(11)の庫内と庫内収納空間(S2)とが区画されている。
仕切板(18)の上端とコンテナ(11)内の天井面との間には吸込口(18a)が形成されている。コンテナ(11)の庫内空気は、吸込口(18a)を介して庫内収納空間(S2)に取り込まれる。
また、庫内収納空間(S2)には、水平方向に延びる区画壁(13)が設けられている。区画壁(13)は、仕切板(18)の上端部に取り付けられ、後述する庫内ファン(26)が設置される開口が形成されている。区画壁(13)は、庫内収納空間(S2)を、庫内ファン(26)の吸込側の1次空間(S21)と、庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)とに区画する。なお、本実施形態では、庫内収納空間(S2)は、区画壁(13)によって上下に区画され、吸込側の1次空間(S21)が上側、吹出側の2次空間(S22)が下側に形成されている。
コンテナ(11)内には、コンテナ(11)の底面との間に隙間を存して床板(19)が設けられている。床板(19)上には、箱詰めされた植物(15)が載置されている。コンテナ(11)内の底面と床板(19)との間には、床下流路(19a)が形成されている。仕切板(18)の下端とコンテナ(11)内の底面との間には隙間が設けられ、床下流路(19a)に連通している。
床板(19)におけるコンテナ(11)の奥側(図2で右側)には、コンテナ用冷凍装置(10)によって冷却された空気をコンテナ(11)の庫内へ吹き出す吹出口(18b)が形成されている。
〈冷媒回路〉
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
凝縮器(22)の近傍には、庫外ファンモータ(25a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫外空間の空気(外気)を庫外収納空間(S1)内へ誘引して凝縮器(22)へ送る庫外ファン(25)が設けられている。凝縮器(22)では、圧縮機(21)で加圧されて凝縮器(22)の内部を流れる冷媒と庫外ファン(25)によって凝縮器(22)に送られた外気との間で熱交換が行われる。本実施形態では、庫外ファン(25)は、プロペラファンによって構成されている。
蒸発器(24)の近傍には、庫内ファンモータ(26a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫内空気を吸込口(18a)から誘引して蒸発器(24)へ吹き出す庫内ファン(26)が2つ設けられている。蒸発器(24)では、膨張弁(23)によって減圧されて蒸発器(24)の内部を流れる冷媒と庫内ファン(26)によって蒸発器(24)に送られた庫内空気との間で熱交換が行われる。
図2に示すように、庫内ファン(26)は、プロペラファン(回転翼)(27a)と、複数の静翼(27b)と、ファンハウジング(27c)とを有している。プロペラファン(27a)は、庫内ファンモータ(26a)に連結され、庫内ファンモータ(26a)によって回転軸周りに回転駆動されて軸方向に送風する。複数の静翼(27b)は、プロペラファン(27a)の吹出側に設けられて該プロペラファン(27a)から吹き出されて旋回する空気流れを整流する。ファンハウジング(27c)は、複数の静翼(27b)が内周面に取り付けられた円筒部材によって構成され、プロペラファン(27a)の外周まで延び、プロペラファン(27a)の外周を取り囲んでいる。
図1に示すように、圧縮機(21)及び凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)に収納されている。凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)の上下方向の中央部分において、該庫外収納空間(S1)を下側の第1空間(S11)と上側の第2空間(S12)とに区画するように設けられている。第1空間(S11)には、上記圧縮機(21)と、該圧縮機(21)を可変速で駆動するための駆動回路が収納されたインバータボックス(29)と、CA装置(60)のガス供給装置(30)とが設けられている。一方、第2空間(S12)には、庫外ファン(25)と、電装品ボックス(17)とが設けられている。第1空間(S11)は、コンテナ(11)の庫外空間に対して開放される一方、第2空間(S12)は、庫外ファン(25)の吹出口のみが庫外空間に開口するように庫外空間との間が板状部材によって閉塞されている。
一方、図2に示すように、蒸発器(24)は、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)に収納されている。庫内収納空間(S2)における蒸発器(24)の上方位置には、ケーシング(12)の幅方向に並んで2つの庫内ファン(26)が設けられている。
〈CA装置〉
図4に示すように、CA装置(60)は、ガス供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、測定ユニット(80)と、制御部(55)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
[ガス供給装置]
−ガス供給装置の構成−
ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する装置である。本実施形態では、ガス供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、ガス供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
図4に示すように、ガス供給装置(30)は、エアポンプ(31)と、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)と、空気中の窒素を吸着するための吸着剤が設けられた第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)と、酸素タンク(39)とが接続された空気回路(3)と、該空気回路(3)の構成部品が収納されたユニットケース(70)とを有している。このようにガス供給装置(30)は、構成部品がユニットケース(70)の内部に収納されることによって1つのユニットとして構成され、コンテナ用冷凍装置(10)に後付けすることができるように構成されている。
(エアポンプ)
エアポンプ(31)は、ユニットケース(70)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(41)の駆動軸に接続され、モータ(41)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
第1ポンプ機構(31a)の吸込口は、ユニットケース(70)内において開口し、ユニットケースの空気流入口(75)には、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタ(76)が設けられている。そのため、第1ポンプ機構(31a)は、空気流入口(75)に設けられたメンブレンフィルタ(76)を介してユニットケース(70)の外から中へ流入する際に水分が除去された外気を吸い込んで加圧する。一方、第1ポンプ機構(31a)の吐出口には吐出通路(42)の一端が接続されている。該吐出通路(42)の他端は、下流側において2つに分岐して第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。
第2ポンプ機構(31b)の吸込口には、吸引通路(43)の一端が接続されている。該吸引通路(43)の他端は、上流側において2つに分かれ、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。一方、第2ポンプ機構(31b)の吐出口には、供給通路(44)の一端が接続されている。供給通路(44)の他端は、コンテナ(11)の庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吸込側の1次空間(S21)において開口している。
エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、潤滑用のオイルを使用しないオイルレスのポンプで構成されている。具体的に、第1ポンプ機構(31a)のポンプにおいてオイルを使用した場合には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に加圧した空気を供給して加圧する際に、加圧空気に含まれるオイルが吸着剤に吸着され、吸着剤の吸着性能が低下してしまう。
また、第2ポンプ機構(31b)のポンプにおいてオイルを使用した場合には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から脱着された窒素を含む窒素濃縮空気と共にオイルがコンテナ(11)の庫内に供給されてしまう。つまり、この場合には、植物(15)が積み込まれたコンテナ(11)の庫内に対してオイル臭のする窒素濃縮空気が供給されてしまう。
そのため、本実施形態では、エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)をオイルレスのポンプで構成することで、上述した不具合を解消できるようにしている。
エアポンプ(31)の側方には、エアポンプ(31)に向かって送風することでエアポンプ(31)を冷却するための送風ファン(48)が2つ設けられている。
(方向制御弁)
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を第1の接続状態と第2の接続状態と第3の接続状態とに切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
具体的に、第1方向制御弁(32)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された吐出通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された吸引通路(43)と、第1吸着筒(34)の頂部とに接続される。この第1方向制御弁(32)は、第1吸着筒(34)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第1吸着筒(34)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第2状態とに切り換わる。
第2方向制御弁(33)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された吐出通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された吸引通路(43)と、第2吸着筒(35)の頂部とに接続される。この第2方向制御弁(33)は、第2吸着筒(35)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第2吸着筒(35)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第2状態とに切り換わる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第1状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第2吸着筒(35)とが接続される第1の接続状態に切り換わる。この状態では、第1吸着筒(34)で外気中の窒素を吸着剤に吸着させる吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)で吸着剤に吸着された窒素を脱着させる脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第1吸着筒(34)とが接続される第2の接続状態に切り換わる。この状態では、第2吸着筒(35)で吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)で脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)を第1状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続される第3の接続状態に切り換わる。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧された外気が供給される。つまり、第3の接続状態は、本発明に係る両方加圧状態を構成し、この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方で吸着動作が行われる。なお、本実施形態では、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が、上記両方加圧状態に切り換える本発明に係る接続切換機構を構成する。
(吸着筒)
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒状の部材であり、起立した姿勢(即ち、それぞれの軸方向が上下方向となる姿勢)で設置されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素を吸着して、減圧下で吸着した窒素を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、例えば、窒素分子の分子径(3.0オングストローム)よりも小さく且つ酸素分子の分子径(2.8オングストローム)よりも大きな孔径の細孔を有する多孔体のゼオライトで構成されている。このような孔径のゼオライトで吸着剤を構成すれば、空気中の窒素を吸着することができる。
また、ゼオライトの細孔内には、陽イオンが存在しているために電場が存在し極性を生じているので、水分子などの極性分子を吸着する性質を有している。そのため、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填されたゼオライトからなる吸着剤には、空気中の窒素だけでなく、空気中の水分(水蒸気)も吸着される。そして、吸着剤に吸着された水分は、脱着動作によって窒素と共に吸着剤から脱着される。そのため、水分を含んだ窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内に供給されることとなり、庫内の湿度を上げることができる。さらに、吸着剤が再生されるので、吸着剤の長寿命化を図ることができる。
このような構成により、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)から加圧された外気が供給されて内部が加圧されると、吸着剤に該外気中の窒素が吸着する。その結果、外気よりも窒素が少なくなることで外気よりも窒素濃度が低く且つ酸素濃度が高い酸素濃縮空気が生成される。一方、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)によって内部の空気が吸引されて減圧されると、吸着剤に吸着されていた窒素が脱着する。その結果、外気よりも窒素を多く含むことで外気よりも窒素濃度が高く且つ酸素濃度が低い窒素濃縮空気が生成される。本実施形態では、例えば、窒素濃度90%、酸素濃度10%の成分比率の窒素濃縮空気が生成される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の下端部(加圧時の流出口、減圧時の流入口)には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が供給されて生成された酸素濃縮空気を、コンテナ(11)の庫外へ導くための酸素排出通路(45)の一端が接続されている。酸素排出通路(45)の一端は、2つに分かれ、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の下端部のそれぞれに接続されている。酸素排出通路(45)の他端は、ガス供給装置(30)の外部、即ち、コンテナ(11)の庫外において開口している。酸素排出通路(45)の一端のうち、第1吸着筒(34)の下端部に接続された接続通路には、酸素排出通路(45)から第1吸着筒(34)への空気の逆流を防止するための第1逆止弁(37)が設けられている。一方、酸素排出通路(45)の一端のうち、第2吸着筒(35)の下端部に接続された接続通路には、酸素排出通路(45)から第2吸着筒(35)への空気の逆流を防止するための第2逆止弁(38)が設けられている。
また、酸素排出通路(45)の一端を構成する2つの接続通路は、パージ弁(36)を介して接続され、該パージ弁(36)と各接続通路の間には、オリフィス(62)が設けられている。パージ弁(36)は、加圧側の吸着筒(図4では、第1吸着筒(34))から減圧側の吸着筒(図4では、第2吸着筒(35))に所定量の酸素濃縮空気を導いて、減圧側の吸着筒(35,34)の吸着剤から窒素を放出させるのを補助するために用いられる。パージ弁(36)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
また、酸素排出通路(45)の中途部には、酸素タンク(39)が設けられ、該酸素タンク(39)と第1逆止弁(37)及び第2逆止弁(38)との間には、オリフィス(61)が設けられている。酸素タンク(39)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)で生成された酸素濃縮空気を一時的に貯留するものである。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)で生成された酸素濃縮空気は、オリフィス(61)で減圧された後、酸素タンク(39)に一時的に貯留される。
また、酸素排出通路(45)のオリフィス(61)と第1逆止弁(37)及び第2逆止弁(38)との間には、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に供給された加圧された空気の圧力を測定するための圧力センサ(49)が接続されている。
(流通切換機構)
また、空気回路(3)は、該空気回路(3)における空気の流通状態を、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)で生成された窒素濃縮空気を、エアポンプ(31)によってコンテナ(11)の庫内に供給する第1の流通状態と、空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気をエアポンプ(31)によってコンテナ(11)の庫内に供給する第2の流通状態とに切り換える流通切換機構(65)を備えている。
本実施形態では、流通切換機構(65)は、接続通路(66)と、第1開閉弁(67)と、第2開閉弁(68)とを有している。接続通路(66)は、酸素排出通路(45)の酸素タンク(39)のコンテナ(11)の庫外側の部分と供給通路(44)とを接続する通路である。第1開閉弁(67)は、酸素排出通路(45)における接続通路(66)の接続部よりもコンテナ(11)の庫外側に設けられ、酸素排出通路(45)を開閉する第2開閉弁(68)は、接続通路(66)に設けられている。
第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)は、制御部(55)によって開閉制御される。制御部(55)によって、第1開閉弁(67)を閉じ、第2開閉弁(68)を開いた状態で、エアポンプ(31)を稼働させることにより、空気回路(3)における空気の流通状態が第1の流通状態(図4の状態)に切り換えられる。一方、制御部(55)によって、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じた状態で、エアポンプ(31)を稼働させることにより、空気回路(3)における空気の流通状態が第2の流通状態(図5の状態)に切り換えられる。
具体的な流通動作については後述するが、本実施形態では、第2の流通状態において、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)で生成された窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とを合流させることで外気と組成の等しい空気を生成し、該空気をコンテナ(11)の庫内に供給することとしている。
−ガス供給装置の運転動作−
ガス供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作とが、所定の時間(例えば、15秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。第1動作と第2動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
《第1動作》
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。
第1ポンプ機構(31a)は、加圧した外気を第1吸着筒(34)へ供給する。第1吸着筒(34)へ流入した空気に含まれる窒素は、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着される。このように、第1動作中、第1吸着筒(34)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素が吸着剤に吸着することにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第2吸着筒(35)から空気を吸引する。その際、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着した窒素が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第1動作中、第2吸着筒(35)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着した窒素が脱着することにより、吸着剤から脱着された窒素を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《第2動作》
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す状態とは逆側の第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。
第1ポンプ機構(31a)は、加圧した外気を第2吸着筒(35)へ供給する。第2吸着筒(35)へ流入した空気に含まれる窒素は、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着される。このように、第2動作中、第2吸着筒(35)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素が吸着剤に吸着することにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)から空気を吸引する。その際、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着した窒素が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第2動作中、第1吸着筒(34)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着した窒素が脱着することにより、吸着剤から脱着された窒素を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
このようにして、ガス供給装置(30)では、第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって空気回路(3)において窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、ガス供給装置(30)では、流通切換機構(65)によって空気回路(3)における空気の流通状態が第1の流通状態と第2の流通状態とに切り換えられる。
《第1の流通状態における動作》
具体的には、制御部(55)によって、第1開閉弁(67)を閉じ、第2開閉弁(68)を開いた状態で、エアポンプ(31)を稼働させることにより、空気回路(3)における空気の流通状態が図4に示す第1の流通状態に切り換えられる。第1の流通状態では、従来のガス供給装置(30)と同様に、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された酸素濃縮空気は、エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)の加圧力により、酸素排出通路(45)を介してコンテナ(11)の庫外へ排出され、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された窒素濃縮空気は、エアポンプ(31)の第2ポンプ機構(31b)の加圧力により、供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内へ供給される。つまり、第1の流通状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された窒素濃縮空気を、エアポンプ(31)の第2ポンプ機構(31b)の加圧力によって、コンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作が行われる。
《第2の流通状態における動作》
一方、制御部(55)によって、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じた状態で、エアポンプ(31)を稼働させることにより、空気回路(3)における空気の流通状態が図5に示す第2の流通状態に切り換えられる。第2の流通状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)とガス供給装置(30)の外部(庫外)とが遮断される一方、酸素排出通路(45)と供給通路(44)とが接続通路(66)によって接続される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された酸素濃縮空気は、エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)の加圧力により、酸素排出通路(45)から接続通路(66)を介して供給通路(44)内に押し込まれる。供給通路(44)内には、エアポンプ(31)の第2ポンプ機構(31b)の加圧力により、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内に向かって流れている。そのため、供給通路(44)の接続通路(66)の接続部では、窒素濃縮空気の流れに酸素濃縮空気が合流し、外気と組成の等しい空気が生成される。このようにして供給通路(44)において生成された外気と組成の等しい空気は、エアポンプ(31)の第2ポンプ機構(31b)の加圧力により、コンテナ(11)の庫内へ供給される。このようにして、第2の流通状態では、空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気を、エアポンプ(31)の第2ポンプ機構(31b)の加圧力によってコンテナ(11)の庫内へ供給する外気導入動作が行われる。
[排気部]
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
具体的には、庫内ファン(26)が回転すると、吹出側の2次空間(S22)の圧力が、庫外空間の圧力(大気圧)よりも高くなる。これにより、排気弁(46b)が開状態であるときには、排気通路(46a)の両端部の間で生じる圧力差(庫外空間と2次空間(S22)との間の圧力差)により、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が排気通路(46a)を介して庫外空間へ排出される。
[センサユニット]
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、固定プレート(53)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
酸素センサ(51)は、内部にガルバニ電池式センサが収容された酸素センサボックス(51a)を有している。酸素センサ(51)は、ガルバニ電池式センサの電解液に流れる電流値を計測することによって、酸素センサボックス(51a)内の気体中の酸素濃度を測定する。酸素センサボックス(51a)の外面は、固定プレート(53)に固定されている。酸素センサボックス(51a)の外面であって固定プレート(53)への固定面とは反対側の面には、開口が形成され、該開口には、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタ(54)が取り付けられている。また、酸素センサボックス(51a)の下面には、コネクタ(管継手)を介して後述する測定ユニット(80)の分岐管(81)が連結されている。さらに、酸素センサボックス(51a)の一方の側面には、コネクタを介して連絡管(56)の一端が連結されている。
二酸化炭素センサ(52)は、二酸化炭素センサボックス(52a)を有し、二酸化炭素センサボックス(52a)内の気体に赤外線を放射し、二酸化炭素に固有の波長の赤外線の吸収量を計測することによって気体中の二酸化炭素濃度を測定する非分散型赤外線方式(NDIR:non dispersive infrared)のセンサである。二酸化炭素センサボックス(52a)の一方の側面には、コネクタを介して連絡管(56)の他端が連結されている。また、二酸化炭素センサボックス(52a)の他方の側面には、コネクタを介して排気管(57)の一端が連結されている。
固定プレート(53)は、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが取り付けられた状態で、ケーシング(12)に固定されている。
連絡管(56)は、上述のように、酸素センサボックス(51a)の側面と二酸化炭素センサボックス(52a)の側面とに連結され、酸素センサボックス(51a)の内部空間と二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間とを連通させている。
排気管(57)は、上述のように、一端が二酸化炭素センサボックス(52a)の他方の側面に連結され、他端が庫内ファン(26)の吸込口の近傍において開口している。つまり、排気管(57)は、二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間と庫内収納空間(S2)の1次空間(S21)とを連通させている。
このように、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)と1次空間(S21)とは、メンブレンフィルタ(54)、酸素センサボックス(51a)の内部空間、連絡管(56)、二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間、及び排気管(57))によって形成される空気通路(58)を介して連通している。そのため、庫内ファン(26)の運転中には、1次空間(S21)の圧力が、2次空間(S22)の圧力よりも低くなるため、その圧力差によって、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが接続された空気通路(58)において、2次空間(S22)側から1次空間(S21)側へ庫内空気が流れる。このようにして、庫内空気が酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを順に通過し、酸素センサ(51)において庫内空気の酸素濃度が測定され、二酸化炭素センサ(52)において庫内空気の二酸化炭素濃度が測定される。
[測定ユニット]
測定ユニット(80)は、分岐管(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、ガス供給装置(30)において生成されて供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
具体的には、分岐管(81)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素センサ(51)の酸素センサボックス(51a)に連結されている。このような構成により、分岐管(81)は、供給通路(44)と酸素センサボックス(51a)の内部空間とを連通させる。なお、本実施形態では、分岐管(81)は、ユニットケース(70)内において供給通路(44)から分岐し、ユニットケースの内外に亘るように設けられている。
測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)のユニットケースの内部に設けられている。測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。測定用開閉弁(82)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。詳細については後述するが、測定用開閉弁(82)は、後述する給気測定動作が実行される際にのみ開状態となり、その他のモードでは閉状態となる。
[制御部]
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成(例えば、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)になるように、ガス供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。図6に示すように、本実施形態では、制御部(55)は、起動制御と通常制御とを実行することにより、濃度調節運転を行うように構成されている。また、制御部(55)は、所定の起動制御の終了後に通常制御を行い、通常制御では、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとを行うように構成されている。
また、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的に、測定用開閉弁(82)の動作を制御して、ガス供給装置(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定する給気測定動作を行うように構成されている。
さらに、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的に、エアポンプ(31)、第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)の動作を制御して、コンテナ(11)の庫内の圧力を測定する庫内圧力測定動作と、外気の圧力を測定する外気圧力測定動作と、コンテナ(11)の庫内の圧力を外気の圧力と等しくさせる均圧動作とを行うように構成されている。
また、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止する前に、所定時間の間(例えば、5秒程度)、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)の動作を制御すると共に第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)の動作を制御して、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方において外気よりも湿度が高い酸素濃縮空気を生成してコンテナ(11)の庫内に供給する停止前動作を行うように構成されている。
−運転動作−
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
冷却運転では、ユニット制御部(100)によって、圧縮機(21)、膨張弁(23)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)の動作が、図示しない温度センサの測定結果に基づいて庫内空気の温度が所望の目標温度になるように制御される。このとき、冷媒回路(20)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。そして、庫内ファン(26)によって庫内収納空間(S2)へ導かれたコンテナ(11)の庫内空気が、蒸発器(24)を通過する際に該蒸発器(24)の内部を流れる冷媒によって冷却される。蒸発器(24)において冷却された庫内空気は、床下流路(19a)を通って吹出口(18b)から再びコンテナ(11)の庫内へ吹き出される。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が冷却される。
〈濃度調節運転〉
また、本実施形態では、図4に示す制御部(55)によって、CA装置(60)が、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成(例えば、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)に調節する濃度調節運転を行う。制御部(55)は、起動制御と通常制御とを実行することにより、濃度調節運転を行う。また、制御部(55)は、通常制御では、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとを実行することによって、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所定の目標濃度SPに調節する。
なお、濃度調節運転中、制御部(55)は、測定用開閉弁(82)を閉状態に制御する。また、濃度調節運転中、制御部(55)は、ユニット制御部(100)と通信し、該ユニット制御部(100)によって庫内ファン(26)を回転させる。これにより、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)には、庫内ファン(26)によって庫内空気が供給され、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とが測定されることとなる。
具体的には、図6に示すように、制御部(55)は、起動制御の終了後、通常制御において酸素濃度低下モードを実行する。そして、酸素センサ(51)によって測定されたコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(本実施形態では、5%)まで低下すると、制御部(55)は、酸素濃度低下モードを終了して空気組成調整モードを実行する。空気組成調整モードにおいて、酸素センサ(51)によって測定されたコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(本実施形態では、5%)に所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた濃度(本実施形態では、6.0%)以上になると、制御部(55)は、空気組成調整モードを終了して、酸素濃度低下モードへ戻す。以下、通常制御における酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとについて詳述する。
[酸素濃度低下モード]
酸素濃度低下モードでは、まず、制御部(55)は、空気回路(3)を第1の流通状態に切り換え、空気回路(3)において窒素濃縮空気(窒素濃度90%、酸素濃度10%)を生成してコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作を行う。また、同時に、制御部(55)は、排気部(46)の排気弁(46b)を開状態に制御して排気動作を行い、ガス供給動作によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給した分だけ庫内空気を庫外へ排出する。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が窒素濃縮空気に置換されるため、庫内空気の酸素濃度が低下する(図7の点A→点B)。
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度を合計した合計値が目標酸素濃度SPOと目標二酸化炭素濃度SPCOとを合計した目標濃度合計値になる(図7の点Bに至る)と、ガス供給動作と排気動作とを停止させる。
ガス供給動作と排気動作が停止されると、コンテナ(11)の庫内では、空気が何ら入れ替わらないため、庫内空気の組成は、植物(15)の呼吸によってのみ変化する。植物(15)は、呼吸により、酸素を取り込み、取り込んだ酸素と同体積の二酸化炭素を排出する。そのため、植物(15)の呼吸によって、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が減少し、酸素濃度の低下分だけ二酸化炭素濃度が増加するが、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度の合計値は変化しない。そのため、ガス供給動作と排気動作の停止後、コンテナ(11)の庫内空気の組成は、植物(15)の呼吸によって、コンテナ(11)の庫内空気の組成は、目標組成点SP(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)を通る傾き−1の直線L上を、酸素濃度が低下し且つ二酸化炭素濃度が上昇する方向へ遷移する。つまり、ガス供給動作と排気動作とを上記直線L上の任意の点において停止することにより、その後は、植物(15)の呼吸を利用するだけでコンテナ(11)の庫内空気の組成を目標の組成に調節することができる。
その後、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(本実施形態では、5%)以下になると、酸素濃度低下モードを終了し、空気組成調整モードを開始する。
[空気組成調整モード]
《酸素濃度の調整》
空気組成調整モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(本実施形態では、5%)よりも所定濃度X(本実施形態では、0.5%)だけ低い下限値(本実施形態では、4.5%)を下回ると、庫内空気の酸素濃度を上昇させる酸素濃度上昇制御を実行する。
酸素濃度上昇制御では、制御部(55)は、空気回路(3)を第2の流通状態に切り換え、空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気(窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とを混ぜることによって生成した空気)をコンテナ(11)の庫内に供給する外気導入動作を行う。また、同時に、制御部(55)は、排気部(46)の排気弁(46b)を開状態に制御して排気動作を行い、外気導入動作によって外気と組成の等しい空気をコンテナ(11)の庫内に供給した分だけ庫内空気を庫外へ排出する。このような外気導入動作と排気動作とにより、庫内空気が外気と組成の等しい空気に置換され、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO(本実施形態では、5%)よりも所定濃度X(本実施形態では、0.5%)だけ高い値(本実施形態では、5.5%)以上になると、外気導入動作と排気動作とを停止させ、酸素濃度上昇制御を終了する。
《二酸化炭素濃度の調整》
また、空気組成調整モードにおいて、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO(本実施形態では、5%)よりも所定濃度Y(本実施形態では、0.5%)だけ高い上限値(本実施形態では、5.5%)以上になると、庫内空気の二酸化炭素濃度を低下させる二酸化炭素濃度低下制御を実行する。
二酸化炭素濃度低下制御では、制御部(55)は、まず、制御部(55)は、空気回路(3)を第1の流通状態に切り換え、空気回路(3)において窒素濃縮空気(窒素濃度90%、酸素濃度10%)を生成してコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作を行う。また、同時に、制御部(55)は、排気部(46)の排気弁(46b)を開状態に制御して排気動作を行い、ガス供給動作によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給した分だけ庫内空気を庫外へ排出する。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が、目標二酸化炭素濃度SPCO(本実施形態では、5%)よりも所定濃度Y(本実施形態では、0.5%)だけ低い値(本実施形態では、4.5%)未満になると、ガス供給動作と排気動作とを停止させ、二酸化炭素濃度低下制御を終了する。
なお、二酸化炭素濃度低下制御において、ガス供給動作の代わりに、空気回路(3)を第2の流通状態に切り換え、空気回路(3)において外気と組成の等しい空気(窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とを混ぜた空気)を生成してコンテナ(11)の庫内に供給する外気導入動作を行ってもよい。
[給気測定動作]
また、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的(例えば、10日毎)に、ガス供給装置(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定する給気測定動作を行う。なお、給気測定動作は、上述の濃度調節運転や試運転等のガス供給動作中に庫内ファン(26)が停止した際に並行して行われる。
ガス供給動作中に測定用開閉弁(82)が開かれると、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部が分岐管(81)に流入する。分岐管(81)に流入した窒素濃縮空気は、酸素センサ(51)の酸素センサボックス(51a)内に流入し、酸素濃度が測定される。
このように、ガス供給装置(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定することにより、ガス供給装置(30)において生成された窒素濃縮空気の組成(酸素濃度、窒素濃度)が所望の状態(例えば、窒素濃度90%、酸素濃度10%)であるかを確認することができる。
[庫内圧力測定動作]
また、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的に、コンテナ(11)の庫内の圧力を測定する庫内圧力測定動作を行う。本実施形態では、庫内圧力測定動作は、エアポンプ(31)の動作を停止し、ガス供給装置(30)の空気回路(3)内の圧力とコンテナ(11)の庫内の圧力とを等しくした上で、空気回路(3)に設けた圧力センサ(49)を用いて行う。
具体的には、エアポンプ(31)の動作を停止し、流通切換機構(65)を構成する第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じた状態で、圧力センサ(49)によって圧力を測定する。第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じると、供給通路(44)と接続通路(66)と酸素排出通路(45)を介して圧力センサ(49)とコンテナ(11)の庫内とが連通し、酸素排出通路(45)において圧力センサ(49)と外部との間が遮断される。そのため、第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)の切換後、しばらくすると、圧力センサ(49)とコンテナ(11)の庫内とを連通する通路(供給通路(44)、接続通路(66)及び酸素排出通路(45))内の圧力が、コンテナ(11)の庫内の圧力と等しくなる。よって、均圧後に測定された該圧力センサ(49)の値は、コンテナ(11)の庫内の圧力とほぼ等しくなる。制御部(55)は、例えば、庫内圧力測定動作の開始時から所定時間経過後の圧力センサ(49)の測定値を、コンテナ(11)の庫内の圧力として記憶する。また、制御部(55)は、庫内圧力測定動作中、圧力センサ(49)の測定値が平衡状態(ほぼ変動しない状態)になった際に、その測定値をコンテナ(11)の庫内の圧力として記憶することとしてもよい。
[外気圧力測定動作]
また、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的に、外気の圧力を測定する外気圧力測定動作を行う。本実施形態では、外気圧力測定動作は、エアポンプ(31)の動作を停止し、ガス供給装置(30)の空気回路(3)内の圧力と外気の圧力とを等しくした上で、空気回路(3)に設けた圧力センサ(49)を用いて行う。
具体的には、エアポンプ(31)の動作を停止し、流通切換機構(65)を構成する第1開閉弁(67)を閉じ、第2開閉弁(68)を開いた状態で、圧力センサ(49)によって圧力を測定する。第1開閉弁(67)を閉じ、第2開閉弁(68)を開くと、圧力センサ(49)が接続された酸素排出通路(45)とコンテナ(11)の庫内に連通する供給通路(44)との間が遮断され、酸素排出通路(45)において圧力センサ(49)と外部との間が連通する。そのため、第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)の切換後、しばらくすると、酸素排出通路(45)内の圧力が、外気の圧力と等しくなる。よって、均圧後に測定された該圧力センサ(49)の値は、外気の圧力とほぼ等しくなる。制御部(55)は、例えば、外気圧力測定動作の開始時から所定時間経過後の圧力センサ(49)の測定値を、外気の圧力として記憶する。また、制御部(55)は、外気圧力測定動作中、圧力センサ(49)の測定値が平衡状態(ほぼ変動しない状態)になった際に、その測定値を外気の圧力として記憶することとしてもよい。
[均圧動作]
また、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的に、コンテナ(11)の庫内の圧力を外気の圧力と等しくさせる均圧動作を行う。
具体的には、エアポンプ(31)の動作を停止し、流通切換機構(65)を構成する第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を開く。第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を開くと、ガス供給装置(30)の外部と連通する酸素排出通路(45)とコンテナ(11)の庫内と連通する供給通路(44)とが、接続通路(66)を介して接続される。つまり、ガス供給装置(30)の外部とコンテナ(11)の庫内とが連通する。これにより、コンテナ(11)の庫内の圧力がガス供給装置(30)の外部の圧力(外気の圧力)と等しくなる。
[停止前動作]
本実施形態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の吸着剤が、空気中の窒素だけでなく、空気中の水分を吸着するゼオライトによって構成されているため、第1ポンプ機構(31a)によって、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に加圧された外気が供給されると、該外気中の窒素と共に水分が吸着剤に吸着されて外気よりも湿度が低い酸素濃縮空気が生成される。一方、第2ポンプ機構(31b)によって、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の内部の空気が吸引されると、吸着剤に吸着された窒素と水分とが脱着されて外気よりも湿度が高い窒素濃縮空気が生成される。そして、ガス供給装置(30)の運転中には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された高湿度の窒素濃縮空気が、酸素排出通路(45)と接続通路(66)と供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内に導かれる。そのため、ガス供給装置(30)の運転を停止すると、供給通路(44)に残留した高湿度の窒素濃縮空気が冷却され、該空気中の水分が結露し、その結露水が第2ポンプ機構(31b)に流入するおそれがある。
そこで、本実施形態では、制御部(55)が、ガス供給装置(30)の運転を停止する前に、所定時間の間(例えば、5秒程度)、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方において外気よりも湿度が高い酸素濃縮空気を生成してコンテナ(11)の庫内に供給する停止前動作を行うように構成されている。
具体的には、制御部(55)は、エアポンプ(31)の動作中に、第1方向制御弁(32)を第1状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第2状態に設定し、流通切換機構(65)を構成する第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じて停止前動作を行う。
第1方向制御弁(32)を第1状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第2状態に設定すると、空気回路(3)において、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態が、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧された外気が供給される両方加圧状態(第3の接続状態)に切り換わる。両方加圧状態(第3の接続状態)に切り換わると、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給された外気中の窒素が吸着剤に吸着し、酸素濃縮空気が生成される。このとき、外気中の窒素と共に水分も吸着剤に吸着される。そのため、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された酸素濃縮空気は、外気よりも湿度が低くなる。
このような両方加圧状態において、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じると、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方において生成された低湿度の酸素濃縮空気が、酸素排出通路(45)と接続通路(66)と供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内に供給される。
本実施形態では、このように、運転停止前に、所定時間の間、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方において低湿度の酸素濃縮空気を生成し、これを酸素排出通路(45)と接続通路(66)と供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内に供給する停止前動作を行う。なお、停止前動作の実行時間(上記所定時間)は、供給通路(44)の内容積(流路断面積×通路長さ)と停止前動作時における酸素濃縮空気の供給流量とから算出された酸素濃縮空気の到達時間(供給通路(44)の庫内側端部に到達するまでの時間)に設定される。
このような停止前動作により、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気が低湿度の酸素濃縮空気でコンテナ(11)の庫内に押し出され、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気が低湿度の酸素濃縮空気に置き換えられる。よって、運転停止後には、供給通路(44)内に低湿度の酸素濃縮空気が残留することとなり、運転停止により、供給通路(44)内の空気が冷却されても、結露が発生し難くなる。
そして、停止前動作の開始から上記所定時間経過後に、停止前動作を終了し、エアポンプ(31)の動作を停止して、ガス供給装置(30)の運転を停止する。
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態1によれば、流通切換機構(65)によって、空気回路(3)における空気の流通状態を切り換えることにより、空気回路(3)で生成された窒素濃縮空気だけでなく、空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気を、第2ポンプ機構(31b)の加圧力によってコンテナ(11)の庫内に押し込むことができるようにガス供給装置を構成することとした。そのため、コンテナ(11)の庫内の圧力が外気の圧力よりも高い場合であっても、外気と組成の等しい空気を円滑にコンテナ(11)の庫内に供給することができる。よって、庫内空気の組成(酸素濃度、二酸化炭素濃度)を、迅速に且つ精度良く所望の組成に調整することができる。
また、本実施形態1によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、酸素排出通路(45)と供給通路(44)とを接続する接続通路(66)と、接続通路(66)を開閉する第1開閉弁(67)と、酸素排出通路(45)における接続通路(66)の接続部よりも外部側を開閉する第2開閉弁(68)とを加えるだけの容易な設計変更により、第1の流通状態と第2の流通状態との切り換えが可能なガス供給装置を提供することができる。
また、本実施形態1によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、流通切換機構(65)を構成する接続通路(66)と第1開閉弁(67)と第2開閉弁(68)とを設けることにより、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に供給された加圧された空気の圧力を測定するための圧力センサ(49)を用いて、コンテナ(11)の庫内の圧力を測定することができる。つまり、流通切換機構(65)を設けることにより、コンテナ(11)の庫内に別途圧力センサを設けることなく、空気回路(3)に設けた圧力センサ(49)を用いてコンテナ(11)の庫内の圧力を測定することが可能となる。
また、本実施形態1によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、流通切換機構(65)を構成する接続通路(66)と第1開閉弁(67)と第2開閉弁(68)とを設けることにより、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に供給された加圧された空気の圧力を測定するための圧力センサ(49)を用いて、ガス供給装置(30)の外部の圧力(外気の圧力)を測定することができる。つまり、流通切換機構(65)を設けることにより、コンテナ(11)の庫内に別途圧力センサを設けることなく、空気回路(3)に設けた圧力センサ(49)を用いて外気の圧力を測定することが可能となる。
また、本実施形態1によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、流通切換機構(65)を構成する接続通路(66)と第1開閉弁(67)と第2開閉弁(68)とを設けることにより、第1開閉弁(67)及び第2開閉弁(68)を共に開き、第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)の動作を停止するだけで、容易に、コンテナ(11)の庫内の圧力とガス供給装置(30)の外部の圧力(外気の圧力)とを等しくすることができる。つまり、流通切換機構(65)を設けることにより、コンテナ(11)の庫内とガス供給装置(30)の外部とを連通させて圧力を等しくする均圧機構を別途設けることなく、コンテナ(11)の庫内の圧力を外気の圧力と等しくすることができる。
また、本実施形態1によれば、ガス供給装置(30)の運転停止前に、所定時間の間、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方において外気よりも湿度の低い酸素濃縮空気を生成し、酸素排出通路(45)と接続通路(66)と供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内に供給する停止前動作を行うこととした。このような停止前動作によって、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気を低湿度の酸素濃縮空気でコンテナ(11)の庫内に押し出すことにより、運転停止時までに、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気を低湿度の酸素濃縮空気に置き換えることができる。よって、ガス供給装置(30)の運転を停止しても、供給通路(44)内には、低湿度の酸素濃縮空気が残留しているので、該酸素濃縮空気が冷却されても、該空気中の水分が結露しにくくなる。従って、ガス供給装置(30)の運転停止後の供給通路(44)内における結露の発生を抑制し、結露水が第2ポンプ機構(31b)に流入することを防止することができる。
また、本実施形態1によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、流通切換機構(65)を構成する接続通路(66)と第1開閉弁(67)と第2開閉弁(68)とを設け、また、空気回路(3)が両方加圧状態(第3の接続状態)に切り換えられるように第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)の構成を変更することにより、運転停止前に、空気回路(3)を両方加圧状態に切り換え、第1開閉弁(67)を開き、第2開閉弁(68)を閉じるだけで、容易に、運転停止時までに、供給通路(44)内の高湿度の窒素濃縮空気を低湿度の酸素濃縮空気に置き換えることができる。つまり、流通切換機構(65)を設け、空気回路(3)を両方加圧状態に切り換え可能に構成することにより、供給通路(44)内における結露の発生を抑制する結露抑制機構を別途設けることなく、ガス供給装置(30)の運転停止後の供給通路(44)内における結露の発生を抑制し、結露水が第2ポンプ機構(31b)に流入することを防止することができる。
また、本実施形態1によれば、コンテナ(11)の庫内の圧力が外気の圧力よりも高い場合であっても、外気と組成の等しい空気を円滑にコンテナ(11)の庫内に供給することができるガス供給装置(30)をコンテナ用冷凍装置(10)において用いることとした。そのため、庫内空気の組成(酸素濃度、二酸化炭素濃度)を、迅速に且つ精度良く所望の組成に調整可能なコンテナ用冷凍装置(10)を提供することができる。
《本発明の実施形態2》
図8及び図9に示すように、実施形態2は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置(10)において、空気回路(3)に設けた流通切換機構(65)の構成を変更したものである。以下では、実施形態1と構成の異なる流通切換機構(65)について詳述する。
(流通切換機構)
流通切換機構(65)は、バイパス通路(71)と、バイパス開閉弁(72)と、排出通路開閉弁(73)とを有している。バイパス通路(71)は、吐出通路(42)と吸引通路(43)とを接続する通路である。バイパス開閉弁(72)は、バイパス通路(71)に設けられている。排出通路開閉弁(73)は、酸素排出通路(45)における酸素タンク(39)よりもガス供給装置(30)の外部、即ち、コンテナ(11)の庫外側に設けられている。
バイパス開閉弁(72)及び排出通路開閉弁(73)は、制御部(55)によって開閉制御される。制御部(55)によって、バイパス開閉弁(72)を閉じ、排出通路開閉弁(73)を開いた状態で、エアポンプ(31)を稼働させることにより、空気回路(3)における空気の流通状態が第1の流通状態(図8の状態)に切り換えられる。一方、制御部(55)によって、バイパス開閉弁(72)を開き、排出通路開閉弁(73)を閉じた状態で、エアポンプ(31)を稼働させることにより、空気回路(3)における空気の流通状態が第2の流通状態(図9の状態)に切り換えられる。
具体的な流通動作については後述するが、本実施形態では、第2の流通状態において、エアポンプ(31)が吸引した外気を、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)へ導くことなくこれらをバイパスさせてコンテナ(11)の庫内に供給することとしている。
−ガス供給装置の運転動作−
《第1の流通状態における動作》
図8に示すように、実施形態2では、制御部(55)は、空気回路(3)における空気の流通状態を第1の流通状態に切り換える場合には、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作して実施形態1と同様の第1動作と第2動作とを、所定の時間(例えば、15秒)ずつ交互に繰り返し行う。その結果、実施形態1と同様にして、空気回路(3)において窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。
第1の流通状態では、バイパス開閉弁(72)が閉じ、排出通路開閉弁(73)が開いているため、従来のガス供給装置(30)と同様に、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された酸素濃縮空気は、エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)の加圧力により、酸素排出通路(45)を介してコンテナ(11)の庫外へ排出され、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された窒素濃縮空気は、エアポンプ(31)の第2ポンプ機構(31b)の加圧力により、供給通路(44)を介してコンテナ(11)の庫内へ供給される。つまり、第1の流通状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において生成された窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内へ供給されるガス供給動作が行われる。
《第2の流通状態における動作》
一方、図9に示すように、実施形態2では、制御部(55)は、空気回路(3)における空気の流通状態を第2の流通状態に切り換える場合には、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作して、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第1ポンプ機構(31a)の吐出口と接続される第3の接続状態(両方加圧状態)に切り換える。両方加圧状態では、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧された外気が供給され、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方において吸着動作が行われて酸素濃縮空気が生成される。
一方、第2の流通状態では、バイパス開閉弁(72)が開き、排出通路開閉弁(73)が閉じているため、加圧された外気が第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に供給されて酸素濃縮空気が生成されても、該酸素濃縮空気が外部(コンテナ(11)の庫外)へ排出されない。そのため、第2の流通状態となってすぐに、吐出通路(42)のバイパス通路(71)の接続部と酸素排出通路(45)の排出通路開閉弁(73)との間の内圧が著しく上昇し、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)側へ流れなくなる。
これにより、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気は、吐出通路(42)からバイパス通路(71)に流入し、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)をバイパスして吸引通路(43)に流出し、第2ポンプ機構(31b)に吸引される。つまり、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気は、そのまま第2ポンプ機構(31b)に吸引される。そして、第2ポンプ機構(31b)に吸引された外気は加圧され、供給通路(44)を介してコンテナの庫内に供給される。
このようにして、実施形態2の第2の流通状態では、空気回路(3)内に取り込んだ外気を、そのままエアポンプ(31)の第2ポンプ機構(31b)の加圧力によってコンテナ(11)の庫内へ供給する外気導入動作が行われる。
実施形態2のコンテナ用冷凍装置(10)のその他の構成及び動作は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置(10)と同様である。
−実施形態2の効果−
以上により、実施形態2によれば、第2ポンプ機構(31b)によって窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に押し込む従来のガス供給装置の空気回路(3)に、第1ポンプ機構(31a)から吐出された外気を、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)をバイパスさせて第2ポンプ機構(31b)へ導くバイパス通路(71)と、該バイパス通路(71)を開閉するバイパス開閉弁(72)とを加えるだけの容易な設計変更により、第1の流通状態と第2の流通状態との切り換えが可能なガス供給装置を提供することができる。
また、実施形態2によれば、外気導入動作を、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)をバイパスさせて行うため、実施形態1に比べて第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の耐久性を向上させることができる。
また、実施形態2によれば、外気導入動作において、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を第1状態と第2状態とに切り換えないため、実施形態1に比べて第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)の耐久性を向上させることができる。
《本発明の実施形態3》
図10に示すように、実施形態3は、実施形態1のコンテナ用冷凍装置(10)において、排気部(46)の構成を変更したものである。
具体的には、実施形態1において電磁弁によって構成されていた排気弁(46b)が、実施形態3では、両端の圧力差が所定値以上になると開く逆止弁によって構成されている。この逆止弁からなる排気弁(46b)は、ケーシング(12)を内外に貫通する排気通路(46a)において、庫内から庫外へ向かう空気の流通のみを許容し、逆向きの空気の流通を阻止するように排気通路(46a)の庫内側に設けられている。
このような逆止弁からなる排気弁(46b)により、実施形態3では、ガス供給動作及び外気導入動作を行うことによって、コンテナ(11)の庫内の圧力が、庫外の圧力(外気の圧力)よりも高くなり、その圧力差が所定圧力値以上になると排気弁(46b)が開き、コンテナ(11)の庫内空気が排気通路(46a)を介して庫外へ排出される。
−実施形態3の効果−
以上により、実施形態3によれば、実施形態1のように、制御部(55)によって制御することなく、排気弁(46b)をコンテナ(11)の庫内と庫外との圧力差に応じて自動的に開閉して、コンテナ(11)の庫内の圧力を、庫外の圧力よりも所定圧力値だけ高い圧力値に安定させることができる。その結果、ガス供給動作及び外気導入動作を安定させることができるため、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)の調節が行い易くなると共に、精度良く行うことができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、1つのエアポンプ(31)が第1ポンプ機構(31a)と第2ポンプ機構(31b)とを有する構成としていたが、第1ポンプ機構(31a)と第2ポンプ機構(31b)とは、2つの個別のエアポンプによって構成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、第1吸着部及び第2吸着部として、それぞれ1本の吸着筒を用いて窒素の吸着及び脱着を行うようにしていたが、各吸着部を構成する吸着筒の本数は1本に限定されない。例えば、各吸着部を3本の吸着筒で構成し、合計6本の吸着筒を用いることとしてもよい。
また、上記各実施形態では、海上輸送用のコンテナ(11)に設けられるコンテナ用冷凍装置(10)に本発明に係るCA装置(60)を適用した例について説明したが、本発明に係るCA装置(60)の用途はこれに限られない。本発明に係るCA装置(60)は、海上輸送用のコンテナの他、例えば、陸上輸送用のコンテナ、単なる冷凍冷蔵倉庫、常温の倉庫等の庫内空気の組成調節に用いることができる。
以上説明したように、本発明は、コンテナの庫内に窒素濃縮空気を供給するガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置について有用である。
3 空気回路
10 コンテナ用冷凍装置
11 コンテナ
20 冷媒回路
30 ガス供給装置
31a 第1ポンプ機構
31b 第2ポンプ機構
32 第1方向制御弁(接続切換機構)
33 第2方向制御弁(接続切換機構)
34 第1吸着筒(第1吸着部)
35 第2吸着筒(第2吸着部)
44 供給通路
45 酸素排出通路
46 排気部
49 圧力センサ
60 CA装置(庫内空気調節装置)
65 流通切換機構
66 接続通路
67 第1開閉弁
68 第2開閉弁
71 バイパス通路
72 バイパス開閉弁

Claims (8)

  1. 呼吸を行う植物(15)が収納されるコンテナ(11)に設けられ、
    外気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(31a)と、
    吸引した空気を加圧して吐出する第2ポンプ機構(31b)と、
    空気中の窒素を吸着する吸着剤をそれぞれ有し、上記第1ポンプ機構(31a)の吐出口と上記第2ポンプ機構(31b)の吸込口とに交互に接続され、上記第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続されて加圧された外気が供給されると、該外気中の窒素を上記吸着剤に吸着させて酸素濃縮空気を生成し、上記第2ポンプ機構(31b)の吸入口に接続されて内部の空気が吸引されると、上記吸着剤に吸着した窒素を脱着させて窒素濃縮空気を生成する第1吸着部(34)及び第2吸着部(35)とが接続されて空気が流通する空気回路(3)とを備え、
    上記窒素濃縮空気を上記コンテナ(11)の庫内に供給するガス供給装置であって、
    上記空気回路(3)は、該空気回路(3)における空気の流通状態を、
    上記第2ポンプ機構(31b)によって上記窒素濃縮空気を上記コンテナ(11)の庫内に供給する第1の流通状態と、
    上記第2ポンプ機構(31b)によって上記空気回路(3)内の外気と組成の等しい空気を上記コンテナ(11)の庫内に供給する第2の流通状態とに切り換える流通切換機構(65)を備えている
    ことを特徴とするガス供給装置。
  2. 請求項1において、
    上記空気回路(3)は、
    上記第2ポンプ機構(31b)の吐出口と上記コンテナ(11)の庫内とを接続し、上記第2ポンプ機構(31b)から吐出された空気を上記コンテナ(11)の庫内に導く供給通路(44)と、
    上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)と外部とを接続し、該第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)で生成された上記酸素濃縮空気を外部へ導く酸素排出通路(45)とを備え、
    上記流通切換機構(65)は、
    上記酸素排出通路(45)と上記供給通路(44)とを接続する接続通路(66)と、
    上記接続通路(66)に設けられた第1開閉弁(67)と、
    上記酸素排出通路(45)における上記接続通路(66)の接続部よりも上記外部側に設けられた第2開閉弁(68)とを有し、
    上記第1開閉弁(67)を閉じ、上記第2開閉弁(68)を開くことで上記第1の流通状態となり、
    上記第1開閉弁(67)を開き、上記第2開閉弁(68)を閉じることで上記第2の流通状態となる
    ことを特徴とするガス供給装置。
  3. 請求項2において、
    上記酸素排出通路(45)における上記接続通路(66)の接続部よりも上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)側には、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)から上記酸素排出通路(45)に流出した空気の圧力を測定するための圧力センサ(49)が接続され、
    上記第1ポンプ機構(31a)及び上記第2ポンプ機構(31b)の動作を停止し、上記第1開閉弁(67)を開き、上記第2開閉弁(68)を閉じた状態で、上記圧力センサ(49)によって上記コンテナ(11)の庫内の圧力を測定する庫内圧力測定動作を行う
    ことを特徴とするガス供給装置。
  4. 請求項3において、
    上記第1ポンプ機構(31a)及び上記第2ポンプ機構(31b)の動作を停止し、上記第1開閉弁(67)を閉じ、上記第2開閉弁(68)を開いた状態で、上記圧力センサ(49)によって外気の圧力を測定する外気圧力測定動作を行う
    ことを特徴とするガス供給装置。
  5. 請求項4において、
    上記第1ポンプ機構(31a)及び上記第2ポンプ機構(31b)の動作を停止し、上記第1開閉弁(67)及び上記第2開閉弁(68)を開くことによって、上記コンテナ(11)の庫内の圧力を外気の圧力と等しくさせる均圧動作を行う
    ことを特徴とするガス供給装置。
  6. 請求項2において、
    上記吸着剤は、空気中の窒素と共に該空気中の水分を吸着するものであり、
    上記空気回路(3)は、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)の両方が上記第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)の両方に加圧された外気が供給される両方加圧状態に切り換える接続切換機構(32,33)を備え、
    運転停止前に、上記両方加圧状態に切り換え、上記第1開閉弁(67)を開き、上記第2開閉弁(68)を閉じることによって、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)の両方で生成された上記酸素濃縮空気を上記コンテナ(11)の庫内に供給する停止前動作を行う
    ことを特徴とするガス供給装置。
  7. 請求項1において、
    上記空気回路(3)は、上記第2ポンプ機構(31b)の吐出口と上記コンテナ(11)の庫内とを接続し、上記第2ポンプ機構(31b)から吐出された空気を上記コンテナ(11)の庫内に導く供給通路(44)を備え、
    上記流通切換機構(65)は、上記第1ポンプ機構(31a)から吐出された外気を、上記第1吸着部(34)及び上記第2吸着部(35)をバイパスさせて上記第2ポンプ機構(31b)へ導くバイパス通路(71)と、
    上記バイパス通路(71)を開閉するバイパス開閉弁(72)とを有し、
    上記バイパス開閉弁(72)を閉じることで上記第1の流通状態となり、
    上記バイパス開閉弁(72)を開くことで上記第2の流通状態となる
    ことを特徴とするガス供給装置。
  8. 呼吸を行う植物(15)が収納されるコンテナ(11)に取り付けられ、
    冷凍サイクルを行って上記コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷媒回路(20)と、
    上記コンテナ(11)の庫内にガスを供給するガス供給装置(30)と、上記コンテナ(11)の庫内空気を庫外へ排出する排気部(46)とを有し、上記コンテナ(11)の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置(60)とを備えたコンテナ用冷凍装置であって、
    上記ガス供給装置(30)は、請求項1乃至7のいずれか1つのガス供給装置によって構成されている
    ことを特徴とするコンテナ用冷凍装置。
JP2015039246A 2015-02-27 2015-02-27 ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置 Pending JP2016161191A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015039246A JP2016161191A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015039246A JP2016161191A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016161191A true JP2016161191A (ja) 2016-09-05

Family

ID=56844712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015039246A Pending JP2016161191A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016161191A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106247731A (zh) * 2016-09-28 2016-12-21 青岛海尔股份有限公司 冷藏冷冻装置
WO2019216312A1 (ja) * 2018-05-07 2019-11-14 ダイキン工業株式会社 加湿装置及び空気組成調節装置
JP7089208B1 (ja) * 2021-04-20 2022-06-22 ダイキン工業株式会社 庫内空気調節装置、冷凍装置、及び輸送用コンテナ

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106247731A (zh) * 2016-09-28 2016-12-21 青岛海尔股份有限公司 冷藏冷冻装置
CN106247731B (zh) * 2016-09-28 2020-07-28 青岛海尔股份有限公司 冷藏冷冻装置
WO2019216312A1 (ja) * 2018-05-07 2019-11-14 ダイキン工業株式会社 加湿装置及び空気組成調節装置
JP2019196899A (ja) * 2018-05-07 2019-11-14 ダイキン工業株式会社 加湿装置及び空気組成調節装置
CN112105878A (zh) * 2018-05-07 2020-12-18 大金工业株式会社 加湿装置及空气组成调节装置
US11428423B2 (en) 2018-05-07 2022-08-30 Daikin Industries, Ltd. Humidifier and air composition adjustment device
US11668479B2 (en) 2018-05-07 2023-06-06 Daikin Industries, Ltd. Humidifier and air composition adjustment device
JP7089208B1 (ja) * 2021-04-20 2022-06-22 ダイキン工業株式会社 庫内空気調節装置、冷凍装置、及び輸送用コンテナ
WO2022224616A1 (ja) * 2021-04-20 2022-10-27 ダイキン工業株式会社 庫内空気調節装置、冷凍装置、及び輸送用コンテナ
US11951437B2 (en) 2021-04-20 2024-04-09 Daikin Industries, Ltd. Inside air control system, refrigeration apparatus, and transport container

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6056997B2 (ja) コンテナ用冷凍装置
JP6137249B2 (ja) 庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置
JP5804215B1 (ja) コンテナ用冷凍装置
JP5971296B2 (ja) コンテナ用冷凍装置
JP6056993B2 (ja) コンテナ用冷凍装置
US11540448B2 (en) Indoor air-conditioning device and container refrigeration device equipped with same
JP6579285B2 (ja) 庫内空気調整装置
JP6056923B1 (ja) コンテナ用冷凍装置
CN107923694B (zh) 集装箱用制冷装置
JP6555399B2 (ja) コンテナ用冷凍装置
JP2017125670A (ja) ガス供給装置
JP6459355B2 (ja) 庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置
JP6572782B2 (ja) ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置
JP2016161191A (ja) ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置
JP2019056549A (ja) 気体供給装置、庫内空気調節装置、及びコンテナ用冷凍装置
JP2016191532A (ja) コンテナ用冷凍装置
JP5943106B1 (ja) ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置
JP2017219287A (ja) ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置
JP7057518B2 (ja) コンテナ用冷凍装置
JP6743480B2 (ja) ガス供給装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置