JP2016161099A - 易重合性化合物を含有する液体の移液方法 - Google Patents

易重合性化合物を含有する液体の移液方法 Download PDF

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宏透 伊藤
雄太 中山
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雄太 中山
茂人 米沼
Shigeto Yonenuma
茂人 米沼
鈴木 芳郎
Yoshiro Suzuki
芳郎 鈴木
神野 公克
Kimikatsu Jinno
公克 神野
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Abstract

【課題】易重合性化合物を含有する液体の移送方法であって、該ポンプ装置のシール部分での易重合性化合物の重合を抑制し、長期にわたり作動不良の防止を可能とする方法の提供。
【解決手段】接触型ガスシール20を含むポンプ装置を用いることにより、非接触型ガスシール20のシール面24に動圧溝を形成する事によって、易重合性化合物を含有する液体の移液を可能にしたことを特徴とする易重合性化合物を含有する液体の移液方法。
【選択図】図1

Description

本発明は易重合性化合物を含有する液体の移液方法に関する。
(メタ)アクリル酸又はそのエステル等の易重合性化合物を含有する液体は、製造、貯蔵もしくは移送中に、熱、光、その他の要因により重合し、しばしばトラブルが発生することが知られている。それらのトラブル防止、即ち、易重合性化合物を含有する溶液の重合防止方法としては、フェノチアジンやハイドロキノン及びその誘導体等のフェノール類化合物等の重合禁止剤の添加や、酸素含有ガスとの接触が有効であることが知られており、広く採用されている方法である。
液体移送用のポンプ装置のシールとして、メカニカルシールが用いられることがある。特許文献1では、メカニカルシールに対してフラッシング液を供給するフラッシング液ラインにストレーナ、重合防止剤添加装置、又は、フラッシング液冷却装置が設けられたポンプを、易重合性化合物を含有する液体の移送に使用することが提案されている。このようなポンプにおいては、冷却、潤滑のため、また異物を停滞させないため、クエンチング、フラッシング等の機構が採用されている。
クエンチング機構では、冷却が間接的であり、摩擦による発熱により摺動部が局所的な高温状態となり得るため、特に易重合性化合物の移送に用いることには制約がある。
一方、フラッシング機構には、移送される液体自身を用いて行うセルフフラッシングのほか、移送される液と別の液を準備して注入するエクスターナルフラッシングがある。
易重合性化合物を含む液体の移送の場合において、その被移送液体に重合物や析出物由来の固形物や重質物が検出される場合にはセルフフラッシングの適用を避けるべきであることが多い。また、易重合性化合物を含む液体の温度が高い場合もシール部の摺動部における発熱の除去が追い付かず、易重合性化合物の重合によるポリマー生成及びその該摺動部へのポリマーや析出物の固着を引き起こすため、セルフフラッシングの適用を避けるべき場合が多い。
エクスターナルフラッシングの場合、フラッシング液として用いる液体は、該密封端面を通してプロセス中に入り込み、プロセス中を流通する移送液体に混入してしまうため、プロセス液体と混合しても大きな問題とならないように選択されるが、その後の精製工程で行われる蒸発、抽出、蒸留、精留といった各工程での加熱負荷を著しく上げ、経済的に望ましくない。また、フラッシング液の量も機器の規模に依存してさまざまであるが、決して少なくはなく、密封端面にて重合したり析出したりしない程度にまで清浄化が必要であり、更には冷却や加温により温度調整も必要であることから、これらのコストは多大な負担となる。
このようなフラッシング液を供給することなしに、内部のプロセス液体をポンプ装置外部に漏洩させないシール機構も提案されている。特許文献2では、縦型に設けてなる自己液循環型キャンドモータポンプを用いる方法や、ガスシール型スラリー分離ポンプを用いる方法が提案されている。
しかしながら、自己液循環型キャンドモータポンプを用いた方法では、そもそも易重合性化合物を含む自己液を循環させる上に、密封式であるため熱がこもり易く、重合閉塞のトラブルを起こしやすい。縦型に配置したとしても、若干の改善は期待されるものの、重
合閉塞トラブルが根本的に無くなるものではなかった。
また、ガスシール型スラリー分離ポンプを用いた方法では、易重合性化合物が密封端面に接することは根本的に無いが、外部から押し込むべきガスの圧力とその流量は充分に大きい必要があり、ガス供給の付帯設備のみならず、適切なガスの圧力の維持に対する制御システムの設置、保全の負担が大きく問題があった。
シールリング構造を含む非接触型シールを採用したポンプ装置も開発されている(特許文献3)。この技術では、回転するシール面に刻まれた面パターンから生成される流体力(動圧)により、1組のシールリング同士(主リングとメイティングリング)の接触面に外部流体を維持することができ、非接触的に内部流体を外部からシールすることができる。このような動圧溝(シールリングの回転により動圧を生み出す溝)には波状傾斜面パターン、スパイラルグルーブ等を含め、種々のパターンがある。これらの非接触シール型シールを用いた装置の目的は、接触面の流体を保持し、内部の移送すべき流体の漏洩を防止または阻止することであるとされている。
特開2003−222097号公報 特開2001−114705号公報 特開2005−337503号公報
本発明は、易重合性化合物を含有する液体の移液方法であって、該ポンプ装置のシール部分での易重合性化合物の重合を抑制し、長期にわたり作動不良の防止を可能とする方法を提供する。
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討したところ、易重合性化合物を含有する液体の移液方法において、非接触型のガスシールを用いたポンプ装置を用いることで上記課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。本発明は以下の通りである。
本発明は、非接触型ガスシールを含むポンプ装置を用いて移液することを特徴とする、易重合性化合物を含有する液体の移液方法である。さらに、前記非接触型ガスシールのシール面が動圧溝を含むことが好ましく、前記動圧溝がスパイラルグルーブであることが好ましい。また、前記非接触型ガスシールを含むポンプ装置がガスチャンバを含むものであって、該ガスチャンバに分子状酸素含有ガスを導入することが好ましい。また、前記易重合性化合物を含有する液体が15重量%以上の水を含有することが好ましい。また、前記易重合性化合物が(メタ)アクリル酸又はそのエステルであることが好ましい。
本発明によれば、易重合性化合物を含有する液体の移液方法において、該ポンプ装置のシール部分での易重合性化合物の重合を抑制し、長期にわたる作動不良の防止が可能となる。また、本来は多量にプロセス内に混入させなければならなかったフラッシング液をなくし、該フラッシング液を準備する設備等の負担及び精製工程でのエネルギー負荷を大幅に改善することが可能となる。
本発明の実施例1における非接触型ガスシールの断面図である。 本発明の好ましい一実施形態における非接触型ガスシールに用い得るシールリング端面図である。 本発明の好ましい一実施形態における非接触型ガスシールに用い得るシールリング端面図である。
本発明は、非接触型ガスシールを含むポンプ装置を用いて移液することを特徴とする、易重合性化合物を含有する液体の移送方法である。
本発明の易重合性化合物は特段限定されないが、例えば、アクリル酸類、メタクリル酸類、スチレン類、アクリロニトリルなどが挙げられる。
アクリル酸類とは、アクリル酸、及び、アクリル酸とアルコールとから得られるアクリル酸エステルを総称するものであり、そのうち少なくとも一種を指す。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル等が挙げられる。
また、メタクリル酸類とは、メタクリル酸、及び、メタクリル酸とアルコールとから得られるメタクリル酸エステルを総称するものであり、そのうち少なくとも一種を指す。メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。
また、スチレン類とは、スチレン、スチレンモノマー、及び、置換基を有するスチレン化合物を総称するものであり、そのうち少なくとも一種を指す。スチレンのほか、例えば、α−メチルスチレン、パラクロロエチレン、パラメトキシスチレン等が挙げられる。
尚、本明細書における「(メタ)アクリル酸」との文言は、アクリル酸とメタクリル酸との総称であり、そのいずれか一方又は両方を指すものとする。
本発明の非接触型ガスシールには、特段限定されないが、従来技術に記載した通り、特許文献3に述べられているようなシールリング構造を含む非接触型シールを採用することができる。シールリングのシール面の構造は特段限定されないが、動圧溝であることが好ましい。ポンプ装置の稼働中、ポンプ装置自身の回転によるシール面の動圧によりシールが保たれるとともに、シール面どうしが非接触状態を維持するように作用し、積極的に流体をプロセス系内に押し込む機構が必須でなくなるためである。動圧溝としては特段限定されないが、例えば、波状傾斜パターン、螺旋溝(スパイラルグルーブ)パターン等が挙げられる。本発明ではこれらの中でも、溝加工の容易さと該溝により発生する動圧の維持及び安定性の観点から、スパイラルグルーブであることが好ましい。
また、特開平5−65962号公報で提案されているような、シールリングの回転方向によらず常に動圧を発生させられるように工夫された、対称形状を持つ動圧溝等も挙げられる。
尚、本発明に用いられるシールリングの摺動面の材料、シール構成材料には特に制限されない。
本発明の好ましい一実施形態における非接触型ガスシールに用い得る2つシールリングの例を図2及び図3に示す。図2及び図3はいずれもシールリングの端面図を示す。図2は一方向の回転に対して動圧を発生するように動圧溝が掘られているシールリングであり、図3は二方向の回転に対して動圧を発生するように工夫された動圧溝が掘られているシールリングである。
また、本発明における非接触型ガスシールは、1つのポンプ装置の回転軸に2つ以上設けてもよい。メカニカルシールを1つの軸に2つ設置したダブルメカニカルシールというものが一般的に用いられることがあるが、それと同様に非接触型ガスシールを1つの回転軸に2つ並べた非接触型ダブルガスシールとした場合、プロセス側からの流体漏洩を二重に防ぐことができるのみならず、外側の1つの非接触型ガスシールのシールリングの回転による動圧に、その内側に配置されるもう一つの非接触型ガスシールのシールリングの回転による動圧が加算され、より高いガスの圧力によるシールを実現することができる。
非接触型ガスシール部へ供給されるガスとしては、移送される易重合性化合物を含有する液体と接触しても易重合性化合物に影響を与えないものであれば何でも用いることができる。通常は経済的な理由から安価な窒素、水蒸気などのイナートガスのほか、空気、二酸化炭素、或いはこれらの混合ガスから選択され、好ましくは空気、或いは空気を含有するイナートガスである。
また、易重合性化合物を含有する液体はしばしば、その重合抑制作用のために酸素の共存を必要とするものがあるため、分子状酸素を含有するガスを供給することが好ましい。非接触型ガスシール部へガスを供給するには、ガス量を安定して供給できることや、ガスによるシール部への圧力を安定させられることから、当該シール部の近傍にガスチャンバが構成されていることが好ましく、該ガスチャンバにガスを供給することが好ましい。
また、ガスチャンバへのガスの供給に加え、シール部分に所望のガスを供給し、シール部分を所望のガスの雰囲気にしておけば、ポンプ装置の回転によるシール面の動圧でシールが可能であるためより好ましい。ここで、運転停止時にはシール面の接触によりシールを維持することも可能であるが、外部からガスの圧力をかける工夫をしておくことが好ましい。また、ポンプ装置の回転速度が低下した場合など、シール面の動圧を補佐する必要が考えられる場合には、ポンプ装置の稼働中にも外部からガスの圧力を掛けておく工夫をすることは有用である。
さらにポンプ装置周辺の環境で埃や塵が発生する心配がある場合には、一度フィルターを通して埃や塵を除去したガスを供給することも好ましい。埃や塵がシール面の摺動部に付着すると、シールリングの作動不良を起こし、漏れに繋がることもあるからである。フィルターは1段のみ設けてもよいが、2段以上設けてもよい。
フィルターの粒子捕集率(JIS B 9908に基づいて測定される。)は試験方式の形式3で20%以上であることが好ましく、特に、試験方法の形式2で50%以上であることが好適である。なお、フィルターの前後に圧力計を取り付け、フィルターの目詰りを検知してもよい。当該範囲よりも小さな粒子捕集率を有するフィルターの場合は、固形物の除去が十分に行われないことがある。
一方、粒子捕集率が過大であっても、その固形物除去効率の割にはフィルターでの圧力損失が大きくなり、ガス供給のための所要動力が増大して経済的負担が大きくなるため、上限は採用するケースにより都度検討すべきである。
シール面の動圧により、或いは外部からのガスの圧力により供給されるガス流量の測定、制御及び管理を行うことは、意図しないトラブルを事前に又は早期に発見して、外部からのガスの圧力の調整などの適切な対応を取ることができるため、非常に有用である。また、該外部からのガスの圧力を測定、制御及び管理することも、同様に有用である。むろん、該測定、流量及び管理に供するための機器や設備には追加コストがかかり、メンテナンスの負担が増すため、適用されるケースに応じて、適用要否や機器や設備の規模などは、都度検討されるべきである 。
本発明の易重合性化合物を含有する液体は、15重量%以上の水を含有することが好ま
しく、30重量%以上の水を含有することがより好ましく、35重量%以上の水を含有することがさらに好ましい。
これは、本発明による非接触型ガスシールを用いることの主な利点が、シールリング部分へのエクスターナルフラッシングによるフラッシング液の添加を行わずして、シールリング部分への重合物の生成を抑制できる点にある。
即ち、本発明の易重合性化合物が、当該範囲の水を含有する場合には、最終製品となるまでに水を除去する工程が必須である。水は他の液体と比して蒸発潜熱が非常に大きいことが知られ、約2400kJ/kgである。水を含む液体を移送する場合において、装置の準備やメンテナンス、多工程を要するフラッシング液の添加が必要なエクスターナルフラッシングに比べ、本発明の方法が大いに有利であることは明らかである。
さらに、本発明の方がエネルギー的に有利でもあり、さらに、多量に含まれる水を除去するためには、プロセス流体を過大に加熱する必要があり、易重合性化合物を含む液体の場合には、重合・析出・閉塞の機会を非常に高めてしまう。そうした状況では、プラントの安定した連続運転の目的から、フラッシング液として水などのフラッシング液を添加しないことが好ましい。
また、本発明の効果は、易重合性化合物が(メタ)アクリル酸又はそのエステルである場合に特に大きい。易重合性化合物が(メタ)アクリル酸又はそのエステルである場合、これらの化合物は、水などのフラッシング液との親和性が大きい、溶解性が大きいなどの理由のために、後工程での除去が困難、或いは除去のために大きなエネルギーを要するためである。
本発明の易重合性化合物の製造方法は常法に従えばよく、特段限定されないが、例として(メタ)アクリル酸類の製造方法であれば、特開2014−162783号公報に記載の方法、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法であれば、特開2014−162767号公報や特開2014−162766号公報に記載の方法などが挙げられる。
移送する易重合性化合物を含有する液に重合防止剤を添加してもよく、例えば、移送する易重合性化合物を含有する液をポンプ装置に導入する前に重合防止剤を添加するための装置を設けてもよい。
添加する重合防止剤としては、ハイドロキノン、メトキノン(メトキシハイドロキノン)、ピロガロール、カテコール、レゾルシンなどのフェノール化合物;第3ブチルニトロオキシド、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジル−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4,4’,4’’−トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイトなどのN−オキシル化合物;フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α,α’−ジメチルベンジル)フェノチアジンなどのフェノチアジン化合物;塩化第2銅、酢酸銅、炭酸銅、アクリル酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅などの銅系化合物;酢酸マンガンなどのマンガン塩化合物;p−フェニレンジアミンなどのフェニレンジアミン類;N−ニトロソジフェニルアミンなどのニトロソ化合物;尿素などの尿素類;チオ尿素などのチオ尿素類が挙げられる。これらの化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合禁止剤は所望の溶媒に溶解されて添加されてもよい。重合禁止剤は、例えば、ハイ
ドロキノン、メトキノンは、水、酢酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族化合物、ケトン類、アルコール類に溶解するので、溶媒としては、これらの1種、又は2種以上の混合液等が例示される。
このような溶媒としては、移送される易重合性化合物を含有する液体を扱うプロセスに用いられ、製品に混入しても影響のないものが好適である。なお、このプロセスにおいて通常用いられない溶媒であっても、プロセスに支障を生じさせることがなく、且つ製品に混入しても影響のないものであれば採用してもよい。
本発明の方法では、移送する易重合性化合物を含有する液体をポンプ装置に導入する前に冷却することも可能である。例えば、移送される液体を冷却する装置等に適用することなどが挙げられる。
ここで、非接触型ガスシールにおいては、シールリングが摺動熱によって昇温することがないため、この冷却は、摺動熱によって加熱された移送する液体を冷却するためにされるものではないことに着目すべきである。この冷却は、ポンプ装置に導入される移送される液体が高温、例えば150℃以上であった場合に、ポンプ装置が加温されて設備劣化が促進されることを防ぐために行うものである。ポンプ装置は一般的に、移送される液体が25〜100℃程度にまで冷却されていることが、設備保護の面から好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
プロピレンの酸化反応により得られた反応ガスを冷却して水で吸収させた結果の、55重量%のアクリル酸、5重量%の酢酸、5重量%のその他の不純物と残部の水を含む水溶液を、吸収塔底より抜き出すためのポンプとして、図1に示す非接触型ガスシールを用いたポンプ(吐出量:180m3/h、揚程差:30m、主な材質:SUS316)を使用
し、液温80℃、液比重0.99、液粘度:0.37cp、移液流量14ton/hにて移送を行った。その結果、運転開始後約9か月にわたり、支障なく安定して移送することができ、運転に不安定となる兆候が無いため、さらに長期間の連続運転が可能であることが推定される。
図1に示す本実施例で用いた非接触型ガスシールは、特公平1−22059号公報の図1に記載の非接触型ガスシールと同様のものである。当該装置には、装置のハウジング10と、ハウジングを貫通する回転軸12とが含まれる。環状の主シールリング20は、環状のメートリング26の半径方向面24との間でシールされた半径方向の面22を有している。
[比較例1]
実施例1のポンプで、シール機構をメカニカルシールとし、フラッシング液として再冷水を用いたこと以外は、実施例1と同様に運転したところ、再冷水の消費が1か月あたり約100トン要し、さらに精製系におけるエネルギーロスが約90kW(=90kJ/sec)余計にかかり、実施例1に比べて、装置や冷水の準備をはじめ、多工程を要し、さらにエネルギー的にも大きく不利であった。
10 ハウジング
12 回転軸
20 主シールリング
22 主シールリングの面
24 メイティングリングの面
26 メイティングリング
70 螺旋溝

Claims (6)

  1. 非接触型ガスシールを含むポンプ装置を用いて移液することを特徴とする、易重合性化合物を含有する液体の移液方法。
  2. 前記非接触型ガスシールのシール面が動圧溝を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記動圧溝がスパイラルグルーブである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記非接触型ガスシールを含むポンプ装置がガスチャンバを含むものであって、該ガスチャンバに分子状酸素含有ガスを導入する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記易重合性化合物を含有する液体が15重量%以上の水を含有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記易重合性化合物が(メタ)アクリル酸又はそのエステルである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
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