JP2016160924A - エンジンのオイル供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルパンにおける供給路のレイアウトを簡略にする。
【解決手段】オイルパン3には、上流側給油路71が形成されている。シリンダブロック2にはメインギャラリ74と第1サブギャラリ75とが形成されている。シリンダブロック2の第1側壁21a,22a及びオイルパン3の第1側壁31には、上流側給油路71とメインギャラリ74とを連通させる第1連通路73aが形成されている。シリンダブロック2の第2側壁21b,22b及びオイルパン3の第2側壁32には、上流側給油路71と第1サブギャラリ75とを連通させる第2連通路73bが形成されている。オイルポンプ81は、オイルパン3内において気筒列方向一方側に配置されている。上流側給油路71のうち第1連通路73aとの接続部と第2連通路73bとの接続部とを繋ぐ部分は、オイルパン3のうち、オイルポンプ81よりも気筒列方向他方側の壁部を通るように形成されている。
【選択図】図10

Description

ここに開示された技術は、エンジンのオイル供給装置に関するものである。
従来より、オイルパンに貯留されたオイルをオイルポンプで吸い上げて、エンジンの各部に供給するエンジンのオイル供給装置が知られている。
例えば、特許文献1に開示されたオイル供給装置は、オイルパンを備え、オイルパン内にオイルポンプが配置されている。また、オイルパンには、オイルフィルタが取り付けられている。そして、オイルポンプにより吸い上げられ吐出されたオイルは、オイルパンの壁部に形成された給油路を通ってオイルフィルタへ流入する。オイルフィルタに濾過されたオイルは、同じくオイルパンの壁部に形成された給油路を通って、クランクケースの軸受部へ供給される。
特公平5−530号公報
オイル供給装置においては、オイルパン及びシリンダブロックのそれぞれに給油路が形成される場合がある。そのような構成においては、オイルパンの給油路とシリンダブロックの給油路とを互いに連通させることによって、オイルポンプからシリンダブロックへの給油路が構成される。ここで、シリンダブロックの構造によっては、複数個所において、オイルパンの給油路とシリンダブロックの給油路とを連通させる場合がある。そのような場合には、オイルパンに形成される給油路の構成が複雑になる虞がある。給油路の構成が複雑になると、給油路の形成又は加工も複雑になる。
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、オイルパンにおける供給路のレイアウトを簡略にすることにある。
ここに開示された技術は、所定の気筒列方向に並ぶ複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックに取り付けられるオイルパンと、前記オイルパンのオイルを吸い上げて吐出するオイルポンプとを備えたエンジンのオイル供給装置であって、前記オイルパンの側壁は、前記シリンダブロックの側壁と連結されており、前記オイルパンには、前記オイルポンプから吐出されたオイルが流通する上流側給油路が形成され、前記シリンダブロックには、前記複数のシリンダボアに対して一方側において前記気筒列方向に延びる第1油路と、該複数のシリンダボアに対して他方側において該気筒列方向に延びる第2油路とを含む下流側給油路が形成され、前記複数のシリンダボアに対して前記第1油路と同じ側における、前記シリンダブロックの側壁及び前記オイルパンの側壁には、前記上流側給油路と前記第1油路とを連通させる第1連通路が形成され、前記複数のシリンダボアに対して前記第2油路と同じ側における、前記シリンダブロックの側壁及び前記オイルパンの側壁には、前記上流側給油路と前記第2油路とを連通させる第2連通路が形成され、前記オイルポンプは、前記オイルパン内において前記気筒列方向の一方側に配置され、前記上流側給油路のうち、前記第1連通路との接続部と前記第2連通路との接続部とを繋ぐ部分は、前記オイルパンのうち、前記オイルポンプよりも前記気筒列方向の他方側の壁部を通るように形成されているものとする。
ここで、「気筒列方向の一方側に配置される」とは、オイルパンにおける気筒列方向中央よりも何れかの側に偏って配置されることを意味する。オイルポンプは、タイミングチェーン、タイミングベルト又はギアを介してクランクシャフト又はカムシャフト等に連結され、クランクシャフト又はカムシャフト等によって駆動される。オイルポンプをオイルパン内において気筒列方向の一方側に配置することによって、気筒列方向の一方側においてオイルポンプとクランクシャフト等とを連結することができる。この場合、オイルパンの気筒列方向の一方側には、オイルポンプに加えて、オイルポンプとクランクシャフト等とを連結するための機構(タイミングチェーンを巻回するスプロケット等)等も配置される。
オイルパンの壁部の給油路を形成するためには、給油路の形成する分だけ壁部を厚くする必要がある。オイルパンの気筒列方向の一方側にオイルポンプやクランクシャフト等と連結するための機構が配置されている場合、オイルパンの気筒列方向の一方側に比べて、オイルパンのうちオイルポンプよりも気筒列方向の他方側の方がスペースに余裕がある。そのため、上流側給油路をオイルパンのうちオイルポンプよりも気筒列方向の他方側に形成すると、上流側給油路を高い自由度で配置することができる。特に前述のように、複数のシリンダボアを挟んで両側のシリンダブロック及びオイルパンの側壁に、上流側給油路と下流側給油路とを連通させる連通路を形成する構成においては、上流側給油路をシリンダボアを挟んで一方側のオイルパンの側壁から他方側の側壁まで延設する必要がある。そこで、少なくとも上流側給油路のうち第1連通路との接続部と第2連通路との接続部とを繋ぐ部分をオイルパンのうちオイルポンプよりも気筒列方向の他方側の壁部を通るように形成する。これにより、上流側給油路の当該部分を高い自由度で容易に配置することができる。このように配置の自由度を高めることができれば、上流側給油路の機械加工や鋳造時の鋳抜きが容易となるように、上流側給油路を配置することができる。
また、前記シリンダブロックは、アッパブロックとロアブロックとの分割構造となっており、前記ロアブロックは、前記アッパブロックに対して複数箇所でボルト締結されており、前記第1油路及び前記第2油路は、前記アッパブロックに形成され、前記第1連通路及び前記第2連通路のうち前記シリンダブロックに形成された部分は、それぞれ隣り合うボルト締結箇所の間の位置において、前記ロアブロックを貫通し且つ前記アッパブロックに形成され、前記第1油路及び前記第2油路にそれぞれ達しているようにしてもよい。
この構成によれば、第1連通路及び第2連通路のうちシリンダブロックに形成された部分は、隣り合うボルト締結箇所の間の位置に配置される。つまり、第1連通路及び第2連通路は、アッパブロックとロアブロックとのシール性が高い部分に形成されることになる。これにより、第1連通路及び第2連通路のアッパブロックに形成された部分と第1連通路及び第2連通路のロアブロックに形成された部分とのそれぞれの連結部におけるオイル漏れを抑制することができる。
さらに、前記上流側給油路には、前記第2油路へのオイル流量を制御する流量制御弁が接続され、前記流量制御弁は、前記複数のシリンダボアに対して前記第2油路と同じ側における前記オイルパンの側壁に取り付けられていてもよい。
この構成によれば、流量制御弁は、シリンダブロックではなく、オイルパンの側壁に取り付けられる。シリンダブロックの周囲には多くの補機が配置されるため、流量制御弁をオイルパンの側壁に取り付けることによって、流量制御弁の配置自由度を高めることができる。
前記オイル供給装置によれば、オイルパンにおける供給路のレイアウトを簡略にすることができる。
シリンダの軸心を含む平面で切断したエンジンの概略的な断面図である。 2つのシリンダボアの間の部分を平面で切断したエンジンの概略的な断面図である。 エンジンの下部を中心とする斜視図である。 気筒列方向の中央に位置するアッパブロックの縦壁及びロアブロックの縦壁の断面図である。 クランクシャフトの縦断面図である。 オイル供給装置の油圧回路図である。 オイル供給装置の給油路の概略的な斜視図である。 オイルパンを取り外した状態のエンジンを下方から見た斜視図である。 オイルパンを斜め上方から見た斜視図である。 オイルパンの下面図である。 シリンダブロックの平面図である。 図11とは異なる排気量のシリンダブロックの平面図である。 エンジンの概略的な正面図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、シリンダの軸心を含む平面で切断したエンジン100の概略的な断面図を示す。図2に、2つのシリンダボアの間の部分を平面で切断したエンジン100の概略的な断面図を示す。図3に、エンジン100の下部を中心とする斜視図を示す。本明細書では、説明の便宜上、シリンダの軸心方向を上下方向と称し、気筒列方向を前後方向と称する。さらに、気筒列方向においてエンジン100の反トランスミッション側を前側、トランスミッション側を後側と称する。
エンジン100は、4つの気筒が所定の気筒列方向に並んで配置された直列4気筒エンジンである。エンジン100は、シリンダヘッド1と、シリンダヘッド1に取り付けられるシリンダブロック2と、シリンダブロック2に取り付けられるオイルパン3とを備えている。
シリンダブロック2は、アッパブロック21と、ロアブロック22とを有している。ロアブロック22は、アッパブロック21の下面に取り付けられる。ロアブロック22の下面に、オイルパン3が取り付けられる。
アッパブロック21には、4つの気筒に対応する4つのシリンダボア23が気筒列方向に並んで形成されている(図1には1つのシリンダボア23だけ図示)。シリンダボア23は、アッパブロック21の上部に形成され、アッパブロック21の下部はクランク室の一部を区画する。シリンダボア23には、ピストン24が挿通されている。ピストン24は、コネクティングロッド25を介してクランクシャフト26に連結されている。シリンダボア23と、ピストン24と、シリンダヘッド1とによって燃焼室27が区画される。尚、4つのシリンダボア23は、前側から順に、第1気筒、第2気筒、第3気筒及び第4気筒に相当し、それらを区別するときは、第1シリンダボア23A、第2シリンダボア23B、第3シリンダボア23C、第4シリンダボア23Dと称する。
シリンダヘッド1には、燃焼室27に開口する吸気ポート11と排気ポート12が設けられ、吸気ポート11には、吸気ポート11を開閉する吸気弁13が設けられている。排気ポート12には、排気ポート12を開閉する排気弁14が設けられている。吸気弁13及び排気弁14はそれぞれ、カムシャフト41,42に設けられたカム部41a,42aによって駆動される。
詳しくは、吸気弁13及び排気弁14は、バルブスプリング15,16により閉方向(図1では上方向)に付勢されている。吸気弁13及び排気弁14とカム部41a,42aとの間には、それぞれスイングアーム43,44が介設されている。スイングアーム43,44の一端部は、それぞれ油圧ラッシュアジャスタ(Hydraulic Lash Adjuster、以下、「HLA」と称する)45,46に支持されている。スイングアーム43,44は、その略中央部に設けられたカムフォロア43a,44aがそれぞれカム部41a,42aに押されることによって、HLA45,46に支持された一端部を支点として揺動する。スイングアーム43,44は、こうして揺動することによって、他端部でそれぞれ吸気弁13及び排気弁14をバルブスプリング15,16の付勢力に抗して開方向(図1では下方向)へ移動させる。HLA45,46は、油圧により自動的にバルブクリアランスをゼロに調整する。尚、第1気筒及び第4気筒に設けられたHLA45,46は、それぞれ吸気弁13及び排気弁14の動作を停止させる弁停止機構を備えている。シリンダヘッド1の上部にはカムキャップ47が取り付けられている。カムシャフト41,42は、シリンダヘッド1及びカムキャップ47により回転可能に支持されている。
吸気側カムシャフト41の上方には、吸気側オイルシャワー48が設けられ、排気側カムシャフト42の上方には、排気側オイルシャワー49が設けられている。吸気側オイルシャワー48及び排気側オイルシャワー49は、カム部41a,42aと、スイングアーム43,44のカムフォロア43a,44aとの接触部にオイルを滴下するように構成されている。
また、エンジン100には、吸気弁13及び排気弁14のそれぞれの弁特性を変更する可変バルブタイミング機構(以下、「VVT」と称する)17,18が設けられている(図6参照)。VVT17は油圧式であり,VVT18は電動式である。
アッパブロック21は、4つのシリンダボア23に対して吸気側に位置する第1側壁21aと、4つのシリンダボア23に対して排気側に位置する第2側壁21bと、第1シリンダボア23よりも前側に位置する前壁21d(図5にのみ図示)と、第4シリンダボア23よりも後側に位置する後壁21e(図5にのみ図示)と、隣り合う各2つのシリンダボア23の間の部分において上下方向に拡がる複数の縦壁21cとを有している。
ロアブロック22は、アッパブロック21の第1側壁21aに対応し、吸気側に位置する第1側壁22aと、アッパブロック21の第2側壁21bに対応して、排気側に位置する第2側壁22bと、アッパブロック21の前壁に対応して、前側に位置する前壁22d(図5にのみ図示)と、アッパブロック21の後壁に対応して、後側に位置する後壁22e(図5にのみ図示)と、アッパブロック21の縦壁21cに対応する複数の縦壁22cとを有している。
アッパブロック21とロアブロック22とは、ボルト締結される。詳しくは、第1側壁21aと第1側壁22aとがボルト締結され、第2側壁21bと第2側壁22bとがボルト締結され、前壁同士がボルト締結され、後壁同士がボルト締結され、縦壁21cと縦壁22cとがボルト締結される。ロアブロック22の第1側壁22a、第2側壁22b、前壁、後壁及び縦壁22cには、ボルト挿通孔22fが貫通形成され、アッパブロック21の第1側壁21a、第2側壁21b、前壁、後壁及び縦壁21cには、ネジ孔21fが形成されている(図2に、縦壁21cのネジ孔21f及び縦壁22cのボルト挿通孔22fを図示)。第1側壁21a及び第1側壁22aには、それぞれネジ孔21f及びボルト挿通孔22fが気筒列方向に複数設けられている。第2側壁21b及び第2側壁22bにも、それぞれネジ孔21f及びボルト挿通孔22fが気筒列方向に複数設けられている。前壁、後壁、縦壁21c及び縦壁22cには、それぞれネジ孔21f及びボルト挿通孔22fが2つずつ設けられている。
図4に、気筒列方向の中央に位置するアッパブロック21の縦壁21c及びロアブロック22の縦壁22cの断面図を示す。
また、アッパブロック21の前壁とロアブロック22の前壁との間、アッパブロック21の後壁とロアブロック22の後壁との間、縦壁21cと縦壁22cとの間には、クランクシャフト26を支持する軸受部28が設けられている。軸受部28は、一対のネジ孔21f及びボルト挿通孔22fの間に配置されている。軸受部28は、円筒状の軸受メタル29を有している。縦壁21c及び縦壁22cのそれぞれの接合部には、半円状の切欠部が形成されている。軸受メタル29は、第1半円部29aと第2半円部29bとからなる分割構造をしており、第1半円部29aは、縦壁21cの切欠部に装着され、第2半円部29bは、縦壁22cの切欠部に装着される。縦壁21cと縦壁22cとが結合されることによって、第1半円部29aと第2半円部29bとが結合し、円筒状になる。第1半円部29aの内周面には、円周方向に延びる油溝29cが形成されている。それに加え、第1半円部29aには、一端が第1半円部29aの外周面に開口し、他端が油溝29cに開口する連絡路29dが貫通形成されている。詳しくは後述するが、第1半円部29aの外周面には給油路を介してオイルが供給されており、連絡路29dは、給油路と連通する位置に配置されている。これにより、給油路から供給されたオイルが連絡路29dを介して油溝29cに流入するようになっている。
尚、アッパブロック21の前壁とロアブロック22の前壁との間、アッパブロック21の後壁とロアブロック22の後壁との間にも同様の軸受部28が設けられている。それぞれの軸受部28を区別する場合には、前側から順に、第1軸受部28A、第2軸受部28B、第3軸受部28C、第4軸受部28D、第5軸受部28Eと称する。
図5に、クランクシャフト26の縦断面図を示す。クランクシャフト26は、軸受部28に支持されるジャーナル61と、クランクウェブ62と、コネクティングロッド25が連結されるクランクピン63とを有している。
ジャーナル61は、軸受部28の個数に対応して5箇所に設けられている。複数のジャーナル61をそれぞれ区別する場合には、前側から順に、第1ジャーナル61A、第2ジャーナル61B、第3ジャーナル61C、第4ジャーナル61D、第5ジャーナル61Eと称する。
クランクウェブ62は、2つ1組でシリンダボア23ごとに設けられている。すなわち、クランクウェブ62は、シリンダボア23の個数に対応して4組設けられている。複数のクランクウェブ62をそれぞれ区別する場合には、前側から順に、第1クランクウェブ62A、第2クランクウェブ62B、第3クランクウェブ62C、第4クランクウェブ62Dと称する。
クランクピン63は、シリンダボア23ごとに設けられている。すなわち、クランクピン63は、シリンダボア23の個数に対応して4個設けられている。クランクピン63は、対応する一対のクランクウェブ62の間に設けられている。複数のクランクピン63をそれぞれ区別する場合には、前側から順に、第1クランクピン63A、第2クランクピン63B、第3クランクピン63C、第4クランクピン63Dと称する。クランクピン63には、対応するコネクティングロッド25が回転自在に連結されている。
クランクシャフト26には、第2軸受部28Bに供給されたオイルを第1クランクピン63A及び第2クランクピン63Bに供給するための第1連通路64と、第4軸受部28Dに供給されたオイルを第3クランクピン63C及び第4クランクピン63Dに供給するための第2連通路65とが形成されている。
第1連通路64は、第2ジャーナル61Bを径方向に貫通する第1給油路64aと、一端が第1給油路64aに接続され、他端が第1クランクピン63Aの外周面に開口する第2給油路64bと、一端が第1給油路64aに接続され、他端が第2クランクピン63Bの外周面に開口する第3給油路64cとを有している。第2給油路64bは、一対の第1クランクウェブ62Aのうち第2ジャーナル61Bに近い方の第1クランクウェブ62Aを貫通している。第3給油路64cは、一対の第2クランクウェブ62Bのうち第2ジャーナル61Bに近い方の第2クランクウェブ62Bを貫通している。
第2連通路65は、第4ジャーナル61Dを径方向に貫通する第1給油路65aと、一端が第1給油路65aに接続され、他端が第3クランクピン63Cの外周面に開口する第2給油路65bと、一端が第1給油路65aに接続され、他端が第4クランクピン63Dの外周面に開口する第3給油路65cとを有している。第2給油路65bは、一対の第3クランクウェブ62Cのうち第4ジャーナル61Dに近い方の第3クランクウェブ62Cを貫通している。第3給油路65cは、一対の第4クランクウェブ62Dのうち第4ジャーナル61Dに近い方の第4クランクウェブ62Dを貫通している。
このように構成されたクランクシャフト26においては、軸受部28を介してジャーナル61及びクランクピン63が潤滑される。
詳しくは、軸受部28には、前述の如く、オイルが供給されており、該オイルは、軸受メタル29の内周面の油溝29c内に充満している。軸受メタル29の内周面は、ジャーナル61との摺動面であるので、ジャーナル61が軸受メタル29に対して摺動する際に該ジャーナル61は潤滑される。
ここで、第2ジャーナル61Bの外周面には、第1連通路64の第1給油路64aが開口している。そのため、第2ジャーナル61Bの外周面に供給されたオイルは、第1給油路64aから第1連通路64に流入する。第1給油路64aからは、第2給油路64b及び第3給油路64cが分岐しており、第2給油路64bの下流端及び第3給油路64cの下流端は、それぞれ第1クランクピン63Aの外周面及び第2クランクピン63Bの外周面に開口している。つまり、第2ジャーナル61Bの外周面に供給されたオイルは、第1連通路64を通って第1クランクピン63Aの外周面及び第2クランクピン63Bの外周面に供給される。こうして、第1クランクピン63A及び第2クランクピン63Bが潤滑される。
同様に、第4ジャーナル61Dの外周面には、第2連通路65の第1給油路65aが開口している。そのため、第4ジャーナル61Dの外周面に供給されたオイルは、第1給油路65aから第2連通路65に流入する。第1給油路65aからは、第2給油路65b及び第3給油路65cが分岐しており、第2給油路65bの下流端及び第3給油路65cの下流端は、それぞれ第3クランクピン63Cの外周面及び第4クランクピン63Dの外周面に開口している。つまり、第4ジャーナル61Dの外周面に供給されたオイルは、第2連通路65を通って第3クランクピン63Cの外周面及び第4クランクピン63Dの外周面に供給される。こうして、第3クランクピン63C及び第4クランクピン63Dが潤滑される。
また、図3に示すように、シリンダブロック2の前壁には、チェーンカバー19が取り付けられている。チェーンカバー19の内側には、クランクシャフト26に設けられた駆動スプロケット、該駆動スプロケットに巻回されたタイミングチェーン、該タイミングチェーンに張力を付与するチェーンテンショナ等が配置されている。
次に、オイル供給装置200について図6,7を参照しながら説明する。図6に、オイル供給装置200の油圧回路を示す。図7は、オイル供給装置200の給油路の概略的な斜視図である。図8は、オイルパン3を取り外した状態のエンジン100を下方から見た斜視図である。
オイル供給装置200は、エンジン100の各部にオイルを供給するための装置である。オイル供給装置200は、前記シリンダブロック2と、前記オイルパン3と、オイルパン3のオイルを吸い上げて吐出するオイルポンプ81と、オイルポンプ81から吐出されるオイルを濾過するオイルフィルタ82と、オイルポンプ81から吐出されるオイルの温度を調整するオイルクーラ83とを備えている。シリンダブロック2及びオイルパン3には、オイルが流通する給油路7が形成されている。オイルポンプ81によってオイルパン3から吸い上げられたオイルは、オイルフィルタ82を介して濾過され、給油路7を流通してエンジン100の各部に供給される。
給油路7は、主にオイルパン3に形成された上流側給油路71と、主にシリンダブロック2に形成された下流側給油路72と、上流側給油路71と下流側給油路72とを連通させる連通路73とを含んでいる。下流側給油路72は、詳しくは後述するが、メインギャラリ74、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76を少なくとも含んでいる。連通路73は、メインギャラリ74に接続された第1連通路73aと、第1サブギャラリ75に接続された第2連通路73bと、第2サブギャラリ76に接続された第3連通路73cとを含んでいる。
上流側給油路71は、少なくとも、オイルポンプ81とオイルフィルタ82とを接続する第1給油路71aと、オイルフィルタ82とオイルクーラ83とを接続する第2給油路71bと、第2給油路71bから分岐して、第1オイル制御弁84に接続される第3給油路71cと、第1オイル制御弁84とオイルポンプ81とを接続する第4給油路71dと、オイルクーラ83と第1連通路73aとを接続する第5給油路71eと、第5給油路71eから分岐して、第2オイル制御弁85に接続される第6給油路71fと、第2オイル制御弁85と第2連通路73bとを接続する第7給油路71gと、第2オイル制御弁85と第3連通路73cとを接続する第8給油路71hとを有している。
オイルポンプ81は、公知の可変容量型のオイルポンプであり、クランクシャフト26により駆動される。オイルポンプ81は、図8に示すように、ロアブロック22の下面に取り付けられ、オイルパン3内に収容された状態となる。詳しくは、オイルポンプ81は、クランクシャフト26に回転駆動される駆動シャフト81aと、駆動シャフト81aに連結されたロータ81bと、ロータ81bから半径方向へ進退自在に設けられた複数のベーン81cと、前記ロータ81b及びベーン81cを収容し、ロータ81bの回転中心に対する偏心量が調整されるように構成されたカムリング81dと、ロータ81bの回転中心に対する偏心量が増大する方向へカムリング81dを付勢するスプリング81eと、ロータ81bの内側に配置されたリング部材81fと、ロータ81b、ベーン81c、カムリング81d、スプリング81e及びリング部材81fを収容するハウジング81gとを有している。
駆動シャフト81aは、図8に示すように、ハウジング81gの外方へ突出している。駆動シャフト81aのちハウジング81gから露出する部分には、従動スプロケット81hが連結されている。従動スプロケット81hには、タイミングチェーンCが巻回されている。このタイミングチェーンCは、クランクシャフト26の駆動スプロケットにも巻回されている。こうして、ロータ81bは、タイミングチェーンCを介してクランクシャフト26に回転駆動される。
ロータ81bが回転する際に各ベーン81cは、カムリング81dの内周面上を摺動する。これにより、ロータ81b、隣り合う2つのベーン81c、カムリング81d及びハウジング81gによってポンプ室(作動油室)81iが区画される。
ハウジング81gには、ポンプ室81i内へオイルを吸入する吸入口81jが形成されると共に、ポンプ室81iからオイルが吐出される吐出口81kが形成されている。吸入口81jには、オイルストレーナ81lが接続されている。オイルストレーナ81lは、オイルパン3に貯留されたオイルに浸漬されている。つまり、オイルパン3に貯留されたオイルがオイルストレーナ81lを介して吸入口81jからポンプ室81i内へ吸入される。一方、吐出口81kには、第1給油路71aが接続されている。つまり、オイルポンプ81により昇圧されたオイルは、吐出口81kから第1給油路71aへ吐出される。
カムリング81dは、所定の支点回りに揺動するようにハウジング81gに支持されている。スプリング81eは、該支点回りの一方側へカムリング81dを付勢している。また、カムリング81dとハウジング81gとの間には圧力室81mが区画される。圧力室81mには、第4給油路71dを介して外部からオイルが供給されるように構成されている。カムリング81dには、圧力室81m内のオイルの油圧が作用している。そのため、カムリング81dは、スプリング81eの付勢力と圧力室81mの油圧とのバランスに応じて揺動し、ロータ81bの回転中心に対するカムリング81dの偏心量が決まる。カムリング81dの偏心量に応じて、オイルポンプ81の容量が変化し、オイルの吐出量が変化する。
オイルポンプ81から吐出されたオイルは、第1給油路71aを通ってオイルフィルタ82へ流入し、オイルフィルタ82で濾過される。オイルフィルタ82で濾過されたオイルは、第2給油路71bを通ってオイルクーラ83へ流入し、オイルクーラ83で冷却される。オイルフィルタ82で濾過されたオイルの一部は、第3給油路71cを通って第1オイル制御弁84へ流入する。
第1オイル制御弁84は、エンジンの運転状態に応じてオイルポンプ81の容量(吐出量)を制御するためのポンプ制御装置である。第1オイル制御弁84は、第3給油路71cからのオイルを第4給油路71dを介してオイルポンプ81の圧力室81mに供給する。第1オイル制御弁84は、後述するコントローラ300から送られてきた制御信号に応じて、オイルポンプ81へ供給するオイルの流量(油圧)を調整する。それにより、オイルポンプ81の容量が制御信号に応じた値に調整される。
オイルクーラ83で冷却されたオイルは、第5給油路71e及び第1連通路73aを通ってメインギャラリ74に供給されると共に、第5給油路71eから第6給油路71fへ分岐して、第2オイル制御弁85に供給される。
第2オイル制御弁85は、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76の流量制御を行う。第2オイル制御弁85には、第7給油路71g及び第8給油路71hが接続され、これら第7給油路71g及び第8給油路71hはそれぞれ第2連通路73b及び第3連通路73cを介して第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76に接続されている。第2オイル制御弁85は、第6給油路71fから第7給油路71gへ流れるオイルの流量(油圧)を制御することによって、第1サブギャラリ75のオイルの流量(油圧)を制御する。また、第2オイル制御弁85は、第6給油路71fから第8給油路71hへ流れるオイルの流量(油圧)を制御することによって、第2サブギャラリ76のオイルの流量(油圧)を制御する。本実施形態では、第2オイル制御弁85は、第1サブギャラリ75のオイルの流量(油圧)及び第2サブギャラリ76のオイルの流量(油圧)を連動して制御するように構成されている。つまり、第2オイル制御弁85は、第3給油路71cからのオイルを第7給油路71g及び第8給油路71h、ひいては第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76にオイルの流量(油圧)を調整して分配する。第2オイル制御弁85は、第1サブギャラリ75へのオイル流量を制御する流量制御弁の一例である。
メインギャラリ74、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76は、シリンダブロック2において気筒列方向に延びるように形成されている。図1,2に示すように、メインギャラリ74は、アッパブロック21の第1側壁21aに形成され、シリンダボア23の下端部と略同じ高さに配置されている。一方、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76は、アッパブロック21の第2側壁21bに形成され、シリンダボア23の下端部と略同じ高さに配置されている。メインギャラリ74は、第1油路の一例であり、第1サブギャラリ75は、第2油路の一例である。
メインギャラリ74からは、図6,7に示すように、第2軸受部28B及び第4軸受部28Dのそれぞれにオイルを供給するための第1分岐路74a及び第2分岐路74bが分岐している。第1分岐路74a及び第2分岐路74bは、それぞれ対応する縦壁21c内を延びて、第2軸受部28B及び第4軸受部28Dに達している。第1分岐路74a及び第2分岐路74bのそれぞれの下流端は、対応する縦壁21cの半円状の切欠部の内周面に開口している。第2軸受部28B及び第4軸受部28Dに供給されたオイルは、前述の如く、第1連通路64及び第2連通路65を介して第1〜第4クランクピン63A〜63Dにも供給されるため、メインギャラリ74の油圧は、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76に比べて高く設定されている。さらに、メインギャラリ74からは第3分岐路74cが分岐している。第3分岐路74cは、吸気側カムシャフト41の最も前側のカムジャーナルに配置されたメタルベアリングのオイル供給部41b、吸気側のVVT17及び油圧式チェーンテンショナ(図示省略)のオイル供給部40にオイルを供給するようにさらに分岐している。第1連通路73aには、第1連通路73a、ひいては、メインギャラリ74を流通するオイルの油圧を検出する第1油圧センサ74aが設けられている。
第1サブギャラリ75からは、第1軸受部28A、第3軸受部28C及び第5軸受部28Eのそれぞれにオイルを供給するための第1分岐路75a、第2分岐路75b及び第3分岐路75cが分岐している。第1分岐路75a、第2分岐路75b及び第3分岐路75cは、それぞれ対応する縦壁21c内を延びて、第1軸受部28A、第3軸受部28C及び第5軸受部28Eに達している。第1分岐路75a、第2分岐路75b及び第3分岐路75cのそれぞれの下流端は、対応する縦壁21cの半円状の切欠部の内周面に開口している。さらに、第1サブギャラリ75からは第4分岐路75dが分岐している。第4分岐路75dは、カムシャフト41,42のそれぞれのカムジャーナルに配置されたメタルベアリングのオイル供給部41b,42b、HLA45,46、オイルシャワー48,49、排気側のVVT18、及びタイミングチェーンCのオイルジェット86にオイルを供給するようにさらに分岐している。排気側のVVT18には、前記メタルベアリングのオイル供給部42bを介してオイルが供給される。第1サブギャラリ75には、第1サブギャラリ75を流通するオイルの油圧を検出する第2油圧センサ75aが設けられている。
第2サブギャラリ76には、ピストン24を冷却するためのオイルジェット87が接続されている。オイルジェット87は、シリンダボア23ごとに設けられている。オイルジェット87は、逆止弁87aと、アッパブロック21の第2側壁21bのうちクランク室の天井部に、シリンダボア23を臨むように配置されたノズル87b(図1参照)を有している。ノズル87bは、ピストン24の裏面に向かってオイルを噴射するように構成されている。第2サブギャラリ76には、第2サブギャラリ76を流通するオイルの油圧を検出する第3油圧センサ76aが設けられている。
尚、メインギャラリ74、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76を介してエンジン100の各部に供給されたオイルは、冷却や潤滑を終えた後、ドレイン油路(図示省略)を通ってオイルパン3に滴下して貯留される。
このように構成されたオイル供給装置200は、コントローラ300によって制御される。コントローラ300は、プロセッサ及びメモリを有し、エンジン100の運転状態を検出する各種センサからの検出信号が入力される。例えば、コントローラ300には、エンジン100のクランク角センサ、エアフローセンサ、水温センサ、油温センサ、カムシャフト41,42のカム角センサ等からの検出信号に加えて、第1油圧センサ74a、第2油圧センサ75a及び第3油圧センサ76aからの検出信号が入力される。コントローラ300は、該検出結果に基づいてエンジン100の運転状態を判定し、判定した運転状態に応じてオイル供給装置200を制御する。コントローラ300は、エンジン100の運転状態に応じた目標油圧を規定したマップを記憶しており、判定した運転状態とマップとを照らし合わせて、目標油圧を決定する。そして、コントローラ300は、第1油圧センサ74a、第2油圧センサ75a及び第3油圧センサ76aにより検出される油圧がそれぞれの目標油圧となるように、第1オイル制御弁84及び第2オイル制御弁85を制御する。
詳しくは、コントローラ300は、第1油圧センサ74aにより検出されるメインギャラリ74の油圧が目標油圧になるように、オイルポンプ81の吐出量を制御する。このとき、コントローラ300は、目標油圧に対応するデューティ比を有する制御信号を第1オイル制御弁84に送信する。第1オイル制御弁84は、該デューティ比に応じた流量のオイルをオイルポンプ81の圧力室81mに供給する。これにより、オイルポンプ81の吐出量が調整される。コントローラ300は、第1油圧センサ74aにより検出される油圧が目標油圧になるように、制御信号のデューティ比を調整する。
それに加えて、コントローラ300は、第2油圧センサ75a及び第3油圧センサ76aにより検出される第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76の油圧が目標油圧になるように、第2オイル制御弁85を制御する。コントローラ300は、制御信号のデューティ比を調整することによって、第2オイル制御弁85の開度を調整し、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76の油圧を調整する。
このように構成されたオイル供給装置200においては、上流側給油路71がオイルパン3に形成されている。以下に、オイルパン3及び上流側給油路71の詳細な構成を、図3,7,9,10を参照しながら説明する。図9に、オイルパン3の斜視図を示す。図10に、オイルパン3の下面図を示す。尚、図7においては、給油路7のうちオイルパン3に形成された部分にハッチングを付している。
オイルパン3は、図9に示すように、吸気側の第1側壁31と、排気側の第2側壁32と、前壁33と、後壁34と、底壁35とを有し、上方(即ち、シリンダブロック2の方)へ開口する箱状に形成されている。
図3,9,10に示すように、第1側壁31と底壁35とで形成される角部のうち比較的前方の部分に、オイルパン3の内側に凹む凹部36が形成されており、該凹部36にオイルフィルタ82が取り付けられている。第1側壁31における気筒列方向の略中央にオイルクーラ83が取り付けられている。前壁33のうち、第1側壁31に寄りの部分に第1オイル制御弁84が取り付けられている。また、第2側壁32に、第2オイル制御弁85が取り付けられている。
図7に示すオイルポンプ81とオイルフィルタ82とを接続する第1給油路71a、オイルフィルタ82とオイルクーラ83とを接続する第2給油路71b、第2給油路71bから分岐し第1オイル制御弁84に接続される第3給油路71c、第1オイル制御弁84とオイルポンプ81とを接続する第4給油路71d、及びオイルクーラ83と第1連通路73aとを接続する第5給油路71eは、第1側壁31に形成されている。
第5給油路71eから分岐し第2オイル制御弁85に接続される第6給油路71fは、第1側壁31から、後壁34及び第2側壁32に亘って形成されている。すなわち、第6給油路71fの直線状に延びた上流側油路71xは第1側壁31に形成され、第6給油路71fの直線状に延びた中間油路71yは後壁34に形成され、第6給油路71fの直線状に延びた下流側油路71zは第2側壁32に形成されている。
第2オイル制御弁85と第2連通路73bとを接続する第7給油路71g、及び第2オイル制御弁85と第3連通路73cとを接続する第8給油路71hは、第2側壁32に形成されている。
オイルフィルタ82、オイルクーラ83、第1オイル制御弁84及び第2オイル制御弁85は、オイルパン3の外側から取り付けられている。オイルフィルタ82がオイルパン3に取り付けることによって、オイルフィルタ82と第1給油路71a及び第2給油路71bのそれぞれとが連通する。オイルクーラ83がオイルパン3に取り付けられることによって、オイルクーラ83が第2給油路71b及び第5給油路71eのそれぞれと連通する。第1オイル制御弁84がオイルパン3に取り付けられることによって、第1オイル制御弁84と第3給油路71c及び第4給油路71dのそれぞれとが連通する。第2オイル制御弁85がオイルパン3に取り付けられることによって、第2オイル制御弁85と第6給油路71f、第7給油路71g及び第8給油路71hのそれぞれとが連通する。
尚、第1給油路71aの上流側部分及び第4給油路71dの下流側部分は、ロアブロック22に形成されている。オイルポンプ81がロアブロック22に取り付けられることによって、オイルポンプ81と第1給油路71aの上流側部分及び第4給油路71dの下流側部分のそれぞれとが連通する。
さらに、第1〜第3連通路73a〜73cの上流側部分も、オイルパン3の壁部に形成されている。第1連通路73aの上流側部分は、第1側壁31に形成されている。第2連通路73bの上流側部分及び第3連通路73cの上流側部分は、第2側壁32に形成されている。第1連通路73aの上流側部分及び第2連通路73bの上流側部分は、オイルパン3における気筒列方向略中央であって、オイルポンプ81よりも後方に配置されている。第3連通路73cの上流側部分は、オイルパン3における気筒列方向前部に配置されている。第1連通路73aの上流側部分、第2連通路73bの上流側部分及び第3連通路73cの上流側部分は、オイルパン3において上方に開口している。尚、第1給油路71aの下流側部分及び第4給油路71dの上流側部分も、オイルパン3において上方に開口している。オイルパン3の第1側壁31、第2側壁32、前壁33、後壁34及び底壁35がオイルパンの壁部の一例である。
一方、第1〜第3連通路73a〜73cの下流側部分は、シリンダブロック2に形成されている。第1〜第3連通路73a〜73cの下流側部分は、ロアブロック22を貫通し且つアッパブロック21に穿孔され、メインギャラリ74、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76にそれぞれ達している。第1連通路73aの下流側部分は、図2に示すように、アッパブロック21の第1側壁21a及び縦壁21c、並びにロアブロック22の縦壁22cに形成されている。第2連通路73bの下流側部分は、アッパブロック21の第2側壁21b及び縦壁21c、並びにロアブロック22の縦壁22cに形成されている。図2での図示は省略するが、第3連通路73cの下流側部分も、アッパブロック21の第2側壁21b及び前壁、並びにロアブロック22の前壁に形成されている。第1連通路73aの下流側部分、第2連通路73bの下流側部分及び第3連通路73cの下流側部分は、ロアブロック22において下方に開口している。アッパブロック21の縦壁21c及びロアブロック22の縦壁22cにおいては、第1連通路73aの下流側部分は、シリンダボア23に対して一方側(第1側壁22aの側)に配置され、第2連通路73bの下流側部分は、シリンダボア23に対して他方側(第2側壁22bの側)に配置され、第3連通路73cの下流側部分は、シリンダボア23に対して他方側(第2側壁22bの側)に配置されている。アッパブロック21の第1側壁21a、第2側壁21b、縦壁21c、前壁及び後壁、並びに、ロアブロック22の第1側壁22a、第2側壁22b、縦壁22c、前壁及び後壁がシリンダブロックの壁部の一例である。
尚、第1給油路71aの上流側部分及び第4給油路71dの下流側部分も、ロアブロック22において下方に開口している。
そして、オイルパン3がシリンダブロック2に取り付けられることによって、第1〜第3連通路73a〜73cの上流側部分と第1〜第3連通路73a〜73cの下流側部分とがそれぞれ連通する。尚、オイルパン3がロアブロック22に取り付けられることによって、第1給油路71aの上流側部分と第1給油路71aの下流側部分とが連通し、第4給油路71dの上流側部分と第4給油路71dの下流側部分とが連通する。
次に、エンジン100の製造方法について説明する。
まず、上流側給油路71が形成されたオイルパン3及び下流側給油路72が形成されたシリンダブロック2を準備する。
詳しくは、シリンダブロック2に、複数のシリンダボア23、下流側給油路72、第1連通路73aの下流側部分、第2連通路73bの下流側部分及び第3連通路73cの下流側部分を形成する。下流側給油路72としては、複数のシリンダボア23に対して一方側に配置され、気筒列方向に延びるメインギャラリ74と、複数のシリンダボア23に対して他方側に配置され、気筒列方向に延びる第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76とが含まれている。第1連通路73aの下流側部分は、複数のシリンダボア23に対してメインギャラリ74と同じ側における側壁であるアッパブロック21の第1側壁21a及びロアブロック22の第1側壁22aに形成され、メインギャラリ74に接続されている。第2連通路73bの下流側部分は、複数のシリンダボア23に対して第1サブギャラリ75と同じ側における側壁であるアッパブロック21の第2側壁21b及びロアブロック22の第2側壁22bに形成され、第1サブギャラリ75に接続されている。第3連通路73cの下流側部分は、複数のシリンダボア23に対して第2サブギャラリ76と同じ側における側壁であるアッパブロック21の第2側壁21b及びロアブロック22の第2側壁22bに形成され、第2サブギャラリ76に接続されている。
アッパブロック21及びロアブロック22が別々に形成された後、両者がボルト締結されることによってシリンダブロック2が形成される。アッパブロック21及びロアブロック22は、例えば、鋳造及び機械加工により形成される。
オイルパン3に、上流側給油路71、第1連通路73aの上流側部分、第2連通路73bの上流側部分及び第3連通路73cの上流側部分を形成する。第1連通路73aの上流側部分は、複数のシリンダボア23に対してメインギャラリ74と同じ側における側壁である第1側壁31に形成される。第2連通路73bの上流側部分は、複数のシリンダボア23に対して第1サブギャラリ75と同じ側における側壁である第2側壁32に形成される。第3連通路73cの上流側部分は、複数のシリンダボア23に対して第2サブギャラリ76と同じ側における側壁である第2側壁32に形成される。オイルパン3は、例えば、鋳造及び機械加工により形成する。
そして、オイルパン3をシリンダブロック2、具体的にはロアブロック22に取り付ける。オイルパン3の第1側壁31及び第2側壁32の合わせ部は、それぞれロアブロック22の第1側壁22a及び第2側壁22bの合わせ部とボルト連結される。このとき、第1連通路73aの上流側部分と下流側部分とが連通し、第2連通路73bの上流側部分と下流側部分とが連通し、第3連通路73cの上流側部分と下流側部分とが連通する。
このような製造方法において、シリンダブロック2及びオイルパン3に形成される第1連通路73a、第2連通路73b及び第3連通路73cの、複数のシリンダボア23に対する位置は、シリンダボア23の個数が同じ又は異なり、且つ排気量の異なるエンジンで共通になるように設定されている。例えば、排気量が異なるエンジンであっても、シリンダボア23の個数及びシリンダボア23の軸心の位置等の基本構造が共通のものがある。このようなエンジンにおいては、例えば、シリンダボア23の径を変更することによって排気量を異ならせている。このようにエンジンの基本構造を共通にすることによって、排気量等の詳細な仕様が異なるエンジンについて設計及び製造を簡略化することができる。そこで、本実施形態のエンジン100では、複数のシリンダボア23に対する第1連通路73a、第2連通路73b及び第3連通路73cの位置が、シリンダボア23の個数が同じで且つ排気量の異なるエンジンで共通になるように設定されている。具体的には、図11,12に示すように、シリンダボア23の個数が同じで且つ排気量の異なるエンジンの間で、第1連通路73a、第2連通路73b及び第3連通路73cは、複数のシリンダボア23の軸心を結ぶ直線Xからの距離A1,A2,A3が一定で且つ、特定のシリンダボア23(例えば、第1シリンダボア23A)の軸心からの気筒列方向の距離B1,B2,B3が一定に設定されている。これにより、エンジン100のコモンアーキテクチャを実現することができ、排気量等の詳細な仕様が異なるエンジンについて設計及び製造を簡略化することができる。なお、実施形態のエンジンとしては、シリンダボアの個数が同じでなくともよく、例えば、図11に示す4個のシリンダボア23をシリンダボア23A、23B、23Cからなる3気筒エンジンでもよく、複数気筒エンジンに適応できる。
以上の構成によれば、メインギャラリ74、第1サブギャラリ75及び第2サブギャラリ76(以下、「メインギャラリ74等」ともいう)に接続される第1〜第3連通路73a〜73cよりも上流側の給油路をオイルパン3に形成することによって、給油路7をできる限りオイルパン3に集約し、給油路7のうちシリンダブロック2に形成される部分を簡略化することができる。つまり、シリンダヘッド1及びシリンダブロック2のうちオイルの供給が必要な各部へは、メインギャラリ74、第1サブギャラリ75又は第2サブギャラリ76からオイルが分配されるので、これらメインギャラリ74等はシリンダブロック2に形成される必要がある。そして、給油路7のうちメインギャラリ74よりも上流側の部分で、シリンダブロック2に形成されているのは、第1〜第3連通路73a〜73cだけであり、給油路7のうち第1〜第3連通路73a〜73cよりも上流側の部分は、基本的にはオイルパン3に形成されている(ただし、オイルポンプ81とオイルフィルタ82とを接続する第1給油路71aの一部と、第1オイル制御弁84とオイルポンプ81とを接続する第4給油路71dの一部は、オイルポンプ81をシリンダブロック2に取り付けている都合上、シリンダブロック2に形成されている)。これにより、エンジン100が搭載される車両セグメント、エンジン100の排気量、電動化システムの有無等の仕様変更により潤滑系の仕様に変更が必要な場合に、主にオイルパン3の構成を変更することで対応することができる。潤滑又は冷却の必要な部分の構成が変更されることにより、給油路7のうちメインギャラリ74等及びそれらよりも下流側の構成も変更せざる得ないことは仕方ないとしても、潤滑系の変更に起因するシリンダブロック2の構成の変更を極力抑えることができる。
また、給油路7をできる限りオイルパン3に集約し、給油路7のうちシリンダブロック2に形成される部分を簡略化することによって、メインギャラリ74等の位置及び第1〜第3連通路73a〜73cの位置を、仕様の異なるエンジン100で共通にすることができる。その結果、エンジン100のコモンアーキテクチャを実現することができる。例えば、エンジン100の排気量が変わると、オイルパン3のオイル貯留量が変わるので、オイルパン3の形状が変わり得る。その際、上流側給油路71の構成を変更したとしても、第1〜第3連通路73a〜73cの位置を変えないようにすれば、第1〜第3連通路73a〜73cのうちオイルパン3に形成された部分と第1〜第3連通路73a〜73cのうちシリンダブロック2に形成された部分とをオイルパン3をシリンダブロック2に取り付けるだけで連通させることができる。また、アッパブロック21及びロアブロック22を鋳造する場合には、第1〜第3連通路73a〜73cも成型時に形成され得る。つまり、第1〜第3連通路73a〜73cの位置を一定にしておけば、鋳造により形成するロアブロック22の基本的な構造を、仕様が異なるエンジン100で共通にすることができる。特に、ロアブロック22は、上流側給油路71も下流側給油路72も形成されておらず、第1〜第3連通路73a〜73cの一部だけが形成されているので、エンジン100の仕様が変更され、上流側給油路71又は下流側給油路72の構成が変更されたとしても、ロアブロック22の構成は不変とすることができる。
さらには、給油路7のうち第1〜第3連通路73a〜73cよりも上流側の部分をオイルパン3に形成することによって、シリンダブロック2へのオイル供給装置200に起因する制約を低減することができ、シリンダブロック2の周囲のレイアウトの自由度を向上させることができる。詳しくは、シリンダブロック2の周囲には様々な補機が配置されるので、オイルパン3の周囲にはシリンダブロック2に比べるとスペースに余裕がある。そこで、給油路7のうち第1〜第3連通路73a〜73cよりも上流側の部分に含まれるオイルフィルタ82、オイルクーラ83、第1オイル制御弁84及び第2オイル制御弁85がシリンダブロック2ではなく、オイルパン3に取り付けられる。これにより、シリンダブロック2の周囲のスペースが確保される。例えば、エンジン100の仕様が変わると、エンジン100の側壁の面積が変わり、補機の配設スペースが変化する。オイルフィルタ82等がシリンダブロック2に取り付けられている場合には、例えば、気筒数が変わってエンジン100の側壁の面積が小さくなると、他の補機を配設するためのスペースの確保が非常に厳しくなる。それに対し、オイルフィルタ82等がオイルパン3に取り付けられていると、エンジン100の側壁の面積が小さくなったとしても、他の補機を配設するためのスペースの確保が容易となる。例えば、図13に示すように、シリンダブロック2の吸気側の側壁には、オルタネータ91及び空調機のコンプレッサ92が配置される。また、シリンダブロック2の排気側の側壁には、電動モータ93aを有する、ハイブリッド車両用の変速装置93が配置される。
それに加え、オイルフィルタ82、オイルクーラ83、第1オイル制御弁84及び第2オイル制御弁85のうち、サイズが比較的大きいオイルフィルタ82及びオイルクーラ83をオイルパン3の一方の側壁(本実施形態では、第1側壁31)の方に配置している。そのため、オイルパン3の他方の側壁の周辺にスペースが確保される。つまり、オイルパン3の側方のスペースも利用して、補機を配設することができる。例えば、図13に示すように、オイルパン3の排気側の側方にはスペースが存在し、このスペースには、シリンダブロック2の排気側の側壁に取り付けられた変速装置93の下部が位置している。
また、オイルポンプ81は、前述の如く、タイミングチェーンCを介してクランクシャフト26に駆動される。そのため、オイルポンプ81の従動スプロケット81hがクランクシャフト26の駆動スプロケットの下方に位置するように、オイルポンプ81は、オイルパン3内において気筒列方向中央よりも前側に配置されている。これにより、オイルポンプ81の駆動シャフト81aの長さを抑制しつつ、オイルポンプ81とクランクシャフト26とのチェーン連結を実現することができる。
オイルポンプ81が気筒列方向前側に配置されることに合わせて、オイルフィルタ82及び第1オイル制御弁84もオイルパン3において気筒列方向前側に配置されている。詳しくは、オイルフィルタ82は、底壁35に取り付けられ、その気筒列方向の位置は、オイルポンプ81の気筒列方向の位置と略同じである。第1オイル制御弁84は、前壁33に取り付けられている。オイルポンプ81から吐出されたオイルは、まずオイルフィルタ82に流入する。また、オイルポンプ81の圧力室81mには、第1オイル制御弁84からオイルが供給されている。そのため、オイルフィルタ82及び第1オイル制御弁84をオイルポンプ81の近くに配置することによって、オイルポンプ81とオイルフィルタ82とを接続する第1給油路71a及び第1オイル制御弁84とオイルポンプ81とを接続する第4給油路71dを短くすることができる。
また、オイルポンプ81、オイルフィルタ82及び第1オイル制御弁84が気筒列方向前側に配置されることに合わせて、第1給油路71a、第2給油路71b、第3給油路71c及び第4給油路71dが、第1側壁31の前部(気筒列方向中央よりも前側の部分)に形成されている。これにより、各給油路の長さを抑制することができる。
このように、オイルポンプ81並びに、それに近接して配置することが好ましい部品及び給油路をオイルポンプ81の比較的前側に配置することによって、オイルポンプ81の後側には、他の給油路等を配置する余裕が生じる。本実施形態では、上流側給油路71のうち、少なくとも第1連通路73aとの接続部と第2連通路73bとの接続部とを繋ぐ部分を、オイルパン3のうちオイルポンプ81よりも後側の壁部を通るように形成している。具体的には、第5給油路71e、第6給油路71f及び第7給油路71gが、上流側給油路71のうち、第1連通路73aとの接続部と第2連通路73bとの接続部とを繋ぐ部分に相当する。第5給油路71eは、第1側壁31の後部に形成される。第5給油路71eから分岐し第2オイル制御弁85に接続される第6給油路71fは、直線状に延びた上流側油路71xが第1側壁31に形成され、直線状に延びた中間油路71yが後壁34に形成され、直線状に延びた下流側油路71zが第2側壁32に形成されて構成されている。第7給油路71gは、第2側壁32の後部に形成されている。オイルパン3の前部にはオイルポンプ81並びに、それに近接して配置することが好ましい部品及び給油路が配置されているので、オイルパン3の前部の構造は比較的複雑になっている。その上、オイルパン3の壁部に給油路を形成するためには、給油路の分だけ壁部を厚くする必要がある。オイルパン3の前部には、壁部を厚くする余裕も少ない。それに対し、オイルパン3の後部では給油路の配置自由度が高いので、オイルパン3の構造を複雑にすることなく、上流側給油路71を配置することができる。オイルパン3の後部に形成された上流側給油路71のレイアウトを簡略にすることによって、上流側給油路71の機械加工や鋳造時の鋳抜きを容易に行うことができる。
例えば、オイルパン3を鋳造する場合、上流側給油路71は鋳抜き穴により形成され得る。つまり、オイルパン3の表面に開口する複数の鋳抜き穴を形成した後、該鋳抜き穴の開口部が栓で塞がれる。このような鋳抜き穴を互いに交差させるなどして組み合わせることで上流側給油路71が構成される。例えば、図10に示すように、第6給油路71fにおいて、第1側壁31に形成された上流側油路71xは、後壁34に開口するように形成され、後壁34に形成された中間油路71yは、第1側壁31に形成された上流側油路71xと交差すると共に第1側壁31に開口するように形成され、第2側壁32に形成された下流側部分71zは、後壁34に形成された中間油路71yと交差すると共に後壁34に開口するように形成される。その後、各部分の開口が栓で塞がれることによって、1本の第6給油路71fが形成される。オイルパン3を鋳造で形成する場合、他の給油路も同様に、何れかの側壁に開口するように形成された後、開口が栓で塞がれることによって、所定の給油路として形成される。
上流側給油路71の一部を構造が比較的簡略なオイルパン3の後部に配置することにより、このような鋳抜き穴による形成を容易に行うことができる。また、ドリルによる穿孔等の機械加工によって、上流側給油路71を形成する場合であっても、一旦、オイルパン3の表面に開口する穴を穿孔した後、開口部を栓で塞ぐ必要がある。このような場合であっても、上流側給油路71の一部を、構造が比較的簡略なオイルパン3の後部に配置することにより、機械加工による形成を容易に行うことができる。
特に、本実施形態のオイル供給装置200においては、シリンダブロック2及びオイルパン3の吸気側の側壁と排気側の側壁の両方において上流側給油路71と下流側給油路72とを連通させている。具体的には、シリンダブロック2及びオイルパン3の吸気側の側壁に第1連通路73aが形成され、シリンダブロック2及びオイルパン3の排気側の側壁に第2連通路73b及び第3連通路73cが形成されている。そのため、オイルパン3においては上流側給油路71を第1側壁31から第2側壁32まで延設する必要がある。このような構成においては、前述のように、上流側給油路71のうち第1連通路73aとの接続部と第2連通路73bとの接続部とを繋ぐ部分を、構造が比較的簡略なオイルパン3の後部に形成する構成が特に有効となる。
また、シリンダブロック2は、アッパブロック21とロアブロック22との分割構造となっており、ロアブロック22は、アッパブロック21に対して複数箇所でボルト締結されており、メインギャラリ74及び第1サブギャラリ75は、アッパブロック21に形成され、第1連通路73a及び第2連通路73bのうちシリンダブロック2に形成された部分は、それぞれ隣り合うボルト締結箇所の間の位置において、ロアブロック22を貫通し且つアッパブロック21に形成され、メインギャラリ74及び第1サブギャラリ75にそれぞれ達している。
具体的には、図8に示すように、第1連通路73aは、2つのボルト挿通孔22fの間に配置されている。これにより、第1連通路73aは、アッパブロック21とロアブロック22とのシール性が高い部分に形成されることになる。図8では図示されていないが、第2連通路73bも同様に、2つのボルト挿通孔22fの間に配置されている。その結果、第1連通路73a及び第2連通路73bのアッパブロック21に形成された部分と第1連通路73a及び第2連通路73bのロアブロック22に形成された部分とのそれぞれの連結部におけるオイル漏れを抑制することができる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
以上説明したように、ここに開示された技術は、エンジンのオイル供給装置について有用である。
100 エンジン
2 シリンダブロック
21 アッパブロック
21a 第1側壁
21b 第2側壁
22 ロアブロック
22a 第1側壁
22b 第2側壁
23 シリンダボア
3 オイルパン
31 第1側壁
32 第2側壁
7 給油路
71 上流側給油路
71e 第5給油路
71f 第6給油路
72 下流側給油路
73a 第1連通路
73b 第2連通路
73c 第3連通路
74 メインギャラリ(第1油路)
75 第1サブギャラリ(第2油路)
76 第2サブギャラリ
81 オイルポンプ
85 第2オイル制御弁(流量制御弁)
200 オイル供給装置

Claims (3)

  1. 所定の気筒列方向に並ぶ複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックに取り付けられるオイルパンと、
    前記オイルパンのオイルを吸い上げて吐出するオイルポンプとを備えたエンジンのオイル供給装置であって、
    前記オイルパンの壁部は、前記シリンダブロックの壁部と連結されており、
    前記オイルパンには、前記オイルポンプから吐出されたオイルが流通する上流側給油路が形成され、
    前記シリンダブロックには、前記複数のシリンダボアに対して一方側において前記気筒列方向に延びる第1油路と、該複数のシリンダボアに対して他方側において該気筒列方向に延びる第2油路とを含む下流側給油路が形成され、
    前記複数のシリンダボアに対して前記第1油路と同じ側における、前記シリンダブロックの壁部及び前記オイルパンの壁部には、前記上流側給油路と前記第1油路とを連通させる第1連通路が形成され、
    前記複数のシリンダボアに対して前記第2油路と同じ側における、前記シリンダブロックの壁部及び前記オイルパンの壁部には、前記上流側給油路と前記第2油路とを連通させる第2連通路が形成され、
    前記オイルポンプは、前記オイルパン内において前記気筒列方向の一方側に配置され、
    前記上流側給油路のうち、前記第1連通路との接続部と前記第2連通路との接続部とを繋ぐ部分は、前記オイルパンのうち、前記オイルポンプよりも前記気筒列方向の他方側の壁部を通るように形成されている、エンジンのオイル供給装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンのオイル供給装置において、
    前記シリンダブロックは、アッパブロックとロアブロックとの分割構造となっており、
    前記ロアブロックは、前記アッパブロックに対して複数箇所でボルト締結されており、
    前記第1油路及び前記第2油路は、前記アッパブロックに形成され、
    前記第1連通路及び前記第2連通路のうち前記シリンダブロックに形成された部分は、それぞれ隣り合うボルト締結箇所の間の位置において、前記ロアブロックを貫通し且つ前記アッパブロックに形成され、前記第1油路及び前記第2油路にそれぞれ達している、エンジンのオイル供給装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンのオイル供給装置において、
    前記上流側給油路には、前記第2油路へのオイル流量を制御する流量制御弁が接続され、
    前記流量制御弁は、前記複数のシリンダボアに対して前記第2油路と同じ側における前記オイルパンの壁部に取り付けられている、エンジンのオイル供給装置。
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