JP2016160809A - 内燃機関の燃料性状推定装置 - Google Patents

内燃機関の燃料性状推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】経年変化により内燃機関の状態が変化した場合にも精度良く燃料性状を推定することが出来る内燃機関の燃料性状推定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の燃料性状推定装置は、着火性が異なり、量が等しい3種の燃料噴霧をインジェクタに噴射させて、各燃料噴霧の噴射により発生したトルクTQe、TQd,TQmを推定し(S101〜S106)、推定されたトルクTQe、TQd,TQmに基づき、内燃機関の経年変化が気筒内の燃料噴霧の着火性に影響を及ぼす程度を示すエンジン経年変化係数αを求め(S107)、求めたエンジン経年変化係数αと、推定されたTQe及びTQdとから、燃料性状を推定する(S108)。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料性状推定装置に関する。
ディーゼルエンジンにおいては、燃料性状に応じて燃料噴霧の特性が大きく変化する。例えば、燃料の動粘度が大きくなると、空気とのせん断による噴霧の微粒化特性が悪化するため、空気との混合性、すなわち、燃料噴霧の蒸発特性が悪化する。
燃料噴霧の蒸発特性が悪化すると、軽負荷時の着火・燃焼が不安定となるため、軽負荷時のHC排出量が増加する。また、燃料噴霧の蒸発特性が悪化すると、ポスト噴射時等における気筒内壁への燃料付着量が増加する。従って、気筒内壁からオイルパンへ流入する燃料によりエンジンオイルが過度に希釈されてしまう場合もある。
燃料性状が分かれば、上記のような不具合が発生しないように内燃機関を制御することができる。ただし、燃料性状を検出する燃料性状センサは比較的に高価なものである。そのため、燃料性状センサを使用せずに燃料性状を検出できる技術が開発されている。具体的には、減速燃料カット中に少量の燃料を気筒内に噴射して、噴射した燃料の燃焼により発生したトルクの大きさから、燃料性状(着火性、セタン価等)を検出する技術(例えば、特許文献1〜4参照)が開発されている。
特開2013−209942号公報 特開2010−024870号公報 特開2013−209943号公報 特開2013−209941号公報
減速燃料カット中に気筒内に噴射される燃料の着火性が悪いほど、燃焼し切れずに燃え残る燃料の量が増加するので、発生するトルクの大きさは小さくなる。従って、減速燃料カット中に少量の燃料を気筒内に噴射して、噴射した燃料の燃焼により発生したトルクの大きさから、燃料性状を検出(推定)することが出来る。ただし、内燃機関の経年変化(インジェクタへのデポジットの堆積等)により、同一の噴射指示によって発生するトルクの大きさが変化することがある。そのため、上記のような燃料性状の検出法では、内燃機関の経年変化により、実際の燃料性状とは全く異なる燃料性状が推定されてしまう虞がある。
そこで、本発明の課題は、内燃機関が経年変化しても精度良く燃料性状を推定できる内燃機関の燃料性状推定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の、内燃機関のシリンダ内に燃料を噴射するインジェクタを備えた内燃機関に適用され、第1の着火性を有する燃料噴霧と前記第1の着火性よりも着火し難い第2の着火性を有する燃料噴霧と前記第2の着火性よりも着火し難い第3の着火性を有する燃料噴霧とをインジェクタに噴射させることが可能な内燃機関の燃料性状推定装置は、前記第1の着火性を有する既定量の燃料噴霧を前記インジェクタに噴射
させて当該燃料噴霧の噴射により発生する第1のトルクを算出する第1処理と、前記第2の着火性を有する前記既定量の燃料噴霧を前記インジェクタに噴射させて当該燃料噴霧の噴射により発生する第2のトルクを算出する第2処理と、前記第3の着火性を有する前記既定量の燃料噴霧を前記インジェクタに噴射させて当該燃料噴霧の噴射により発生する第3のトルクを算出する第3処理と、を減速燃料カット中に行うトルク推定手段と、前記トルク推定手段により推定された前記第1のトルク、前記第2のトルク及び前記第3のトルクに基づき、前記内燃機関の経年変化が気筒内の燃料噴霧の着火性に影響を及ぼす程度を示す経年変化値を求め、求めた経年変化値と、前記トルク推定手段により推定された前記第1のトルク及び前記第3のトルクとに基づき、前記内燃機関に使用されている燃料の燃料性状を推定する燃料性状推定手段とを備える。
本発明の内燃機関の燃料性状推定装置によれば、内燃機関が経年変化しても精度良く燃料性状を推定することが出来る。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃料性状推定装置を適用した内燃機関システムの概略構成図である。 図2は、実施形態に係る内燃機関の燃料性状推定装置としてのECUが実行する燃料性状推定処理の流れ図である。 図3は、エンジン経年変化係数の説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃料性状推定装置を適用した内燃機関システムの概略構成を示す。
この内燃機関システムは、車両に搭載されるシステムである。図示してあるように、内燃機関システムは、主要な構成要素として、内燃機関10と、ECU(Electronic Control Unit)40とを備える。
内燃機関10は、4つの気筒11を有するディーゼルエンジンである。内燃機関10には、クランクシャフトの角度を検出するためのクランクポジションセンサ(図示略)や、内燃機関10内を循環する冷却水の温度を測定するための水温センサ(図示略)が取り付けられている。
内燃機関10の各気筒11には、コモンレール13内の高圧燃料を各気筒11内へ噴射するためのインジェクタ12が取り付けられている。コモンレール13は、サプライポンプ27を備えた燃料通路を介して燃料タンク25と接続されており、燃料タンク25には、燃料タンク25内の燃料(本実施形態では、軽油)の液面レベルを検出するための燃料レベルセンサ26が設けられている。また、コモンレール13には、コモンレール13内の燃料圧力を検出するための圧力センサ(図示略)が取り付けられている。
内燃機関10の各気筒11(各気筒11の燃焼室)は、吸気マニホールド14を介して吸気通路15と接続されている。また、各気筒11は、排気マニホールド21を介して排気通路22と接続されている。
吸気通路15の途中には、ターボチャージャ17のコンプレッサ17aと、コンプレッサ17aからの圧縮空気を冷却するためのインタークーラ16とが配設されている。吸気
通路15のコンプレッサ17aよりも上流側の部分には、吸気の流量を測定するためのエアフローメータ18が配設されており、吸気通路15のインタークーラ16よりも下流側の部分には、吸気の流量を調整するための吸気絞り弁19が配設されている。
排気通路22の途中には、ターボチャージャ17のタービン17bが配設されている。排気通路22のタービン17bよりも下流側の部分には、DOC(Diesel Oxidation Catalyst)31の後段にDPF(Diesel Particulate Filter)32を配置した排気浄化装置30が配設されている。排気浄化装置30には、排気浄化装置30の温度を測定するための温度センサ35と、DPF32の前後の圧力差を測定するための圧力差センサ36とが取り付けられている。
排気マニホールド21と吸気マニホールド14との間には、排気マニホールド21内を流れる排気の一部を吸気マニホールド14に戻すためのEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置が配設されている。このEGR装置は、排気マニホールド21と吸気マニホールド14とを接続するEGR通路20aと、EGR通路20a内を流れるEGRガス量を調節するためのEGR弁20bと、EGRガスを冷却するためのEGRクーラ20cとにより構成されている。
ECU40は、本実施形態に係る内燃機関の燃料性状推定装置としての機能を、他の各種機能と共に有するユニットである。ECU40は、CPU(Central Processing Unit)、フラッシュROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、各種インタフェース回路等で構成されている。
ECU40には、上記した各センサや、アクセル開度センサ28、イグニッションスイッチが電気的に接続されている。また、ECU40のフラッシュROMには、CPUが実行するプログラム(ファームウェア)や、当該プログラムが参照する各種情報(マップ等)が記憶されている。そして、ECU40は、CPUが上記プログラムを実行することにより、各種センサ/スイッチからの信号に基づき、内燃機関システムの各部を統合的に制御するユニットとして動作する。
以下、ECU40の機能を、内燃機関の燃料性状推定装置としての機能を中心に説明する。
ECU40は、運転者の要求に応じた制御を内燃機関10に対して行いながら、燃料性状推定処理実行条件が成立するのを監視し、燃料性状推定処理実行条件が成立したときに、燃料性状推定処理を実行するように、構成(プログラミング)されている。
燃料性状推定処理実行条件は、『減速時燃料カットの実行中であり、且つ、燃料性状再推定要フラグが“0”である』という条件である。ここで、減速時燃料カットとは、車両の走行中にアクセルペダルの踏み込みが解除された場合に実施される、燃料カット(つまり、内燃機関10への燃料供給を絶つ制御)のことである。また、燃料性状再推定要フラグとは、減速時燃料カットが実行されても、燃料性状が変化していないと想定される場合には燃料性状推定処理が実行されないようにするために用意されている、初期値が“0”のフラグのことである。
ECU40は、燃料性状推定処理中で所定の条件が満たされたことを検出した場合(詳細は後述)に、燃料性状再推定要フラグに“1”をセットし、燃料性状推定処理を終了する。そして、ECU40は、給油がなされたこと(燃料レベルセンサ26の出力に所定の変化が現れたこと)を検出した場合には、次回の減速時燃料カット時に燃料性状推定処理
を実行するために、燃料性状再推定要フラグに“0”をセットする。また、ECU40は、燃料性状再推定要フラグの値が“1”に変更された時点からの走行距離が、予め設定されている再推定実施距離以上となった場合にも、燃料性状再推定要フラグに“0”をセットする。そして、ECU40は、後述するエンジン経年変化係数αを求め直す(及び燃料性状を再確認する)ための燃料性状推定処理を次回の減速時燃料カット時に実行する。
燃料性状推定処理実行条件が成立したときに、ECU40が実行する燃料性状推定処理は、図2に示した手順の処理である。尚、この燃料性状推定処理は、通常の減速時燃料カットの持続時間よりも短時間で完了するように、各ステップの処理の内容が定められている処理である。また、燃料性状推定処理は、その実行中に、アクセルペダルが踏み込まれた場合(燃料噴射を再開すべき状況となった場合)、中止される処理となっている。
図2に示してあるように、燃料性状推定処理実行条件が成立したため、この燃料性状推定処理を開始したECU40は、まず、インジェクタ12に易着火条件(詳細は後述)で既定量の燃料を噴射させる処理(ステップS101)を行う。次いで、ECU40は、インジェクタ12に噴射させた既定量の燃料により発生したトルクTQeを推定する(ステップS102)。このステップS102及び後述するステップS104、S106では、例えば、燃料噴射前の機関回転数と、燃料噴射後の機関回転数と、から、発生トルクを算出する(発生トルクの推定値を算出する)処理や、機関回転数以外のパラメータ(燃焼に伴う筒内圧の上昇量等)から、発生トルクを算出する処理が行われる。
ステップS102の処理を終えたECU40は、インジェクタ12に難着火条件で上記既定量の燃料を噴射させる処理(ステップS103)と、当該燃料噴射により発生したトルクTQdを推定する処理(ステップS104)とを行う。さらに、ECU40は、インジェクタ12に中間着火条件で上記既定量の燃料を噴射させる処理(ステップS105)と、当該燃料噴射により発生したトルクTQmを推定する処理(ステップS106)とを行う。
以下、ステップS101、S103、S105の処理の内容をより具体的に説明する。
ステップS101、S103、S105の各処理時に噴射される燃料量である『既定量』は、内燃機関10のアイドル運転に必要な燃料量よりも少ない量である。
ステップS101、S103、S105の処理時に使用される易着火条件、難着火条件及び中間着火条件は、いずれも、燃料噴射系(インジェクタ12、サプライポンプ27等)の制御条件である。易着火条件、難着火条件、中間着火条件は、インジェクタ12から噴出される燃料噴霧の着火性が、易着火条件、中間着火条件、難着火条件の順で悪くなるように、定められている。尚、TQm値が、TQe値又はTQd値に近いと、燃料性状の推定精度が低下し易い。そのため、易着火条件、中間着火条件及び難着火条件は、“(TQm−TQd)/(TQe−TQm)”値が1近傍の値(例えば、0.5〜2.0の範囲内の値)となるように、定めておくことが好ましい。
インジェクタ12から噴出される噴霧の着火性は、様々な手法により変更することが出来る。例えば、インジェクタ12が、ニードル弁の開弁速度を変更可能なものである場合、ニードル弁の開弁速度を下げれば、噴射燃料の貫徹力が低減するため、インジェクタ12に着火し易い噴霧を噴出させることが出来る。逆に、ニードル弁の開弁速度を上げれば、噴射燃料の貫徹力が増加するため、インジェクタ12に着火し難い噴霧を噴出させることが出来る。従って、インジェクタ12が、ニードル弁の開弁速度を変更可能なものである場合、易着火条件、中間着火条件、難着火条件を、ニードル弁の開弁速度が、易着火条件、中間着火条件、難着火条件の順に遅くなる条件としておくことが出来る。
また、燃料の噴射圧力を上げれば、インジェクタ12に、蒸発特性が良い(つまり、着火し易い)噴霧を噴出させることが出来る。逆に、燃料の噴射圧力を下げれば、インジェクタ12に、蒸発特性が悪い(つまり、着火し難い)噴霧を噴出させることが出来る。従って、易着火条件、中間着火条件、難着火条件を、コモンレール13内の燃料圧力が、易着火条件、中間着火条件、難着火条件の順に低くなる条件としておいても良い。また、インジェクタ12が増圧機構を有している場合には、増圧機構のON/OFF(増圧機構を作動させるか否か)とコモンレール13内の燃料圧力の制御とにより、噴霧の着火性が変更されるようにしておいても良い。
ステップS106の処理を終えたECU40は、エンジン経年変化係数αを、発生トルクの推定結果TQe、TQm、TQdから求め(ステップS107)、求めたαと、TQe及びTQdとから、燃料性状Cを推定する(ステップS108)。
エンジン経年変化係数αは、内燃機関10(内燃機関10の、インジェクタ12等の構成要素群)の経年変化が、気筒11内の燃料噴霧の着火性に与える影響の程度を示す値である。より具体的には、エンジン経年変化係数αは、使用により変化した内燃機関10の状態が、気筒11内の燃料噴霧の本来の着火性(内燃機関10が経年変化していない場合における着火性)をどの程度向上又は低下させるものとなっているかを示す値である。
内燃機関10の経年変化が燃料噴霧の着火性に与える影響の程度は、燃料噴霧の本来の着火性(燃料噴霧の、内燃機関10が経年変化していない場合における着火性)によって異なる。そのため、上記のようにして推定された発生トルクTQe、TQm、TQdから、上記エンジン経年変化係数α(内燃機関10の経年変化が、気筒11内の燃料噴霧の着火性に与える影響の程度を示す値)を求めることが出来る。
具体的には、例えば、製造直後に測定された発生トルクTQe、TQm、TQdが、図3(A)に示してある値であった内燃機関10の着火性が、経年変化により向上した場合を考える。尚、上記説明及び以下の説明において、『内燃機関10の着火性が、経年変化により向上した/低下した』とは、『経年変化により内燃機関10の状態が、気筒11内の燃料噴霧の着火性を向上させる/低下させる状態となった』ということである。
この場合、図3(B)に示してあるように、内燃機関10の着火性の変化が、TQe、TQm、TQdに異なる影響を与えるため、図3(A)、(B)に示してあるように、トルク差“TQe−TQm”のトルク差“TQe−TQd”に対する割合が、製造直後の割合よりも小さくなる。また、内燃機関10の着火性が経年変化により低下した場合には、トルク差“TQe−TQm”のトルク差“TQe−TQd”に対する割合が、製造直後の割合よりも大きくなる。
従って、“(TQm−TQd)/(TQe−TQd)”値、“(TQm−TQd)/(TQe−TQm)”値等に対応づけてα値を記憶したα値テーブルを各種実験により用意しておけば、当該α値テーブルを用いてTQe、TQm、TQdから、エンジン経年変化係数αを求めることが出来る。
また、エンジン経年変化係数αを用いれば、例えば、“TQe−TQd”値から、製造直後の内燃機関10における“TQe−TQd”値を推定することが出来る。そして、製造直後の内燃機関10における“TQe−TQd”値と燃料性状C(セタン価等)との間には、相関関係がある。従って、“TQe−TQd”値に対応づけて燃料性状Cを記憶した燃料性状テーブルを各種実験により用意しておけば、燃料性状テーブルとα値とを用いて発生トルクTQe及びTQdから燃料性状Cを求めることが出来る。
尚、エンジン経年変化係数αの具体例としては、製造直後の内燃機関10における“TQe−TQd”値を、経年変化した内燃機関10における“TQe−TQd”値で割った値を挙げることが出来る。エンジン経年変化係数αとして、そのような値を採用しておけば、上記内容の燃料性状テーブルから、“α(TQe−TQd)”値に対応づけられている値を読み出すだけで、燃料性状Cを求めることが可能となる。
図2に戻って、燃料性状推定処理の説明を続ける。
燃料性状Cの推定(ステップS108)を終えたECU40は、フラグ更新処理(ステップS109)を行う。このフラグ更新処理は、燃料性状Cの前回と今回の推定結果の差の絶対値が、設定されている許容値以下であるか否かを判断し、差の絶対値が許容値以下であった場合に、燃料性状推定要フラグに“1”をセットする処理である。尚、上記差の絶対値が許容値以下となるのを待ってから、燃料性状推定要フラグに“1”をセットしているのは、給油直後に生じ得る、インジェクタ12に供給される燃料の燃料性状の時間変化が燃料性状推定に与える影響を排除するためである。より具体的には、燃料タンク25内の燃料と性状の異なる燃料が給油された場合、各部(燃料タンク25内やコモンレール13内)の燃料が同一性状となるまでには、或る程度の時間がかかる。従って、給油後の燃料性状推定処理の実行タイミングによっては、燃料性状推定処理によって、各部(燃料タンク25内やコモンレール13内)の燃料が同一性状となる前の燃料性状が求められてしまう場合があることになる。そして、求められた燃料性状が、同一性状となる前の燃料性状であるか否かは、上記差の絶対値に基づき判断できる。そのため、上記差が許容値以下となるのを待ってから、燃料性状推定要フラグに“1”をセットしているのである。
フラグ更新処理(ステップS109)を終えたECU40は、この燃料性状推定処理(図2の処理)を終了する。
燃料性状推定処理を終了したECU40は、推定した燃料性状Cが、それまで燃料性状として使用していた値と所定量以上異なる場合には、燃料性状が関係する制御パラメータ(ポスト噴射量等)を燃料性状Cに応じた値に変更する。そして、ECU40は、運転者の要求に応じた制御を内燃機関10に対して行いながら、燃料性状推定処理実行条件が成立するのを監視している状態に戻る。
以上、説明したように、本実施形態に係る内燃機関の燃料性状推定装置(ECU40)は、減速燃料カット中に、以下の処理を行う。
・或る着火性(以下、第1の着火性と表記する)を有する既定量の燃料噴霧をインジェクタ12に噴射させて当該燃料噴霧の噴射により発生するトルクTQeを推定する処理(ステップS101及びS102)
・第1の着火性よりも着火し難い第2の着火性を有する上記既定量の燃料噴霧をインジェクタ12に噴射させて当該燃料噴霧の噴射により発生するトルクTQmを推定する処理(ステップS105及びS106)
・第2の着火性よりも着火し難い第3の着火性を有する上記既定量の燃料噴霧をインジェクタ12に噴射させて当該燃料噴霧の噴射により発生するトルクTQdを推定する処理(ステップS103及びS104)
そして、内燃機関の燃料性状推定装置は、内燃機関10の経年変化が各トルクに与える影響が、燃料噴霧の元々の着火性によって異なることを利用して、TQe、TQd、TQdに基づき、内燃機関10の経年変化が気筒11内の燃料噴霧の着火性に与える影響の程度を示すα値を求め(ステップS107)、求めたα値と、TQe、TQdとから、内燃機関10に使用されている燃料の燃料性状を推定する(ステップS108)。
従って、内燃機関の燃料性状推定装置によれば、経年変化により内燃機関10の状態が変化した場合にも精度良く燃料性状を推定することが出来る。
《変形形態》
上記した内燃機関の燃料性状推定装置(ECU40)は、各種の変形を行うことが出来るものである。例えば、内燃機関の燃料性状推定装置(ECU40)を、減速燃料カット毎に燃料性状推定処理を行う装置や、n回の減速燃料カット毎に、1回、燃料性状推定処理を行う装置に変形することが出来る。また、α値を求める際に、上記したα値テーブルの代わりに、TQe、TQm、TQdの組合せに対応づけられてα値が記憶されたマップが用いられるようにしておいても良いし、α値が、TQe、TQm、TQdの関数から求められるようにしておいても良い。
同様に、燃料性状Cの推定時に、上記した燃料性状テーブルの代わりに、TQe、TQdの組合せや、α、TQe、TQdの組合せに対応づけられて燃料性状Cが記憶されたマップが用いられるようにしておいても良い。また、燃料性状Cが、α、TQe、TQdの関数から求められるようにしておいても良い。
ステップS101及びS102の処理と、ステップS103及びS104の処理と、ステップS105及びS106の処理とを、上記したものとは異なる順番で実行しても良い。また、ステップS101及びS102の処理を、第1の減速燃料カット時に行い、ステップS103及びS104の処理を第1の減速燃料カットとは異なる第2の減速燃料カット時に行い、ステップS105及びS106の処理を第1、第2の減速燃料カットのいずれとも異なる第3の減速燃料カット時に行うようにしておいても良い。
また、燃料性状が推定されるディーゼルエンジンの構成が上記したものとは異なるものであっても良いことや、内燃機関の燃料性状推定装置を、軽油以外の燃料(例えば、アルコール燃料)を使用する内燃機関用の装置に変形しても良いことなどは、当然のことである。
10・・・内燃機関
11・・・気筒
12・・・インジェクタ
13・・・コモンレール
14・・・吸気マニホールド
15・・・吸気通路
16・・・インタークーラ
17・・・ターボチャージャ
18・・・エアフローメータ
19・・・吸気絞り弁弁
20a・・・EGR通路
20b・・・EGR弁
20c・・・EGRクーラ
21・・・排気マニホールド
22・・・排気通路
25・・・燃料タンク
26・・・燃料レベルセンサ
27・・・サプライポンプ
28・・・アクセル開度センサ
30・・・排気浄化装置
31・・・DOC
32・・・DPF
35・・・温度センサ
36・・・圧力差センサ
40・・・ECU

Claims (1)

  1. 内燃機関のシリンダ内に燃料を噴射するインジェクタを備えた内燃機関に適用され、第1の着火性を有する燃料噴霧と前記第1の着火性よりも着火し難い第2の着火性を有する燃料噴霧と前記第2の着火性よりも着火し難い第3の着火性を有する燃料噴霧とをインジェクタに噴射させることが可能な内燃機関の燃料性状推定装置であって、
    前記第1の着火性を有する既定量の燃料噴霧を前記インジェクタに噴射させて当該燃料噴霧の噴射により発生する第1のトルクを算出する第1処理と、前記第2の着火性を有する前記既定量の燃料噴霧を前記インジェクタに噴射させて当該燃料噴霧の噴射により発生する第2のトルクを算出する第2処理と、前記第3の着火性を有する前記既定量の燃料噴霧を前記インジェクタに噴射させて当該燃料噴霧の噴射により発生する第3のトルクを算出する第3処理と、を減速燃料カット中に行うトルク推定手段と、
    前記トルク推定手段により推定された前記第1のトルク、前記第2のトルク及び前記第3のトルクに基づき、前記内燃機関の経年変化が気筒内の燃料噴霧の着火性に影響を及ぼす程度を示す経年変化値を求め、求めた経年変化値と、前記トルク推定手段により推定された前記第1のトルク及び前記第3のトルクとに基づき、前記内燃機関に使用されている燃料の燃料性状を推定する燃料性状推定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃料性状推定装置。
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