JP2016159857A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】非舗装路走行時のトラクション性能およびブレーキング性能、ならびに、WET操縦安定性能を向上させる。【解決手段】周方向にのびるストレート溝である主溝21を2本以上有する空気入りタイヤにおいて、主溝21内に設けられた複数の隔壁30を含み、複数の隔壁30は、主溝21の溝底と繋がっており、かつ、主溝21の溝壁と繋がっている。隔壁30の溝底からの高さは1.6mmを超えている。また、隔壁30は、溝底からの高さの最小値が主溝21の溝深さの50%以上であり、かつ、溝底からの高さの最大値が主溝21の溝深さの80%以下である。【選択図】図4
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
ラリー競技においては、コースが舗装路であってもタイム短縮の為にコーナーをインカットし非舗装路を走行する場合がある。近年のFIAレギュレーション改訂によりタイヤの周上にストレート溝が2本以上あることが義務化された。ストレート溝は、非舗装路においてトラクション性能およびブレーキング性能を向上させることが難しい。
特許文献1では、トレッド表面においてタイヤ周方向に形成されるストレート周方向溝に、隔壁を設けている。隔壁は、底辺部がストレート周方向溝の溝底に連結され、少なくともトレッド表面から溝深さの70%までの範囲は、溝壁から離れている。この隔壁を設けた空気入りタイヤが転動すると、路面側のストレート周方向溝が変形してストレート周方向溝に振動が発生する場合があるが、隔壁によってストレート周方向溝内の空気の流れを遮ることができる。また、ストレート周方向溝内に水が流れ込んだ場合には、水圧によって隔壁が倒れ、ストレート周方向溝内を水が流れることができる。この結果、排水性を確保しつつ気柱共鳴を抑制することができる。
特許文献1に記載のタイヤのように隔壁を設けると、排水性を確保しつつ気柱共鳴を抑制できるものの、非舗装路においてトラクション性能およびブレーキ性能を向上させることは難しい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は非舗装路走行時のトラクション性能およびブレーキング性能、ならびに、WET操縦安定性能を向上させることのできる空気入りタイヤを提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のある態様による空気入りタイヤは、周方向にのびるストレート溝を2本以上有する空気入りタイヤであって、前記ストレート溝内に設けられた複数の隔壁を含み、前記複数の隔壁は、前記ストレート溝の溝底と繋がっており、かつ、前記ストレート溝の溝壁と繋がっている。
前記隔壁の前記溝底からの高さは1.6mmを超えており、かつ、前記隔壁は、前記溝底からの高さの最小値が前記ストレート溝の溝深さの50%以上であり、前記溝底からの高さの最大値が前記ストレート溝の溝深さの80%以下であることが好ましい。
また、前記ストレート溝内に設けられ、タイヤの摩耗限度を示すトレッドウェアインジケータをさらに含んでいてもよい。
前記隔壁は、前記溝底からの高さが隔壁の他の部分よりも低い部分である凹部を有し、前記凹部は、前記溝底からの高さの最小値が前記ストレート溝の溝深さの50%以上であり、前記凹部は、前記溝底からの高さの最大値が前記ストレート溝の溝深さの80%以下であることが好ましい。
前記隔壁のタイヤ周方向の厚みは、2mm以上10mm以下であることが好ましい。
前記隔壁のタイヤ周方向の配置ピッチは、10mm以上50mm以下であることが好ましい。
トレッド面に含まれる溝部分と陸部分とを加えた面積に対する、溝部分の面積の比が、21.5%以上30%以下であることが好ましい。
タイヤ断面高さが、80mm以上100mm以下であることが好ましい。
本発明にかかる空気入りタイヤによれば、非舗装路走行時のトラクション性能およびブレーキング性能、ならびに、WET操縦安定性能を向上させることができる。
ことができる。
ことができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向およびY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、およびZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、およびθZ方向とする。
(空気入りタイヤの構造)
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一例を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を拡大した断面図である。図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部6の一例を示す図である。以下の説明においては、空気入りタイヤ1を適宜、タイヤ1、と称する。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一例を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の一部を拡大した断面図である。図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部6の一例を示す図である。以下の説明においては、空気入りタイヤ1を適宜、タイヤ1、と称する。
タイヤ1は、中心軸(回転軸)AXを中心に回転可能である。図1および図2はそれぞれ、タイヤ1の中心軸AXを通る子午断面を示す。タイヤ1の中心軸AXは、タイヤ1の赤道面CLと直交する。
本実施形態においては、タイヤ1の中心軸AXとY軸とが平行である。すなわち、本実施形態において、中心軸AXと平行な方向は、Y軸方向である。Y軸方向は、タイヤ1の幅方向又は車幅方向である。赤道面CLは、Y軸方向に関してタイヤ1の中心を通る。θY方向は、タイヤ1(中心軸AX)の回転方向である。X軸方向およびZ軸方向は、中心軸AXに対する放射方向である。タイヤ1が走行(転動)する路面(地面)は、XY平面とほぼ平行である。
以下の説明においては、タイヤ1(中心軸AX)の回転方向を適宜、周方向、と称し、中心軸AXに対する放射方向を適宜、径方向と称し、中心軸AXと平行な方向を適宜、幅方向、と称する。
タイヤ1は、カーカス部2と、ベルト層3と、ベルトカバー4と、ビード部5と、トレッド部6と、インナーライナー7と、サイドウォール部8とを有する。
カーカス部2、ベルト層3、およびベルトカバー4のそれぞれは、コードを含む。コードは、補強材である。コードを、ワイヤと称してもよい。カーカス部2、ベルト層3、およびベルトカバー4のような補強材を含む層をそれぞれ、コード層と称してもよいし、補強材層と称してもよい。
カーカス部2は、タイヤ1の骨格を形成する強度部材である。カーカス部2は、コードを含む。カーカス部2のコードを、カーカスコードと称してもよい。カーカス部2は、タイヤ1に空気が充填されたときの圧力容器として機能する。カーカス部2は、ビード部5に支持される。ビード部5は、Y軸方向に関してカーカス部2の一側および他側のそれぞれに配置される。カーカス部2は、ビード部5において折り返される。カーカス部2は、有機繊維のカーカスコードと、そのカーカスコードを覆うゴムとを含む。なお、カーカス部2は、ポリエステルのカーカスコードを含んでもよいし、ナイロンのカーカスコードを含んでもよいし、アラミドのカーカスコードを含んでもよいし、レーヨンのカーカスコードを含んでもよい。
ベルト層3は、タイヤ1の形状を保持する強度部材である。ベルト層3は、コードを含む。ベルト層3のコードを、ベルトコードと称してもよい。ベルト層3は、カーカス部2とトレッド部6との間に配置される。ベルト層3は、例えばスチールなどの金属繊維のベルトコードと、そのベルトコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルト層3は、有機繊維のベルトコードを含んでもよい。本実施形態において、ベルト層3は、第1ベルトプライ3Aと、第2ベルトプライ3Bとを含む。第1ベルトプライ3Aと第2ベルトプライ3Bとは、第1ベルトプライ3Aのコードと第2ベルトプライ3Bのコードとが交差するように積層される。
ベルトカバー4は、ベルト層3を保護し、補強する強度部材である。ベルトカバー4は、コードを含む。ベルトカバー4のコードを、カバーコードと称してもよい。ベルトカバー4は、タイヤ1の中心軸AXに対してベルト層3の外側に配置される。ベルトカバー4は、例えばスチールなどの金属繊維のカバーコードと、そのカバーコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルトカバー4は、有機繊維のカバーコードを含んでもよい。
ビード部5は、タイヤ1をリムに固定させる。ビード部5は、ビード50を有する。ビード50は、カーカス部2の両端を固定する強度部材である。ビード50は、スチールワイヤの束である。なお、ビード50は、炭素鋼の束でもよい。
トレッド部6は、センター部11と、Y軸方向に関してセンター部11の両側に配置されたショルダー部12とを含む。トレッド部6は、カーカス部2を保護する。トレッド部6は、路面と接触する接地部を含む。
トレッド部6は、タイヤ径方向外側の表面に複数の溝20が形成されている。溝20は、タイヤ1の周方向に延びる主溝21と、少なくとも一部がタイヤ1の幅方向に延びるラグ溝(横溝)22と、を含む。溝20の周囲に、陸部が設けられる。陸部は、溝20と、その溝20に隣り合う溝20との間に設けられる。トレッド部6は、溝20の間に配置される複数の陸部を含む。
主溝21は、タイヤ1の周方向に延びるストレート溝である。主溝21の少なくとも一部は、トレッド部6のセンター部11に設けられる。タイヤ1が競技用タイヤである場合、主溝21は2つ以上設けられる。本例において、図2および図3に示すように、タイヤ1は、4つの主溝21を有する。
主溝21は、内部に、トレッドウェアインジケータ29を有する。トレッドウェアインジケータ29は、溝底からの高さが1.6mmである。トレッドウェアインジケータ29は、タイヤ1の摩耗限度を示す。主溝21は、4.0mm以上の幅を有し、5.0mm以上の深さを有してもよい。なお、主溝21は、複数の隔壁30を有する。
ラグ溝22の少なくとも一部は、タイヤ1の幅方向に設けられる。ラグ溝22の少なくとも一部は、トレッド部6のショルダー部12に設けられる。ショルダー部12は、幅方向(Y軸方向)に関してセンター部11の一側(+Y側)および他側(−Y側)のそれぞれに配置される。ラグ溝22は、1.5mm以上の幅を有する。ラグ溝22は、4.0mm以上の深さを有してもよく、部分的に4.0mm未満の深さを有していてもよい。
インナーライナー7は、タイヤ1の内面に貼り付けられた気密保持性の高いゴム層である。サイドウォール部8は、カーカス部2を保護する。サイドウォール部8は、Y軸方向に関してトレッド部6の一側および他側のそれぞれに配置される。サイドウォール部8は、Y軸方向に関してトレッド部6の一側および他側のそれぞれに配置されるサイドウォールゴムを有する。
本実施形態において、タイヤ外径はODである。タイヤリム径はRDである。タイヤ総幅はSWである。トレッド接地幅はWである。
タイヤ外径ODとは、タイヤ1を規定リムに組み付け、規定内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えないときの、タイヤ1の直径をいう。タイヤリム径RDとは、タイヤ1に適合するホイールのリム径をいう。タイヤリム径RDは、タイヤ内径と等しい。
タイヤ断面高さSHとは、タイヤ1を規定リムにリム組みし、かつ規定内圧を充填した無負荷状態のときの、タイヤ外径ODとタイヤリム径RDとの差の1/2をいう。
「規定リム」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1毎に定めているリムであり、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、このタイヤ1が組まれる純正ホイールを用いる。
「規定内圧」とは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両に表示された空気圧とする。
(隔壁)
図4および図5は、隔壁30の例を示す図である。図4は、空気入りタイヤ1のトレッド部6の一部を拡大した図である。図5は、矢印YA方向から隔壁30を見た図である。
図4および図5は、隔壁30の例を示す図である。図4は、空気入りタイヤ1のトレッド部6の一部を拡大した図である。図5は、矢印YA方向から隔壁30を見た図である。
図4および図5に示すように、隔壁30は、主溝21の溝底210、溝壁211および212に繋がっている。つまり、隔壁30は、溝底側が主溝21の溝底210に繋がっているとともに、トレッド面側が隣接する陸部に繋がっている。このため、隔壁30の剛性を確保でき、非舗装路でも土をとらえトラクション性能およびブレーキ性能を向上させる。
(隔壁の高さ)
図6は、隔壁30の高さを説明する図である。図6に示すように、隔壁30は、高さHの最小値が溝深さDの50%以上であり、かつ、高さHの最大値が溝深さDの80%以下である。隔壁30の高さHが溝深さDの50%に満たないと土部への食い込みが少なくトラクション性能およびブレーキング性能への効果が見込めず、高さHが溝深さDの80%を越えると主溝21を流れる水の排水を阻害してしまい湿潤路面での操縦安定性の低下につながってしまう。
図6は、隔壁30の高さを説明する図である。図6に示すように、隔壁30は、高さHの最小値が溝深さDの50%以上であり、かつ、高さHの最大値が溝深さDの80%以下である。隔壁30の高さHが溝深さDの50%に満たないと土部への食い込みが少なくトラクション性能およびブレーキング性能への効果が見込めず、高さHが溝深さDの80%を越えると主溝21を流れる水の排水を阻害してしまい湿潤路面での操縦安定性の低下につながってしまう。
さらに、隔壁30は、溝底210からの高さHが1.6mmを超えるものとし、トレッドウェアインジケータ29とは異なる。隔壁30は、トレッドウェアインジケータ29とは別に設けられる。トレッドウェアインジケータ29については、その位置を示す表示がサイドウォール部8に設けられていることが多い。このため、隔壁30とトレッドウェアインジケータ29とを容易に区別することができる。つまり、タイヤ1は、設けられている位置が表示されているトレッドウェアインジケータ29と、設けられている位置が表示されていない隔壁30とを有する。
図7は、隔壁30の他の形状の例を示す図である。図7に示すように、隔壁30は、凹部31を有していてもよい。凹部31は、隔壁30において、溝底210からの高さが隔壁30の他の部分よりも低い部分である。凹部31は、タイヤ周方向に延在して設けられていてもよいし、タイヤ周方向に断続して設けられていてもよい。隔壁30に、凹部31を設けることにより、凹部31が設けられていない場合よりも高い排水性が得られる。特に、タイヤ周方向に延在して凹部31が設けられていることにより、排水性を高めることができる。
凹部31の溝底210からの高さH1は、溝深さDの50%以上80%以下の範囲内にあればよい。つまり、凹部31は、高さH1の最小値が溝深さDの50%以上であり、高さH1の最大値が溝深さDの80%以下であればよい。隔壁30の凹部31の溝底210からの高さH1が溝深さDの50%に満たないと路面の土部への食い込みが少なくトラクション性能およびブレーキング性能に関する効果が見込めない。また、凹部31の溝底210からの高さH1が溝深さDの80%を越えると主溝21を流れる水の排水を阻害してしまい湿潤路面での操縦安定性の低下につながってしまう。
凹部31の形状は問わず、矩形、三角形、半円形でもよい。凹部31が複数設けてあってもよい。凹部31のいずれの部分においても、溝底210からの高さH1が、溝深さDの50%以上80%以下の範囲内にあれば、凹部31がどのような形状であってもよい。
(隔壁の厚み)
図8は、隔壁30の厚みを示す図である。図8に示すように、隔壁30のタイヤ周方向の厚みTは、隔壁30が溝壁211に接している接点P11とP21との距離、隔壁30が溝壁212に接している接点P12とP22との距離、である。隔壁30の厚みTは、2mm以上10mm以下とすることが好ましい。厚みを2mm以上とすることで、路面の土部への食い込み時に土部の抵抗に負けてしまい変形が生じることを抑制でき、トラクション性能およびブレーキング性能に関する効果を好適に得ることができる。厚みを10mm以下とすることで、排水性能を高くすることができる。また、厚みTは、2mm以上5mm以下とすることがより好ましい。
図8は、隔壁30の厚みを示す図である。図8に示すように、隔壁30のタイヤ周方向の厚みTは、隔壁30が溝壁211に接している接点P11とP21との距離、隔壁30が溝壁212に接している接点P12とP22との距離、である。隔壁30の厚みTは、2mm以上10mm以下とすることが好ましい。厚みを2mm以上とすることで、路面の土部への食い込み時に土部の抵抗に負けてしまい変形が生じることを抑制でき、トラクション性能およびブレーキング性能に関する効果を好適に得ることができる。厚みを10mm以下とすることで、排水性能を高くすることができる。また、厚みTは、2mm以上5mm以下とすることがより好ましい。
図9Aから図9Dは、隔壁の平面形状の例を示す図である。図9Aに示す隔壁30Aは、溝壁211および212に近い部分よりも、溝壁211および212から離れた主溝21の溝幅の中央部分において厚みTが大きい。隔壁30Aの場合、厚みTは、隔壁30Aが溝壁211に接している接点P11とP21との距離、隔壁30Aが溝壁212に接している接点P12とP22との距離、である。隔壁30Aの厚みTは、2mm以上10mm以下とすることが好ましい。
図9Bに示す隔壁30Bは、溝壁211および212に近い部分よりも、溝壁211および212から離れた主溝21の溝幅の中央部分において厚みTが小さい。隔壁30Bの場合、厚みTは、隔壁30Bが溝壁211に接している接点P11とP21との距離、隔壁30Bが溝壁212に接している接点P12とP22との距離、である。隔壁30Bの厚みTは、2mm以上10mm以下とすることが好ましい。
図9Cに示す隔壁30Cは、溝壁211および212に近い部分の厚みTが大きく、溝壁211および212から離れた主溝21の溝幅の中央部分の厚みTが小さい。隔壁30Cの場合、厚みTは、隔壁30Cが溝壁211に接している接点P11とP21との距離、隔壁30Cが溝壁212に接している接点P12とP22との距離、である。隔壁30Cの厚みTは、2mm以上10mm以下とすることが好ましい。
図9Dに示す隔壁30Dは、溝壁211に近い部分の厚みT1が大きく、溝壁212に近い部分の厚みT2が小さい。隔壁30Dの場合、厚みT1は隔壁30Cが溝壁211に接している接点P11とP21との距離、厚みT2は隔壁30Dが溝壁212に接している接点P12とP22との距離、である。隔壁30Dの厚みT1は、2mm以上10mm以下とし、かつ、隔壁30Dの厚みT2は、2mm以上10mm以下とすることが好ましい。
図10Aから図10Cは、タイヤ周方向に沿った隔壁の断面の例を示す図である。図10Aにおいて、隔壁30Eの厚みTは、溝底210からの、立上がり点P1と立上がり点P2との間隔である。同様に、図10Bにおいて、隔壁30Fの厚みTは、溝底210からの、立上がり点P1と立上がり点P2との間隔である。また、図10Cにおいて、隔壁30Gの厚みTは、溝底210からの、立上がり点P1と立上がり点P2との間隔である。図10Aから図10Cにおいて、厚みTは、2mm以上10mm以下とすることが好ましい。
(隔壁の間隔)
図11は、隔壁30を設ける間隔を説明する図である。図11において、隔壁30同士の間隔は、平面視における隔壁30の中心点PC同士の間隔とする。
図11は、隔壁30を設ける間隔を説明する図である。図11において、隔壁30同士の間隔は、平面視における隔壁30の中心点PC同士の間隔とする。
図11に示すように、隔壁30同士の間隔すなわちタイヤ周方向の配置ピッチPは、10mm以上50mm以下の範囲内にあることが好ましい。ピッチPが10mm以上であればストレート溝の溝容積を充分に確保でき、湿潤路面での操縦安定性を高めることができる。ピッチPが50mm以下であればトラクションおよびブレーキングに作用するエッジ成分を充分に確保でき、トラクション性能およびブレーキング性能を充分得ることができる。
ところで、本実施形態のタイヤ1は、主として競技用タイヤである。競技用タイヤは、トレッド面に含まれる溝部分と陸部分とを加えた面積に対する、溝部分の面積の比が、21.5%以上30%以下であることが好ましい。また、タイヤ断面高さSHは、80mm以上100mm以下であることが好ましい。
(トレッドウェアインジケータの例)
図12A、図12Bおよび図12Cは、トレッドウェアインジケータの例を示す図である。図12Aは、空気入りタイヤ1のトレッド部6のトレッドウェアインジケータ29を含む部分を拡大した図である。図12Bは、矢印YA方向からトレッドウェアインジケータ29を見た図である。図12Cは、タイヤ周方向に沿ったトレッドウェアインジケータ29の断面の例を示す図である。
図12A、図12Bおよび図12Cは、トレッドウェアインジケータの例を示す図である。図12Aは、空気入りタイヤ1のトレッド部6のトレッドウェアインジケータ29を含む部分を拡大した図である。図12Bは、矢印YA方向からトレッドウェアインジケータ29を見た図である。図12Cは、タイヤ周方向に沿ったトレッドウェアインジケータ29の断面の例を示す図である。
図12Aに示すように、主溝21は、隔壁30の他に、トレッドウェアインジケータ29を有する。図12Bに示すように、トレッドウェアインジケータ29は、溝底側が主溝21の溝底210に繋がっている。トレッドウェアインジケータ29の溝底210から上面29aまでの高さH2は、例えば、1.6mmである。なお、図12Bにおいて、上面29aと溝壁211、212との接続部分の曲率半径R1は、例えば、1mmである。
図12Cにおいて、トレッドウェアインジケータ29のタイヤ周方向の厚みTは、例えば、16mmである。トレッドウェアインジケータ29の上面29aのタイヤ周方向の長さT3は、例えば、10mmである。なお、図12Cにおいて、トレッドウェアインジケータ29の上面29aから溝底210への立下がり部分の曲率半径R2は、例えば、2mmである。溝底210からトレッドウェアインジケータ29の上面29aへの立上がり部分の曲率半径R3は、例えば、8mmである。
以上のように、トレッドウェアインジケータ29は、隔壁30とは寸法が異なり、隔壁30とトレッドウェアインジケータ29とを区別することができる。
(実施例)
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、「トラクション性能およびブレーキング性能」、「湿潤路面での操縦安定性(WET操縦安定性)」に関する性能試験が行われた。この試験では、サイズが210/650R18のタイヤを、サイズが18×8Jのリムに組付け、空気圧を200kPaとし、2000ccクラスの過給器付きエンジンを搭載した、四輪駆動のセダン型の試験車両に取付け、テストコースにおいて、テストドライバーが走行した結果を指数化した。
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、「トラクション性能およびブレーキング性能」、「湿潤路面での操縦安定性(WET操縦安定性)」に関する性能試験が行われた。この試験では、サイズが210/650R18のタイヤを、サイズが18×8Jのリムに組付け、空気圧を200kPaとし、2000ccクラスの過給器付きエンジンを搭載した、四輪駆動のセダン型の試験車両に取付け、テストコースにおいて、テストドライバーが走行した結果を指数化した。
表1および表2において、「トラクション性能およびブレーキング性能」は、非舗装路走行時において、熟練のテストドライバー1名による官能評価によって行う。
また、表1および表2において、「WET操縦安定性能」は、上記試験車両にて水深3[mm]の湿潤試験コースを走行し、レーンチェンジ時およびコーナリング時における操舵性ならびに直進時における安定性について、熟練のテストドライバー1名による官能評価によって行う。
表1および表2において、従来例の指数を「100」とし、指数の値が大きいほど好ましい。
表1および表2から分かるように、隔壁の溝底からの高さの最小値がストレート溝の溝深さの50%以上であり、かつ、隔壁の溝底からの高さの最大値がストレート溝の溝深さの80%以下であり、さらに、隔壁のタイヤ周方向の厚みが2mm以上10mm以下で、隔壁のタイヤ周方向の配置ピッチが10mm以上50mm以下である場合に、トラクション性能およびブレーキング性能、ならびに、WET操縦安定性能について好ましい結果が得られた。
1 タイヤ
2 カーカス部
3 ベルト層
3A、3B ベルトプライ
4 ベルトカバー
5 ビード部
6 トレッド部
7 インナーライナー
8 サイドウォール部
11 センター部
12 ショルダー部
20 溝
21 主溝
22 ラグ溝
29 トレッドウェアインジケータ
29a 上面
30、30A〜30G 隔壁
31 凹部
50 ビード
210 溝底
211、212 溝壁
CL 赤道面
SH タイヤ断面高さ
2 カーカス部
3 ベルト層
3A、3B ベルトプライ
4 ベルトカバー
5 ビード部
6 トレッド部
7 インナーライナー
8 サイドウォール部
11 センター部
12 ショルダー部
20 溝
21 主溝
22 ラグ溝
29 トレッドウェアインジケータ
29a 上面
30、30A〜30G 隔壁
31 凹部
50 ビード
210 溝底
211、212 溝壁
CL 赤道面
SH タイヤ断面高さ
Claims (8)
- 周方向にのびるストレート溝を2本以上有する空気入りタイヤであって、
前記ストレート溝内に設けられた複数の隔壁を含み、
前記複数の隔壁は、前記ストレート溝の溝底と繋がっており、かつ、前記ストレート溝の溝壁と繋がっている
空気入りタイヤ。 - 前記隔壁の前記溝底からの高さは1.6mmを超えており、かつ、
前記隔壁は、
前記溝底からの高さの最小値が前記ストレート溝の溝深さの50%以上であり、前記溝底からの高さの最大値が前記ストレート溝の溝深さの80%以下である
請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記ストレート溝内に設けられ、タイヤの摩耗限度を示すトレッドウェアインジケータをさらに含む
請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記隔壁は、前記溝底からの高さが隔壁の他の部分よりも低い部分である凹部を有し、
前記凹部は、前記溝底からの高さの最小値が前記ストレート溝の溝深さの50%以上であり、
前記凹部は、前記溝底からの高さの最大値が前記ストレート溝の溝深さの80%以下である
請求項1から3のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。 - 前記隔壁のタイヤ周方向の厚みは、2mm以上10mm以下である請求項1から4のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記隔壁のタイヤ周方向の配置ピッチは、10mm以上50mm以下である請求項1から4のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- トレッド面に含まれる溝部分と陸部分とを加えた面積に対する、溝部分の面積の比が、21.5%以上30%以下である請求項1から6のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ断面高さが、80mm以上100mm以下である請求項1から7のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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