JP2016159521A - 電子装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる種類の樹脂材料が混合することを抑制できる電子装置の製造方法。
【解決手段】本製造方法は、第1樹脂部41と第2樹脂部42を含むモールド樹脂を形成する樹脂封止工程を備えている。樹脂封止工程では、コンプレッションモールド用金型のキャビティに、キャビティを複数の領域に分割する枠部材440を配置する。また、樹脂封止工程では、枠部材440が配置されて複数の領域に分割されたキャビティに対して、塗布機に保持された各樹脂材料41,42を塗布する。そして、樹脂封止工程では、各樹脂材料41,42を塗布した後に、枠部材440をキャビティから取り出してからコンプレッション成型する。
【選択図】図18

Description

本発明は、異なる種類の樹脂部を含むモールド樹脂を備えた電子装置の製造方法に関する。
従来、異なる種類の樹脂部を含むモールド樹脂を備えた電子装置の一例として、特許文献1に開示された電子装置がある。
電子装置は、基板と、基板の一面に設けられた第1部品及び第2部品と、第1部品及び第2部品と共に基板の一面を封止するモールド樹脂とを備えて構成されている。モールド樹脂は、線膨張係数が異なる第1樹脂部と第2樹脂部とを含むものである。第1樹脂部は、基板の一面におけるモールド樹脂の封止領域のうち第1部品の配置部位に部分的に設けられている。一方、第2樹脂部は、第1樹脂部、第2部品及び基板の一面を封止するように、基板の一面におけるモールド樹脂の封止領域の全体に設けられている。
この電子装置の製造方法では、各樹脂部を構成する粉末状の樹脂材料を用いる。そして、製造方法では、各樹脂材料を成型金型の下型に投入して所望の位置に配置する。その後、製造方法では、各樹脂材料に成型圧力を印加して、各樹脂材料を硬化させることで、モールド樹脂を成型する。
特開2014−116409号公報
しかしながら、上記製造方法では、各樹脂材料を下型に投入すると、第1樹脂部の樹脂材料と第2樹脂部の樹脂材料とが混合する可能性がある。よって、この製造方法では、モールド樹脂を第1樹脂部と第2樹脂部とに分けることができないことが起こりうる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、異なる種類の樹脂材料が混合することを抑制できる電子装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
異なる種類の樹脂部(41〜47)を含むモールド樹脂(40,40a,40b)を備えた電子装置の製造方法であって、
各樹脂部の夫々の構成材料である複数の樹脂材料が、コンプレッションモールド用金型のキャビティ(240)に塗布された状態でコンプレッション成型することでモールド樹脂を形成するモールド工程を備えており、
モールド工程は、
キャビティに配置する前の各樹脂材料を保持可能で且つ保持している各樹脂材料を供給可能な保持部材(430)に対して、電子装置における各樹脂部の位置関係と同様の位置関係で各樹脂材料を配置する配置工程と、
キャビティを複数の領域に分割する枠部材(440)をキャビティ内に配置する分割工程と、
枠部材が配置されて複数の領域に分割されたキャビティに対して、位置関係で保持部材に保持された各樹脂材料を塗布する塗布工程と、を含み、
塗布工程後に、枠部材をキャビティから取り出してからコンプレッション成型することを特徴とする。
このように、本発明は、電子装置における各樹脂部の位置関係と同様の位置関係で、各樹脂部の構成材料である各樹脂材料を保持部材に配置する。そして、本発明は、保持部材に保持されている各樹脂材料をキャビティに塗布する際に、枠部材が配置されて複数の領域に分割された状態のキャビティに対して塗布する。このため、本発明は、キャビティに塗布された各樹脂材料のうち、異なる領域に塗布された樹脂材料が混ざり合うことを防止できる。よって、本発明は、各樹脂材料がキャビティに塗布された際に混ざり合うことを抑制できる。つまり、本発明は、分割されていない状態のキャビティに対して、各樹脂材料を塗布する場合より、異なる種類の樹脂材料が混合することを抑制できる。
なお、特許請求の範囲、及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態における電子装置の概略構成を示す透視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 実施形態における成型前構造体の概略構成を示す平面図である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 実施形態における成型前構造体と金型との関係を示す断面図である。 実施形態における第1樹脂を計量する際の計量機を示すイメージ図である。 実施形態における第2樹脂を計量する際の計量機を示すイメージ図である。 実施形態における第1供給カセットの概略構成を示す斜視図である。 実施形態における第2供給カセットの概略構成を示す斜視図である。 実施形態における第1供給カセットの変形例を示す斜視図である。 実施形態における第2供給カセットの変形例を示す斜視図である。 実施形態における塗布機の概略構成を示す斜視図である。 図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。 実施形態における塗布機のシャッタ開時を示す断面図である。 実施形態における枠部材の概略構成を示す斜視図である。 実施形態における枠部材に塗布機をセットした状態を示す斜視図である。 実施形態におけるキャビティ内に枠部材と樹脂材料が配置された状態を示す斜視図である。 図17のXVIII−XVIII線に沿う断面図である。 実施形態におけるキャビティ内に樹脂材料が配置された状態を示す斜視図である。 実施形態における成型後構造体の概略構成を示す平面図である。 変形例1における電子装置の概略構成を示す断面図である。 変形例2における電子装置の概略構成を示す断面図である。
以下において、図面を参照しながら、発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
まず、図1,図2を用いて、本実施形態にかかる電子装置100の構成に関して説明する。電子装置100は、たとえば自動車などの車両に搭載され、車両用の各装置を制御するための制御装置として適用されるものである。本実施形態の電子装置100は、主に、回路基板10、第1部品20、第2部品30、モールド樹脂40を備えて構成されている。
回路基板10は、図2に示すように、絶縁基材11に配線12などが形成されている。絶縁基材11は、例えばエポキシ樹脂やセラミックスなどを主成分として構成されている。配線12は、例えば銅箔などの導体によって構成されている。また、回路基板10は、金属を主成分とするビアホールによって、異なる層の配線12が接続されている。本実施形態では、配線12が絶縁基材11を介して積層された多層基板である回路基板10を採用している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、単層の回路基板であっても採用できる。
第1部品20と第2部品30とは、回路基板10に接合材50を介して実装されている。つまり、第1部品20と第2部品30は、接合材50を介して、回路基板10の配線12の一部と電気的及び機械的に接続されている。また、第1部品20は、ワイヤを介して配線12の一部と電気的及び機械的に接続されている。なお、接合材50は、はんだや銀ペーストなどの導電性の接合部材である。また、ワイヤは、金やアルミニウムなどによって構成されている。
第1部品20は、例えば、シリコン半導体よりなるICチップやトランジスタ素子等である。一方、第2部品30は、例えば、コンデンサや抵抗等の受動素子である。なお、以下においては、回路基板10における第1部品20及び第2部品30が実装された面を実装面とも称する。
なお、電子装置100は、各構成要素10,20,30で線膨張係数が異なる。エポキシ樹脂を主成分とした回路基板10は、線膨張係数が約14〜17ppm/℃である。シリコン半導体よりなる第1部品20は、線膨張係数が約3〜4ppm/℃である。また、コンデンサや抵抗等の第2部品30は、線膨張係数が約14ppm/℃である。この線膨張係数は、一例に過ぎない。本発明は、上記線膨張係数に限定されない。
モールド樹脂40は、回路基板10の実装面の実質全体を封止している。つまり、回路基板10は、実装面がモールド樹脂40で覆われており、実装面の反対面側がモールド樹脂40で覆われておらず、モールド樹脂40から露出している。このように電子装置100は、いわゆるハーフモールド構造をなしている。
モールド樹脂40は、種類の異なる複数の樹脂部を含むものである。本実施形態では、一例として、線膨張係数の異なる第1樹脂部41と第2樹脂部42を含むモールド樹脂40を採用している。第1樹脂部41は、線膨張係数が第2部品30よりも第1部品20に近いものである。一方、第2樹脂部42は、線膨張係数が第1部品20よりも第2部品30に近いものである。
このような第1樹脂部41及び第2樹脂部42よりなるモールド樹脂40は、本実施形態では後述するコンプレッション成型により形成されている。そして、第1樹脂部41は、第1部品20を封止するように、回路基板10の実装面におけるモールド樹脂40の封止領域のうち第1部品20の配置部位に部分的に設けられている。つまり、第1樹脂部41は、実装面の一部であり、第1部品20を含む領域に設けられている。また、第1樹脂部41は、第1部品20に接触した状態で、第1部品20を覆っていると言える。
一方、第2樹脂部42は、第1樹脂部41、第2部品30及び回路基板10の実装面を封止するように、回路基板10の実装面におけるモールド樹脂40の封止領域の全体に設けられている。また、第2樹脂部42は、第1樹脂部41、第2部品30及び回路基板10の実装面に接触した状態で、これらを覆っていると言える。このように、電子装置100は、回路基板10の実装面において、第2樹脂部42の配置面積の方が、第1樹脂部41の配置面積よりも大きいものとされている。
ここでは、第1樹脂部41と第2樹脂部42とは、含有される無機フィラーの含有量が異なる同一の樹脂材料よりなるものとされている。本実施形態では、第1樹脂部41と第2樹脂部42とは、同一の樹脂材料としてのエポキシ樹脂よりなるものであり、無機フィラーとしてはアルミナやシリカ等が挙げられる。
なお、第1樹脂部41は、線膨張係数が例えば約8ppm/℃である。一方、第2樹脂部42は、線膨張係数が例えば約14ppm/℃である。この場合、第1樹脂部41のフィラー含有量は90重量%程度、第2樹脂部42のフィラー含有量は80重量%程度である。
このように、第1部品20は、自身に線膨張係数が近い第1樹脂部41で封止されているので、第1部品20と第1樹脂部41との剥離を抑制することができる。また、回路基板10と線膨張係数差が小さい第2部品30及び回路基板10については、第2部品30及び回路基板10に線膨張係数が近い第2樹脂部42で封止されているので、第2部品30及び回路基板10と第2樹脂部42との剥離を抑制することができる。よって、本実施形態によれば、線膨張係数の異なる各部品20、30及び回路基板10とモールド樹脂40との剥離を抑制できる。
また、電子装置100は、ハーフモールド構造であるため、モールド樹脂40と回路基板10との線膨張係数差による回路基板10の反りが生じやすい。しかし、電子装置100は、回路基板10の実装面側を封止しているモールド樹脂40の大部分が、回路基板10の線膨張係数に近い第2樹脂部42により構成されているので、回路基板10の反り応力を低減し、回路基板10の反りを抑制できる。
また、本実施形態では、モールド樹脂40における第1樹脂部41と第2樹脂部42とを、フィラー含有量が異なる同一の樹脂材料よりなるものとしている。このため、モールド樹脂40は、同一樹脂材料よりなるこれら両樹脂部41、42の界面の密着性が確保しやすく、界面における剥離を抑制できる。
また、電子装置100は、回路基板10の実装面において、第2樹脂部42の面積の方が、第1樹脂部41の面積よりも大きい。このため、電子装置100は、モールド樹脂40と回路基板10との線膨張係数差による回路基板10の反り応力を低減して回路基板10の反りを抑制できる。
また、図1、図2に示されるように、電子装置100は、モールド樹脂40の封止領域全体に第2樹脂部42が配置されており、モールド樹脂40の封止領域において回路基板10の実装面の中央部寄りに部分的に第1樹脂部41が配置されている。よって、電子装置100は、第1樹脂部41が回路基板10の端部寄りに位置する場合に比べて、回路基板10とモールド樹脂40との線膨張係数のバランスを取り、回路基板10の反りを抑制しやすい。
ここで、図3〜図20を参照して、本電子装置の製造方法について述べる。本製造方法は、典型的なコンプレッション成型法により、第1樹脂部41と第2樹脂部42とよりなるモールド樹脂40を成型するものである。なお、以下においては、第1樹脂部41の構成材料である粉末状の樹脂材料を第1樹脂材料41、第2樹脂部42の構成材料である粉末状の樹脂材料を第2樹脂材料42とも記載する。また、各樹脂材料41,42は、顆粒状の樹脂と言うこともできる。
本製造方法では、電子装置100における回路基板10が複数個一体に連結された多連状態の回路基板10を用いる。そして、本製造方法では、この多連状態の回路基板10に各部品20、30を実装し、モールド樹脂40の成型を行った後、モールド樹脂40と共に回路基板10をカットして各電子装置100に個片化する。つまり、本製造方法は、所謂MAP成型を採用する。しかしながら、本製造方法は、電子装置100における一つの回路基板10を用いた場合でも適用できる。なお、MAPは、Mold Array Packageの略称である。
まず、本製造方法では、基板用意工程を行う。基板用意工程では、図3、図4に示されるように、多連状態の回路基板10に第1部品20及び第2部品30が実装された構造体を用意する。多連状態の回路基板10は、最終的には、図中の一点鎖線で示すダイシングラインDLに沿って分割されるものである。構造体は、多連構造体と言うこともできる。
また、図3には、後工程で形成されるモールド樹脂40の外形を二点鎖線で示してある。しかしながら、回路基板10のうちモールド樹脂40の外側に位置する部位は、耳部である。この耳部は、モールド樹脂40の成型時に金型に支持される等の部位であり、最終的には切断されて除去される部位である。なお、この耳部は、最終的に残すようにしてもよい。
なお、構造体は、多連状態の回路基板10における電子装置100となる各領域に、第1部品20及び第2部品30を実装することで形成される。第1部品20及び第2部品30は、ダイボンディングやワイヤボンディングなどで回路基板10に実装される。
次に、この構造体に対してモールド樹脂40を形成する樹脂封止工程を行う。この樹脂封止工程は、特許請求の範囲におけるモールド工程に相当する。まずは、図5に示されるように、構造体を、コンプレッションモールド用金型に配置する。この金型は、典型的なものと同様、構造体を固定支持する上型210と、モールド樹脂40を加圧成型する可動型230と、構造体における回路基板10の耳部を狭持するクランプ型220と、を備えている。また、金型は、可動型230の上面と、クランプ型220の環状の壁面とによって、キャビティ240が形成される。キャビティ240は、各樹脂材料41,42が投入される空間である。
限定するものではないが、上型210は、真空吸着用の吸着穴211を有し、この吸着穴211からの吸着力により構造体を保持して固定する。なお、上型210に対する構造体の固定方法は、これに限定されない。本発明は、機械的な固定機構によって、構造体を上型210に固定してもよい。
また、可動型230は、上型210に対して上下方向に可動とされた可動型であり、アクチュエータ等により駆動される。また、クランプ型220も、可動型230と同様にアクチュエータ等により上型210に対して上下方向に可動とされたものである。
一方で、樹脂封止工程を行う際には、モールド樹脂40としての第1樹脂材料41、第2樹脂材料42を、計量して用意しておく。ここでは、これら各樹脂材料41、42は、図6、図7に示されるように、無機フィラー入りの粉末状のものとして用意され、これを計量機300で計量して必要分を準備しておく。このとき、計量する際には、各樹脂部41,42の厚み及び搭載部位体積に基づいて、第1樹脂材料41と第2樹脂材料の樹脂量を計量しておく。なお、樹脂封止工程は、各樹脂材料41、42を計量する工程を含むものであってもよいし、含まないものであってもよい。
そして、樹脂封止工程では、金型の各型210、220、230を、各樹脂材料41、42の硬化温度以上に加熱しておく。そして、樹脂封止工程では、この状態で、粉末状の各樹脂材料41,42をキャビティ240に投入する。このとき、本製造方法では、第1供給カセット410、第2供給カセット420、塗布機430、枠部材440を用いて、樹脂材料41,42をキャビティに投入する。ここで、各部材に関して説明する。
第1供給カセット410は、第1樹脂材料41を保持すると共に、自身で保持している第1樹脂材料41を供給するカセットである。第1供給カセット410は、図8に示すように、第1基部411と、第1保持部412と、第1シャッタ413とを含むものである。第1保持部412は、第1基部411に設けられた貫通穴である。また、第1供給カセット410は、モールド樹脂40が形成される形成領域における第1樹脂部41が形成される形成領域に対応したパターンで第1保持部412が形成されている。第1シャッタ413は、第1保持部412における底側の開口端を開け閉めする部材である。
第1供給カセット410は、第1シャッタ413が閉められている場合、第1保持部412に第1樹脂材料41を保持可能である。この第1保持部412には、計量機300で計量された第1樹脂材料41が投入される。また、第1供給カセット410は、第1保持部412に第1樹脂材料41を保持している場合、第1シャッタ413が開けられることで、第1樹脂材料41を供給可能である。
本製造方法では、図10に示すように、四か所に第1保持部412が形成された第1供給カセット410を採用する。つまり、この第1供給カセット410は、上記構造体に対して、第1樹脂部41を形成する際に用いられる。
また、本製造方法では、第1保持部412に第1樹脂材料41が保持されている状態で、第1供給カセット410に対して横振動を加えると好ましい。これによって、本製造方法は、第1保持部412に保持されている第1樹脂材料41の表面高さの平坦化、及び樹脂量の均一化が期待できる。なお、横振動とは、第1供給カセット410における第1保持部412の貫通方向に直交する方向への振動である。
第2供給カセット420は、第2樹脂材料42を保持すると共に、自身で保持している第2樹脂材料42を供給するカセットである。第2供給カセット420は、図9に示すように、第2基部421と、第2保持部422と、第2シャッタ423とを含むものである。このように、第2供給カセット420は、基本的な構成は第1供給カセット410と同様である。しかしながら、第2供給カセット420は、第1供給カセット410と異なり、第2樹脂材料42を供給するものである。よって、第2供給カセット420は、第1供給カセット410と逆パターンで第2保持部422が形成されている。
第2供給カセット420は、第2シャッタ423が閉められている場合、第2保持部422に第2樹脂材料42を保持可能である。この第2保持部422には、計量機300で計量された第2樹脂材料42が投入される。また、第2供給カセット420は、第2保持部422に第2樹脂材料42を保持している場合、第2シャッタ423が開けられることで、第2樹脂材料42を供給可能である。なお、本製造方法では、第1供給カセット410と同様に、第2保持部422に第2樹脂材料42が保持されている状態で、第2供給カセット420に対して横振動を加えると好ましい。
本製造方法では、図11に示すように、第1供給カセット410と逆パターンで形成されており、九か所に第2保持部422が形成された第2供給カセット420を採用する。つまり、この第2供給カセット420は、上記構造体に対して、第2樹脂部42を形成する際に用いられる。
なお、本実施形態では、2種類の樹脂部41,42を形成するため、第1供給カセット410と第2供給カセット420とが逆パターンに形成されている。しかしながら、本発明は、3種類以上の樹脂部を形成することも可能である。この場合、各供給カセットは、モールド樹脂40における各樹脂部の位置に応じたパターンで保持部を形成しておく。また、本発明は、各樹脂材料をキャビティ240の所定の位置に投入するために、必要な階層別に分けて各供給カセットから塗布機430へ樹脂材料を供給する。
塗布機430は、特許請求の範囲にける保持部材に相当し、第1樹脂材料41と第2樹脂材料42を保持すると共に、自身で保持している第1樹脂材料41と第2樹脂材料42をキャビティ240に供給する部材である。塗布機430は、図12に示すように、第3基部431、第3保持部432、第3シャッタ433、第1仕切部434、第2仕切部435を含むものである。後程詳しく説明するが、本製造方法は、枠部材440が配置された状態のキャビティ240に対して、塗布機430から第1樹脂材料41と第2樹脂材料42を供給する。
塗布機430は、複数の第3保持部432が形成されている。各第3保持部432は、第3基部431に設けられた貫通穴である。各第3保持部432は、第1仕切部434と第2仕切部435とで区画された貫通穴である。つまり、第3基部431は、自身に設けられた貫通穴が、格子状に配置された第1仕切部434と第2仕切部435とで仕切られて、複数の第3保持部432が形成されている。また、第3基部431は、図13に示すように、各樹脂材料41,42が供給される側の開口端である投入穴431aから、各樹脂材料41,42を排出する側の開口端である排出穴431bに達する貫通穴である複数の第3保持部432が形成されている。
また、各第3保持部432は、図13に示すように、投入穴431a側の開口面積よりも、排出穴431b側の開口面積の方が狭くなっている。本実施形態では、一例として、投入穴431a側から排出穴431b側に行くにつれて、第1仕切部434の厚みを厚くすることで、排出穴431b側の開口面積を狭くしている。
第3シャッタ433は、第3保持部432における排出穴431b側を開け閉めする部材である。第3シャッタ433は、板部433aと複数の貫通穴433bが形成された部材である。第3シャッタ433は、例えば、板状の部材に複数の貫通穴433bが形成されており、複数の貫通穴433bが形成されてない部位が板部433aである。第3シャッタ433は、閉められている状態で各排出穴431bに板部433aが対向し、開いている状態で各排出穴431bに各貫通穴433bが対向する。
よって、塗布機430は、図13に示すように、第3シャッタ433が閉められている場合、第3保持部432に第1樹脂材料41及び第2樹脂材料42を保持可能である。また、塗布機430は、図14に示すように、第3保持部432に第1樹脂材料41及び第2樹脂材料42を保持している場合、第3シャッタ433が開けられることで、第1樹脂材料41及び第2樹脂材料42を供給可能である。
塗布機430は、第3シャッタ433を開けたときに、各第3保持部432から各樹脂材料41,42が供給されるタイミングを揃えることができる。つまり、塗布機430は、各第3保持部432を同じタイミングで開くことができる。
塗布機430は、第1供給カセット410から供給された第1樹脂材料41及び第2供給カセット420から供給された第2樹脂材料42を複数の第3保持部432で保持可能である。本製造方法では、例えば、塗布機430の投入穴431a上に、第1樹脂材料41を保持した第1供給カセット410をセットし、第1シャッタ413を開ける。これによって、塗布機430は、モールド樹脂40の第1樹脂部41に対応する領域に第1樹脂材料41が投入される。その後、本製造方法では、塗布機430の投入穴431a上に、第2樹脂材料42を保持した第2供給カセット420をセットし、第2シャッタ423を開ける。これによって、塗布機430は、モールド樹脂40の第2樹脂部42に対応する領域に第2樹脂材料42が投入される(配置工程)。このように、塗布機430は、モールド樹脂40における第1樹脂部41と第2樹脂部42と同様のパターンで、第1樹脂材料41と第2樹脂材料42を保持している。つまり、本製造方法は、電子装置100における各樹脂部41,42の位置関係と同様の位置関係で、各樹脂材料41,42を塗布機430に配置する。
なお、塗布機430は、格子間隔を狭くすることで、各樹脂材料41,42の偏りを低減できる。言い換えると、塗布機430は、第1仕切部434と第2仕切部435による分割数を増やすことで、各樹脂材料41,42の偏りを低減できる。更に、このようにすることで、塗布機430は、樹脂材料を供給する際に、格子同士の断面接触が小さくなるので混合も低減される。また、最小格子面積は、顆粒状の樹脂の最大径より2倍以上とすること。
また、塗布機430は、第1仕切部434と第2仕切部435による分割数を増やすことで、モールド樹脂40における各樹脂部の配置パターンに対応しやすくなる。つまり、塗布機430は、樹脂材料を適材適所に配置しやすくなる。
枠部材440は、キャビティ240を仕切るための部材であり、キャビティ240に供給される第1樹脂材料41と第2樹脂材料42が混合するのを抑制するための部材である。また、枠部材440は、キャビティ240を複数の領域に分割するための部材とも言える。このため、枠部材440は、樹脂混合防止柵と言い換えることもできる。枠部材440は、金属を主成分として構成されている。
本製造方法は、キャビティ240内に枠部材440を配置した状態で、塗布機430から各樹脂材料41,42をキャビティ240に塗布するものである。枠部材440は、図15に示すように、第4基部441、貫通穴442、フランジ部443、第1仕切壁444、第2仕切壁445を含むものである。枠部材440は、第4基部441に格子状に配置された第1仕切壁444と第2仕切壁445とで仕切られた複数の貫通穴442が設けられている。なお、枠部材440の貫通穴442は、塗布機430の第3保持部432と同様のパターンで形成されている。
枠部材440は、キャビティ240に挿入される際に、クランプ型220に引っかかるフランジ部443が設けられている。これによって、枠部材440は、キャビティ240に落ち込むことを抑制できる。更に、枠部材440は、図18に示すように、自身と可動型230とが接触することを抑制できる。これによって、本発明は、枠部材440が可動型230に傷を与えることを抑制できる。なお、図示は省略するが、枠部材440は、上下運動機構などによって、キャビティ240に対して出し入れが可能となる。
本製造方法は、各樹脂材料41、42の硬化温度以上に加熱されたクランプ型220と可動型230で形成されたキャビティ240に枠部材440を挿入する(分割工程)。そして、本製造方法は、図16に示すように、キャビティ240に挿入された枠部材440上に、各樹脂材料41,42を保持した塗布機430をセットする。この状態で、本製造方法は、塗布機430の第3シャッタ433を開ける。よって、本製造方法は、図17,図18に示すように、枠部材440が配置されたキャビティ240に各樹脂材料41,42を投入する(塗布工程)。つまり、本製造方法は、枠部材440が配置されて複数の領域に分割されたキャビティ240に対して、塗布機430に上記のような位置関係で保持された各樹脂材料41,42を塗布する。言い換えると、本製造方法では、各樹脂材料41,42が溶融可能な温度にクランプ型220と可動型230を加熱した状態で、各樹脂材料を塗布する。
その後、本製造方法は、図19に示すように、枠部材440を上昇させて、キャビティ240から枠部材440を取り出す。これによって、本製造方法は、キャビティ240に両樹脂材料41,42を撒くことができる。
このように、本製造方法は、複数の貫通穴442が形成された枠部材440をキャビティ240に配置した状態で、両樹脂材料41,42を撒くので、両樹脂材料41,42が混合することを抑制できる。つまり、本製造方法は、分割されていない状態のキャビティ240に対して、各樹脂材料41,42を塗布する場合より、異なる種類の樹脂材料41,42が混合することを抑制できる。
また、これによって、本製造方法は、キャビティ240における任意に場所に第1樹脂材料41と第2樹脂材料42を撒くことができる。つまり、本製造方法は、枠部材440の貫通穴442の開口面積単位で意とした並びに異なる樹脂部を成型可能である。これによって、本製造方法は、第1樹脂部41と第2樹脂部42との混合が抑えられた電子装置100を製造できる。
また、本製造方法では、複数の貫通穴442が形成された枠部材440をキャビティ240に配置した状態で、枠部材440から各樹脂材料41,42を投入する。このため、本製造方法では、枠部材440に保持されている状態と同様の状態で、各樹脂材料41,42をキャビティ240に投入しやすくなる。
また、本製造方法では、枠部材440が挿入されたキャビティ240に対して、各樹脂材料41,42を一括で投入できる。よって、本製造方法では、第1供給カセット410及び第2供給カセット420から各樹脂材料41,42を投入する場合より、各樹脂材料41,42の溶融開始タイミングを合わせることができる。このため、本製造方法では、精度良く第1樹脂部41と第2樹脂部42とを形成できる。
樹脂封止工程では、図19のように、キャビティ240に樹脂材料41,42を投入した後、構造体を吸着している上型210に向かって可動型120及びクランプ型220を上方に移動させることで、上型210とクランプ型220で回路基板10を挟み込む。その後、樹脂封止工程では、可動型230を構造体に向かって上方に移動させることで、各樹脂材料41、42を成型圧力にて圧縮する。そして、樹脂封止工程では、各樹脂材料41、42に成型圧力を印加したまま、これら樹脂材料41、42を硬化させることで、本実施形態のモールド樹脂40を成型する。
その後、本製造方法では、離型工程を行う。離型工程では、可動型230及びクランプ型220を上型110から離すように下方に移動させて、構造体にモールド樹脂40が形成されたモールド構造体を金型から取り出す。このようにして、本製造方法では、図20に示すモールド構造体が製造される。モールド構造体は、複数の電子装置100が一体的に形成されたものである。このモールド構造体は、ダイシングラインDLに沿って切断されると、個別の電子装置100となる。
なお、本実施形態では、第1樹脂部41と第2樹脂部42とでの線膨張係数が異なる例を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本発明は、異なる種類の樹脂部を含むモールド樹脂を備えた電子装置であれば採用できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本発明の変形例1,2に関して説明する。上記の実施形態及び変形例1,2は、夫々単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
(変形例1)
本発明は、図21に示す電子装置100aであっても製造できる。電子装置100aは、モールド樹脂40aを備えて構成されている。また、モールド樹脂40aは、第1樹脂部43と第2樹脂部44とを含んで構成されている。第1樹脂部43は、第1樹脂部41と同様に、第1部品20と回路基板10の実装面とを封止している。一方、第2樹脂部44は、第2部品30と実装面に加えて、第1樹脂部43を封止している。第1樹脂部43の物性に関しては、第1樹脂部41と同様である。また、第2樹脂部44の物性に関しては、第2樹脂部42と同様である。
(変形例2)
本発明は、図22に示す電子装置100bであっても製造できる。電子装置100bは、モールド樹脂40bを備えて構成されている。また、モールド樹脂40bは、第1樹脂部45と第2樹脂部46と第3樹脂部47を含んで構成されている。第1樹脂部45と第2樹脂部46と第3樹脂部47は、互いに種類が異なるものであり、例えば線膨張係数が異なる。このように、本製造方法は、種類が異なる三つの樹脂部45〜47を含むモールド樹脂40bであっても製造できる。つまり、本製造方法は、種類が異なる三つの樹脂部45〜47が実装面に沿って配置され、且つ、積層されたモールド樹脂40bであっても製造できる。なお、本製造方法は、種類が異なる四つ以上の樹脂部を含むモールド樹脂であっても製造できる。
10 回路基板、11 絶縁基材、12 配線、20 第1部品、30 第2部品、40,40a,40b モールド樹脂、41,43,45 第1樹脂部、42,44,46 第2樹脂部、47 第3樹脂部、50 接合材、100,100a 電子装置、210 上型、211 吸着穴、220 クランプ型、230 可動型、240 キャビティ、300 計量機、410 第1供給カセット、411 第1基部、412 第1保持部、413 第1シャッタ、420 第2供給カセット、421 第2基部、422 第2保持部、423 第2シャッタ、430 塗布機、431 第3基部、431a 投入穴、431b 排出穴、432 第3保持部、433 第3シャッタ、433a 板部、433b 貫通穴、434 第1仕切部、435 第2仕切部、440 枠部材、441 第4基部、442 貫通穴、443 フランジ部、444 第1仕切壁、445 第2仕切壁、DL ダイシングライン

Claims (2)

  1. 異なる種類の樹脂部(41〜47)を含むモールド樹脂(40,40a,40b)を備えた電子装置の製造方法であって、
    各樹脂部の夫々の構成材料である複数の樹脂材料が、コンプレッションモールド用金型のキャビティ(240)に塗布された状態でコンプレッション成型することで前記モールド樹脂を形成するモールド工程を備えており、
    前記モールド工程は、
    前記キャビティに配置する前の各樹脂材料を保持可能で且つ保持している各樹脂材料を供給可能な保持部材(430)に対して、前記電子装置における各樹脂部の位置関係と同様の位置関係で各樹脂材料を配置する配置工程と、
    前記キャビティを複数の領域に分割する枠部材(440)を前記キャビティ内に配置する分割工程と、
    前記枠部材が配置されて複数の領域に分割された前記キャビティに対して、前記位置関係で前記保持部材に保持された各樹脂材料を塗布する塗布工程と、を含み、
    前記塗布工程後に、前記枠部材を前記キャビティから取り出してから前記コンプレッション成型することを特徴とする電子装置の製造方法。
  2. 前記塗布工程では、前記樹脂材料が溶融可能な温度に前記コンプレッションモールド用金型を加熱した状態で、各樹脂材料を塗布することを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
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