JP2016159481A - 射出成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料が劣化する前にオペレータに注意を喚起できて、樹脂材料の無駄が少なく稼働効率が高い射出成形機を提供する。【解決手段】タイマ11により、射出成形機の前回の射出動作の実行時点から次回の射出動作の実行時点までの待機時間を計時する。成形条件設定格納部108に、加熱シリンダ32内に滞留する樹脂材料の滞留時間を規制するための第1滞留時間209と、当該第1滞留時間よりも長時間の第2滞留時間210を設定する。コントローラ10は、待機時間が第1滞留時間に達したとき、オペレータに待機時間が第2滞留時間に近づいたことを報知する。また、待機時間が第2滞留定時間に達したときは、オペレータに加熱シリンダ内の樹脂材料をパージするよう報知すると共に、パージ動作が完了した後でなければ、オペレータにより運転指示がなされた場合にも、射出成形機の運転を禁止する。【選択図】図7

Description

本発明は、加熱シリンダ内にスクリュを回転可能かつ前後進可能に収納したインラインスクリュ方式の射出成形機に係り、特に、加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料の処理方法に関する。
運転中の射出成形機が一時的に停止された場合には、簡単なスイッチ操作で直ちに運転を再開できるようにするため、加熱シリンダを加熱するヒータ(以下、これを「加熱シリンダ用ヒータ」という。)への通電を継続して、加熱シリンダ内に滞留している樹脂材料を、射出成形に適した温度に保温するのが一般的である。しかしながら、加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料を射出成形に適した高温のまま保持すると、比較的短時間のうちに樹脂材料が劣化し、成形品の射出成形に使用できなくなる。このため、稼働効率の向上と加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料の保全とを両立させるため、運転中の射出成形機が一時的に停止された場合に、加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料が射出成形に適した温度よりも低温で保温されるように、加熱シリンダ用ヒータへの通電を制御する機能を備えた射出成形機が従来提案されている(例えば、特許文献1の要約書参照。)。この機能を備えると、加熱シリンダ内で樹脂材料を長時間安定に保持できるので、樹脂材料の無駄を削減できるだけでなく、加熱シリンダ内で劣化した樹脂材料をパージする頻度を減少できるので、射出成形機の稼働効率を高めることができる。
特開2013−091169号公報
ところで、保温時の樹脂温度は、樹脂材料の劣化しやすさと運転再開時の作業効率とを考慮して設定される。即ち、樹脂材料を劣化させることなく安定に保存するためには、樹脂材料をなるべく低温で保温することが望ましいが、保温時の樹脂温度が低温であるほど加熱シリンダ内の樹脂温度を射出成形に適した温度まで昇温するのに長時間を要するので、運転再開時の作業効率の観点からは保温時の樹脂温度をなるべく高温に設定することが望まれる。このような事情から、保温時においても加熱シリンダ内の樹脂材料はある程度の高温に保持されるので、長時間加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料についてはそのまま成形品の射出成形に使用することが好ましくなく、運転を再開する前に加熱シリンダからパージする方が望ましい。
従来の射出成形機の中には、このような要請に対応するため、加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料をパージすることなく、そのまま運転を再開可能な加熱シリンダ内での樹脂材料の滞留時間(以下、この時間を「許容滞留時間」という。)を設定しておき、前回の射出動作が実行されてから次回の射出動作が実行されるまでの待機時間が、予め設定された許容滞留時間を超えたときは、加熱シリンダ内に滞留している樹脂材料をパージした後でなければ、射出成形機の運転を再開できないようにしたものがある。
図8は、この種の射出成形機に備えられた表示装置に表示される加熱シリンダ用ヒータの駆動条件設定画面の説明図である。該設定画面300には、冷間起動中タイマの表示欄301が表示され、該表示欄301には次回の射出動作を実行するためにスクリュの回転を可能とするまでの時間が表示される。また該設定画面300には、オペレータにより設定された許容滞留時間をカウントダウン表示する樹脂滞留監視欄302が設けられており、オペレータはこれらの各表示欄301、302を監視することにより、冷間起動が解除までの時間、及び、待機時間が許容滞留時間に達するまでの余裕時間を知ることができる。待機時間が許容滞留時間に達すると、射出成形機に備えられたコントローラは、加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料のパージが実行されない限り、オペレータにより運転指示がなされた場合にも、運転が行われないよう射出成形機を制御する。従って、予め設定された許容滞留時間を超えた樹脂材料で成形品が成形されることがなく、不良品の発生を防止することができる。
しかしながら、射出成形機にこのような機能を付与しても、加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料が劣化する前にオペレータの注意を喚起することはできないので、待機時間が許容滞留時間に達する毎に加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料をパージしなくてはならず、樹脂材料の無駄の削減効果及び射出成形機の稼働効率の改善効果を十分に発揮することが困難である。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料が劣化する前にオペレータに注意を喚起できて、樹脂材料の無駄が少なく稼働効率が高い射出成形機を提供することにある。
本発明は、このような技術的課題を解決するため、加熱シリンダを備えた射出ユニットと、前記加熱シリンダを加熱するヒータと、オペレータにメッセージを発報する報知装置と、前記射出ユニット、前記ヒータ及び前記報知装置を含む成形機各部の駆動条件を格納する成形条件設定格納部と、前記成形条件設定格納部に格納された成形条件に基づいて前記成形機各部の駆動を制御するコントローラと、前記射出ユニットが射出動作を実行する毎に起動され、前回の射出動作の実行時点から次回の射出動作の実行時点までの待機時間を計時するタイマを備えた射出成形機において、前記成形条件設定格納部は、前記加熱シリンダ内に滞留する樹脂材料の滞留時間を規制するための第1滞留時間と、当該第1滞留時間よりも長時間の第2滞留時間を設定するように構成されており、前記コントローラは、前記待機時間が前記第1滞留時間に達したときには、前記報知装置を駆動して、オペレータに前記待機時間が前記第2滞留時間に近づいたことを報知し、前記待機時間が前記第2滞留時間に達したときには、前記報知装置を駆動して、オペレータに前記加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料をパージするよう報知すると共に、パージ動作が完了した後でなければ、射出成形機の運転を禁止することを特徴とする。
本構成によると、成形条件設定格納部に第1及び第2の滞留時間を格納しておき、タイマにより計時される待機時間が第2滞留時間に達したときに、オペレータに対して加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料のパージを促すと共に、パージ動作が完了した後でなければ射出成形機の運転を禁止するので、劣化した樹脂材料の使用を回避できて、不良品の発生を未然に防止できる。また、待機時間が第1滞留時間に達したときには、オペレータに対して待機時間が第2滞留時間に近づいたことを報知するので、オペレータに射出成形機の運転開始を促すことができて、オペレータの不注意による樹脂材料の劣化を防止できる。よって、無用なパージ動作の実行回数を減少できて、樹脂材料の無駄防止と射出成形機の稼働効率の向上を図ることができる。
また本発明は、前記構成の射出成形機において、前記第2滞留時間は、前記加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料が劣化し始める限界時間に設定し、前記第1滞留時間は、前記第1滞留時間よりも1分〜5分短い時間に設定することを特徴とする。
本構成によると、第2滞留時間を加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料が劣化し始める限界時間に設定するので、待機時間を最大限長くできて、射出成形機の使い勝手を良好なものにできる。また、経験上、1分〜5分あれば、一時停止中の射出成形機を起動可能であるので、第1滞留時間を第2滞留時間よりも1分〜5分短い時間に設定することにより無用なパージ動作を回避できて、樹脂材料の無駄防止と射出成形機の稼働効率の向上を図ることができる。
また本発明は、前記構成の射出成形機において、前記コントローラは、前記待機時間が前記第2滞留時間に達したとき、前記加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料がパージされる前に、前記加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料の温度を射出成形に適した温度よりも低温になるように前記加熱シリンダ用ヒータへの通電を制御するか、前記加熱シリンダ用ヒータへの通電を遮断することを特徴とする。
本構成によると、待機時間が第2滞留時間に達待するまでは、加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料を射出成形に適した高温に保温するので、射出成形機を一時停止状態から直ちに自動運転状態に移行することができ、射出成形機の稼働効率を高めることができる。
本発明によれば、オペレータの不注意による樹脂材料の劣化を防止できて、無用なパージ動作の実行回数を減少でき、樹脂材料の無駄防止と射出成形機の稼働効率の向上とを図ることができる。
実施形態に係る射出成形機の正面図である。 実施形態に係る加熱シリンダ及びその周辺部分の正面図である。 実施形態に係るシステムコントローラのブロック構成図である。 実施形態に係る加熱シリンダ用ヒータの温度設定画面を示す図である。 実施形態に係る温度設定画面に表示される第1のポップアップ画面を示す図である。 実施形態に係る温度設定画面に表示される第2のポップアップ画面を示す図である。 実施形態に係る射出成形機の動作を示すフローチャートである。 従来例に係る加熱シリンダ用ヒータの温度設定画面を示す図である。
以下、本発明に係る射出成形機の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、本発明の要旨は以下に記載の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨に反しない範囲で適宜設計変更を加えることができる。
実施形態に係る射出成形機は、図1に示すように、機台1と、該機台1上に設置された型締ユニット2及び射出ユニット3と、機台1の前面側(オペレータが射出成形機の操作及び監視を主に行う側)に配置された入力/表示ユニット4と、射出成形機の起動及び停止を切り換えるスイッチ装置5と、機台1の近傍のオペレータから見やすい位置に備えられた表示灯6及びブザー7を備えている。
機台1は、所要の形鋼及び板材の組み合わせをもって箱状に形成されており、その内部空間内には、図示しない制御機器、電源機器、配線類、配管類等が収納される。型締ユニット2は、図示しない固定金型と可動金型を備えており、固定金型に対して可動金型を前後進することにより、型閉、型締及び型開の各工程を実施する。
射出ユニット3は、図2に詳細に示すように、先端に射出ノズル31が取り付けられた加熱シリンダ32と、原料樹脂を貯えるホッパ33と、これら加熱シリンダ32とホッパ33とを連結して、ホッパ33内に貯えられた原料樹脂を加熱シリンダ32内に導入するホッパブロック34を備えている。また、射出ノズル31及び加熱シリンダ32には、合計6個のヒータ35a、35b、35c、35d、35e、35fが備えられる。本明細書においては、これらのヒータを総称して「加熱シリンダ用ヒータ」という。なお、加熱シリンダ32内には、図示しないスクリュが回転可能かつ前後進可能に収納されており、スクリュを回転駆動することにより原料樹脂の可塑化及び計量が行われると共に、原料樹脂の可塑化及び計量後にスクリュを前進駆動することにより、加熱シリンダ32内に貯えられた一定量の可塑化樹脂が射出される。射出された可塑化樹脂は、型閉された固定金型と可動金型の間に形成されるキャビティ内に充填され、所定形状の成形品が成形される。
入力/表示ユニット4は、図1に示すように、オペレータにより操作される入力部4aと、所要のデータを所要の形式で表示する表示部4bとからなる。スイッチ装置5としては、オンオフスイッチが用いられる。表示灯6及びブザー7は、一般的な射出成形機に備えられるものと同等のものであって、機台1の一隅に立てられたポール8の上方に取り付けられる。表示灯6としては、メッセージの発報をオペレータが明確に認識できるようにするため、赤色回転灯が好適に用いられる。
次に、型締ユニット2、射出ユニット3及び図示しない周辺機器を含む射出成形機全体の駆動制御を司るシステムコントローラの構成について説明する。図3に示すように、本例のシステムコントローラ10は、適宜の画像処理を行い、表示部4bへの出力画像を生成する表示処理部101、表示灯6を点消灯制御する表示灯制御部102、ブザー7を鳴動制御するアラーム音出力制御部103、射出成形機の各部に備えられたセンサ類の検出信号及びスイッチ装置5の操作信号に基づいて、射出成形機及び製品取出機などの周辺機の運転状態を監視する状態判定部104、所要のアラームメッセージに関するデータを格納したメッセージ格納部105、成形運転中におけるセンサ類の検出信号が所定のショット数に亘って取り込まれる測定値格納部106、測定値格納部106に格納された多数ショットのデータを統計演算処理し、その処理結果を保持するモニタ演算処理部107、成形品の射出成形に即した射出成形機の運転条件、即ち、成形条件を書き換え可能に記憶した成形条件設定格納部108、定期点検来歴やアラーム来歴などの各種来歴データを格納する各種来歴格納部109、表示部4bに表示する画像中に必要なテキスト、図形、罫線等のデータを格納した表示用固定データ格納部110を有している。また、本例のシステムコントローラ10は、射出ユニット3が射出動作を実行する毎に起動され、前回の射出動作時点から次回の射出動作時点までの待機時間を計時するタイマ11を内蔵している。
成形条件設定格納部103には、成形条件を設定するための複数の設定画面が設定項目毎に格納されている。オペレータは、所要の設定画面を成形条件設定格納部103から読み出して表示部4bに表示し、表示部4bに表示された設定画面に従って入力部4aを操作することにより、所要の設定項目についての成形条件の設定を行う。図4に、加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fの駆動条件を設定するための温度設定画面200を示す。この図から明らかなように、本例の温度設定画面200には、加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fの設定位置を示す図201と、各加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fについてのON/OFF制御の選択欄202と、実測値表示欄203と、目標温度設定欄204と、上限値設定欄205と、下限値設定欄206が表示されている。
また、この温度設定画面200には、加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fへの通電制御を、加熱シリンダ32内に滞留した樹脂材料が射出成形に適した温度となるように制御する高温制御から、加熱シリンダ32内に滞留した樹脂材料を射出成形に適した温度以下にする保温制御に自動的に切り換えるか否かを選択するヒータ保温選択ボタン207が表示されている。ヒータ保温選択ボタン207をON操作すると、予め設定された所要のタイミングで、加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fへの通電制御が自動的に低温の保温制御に切り換えられる。これに対して、ヒータ保温選択ボタン207がOFF操作されている場合には、加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fへの通電制御が高温制御のまま維持される。
さらに、この温度設定画面200には、冷間起動中タイマの表示欄208が表示されており、該表示欄208には、タイマ11により計時されるスクリュ回転を可能とするまでの時間がカウントダウン表示される。また、この温度設定画面200には、加熱シリンダ32内に滞留する樹脂材料についての第1及び第2の滞留時間を設定する樹脂滞留監視1設定欄209及び樹脂滞留監視2設定欄210と、前回の射出動作が実行されてから第1及び第2の滞留時間に達するまでの時間をカウントダウン表示する樹脂滞留監視1欄211及び樹脂滞留監視2欄212が表示されている。成形条件設定格納部108への第1滞留時間及び第2滞留時間の格納は、オペレータが入力部4aを操作して、樹脂滞留監視1設定欄209及び樹脂滞留監視2設定欄210に所要の時間を入力することにより行うことができる。
第2滞留時間は、加熱シリンダ32内に滞留した樹脂材料が劣化し始める限界時間に設定する。これにより、待機時間を最大限長くできるので、実用上十分な作業時間を確保することができて、射出成形機の使い勝手を良好なものにできる。一方、第1滞留時間は、第2滞留時間よりも1分〜5分短い時間に設定する。経験上、1分〜5分あれば、待機中の射出成形機の運転を再開可能であるので、無用なパージ動作を回避することができる。
加えて、樹脂滞留監視1欄211の表示が「0」に達したとき、温度設定画面200には、図5に示すように、「樹脂が滞留しています。」の文言からなる第1警報画面213がポップアップ表示される。これにより、待機時間が第2滞留時間に近づいていることをオペレータに報知でき、オペレータに対して射出成形機の運転開始を促すことができるので、オペレータの不注意によって待機時間が第2滞留時間に達してしまうといった事態の発生を防止でき、無用なパージ動作の実行回数を減少できる。
また、樹脂滞留監視2欄212の表示が「0」に達したとき、温度設定画面200には、図6に示すように、「樹脂が滞留しています。パージ動作を行ってください。」の文言からなる第2警報画面214がポップアップ表示される。これにより、待機時間が第2滞留時間に達したことをオペレータに報知でき、オペレータに対して射出シリンダ32内に滞留した樹脂材料のパージを促すことができるので、劣化した樹脂材料の使用を回避できて、不良品の発生を防止できる。
なお、第1警報画面213の表示時及び第2警報画面214の表示時には、表示灯6及びブザー7を駆動して光と音でオペレータに警報を発報することもできる。このようにすると、射出成形機から離れた場所にいるオペレータに対しても注意を喚起できるので、無用なパージ動作の回避効果及び射出成形機の稼働率の向上効果を高めることができる。表示灯6及びブザー7の駆動は、必ずしも同時に行う必要はなく、いずれか一方のみを駆動することも可能である。待機時間が第1滞留時間に達したときの表示灯6及びブザー7を用いた警報表示と、待機時間が第1滞留時間に達したときの表示灯6及びブザー7を用いた警報表示とは、オペレータが警報の内容を明確に理解できるようにするため、光や音を変えることが望ましい。
以下、上述のように構成された実施形態に係る射出成形機の動作を、図7のフローチャートを用いて説明する。以下に記載する射出成形機の動作は、システムコントローラ10により制御される。
射出ユニット3が射出動作を実行すると、システムコントローラ10の状態判定部104は、ステップS1で、加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fについてON制御が選択されているか否かを判定する。ステップS1で「加熱シリンダ用ヒータのON/OFF制御はON制御が選択されている」(Yes)と判定した場合は、ステップS2に移行し、冷間起動が解除されているか否かを判定する。ステップS2で「冷間起動が解除されている」(Yes)と判定した場合は、ステップS3に移行し、タイマ11により計時される待機時間が、加熱シリンダ32内に滞留した樹脂材料が変質し始める限界時間よりも1分〜5分短い時間に設定された第1滞留時間に達したか否かを判定する。手順S3で「待機時間が第1滞留時間に達した」(Yes)と判定した場合は、手順S4に移行して、表示部4bに表示された温度設定画面200に「樹脂が滞留しています」の文字列からなる第1警報画面213をポップアップ表示する(図5参照。)。またこれと同時に、表示灯6及びブザー7の一方又は双方を駆動して、光や音でオペレータに警報を発報することもできる。
オペレータは、表示部4bに表示された第1警報画面213や表示灯6及びブザー7の警報を確認した場合において、射出成形機が運転可能な状態にあるときには、スイッチ装置5を操作して、射出成形機の運転を再開する。この場合には、加熱シリンダ32内に滞留した樹脂材料が劣化する前に射出成形機の運転を再開できるので、不良品の発生及び樹脂材料の無駄を防止することができる。
次いで、手順S5に移行し、タイマ11により計時される待機時間が、加熱シリンダ32内に滞留した樹脂材料が劣化し始める限界時間である第2滞留時間に達したか否かを判定する。手順S5で「待機時間が第2滞留時間に達した」(yes)と判定した場合は、手順S6に移行して、表示部4bに表示された温度設定画面200に「樹脂が滞留しています。パージ動作を行ってください。」の文字列からなる第2警報画面214をポップアップ表示する(図6参照。)。この場合においても、表示部4bへの第2警報画面212の表示と同時に、表示灯6及びブザー7の一方又は双方を駆動して、光や音でオペレータに警報を発報することができる。
次いで、手順S7に移行し、システムコントローラ10の測定値格納部106に格納された各センサの測定値に基づいて、加熱シリンダ32内に滞留した樹脂材料がパージされたか否かを判定する。手順S7で「加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料はパージされた」(yes)と判定した場合は、ステップS8に移行して、運転の再開を可能とする。
ステップS7で「加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料がパージされていない」(No)と判定した場合は、ステップS9に移行し、加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fへの通電制御を射出成形に適した高温制御から低温の保温制御に切り換える。次いで、ステップS10に移行し、オペレータによりスイッチ装置5が操作された場合にも、射出成形機が運転されないように射出成形機を制御する。これにより、加熱シリンダ32内で劣化した樹脂材料の使用が防止されるので、不良品の発生を防止することができる。
なお、前記実施形態においては、ステップS9で加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fへの通電制御を自動運転用の高温制御から低温の保温制御に切り換えたが、かかる構成に代えて、加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fへの通電を遮断する構成とすることもできる。
また、前記実施形態においては、待機時間が第2滞留時間に達するまでは加熱シリンダ32内の樹脂温度を射出成形に適した温度に保持し、待機時間が第2滞留時間に達した後に射出成形に適した温度以下になるように加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fの駆動を制御したが、かかる構成に代えて、射出成形機が一時停止状態になったときに、加熱シリンダ32内の樹脂温度を射出成形に適した温度以下になるように加熱シリンダ用ヒータ35a〜35fの駆動を制御することもできる。このようにすると、加熱シリンダ32内での樹脂材料の保存時間をさらに延長することができる。
さらに、前記実施形態においては、前回の射出動作の実行時点から次回の射出動作の実行時間までの時間を待機時間としているが、最初の立ち上げ時においては、冷間起動完了から最初の射出動作の実行までを待機時間として監視することもできる。
1…機台、2…型締ユニット2、3…射出ユニット、4…入力/表示ユニット、4a…入力部、4b…表示部、5…スイッチ装置、6…表示灯、7…ブザー、8…ポール、10…コントローラ、11…タイマ、31…射出ノズル、32…加熱シリンダ、33…ホッパ、34…ホッパブロック、35a〜35g…加熱シリンダ用ヒータ、101…表示処理部、102…表示灯制御部、103…アラーム音出力制御部、104…状態判定部、105…メッセージ格納部、106…測定値格納部、107…モニタ演算処理部、108…成形条件設定格納部、109…各種来歴格納部、110…表示用固定データ格納部、200…温度設定画面、201…加熱シリンダ用ヒータの設定位置を示す図、202…ON/OFF制御の選択欄、203…実測値表示欄、204…目標温度設定欄、205…上限値設定欄、206…下限値設定欄、207…ヒータ保温選択ボタン、208…冷間起動中タイマ表示欄、209…第1滞留時間の表示欄、210…第2滞留時間の表示欄、211…第1警報画面、212…第2警報画面

Claims (3)

  1. 加熱シリンダを備えた射出ユニットと、前記加熱シリンダを加熱するヒータと、オペレータにメッセージを発報する報知装置と、前記射出ユニット、前記ヒータ及び前記報知装置を含む成形機各部の駆動条件を格納する成形条件設定格納部と、前記成形条件設定格納部に格納された成形条件に基づいて前記成形機各部の駆動を制御するコントローラと、前記射出ユニットが射出動作を実行する毎に起動され、前回の射出動作の実行時点から次回の射出動作の実行時点までの待機時間を計時するタイマを備えた射出成形機において、
    前記成形条件設定格納部は、前記加熱シリンダ内に滞留する樹脂材料の滞留時間を規制するための第1滞留時間と、当該第1滞留時間よりも長時間の第2滞留時間を設定するように構成されており、前記コントローラは、前記待機時間が前記第1滞留時間に達したときには、前記報知装置を駆動して、オペレータに前記待機時間が前記第2滞留時間に近づいたことを報知し、前記待機時間が前記第2滞留時間に達したときには、前記報知装置を駆動して、オペレータに前記加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料をパージするよう報知すると共に、パージ動作が完了した後でなければ、射出成形機の運転を禁止することを特徴とする射出成形機。
  2. 前記第2滞留時間は、前記加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料が変質し始める限界時間に設定し、前記第1滞留時間は、前記第2滞留時間よりも1分〜5分短い時間に設定することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
  3. 前記コントローラは、前記待機時間が前記第2滞留時間に達したとき、前記加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料がパージされる前に、前記加熱シリンダ内に滞留した樹脂材料の温度を射出成形に適した温度よりも低温になるように前記加熱シリンダ用ヒータへの通電を制御するか、前記加熱シリンダ用ヒータへの通電を遮断することを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の射出成形機。
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