JP2016158928A - 水変色性シート及びそれを用いた水変色性描画玩具セット - Google Patents
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Abstract
【課題】 水等の液体による多孔質層への像形成が可能なシートに対して、安価に音出し機能を付与できるとともに、乳幼児であっても容易に描画と音出しができる水変色性シートとそれを用いた水変色性描画玩具セットを提供する。【解決手段】 低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層3を支持体2上に設けてなるシート1であって、前記支持体2の下面に音発生部材4を設けてなる水変色性シート1。前記水変色性シート1と、水付着具9とからなる水変色性描画玩具セット。【選択図】 図1
Description
本発明は水変色性シートとそれを用いた水変色性描画玩具セットに関する。更には、乾燥した状態と、水を付着させた吸液状態で異なる様相を示す水変色性シートとそれを用いた水変色性描画玩具セットに関する。
従来、水を用いた描画を繰り返し行うことができる知育玩具として、低屈折率顔料を含む多孔質層を布帛上に設けた水変色性布帛シートが用いられている。前記水変色性布帛シートは、多孔質層に水等の液体を吸液させることにより透明化し、下層の色相を視認させることで像を形成できるものであるが、知育玩具としてより興趣に富んだものとするために、音声発生装置を併用した水変色体セットが開示される(例えば、特許文献1、2参照)。
前記水変色体セットでは、水付着具である描画用のペンやスタンプに電気的音声発生装置を組み込むことで、筆記時や捺印時に状況に応じて動物の鳴き声や乗り物を連想させる音を発生する興趣に富んだものである。しかしながら、構造上高価なものとなるとともに、音声発生装置や電池を内蔵するため、水付着具のサイズが大きくなり、重量が重くなってしまい、幼児には使用し難いものであった。
本発明は、水等の液体による多孔質層への像形成が可能な描画シートに対して、安価に音出し機能を付与できるとともに、幼児であっても容易に描画と音出しができる水変色性シートとそれを用いた水変色性描画玩具セットを提供するものである。
本発明は、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を支持体上に設けてなる水変色性シートであって、前記支持体の下面に音発生部材を設けてなる水変色性シートを要件とする。
更に、前記音発生部材が、少なくとも多孔質層を設けた位置に配設されること、前記音発生部材が樹脂フィルムであること、前記音発生部材の下面に弾性部材が配設されることを要件とする。
更には、前記いずれかの水変色性シートと、水付着具とからなる水変色性描画玩具セットを要件とし、前記水付着具がスタンプであることを要件とする。
更に、前記音発生部材が、少なくとも多孔質層を設けた位置に配設されること、前記音発生部材が樹脂フィルムであること、前記音発生部材の下面に弾性部材が配設されることを要件とする。
更には、前記いずれかの水変色性シートと、水付着具とからなる水変色性描画玩具セットを要件とし、前記水付着具がスタンプであることを要件とする。
本発明により、水等の液体による多孔質層への像形成が可能な描画シートに対して、幼児が喜ぶ音出し機能を安価に付与できるとともに、特に小さな幼児であっても大きさや重量面からの使用を妨げることなく容易に描画と音出しができる水変色性シートとそれを用いた水変色性描画玩具セットとなる。
更に、シートを直接押圧した時以外にも、スタンプ時等の描画圧力によって容易にカサカサ音を発することができるため、乳幼児の気を惹くことが可能となり、より興趣に富んだものとなる。
更に、シートを直接押圧した時以外にも、スタンプ時等の描画圧力によって容易にカサカサ音を発することができるため、乳幼児の気を惹くことが可能となり、より興趣に富んだものとなる。
前記水変色性シートは、支持体となるシート材表面の少なくとも一部に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を設けたものであり、更に、前記シート材の下面(裏面)に音発生部材を設けたものである。
前記水変色性シートの支持体となるシート材は、多孔質層が形成可能な材質であればどのようなものでもよく、例えば、織物、編物、組物、不織布等の布帛、紙、合成紙、合成皮革、レザー、プラスチックフィルム等が挙げられる。特に、幼児が使用することから布帛が好ましく、その目付量としては30〜1000g/m2のものが好適に用いられる。
目付け量が30g/m2未満では、布帛上に形成される多孔質層が粗になるため、明瞭な像を形成し難くなる。一方、目付け量が1000g/m2を超えると、布帛が必要以上に肉厚となり、加工性に乏しくなる。また、布帛が大面積の場合、折り畳み保存性や軽量性を損ない易くなる。
目付け量が30g/m2未満では、布帛上に形成される多孔質層が粗になるため、明瞭な像を形成し難くなる。一方、目付け量が1000g/m2を超えると、布帛が必要以上に肉厚となり、加工性に乏しくなる。また、布帛が大面積の場合、折り畳み保存性や軽量性を損ない易くなる。
前記支持体上に形成される多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料は、屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、液体を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
また、前記低屈折率顔料は二種以上を併用することもできる。
尚、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸(以下、乾式法珪酸と称する)であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が好適である。
この点を以下に説明する。
珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるものと、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別される。
乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した構造であるのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した構造部分を有している。
従って、湿式法珪酸は乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いた系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
また、多孔質層は水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
尚、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の低屈折率顔料を併用することもできる。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料は、屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、液体を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
また、前記低屈折率顔料は二種以上を併用することもできる。
尚、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸(以下、乾式法珪酸と称する)であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が好適である。
この点を以下に説明する。
珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるものと、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別される。
乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した構造であるのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した構造部分を有している。
従って、湿式法珪酸は乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いた系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
また、多孔質層は水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
尚、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の低屈折率顔料を併用することもできる。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いて耐擦過強度を高めることが好ましい。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、布帛の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、更に皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
前記多孔質層の塗布量は5〜50g/m2、好ましくは、10〜30g/m2である。
5g/m2未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、50g/m2を越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いて耐擦過強度を高めることが好ましい。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、布帛の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、更に皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
前記多孔質層の塗布量は5〜50g/m2、好ましくは、10〜30g/m2である。
5g/m2未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、50g/m2を越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
尚、前記多孔質層中には、一般染料や蛍光染料、着色顔料を添加して色変化を多様化することができる。
前記着色顔料は、一般顔料や蛍光顔料の他、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を例示できる。
また、温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色材料を混在させて、環境温度や付着させる水温により色変化させることができる。
前記着色顔料は、一般顔料や蛍光顔料の他、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を例示できる。
また、温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色材料を混在させて、環境温度や付着させる水温により色変化させることができる。
前記多孔質層と支持体の間(即ち多孔質層の下層)には、着色層を設けて多孔質層が吸液状態で着色層の色相を視認可能に構成することもできる。
更に、前記多孔質層の上層や多孔質層の周囲の支持体上に絵柄等の着色像(図柄層)を配設して様相変化を更に多様化させたり、シートの装飾性を向上することもできる。この場合、多孔質層は支持体の中央部分に設けられ、且つ、多孔質層の周囲の支持体上に着色像を配設することが好ましい。前記着色像(図柄層)の像としては、絵柄の他、文字、記号、模様等が挙げられる。
更に、前記多孔質層の上層や多孔質層の周囲の支持体上に絵柄等の着色像(図柄層)を配設して様相変化を更に多様化させたり、シートの装飾性を向上することもできる。この場合、多孔質層は支持体の中央部分に設けられ、且つ、多孔質層の周囲の支持体上に着色像を配設することが好ましい。前記着色像(図柄層)の像としては、絵柄の他、文字、記号、模様等が挙げられる。
前記支持体上に形成される多孔質層、着色層、図柄層は、いずれも公知の手段、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等により適宜形成できる。
前記多孔質層が表面に形成された支持体(シート材)の下面(裏側)に配設される音発生部材としては、多孔質層への描画を阻害しないような平面板状のものが適用され、最上面(多孔質層部分)を押圧した際に音が出る構造を有するものが適宜用いられる。前記音発生部材は、少なくとも多孔質層を設けた位置に配設されることで、描画による押圧時に音が出る構造となるため、幼児に対して興趣の高いものとなる。尚、多孔質層を設けていない部分にも配設することができる。その場合には、支持体に手を載せることで音が出るため、より興趣に富んだものとなる。
前記音発生部材としては、特に樹脂フィルムが好適である。前記樹脂フィルムは、薄膜であるために描画を阻害することがなく、柔軟性、成形性が高いことからシートの折り畳みや所望形状での構成が容易にできる。また、電源を使用することがないために軽量で安価であり、更に、水を浸透しないため、描画時に塗布された液体が裏面(載置面)に浸透することを抑制できる。そのため、前記樹脂フィルムを支持体(シート材)の裏側全面に配設することにより、シート上に誤って水をこぼしたり、多孔質層に過飽和の水を吸収させた場合であっても、シート背面からの水漏れによる汚染を抑制できるため、特に好適である。
前記樹脂フィルムとしては、手で揉むとパリパリと音を発するものであればいずれも使用でき、例えば、レタス等の食品包装にも使用されるポリエステル(PET等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィン、セロハン、ポリ塩化ビニル等が用いられ、単層又は多層のフィルム状に成形して使用される。
前記音発生部材としては、特に樹脂フィルムが好適である。前記樹脂フィルムは、薄膜であるために描画を阻害することがなく、柔軟性、成形性が高いことからシートの折り畳みや所望形状での構成が容易にできる。また、電源を使用することがないために軽量で安価であり、更に、水を浸透しないため、描画時に塗布された液体が裏面(載置面)に浸透することを抑制できる。そのため、前記樹脂フィルムを支持体(シート材)の裏側全面に配設することにより、シート上に誤って水をこぼしたり、多孔質層に過飽和の水を吸収させた場合であっても、シート背面からの水漏れによる汚染を抑制できるため、特に好適である。
前記樹脂フィルムとしては、手で揉むとパリパリと音を発するものであればいずれも使用でき、例えば、レタス等の食品包装にも使用されるポリエステル(PET等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィン、セロハン、ポリ塩化ビニル等が用いられ、単層又は多層のフィルム状に成形して使用される。
前記音発生部材の下面には、弾性部材を配設することもできる。
前記弾性部材としては、布帛、紙、スポンジ等、押圧弾発性を有する材料が適度な厚みを持たせるべく薄板形状として適宜用いられる。弾性部材により、多孔質層への描画を妨げることなく、スタンプやペンでの描画時に多孔質層が押圧された際には沈み込み、非接触状態ではもとに戻る構造とすることで、描画や押圧時における音発生部材の音出しを簡易な構造で繰り返し行うことができるものとなる。
尚、前記弾性部材としては、発音効果が高く、安価で軽量である点から、スポンジ等の発泡樹脂シート(例えばウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等)が好適である。
前記弾性部材としては、布帛、紙、スポンジ等、押圧弾発性を有する材料が適度な厚みを持たせるべく薄板形状として適宜用いられる。弾性部材により、多孔質層への描画を妨げることなく、スタンプやペンでの描画時に多孔質層が押圧された際には沈み込み、非接触状態ではもとに戻る構造とすることで、描画や押圧時における音発生部材の音出しを簡易な構造で繰り返し行うことができるものとなる。
尚、前記弾性部材としては、発音効果が高く、安価で軽量である点から、スポンジ等の発泡樹脂シート(例えばウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等)が好適である。
本発明の水変色性シートは、多孔質層が表面に形成された支持体と音発生部材、更には弾性部材や裏面シート材を必要に応じて順に積層させ、貼着や縫合することによって形成される。
その際、一枚での描画シート形態や複数枚での冊子形態等、使用形態に応じて、大きさや形状は適宜設計される。
その際、一枚での描画シート形態や複数枚での冊子形態等、使用形態に応じて、大きさや形状は適宜設計される。
前記水変色性シートに像を形成する水付着具は、連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体をペン先部材として適用した筆記具又は塗布具、スタンプ具を挙げることができる。特に、描画時に押圧力が必要であるスタンプ具を用いた際には、幼児であっても大きなカサカサ音を発生することができるため、前記水変色性シートには好適である。
前記連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体は、水を適宜量、吸収し、吐出させるものであればよく、汎用のポリオレフィン系、ポリウレタン系、その他各種プラスチックの連続気孔体や繊維を集束させた毛筆状のもの、繊維の樹脂加工又は熱溶着加工によるもの、フェルト、不織布形態のものを挙げることができ、形状、寸法は目的に応じて任意に設定できる。
更に、前記した各種材料をペン先や印面部材として適用し、水収容容器の先端に取り付けた筆記具又はスタンプ具形態のものも有効である。
前記水変色性シートと、水付着具を組み合わせることにより、携帯性に優れ、任意の像形成と音出しとが簡便に可能な水変色性描画玩具セットが得られる。
前記連続気孔を有するプラスチック多孔体又は繊維加工体は、水を適宜量、吸収し、吐出させるものであればよく、汎用のポリオレフィン系、ポリウレタン系、その他各種プラスチックの連続気孔体や繊維を集束させた毛筆状のもの、繊維の樹脂加工又は熱溶着加工によるもの、フェルト、不織布形態のものを挙げることができ、形状、寸法は目的に応じて任意に設定できる。
更に、前記した各種材料をペン先や印面部材として適用し、水収容容器の先端に取り付けた筆記具又はスタンプ具形態のものも有効である。
前記水変色性シートと、水付着具を組み合わせることにより、携帯性に優れ、任意の像形成と音出しとが簡便に可能な水変色性描画玩具セットが得られる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部を示す。
実施例1
水変色性シートの作製(図1、2参照)
白色長方形(35cm×50cm)の綿サテン生地(目付け量130g/m2)を支持体2として、青色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン〔商品名:モビニール763、ヘキスト合成(株)製、固形分48%〕50部、水性インキ増粘剤3部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.3部、エポキシ系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる青色非変色性インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて支持体上にベタ印刷し、100℃で3分間乾燥硬化させて着色層5を支持体2の略中心部分に形成した後、前記着色層上に、湿式法微粉末シリカ〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを80メッシュのスクリーン版を用いて全面にベタ印刷し、130℃で5分間乾燥固化させることで、白色の多孔質層3を形成した。更に、前記多孔質層3の周囲の支持体2上に黒色、青色、赤色、ピンク色、黄色、緑色、紫色からなる非変色性インキを用いて背景や種々の像からなる図柄層21を形成し、支持シートを得た。
水変色性シートの作製(図1、2参照)
白色長方形(35cm×50cm)の綿サテン生地(目付け量130g/m2)を支持体2として、青色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン〔商品名:モビニール763、ヘキスト合成(株)製、固形分48%〕50部、水性インキ増粘剤3部、レベリング剤0.5部、消泡剤0.3部、エポキシ系架橋剤5部を均一に混合攪拌してなる青色非変色性インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて支持体上にベタ印刷し、100℃で3分間乾燥硬化させて着色層5を支持体2の略中心部分に形成した後、前記着色層上に、湿式法微粉末シリカ〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを80メッシュのスクリーン版を用いて全面にベタ印刷し、130℃で5分間乾燥固化させることで、白色の多孔質層3を形成した。更に、前記多孔質層3の周囲の支持体2上に黒色、青色、赤色、ピンク色、黄色、緑色、紫色からなる非変色性インキを用いて背景や種々の像からなる図柄層21を形成し、支持シートを得た。
前記支持シートの裏側全面に、音発生部材4となるポリエチレンテレフタラート製の透明樹脂フィルムを配設し、更にその裏側全面に、弾性部材6となる厚さ3mmの発泡ウレタンシートを配設し、更に裏面シート8となる白色不織布を配設した。その後、支持シートと最下面の裏面シート8の外周縁部を緑色不織布(縫製部7)で挟持して縫製することで水変色性シート1を得た。
尚、前記水変色性シート1は多孔質層3が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層3が透明化して着色層5の青色が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に青色は視認されなくなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。前記様相変化は繰り返し行うことができた。
尚、前記水変色性シート1は多孔質層3が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層3が透明化して着色層5の青色が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に青色は視認されなくなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。前記様相変化は繰り返し行うことができた。
水変色性描画玩具セットの作製
前記水変色性シート1と、先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペン91と、アクリルニトリルーブタジエン共重合体からなる連続気孔を有するプラスチック多孔体で印面を形成した三個のスタンプ92(それぞれ異なる印像を備える)とからなる二種類の水付着具9と、前記印面に給水するためのスタンプ台93(水が含浸可能な不織布が合成樹脂製トレイの表面窪み部に接着されたもの)を組み合わせて水変色性描画玩具セットを得た。
前記水変色性シート1と、先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペン91と、アクリルニトリルーブタジエン共重合体からなる連続気孔を有するプラスチック多孔体で印面を形成した三個のスタンプ92(それぞれ異なる印像を備える)とからなる二種類の水付着具9と、前記印面に給水するためのスタンプ台93(水が含浸可能な不織布が合成樹脂製トレイの表面窪み部に接着されたもの)を組み合わせて水変色性描画玩具セットを得た。
前記水変色性描画玩具セットでは、水付着具9を用いて水変色性シート1の多孔質層3に描画(筆記、捺印)すると明瞭な青色の像10が形成された。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に青色は淡くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。前記様相変化は繰り返し行うことができた。
また、前記描画時にペン91を接触させた時やスタンプ92を押圧した際には、パリパリと音を発するため、より幼児が惹き付けられる描画玩具となった。特に、スタンプ92での捺印時には、押圧する度に音が出るため、興趣に富んだ遊びとなった。前記パリパリ音はいずれの箇所であっても発生するものであり、多孔質層以外に触れた時や、折り曲げた時等にも発するため、発音玩具としても機能する。特に、本実施例の構成においては押圧動作に伴って弾性部材6が伸縮することで大きな音を繰り返し発生する構成となっている。
更に、樹脂フィルム4が支持体2の裏側全面に設けられているため、多孔質層3に過剰の水が塗布された際や、シート上に誤って水をこぼした場合であっても、水がシート1の裏側に漏れ出すことがなかった。
また、前記描画時にペン91を接触させた時やスタンプ92を押圧した際には、パリパリと音を発するため、より幼児が惹き付けられる描画玩具となった。特に、スタンプ92での捺印時には、押圧する度に音が出るため、興趣に富んだ遊びとなった。前記パリパリ音はいずれの箇所であっても発生するものであり、多孔質層以外に触れた時や、折り曲げた時等にも発するため、発音玩具としても機能する。特に、本実施例の構成においては押圧動作に伴って弾性部材6が伸縮することで大きな音を繰り返し発生する構成となっている。
更に、樹脂フィルム4が支持体2の裏側全面に設けられているため、多孔質層3に過剰の水が塗布された際や、シート上に誤って水をこぼした場合であっても、水がシート1の裏側に漏れ出すことがなかった。
実施例2
水変色性シートの作製(図3参照)
直径50cmの円形にカットされた黄色ポリエステルサテン生地(目付け量90g/m2)を支持体2としてその上面の略中心に、実施例1で使用した青色非変色性インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて支持体上にベタ印刷し、100℃で3分間乾燥硬化させて円形の着色層5を支持体2の略中心部分に形成した後、前記着色層上に、湿式法微粉末シリカ〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、80メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて円形の多孔質層5を形成した。
更に、前記支持体2の裏側全面に、音発生部材4となるポリ塩化ビニル製の透明樹脂フィルムを接着することで水変色性シート1を得た。尚、前記多孔質層3の周囲の支持体2上には黒色、青色、赤色、ピンク色、緑色、紫色からなる非変色性インキを用いて背景や種々の像からなる図柄層21が形成されている。
尚、前記水変色性シート1は多孔質層3が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層3が透明化して着色層5の青色が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に青色は視認されなくなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。前記様相変化は繰り返し行うことができた。
水変色性シートの作製(図3参照)
直径50cmの円形にカットされた黄色ポリエステルサテン生地(目付け量90g/m2)を支持体2としてその上面の略中心に、実施例1で使用した青色非変色性インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて支持体上にベタ印刷し、100℃で3分間乾燥硬化させて円形の着色層5を支持体2の略中心部分に形成した後、前記着色層上に、湿式法微粉末シリカ〔商品名:ニップシールE−200、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランHW−930、大日本インキ化学工業(株)製、固形分50%〕30部、水50部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、ブロックイソシアネート系架橋剤3部を均一に混合、攪拌してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、80メッシュのスクリーン版にてベタ印刷し、130℃で5分間乾燥硬化させて円形の多孔質層5を形成した。
更に、前記支持体2の裏側全面に、音発生部材4となるポリ塩化ビニル製の透明樹脂フィルムを接着することで水変色性シート1を得た。尚、前記多孔質層3の周囲の支持体2上には黒色、青色、赤色、ピンク色、緑色、紫色からなる非変色性インキを用いて背景や種々の像からなる図柄層21が形成されている。
尚、前記水変色性シート1は多孔質層3が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層3が透明化して着色層5の青色が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に青色は視認されなくなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。前記様相変化は繰り返し行うことができた。
水変色性描画玩具セットの作製
前記水変色性シート1と、先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペン91と、アクリルニトリルーブタジエン共重合体からなる連続気孔を有するプラスチック多孔体で印面を形成した三個のスタンプ92(それぞれ異なる印像を備える)とからなる二種類の水付着具9と、前記印面に給水するためのスタンプ台93(水が含浸可能な不織布が合成樹脂製トレイの表面窪み部に接着されたもの)を組み合わせて水変色性描画玩具セットを得た。
前記水変色性シート1と、先端部に砲弾型の繊維ペン体(ナイロン樹脂製)を有し、軸筒内に水を収容可能に構成したペン91と、アクリルニトリルーブタジエン共重合体からなる連続気孔を有するプラスチック多孔体で印面を形成した三個のスタンプ92(それぞれ異なる印像を備える)とからなる二種類の水付着具9と、前記印面に給水するためのスタンプ台93(水が含浸可能な不織布が合成樹脂製トレイの表面窪み部に接着されたもの)を組み合わせて水変色性描画玩具セットを得た。
前記水変色性描画玩具セットでは、水付着具9を用いて水変色性シート1の多孔質層3に描画すると明瞭な青色の像10が形成された。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に青色は淡くなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。前記様相変化は繰り返し行うことができた。
また、前記描画時にペン91を接触させた時やスタンプ92を押圧した際には、パリパリと音を発するため、より幼児が惹き付けられる描画玩具となった。前記パリパリ音はいずれの箇所であっても発生するものであり、多孔質層以外に触れた時や、折り曲げた時等にも発するため、発音玩具としても機能する。
更に、樹脂フィルム4が支持体2の裏側全面に設けられているため、多孔質層3に過剰の水が塗布された際や、シート上に誤って水をこぼした場合であっても、水がシート1の裏側に漏れ出すことがなかった。
また、前記描画時にペン91を接触させた時やスタンプ92を押圧した際には、パリパリと音を発するため、より幼児が惹き付けられる描画玩具となった。前記パリパリ音はいずれの箇所であっても発生するものであり、多孔質層以外に触れた時や、折り曲げた時等にも発するため、発音玩具としても機能する。
更に、樹脂フィルム4が支持体2の裏側全面に設けられているため、多孔質層3に過剰の水が塗布された際や、シート上に誤って水をこぼした場合であっても、水がシート1の裏側に漏れ出すことがなかった。
実施例3
水変色性シートの作製(図4参照)
二枚の白色正方形(20cm×20cm)の綿サテン生地(目付け量130g/m2)を支持体2として、実施例1で用いた青色非変色性インキと、青色顔料をピンク色顔料に変えて作製したピンク色非変色性インキとを用いて、180メッシュのスクリーン版にてそれぞれの支持体上にベタ印刷し、100℃で3分間乾燥硬化させて着色層5を支持体2の略中心部分に形成した後、前記各着色層上に、実施例1で用いた白色スクリーン印刷用インキを80メッシュのスクリーン版を用いて全面にベタ印刷し、130℃で5分間乾燥固化させることで、白色の多孔質層3を形成した。更に、前記多孔質層3の周囲の支持体2上に黒色、青色、赤色、ピンク色、黄色、緑色、紫色からなる非変色性インキを用いて背景や種々の像からなる図柄層21を形成し、異なる像を有する二枚の支持シートを得た。
水変色性シートの作製(図4参照)
二枚の白色正方形(20cm×20cm)の綿サテン生地(目付け量130g/m2)を支持体2として、実施例1で用いた青色非変色性インキと、青色顔料をピンク色顔料に変えて作製したピンク色非変色性インキとを用いて、180メッシュのスクリーン版にてそれぞれの支持体上にベタ印刷し、100℃で3分間乾燥硬化させて着色層5を支持体2の略中心部分に形成した後、前記各着色層上に、実施例1で用いた白色スクリーン印刷用インキを80メッシュのスクリーン版を用いて全面にベタ印刷し、130℃で5分間乾燥固化させることで、白色の多孔質層3を形成した。更に、前記多孔質層3の周囲の支持体2上に黒色、青色、赤色、ピンク色、黄色、緑色、紫色からなる非変色性インキを用いて背景や種々の像からなる図柄層21を形成し、異なる像を有する二枚の支持シートを得た。
各支持シートの多孔質層側が外面となるように、弾性部材6となる厚さ1.5mmの発泡ウレタンシートの表裏両面を音発生部材4となるポリエチレンテレフタラート製の透明樹脂フィルムで被覆した積層体を挟入し、その外縁部を青色不織布(縫製部7)で挟持して縫製することで水変色性シート1を得た。
尚、前記水変色性シート1では、表裏の各多孔質層3が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層3が透明化して着色層5の青色又はピンク色が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に色が視認されなくなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。前記様相変化は繰り返し行うことができた。
尚、前記水変色性シート1では、表裏の各多孔質層3が乾燥状態では白色を呈しているが、水の適用により多孔質層3が透明化して着色層5の青色又はピンク色が視認される。水が付着した状態では前記様相を呈していたが、乾燥するにつれて徐々に色が視認されなくなり、完全に乾燥した状態では再び元の白色に戻った。前記様相変化は繰り返し行うことができた。
更に、前記水変色性シート1のうち、印刷部分である着色層5と図柄層21を変えて同様の構成で縫製することで、両面に異なる像を有する二種類の水変色性シート1を得た。
得られた三種類の水変色性シート1を重ねて、それらの縦方向一片を樹脂部材により連結することで冊子形態の水変色性描画玩具を得た。
得られた三種類の水変色性シート1を重ねて、それらの縦方向一片を樹脂部材により連結することで冊子形態の水変色性描画玩具を得た。
また、前記水変色性描画玩具とともに、先端部に砲弾型のフェルトペン体を有するペン91と、アクリルニトリルーブタジエン共重合体からなる連続気孔を有するプラスチック多孔体で印面を形成したスタンプ92との二種類の水付着具9と、前記ペン体及び印面に給水するためのスタンプ台93(水が含浸可能な不織布が合成樹脂製トレイの表面窪み部に接着されたもの)を組み合わせて水変色性描画玩具セットとした。
前記水変色性描画玩具セットを構成する水変色性描画玩具は、冊子形態であるためにページ毎に異なった絵本遊びと音出し遊びができるものとなった。更には、水付着具9による多孔質層3への描画と、その際にカサカサ音を発生させるという複合的な遊びによる特に興趣に富んだものとなり、幼児が飽きることなく長期間使用できるものとなった。
1 水変色性シート
2 支持体
21 図柄層
3 多孔質層
4 音発生部材(樹脂フィルム)
5 着色層
6 弾性部材
7 外縁部
8 裏面シート
9 水付着具
91 ペン
92 スタンプ
93 スタンプ台
10 像
2 支持体
21 図柄層
3 多孔質層
4 音発生部材(樹脂フィルム)
5 着色層
6 弾性部材
7 外縁部
8 裏面シート
9 水付着具
91 ペン
92 スタンプ
93 スタンプ台
10 像
Claims (6)
- 低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を支持体上に設けてなる水変色性シートであって、前記支持体の下面に音発生部材を設けてなる水変色性シート。
- 前記音発生部材が、少なくとも多孔質層を設けた位置に配設される請求項1記載の水変色性シート。
- 前記音発生部材が樹脂フィルムである請求項1又は2に記載の水変色性シート。
- 前記音発生部材の下面に弾性部材が配設される請求項1乃至3のいずれかに記載の水変色性シート。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の水変色性シートと、水付着具とからなる水変色性描画玩具セット。
- 前記水付着具がスタンプである請求項5記載の水変色性描画玩具セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015041329A JP2016158928A (ja) | 2015-03-03 | 2015-03-03 | 水変色性シート及びそれを用いた水変色性描画玩具セット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015041329A JP2016158928A (ja) | 2015-03-03 | 2015-03-03 | 水変色性シート及びそれを用いた水変色性描画玩具セット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016158928A true JP2016158928A (ja) | 2016-09-05 |
Family
ID=56843605
Family Applications (1)
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JP2015041329A Pending JP2016158928A (ja) | 2015-03-03 | 2015-03-03 | 水変色性シート及びそれを用いた水変色性描画玩具セット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016158928A (ja) |
-
2015
- 2015-03-03 JP JP2015041329A patent/JP2016158928A/ja active Pending
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