JP2016157759A - 発光素子 - Google Patents

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啓令 新開
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【課題】転位密度が低く結晶性に優れたIII族窒化物半導体層を有する発光素子を提供する。【解決手段】凸構造を有する結晶基板上に、半導体層を有する発光素子であって、該半導体層におけるカソードルミネッセンススペクトルのピークトップの位置が446nm以上452nm以下にあり、かつ該ピークの半値幅が15nm以上25nm未満である発光素子。【選択図】図4

Description

本発明は、発光素子に関し、特に、結晶基板の上面に凸構造を有する発光素子に関する。
発光ダイオード(LED)は高輝度、省電力、長寿命といった特性から実用化が進み、ディスプレイや照明、表示機器等に用いられている。これらのLEDの多くは、GaNに代表されるIII族窒化物半導体を、サファイア等の基板上にエピタキシャル成長させて得ることができる。しかしながら、半導体層と異なる組成の基板上にエピタキシャル成長させた場合、両者の格子定数や熱膨張係数に差があるため、成長する結晶には欠陥が生成する。欠陥は結晶の原子配列に必要な原子が不足したり、不要な原子が侵入したり、ずれが生じたりしたものであるが、中でも原子配列のずれが線状になっている欠陥のことを転位といい、半導体層を貫通する転位はLEDの発光特性を低下させることが知られている。そこで、LEDの発光特性を向上させるために、転位密度の低減が求められてきた。
転位密度を低減させる方法としては横方向選択的成長(Epitaxial Lateral Overgrowth:ELO)が用いられている。ELOは、例えば特許文献1に開示されているように、エピタキシャル成長させる基板表面を部分的に被覆し、開口部からのみエピタキシャル成長させる手法である。開口部から成長した結晶は、マスク上面を超える高さになると、マスク上面を覆うように横方向に成長する。その結果、基板界面で生成した転位が横方向に伸びることで基板垂直方向への転移が抑制されて貫通転位を低減することができる。
また、特許文献2で開示されているようにELOの技術を利用して、結晶基板そのものに凹凸構造を形成したPSS(Patterned Sapphire Substrate)にエピタキシャル成長させることもできる。さらに、PSSは、基板の凹凸構造によって半導体層で発光した光の反射方向を変えることができるので、光の外部取り出し効率向上にも効果があるといわれている。
特許3139445号公報 特許5246213号公報
しかしながら、PSS上にGaNを含むIII族窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる場合、表面が平坦で結晶性に優れたIII族窒化物半導体層を成長させることが難しいという課題があった。
例えば、PSSの凸部の頂部の位置から成長した半導体層と、凸部の基部の位置から成長した半導体層が合体した部分に転位などの結晶欠陥が発生しやすく、結晶性に優れた半導体層を成長させることが困難であった。その結果、サファイア基板の表面に凹凸を形成した場合、基板の凹凸構造によって半導体層で発光した光の反射方向を変えることができることから、発光素子の光取り出し効率は向上するものの、内部量子効率が低下する場合があった。
本発明の目的は、これらの問題点に鑑み、転位密度が低く結晶性に優れたIII族窒化物半導体層を有する発光素子を提供することである。
上述した課題を達成する本発明の発光素子は、凸構造を有する結晶基板上に、半導体層を有する発光素子であって、半導体層におけるカソードルミネッセンススペクトルのピークトップの位置が446nm以上452nm以下にあり、かつピークの半値幅が15nm以上25nm未満であることを特徴とするものである。
本発明によれば、光取り出し効率に優れ、転位密度の低い結晶性に優れたIII族窒化物半導体層を有する発光素子を得ることができる。
凸構造を有する基板の表面形状を示す概略図である 凸構造を有する基板の断面形状を示す概略図である 凸構造を形成する工程を示す断面概略図である。 本発明によって得られるIII族窒化物半導体層を適用した発光素子の一例を示す断面概略図である。
以下、図面等を参照しながら、本発明の発光素子について、さらに詳しく説明する。
本発明における発光素子は、転位密度が低く、結晶性に優れた半導体層を有する発光素子に関するものである。
[結晶基板]
本発明に用いられる結晶基板は、発光素子作製に一般的に用いられるものでよく、例えば、サファイア、シリコン、炭化ケイ素、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、SiGe、Ge、GaAs、GaAlAs、GaP、InAs、InP、AlN等が挙げられるが、コストや入手性の点から、サファイア、シリコン、炭化ケイ素が、格子定数の点からはヒ化ガリウム、窒化ガリウムが好ましい。
結晶基板の物理的な表面状態は、積層される結晶層の粗さや、結晶欠陥量に影響を及ぼすため、表面は平坦であることが好ましい。具体的には、算術平均表面粗さRaは0.5nm以下が好ましく、0.2nm以下がより好ましい。Raが0.5nmより大きいと、その粗さによって成長した結晶面が揃わず、結晶欠陥の原因となったり、結晶最表面が荒れて光が散乱する原因になったりして、発光素子の性能が低下する場合がある。
結晶基板の厚みは50μm以上1,000μm以下が好ましく、100μm以上800μm以下がより好ましい。厚みが50μmより薄いと、製造工程で割れたり反ったりする場合がある。厚みが1,000μmを超えると、厚みムラが出たり、熱伝導度によって加熱ムラがでやすかったりする場合がある上に、コスト高の一因ともなる場合がある。
[凸構造]
本発明における凸構造を有する結晶基板は、凸構造に非晶質金属酸化物を含み、結晶基板が無機結晶基板であることが好ましい。本発明における凸構造は、規則的配置であっても、ランダム配置であってもよいが、発光素子の光取り出し効率向上のためには規則的な配置であることが好ましく、図1(a)示されるような正三角形状の配置であることがより好ましい。
凸構造のサイズは、150nm以上1.5μm以下であることが好ましく、150nm以上800nm以下であることがより好ましい。凸構造のサイズが150nm未満である場合は、エピタキシャル成長において、結晶基板から成長する転位欠点を抑制する十分な面積を得られず、選択横方向成長の効果を得ることが困難になる場合がある。一方1.5μmより大きい場合は、光の波長に対して凸構造サイズが大きすぎてPSSのような効果を得ることが困難になったりする場合がある。図1に結晶基板に対して垂直方向から凸構造を投影した形状を示すが、以下凸構造の表面形状という。なお、凸構造は結晶基板表面上に閉じた線分で表されるものとし、凸構造のサイズとは、図1中4に示すように凸構造の表面形状を内部に含む最小の円5の直径とする。
凸構造間の距離は、50nm以上1μm以下であることが好ましく、100nm以上800nm以下であることがより好ましい。凸構造の距離が50nmより小さいと、露出する結晶基板の面積が小さくなり、十分にエピタキシャル成長を開始させることが難しかったり、製造に長時間を要したりする場合がある。一方、凸構造の距離が1μmよりも大きい場合は、転移の消失比率が低くなる場合がある。なお、凸構造の距離は図1中3に示すように、隣り合う凸構造の表面形状について、凸構造の表面形状が接する円の中心を結ぶ線分と、凸構造の表面形状を示す閉じた線分との交点の間の距離のうち最短のものとする。
凸構造の高さは、150nm以上2μm以下であることが好ましく、150nm以上1μm以下であることがより好ましい。凸構造の高さが150nmよりも小さい場合は、パターンの高さが光波長に対して小さく、PSSとしての効果が得にくくなる場合があり、2μmよりも大きい場合は、エピタキシャル結晶層を厚くする必要があるため、応力によって結晶にクラックが生じたり、製造に長時間を要して高コスト化したりすることになる場合がある。なお、凸構造の高さは図2に示すように、結晶基板の凸構造を有する表面から凸構造の最大の距離とする。
上述の凸構造のサイズ、凸構造間の距離、凸構造の高さはSEMまたはTEMで観察し、測定する。サイズを例にすると、SEMまたはTEMの観察視野内でサイズが大きい方から3点、小さい方から3点の合計6点を測定し同操作を3視野で繰り返す。3視野で測定した合計18点の平均を測定対象の凸構造のサイズとする。1視野で6点測定することができない場合は合計点数が18点になるまで測定視野を増やすものとする。なお、測定装置および測定倍率は、測定距離が500nmよりも大きい場合はSEMで20,000倍、200nm以上500nm以下の場合はSEMで50,000倍、200nm未満の場合はTEMで200,000倍とする。
結晶基板表面の凸構造は、非晶質金属酸化物を含むことが好ましい。一般的にはPSSはサファイア基板表面をエッチング等加工して凸構造を形成することが好ましい。PSSのパターン形状やサイズは発光波長等に合わせて設計されるが、凸構造は全体がサファイアであるため、結晶方向や面積といった結晶状態さえ条件に合えば、凸構造以外の部分からエピタキシャル成長する可能性がある。凸構造以外の部分からエピタキシャル成長した場合、表面が平坦な半導体層を得ることが難しく、転位欠陥が発生しやすくなることがあり、半導体層の結晶性に影響を及ぼす。その結果、サファイア基板の表面に、エッチングによって凸構造を形成した場合、内部量子効率が低下する場合があった。そこで、凸構造を、結晶用原料と反応しない材料で形成したところ、結晶基板材料が露出した部分からのみ結晶成長するため均質な発光層を得ることが可能となった。
本発明における結晶基板は、有機金属気相成長(MOCVD:Metarl−Organic Chemical Vapor Deposition)法や分子線エピタキシー(MBE:Molcular Beam Epitaxy)法等のエピタキシャル成長工程において1,000℃を超える高温にさらされる。凸構造は不純物となりうる有機物を含まない材料であることが好ましく、高度な耐熱性を有することが好ましい。これらの条件を満たすものとして、非晶質金属酸化物のメタロキサン結合を形成する元素は、Si、Ti、Zn、Zr、Al、B、V、Sn、In、Ir、Ga、Ge、La、W、Sb、Hf、Mg、Mn、Co、Ni、Nb、Nd、Te、Bi、Ce、Y、Ta等が例として挙げられるが、中でも反応性と安定性のバランスと、入手のしやすさからSi、Ti、Al、Laが好ましい。なお、メタロキサン結合は、金属元素と酸素原子の結合、すなわち金属元素をMで表したとき、M−Oで表される結合であり、本発明の金属酸化物はこのメタロキサン結合がM−O−M−O−という形で連続したものである。なお、Si元素は厳密には非金属元素に分類されるが、メタロキサン結合を形成し、非晶質酸化物を構成しうることから、便宜上、非晶質金属酸化物の構成元素たるものとする。
非晶質金属酸化物を含む凸構造は、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法に例示されるドライ法、ゾルゲル法に代表されるウェット法等公知の手段で形成することができる。ドライ法で凸構造を形成する方法は、平坦な膜を結晶基板に形成してから、エッチング等によってパターン形成した後、不要な膜を除去する方法(図3(a))、あらかじめ目的とする凸パターンのマスクを形成した結晶基板に、非晶質金属酸化物を成形した後、不要なマスクを除去し、結晶基板上の必要な場所のみ凸構造を形成する方法(図3(b))が例として挙げられる。一方、ウェット法で凸構造を形成する場合は、形成した膜が柔軟であるため、上述の方法に加えて、平坦な膜を結晶基板上に形成してから型を押し付けて凸構造を形成するインプリント法や、あらかじめ型上に凸構造を有する層を形成した後、基板上に写しとる転写法で凸パターニングされた膜を形成し、その後、図3(a)と同じようにエッチングやアッシングによって不要な膜を除去する方法(図3(c))が適用できる。ウェット法としては、ゾルゲル法が代表的である。なお、ウェット法では溶媒を使用しているため、品質のよいエピタキシャル結晶を得るために溶媒を除去する必要があり、また、ゾルゲル法で得られる非晶質金属酸化物は、架橋反応によって無機化するため、十分に架橋反応を進行させる必要がある。かかる点から、ウェット法の場合は、パターン形成後、エピタキシャル成長を開始する前に高温で加熱することが望ましい。加熱温度は、200〜1,200℃が好ましく、500〜1,100℃がより好ましく、800〜1,000℃が最も好ましい。加熱温度が200℃よりも低い場合、非晶質金属酸化物内に溶媒が残留し、また、有機物も多く残っているため、結晶成長時に凸構造が崩れたり、有機物によって結晶の質が低下したりする場合がある。一方、1,200℃よりも高温で加熱する場合、結晶基板と凸構造の熱特性の違いによって基板が反ったり、凸構造が収縮したり割れたりする場合がある。
図3(a)または(c)に示されるような凹部の不要な膜を除去する方法としては、例えばプラズマアッシングやドライエッチングが挙げられる。一例として、凸構造に含まれる金属種がSiである場合に不要な膜を除去するには、フッ素系ガス、塩素系ガス、臭素系ガスや酸素ガスでエッチングすることが好ましく、エッチング速度が速い点からフッ素系ガスであることがより好ましい。ドライエッチングに使用されるフッ素系ガスとしては、例えば、CF、SF、CHF、COF等が挙げられる。
[発光素子の作製]
上述の方法で得られた凸構造を有する基板は、凸構造を有する表面に半導体層を形成して発光素子とすることができる。一例として、凸構造を有する基板上に、III族窒化物半導体であるGaNを成長させた青色LEDについて記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[バッファ層の作製]
バッファ層は結晶基板とIII族窒化物半導体との格子定数の違いを緩和し、結晶基板との界面から成長する転位を減少させる働きがある。バッファ層としては公知のバッファ層である、GaNバッファ層、AlNバッファ層、AlGaNバッファ層等が一般的に用いられるが、これらにCrをドープしたものやCrNバッファ層等を用いてもよい。上記バッファ層の厚みは20nm以上100nm以下であることが好ましい。バッファ層の厚みが20nm未満であると、バッファ層による基板とIII族窒化物半導体との格子定数の違いを緩和する効果が十分に得られない場合がある。100nmを越える場合、バッファ層としての機能に変化はないのに関わらず、形成時間が長くなり、生産性が低下する場合がある。
バッファ層の作製方法としては、MOCVD法またはスパッタリング法等公知の方法で作製可能であるが、スパッタリング法で作製する方が好ましい。前述の凸構造を有する結晶基板に対してMOCVD法でバッファ層を作製しようとすると、原料ガスの流れが乱れてしまい、結晶基板上に均一にバッファ層を積層することが困難な場合がある。一方、スパッタリング法では原料粒子の直進性が高いので、結晶基板上の形状に影響を受けずに均一なバッファ層を積層することが可能である。なお、本発明においてバッファ層を形成することが好ましいが、形成しなくてもよい。
[半導体層および電極の作製]
凸構造を有する基板、または、凸構造を有する基板上に形成したバッファ層の上に、n型半導体層、活性層、p型半導体層を順に形成する。図4において、本発明で得られた発光素子の断面図を示す。n型半導体層は、例えばシリコンおよびゲルマニウム等のn型不純物が添加されたAlGa1−xN層(0<x<1)、p型半導体層はマグネシウム、亜鉛、カドミウム、カルシウム、ベリリウム、炭素等のp型不純物が添加されたAlGa1−xN層(0≦x<1)とすることができる。活性層は、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造とすることができ、単一量子井戸構造においては井戸層として、Ga1−yInN(0<y<0,0.4)からなるIII族窒化物半導体が通常用いられる。また、多重量子井戸構造の活性層の場合は、Ga1−yInNを井戸層、井戸層よりもバンドキャップエネルギーが大きいAlGa1−zN(0≦z<0.3)を障壁層とすることができるが、上記の井戸層および障壁層には設計により不純物をドープしてもしなくてもよい。
半導体層をエピタキシャル成長させる方法としては、MOCVD法、HVPE法、MBE法等既知の方法が用いられるが、必要な層の厚みと生産性およびエピタキシャル成長条件の調整のしやすさから、MOCVD法が好ましい。MOCVD法でこれらの半導体層を積層させる場合、キャリアガスとして水素(H)または窒素(N)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH)、ヒドラジン(N)等が用いられる。
p型半導体層上には、図4で示すようにp側透明電極を形成する。p側透明電極としては、例えば、ZnO、ITOまたはInを含むZnOを用いることができ、これらはCVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等既知の方法で形成される。また、p側電極パッドは、p側透明電極上に、例えばTi/Auから形成され、その方法はCVD法、スパッタリング法、真空蒸着法等既知の方法で形成される。
n側電極は、図4で示すようにp型半導体層、活性層、n型半導体層の一部を、エッチング等して露出したn型半導体層上に形成される。n型半導体を露出させる方法としては、RIE、粉末ブラスト法、サンドブラスト法等が例として挙げられる。n側電極はTi/Al/Ti/Auから構成され、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等により形成される。
[半導体層におけるカソードルミネッセンススペクトルの半値幅測定]
前述した凸構造を有する結晶基板上に作製した半導体層について、カソードルミネッセンススペクトルを測定する。測定で得られるスペクトルの最大ピークのピークトップの位置が446nm以上452nm以下の位置に存在し、かつ該ピークの半値幅が15nm以上25nm未満であると、転位密度が少なくなる傾向があり、結晶性に優れた半導体層が得られるため好ましい。カソードルミネッセンススペクトルの測定点はSEM画像(10μm四方)において、上辺の中点と下辺の中点とを結ぶ直線上に等間隔に10点を測定する。その直線を45度時計回りに回転させ、同様に等間隔に10点測定する。90度、135度も同様な測定を繰り返す。なお、半値幅とは、測定で得られるスペクトル線の極大値の1/2強度の2点間の間隔とする。
[用途]
本発明で得られた発光素子は、光取り出し効率に優れ、転位密度の低い結晶性に優れたIII族窒化物半導体層を作製できているため、LED照明等に好適に用いることができる。
本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
[評価方法]
(1)結晶基板上の凸構造の観察
明細書中に記載の方法で、凸構造のサイズ、凸構造間の距離、凸構造の高さを測定した。SEMは株式会社日立ハイテクノロジーズ製日立走査型電子顕微鏡S−3400Nを、TEMは株式会社日立ハイテクノロジーズ製H−9000UHR−Iを使用した。
観察倍率は以下の通りである。
測定サイズ
500nmよりも大きい場合 20,000倍
200nm以上500nm以下である場合 50,000倍
200nm未満である場合 200,000倍。
(2)半導体層の形成
本発明の凸構造を有する基板上にスパッタリング法によってバッファ層、引き続きMOCVD法によって半導体層を形成した。凸構造を有する基板上を、水素雰囲気下1,050℃でアニールして基板表面の付着物を除去した後、スパッタリング法によってAlNのバッファ層を形成した。続いて、MOCVD法によってGaN系のn型半導体層、活性層、p型半導体層を成長させた。
(3)半導体層の転位密度、取り出し効率および半値幅の評価
半導体層中の貫通転位密度および光取り出し効率は、カソードルミネッセンス分光法で評価した。励起する電子線の加速電圧は5kV、36K環境下で観察波長は活性層からの発光波長に近い449nm、観察倍率は、10,000倍とした。
転位密度はダークスポットの数を計測し、観測面積で除した値である。評価結果は以下のようにランク付けした。
3: 1.0×10/cm未満
2: 1.0×10/cm以上1.0×10/cm未満
1: 1.0×10/cm以上
光取り出し効率は、発光素子の発光強度で評価した。発光強度はカソードルミネッセンスの平均強度で比較した。評価は以下のようにランク付けした。発光強度の単位はa.u.である。
4:120以上
3:100以上120未満
2:60以上100未満
1:60未満
半値幅は、カソードルミネッセンススペクトルの測定で得られたスペクトルから求めた。求めた半値幅は以下のようにランク付けした。
3:15nm以上20nm未満
2:20nm以上25nm未満
1:25nm以上。
[実施例1]
結晶基板としてサファイア基板を使用し、サファイア結晶のC面から0.2°m面に傾いたサファイア基板の結晶面に、転写法で非晶質金属酸化物を含む凹凸構造を有する層を形成した。使用するサファイア基板は、表面に付着したゴミをブロワーで除去した後、純水に浸漬した状態で45kHzで10分間の洗浄を2回繰り返した。その後、真空プラズマ装置を用いて、15,000VACで5分間プラズマ照射した。一方、転写法で使用する型は、日本ゼオン株式会社製ZEONORフィルムZF−14の片面に、熱インプリントで凹凸構造を賦型したものを使用した。熱インプリントでフィルムを賦型する際に使用した型の構造は、直径230nm、高さ200nmの円柱構造が、凸構造間の距離230nmで図1(a)のように正三角形に配置されたものであり、フィルムにはこの反転形状が賦型された。この賦型されたフィルムを転写法で用いるフィルム型とした。フィルム型に、東京応化工業株式会社製メチルシロキサンポリマーOCNL505型番14000を塗布および乾燥させ、凸構造を有する非晶質金属酸化物層を作製した。フィルム型の塗布面を、洗浄したサファイア基板に対向させ、ラミネートして結晶基板/非晶質金属酸化物層/フィルム型からなる積層体とした後、フィルム型を剥離して、サファイア基板上に非晶質金属酸化物を含む凹凸構造を有する層を得た。凹凸構造を有する層の凹部をICP−RIEでSFガスを使用してドライエッチングし、凸構造を得るとともに、サファイア基板を露出させた。その後、基板を800℃大気雰囲気下で30分熱処理し、凸構造を有する基板を得た。その後、得られた基板上に、前述の方法でバッファ層、GaNを含むIII族窒化物半導体層を作製し、図4のような構成の発光素子を作製した。
[実施例2]
実施例1と同様にして非晶質金属酸化物を含む凸構造を有する基板を得た。その後、バッファ層を形成させずに、n型半導体層、活性層、p型半導体層を成長させ、発光素子を作製した。
[実施例3]
凹凸構造を有する層の凹部のドライエッチングで得られた凸構造が、表面形状がサイズ130nm、高さ130nmの円柱構造、凸構造の距離が100nmであったこと以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。
[実施例4]
凹凸構造を有する層の凹凸構造が、凸部のサイズ1.6μmの正方形、高さ1.6μmの四角柱構造であったこと、および凹凸構造を有する層の凹部のドライエッチングで得られた凸構造が、表面形状がサイズ1,130nmの正方形、高さ1μmの四角柱が、凸構造間の距離800nmであったこと以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製した。
[実施例5]
凹凸構造を有する層の凹凸構造が、一辺1μm、高さ2.3μmの正四角錐が、隣り合う四角錐の辺が一致するように格子状に配置された構造であったこと、および凹凸構造を有する層の凹部のドライエッチングで得られた凸構造が、一辺820nm、高さ2μm、凸構造間の距離180nmの四角錐が格子状に配置されたものであったこと以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。
[実施例6]
フィルム型に塗布する材料として、東京応化工業株式会社製メチルシロキサンポリマーOCNL505型番14000の代わりに、金属酸化物前躯体として、テトラブトキシチタンをアセト酢酸エチルでキレート化し、エタノールに溶解させたものを塗布したこと以外は実施例1と同様にして発光素子を作製した。
[比較例1]
凸構造がなく、平坦なサファイア基板上に半導体層を形成した。
[比較例2]
サファイア結晶のC面から0.2°m面に傾いたサファイア基板の結晶面をエッチングすることで、サファイア基板の表面形状を、直径230nm、高さ200nm、凸構造間の距離230nmの円柱パターンにしたものを結晶基板として用いた。
Figure 2016157759
1:結晶基板
2:凸構造を結晶基板上に投影した形状
3:凸構造間の距離
4:凸構造のサイズ
5:凸構造の表面形状を内部に含む最小の円
6:凸構造の高さ
7:非晶質金属酸化物
8:マスク材料
9:バッファ層
10:n型半導体層
11:活性層
12:p型半導体層
13:p側透明電極
14:n側電極

Claims (4)

  1. 凸構造を有する結晶基板上に、半導体層を有する発光素子であって、該半導体層におけるカソードルミネッセンススペクトルのピークトップの位置が446nm以上452nm以下にあり、かつ該ピークの半値幅が15nm以上25nm未満である発光素子。
  2. 前記凸構造が非晶質金属酸化物を含み、かつ前記結晶基板が無機結晶基板である請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記凸構造の高さが150nm以上2μm以下、前記凸構造のサイズが150nm以上1.5μm以下、前記凸構造間の距離が50nm以上1μm以下である請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 前記半導体層が窒化ガリウムを含む請求項1から3のいずれかに記載の発光素子。
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