JP2016157623A - 固体酸化物形燃料電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気気流や放熱の影響を受けることなく、蒸発器が有する熱量を正確に測定することができる固体酸化物形燃料電池装置を提供する。
【解決手段】本発明の固体酸化物形燃料電池装置1は、複数の燃料電池セルを収容するモジュールケース8と、このモジュールケースの周囲を覆うように設けられた断熱材7と、モジュールケース内に配置され、水蒸気により原燃料ガスを改質して燃料ガスを生成し、この燃料ガスを上記燃料ガス供給通路に供給する改質器120と、モジュールケースの外側の断熱材内に設けられ、供給された水と排気通路172内を通過する排気ガスとの間で熱交換を行うことにより水蒸気を生成し、この水蒸気と原燃料ガスとの混合ガスを改質器に供給する蒸発器140と、を有し、この蒸発器と断熱材との間には、蒸発器の温度を監視する温度センサ230,232が配置されている。
【選択図】図16

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池装置に関し、特に、複数の燃料電池セルを収容するモジュールケースの外部に蒸発器が設けられた固体酸化物形燃料電池装置に関する。
固体酸化物形燃料電池装置(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付け、一方の側に燃料ガスを供給し、他方の側に酸化剤ガス(空気、酸素等)を供給して、比較的高温で動作する燃料電池である。
従来から、複数の燃料電池セルを収容するモジュールケースの外部に蒸発器が設けられた固体酸化物形燃料電池装置として、例えば、特許文献1に記載されているように、改質器に供給する水蒸気を生成する蒸発器(気化器)が周囲の熱量を大きく奪うことに起因する、起動工程でのモジュール内温度の昇温性能の悪化や、燃料電池モジュールの温度ムラ(熱ムラ)などを抑制する観点から、蒸発器がモジュールケース外部の排気通路内に設けられているものが知られている。
特開2012−221659号公報
しかしながら、このようにモジュールケース外部に設けられた蒸発器の構造では、モジュールケース内より温度環境が安定しないため、温度センサによる温度監視が重要であるが、温度センサが排気通路中の排気気流の影響を直接受けることになるため、温度を正確に監視することができないという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、排気気流や放熱の影響を受けることなく、蒸発器が有する熱量を正確に測定することができる固体酸化物形燃料電池装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する固体酸化物形燃料電池装置において、互いに電気的に接続された複数の燃料電池セルと、これら複数の燃料電池セルを収容するモジュールケースと、上記モジュールケースの周囲を覆うように設けられた断熱材と、酸化剤ガスを上記複数の燃料電池セルに供給する酸化剤ガス供給通路と、燃料ガスを上記複数の燃料電池セルに供給する燃料ガス供給通路と、上記モジュールケース内に配置され、水蒸気により原燃料ガスを改質して燃料ガスを生成し、この燃料ガスを上記燃料ガス供給通路に供給する改質器と、上記複数の燃料電池セルにおいて発電に利用されずに残った燃料ガスを燃焼させ、燃焼熱により上記改質器を加熱する燃焼部と、上記改質器よりも上方に設けられ、上記モジュールケースから排出すべき排気ガスが通過する排気通路と、上記モジュールケースの外側の上記断熱材内に設けられ、供給された水と上記排気通路内を通過する排気ガスとの間で熱交換を行うことにより水蒸気を生成し、この水蒸気と原燃料ガスとの混合ガスを上記改質器に供給する蒸発器と、を有し、この蒸発器と上記断熱材との間には、上記蒸発器の温度を監視する温度センサが配置されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、従来の固定酸化物型燃料電池装置(SOFC)では、蒸発器がモジュールケースの内部に配置されていたため、蒸発器による熱量損失が多く、また蒸発器の蒸発部の配置位置における温度降下が大きいことにより、燃料電池セルにおいて熱斑が発生し、燃料電池セルを劣化させるという問題が生じており、このような問題を解決するための手段として、蒸発器をモジュールケースの外部に配置することが主流になりつつある。その一方で、蒸発器では、昇温状態に基づいてSOFCでは欠かせない水蒸気を生成するが、この水蒸気の生成不良が生じると、燃料電池セルや改質器に炭素が付着するコーキング等の大きな影響を与えるため、モジュールケース内より温度環境が安定しない外部の蒸発器の構造では温度センサによる温度監視が重要になっている。また、従来のように、排気通路中に蒸発器を配置した形態では、温度センサが排気気流の影響を直接受けることになるため、温度を正確に監視することができないという問題があった。これに対し、本発明では、モジュールケースの周囲を覆う断熱材の内部に蒸発器を設け、この蒸発器と断熱材との間には、蒸発器の温度を監視する温度センサを配置することにより、排気気流や放熱の影響を受けることなく、蒸発器が有する熱量を正確に測定することができる。したがって、温度管理が厳しい条件下でのモジュールケースの外側の蒸発器であっても、正確な水蒸気の生成状態を推定することができ、安定した運転制御を行うことができる。
本発明において、好ましくは、上記蒸発器は、その内部の下方に形成されると共に上記排気通路が接続される排気通路室と、この排気通路室の上方に形成された蒸発室と、を備え、上記温度センサは、上記排気通路室の外側底面且つ上記断熱材内に配置されている。
このように構成された本発明においては、排気通路室の高温の排気は上方の蒸発室を加熱して蒸発室への熱量投入が大きくなるため、排気通路室の底面は温度が低い状態となるが、温度センサが、排気通路室の外側底面に配置されていることにより、温度センサは、蒸発器の蒸発室を直接監視するのではなく、蒸発室の温度よりも低い排気通路室の外側底面の温度を測定することになる。したがって、蒸発室内の実際の温度が水蒸気ができない温度であるにもかかわらず、蒸発可能な高い温度として誤測定することを防止することができる。また、排気通路室の外側底面では、蒸発器内に投入される水による温度降下の影響を受け難いため、温度センサが温度を正確に測定できると共に、断熱材内に配置された温度センサの効果と合わせて、より正確な温度測定が可能となる。
本発明において、好ましくは、上記排気通路室は、この排気通路室を伝熱する排気通気口が形成された第1伝熱プレートを備え、この第1伝熱プレートは、上記蒸発室の底面と上記排気通路室の底面とを掛け渡すように配置されている。
このように構成された本発明においては、排気通路室を伝熱する排気通気口が形成された第1伝熱プレートが蒸発室の底面と排気通路室の底面とを掛け渡すように配置されていることにより、蒸発室の温度状態を蒸発室の底面から第1伝熱プレートを介して排気通路室の外側底面の温度センサに伝えることができるため、蒸発器内の温度状態をさらに正確に測定することができる。
本発明において、好ましくは、上記第1伝熱プレートと上記排気通路室の底面との接触部及び上記温度センサの検出部は、互いに上下方向に対向する位置からずらした位置に配置されている。
このように構成された本発明においては、第1伝熱プレートと蒸発器の排気通路室の底面との接触部及び温度センサの検出部が、互いに上下方向に対向する位置からずらした位置に配置されているため、蒸発室等の蒸発器の上層の温度をより正確に測定することができる。すなわち、第1伝熱プレートが排気通路室内の排気で加温されているため、第1伝熱プレートと排気通路室の底面との接触部及び温度センサの検出部を互いに上下方向に対向する位置に配置した場合には、互いに上下方向に対向する位置からずらした位置に配置されている場合に比べて、第1伝熱プレートと排気通路室の底面との接触部の直下の温度センサが蒸発器内の温度をより高い温度で検出されてしまう可能性があるが、第1伝熱プレートと蒸発器の排気通路室の底面との接触部と温度センサの検出部を互いにずらした位置に配置する簡易な構成により、排気熱の熱伝導に基づく蒸発器内の温度を正確に推定することができるようになる。
本発明において、好ましくは、上記排気通路室内には、燃焼触媒が配置され、上記温度センサは、上記燃焼触媒が設けられた上記排気通路室の外側底面と上記断熱材との間に配置されている。
このように構成された本発明においては、蒸発器内の下層の排気通路室内に燃焼触媒が配置されているため、排気通路室の外側底面に配置された温度センサによって、燃焼触媒の状態と蒸発器の温度状態を同時に監視することができる。また、排気通路室内を通過する排気に加えて、燃焼触媒による発熱反応の発生により、蒸発器の加熱を同時に行うことができるため、気化促進が可能になる。さらに、燃焼触媒の触媒熱が第1伝熱プレートにより蒸発器内で伝熱されるため、効果的な気化促進が可能になる。
本発明において、好ましくは、上記蒸発器の上面には、上記蒸発器を加温するヒータが配置され、上記蒸発室内には、その上面と底面とを掛け渡すように第2伝熱プレートが設けられ、上記温度センサは、上記蒸発器の底面に配置されている。
このように構成された本発明においては、蒸発器を加温する気化促進用のヒータを蒸発器の上面に配置すると共に、蒸発室内には、その上面と底面とを掛け渡すように第2伝熱プレートを配置することにより、蒸発器の上面のヒータによる蒸発器の昇温が、蒸発室内の第2伝熱プレートから排気通路室内の第1伝熱プレートを経て蒸発器の底面の温度センサに伝達されるため、蒸発器の底面に配置された温度センサであっても正確に温度測定が可能となる。また、蒸発器の下面に温度センサを配置すると共に、蒸発器の上面にヒータを配置することにより、蒸発器周辺の構造を簡素化し、製造コストの低減や組付性の向上を同時に実現することができる。さらに、断熱材内に蒸発器を収容するための収納部の形状もシンプルになり、断熱性能差が生じることも抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記蒸発器の底面には、上記温度センサを下方側から支持する温度センサ支持部材が設けられ、上記温度センサは、上記温度センサ支持部材と上記蒸発器の底面との間に挿入されることにより上記蒸発器に対して支持され、上記温度センサ支持部材は、上記温度センサが挿入された状態で上記温度センサの検出部が上記蒸発器に対して露出されるように、上記蒸発器の底面と対向する側が開放されている。
このように構成された本発明においては、温度センサを下方側から支持する温度センサ支持部材における蒸発器の底面と対向する側が開放されており、温度センサが、温度センサ支持部材と蒸発器の底面との間に挿入されることにより蒸発器に対して支持された状態で温度センサの検出部を蒸発器に対して露出させることができるため、温度センサが、直接的に蒸発器の底面の温度を検出することができ、遅れなく正確に温度を監視することができる。したがって、断熱材と蒸発器の底面との間に温度センサを配置したことにより、正確な温度測定が可能となるにも関わらず蒸発器内の温度を推定するには距離が離れているため、時間的な遅れが生じやすいという問題を解消することができる。また、温度センサが断熱材内に配置されており、気流の影響等を受けるものではないため、温度センサの検出部が露出されていても問題はなく、温度センサを温度センサ支持部材と蒸発器の底面との間に挿入して支持する簡易な構造にすることにより、温度センサの取付強度が不要になり、簡単な組付けを実現することができる。
本発明において、好ましくは、上記温度センサ支持部材は、上記温度センサが挿入される挿入口を形成する挿入側端部を備え、この挿入側端部は、その挿入口の開口断面が入口側程拡張するようにラッパ状に形成されている。
このように構成された本発明においては、温度センサが挿入される温度センサ支持部材の挿入側端部が、その挿入口の開口断面が入口側程拡張するようにラッパ状に形成されているため、温度センサを温度センサ支持部材の挿入側端部から容易に差し込むことができる。
本発明において、好ましくは、上記挿入側端部は、上記蒸発器の底面から外側に突出している。
このように構成された本発明においては、温度センサが挿入される温度センサ支持部材の挿入側端部が蒸発器の底面から外側に突出しているため、温度センサを挿入側端部の挿入口に挿入する際に見やすくすることができると共に、挿入側端部が蒸発器の底面以外の部分から外側に突出している場合に比べて、簡易な構成で組付け性の低下を解消することができる。
本発明において、好ましくは、上記温度センサは、上記蒸発器の底面の一方側に少なくとも2つ設けられて幅方向に所定距離を置いて配置され、上記第1伝熱プレートが上記排気通路室の底面に接触している幅は、上記所定距離よりも大きい。
このように構成された本発明においては、温度センサが蒸発器の底面の一方側に少なくとも2つ設けられて幅方向に所定距離を置いて配置されているため、蒸発器の温度や燃焼触媒の温度について、複数の温度センサで異なる複数箇所で検出して正確に把握することができる。また、第1伝熱プレートが排気通路室の底面に接触している幅が温度センサ同士の所定距離よりも大きいため、異なる箇所に設けられた複数の温度センサに対して第1伝熱プレートから正確に熱伝導させることができる。
本発明において、好ましくは、上記少なくとも2つの温度センサのそれぞれは、上記蒸発器の一方側から上記温度センサ支持部材に挿入されて支持される。
このように構成された本発明においては、少なくとも2つの温度センサのそれぞれが、蒸発器の一方側から温度センサ支持部材に挿入されて支持されるため、一側方から複数の温度センサを同じように挿入して固定することができる。これにより、温度センサを蒸発器の底面に配置する構造であっても、容易に温度センサを支持できる。
本発明において、好ましくは、上記温度センサ支持部材は、上記温度センサが挿入されて支持される凹部と、この凹部の両側に形成されるフランジ部と、を備えていると共に、断面が逆ハット状に形成されており、上記フランジ部は、上記蒸発器の底面にスポット溶接により固定されている。
このように構成された本発明においては、温度センサ支持部材が、温度センサが挿入されて支持される凹部と、この凹部の両側に形成されるフランジ部とを備えていると共に、断面が逆ハット状に形成されており、フランジ部が蒸発器の底面にスポット溶接により固定されていることにより、蒸発器に対する温度センサ支持部材の組み付けが容易になることに加えて、第1伝熱プレートを経由して蒸発器の底面に伝わった熱がフランジ部に伝熱して温度センサに素早く伝えることができる。したがって、正確かつ迅速に蒸発器の温度を監視することができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池装置によれば、排気気流や放熱の影響を受けることなく、蒸発器が有する熱量を正確に測定することができる。
本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールを示す側面断面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置のモジュールケース及び空気通路カバーの分解斜視図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルスタックを示す斜視図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールにおけるガスの流れの説明するための、燃料電池モジュールを示す正面断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールにおけるガスの流れの説明するための、図2のIII-III線に沿った燃料電池モジュールの断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器の概略図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器の内部構造を示す斜視断面図である。 図10のA部拡大図である。 図10のB部拡大図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器の蒸発室における燃料供給配管の供給口と仕切り板との関係を示す概略図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器の排気通路室における仕切り板について斜め上方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器における充填材導入口に取り付けられた状態の蓋部材を示す概略図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器について斜め下方から見た斜視図である。
つぎに、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材7を介して金属製のモジュールケース8が内蔵されている。この密閉空間であるモジュールケース8の下方部分である発電室10には、燃料ガスと酸化剤ガス(以下では適宜「発電用空気」又は「空気」と呼ぶ。)とにより発電反応を行う燃料電池セル集合体12が配置されている。この燃料電池セル集合体12は、8個の燃料電池セルスタック14(詳細は図6で後述する)を備え、この燃料電池セルスタック14は、各々が燃料電池セルを含む、16本の燃料電池セルユニット16(詳細は図5で後述する)から構成されている。この例では、燃料電池セル集合体12は、128本の燃料電池セルユニット16を有する。燃料電池セル集合体12は、複数の燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されている。
燃料電池モジュール2のモジュールケース8の発電室10の上方には、燃焼部としての燃焼室18が形成され、この燃焼室18で、発電反応に使用されなかった残余の燃料ガスと残余の空気とが燃焼し、排気ガス(言い換えると燃焼ガス)を生成するようになっている。さらに、モジュールケース8は断熱材7により覆われており、燃料電池モジュール2内部の熱が、外気へ発散するのを抑制している。また、この燃焼室18の上方には、燃料ガスを改質する改質器120が配置され、残余ガスの燃焼熱によって改質器120を改質反応が可能な温度となるように加熱している。
さらに、ハウジング6内においてモジュールケース8の上方には、蒸発器140が断熱材7内に設けられている。蒸発器140は、供給された水と排気ガスとの間で熱交換を行うことによって、水を蒸発させて水蒸気を生成し、この水蒸気と原燃料ガスとの混合ガス(以下では「燃料ガス」と呼ぶこともある。)をモジュールケース8内の改質器120に供給する。
つぎに、補機ユニット4は、燃料電池モジュール2からの排気中に含まれる水分を結露させた水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この貯水タンクから供給される水の流量を調整する水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された燃料を遮断するガス遮断弁32と、燃料ガスから硫黄を除去するための脱硫器36と、燃料ガスの流量を調整する燃料流量調整ユニット38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)と、電源喪失時において、燃料流量調整ユニット38から流出する燃料ガスを遮断するバルブ39を備えている。さらに、補機ユニット4は、空気供給源40から供給される空気を遮断する電磁弁42と、空気の流量を調整する改質用空気流量調整ユニット44及び発電用空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)と、改質器120に供給される改質用空気を加熱する第1ヒータ46と、発電室に供給される発電用空気を加熱する第2ヒータ48とを備えている。これらの第1ヒータ46と第2ヒータ48は、起動時の昇温を効率よく行うために設けられているが、省略しても良い。
なお、本実施形態では、装置の起動時に改質器120内において、部分酸化改質反応(POX)のみが生じるPOX工程から、部分酸化改質反応(POX)と水蒸気改質反応(SR)が混在したオートサーマル改質反応(ATR)が生じるATR工程を経て、水蒸気改質反応のみが生じるSR工程が行われるように構成してもよいし、POX工程を省略してATR工程からSR工程に移行されるように構成してもよいし、POX工程及びATR工程を省略してSR工程のみが行われるように構成してもよい。なお、SR工程のみが行われる構成では、改質用空気流量調整ユニット44は不要である。
つぎに、燃料電池モジュール2には、排気ガスが供給される温水製造装置50が接続されている。この温水製造装置50には、水供給源24から水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。また、燃料電池モジュール2には、燃料ガスの供給量等を制御するための制御ボックス52が取り付けられている。さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュールにより発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
つぎに、図2〜図4を参照して、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールの構造について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールを示す側面断面図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図であり、図4は、モジュールケース及び空気通路カバーの分解斜視図である。
図2及び図3に示すように、燃料電池モジュール2は、断熱材7で覆われたモジュールケース8の内部に設けられた燃料電池セル集合体12及び改質器120を有すると共に、モジュールケース8の外部で且つ断熱材7内に設けられた蒸発器140を有する。
まず、モジュールケース8は、図4に示すように、略矩形の天板8a,底板8c,これらの長手方向(図2の左右方向)に延びる辺同士を連結する対向する一対の側板8bからなる筒状体と、この筒状体の長手方向の両端部の2つの対向する開口部を塞ぎ、天板8a及び底板8cの幅方向(図3の左右方向)に延びる辺同士を連結する閉鎖側板8d,8eからなる。
モジュールケース8は、空気通路カバー160によって天板8a及び側板8bが覆われている。空気通路カバー160は、天板160aと、対向する一対の側板160bとを有する。天板160aの略中央部分には、排気管171を貫通させるための開口部167が設けられている。天板160aと天板8aとの間、及び、側板160bと側板8bとの間は、所定の距離だけ離間した状態となっている。これにより、モジュールケース8の外側と断熱材7との間、具体的にはモジュールケース8の天板8a及び側板8bと、空気通路カバー160の天板160a及び側板160bとの間には、酸化剤ガス供給通路としての空気通路161a,161bが形成されている(図3参照)。
モジュールケース8の側板8bの下部には、複数の貫通孔である吹出口8fが設けられている(図4参照)。発電用空気は、空気通路カバー160の天板160aのうち、モジュールケース8の閉鎖側板8e側の略中央部に設けられた発電用空気導入管74から流路方向調整部164を介して空気通路161a内に供給される(図2、図4参照)。そして、発電用空気は、空気通路161a,161bを通って、吹出口8fから燃料電池セル集合体12に向けて発電室10内に噴射される(図3、図4参照)。
また、空気通路161a,161bの内部には、熱交換促進部材としてのプレートフィン162,163が設けられている(図3参照)。プレートフィン162は、モジュールケース8の天板8aと空気通路カバー160の天板160aの間で長手方向及び幅方向に延びるように水平方向に設けられ、プレートフィン163は、モジュールケース8の側板8bと空気通路カバー160の側板160bとの間であって、且つ、燃料電池セルユニット16よりも上方の位置に長手方向及び鉛直方向に延びるように設けられている。
空気通路161a,161bを流れる発電用空気は、特にプレートフィン162,163を通過する際に、これらプレートフィン162,163の内側のモジュールケース8内(具体的には天板8a,側板8bに沿って設けられた排気通路)を通過する排気ガスとの間で熱交換を行い、加熱されることとなる。このようなことから、空気通路161a,161bにおいてプレートフィン162,163が設けられた部分は、熱交換器(熱交換部)として機能する。なお、プレートフィン162が設けられた部分が主たる熱交換器部分を構成し、プレートフィン163が設けられた部分が従たる熱交換器部分を構成する。
つぎに、蒸発器140は、モジュールケース8の天板8a上で水平方向に延びるように固定されている。また、蒸発器140とモジュールケース8との間には、これらの隙間を埋めるように断熱材7の一部分7aが配置されている(図2及び図3参照)。
具体的には、蒸発器140は、長手方向(図2の左右方向)の一側端側に、水及び原燃料ガス(改質用空気を含めてもよい)を供給する燃料供給配管63と、排気ガスを排出するための排気ガス排出管82(図3参照)とが連結され、長手方向の他側端側に、排気管171の上端部が連結されている。排気管171は、空気通路カバー160の天板160aに形成された開口部167を貫通して下方へ延び、モジュールケース8の天板8a上に形成された排気口111に連結されている。排気口111は、モジュールケース8内の燃焼室18で生成された排気ガスをモジュールケース8の外へ排出する開口部であり、モジュールケース8の上面視略矩形の天板8aのほぼ中央部に形成されている。
また、蒸発器140は、図2及び図3に示すように、上面視で略矩形の蒸発器ケース141を有している。この蒸発器ケース141は、2つの高さの低い有底矩形筒状の上側ケース142と下側ケース143とを、これらの間に中間板144を挟んだ状態で接合して形成されている。
したがって、蒸発器ケース141は、上下方向に二層構造となっており、下層部分には、排気管171から供給された排気ガスが通過する排気通路部140Aが形成され、上層部分には、燃料供給配管63から供給された水を蒸発させて水蒸気を生成する蒸発部140Bと、蒸発部140Bで生成された水蒸気と燃料供給配管63から供給された原燃料ガスとを混合させる混合部140Cが設けられている。
図2及び図3に示すように、蒸発部140B及び混合部140Cは、複数の連通孔(スリット)145aが形成された仕切り板145により蒸発器140を仕切った空間にて形成されている。また、蒸発部140B内には、アルミナボール(図示せず)が充填されている。
また、排気通路部140Aは、同様に複数の連通孔を有する2つの仕切り板146,147により排気ガスの上流側から下流側にかけて3つの空間に仕切られている。そして、2番目の空間に燃焼触媒(図示せず)が充填されている。すなわち、本実施形態の蒸発器140は、上下方向の二層構造のうちの下層構造に燃焼触媒器を含んでいる。
このような蒸発器140では、蒸発部140B内の水と排気通路部140Aを通過する排気ガスとの間で熱交換が行われ、排気ガスの熱により蒸発部140B内の水が蒸発して、水蒸気が生成されることとなる。また、混合部140C内の混合ガスと排気通路部140Aを通過する排気ガスとの間で熱交換が行われ、排気ガスの熱により混合ガスが昇温されることとなる。
さらに、図2に示すように、混合部140Cには、改質器120に混合ガスを供給するための混合ガス供給管112が接続されている。この混合ガス供給管112は、排気管171の内部を通過するように配置されており、一端が中間板144に形成された開口144aに連結され、他端が改質器120の天面に形成された混合ガス供給口120aに連結されている。混合ガス供給管112は、排気通路部140A内,排気管171内を通過してモジュールケース8内まで鉛直下方に延び、そこで略90°屈曲されて天板8aに沿って水平方向に延びた後、下方へ略90°屈曲されて改質器120に連結されている。
つぎに、改質器120は、燃焼室18の上方でモジュールケース8の長手方向に沿って水平方向に延びるように配置され、モジュールケース8の天板8aとの間に排気ガス誘導部材130を介して所定距離隔てられて状態で、天板8aに対して固定されている。改質器120は、上面視で外形略矩形であるが、中央部に貫通孔120bが形成された環状構造体であり、上側ケース121と下側ケース122とが接合された筐体を有している。この貫通孔120bは、天板8aに形成された排気口111と上面視で重なるように位置し、好ましくは、貫通孔120bの中央位置に排気口111が形成される。
改質器120の長手方向の一端側(モジュールケース8の閉鎖側板8e側)では、上側ケース121に設けられた混合ガス供給口120aに混合ガス供給管112が連結されており、他端側(閉鎖側板8d側)では、燃料ガス供給管64が下側ケース122に、脱硫器36まで延びる水添脱硫器用水素取出管65が上側ケース121にそれぞれ連結されている。したがって、改質器120は、混合ガス供給管112から混合ガス(つまり水蒸気が混合された原燃料ガス(改質用空気を含めてもよい))を受け取り、内部で混合ガスを改質し、燃料ガス供給管64及び水添脱硫器用水素取出管65から改質後のガス(即ち、燃料ガス)を排出するように構成されている。
改質器120は、その内部空間が2つの仕切り板123a,123bによって3つの空間に仕切られることにより、改質器120内に、混合ガス供給管112からの混合ガスを受入れる混合ガス受入部120Aと、混合ガスを改質するための改質触媒(図示せず)が充填された改質部120Bと、改質部120Bを通過したガスを排出するガス排出部120Cと、が形成されている(図2参照)。改質部120Bは、仕切り板123a,123bに挟まれた空間であり、この空間に改質触媒が保持されている。混合ガス及び改質後の燃料ガスは、仕切り板123a,123bに設けられた複数の連通孔(スリット)を通って移動可能となっている。また、改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したものや、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したものが適宜用いられる。
混合ガス受入部120Aには、蒸発器140から混合ガス供給管112を介して供給された混合ガスが混合ガス供給口120aを通して噴出される。この混合ガスは、混合ガス受入部120A内で拡張されて噴出速度が低下し、仕切り板123aを通過して改質部120Bに供給される。
改質部120Bでは、低速で移動する混合ガスが改質触媒により燃料ガスに改質され、この燃料ガスが仕切り板123bを通過してガス排出部120Cに供給される。
ガス排出部120Cでは、燃料ガスが燃料ガス供給管64、及び、水添脱硫器用水素取出管65へ排出される。
燃料ガス供給通路としての燃料ガス供給管64は、モジュールケース8内を閉鎖側板8dに沿って下方へ延び、底板8c付近で略90°屈曲されて水平方向に延びて、燃料電池セル集合体12の下方に形成されたマニホールド66内へ入り、更にマニホールド66内で逆側の閉鎖側板8e付近まで水平方向に延びている。燃料ガス供給管64の水平部64aの下方面には、複数の燃料供給孔64bが形成されており、この燃料供給孔64bから、燃料ガスがマニホールド66内に供給される。このマニホールド66の上方には、燃料電池セルスタック14を支持するための貫通孔を備えた下支持板68が取り付けられており、マニホールド66内の燃料ガスが、燃料電池セルユニット16内に供給される。また、燃料ガスと空気との燃焼を開始するための点火装置83が、燃焼室18に設けられている。
排気ガス誘導部材130は、改質器120と天板8aとの間でモジュールケース8の長手方向に沿って水平方向に延びるように配置されている。排気ガス誘導部材130は、上下方向に所定距離だけ離間された下部誘導板131及び上部誘導板132と、これらの長手方向の両端辺が取り付けられる連結板133,134とを備えている(図2,図3参照)。上部誘導板132は、幅方向の両端部が下方に向けて折り曲げられ、下部誘導板131に連結されている。連結板133,134は、上端部が天板8aに連結され、下端部が改質器120に連結されており、これにより、排気ガス誘導部材130及び改質器120を天板8aに固定している。
下部誘導板131は、幅方向(図3の左右方向)の中央部が下方に向けて突出する凸状段部131aが形成されている。一方、上部誘導板132は、下部誘導板131と同様に、幅方向の中央部が下方に向けて凹状となるように凹部132aが形成されている。凸状段部131aと凹部132aは、上下方向で並行して長手方向に延びている。混合ガス供給管112は、モジュールケース8内でこの凹部132a内を水平方向に延びた後、閉鎖側板8e付近で下方に向けて屈曲し、上部誘導板132及び下部誘導板131を貫通して、改質器120に連結されている。
排気ガス誘導部材130は、上部誘導板132、下部誘導板131、連結板133,134によって、断熱層として機能する内部空間であるガス溜135が形成されている。このガス溜135は、燃焼室18と流体連通している。すなわち、上部誘導板132、下部誘導板131、連結板133,134は、所定の隙間を形成するように連結されており、気密的には連結されていない。ガス溜135には、運転中に燃焼室18から排気ガスが流入したり、停止時に外部から空気が流入したりすることが可能となっているが、総じてガス溜135の内外間のガスの移動は緩やかである。
上部誘導板132は、天板8aと所定の上下方向距離を隔てて配置されており、上部誘導板132と天板8aとの間には、長手方向及び幅方向に沿って水平方向に延びる排気通路172が形成されている。この排気通路172は、モジュールケース8の天板8aを挟んで空気通路161aと並設されており、排気通路172内には、空気通路161a,161b内のプレートフィン162,163と同様なプレートフィン175が配置されている。このプレートフィン175は、プレートフィン162と上面視で略同一箇所に設けられており、天板8aを挟んで上下方向に対向している。空気通路161a及び排気通路172のうち、プレートフィン162,175が設けられた部分において、空気通路161aを流れる発電用空気と排気通路172を流れる排気ガスとの間で効率的な熱交換が行われて、排気ガスの熱により発電用空気が昇温されることとなる。
また、改質器120は、モジュールケース8の側板8bと所定の水平方向距離を隔てて配置されており、改質器120と側板8bとの間には、排気ガスを下方から上方へ通過させる排気通路173が形成されている。また、排気ガス誘導部材130も側板8bと所定の水平方向距離を隔てて配置されており、排気通路173は、排気ガス誘導部材130と側板8bとの間の通路を含んで天板8aまで延びている。排気通路173は、天板8aと側板8bとの角部に位置する排気ガス導入口172aで排気通路172と連通している。この排気ガス導入口172aは、モジュールケース8内で長手方向に延びている。
さらに、下部誘導板131は、改質器120の上側ケース121の天面から所定の上下方向距離を隔てて配置されており、下部誘導板131と上側ケース121との間、及び、改質器120の貫通孔120bは、貫通孔120bを下方から上方へ向けて通過した排気ガスを通過させる排気通路174を形成している。この排気通路174は、改質器120の上方で排気通路173と合流する。
つぎに、図5を参照して、燃料電池セルユニット16について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルユニットを示す部分断面図である。
図5に示すように、燃料電池セルユニット16は、燃料電池セル84と、この燃料電池セル84の両端部にそれぞれ接続されたキャップである内側電極端子86とを備えている。
燃料電池セル84は、上下方向に延びる管状構造体であり、内部に燃料ガス流路88を形成する円筒形の内側電極層90と、円筒形の外側電極層92と、内側電極層90と外側電極層92との間にある電解質層94とを備えている。この内側電極層90は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層92は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。
燃料電池セル84の上端側と下端側に取り付けられた内側電極端子86は、同一構造であるため、ここでは、上端側に取り付けられた内側電極端子86について具体的に説明する。内側電極層90の上部90aは、電解質層94と外側電極層92に対して露出された外周面90bと上端面90cとを備えている。内側電極端子86は、導電性のシール材96を介して内側電極層90の外周面90bと接続され、さらに、内側電極層90の上端面90cとは直接接触することにより、内側電極層90と電気的に接続されている。内側電極端子86の中心部には、内側電極層90の燃料ガス流路88と連通する燃料ガス流路細管98が形成されている。
この燃料ガス流路細管98は、内側電極端子86の中心から燃料電池セル84の軸線方向に延びるように設けられた細長い細管である。このため、マニホールド66(図2参照)から、下側の内側電極端子86の燃料ガス流路細管98を通って燃料ガス流路88に流入する燃料ガスの流れには、所定の圧力損失が発生する。従って、下側の内側電極端子86の燃料ガス流路細管98は、流入側流路抵抗部として作用し、その流路抵抗は所定の値となるように設定されている。また、燃料ガス流路88から、上側の内側電極端子86の燃料ガス流路細管98を通って燃焼室18(図2参照)に流出する燃料ガスの流れにも所定の圧力損失が発生する。従って、上側の内側電極端子86の燃料ガス流路細管98は、流出側流路抵抗部として作用し、その流路抵抗は所定の値となるように設定されている。
内側電極層90は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレードとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
電解質層94は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
外側電極層92は、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
つぎに、図6を参照して、燃料電池セルスタック14について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池の燃料電池セルスタックを示す斜視図である。
図6に示すように、燃料電池セルスタック14は、16本の燃料電池セルユニット16を備え、これらの燃料電池セルユニット16は、8本ずつ2列に並べて配置されている。
各燃料電池セルユニット16は、下端側がセラミック製の長方形の下支持板68(図2参照)により支持され、上端側は、両端部の燃料電池セルユニット16が4本ずつ、概ね正方形の2枚の上支持板100により支持されている。これらの下支持板68及び上支持板100には、内側電極端子86が貫通可能な貫通穴がそれぞれ形成されている。
さらに、燃料電池セルユニット16には、集電体102及び外部端子104が取り付けられている。この集電体102は、燃料極である内側電極層90に取り付けられた内側電極端子86と電気的に接続される燃料極用接続部102aと、空気極である外側電極層92の外周面と電気的に接続される空気極用接続部102bとを接続するように一体的に形成されている。また、各燃料電池セルユニット16の外側電極層92(空気極)の外表面全体には、空気極側の電極として、銀製の薄膜が形成されている。この薄膜の表面に空気極用接続部102bが接触することにより、集電体102は空気極全体と電気的に接続される。
さらに、燃料電池セルスタック14の端(図6では左端の奥側)に位置する燃料電池セルユニット16の空気極には、2つの外部端子104がそれぞれ接続されている。これらの外部端子104は、隣接する燃料電池セルスタック14の端にある燃料電池セルユニット16の内側電極端子86に接続され、上述したように、128本の燃料電池セルユニット16の全てが直列接続されるようになっている。
つぎに、図7及び図8を参照して、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュール内のガスの流れについて説明する。
図7は、図2と同様の、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の燃料電池モジュールを示す側面断面図であり、図8は、図3と同様の、図2のIII−III線に沿った断面図である。
なお、図7及び図8は、それぞれ、図2及び図3中にガスの流れを示す矢印を新たに付加した図であり、説明の便宜上、断熱材7を取り除いた状態の図を示している。図中、実線矢印は燃料ガスの流れ、破線矢印は発電用空気の流れ、一点鎖線矢印は排気ガスの流れを示す。
図7に示すように、水及び原燃料ガス(燃料ガス)は、蒸発器140の長手方向の一端側に連結された燃料供給配管63から蒸発器140の上層に設けられた蒸発部140B内に供給される。蒸発部140Bに供給された水は、蒸発器140の下層に設けられた排気通路部140Aを流れる排気ガスにより加熱され水蒸気となる。この水蒸気と、燃料供給配管63から供給された原燃料ガスとが、蒸発部140B内を下流方向に流れて行き、混合部140C内で混合される。混合部140C内の混合ガスは、下層の排気通路部140Aを流れる排気ガスにより加熱される。
混合部140C内で形成された混合ガス(燃料ガス)は、混合ガス供給管112を通って、モジュールケース8内の改質器120に供給される。混合ガス供給管112は、排気通路部140A,排気管171,及び排気通路172を順に通過しているため、これらの通路を流れる排気ガスにより、混合ガス供給管112内の混合ガスは更に加熱される。
混合ガスは、改質器120内の混合ガス受入部120A内に流入し、ここから仕切り板123aを通過して改質部120Bに流入する。混合ガスは、改質部120Bにおいて改質されて燃料ガスとなる。こうして生成された燃料ガスは、仕切り板123bを通過して、ガス排出部120Cに流入する。
さらに、燃料ガスは、ガス排出部120Cから燃料ガス供給管64と水添脱硫器用水素取出管65とに分岐する。そして、燃料ガス供給管64に流入した燃料ガスは、燃料ガス供給管64の水平部64aに設けられた燃料供給孔64bからマニホールド66内に供給され、マニホールド66から各燃料電池セルユニット16内に供給される。
また、図7及び図8に示すように、発電用空気は、発電用空気導入管74から空気通路161aに供給される。発電用空気は、空気通路161a,161b内において、プレートフィン162,163を通過する際に、これらプレートフィン162,163の下部のモジュールケース8内に形成された排気通路172,173を通過する排気ガスとの間で効率的な熱交換を行い、加熱されることとなる。特に、排気通路172内には、空気通路161aのプレートフィン162に対応してプレートフィン175が設けられているので、発電用空気は、プレートフィン162とプレートフィン175とを介して、排気ガスとより効率的な熱交換を行う。この後、発電用空気は、モジュールケース8の側板8bの下部に設けられた複数の吹出口8fから燃料電池セル集合体12に向けて発電室10内に噴射される。
なお、本実施形態では、燃料電池セル集合体12の側方部位には排気通路が形成されていないため、この部位において発電用空気と排気ガスとの間の熱交換は抑制される。したがって、燃料電池セル集合体12の側方部位において、空気通路161b内の発電用空気に上下方向の温度勾配が生じ難くなっている。
また、発電室10内で発電に利用されなかった燃料ガスは、図8に示すように、燃焼室18で燃焼されて排気ガス(燃焼ガス)となり、モジュールケース8内を上昇していく。具体的には、排気ガスは、排気通路173と排気通路174とに分岐して、改質器120の外側面とモジュールケース8の側板8bとの間、及び、改質器120の貫通孔120bから改質器120と排気ガス誘導部材130との間をそれぞれ通過する。このとき、排気通路174を通過する排気ガスは、改質器120の貫通孔120bの上方に配置された凸状段部131aによって幅方向に二分され、排気ガス誘導部材130の下部に留まることなく排気通路173に向けて誘導され、排気通路173を流れる排気ガスに素早く合流される。
その後、排気ガスは、排気ガス導入口172aから排気通路172に流入する。排気通路172内では、排気ガスは、排気通路172を水平方向に流れていき、モジュールケース8の天板8aの中央に形成された排気口111から流出する。
なお、排気ガスが排気通路173を上方へ流れていく際に、空気通路161b内に設けられたプレートフィン163を介して、発電用空気と排気ガスとの間で熱交換が行われる。また、排気ガスが排気通路172を水平方向に流れていく際に、排気通路172内に設けられたプレートフィン175と、このプレートフィン175に対応して空気通路161a内に設けられたプレートフィン162とを介して、発電用空気と排気ガスとの間で効率的な熱交換が行われる。このようにして、排気ガスの熱により発電用空気が昇温される。
そして、排気口111から流出した排気ガスは、モジュールケース8の外部に設けられた排気管171を通過して蒸発器140の排気通路部140Aに流入し、排気通路部140Aを通過した後、蒸発器140から排気ガス排出管82へ排出される。排気ガスは、蒸発器140の排気通路部140Aを流れる際に、上述したように、蒸発器140の混合部140C内の混合ガス及び蒸発部140B内の水と熱交換を行う。
つぎに、図2、図9〜図16を参照して、蒸発器の構造の詳細について説明する。
図9は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器の概略図であり、図10は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器の内部構造を示す斜視断面図であり、図11は、図10のA部拡大図であり、図12は、図10のB部拡大図である。
図9〜図12に示すように、蒸発器140の上層の蒸発部140Bに形成される蒸発室180において、燃料供給配管63の供給口63aが接続される上側ケース142の内壁142aと仕切り板145との間の蒸発部領域R1内には、複数の粒子状の充填材であるアルミナボール182が充填されている。また、仕切り板145は、蒸発部領域R1内の充填材であるアルミナボール182がスリット145aから蒸発部領域R1の外部に流出することを防ぐ充填材流出防止板として機能するようになっている。
また、図11に示すように、燃料供給配管63の供給口63aが接続される上側ケース142の内壁142a部分には、仕切り板148が充填材流出防止板として供給口63aを覆うように取り付けられている。この仕切り板148には、その横幅方向に延びる複数の連通孔(スリット)148aが形成されており、これら複数のスリット148aは、上下方向に配列されている。
さらに、図9、図10及び図12に示すように、仕切り板148のスリット148aを通過した水蒸気は、蒸発器140の上層の混合部領域R3内で混合され、この混合ガス(燃料ガス)が混合ガス供給管112から改質器120に供給されるようになっている。
一方、蒸発器140の下層の排気通路部140Aにおいて、2つの仕切り板146,147の間の排気通路部領域R2を形成する排気通路室(燃焼触媒室)184は、排気ガスの浄化機能を有する排気浄化触媒(いわゆる、燃焼触媒)を担持した複数の粒子状の充填材であるセラミックボール186が充填された燃焼触媒室となっている。また、これらの仕切り板146,147は、排気通路部領域R2内の充填材であるセラミックボール186が複数のスリット146a,147aから蒸発部領域R1の外部に流出することを防ぐ充填材流出防止板として機能するようになっている。
なお、図10においては、排気通路部140Aの排気ガスの流れを矢印で示している。
また、蒸発器140は、蒸発部140Bの上部(上側ケース142の外側上面)に、セラミックヒータなどの加熱ヒータ188が設けられている。すなわち、蒸発器140においては、加熱ヒータ188、蒸発部140B(混合部140Cも含む)、排気通路部140Aが、この順に上から下に配置されており、加熱ヒータ188の上部及び排気通路部140Aの下部に上述した断熱材7(図2及び図3参照)が配置されている。
すなわち、蒸発器140は、燃料供給配管63の供給口63aから蒸発器140の上層の蒸発室180内に供給される水について、加熱ヒータ188及び蒸発器140の下層の排気通路部140Aの排気ガスによって加熱された蒸発室180内のアルミナボール182を通過させることにより蒸発させて、水蒸気を生成処理する処理装置であると共に、排気管171から蒸発器140の蒸発器140の下層の排気通路室184内に供給された排気ガスについて、排気通路室184内のセラミックボール186を通過させることにより浄化処理する処理装置でもあるため、燃料電池モジュール2における発電に関与する流体を処理する流体処理装置として機能するようになっている。
つぎに、図13は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器の蒸発室における燃料供給配管の供給口と仕切り板との関係を示す概略図である。
図11及び図13に示すように、仕切り板148は、燃料供給配管63の供給口63aが接続される上側ケース142の内壁142aの壁面に接続されて固定される接続部190を備えている。
また、図13に示すように、仕切り板148は、燃料供給配管63の供給口63aから供給される流体(水、燃料ガス)が通過可能な複数のスリット148aを形成する流体通過面192を備えており、この流体通過面192の外側部分は、接続部190に接続されている。
さらに、図13に示すように、仕切り板148の各スリット148aは、供給口63aと流路方向に対向している対向領域194と、この対向領域194から外側に仕切り板148の接続部190まで延びる接続領域196を備えている。
また、図9及び図13に示すように、仕切り板148の各スリット148aの幅w1は、蒸発部領域R1内の充填材であるアルミナボール182の直径d1よりも小さく且つアルミナボール182の半径d1/2よりも大きく設定されている。
つぎに、図10及び図11に示すように、蒸発器140の蒸発部領域R1と混合部領域R3とを区画する仕切り板145は、上側ケース142と中間板144とにより形成される流路方向(図10に矢印で示す流路方向F1)及び蒸発器ケース141の長手方向に対して横方向(蒸発器ケース141の横幅方向)に延びるように配置されている。
また、図12に示すように、仕切り板145は、上側ケース142内の上面142bに接続されて固定される接続部198を備えている。
さらに、図12に示すように、仕切り板145は、接続部198における混合部領域R3側の端部から下方に延びて、蒸発部領域R1内の流体(水、燃料ガス)が混合部領域R3に通過可能な複数のスリット145aを形成する流体通過面200を備えている。
ここで、図12に示すように、仕切り板145の各スリット145aについては、流路方向F1に対して縦方向に延び、その上端が接続部198まで形成された後、この接続部198において、蒸発部領域R1側に延びている。また、これら複数のスリット145aは、仕切り板145の横幅方向に配列されている。
また、図9及び図12に示すように、仕切り板145の各スリット145aの幅w2は、蒸発部領域R1内の充填材であるアルミナボール182の直径d1よりも小さく且つアルミナボール182の半径d1/2よりも大きく設定されている。
つぎに、図14は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器の排気通路室における仕切り板について斜め上方から見た斜視図である。
図9、図10、図12及び図14に示すように、排気通路部領域R2を区画する上流側の仕切り板146と下流側の仕切り板147のうち、上流側の仕切り板146は、排気管171から供給された流体(排気ガス)を通過させる複数のスリット146aを形成する流体通過面202と、この流体通過面202の上部及び下部にそれぞれ形成される上側接続部204及び下側接続部206を備えている。
また、図12及び図14に示すように、仕切り板146の上側接続部204の上面204aは、中間板144の下側面144bに接続されて固定されている。
一方、仕切り板146の下側接続部206の下面206aは、下側ケース143内の底面143aに接続されて固定されている。
さらに、仕切り板146の流体通過面202は、各スリット146aが下側接続部206から上方の上側接続部204まで斜め上方に傾斜するように形成されている。
また、各スリット146aは、排気通路室184の長手方向(流路方向F2)の両端部が上側接続部204及び下側接続部206のそれぞれの部分まで延びているが、仕切り板146の互いに横幅方向に配列されている。
つぎに、図9、図11、図12及び図14に示すように、下流側の仕切り板147についても、上流側の仕切り板146と同様に、排気通路部領域R3内の流体(排気ガス)を通過させる複数のスリット147aを形成する流体通過面208と、この流体通過面208の上部及び下部にそれぞれ形成される上側接続部210及び下側接続部212を備えている。
また、図11及び図14に示すように、仕切り板147の上側接続部210の上面210aは、中間板144の下側面144bに接続されて固定されている。
一方、仕切り板147の下側接続部212の下面212aは、下側ケース143内の底面143aに接続されて固定されている。
さらに、仕切り板147の流体通過面208は、各スリット147aが下側接続部212から上方の上側接続部210からまで斜め上方に傾斜するように形成されている。
また、各スリット147aは、排気通路室184の長手方向(流路方向F2)の両端部が上側接続部210及び下側接続部212のそれぞれの部分まで延びていると共に、仕切り板147の互いに横幅方向に配列されている。
さらに、図9及び図14に示すように、仕切り板146の各スリット146aの幅w3及び仕切り板147の各スリット147aの幅w4は、排気通路部領域R2内の充填材であるセラミックボール186の直径d2よりも小さく且つセラミックボール186の半径d2/2よりも大きく設定されている。
ここで、図11及び図12に示すように、流体(排気ガス)の流路方向F2及び下側ケース143内の水平方向に延びる底面143aに対して傾斜する各仕切り板146,147の流体通過面202,208の傾斜角度αは、20度以上80度以下に設定されるのが好ましく、45度に設定されるのが最も好ましい。
つぎに、再び、図10に示すように、蒸発器140の蒸発器ケース141は、上側ケース142と下側ケース143を中間板144を介して重ね合わせた筐体からなる一体構造である。
すなわち、これらの上側ケース142の下側周縁部及び下側ケース143の上側周縁部のそれぞれに形成される鍔部142c,143bは、中間板144を介して重ね合わされ、溶接固定されるようになっている。
また、これらの鍔部142c,143bは、溶接しろとして利用できるため、蒸発器ケース141の内部が複雑な構造になっても、組み付け性を損なうことがないようになっている。
さらに、蒸発器140の組み立て時には、溶接しろとなる鍔部142c,143bを掴んで作業することができるため、蒸発器ケース141の外壁を損傷しないようになっている。
なお、このような鍔部142c,143bの溶接しろは、組み付け時に蒸発器ケース141の内壁と接触したり、熱膨張によって蒸発器ケース141の内壁と接触したりしないように、蒸発器ケース141の内壁との距離を十分に確保することができるような寸法に設定することが好ましい。
つぎに、図2、図3、図9及び図10に示すように、仕切り板146の上流側に形成され且つ排気管171の出口が接続される上流側排気通路室184a内において、蒸発器140の出口側の混合ガス供給管112の近傍には、伝熱抑制板214(図10参照)が設けられている。この伝熱抑制板214により、排気管171から蒸発器140の下層の排気通路室184aに流入した直後の高温状態の排ガスが、蒸発器140の上層の混合部領域R3内の混合ガスやその近傍の混合ガス供給管112の混合ガスを極度に昇温させることを防ぐことができる共に、上流側排気通路室184a内の排ガスの熱量が奪われることを防ぐことができるようになっている。
なお、この伝熱抑制板214については、蒸発器140の出口側の混合ガス供給管112付近における混合ガスの昇温された温度を適切な範囲に設定することができるように、伝熱抑制板214の長さ等の形状を適宜調整することが好ましい。
つぎに、図9及び図10に示すように、仕切り板146,147の間に形成される排気通路部領域R2内において、中間板144の下側面144bには、仕切り板216が取り付けられている。排気通路部領域R2内では、その下方から充填材であるセラミックボール186が充填されるため、排気通路部領域R2内の上方には、充填材であるセラミックボール186がない流路が形成され易くなる。そこで、このような箇所に仕切り板216を設けることにより、排気通路部領域R2内の上方を通過しようとする排気ガスについて、仕切り板216を通過させることにより、排ガスがセラミックボール186を必ず経由するように誘導することができるようになっている。
つぎに、図10に示すように、蒸発室180の入口側付近における上側ケース142内の上面(天面)142bにおいては、その高さが部分的に高くなるように形成されており、この部分に設けられた充填材導入口218からアルミナボール182が導入され、蒸発室180内に充填されるようになっている。また、蒸発室180内にアルミナボール182が充填された後、充填材導入口218には、蓋部材220が取り付けられるようになっている。 さらに、図10に示すように、上側ケース142内の上面(天面)142bには、蒸発室180内の流路方向F1に向かって斜め下方に形成されて、上側ケース142内の上面(天面)142bが徐々に低くなる逃がし部分222が設けられている。アルミナボール182を充填材導入口218から蒸発室180内に充填して詰め込む際に、この逃がし部分222により、アルミナボール182が蒸発室180内の流路方向F1に向かって充填されるため、アルミナボール182の充填詰め込みを容易にすることができるようになっている。
つぎに、図15は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器における充填材導入口に取り付けられた状態の蓋部材を示す概略図である。
図10及び図15に示すように、充填材導入口218には、上面が下側に凹んだ蓋部材220が固定されて封止されており、充填材導入口218と蓋部材220との固定部に溶接しろ224を作りながら、蓋部材220が蒸発室180内のアルミナボール182を上方から押すことによって高密度化することができるようになっている。
つぎに、図16は、本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置の蒸発器について斜め下方から見た斜視図である。
なお、図16においては、蒸発器の下方に配置される断熱材について一部破断した状態を示している。
図3、図10及び図16に示すように、蒸発器140と断熱材7の一部分7aとの間には、細長い棒状の蒸発器入口温度用の温度センサ230と、この温度センサ230よりも短い棒状の蒸発器出口温度用の温度センサ232の2つの温度センサがそれぞれ配置されている。
蒸発器入口温度用の温度センサ230は、蒸発器140の上流側排気通路室184aの入口付近、より具体的には、上流側排気通路室184aの外側底面(下側ケース143の外側底面143c)と排気管171の出口171aとの接続部付近で温度を監視するようになっている。
一方、蒸発器出口温度用の温度センサ232は、蒸発器140の下流側排気通路室184bの出口側付近、より具体的には、下流側排気通路室184bの外側底面(下側ケース143の外側底面143c)と排気ガス排出管82との接続部付近の温度を監視するようになっている。
また、図10及び図16に示すように、蒸発器入口温度用の温度センサ230は、蒸発器140の排気通路室184の外側底面である蒸発器ケース141の下側ケース143の外側底面143cと断熱材7との間に配置されている。
さらに、図10に示すように、排気通路室184に設けられている2つの仕切り板146,147については、蒸発器140の上層の蒸発室180の外側底面である中間板144の下側面144bと、蒸発器140の下層の排気通路室184内の底面である下側ケース143内の底面143aとを掛け渡すように配置されており、各スリット146a,147aが排気通路室184を伝熱する排気通気口となる伝熱プレートとして機能するようにもなっている。
つぎに、図10及び図16に示すように、排気通路室184内の底面である下側ケース143内の底面143aに接触している各仕切り板146,147のそれぞれの下側接続部206,212は、各温度センサ230,232の先端部付近に設けられた検出部230a,232aに対して、互いに上下方向に対向する位置からずらした位置に配置されている。
また、図10に示すように、蒸発器140の上層の蒸発部領域R1と混合部領域R3とを区画する仕切り板145は、加熱ヒータ188が上方に配置される蒸発器140の蒸発室180内の上面(上側ケース142内の上面142b)と蒸発室180内の底面(中間板144の上側面144c)とを掛け渡すことにより、蒸発器140の上側ケース142の上面に配置された加熱ヒータ188から蒸発器140に加熱された熱を伝熱する伝熱プレートとして機能するようにもなっている。
つぎに、図16に示すように、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cには、各温度センサ230,232を下方側から支持する温度センサ支持部材234,236がそれぞれ設けられており、各温度センサ230,232は、各温度センサ支持部材234,236と蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cとの間に挿入されることにより蒸発器140に対して支持されようになっている。
また、各温度センサ支持部材234,236は、各温度センサ230,232が挿入された状態で各温度センサ230,232の検出部230a,232aが蒸発器140に対して露出されるように、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cと対向する側(上側)が開放されている。
つぎに、図16に示すように、各温度センサ支持部材234,236は、それぞれの温度センサ230,232が挿入される挿入口238a,240aをそれぞれ形成する挿入側端部238,240を備えており、各挿入側端部238,240は、それぞれの挿入口238a,240aの開口断面が入口側程拡張するようにラッパ状に形成されている。
また、各挿入側端部238,240の先端は、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143c且つ側壁面143dよりも外側に突出している。
つぎに、図16に示すように、各温度センサ230,232を支持する温度センサ支持部材234,236のそれぞれは、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cの一方側に設けられて、下側ケース143の横幅方向に互いに所定距離L1を置いて配置されている。
また、図10、図14及び図16に示すように、各仕切り板146,147の下側接続部206,212が排気通路室184の底面(下側ケース143内の底面143a)に接触している幅(仕切り板146,147の下側接続部206,212の横幅)L2は、各温度センサ支持部材234,236同士の所定距離L1よりも大きくなるように設定されている。
つぎに、図10及び図16に示すように、2つの温度センサ206,212のそれぞれは、蒸発器140の一方側である図16に示す下側ケースの側壁面143dの外側に位置する各挿入側端部238,240の挿入口238a,240aから各温度センサ支持部材234,236に挿入されて支持されるようになっている。
また、図16に示すように、各温度センサ支持部材234,236は、下側に突出してその内部に各温度センサ230,232が挿入されて支持される凹部を形成する突出部242,244と、これらの凹部を形成する突出部242,244の両側に形成されるフランジ部246,248とを備えている。これらの突出部242,244とフランジ部246,248とに形成される各温度センサ支持部材234,236の鉛直方向の断面は、逆ハット状に形成されており、各フランジ部246,248は、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cにスポット溶接により固定されている。
上述した本発明の一実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、従来の固定酸化物型燃料電池装置(SOFC)では、蒸発器がモジュールケースの内部に配置されていたため、蒸発器による熱量損失が多く、また蒸発器の蒸発部の配置位置における温度降下が大きいことにより、燃料電池セルにおいて熱斑が発生し、燃料電池セルを劣化させるという問題が生じており、このような問題を解決するための手段として、蒸発器をモジュールケースの外部に配置することが主流になりつつある。その一方で、蒸発器では、昇温状態に基づいてSOFCでは欠かせない水蒸気を生成するが、この水蒸気の生成不良が生じると、燃料電池セルや改質器に炭素が付着するコーキング等の大きな影響を与えるため、モジュールケース内より温度環境が安定しない外部の蒸発器の構造では温度センサによる温度監視が重要になっている。また、従来のように、排気通路中に蒸発器を配置した形態では、温度センサが排気気流の影響を直接受けることになるため、温度を正確に監視することができないという問題があった。これに対し、本発明では、モジュールケース8の周囲を覆う断熱材7の内部に蒸発器140を設け、この蒸発器140と断熱材7との間には、蒸発器140の温度を監視する温度センサ230,232を配置することにより、排気気流や放熱の影響を受けることなく、蒸発器140が有する熱量を正確に測定することができる。したがって、温度管理が厳しい条件下でのモジュールケース8の外側の蒸発器140であっても、正確な水蒸気の生成状態を推定することができ、安定した運転制御を行うことができる。
また、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、排気通路室184の高温の排気は上方の蒸発室180を加熱して蒸発室180への熱量投入が大きくなるため、蒸発器140の排気通路室184の外側底面(蒸発器ケース141の下側ケース143の外側底面143c)は温度が低い状態となるが、温度センサ230,232が、蒸発器140の排気通路室184の外側底面(蒸発器ケース141の下側ケース143の外側底面143c)に配置されていることにより、温度センサ230,232は、蒸発器140の蒸発室180を直接監視するのではなく、蒸発室180の温度よりも低い排気通路室184の外側底面(蒸発器ケース141の下側ケース143の外側底面143c)の温度を測定することになる。
したがって、蒸発室180内の実際の温度が水蒸気ができない温度であるにもかかわらず、蒸発可能な高い温度として誤測定することを防止することができる。
また、蒸発器140の排気通路室184の外側底面(蒸発器ケース141の下側ケース143の外側底面143c)では、燃料供給配管63の供給口63aから蒸発器140の蒸発室180内に投入される水による温度降下の影響を受け難いため、温度センサ230,232が温度を正確に測定できると共に、断熱材7内に配置された温度センサ230,232の効果と合わせて、より正確な温度測定が可能となる。
さらに、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、蒸発器140の排気通路室184を伝熱する排気通気口であるスリット146a,147aが形成された仕切り板146,147が、伝熱プレートとして、蒸発器140の上層の蒸発室180の外側底面である中間板144の下側面144bと、蒸発器140の下層の排気通路室184内の底面である下側ケース143内の底面143aとを掛け渡すように配置されていることにより、蒸発室180の温度状態を蒸発室180の外側底面である中間板144の下側面144bから、各仕切り板146,147を介して、排気通路室184の外側底面である下側ケース143の外側底面143cの温度センサ230,232に伝えることができる。したがって、蒸発器140内の温度状態をさらに正確に測定することができる。
また、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、排気通路室184内の底面である下側ケース143内の底面143aに接触している各仕切り板146,147のそれぞれの下側接続部206,212が、各温度センサ230,232の先端部付近に設けられた検出部230a,232aに対して、互いに上下方向に対向する位置からずらした位置に配置されているため、蒸発室180等の蒸発器の上層の温度をより正確に測定することができる。
すなわち、伝熱プレートである各仕切り板146,147が排気通路室184内の排気で加温されているため、排気通路室184内の底面である下側ケース143内の底面143aに接触している各仕切り板146,147のそれぞれの下側接続部206,212が、各温度センサ230,232の先端部付近に設けられた検出部230a,232aに対して、互いに上下方向に対向する位置に配置した場合には、互いに上下方向に対向する位置からずらした位置に配置されている場合に比べて、各仕切り板146,147と排気通路室184内の底面である下側ケース143内の底面143aとの接触部の直下の温度センサが蒸発器140内の温度をより高い温度で検出されてしまう可能性があるが、伝熱プレートである各仕切り板146,147のそれぞれの下側接続部206,212と蒸発器140の排気通路室184内の底面である下側ケース143内の底面143aとの接触部について、温度センサ230,232の検出部230a,232aに対して互いに上下方向に対向する位置からずらした位置に配置する簡易な構成により、排気熱の熱伝導に基づく蒸発器140内の温度を正確に推定することができるようになる。
さらに、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、蒸発器140内の下層の排気通路室184内に燃焼触媒が配置されているため、排気通路室184の外側底面である蒸発器ケース141の下側ケース143の外側底面143cに配置された温度センサ230,232によって、排気通路室184内の燃焼触媒(セラミックボール186)の状態と蒸発器140の温度状態を同時に監視することができる。
また、排気通路室184内を通過する排気に加えて、燃焼触媒(セラミックボール186)による発熱反応の発生により、蒸発器140の加熱を同時に行うことができるため、気化促進が可能になる。
さらに、燃焼触媒の触媒熱が伝熱プレートである仕切り板146,147により蒸発器140内で伝熱されるため、効果的な気化促進が可能になる。
また、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、蒸発器140を加温する気化促進用の加熱ヒータ188を蒸発器140の上側ケース142の外側上面に配置すると共に、蒸発室180内には、その上面(上側ケース142内の上面142b)と底面(中間板144の上側面144c)とを掛け渡す伝熱プレートである仕切り板145を配置することにより、蒸発器140の上側ケース142の外側上面の加熱ヒータ188による蒸発器140の昇温が、蒸発室180内の伝熱プレートである仕切り板145から排気通路室184内の伝熱プレートである仕切り板146,147を経て蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cの温度センサ230,232に伝達される。したがって、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cに配置された温度センサ230,232であっても正確に温度測定が可能となる。
また、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cに温度センサ230,232を配置すると共に、蒸発器140の上側ケース142の外側上面に加熱ヒータ188を配置することにより、蒸発器140周辺の構造を簡素化し、製造コストの低減や組付性の向上を同時に実現することができる。
さらに、断熱材7内に蒸発器140を収容するための収納部の形状もシンプルになり、断熱性能差が生じることも抑制することができる。
さらに、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、各温度センサ230,232を下方側からそれぞれ支持する温度センサ支持部材234,236において、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cと対向する側(上側)が開放されており、各温度センサ230,232が、各温度センサ支持部材234,236と蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cとの間に挿入されることにより、蒸発器140に対して支持された状態で各温度センサ230,232の検出部230a,232aを露出させることができる。したがって、各温度センサ230,232が、直接的に蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cの温度を検出することができ、遅れなく正確に温度を監視することができる。
また、断熱材7と蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cとの間に各温度センサ230,232を配置したことにより、正確な温度測定が可能となるにも関わらず蒸発器140の蒸発室180内の温度を推定するには距離が離れているため、時間的な遅れが生じやすいという問題を解消することができる。
さらに、各温度センサ230,232が断熱材7内に配置されており、気流の影響等を受けるものではないため、各温度センサ230,232の検出部230a,232aが露出されていても問題はなく、各温度センサ230,232を各温度センサ支持部材234,236と蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cとの間に挿入して支持する簡易な構造にすることにより、各温度センサ230,232の取付強度が不要になり、簡単な組付けを実現することができる。
また、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、各温度センサ230,232が挿入される各温度センサ支持部材234,236の各挿入側端部238,240について、それぞれの挿入口238a,240aの開口断面が入口側程拡張するようにラッパ状に形成されているため、各温度センサ230,232を各温度センサ支持部材234,236の各挿入側端部238,240から容易に差し込むことができる。
さらに、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、各温度センサ230,232が挿入される各温度センサ支持部材234,236の各挿入側端部238,240が蒸発器140の下側ケース143の外側底面143c且つ側壁面143dよりも外側に突出しているため、各温度センサ230,232を各挿入側端部238,240の挿入口238a,240aに挿入する際に見やすくすることができると共に、各挿入側端部238,240が蒸発器140の下側ケース143の外側底面143c以外の部分から外側に突出している場合に比べて、簡易な構成で組付け性の低下を解消することができる。
また、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、各温度センサ230,232が蒸発器140の底面の一方側に設けられて、下側ケース143の横幅方向に互いに所定距離L1を置いて配置されているため、蒸発器140の蒸発室180の温度や排気通路室184の燃焼触媒の温度について、複数の温度センサ230,232で異なる複数箇所で検出して正確に把握することができる。
また、各仕切り板146,147の下側接続部206,212が排気通路室184の底面(下側ケース143内の底面143a)に接触している幅L2が、各温度センサ支持部材234,236同士の所定距離L1よりも大きくなるように設定されているため、異なる箇所に設けられた複数の温度センサ230,232に対して伝熱プレートである各仕切り板146,147から正確に熱伝導させることができる。
さらに、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、2つの温度センサ230,232のそれぞれが、蒸発器140の一方側である図16に示す下側ケースの側壁面143dの外側に位置する各挿入側端部238,240の挿入口238a,240aから各温度センサ支持部材234,236に挿入されて支持されるため、一側方から複数の温度センサ230,232を同じように挿入して固定することができる。これにより、温度センサ230,232を蒸発器140下側ケース143の外側底面143cに配置する構造であっても、容易に温度センサ230,232を支持することができる。
また、本実施形態による固体酸化物形燃料電池装置1によれば、各温度センサ支持部材234,236は、下側に突出してその内部に各温度センサ230,232が挿入されて支持される凹部を形成する突出部242,244と、これらの凹部を形成する突出部242,244の両側に形成されるフランジ部246,248とを備えており、これらの突出部242,244とフランジ部246,248とに形成される各温度センサ支持部材234,236の鉛直方向の断面が、逆ハット状に形成されており、各フランジ部246,248が、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cにスポット溶接により固定されているため、蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cに対する各温度センサ支持部材234,236の組み付けが容易になることに加えて、伝熱プレートである仕切り板146,147を経由して蒸発器140の下側ケース143の外側底面143cに伝わった熱が各フランジ部246,248に伝熱して各温度センサ230,232に素早く伝えることができる。したがって、正確かつ迅速に蒸発器140の温度を監視することができる。
なお、本実施形態では、蒸発器140の温度を監視する温度センサと、この温度センサを支持する温度センサ支持部材については、それぞれ2つずつ設けた形態について説明したが、3つ以上の複数の温度センサと温度センサ支持部材を設けてもよい。
1 固体酸化物形燃料電池装置(SOFC)
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
6 ハウジング
7 断熱材
7a 一部分
8 モジュールケース
8a 天板
8b 側板
8c 底板
8d 閉鎖側板
8d 閉鎖側板
8f 吹出口
10 発電室
12 燃料電池セル集合体
14 燃料電池セルスタック
16 燃料電池セルユニット
18 燃焼室
24 水供給源
26 純水タンク
28 水流量調整ユニット
30 燃料供給源
32 ガス遮断弁
36 脱硫器
38 燃料流量調整ユニット
39 バルブ
40 空気供給源
42 電磁弁
44 改質用空気流量調整ユニット
45 発電用空気流量調整ユニット
46 ヒータ
48 ヒータ
50 温水製造装置
52 制御ボックス
54 インバータ
63 燃料供給配管
63a 供給口
64 燃料ガス供給管
64a 水平部
64b 燃料供給孔
65 水添脱硫器用水素取出管
66 マニホールド
68 下支持板
74 発電用空気導入管
82 排気ガス排出管
83 点火装置
84 燃料電池セル
86 内側電極端子
88 燃料ガス流路
90 内側電極層
90a 上部
90b 外周面
90c 上端面
92 外側電極層
94 電解質層
96 シール材
98 燃料ガス流路細管
100 上支持板
102 集電体
102a 燃料極用接続部
102b 空気極用接続部
104 外部端子
111 排気口
112 混合ガス供給管
120 改質器
120A 混合ガス受入部
120B 改質部
120C ガス排出部
120a 混合ガス供給口
120b 貫通孔
120c 改質部
121 上側ケース
122 下側ケース
123a 仕切り板
123b 仕切り板
130 排気ガス誘導部材
131 下部誘導板
131a 段部
132 上部誘導板
132a 凹部
133 連結板
134 連結板
135 ガス溜
140 蒸発器
140A 排気通路部
140B 蒸発部
140C 混合部
141 蒸発器ケース
142 上側ケース
142a 上側ケースの内壁
142b 上側ケース内の上面
142c 鍔部
143 下側ケース
143a 下側ケース内の底面
143b 鍔部
143c 下側ケースの外側底面(排気通路室の外側底面)
143d 下側ケースの側壁面
144 中間板
144a 開口
144b 中間板の下側面
144c 中間板の上側面
145 仕切り板(第2伝熱プレート)
145a 連通孔(スリット)
146 仕切り板(第1伝熱プレート)
146a 連通孔(スリット)(排気通気口)
147 仕切り板(第1伝熱プレート)
147a 連通孔(スリット)(排気通気口)
148 仕切り板
148a 連通孔(スリット)
160 発電用空気供給ケース
160a 天板
160b 側板
161 発電用空気供給通路
161a 空気通路
161b 空気通路
162 プレートフィン
163 プレートフィン
171 排気管
171a 排気管の出口
172 排気通路
172a 排気ガス導入口
173 排気通路
174 排気通路
175 プレートフィン
180 蒸発室
182 アルミナボール
184 排気通路室
184a 上流側排気通路室
184b 下流側排気通路室
186 セラミックボール
188 加熱ヒータ
190 仕切り板の接続部
192 仕切り板の流体通過面
194 燃料供給配管の供給口と対向するスリットの対向領域
196 スリットの接続領域
198 仕切り板の接続部
200 仕切り板の流体通過面
202 仕切り板の流体通過面
204 仕切り板の上側接続部
204a 仕切り板の上側接続部の上面
206 仕切り板の下側接続部
206a 仕切り板の下側接続部の下面
208 仕切り板の流体通過面
210 仕切り板の上側接続部
210a 仕切り板の上側接続部の上面
212 仕切り板の下側接続部
212a 仕切り板の下側接続部の下面
214 伝熱抑制板
216 仕切り板
218 導入口
220 蓋部材
222 逃がし部分
224 溶接しろ
230 蒸発器入口温度用の温度センサ
230a 検出部
232 蒸発器出口温度用の温度センサ
232a 検出部
234 温度センサ支持部材
236 温度センサ支持部材
238 温度センサ支持部材の挿入側端部
238a 挿入口
240 温度センサ支持部材の挿入側端部
240a 挿入口
242 突出部(凹部)
244 突出部(凹部)
246 フランジ部
248 フランジ部
L1 温度センサ支持部材同士の距離
L2 仕切り板(第1伝熱プレート)の下側接続部の横幅
R1 蒸発部領域
R2 排気通路部領域
R3 混合部領域

Claims (12)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する固体酸化物形燃料電池装置において、
    互いに電気的に接続された複数の燃料電池セルと、
    これら複数の燃料電池セルを収容するモジュールケースと、
    上記モジュールケースの周囲を覆うように設けられた断熱材と、
    酸化剤ガスを上記複数の燃料電池セルに供給する酸化剤ガス供給通路と、
    燃料ガスを上記複数の燃料電池セルに供給する燃料ガス供給通路と、
    上記モジュールケース内に配置され、水蒸気により原燃料ガスを改質して燃料ガスを生成し、この燃料ガスを上記燃料ガス供給通路に供給する改質器と、
    上記複数の燃料電池セルにおいて発電に利用されずに残った燃料ガスを燃焼させ、燃焼熱により上記改質器を加熱する燃焼部と、
    上記改質器よりも上方に設けられ、上記モジュールケースから排出すべき排気ガスが通過する排気通路と、
    上記モジュールケースの外側の上記断熱材内に設けられ、供給された水と上記排気通路内を通過する排気ガスとの間で熱交換を行うことにより水蒸気を生成し、この水蒸気と原燃料ガスとの混合ガスを上記改質器に供給する蒸発器と、を有し、
    この蒸発器と上記断熱材との間には、上記蒸発器の温度を監視する温度センサが配置されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池装置。
  2. 上記蒸発器は、その内部の下方に形成されると共に上記排気通路が接続される排気通路室と、この排気通路室の上方に形成された蒸発室と、を備え、上記温度センサは、上記排気通路室の外側底面且つ上記断熱材内に配置されている請求項1記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  3. 上記排気通路室は、この排気通路室を伝熱する排気通気口が形成された第1伝熱プレートを備え、この第1伝熱プレートは、上記蒸発室の底面と上記排気通路室の底面とを掛け渡すように配置されている請求項2記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  4. 上記第1伝熱プレートと上記排気通路室の底面との接触部及び上記温度センサの検出部は、互いに上下方向に対向する位置からずらした位置に配置されている請求項3記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  5. 上記排気通路室内には、燃焼触媒が配置され、上記温度センサは、上記燃焼触媒が設けられた上記排気通路室の外側底面と上記断熱材との間に配置されている請求項3又は4に記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  6. 上記蒸発器の上面には、上記蒸発器を加温するヒータが配置され、上記蒸発室内には、その上面と底面とを掛け渡すように第2伝熱プレートが設けられ、上記温度センサは、上記蒸発器の底面に配置されている請求項3乃至5の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  7. 上記蒸発器の底面には、上記温度センサを下方側から支持する温度センサ支持部材が設けられ、上記温度センサは、上記温度センサ支持部材と上記蒸発器の底面との間に挿入されることにより上記蒸発器に対して支持され、上記温度センサ支持部材は、上記温度センサが挿入された状態で上記温度センサの検出部が上記蒸発器に対して露出されるように、上記蒸発器の底面と対向する側が開放されている請求項3乃至6の何れか1項に記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  8. 上記温度センサ支持部材は、上記温度センサが挿入される挿入口を形成する挿入側端部を備え、この挿入側端部は、その挿入口の開口断面が入口側程拡張するようにラッパ状に形成されている請求項7記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  9. 上記挿入側端部は、上記蒸発器の底面から外側に突出している請求項8記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  10. 上記温度センサは、上記蒸発器の底面の一方側に少なくとも2つ設けられて幅方向に所定距離を置いて配置され、上記第1伝熱プレートが上記排気通路室の底面に接触している幅は、上記所定距離よりも大きい請求項7記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  11. 上記少なくとも2つの温度センサのそれぞれは、上記蒸発器の一方側から上記温度センサ支持部材に挿入されて支持される請求項10記載の固体酸化物形燃料電池装置。
  12. 上記温度センサ支持部材は、上記温度センサが挿入されて支持される凹部と、この凹部の両側に形成されるフランジ部と、を備えていると共に、断面が逆ハット状に形成されており、上記フランジ部は、上記蒸発器の底面にスポット溶接により固定されている請求項7記載の固体酸化物形燃料電池装置。
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